週末大冒険

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ちょっと出かけてみないか。忘れかけていた、ワクワクを探しに。

【リアルタイムレポート】日本6周目の残存海岸線、中国地方と四国地方をちょっと走るわ!②

こんばんは、【週末大冒険】のYAMAです。

 

Twitterなどを見ていると、「GW後半も楽しもう」とかの文字が踊っています。

どうやら今日(2022年5月3日)からGW後半だそうなのです。

 

もう一生GWでもいいのだけど、物事には始まりあれば終わりあり。

メリハリも大事ですよね。

僕の旅も四国編が終わり、今日から後半の中国編となるのでしょう。

これを機に後半の記事を作ります。

 


「前半ってなんだよ?」というあなた、以下をご参照ください。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

それでは、後半の中国地方編!!

駆け抜けろ、日本6周目の終盤戦!!
 

 

■■■この下にtweetが入っていきます■■■

 

5日目(広島県山口県

 

 

 

これはね、呉の町の坂エリアを歩いていたときの写真です。

呉の町というのは三方を山に囲まれていて、その険しい傾斜地にまでビッシリと家が建っているのです。

その車道がすごい狭いし傾斜すごいし。

 

以前にHUMMER_H3で行って「うん全然無理」ってなったのですが、今の愛車の日産パオであれば行けるかなと思っていました。

結果、「うん全然無理」ってなり、途中で車を乗り捨てて歩きました。

どこに向かっているのかと言えば、次のツイートをご覧ください。

 

 

日本5周目では年末だったからか夕方だったからか、敷地に入れなかったユニークなお寺です。

結構歩いてヘロヘロになりながら到達しました。

 

 

 

広島市からの渋滞で、内心結構ウンザリしていました。

ちょうど海を眺められるコンビニがあったので、「ここで深呼吸をすべきだ」と、僕はそう考えたのです。

 

 

 

やっぱ「周防大島」の展望台ってどこも強烈に狭いのですな。

対向車さえ来なければ余裕ではあるのですが、そこはGW。対向車もモリモリと生産してくれていて、震えました。

 

2分くらい鬼バックさせられたときは、もう萎えました。

続いて島内の「嵩山展望台」にも行こうと思っていたのですが、辞めましたもん。

 

 

「山賊」は初訪問なので、食べてみたくって行きました。

しかし周囲数100m、あらゆる駐車スペースや路肩が車で埋まっている、阿鼻叫喚の図でした。すごすぎた。

まぁでも持ち帰りできてよかったです。

持ち帰りがあると知っていれば並ぶ必要なかったのに…。調査不足でしたね。

 

 

 

ここも駐車場が溢れていました。山陽エリア、すごすぎです。

しかし洞窟内はそんなでもなく、快適に過ごせました。

1人だとちょっと肩身が狭かったです。

 

 

トラック用品・レトロゲーム・アダルトなグッズ…。

つまり元気なおじさんが喜びそうなものが集まったお店でした。

僕?

いや、該当しなかった。元気なおじさんではないらしい。

 

 

ここいらは景勝地が少ないこともあり、こういう無料で駐車場がしっかりあってノビノビできるスポットは貴重なのです。

 

 

3回目の訪問でした。

ラスポテト、うまいのなーー!!これ、みんなも食べてみて!!

 

 

 

 

宇部市のスーパーで生活用品を買い、市内の入浴施設でお風呂に入りました。

その後は残業して下関まで走りました。

その勢いで「火の山展望台」にも登りましたよ。

数分の差で22時を回ってしまい、もう街の明かりも随分と消えてしまいましたけど、よかった。

 

 

6日目(山口県島根県

 

 

呉の「ナポレオン」のマスターが、「下関の唐戸市場で魚介を買い、外で食べるのがオツなんだ」って言うから「じゃあやります」って言い、約束を守りました。

朝の5時に魚市場がOPENするのでそれを見て、でも実際の販売だとか食堂の開店は6時ごろなので、身支度を整えた後にまたやってきて600円でフグを買いました。

 

 

8時から開門と聞いていたので「唐戸市場」でノンビリしていたけど、7時台に開いていました。

十二支のオブジェが置かれるようになってからは初訪問です。やったー。

 

 

8時台の訪問なのでまだ軽めでしたね。

このあと地獄と化して、「角島」に渡ったら橋の渋滞がすごすぎて永久に帰って来れない、みたいな状態となったそうです。

 

 

 

「一ノ俣桜公園」よりも「説明を求める」のほうがたくさん「いいね」がつくことに納得がいかないのですが。

なんて国だ、なんてフォロワーだ、大好きだぜ。

 

 

「棚田の花段」というスポットです。

偶然目について入りました。インスタ映えの宝庫ですな。

 

 

駐車場待ちの渋滞が20分ほどでした。

急に気温も上がってきて、エアコンをつけない愛車の車内はなかなか暑かったです。

しかし昼頃には駐車場待ちが2時間に及んだそうなので、まだまだマシでした。

 

 


「海鮮村北長門」で食べた、長州鶏の親子丼です。

玉子がゆるいのか、メッチャつゆだくなのか、それともその両方なのか、玉子かけご飯というか雑炊というか、そういうモイスチャーな食べ物となっていました。

まぁいいけど。

 

茶店は「カフェ・ティカル」という住宅地の奥地にあるオシャレなお店です。

ホットコーヒー、おいしかったです。

 

 

 

10数㎞の区間にレトロ自販機のお店が4つもあるという、夢のようなエリアです。

故障だの売り切れだのは、訪問してガッカリしますが、なので覚悟はしていました。

2杯でお腹いっぱいになったし。

 

実はさらにこの先に「ふるさと村 大谷屋」っていうレトロ自販機のお店があったのですが、訪問を失念していました。残念。

しかし時間的にも胃のキャパ的にも、現実的ではなかったかもしれません。

日本7周目かな…。

 

 

 

このあたりも景勝地があまりなく、毎度立ち寄るところは同じになってしまいます。

しかし夕日が綺麗だ。

 

 

野営の予定地を大きく通り過ぎないとお風呂がないので、ちょっとゲンナリでした。

ようやく辿り着いたらすごい本格的な温泉地で、「いや、ここまでのものは求めていないんだけど」っていう気持ちと「こんなところに来てしまってスゲー!お得!」っていう気持ちが半々でした。

 

…なにせ疲れていて早く1日を終わらせたかったからね…。

でも振り返ってみれば、行って良かったです。いい経験になりました。

 

 

 

7日目(島根県鳥取県岡山県

 

 

 

うん、またレトロ自販機なのですよ。

昨日の夕暮れ時に改めて調べ、「うわっ!ここにもあったかー!でももうお腹パッツパツだよ、無理。今回はスルーしようか。」って本気で思いました。

 

しかし近所でお風呂入って野営して朝一で行けば食べられるなって考え、このときに至ります。

だから「温泉津温泉」までずーっとお風呂が無かったことがいたかったのです。

温泉津温泉から、遥々引き返してきたのです。

 

 

 

ここいらも景勝地が少なめかなって思っているエリアです。

そりゃ世界遺産の「石見銀山」行けばモリモリに楽しめますけどね、今回は行かないのです。過去2回行ったし。

 

 

出雲エリアでは結構時間使いました。

行く予定になかった「日ノ御埼」もなんだかんだで行きました。

何度も行っている場所なので今回は辞めようと思ったのですが、すごい快晴なのでちょこっと立ち寄ろうかと思いまして。

 

 

 

ランチをどこか雰囲気のいい喫茶店で食べたい…って思って「宍道湖」を見ながら検索しました。

しかしGWのためかどこも休業していたのです。

3店舗目くらいで絶望に包まれていたとき、そのお店の後ろも喫茶店だったのです。

なので入りました。

 

これ、セットで500円なのですよ。

「カフェ・キャッパリ」さん、ごちそうさまでした。

 

 

 

ここはワクワクしましたね。

狙った写真が撮れて感無量でした。

 

 

 

ミュージアムの中に入浴施設が併設されているところは、大体スパイシーな施設であるという法則が僕の中にあります。

 

 

このあとは道の駅に立ち寄ったりはしたものの、なかなかに景勝地もなく淡々としたドライブとなってしまいました。

 

 

こうして山の中を走って来たのもすべて、「ベンダーショップもみぢ」を訪問するため…。在庫があって良かったです。

しかし「ログランド」がレトロ自販機を辞めてしまっていたのはショックでした。

 

 

今日もお風呂難民です。

まさか広島県まで行ってしまうとはね…。

お風呂だけ入って、また20㎞ほど引き返すハメになりました。

でも、こういうのも楽しいのです。

効率性を求めるなんて、仕事だけで充分なのですよ。

 

 

 

8日目(岡山県兵庫県京都府滋賀県・愛知県・岐阜県

 

 

「ダイショウリ」ってなんだよ…。

すみません、変換ミスです。

 

 

 

適当に走っていたら右手に「おかもと」の文字が見えまして。

思わず二度見しました。「おかもと!?あのおかもと!!」って。

懐かしいなぁ。

 

そもそもここはお弁当屋さんなので、店舗内で買おうかとも思いました。

だけども今日の朝ご飯は純喫茶とかで食べたいなって思ったので、ここで買うのはまたいずれの機会ということで。

 

 

 

僕の旅は非常にスピーディなのです。

走る距離もそうだし、観光する場所も多い。

さらにその合間にこのようなツイートもするし、家族に進捗報告もしています。とにかくジッとしている時間が皆無なのです。

 

なのでこのように喫茶店にいる時間だとか、観光地での遊歩道を歩いている時間、お風呂上りの束の間の休息時間などにガガガ…とスマホをいじっています。

せわしない…。

 

 

 

完全に1人でした。それがよかった。

兵庫県の「白鳥城」みたいに撮影する人がたくさんいたら、きっと心が折れていたかもしれないので。

終盤、電車が駅に到着しました。

なんか危機感を覚え、電車から人が下りてくる前にそそくさと撤退しました。

 

 

ここから先は、レトロ自販機最後のターゲットとなる「コインスナックふじ」を目指すドライブです。

昨日午後に内陸部に入ってから今日までの行程、レトロ自販機を繋ぐだけのためにグネグネと中国地方を彷徨うルートになっています。

 

 

 

昨日に「メテオプラザ」を見た後は、レトロ自販機を巡る旅。

それ以外の観光スポットは、レトロ自販機同士の線上にあるから寄った、みたいな感じでした。

だからこそ、このお店が営業していて在庫もあってよかったです。

 

では、帰ろう。目的は果たした。

 

 

高速道路に乗るまでの間に景勝地があったので立ち寄ってみました。

 

 

 

後述しますが、愛知県や岐阜県の山間部を明日の早朝に巡って旅の締めくくりにすることとしたのです。

尚、他には奈良県に行くプランや、愛知県の海岸線を走るプランがありました。

 

 

はい、早速心が折れています。

 

 

最近は日が長いから19:30に暗くなるでしょ。

そのあとお風呂入ったりご飯食べたりしたら、もう21:30とかでしょ。

それから明日の観光のために移動したり、明日は明日で早起きしたりすると、睡眠時間が足りない。

そういう日々を送っていたので、ちょっと疲れたのです。

 

夕食を食べたら、最近の外食続きで胃が疲れていたのか、ちょっとお腹痛くなりました。

これが辞め時だな…って思いました。

 

 

9日目(帰路)

 

 

12時までに帰宅するというミッションがあるのです。

大渋滞にならなければ余裕な時間だと判断しました。

 

 

 

毎日長距離を走っていたので、(どことは言わないけども)愛知県から自宅がとても短く感じています。楽勝です。

 

 

この1時間で、あなたからいただいた応援メッセージの最後の返信などをしていたのです。

 

おっと、だけどな、Twitterお使いのあなた。

今からでも「いいね」し忘れたツイートあったら、「いいね」してくれていいですからね!

YAMAさん喜ぶからね!

 

…というわけで、お疲れさまでした!

 

 

 

走行ルート

 

それでは、改めて全工程の走行ルートをご紹介します。

 

 

大体いつもこんなペースで命を燃やしながら走っている僕です。

 

「こんなスポットがあるよ」みたいな情報、お待ちします。

「ここのスポットの詳細を知りたい」みたいなご要望も、喜んで。個別記事の対象として検討します。

 

では、またいつかどこかの旅の空の下でお会いしましょう!!

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

【リアルタイムレポート】日本6周目の残存海岸線、中国地方と四国地方をちょっと走るわ!①

こんばんは、【週末大冒険】のYAMAです。

 

このブログを公開してもうすぐ2年となります。

だからというわけではないですが、ここで一発新しい企画をやります。

 

何と僕が、その日の出来事を執筆するのです…!!

 

「いや、それ普通だろ」・「それがブログだろ」・「なに当たり前のことをドヤ顔で言っているんだ」。

はいはいはい、わかってるっつーの。

でも、僕のような不器用な人間には、その当たり前が難しいんだっつーの。

 

 

というわけで、初めてなので成功するのか失敗するのか、いやむしろ失敗前提で…、

リアルタイムレポート。

 

 

時代は、2022年のゴールデンウィーク

舞台は、中国四国地方

ちなみに上の地図の黄色い部分が、日本6周目において一般道で海岸線を走っていない区間だ。そこを走りたい。

 

 

実行人数は、1人。

うん、そういう哀れみの目で見るな。寂しいのは慣れている。

 

使用車は、日産パオ。

10日ほど前にエンジンかからずレッカーされたけど、今はかろうじて元気だ。

この昭和時代の片鱗を引きずる車を酷使させる。

 


大体の荷物は既に積み込んだ。

毎度おなじみの車中泊スタイルだ。

ただ、たぶんだけど宿に宿泊することもある。

 

 

そして配信方法だ。

 

スマホでコツコツとフォーマットを整えながら執筆するのはちょっと大変。

そんな時間があるならアクセル踏んでいたい。

従い、Twitterで配信する。

 

twitter.com

 

あなたがもしTwitterを使っているなら…、願わくば「アホだね」みたいなボタンを押してほしいが、そういうボタンはないので「いいね」を押してほしい。

フォローしてくれると泣いて喜ぶ。

 

Twitterアカウントが無い方について。

PCだったら右側、スマホだったら下にスクロールすると僕のTwitter記事が出てくるのだが、ちょっと見づらいよね、きっと。

だからTwitterのツイートをブログに転記する形式を取ろうと思う。

 

まずは初日分はきっと明日(4/29)の夜、まさにこの記事の一番下にゴソッと貼り付けようと思うので、またこの記事を訪問してほしい。

 

 

では、あなたの2022年のゴールデンウィークも、かけがえのないステキなものとなるよう、心からお祈りします。

僕はアホまっしぐらで四国と中国地方を駆け巡ります故!!

 

 

■■■この下にtweetが入っていきます■■■

 

1日目(兵庫県岡山県

 

 

これは土山SAでした。

GWイブのためか、駐車場はギュウギュウで入り込むのにかなり苦労しました。

ここで深夜から朝まで仮眠をしました。

 

 

吹田SAですね。

ここでの眠気はなかなかハードでした。

昔と比べると体力落ちたなーと感じつつ、眠眠打破でトランス状態になってしまうことに一抹の不安を感じた次第です。

 

 

 

 

 

 

モーニングからの、流れるように明石焼き

素晴らしすぎですよね。

本当は「いまい」とは「ふなまち」といった老舗に久々に行きたかったのですが、朝では営業していなくって。

しかし純喫茶で食べる明石焼きもいいものです。

 

 

 

 

福崎の町は、あの「遠野物語」の「柳田國男」の生まれた町とあって、町中妖怪だらけです。

しかもリアリティを追求しているのな。

そりゃ子供もギャン泣きするってヤツです。いくつかのスポットを巡っていろんな妖怪を見たのですが、その話はまたいずれ…。

 

あと、このあと心霊スポットとして有名な山間部のトンネルを走っています。

ドッシャドシャの雨でした。

 

 

 

 

「太陽公園」には2時間以上滞在したと思います。

「白鳥城」は暴風雨で傘が壊れかけました。

そして内部はコスプレイヤーさんとかインスタ映えを狙う人たちが好きそうな、スタジオ的な感じのファンタスティックな内装でして、男1人で来ている僕は心が壊れかけました。

 

 

 

雨が小降りになって来たので「きらきら坂」も歩きました。

曇天であまりキラキラしていなかったけど、カップルにとってはきっとキラキラの思い出となるのでしょう。爆発しろ。

 

 

あとは「迫門の曙」っていう絶景景勝地を訪問したりしました。

その話もまたいずれ…。

 

 

 

水没ペンション村を眺めてゾクゾクしたりしました。

ここ、来たかったんですよねー。

このちょっとドロドロした雲の多い夕暮れ、最高じゃないですか。

 

 

この旅で、湯上りにコーヒー牛乳を飲むことを覚えました。

出費UP…。

 

 

 

鷲羽山展望台」は、日本1周目で僕が生まれて初めて中国地方に足を踏み入れたときに、最初に観光したスポットなのです。

ここで朝日を見たんだ。若かりし僕の、ステキな思い出よ。

 

 

2日目(香川県愛媛県高知県

 

 

 

 

僕がうどん屋を選ぶ基準は、どれだけ年季の入った建物か、だったりします。

「上杉食品」はさらに朝からの営業だったので即決でした。

「山内うどん」はかなり遠回りになってしまうけど、紹介してもらって興味を持ったので行きました。

マジ相当並んだなー…。

でも開店前だからこそ、開店と同時にすぐに食べることができたのです。

 

 

昨日が暴風雨でしたからね、ちょっと車内を喚起しました。

 

 

 

「大久保自販機」、もう1つ寒川地区にあることをご存じの方も多いでしょう。

でもそっちは行ったことあるのです。

あまり食べすぎてデブになると、GW後に家族から同一人物と気付かれない恐れがありますので、一度食べたことがあるところには行きません。

 

 

ちょっと掲載した写真が悪かったですね。

本当に綺麗なところでした。

しっかし大人気で駐車場がバースト状態。GWだなぁ…って。

 

 

今夜は宿を取っているのです。

高知市まで行くのです。

全然逆方向なんですけど、あとあと海岸線を切れに繋げるにあたり、この日はなるべく今治市まで行っておきたい。

そう思って頑張って行きました。もちろん「今治城」は最高でした。

 

 

30分ほど遅かったかなって感じました。

もう夕方で、滝壺に日が当たっていなかったのです。

前回も早朝で日が射していなかったので、いつかまた日中にリベンジしましょうね。

 

 

 

 

日本最大のセルフビルドマンション、「沢田マンション」ですね。

目の前まで来たことは以前もあるし、なんだったら沢田マンションのことを書いた本まで買ったことあります。憧れのスポット!

 

 

 

飲んだ後、徒歩2分ほどのコンビニまでコーヒーを買いに行きました。

ライトアップされた沢マンもステキでした。

 

 

3日目(高知県愛媛県

 

 

たぶん一番平和な朝だったのではないでしょうか。

お風呂も夜と朝の2回入りましたしね。

朝は「よーし、浴槽にお湯をためて浸かっちゃうか!」って思ったのですが、水圧が弱すぎて30分くらい経っても全然スネくらいの高さまでしかお湯が溜まっていなくって、最終的に半身浴で手を打ちました。

 

 

 

 

管理している方も、とってもいい方でした。

見た目はすんごいけど、しっかり愛されている物件です。ありがとう。

 

 

高知市から西方向へはしばらくいい感じの景勝地が無く、ちょっと悶々とした気持ちで走りました。

なんだか頭痛もしていて、実はイマイチだった日です。チクショウ。

 

 

「そういやGWにはどっかでTシャツアートやっているんだよなー。遥か昔、日本1周目で仲間と行きたいって話したことあったなー。」って思っていたらいきなりTシャツアートの看板が出てきたので行きました。

駐車場は非常に混雑していて、会場から1km近く離れたところにしか停められませんでした。

ちょっと疲れた。

でも模擬店を巡ると元気になるタイプの男子です。

 

 

かなり強烈な眠気と闘いつつ、「もうちょっと!もうちょっとで足摺岬だから!!」って自らを鼓舞しながら辿り着きました。

もともと足摺岬って駐車場がすごく狭くて、停められたのは500mほど離れた駐車場でした。

歩いていたら少し眠気が飛びました。

でも、その後の道の駅でグーグー寝ました。車内は暑かったです。

 

 

誤字ですね。「寂れつつある??」って打ちたかったのです。

 

 

黄色いポストは健在でした。

あと、近くの車道の真ん中に30cmはあるかと思われるミドリガメがいて、その後の運命が心配です…。

 

 

これ笑うところなんですけどね、実は「紫電改展示館」の営業に間に合わなかったのです。

4分遅れました。GWだから延長してくれていることを願いましたが、閉まっていました。

この時期の17時閉館、早いよ…。

だからこその写真、ガラス扉越しに撮影したのです…。悲しい。

 

 

 

八幡浜の町に、フラッフラになって辿り着きました。

まぁでも真っ暗になる前の到着で良かったです。

そしてお風呂に入ると少しだけ元気になるんですよね。

でも近くにいい感じの食事処も無いし、そんなに食欲もなかったのでコンビニ飯としました。

しかしこういう雰囲気の夕食、大好きなのです。

 

 

4日目(愛媛県広島県

 

 

なんか寒暖差が著しいのですね。

夜は寒さで何度も目が覚める日が多くありました。羽毛布団を持って来なかったの、失敗したなぁ…。

そして日中は昼前くらいまで上着を着ていて、昼くらいから薄手シャツやTシャツでもいけるくらいに暖かくなるのです。

よく体調崩さなかったよな。

 

 

さて、ここで有名なのがミカン売りのばあちゃんですよね。

(他にもいろんなものを強引に売って来る)

 

 

「今回はどんなやりとりができるかな」ってワクワクしながら行ったのですが、朝だったためかいませんでした。

…と思ったら、観光を終えて車で出発することおよそ1㎞。

道端に座って売っていました。

 

ミカンを頭上に大きくかかげて何か叫んでいるのがドップラー効果で聞こえました。

しかしこっちは車を走らせているので急ブレーキかけるわけにもいかず、停まったところで僕はミカンを食べられないので、笑顔で手を振ってそのまま走り去りました。

 

 

 

三崎港のコンビニで朝食を買い、ここでゆっくりと過ごしました。

1台も車がいなかったのはラッキーでしたね。

最高のロケーションです。

 

 

無人でとっても静かな駅…と思われるかもしれません。

違うのだ。カメラを構えるこっち側はすごい人なのだ。

GW効果もあって、周辺は車やバイクで溢れていました。

その一瞬の隙をついて撮影したのがこれなのです。

 

 

もちろんウソです。

松山城」は隣の丘の上に小さく見えていました。

いい散歩になりました。

 

 

 

はい、ここで2日前の今治と道が繋がる次第ですね。

しかしこれ、悔しかったなぁ…。焼豚玉子飯、食べたかったなぁ…。

 

おばちゃんが1人で切り盛りしていて、料理の受け取りも食器の返却も自分でやるというお店。水も食器も全部自分で用意。

どこに何があるのかわからないでいたら、こういうお店によくある店員とお客さんの中間生物みたいな存在の人がいろいろ教えてくれて助かりました。

 

 

 

今日のゴールは呉の町だと決まっていたのに、ものすごい遠回りをしてここに行きました。いきなり中国地方の陸地のど真中です。

でも、ここで頑張っておくときっと後がラク

今日は少し余裕があるからがんばろうってなったのです。

後述の走行ルートを見ると、このお店だけ1つ離れていて、僕のがんばりが窺い知れます。

 

 

「ナポレオン」という、大好きなバーに行くのです。

もう10年ほど前から通っています。

この店に行きたいから呉に宿を取ったのです。ワクワクが止まらない。

 

しかし、前回訪問時に嬉しすぎて酔っ払い、人生トップ3に入るくらい激しい二日酔いを体験しました。

ブレーキも同時にかけて行かねばなりません…。

 

 

マスターに前回以前訪問時のことを話したりして最高でした。

宿には21:30ごろに戻りました。

実はお風呂が共同で、そして22:30までに入らねばならないのです。

しかしお風呂は1人ずつだし、宿泊人数に対しこの環境はシビアすぎで…。

22:20に前の人が出た瞬間、滑り込んでダッシュで入浴しました。

せっかくの宿なのに、なんかせわしないぞ…。

 

 

走行ルート

 

はい、前半戦はここまでです。

では、走行マップを以下にご紹介します。

 

 

うん、もうめんどくさいので後半も書き込んだバージョンを掲載しちゃう。

GW後半戦も盛り上がって行きますよ!

 

drive-ns.hatenablog.com

 

こちらに書いていきますので、続けて読んでいただけると吉です。

それでは、引き続き良い旅をしよう!

 

No.189【長野県】本州を一点で支えるとしたらどこ!?それこそが本州のHESO(へそ)だ!

僕が「本州のHESO(へそ)」と呼ばれるスポットを探訪した記録をご紹介したい。

 

へそ、つまりは本州の中心に当たるスポットであり、それすなわち日本の中心とも言える場所だ。

なんで"HESO"ってローマ字表記にしたのか甚だ疑問であり、もしカッコつけようとしたのであれば「逆にダサくなってますよ」ってアドバイスしたいところだけど、もう遅い。

 

でも、実際に訪問したらべらぼうにカッコいいスポットで、「これこそHESOだな」って、僕は感嘆するかもしれない。

 

 

何を言っているのかわからないかと思うが、すまない僕自身もわからなくなってきた。

あと道、狭い。

 

 

本州のHESOの定義

 

最初の項目だけ、ちょっと真面目な話をさせていただきたい。

日本4周目において本州のHESOを目指すYAMAさんが狭路でワタワタしている間に、本州のHESOの定義を掘り下げておきたい。

 

これ驚愕の事実なのだが、日本の中心ってたくさんあるのだ。

そのうちの1つが、今回ご紹介の本州のHESOなのだ。

何言っているんだかわからない方も多いと思うので、リンクを貼ろう。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

詳細については上記リンク先の【特集】をご覧いただきたい。

実は日本の中心というのは日本各地に無数にあるのだ。

ぶっちゃけ30箇所くらいある。

それぞれ定義が異なるので、どれが正しくてどれが間違っている、とかはない。

 

そしてこの無数の日本の中心を全部巡ってみたいと夢見ているのが、この僕だ。

アホでしょ。

でももうほとんど踏破してしまったので、いまさらやめられない・止まらない。

 

では本州のHESOは、なぜ日本の中心と言えるのか。

 

 

これだ。

本州が真っ平らなプレートだと仮定する。

それを1点でバランスが取れるように支えるとしたらどこになるか…。

このポイントを"本州の重心地"という。


2004年、とある測量会社が調査をし、ここがの本州の重心地だと発見したのだ。

「本州の重心地=本州のHESO=日本の中心」。

広義の日本の中心と言えるだろう。そういうことだ。

 

美しい村1

本州のHESOは、上水内郡小川村にある。

日本の里100選にも登録されており、日本で最も美しい村とも言われる、小川村だ。

 

美しい村2

「道の駅おがわ」という道の駅もある。

本州のHESOの最寄りの休憩スポットなので、僕もここを中継地として使わせていただいた。

 

あともう1つ、ここで見たかったものがあったのだ。

道の駅の建物の、向かって左側にそれはある。

 

美しい村3

本州はここで吊り合う 本州の重心地 小川村

 

…このように書かれたモニュメントがある。これを見たかったのだ。

正確な重心地、つまり本州のHESOはすんごい山奥なので、一般人が気軽に立ち寄ることができるここにモニュメントを置いたのだろう。

 

見てほしい、このモニュメントのデザインを。

尖っているだろう。

この先端に、プレート上の本州が乗っているのだ。

 

美しい村4

そう、さっき図解した上の図のようにだ。

これを見たくって、この道の駅に来た。

では、目線を少しだけ上に移動させてみよう。

 

美しい村5

 

うん、本州のヤツ、どこに行った?

 

 

以前はここに本州をかたどった巨大なプレートが設置されていたはずなのだよ。

なんで無くなっちゃったのー?

壊れたのー?危険だから撤去したのー?

それとも盗まれたのー?

ダメだよ、本州を盗んだら!美しくないよ!

僕らは取り戻そうよ、あの頃の日本を!

 

…ちょっと僕はパニックになりかけた。

2022年現在は本州があるのかどうか知らないが、Webを見る限りたぶん無いままだ。

 

美しい村6

もうね、行くしかないよな、本丸へ!

本州のHESOへ!!

 

 

HESOは聖地だ

 

県道31号線をちょっと反れた道から、さらに反れて山奥に突撃する。

 

 

なかなかにローカルだぞ。ワクワクがノンストップだ。

こういう信州の山間部を夏に走るのって、最高に好きなのだ。

 

山間部を進む1

実際に僕が撮影した写真だ。

ここは落合という集落だそうだ。Googleマップには載っていないが、そう書いてある。

そして目指す本州のHESOは法地という地区にあるそうだ。

 

ちなみに看板の下に映っている、セピア色のサビッサビのバス停がエモい。

このバス停はこの後、2つに折れ曲がって朽ちる。

 

山間部を進む2

本州のHESOって、聖地なのか。へぇー…。

 

誰目線の何の聖地なのかわからないが、僕目線は日本の中心である時点で、それはエルサレムと同義ではある。間違ってはいない。

とりあえず行こう、聖地。

 

山間部を進む3

まぁまぁ狭くてワイルドな道が6km続く。

人家も施設も何もない、ただただ山の中の道だ。

 

県道36号と並行する道だが、県道の方が広いしクネクネもないので、こちらを常用する人はほぼ皆無であろうと推測する。

 

山間部を進む4

右側に唐突に小さな空き地が出てきた。

本州のHESOだ。

ここにあるってことを知らなければ、ヘタすちゃ素通りしちゃうかもなって思った。

 

山間部を進む5

一応道端には"本州のへそへようこそ"と描かれた木の立札があった。

ただし、僕の訪問時には結構老朽化して読みにくい上、木々で半分隠れていた。

車の走行中に読むことは結構に難易度高いぞ、これ。

 

山間部を進む6

そして説明板だ。

 

二〇〇四年十二月十一日 

ここ信州・小川村、法地の里「宮の入」の地に、本州の中心地点があることが確認されました。

 

東経 一三七度五八分四〇.二七〇八秒
北緯 三六度三九分一七.七五七三六秒

 

この地点は、標高差を無視した本州の平面図において、均衡を保てる点(=重心)に当たります。

中心のことを一般に「臍」と言いますが、「臍(へそ)」は「臍(ほぞ)」とも呼ばれ、母と子の命を結ぶ絆です。

 

へそを大切にすることは父母や先人の恩を忘れないこと…。

そう考えた法地の人々は二〇〇五年十一月二七日、この地に柱を建て「恩柱」と命名しました。

柱の高さは十一メートル。

以来、聖地「本州のHESO」は、いやしの里・法地会の皆さんによって守られています。 

 

何が聖地なのかはよくわからないが、僕にとっては価値があるスポットだ。

今日、ここに来れて嬉しいぜ。

 

 

本州のHESOを堪能しよう

鳴るへそ玉手箱

 

本州のHESOには一体何があるのか、詳細をレポートしよう。

尚、このレポートは西暦何年とは明記はしないが、ちょっとだけ過去のものだ。

2022年現在はバージョンUPしていると思われるので、参考程度としてほしい。

 

鳴るへそ玉手箱1

大体これが全容だ。

深い谷間に張り出すように、ベニヤ板と鉄骨で組まれたデッキがある。

 

そこに"鳴るへそ玉手箱"と書かれた木のプレート。

少し右には台座があり、ギラギラしたアルミが巻かれ、ウネウネと伸びる謎のオブジェがある。なにこれ。

 

鳴るへそ玉手箱2

それぞれのウネウネの登頂には、不思議な顔がついている。

シーサーのようでもあり、そういう表現をしたら沖縄の人に怒られそうでもあり…。

なにこれ。

 

すぐ下のベニヤ板に説明用の貼り紙があったんだけど、これは恩柱神だ。つまり神様だ、へぇー…。

そしてこの神様の口は賽銭箱のお金投入口になっている。

 

ここに硬貨を入れると、キラキラしたパイプの中を硬貨が落ちていく。

その長さはなんと21m。

硬貨は落下しながら、パイプに仕掛けられた鐘を鳴らす。

その音色の数で運勢を占うこともできるのだそうだ。

 

鳴るへそ玉手箱3

なるほど、本州のHESOで鐘が鳴るから"鳴るへそ玉手箱"というネーミングなのか…。

うん、ちょっとそのセンスに言及したいけど、面倒ごとは嫌なので口を閉ざす。

 

でも、こういうアクロバティックなアイディアは大好きだ。

小学生が夏休みに作りそうなこのクオリティを、大人になってからもずっと大事にしているここが好きだ。

 

鳴るへそ玉手箱4

上2つの首が最高だ。

こういうユルさを失ってはいけないよ、日本は。

 

 

絆のロープ

 

前項でご紹介したのは、あくまで賽銭箱だ。

肝心の本州のHESOと呼ばれる本州の重心地は、一体どこにあるのか。

 

絆のロープ1

あそこだ。

見えるかな?谷を隔てた対岸の崖の中腹に柱が立っている。

赤と白のおめでたいストライプがひときわ目を引く。

 

あれがさっき説明板を引用した『この地に柱を建て「恩柱」と命名しました』、の恩柱なのだ。高さは11m。

 

普通は"柱"って書きたいところだけど、このスポットにおいてはこれまた説明板に合った通り『へそを大切にすることは父母や先人の恩を忘れないこと』とのことで、あえての"柱"と表記するのだそうだ。

 

しかし僕の立つ鳴るへそ玉手箱のデッキから、あの恩柱までは直線距離で100mほど。

ちょっと遠いし地理的に厳しそうだ。

 

絆のロープ2

そんな心身弱き者に朗報である。

まずはさっきの写真を拡大した。恩柱からロープが伸びている。

どこまで伸びているのかと言うと…。

 

絆のロープ3

現地の図解を見てほしい。

鳴るへそデッキのすぐ後ろの柱にロープが結ばれている。

 

図解によれば、これが「恩柱に通じる綱」であり、軽く引くことで本州のHESOとの絆を確かめることができるのだそうだ。

そう、僕らはこのロープを引くことで、間接的にHESOとコンタクトが取れる!

 

絆のロープ4

ロープをグイグイと引いてみた。

100m先の恩柱とを繋ぐロープがたわみ、柱に設置された鐘がかすかな音を立てた。

なるほど、ちょっとおもしろい。

 

絆のロープ5

そのすぐ横には古い電話ボックス台のようなものがある。

そこには来訪者ノートと記念スタンプが設置されていた。

うむ、スタンプ押してみるか。

 

絆のロープ6

恩柱をかたどったデザインですな。

遠近法を活かし過ぎてすんごい三角になっているし、微妙にグネっていて不気味さも感じさせる、良いデザインだと思った。

 

さて、これでミッション終了…とはならないな。

やっぱ恩柱に行かないと。踏まないと。

 

 

目指せ恩柱

 

やっぱり、ここまで来たんだからジャスト中心のポイントに立ちたい。

危険を冒してまでは行きたくないが、道があるなら進むべきと思ったのだ。

 

恩柱1

空き地を出て、柱へ続くと思われる小路に入る。

えっと、こっちでいいのかな…??

恩柱まで歩く人をあまり想定していないのか、明確な案内が無い。

 

恩柱2

手掛かりはさっきも掲載した上図だ。

チープなデザインであるが、赤い線が柱まで行く道のりなのだろう。

なんとなくその方向に歩いた。

 

恩柱2

道はあまり整ってはいない。

こんな道をまずは谷底に向けて下がって行く。

 

どんどん道はワイルドさを増していく。

ここは整備が追いついてないな。

相当に草が生い茂ってきた。しかも朝露でベチョベチョだ。

 

恩柱3

途中には小さな木の橋もあるけど、腐りかけている。

おまけに苔が生えて滑る滑る。なんだこの冒険。

 

さらには小さい虫がたくさん辺りを浮遊している。

僕が歩いても虫はそれにあわせて僕についてくるという、望まないモテ期。

 

ただでさえ相当マニアックなスポットなのに、さらにマニアックな柱そのものを目指す人はほぼいないだろうからね、荒れちゃうのも納得ではある。

 

恩柱4

ようやくゴールが見えてきた。

恩柱をここまで運んだ人もすごいよな。

 

緑の中に埋没している階段を踏みしめ、最後の登りだ。

足元はもうグチャグチャだし、汗もかいた。

朝7時のさわやかな信州の朝のハズなのに、僕は1人さわやかから随分遠のいてしまった。

 

恩柱5

触ったぞ、恩柱!!

 

だからなんなのか。自分でもわからん。

感動も達成感も爽快感もあまりないが、触ったというステータスが大事なのだ。

 

恩柱6

恩柱を見上げ、僕は小さくガッツポーズをした。

小さな虫たちがそれを祝福するように、僕の周りをブンブン飛んでくれた。うるさい消えろって思った。

 

恩柱7

こんな日本の中心があるのだ。

こんな聖地が2022年現在も信州の山奥にあるのだ。

なんだったら、鳴るへそデッキには東屋もできていると聞いているから、より盛り上がっているのだ。

 

物好きな方がいたら、これからやってくる2022年ゴールデンウィークのプランにでも組み込んで見てほしい。

そのとき、本州の重心はあなたを中心に吊り合いが取れるのだ。

 

狭い

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 本州のHESO
  • 住所: 長野県上水内郡小川村高府1502
  • 料金: 無料
  • 駐車場: あり
  • 時間: 特になし

 

No.188【岩手県】道行く車が思わず眺めるのは山の斜面を彩る芝桜!!個人宅だが圧巻だ!

桜前線を追いかけるように、今度は芝桜のシーズンがやってくる。

だからこのタイミングで1本、芝桜に関する執筆をしたい。

 

今回ご紹介するのは、無名のスポット。

「有名じゃない」という意味の"無名"ではなく、正真正銘の名前が無いスポットだ。

 

 

それもそのはず、個人宅である。

だがしかし、その圧巻の光景から、道行く人が車を停めて見入るのだ。

駐車にうってつけのスペースまである。

 

当ブログでは、スポット名を「川崎童子の芝桜」とでも呼ばせてもらおうか。

それでは、2021年に訪問したエピソードをご紹介しよう。

 

 

責任者が橋に抱きついて離れない事件

 

ここでまずはお伝えしよう。

本記事は、最初に芝桜スポットにほど近い「道の駅 かわさき」についてご紹介する。

川崎童子の芝桜が出てくるのは後半だ。

 

なぜかって…?

そんなもん、記事の文字数を膨らませるために決まっている。

…って理由だけではいささか暴力的なので、「セットで楽しめるスポットをご紹介したいから」とでも受け取っていただきたい。

 

道の駅へ1

のっけから狭い。

道の駅に向かっているだけなのに。

 

こんな写真を掲載してしまうと「どんだけ秘境の道の駅なんだよ」って思われてしまうかもしれないが、目指す道の駅は国道沿いの広々とした雰囲気の場所だ。

かつて2・3回は行っているので知っている。

(でもこんな狭い道で行くのは初めて。)

 

道の駅へ2

これが今回の舞台のイメージ図だ。

東北の太平洋側を代表する「北上川」が広いが、その両脇の道はすごく狭かったから注意されたし。

 

道の駅へ3

途中でまだ桜が咲いていたのでテンションは上がった。

桜前線に追いついた。

 

北上大橋1

狭い道も終盤に近付くと、北上川に架かる「北上大橋」が見える。

一気に視界が開けて、この巨大橋が姿を現すのだ。

橋マニアの僕は「うおぉぉ、ブラボー!!」と叫ぶ。当たり前の反応である。

 

あの橋の右側への延長線上に、道の駅かわさきがある。

もうちょっと。

 

北上大橋2

道の駅かわさきに到着。

駐車場からも、北上大橋が背景として鎮座しているのが見える。迫力すごい。

 

…ただ、かつて来た時にはもっとしっかり橋が見えていて感動した記憶があるのだが…。

東日本大震災のちょっと後に被災地を巡りながら立ち寄ったときの写真を発掘した。

 

北上大橋3

うん、あんまり変わらなかったが、青空だし車が少なくてちょっとだけ見栄えはいいかな。

 

しかし、相当に大きな橋だぞ。

大きな北上川に架かる橋なのだから当たり前だが。

全長482mの3径間連続バランスドタイドアーチ橋。支間長は208 mあり、このタイプの橋としては2022年現在で日本最長だ。

 

この橋が架かったのは2003年。

初代の橋は1938年に架かったのだが、老朽化してきたのでこの2代目の橋を架けたのだ。

 

北上大橋4

その初代の一部は、この道の駅の敷地内にモニュメントとして今も残っている。

ほとんど誰も見向きもしないけどさ、アツいストーリーあるから説明板を読んでみてほしい。そしてこの初代の橋をそっと撫でてほしい。

 

北上大橋5

長いので内容は割愛するが、説明板の内容は大体以下の通りだ。

 

  • 今まで渡し船で不便だったので、この橋の完成はまさに交通革命。
  • 95%くらい完成したところで川が氾濫して、橋が全部流されて工事は振り出しに。
  • そのとき工事責任者が「一緒に死ぬ!」って言って橋に抱きついたので、地元民みんなで引き剝がした。
  • 水中に散らばった橋の残骸の撤去もやったので、相当大変だった。

 

みんなの橋への愛、すごすぎるぜ!

ここまでの愛があるなら、解体してお役目御免となっても、こうやって思い出を飾っておきたいよな!

先駆者の魂がこもっている!!

 

北上大橋6

顔はめパネルもあるぞ。

背景は北上大橋だ。

 

左下の黄色いボールは、かわさき花火大会のマスコットキャラである「かわたまドン太くん」だ。

前髪(北上川?)を北上大橋で留めている。

 

Twitterのフォロワー数はわずか8人であり、2018年のアカウント作成から3ヶ月で力尽き、以後2022年春現在に至るまで4年近く沈黙しているという、わりとずぼらなキャラだ。

今後の復活を祈る。

 

 

鉄神ガンライザーの腕は南部鉄器

 

カフェタイム1

道の駅の建物。

ひとまず中の物産コーナーやお土産コーナーなどを一回りし、その地域の特性を把握するのが僕の習性だ。

 

そして見つけてしまった。

道の駅の敷地内にコーヒースタンドがあるのを。

 

カフェタイム2

「Cafe Stand Halte(カフェ スタンド アルト)」という店名だそうだ。

ウッディな小屋でとても小さく、中でイートインはできない持ち帰り専用のコーヒー店

しかしそのすぐ脇には簡易的なデッキとベンチがあった。

 

「なるほど、ちくしょうズルいぞ!」って思った。

イートインのお店であれば「そんな時間はない」と言って無視もできた。

しかし持ち帰りだったら拒否する理由がない。

 

そして僕は無類のコーヒー好きなので、毎朝必ずコーヒーを飲みたい。

だけども今日はもう10時過ぎなのにコーヒー飲んでない。飢えていたのだ。

 

カフェタイム3

買ってしまった。

ちゃんとドリップしてくれたのでそこそこ待ち時間がかかったが、コーヒーの香りを嗅ぎながら待つ時間が幸せだった。

しかもチョコレートまでつけてくれた。申し分なし。

 

カフェタイム4

ここが店舗のすぐ脇のデッキ席。

ここに座って飲もう。

 

結局「イートインのお店だったら時間がないのでスルー」とか言っておいて、テイクアウトのお店でも座れる場所があるなら座ってしまうのだ。

だって座ってみたいじゃないか。それに世の中は嘘と矛盾で満ちている。

 

カフェタイム5

ビターなコーヒーが身に染みる。

苦くて酸味の少ないコーヒー、すごく好き。

 

カフェタイム6

ちなみにこのお店はワッフルも数多くあった。

ただ僕はワッフルあまり食べない人なので調査できず、この記事でも取り上げることはできない、すまん。

 

ガンライザー1

その代わりと言ってはなんだが、道の駅内の自動販売機を紹介しておこうね。

岩手のローカル特撮ヒーローの「鉄神ガンライザー」のデザインだよ。

 

その右手は南部鉄器らしい。さすが岩手。

南部鉄器で殴ったら、大抵のものは破壊できるよね。

父方のばあちゃんの家にあったから知ってる。それで人を殴ったことは無いけど。

 

ガンライザー2

2021年時点で10周年なのだそうだ。

なんという長寿番組だ。全国ものの特撮ヒーローで10年続くなんて、そうそうないぞ。

細く長く、これからも岩手県の平和を守ってほしい…!!

 

-*-*-*-*-*-

 

…というわけで執筆を完了させようとしたのだが、大事なことを忘れていた。

川崎童子の芝桜について書いていなかった。

よし、書く。最終章で書く。すみません。

 

 

知人からもらった芝桜、増殖が止まらず

 

川崎童子の芝桜の存在を僕が知ったのは、実は昨日だ。

2021年4月23日、YahooのTOPのニュース記事でここが取り上げられていたのだ。

そして翌日である今日に早速やって来た。

 

www.iwanichi.co.jp

 

Yahooのニュース記事はすぐに削除されてしまうので、その引用元となった岩手日日新聞社の記事をリンクさせていただく。

こっちは1年が経とうとする2022年現在もページが存在していたので。

 

童子の芝桜1

記事を読んでも詳細な場所は書かれていない。

Web検索しても場所はわからない。

でも何となく検討はつく。

 

上記にリンクした記事内には、『一関市川崎町薄衣字童子地区内の傾斜地』・『近くを通る市道などからの鑑賞を呼び掛けている』という2つの重要なフレーズがある。

これだけあれば余裕余裕。

 

童子の芝桜2

山間部のローカルな道が続く。

しかし結論を言ってしまうと、さっきの道の駅かわさきから車でわずか10分だ。

そんな大した距離ではない。

 

そろそろかな…とスピードを緩めつつ走っていると、視界の右隅がピンク色で満たされた。

はい、来た!

 

童子の芝桜3

芝桜を見る人は、みんな上の写真のように路肩の駐車場に車を停めている。

僕もそれに倣って愛車を駐車させてもらった。

タイミングによっては5台ほどの駐車スペースは満車となる。人気だ。

 

おじいさんおばあさんたちを乗せた、デイケアサービスの送迎車みたいのもやってきたりした。人気だ。

 

童子の芝桜4

駐車場から谷を挟んだ反対側の斜面に、芝桜が鮮やかに咲き誇っていた。

少し構図を工夫すれば、このように愛車と芝桜を一緒に写すこともできる。

 

しかしちょっと木立がジャマをしてくれる。

角度的にも、ここから少し南に歩いたほうがよさそうだ。

そう考えて歩道をちょっと歩いて戻ることにした。

山間部のクネクネ道で歩道もないから、車に注意して歩かねばならない。

 

童子の芝桜5

一望できた。最高だ。

 

Yahooの記事では記者が敷地内まで入れたためか、丘の下から見上げるようなすんごい構図だったけど、個人宅なので僕ら一般人はここからの眺めとなる。

それでも圧巻だ。

 

童子の芝桜6

僕もここについては、ほぼ岩手日日新聞さんからの情報しか持っていない。

それでも記載内容をかいつまんでお伝えしよう。

 

ここで芝桜の栽培をしているのは、2021年当時で80歳のおばあちゃん。

もともとここはタバコだとかアズキを栽培する畑だったとのこと。

 

だが10年ほど前に、友人から芝桜をもらって植えたところみるみる増殖し、今ではこんな感じに庭や畑を一面覆う大スケールになってしまったそうだ。

 

童子の芝桜7

白・ピンク・赤…。

色彩豊かな芝桜が斜面に綺麗に咲いている。

おばあちゃんが丹精込めて栽培し、草取りなどしているからこその絶景だ。

これをこうして見せていただくことができるのだから、ありがたい話だ。

 

童子の芝桜8

鮮烈なまでの春色。

北東北にも遅い春がやって来たのだと、僕はまじまじと実感した。

ここまで来て、春を実感できてよかった。

 

-*-*-*-*-*-*-

 

そして1年が経った2022年。

僕はWebをするが、この川崎童子の芝桜の今年の情報は見つからない。

今年に限らず、ここを訪れた人の情報も、Webにはほとんどない。

 

だけどもきっと今年もおばあちゃんは、今頃満開の芝桜を眺めているに違いない。

遠い地で、僕はそんなシーンを思い描く。

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 川崎童子の芝桜
  • 住所: 一関市川崎町薄衣字童子地区
  • 料金: 無料
  • 駐車場: 数台分あり
  • 時間: 特になし(個人宅につき、ご迷惑にならぬよう)

 

No.187【岡山県】春の爽やかな朝は散歩をしよう!「後楽園」を優雅に歩けば心は満ちる!

ただただ穏やかな気持ちで散歩をしたい…。

 

これ、たぶん全人類の求める夢だと思う。

「違うよ」って言うあなた、それはご自身の深層心理に気付いていないだけだ。

あるいは、あと20年すればきっと気付く。

 

毎日ドタバタし、旅に出ればハプニング連発のYAMAさんも、実は平穏な人生を臨んでいたりする。

例えば朝の「後楽園」を歩いたあの日。

あの日は本当に穏やかで、最高の朝だった。

 

どんな日だったのか、ご紹介しよう。

マジで緩急もオチもない、ダラダラした記事だが、まぁ読んでくれ。

 

 

イカとトビウオに出会う

 

ある年の4月、ちょうど桜も完全に散り、新緑の季節へと推移しようとするシーズン。

そう、ちょうどこれを執筆している今くらいの時期であった。

 

岡山駅の近くのビジネスホテルで目を覚ました。

珍しく昨夜の僕は、車中泊ではなくホテルに宿泊していたのだ。

 

なんだか治安が微妙なエリアのホテルで、夜は前の通りで深夜まで酔っ払いが「グルォォォォ!!」みたいに、それこそ野獣みたいに吠えていたんだけど、僕はそういうのは特に気にせず普通に爆睡した。

 

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朝が来た1

そしてステキな朝が到来した。

最高に晴れている。これは本格的にお出掛けする前に近所をちょっと散歩だな、って考えた。

 

行き先は日本三名園の後楽園だ。

茨城県の「偕楽園」、石川県の「兼六園」と共に日本庭園のレジェンドに君臨するスポットだ。

たぶんここから10~20分歩けば到着するから、散歩にはちょうどいいだろう。

 

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朝が来た2

シャワーを浴びて目を覚まし、7:00からの朝食バイキングに突撃した。

 

健康を考えてヘルシー寄りにしてみただけど、最終的にイカリングがやたら魅力的に見えたので揚げ物も取っちゃった。

でも清少納言も「春は揚げ物」って言っていたしな。

普段そうそうイカリングなんて食べる機会ないんだもの、しょうがない。うまい。

 

朝食後、「ちょっと近所を散歩して来るので」とフロントに告げ、後楽園に出かけることにした。

あえて街を歩くのだ。

路面電車を使うという手段も魅力的だったが、イカリング分のカロリー消費をするためにも歩くのだ。

 

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西川緑道公園1

西川緑道公園」。

これの存在は知っている。岡山市の中心部を南北に流れる小川沿いの公園だ。

もともとが江戸時代の用水路なんだよね?確か。

だから真っすぐに町に沿って流れている。

 

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西川緑道公園2

この小川沿いを少し歩いた。

少しずつ新緑が芽生えてきた町中の散歩道を感じることができた。

 

あと、平日なので岡山駅方面に忙しそうに歩いていく人々を眺められて、優越感を感じられた。

僕は普段大自然の中をドライブすることが多いが、ときおり都会に行くとこういうのが楽しい。

出勤や買い物などの日常光景。僕の知らない町でのそんな当たり前の光景を客観的に見れるのが、なんだかとても新鮮で楽しいのだ。

 

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西川緑道公園3

喉が渇いたなって思って自販機に近づいたら、焼きあご(トビウオ)のダシのペットボトルだった。

危ない危ない、誤ってこれを購入したら甘美なダシの世界に溺れるところであった。

 

このダシの自販機は少しずつ関東などにも普及してくるのだが、このときはまだ希少なものであり、僕自身この自販機を見たのは初めてであった。

 

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西川緑道公園4

2022年現在でああれば「よし買おう、すぐ買おう」ってなるのだが、当時は雑な一人暮らしをエンジョイしていたので、まだダシの奥深さには目覚めていなかった。

従い、購入はしなかった。

 

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西川緑道公園5

ペットボトルの中はよく見えないが、本物のトビウオがモリッと入っているような雰囲気であった。

なるほど、最後にこのペットボトルを資源ゴミとして出すときに悩ましいね。

 

さて、こんなことをしていたらいつまでたっても後楽園に辿り着かないので、先に進もう。

さよならトビウオ自販機。

 

 

カラスのように漆黒

 

まずやってきたのは「岡山城」だ。

その向こうにあるのが後楽園。まずは岡山城を見学し、そのあと後楽園の予定だ。

 

もともと後楽園っていうのは、お城の横に造られた日本庭園。

江戸時代前期、城主の「池田綱政」がレクレーション施設として造った庭園だ。

最初は「御菜園」とか呼ばれていたそうだけど、お城の後ろにあることから「後園」っていう呼び名となり、いつしか後楽園ってなったみたい。

 

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岡山城1

まずは堀がすごいステキ。

この無風の水辺。癒し効果絶大の水面だ。

 

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岡山城2

そして天守閣。

黒いのが特徴的。だから別名は"烏城"なのだ。

 

僕、黒いお城は大体全部好きだ。

平日の朝早くなので、お城の敷地内はほとんど誰もいなくって、近所の人がチラホラ散歩しているくらいで、すごい静か。

音も無く、雲も無くて時間が止まったようなスカッと晴れた気持ちのいい朝。

 

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岡山城3

 

そんな天気の中でこんなお城を見上げていられるなんて、贅沢だね。

昨日の夕方も雇用友えばここに来れたのだが、無理してここに来ないで、今日の朝を選んでよかったよ。

昨日は天気イマイチだったし。だから酒飲んでたんだけど、あれが正解。

 

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岡山城4

ちなみに天守閣の中には入らない。

外から眺めるだけで満足だし、そもそもこの時間はまだOPENしていないし。

 

この天守閣は第二次世界大戦で焼失して、その後に復元されたもの。

実は当時のまま現存している月見櫓っていう櫓もあるんだけど、それは写真に収めなかったので今回は割愛しよう。

 

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岡山城5

話は反れるが、夜の岡山城も訪問済みなので参考までにご紹介したい。

2月の夜21時過ぎに寒い寒いと言いながら歩いてやってきて見上げたのだ。

 

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岡山城6

周囲は真っ暗で人もいなくて怖かったが、ライトアップされたお城はカッコ良かった。

なんだか緑色ではあったが、地色が黒いことはわかる。

とても幻想的であった。

 

話を戻そう。

僕は岡山城と後楽園を隔てる「旭川」に架かる橋を渡る。

 

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岡山城7

旭川蒜山あたりから流れてきて、岡山県を縦断している。

岡山城近辺で少し曲がりくねっていて、岡山城で暮らすにあたって治水工事だとか大変だったろうなっていうのが地図を見るとよくわかる。

 

実際、江戸初期に必死に金をかけて治水事業をして、それでちょっとお金にゆとりができたから作ったのが後楽園だしな。

平和な時代の象徴。

 

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岡山城8

橋の名前は「月見橋」。風流な名前だ。

そして橋からの川面がとても澄んでいる。

「これ、ちゃんと水は流れているよね?」って聞きたくなるくらいに静かな川面。

 

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岡山城9

振り返って、後楽園の端っこからの岡山城だ。

緑に囲まれていて映える。

 

では、本題となる後楽園に入場しよう。

 

 

後楽園は曲線がステキ

 

後楽園に到着した。

複数ある料金所の南門で料金を払い、この庭園の中に足を踏み入れる。

料金は400円だ。(2022年現在は410円になっている)

 

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後楽園1

このときの後楽園は、僕にとってメッチャ久々であった。

しかもこれまでは真冬で寒くて曇った日にしか来たことが無かったので、こんなにも気持ちのいい後楽園は初めてであった。

つまるところ、気分はルンルンなのである。

 

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後楽園2

敷地に入ってすぐの池のほとり。

そこに佇む廉池軒は、第2次世界大戦の戦火をまずがれた貴重な建物の1つなんだって。

前述の池田綱政さんが一番好きだった園内施設であったと言われているよ。

 

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後楽園3

池にはコイがゆうゆうと泳いでいる。

これだけで絵になる。コイってズルい。

 

岡山城に続いて人はほとんどいなくて、静かに散歩したり写真を撮ったりしている人が数人いるのみ。

いいねぇ。日本庭園って、こういう静けさが似合う。

ツアーとかで多くの人がワイワイ来てしまったら、渋みが半減するような気がする。

いや、それってすごい自分本位な意見だけどさ、事実としてそう思う。

渋さと喧騒は正反対なのだ。

 

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後楽園4

「ここが後楽園のハイライトかな?」って思える場所にやってきた。

園内の中心にある唯心山っていう10mほどの小高い丘だ。

そこで園内で一番大きい池である沢の池を見下ろす。


この池には小さな島がいくつかあったり、そこへと続く橋が架かっていたりして、なんとも絵になる。

赤いのはツツジかな?春だもんね。

 

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後楽園5

この景観、ずっと見ていられる。

どこかで聞いたが、日本庭園って箱庭の中に世界を表現しているんだってね。

陸があり、川があり、池があり、山があり、そして家があり…。

ちょっと大きめのジオラマのような感覚なのだろうか。

 

そしてこの曲線美が見ていて飽きないのだ。

上の写真、見る限り直線が全然ない。

一見不規則と思われる曲線が形作るからこそ、見る者を惹き付けるのだろうと思った。

 

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後楽園6

今しがた"ジオラマのよう"というフレーズを使ったので、実際にカメラのジオラマモードで撮影してみた。

かわいさが格段にアップした。本当にジオラマの世界のようだ。ほしい。

 

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後楽園7

丘を降りた。

上の写真の右側に映っている建物は延養亭というらしい。

沢の池の近くにある。

 

岡山藩主の居間の位置付けであり、だからこそこの後楽園において最も重要な建造物だったんだけど、第二次世界大戦で焼失してしまったんだって。

現在の物は戦後の1960年に復元されたもの。

たまーにやっている特別公開のときじゃないと中には入れないのだそうだ。

 

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後楽園7

池の東側まで回り込んだ。

近代文明が全然視界に入らず、なんだかタイムスリップした気分になる。

 

東京ディズニーランド」は外のビル群などが見えないようにすることで夢と魔法の世界を演出しているが、後楽園は同じく現代の建物が見えないことで江戸時代を演出している…って思った。

 

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後楽園8

遠くに岡山城が見えているのがとても良い。

ここが日本&江戸版のディズニーランドだとするなら、あれはシンデレラ城だ。

 

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後楽園9

そのあとは東側の緑の多い木立の中を歩いた。

視界は開けないが、鬱蒼とした緑の中もいいね。この2・3週間できっと一気に新緑の季節となったのであろう。

この一番生命力がみなぎる緑の中を歩けば、きっと僕自身も元気になれるはずだ。

 

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後楽園10

ふと見つけた小川の中に設置された水車が、また涼しげであった。

 

さて、まだまだ庭園は広い。東京ドーム3個分ある。

全部見るには果てしない時間がかかるが、今回はここまで。

このあと行きたい場所があるし、満足したのでホテルへ戻ろう。

 

満ち足りた。

この一言に尽きる。

さすが江戸時代から維持されてきた庭園は、貫禄が違うな。

 

*-*-*-*-*-*-*-

 

ちなみに、岡山城は2021年10月~2022年11月まで大規模な修復工事をしている。

後楽園は普通には入れるが、岡山城は入れない上に工事用の足組等で覆われているので、今年の秋までに行かれる方については注意してほしい。

 

ただ、それ以上はリニューアルされた岡山城を拝むことができるな。

楽しみだな。

江戸の情緒を残す岡山は、まだまだ未来に生きるのだ。

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 後楽園
  • 住所: 岡山県岡山市北区後楽園1-5
  • 料金: 410円
  • 駐車場: あり
  • 時間: 7:30~18:00(季節により変動)

 

No.186【栃木県】今年で見納めだ!「早乙女桜並木」は伐採される!いつか復活するために!

『さよなら さくら並木 97年間 ありがとう』

 

そんな胸をキュッと締め付けられるような気持ちになる立て看板。

その後ろに広がる桜並木。

スポット名は「早乙女桜並木」だ。

 

ここの桜を見ることができるのは、2022年の春が最後だ。

このあと伐採されてしまうのだ。

 

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もう栃木県の桜シーズンも後半に入るタイミングでこんな記事を執筆してしまって恐縮だが、これだけは今年の桜の時期に書いておきたい。

 

これを見た方も急いで向かえば、まだなんとか桜が散る前に花見ができるであろう。

 

僕は残念ながら2022年の最後の桜は見ることができない。

しかし日本5周目においてここを観光した。

その思い出を、消えてなくなる前にあなたにも共有したいのだ。

 

…というわけで、今回は早乙女桜並木とその周辺の桜スポットをご紹介する。

 

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まとめて"喜連川(きつれがわ)エリア"とでも呼ばせていたただきたい。

さぁ、それでは桜を追いかけてどこまでもドライブする旅をしていた僕が、この町にやってくるぞ。

 

 

桜の咲く丘、お丸山

 

ただただツーリングマップル桜マークを追いかける旅をしている僕。

この先にどんな桜スポットがあるのだろうか。

 

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お丸山公園1

よし、ここだ。

ゴチャゴチャしていてなんだかわかりづらいが、「道の駅 きつれがわ」と「お丸山公園」の間が桜マークで溢れている。

しかも『桜並木』という文字まで見えるぞ。

 

少なくとも道の駅から歩けば全部回れるに違いない。

愛車がバカデカいので結構気を遣うのだが、道の駅に駐車できるのであればラッキーだ。行こう。

 

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お丸山公園2

喜連川にやってきた。

ここは2005年まで、喜連川町という名前で存在していたエリア。

市町村合併で今はさくら市になっている。

 

勢いあまって道の駅を通過し、さらに狭い住宅地の中を通ってお丸山公園のふもとまでやってきてしまった。

そこに広めの無料駐車場があってよかった。

 

ここがどこなのか、ちょっとさっきの地図を引用しよう。

 

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お丸山公園3

お丸山公園のすぐ右当たりの路地にいると思っていただきたい。

これ、もしかしたら山の裏側にあたるのかもしれないな…。

 

公園の左側からアプローチすれば、山の頂上付近にある展望台直下まで車で登れたような気がする。

まぁいいや、ここからもお丸山には登れそうだから。

 

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お丸山公園4

桜に包まれる山が美しい。

その山の山頂付近に立つのが「お丸山公園展望台」の喜連川スカイタワーだ。

せっかくだからあそこに行きたいよな。でも徒歩であそこまでって、結構シンドそうだな。

まぁ行くけどね。

 

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喜連川交番

駐車場のすぐ隣は喜連川交番だ。

そこに咲く桜が見事だったので、まずはここを見学させてもらった。

満開の桜、幸せ。

 

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お丸山公園5

ジグザグの遊歩道が山の上の方まで続いている。

桜を見ながらゆっくり歩こう。


歩きながらWebで調べてみると、ここはもともと喜連川城というお城だったのだね。

確かにこの丘から町を見下ろす立地は、お城に好ましい。

 

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お丸山公園6

なかなかの陽気で、遊歩道を登っていると軽く汗ばんで来る。

これは実は嬉しいのだ。

長かった冬、外にいて暑いだなんて感覚は久しく感じていなかったもんな。

春の到来が心から嬉しい。

 

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お丸山公園7

しかしだ、どうも気になる点がある。

上の写真のように、遊歩道の分岐のところどころに通行止めがあるのだ。

でも山頂に向かうにあたっては支障はない。通行止めを避けて山頂へと足を進めた。

 

山頂近く、タワーが同じ目線に見えるところまでやってきた。

そこで驚愕の事実なんだけど、これ以上はタワーに近付けないのだ。

残り100mほどだけども工事で立入禁止になっていたのだ。

 

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お丸山公園8

あれれ、どういうことだ?せっかくここまで登って来たのに。

タワーへの入場料が高額だったら登らないことも考えるけども、せめてその足元までは行ってみたかったのに。

 

あたふたしながら調べてみた。

2011年の東日本大震災で被災した影響がずっと続いているのだとわかった。

 

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お丸山公園9

 

あの地震のときにこのお丸山には大きな亀裂が走り、全面立入禁止となったらしい。

その後、復旧工事を始めたのだけども、度々台風やら豪雨やらで土砂崩れが起きて、復旧工事は延び延びなのだそうだ。

 

むしろ遊歩道をこうして山頂付近まで登れるようになったのも、奇跡的な復旧と言えるほどのダメージだったらしい。

遊歩道がある程度使えるようになるまでは、どうやら震災から6年近くかかったそうだ。

 

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お丸山公園10

すまない、それは知らんかった。気軽な気持ちで来てしまったわ。

栃木県の内陸部までも、かなりの被害が出ていたのだね。

そしてその被害がまだ色濃く残っていたとは。

 

ところで、この記事を執筆している2022年現在においても、この喜連川スカイタワーは閉鎖されている。

復旧されるのも解体するのも高額で、どうにもアクション取れない状態らしい。

大変に残念なお話だ。

 

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お丸山公園12

ひとまずここからでも展望は充分によかった。

桜の向こうには雪を被った山々の壮大な景色が広がっていた。

 

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お丸山公園13

遠くに桜並木が見えた。

あぁ、あれがツーリングマップルに記載のあった桜並木なのだろうな。

名前を早乙女桜並木というらしい。

 

あそこ行きたいな。

桜並木の前後を目を凝らして見たところ、駐車場がないっぽい。

しかし道の駅からは数100mだ。

道の駅に車を停めさせてもらい、あの桜並木まで歩いてはどうだろうか?

 

 

喜連川で古民家ランチを

 

道の駅きつれがわにやってきた。

聞いたところ、ここに車を停めて桜並木まで歩いても良いそうだ。

 

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道の駅きつれがわ

ここの敷地内の桜も綺麗であった。

そしてこの道の駅、温泉もあるらしい。なるほど、今後のために覚えておこう。

 

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吉見や1

すぐ近くに「創作厨房 吉見や」という食事処があったのでご紹介しよう。

昼時なので入ってみることとした。

 

開店時間は11:30と書いてあり、僕が到着したのは11:28の開店直前ではあったが、既に駐車場には数台の車が停まっていた。

そして開店と同時に5・6組が店内に入って行った。

 

今日は平日なのだが、平日のこの時間でこれはなかなかの反響だな。

近所の人たちなのだろう。地元ウケしているとしたら、いいお店に違いない。

 

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吉見や2

モダンな感じの古民家風のお店。

僕の通されたお部屋は天井の高い、囲炉裏が2つのある部屋だ。

 

囲炉裏そのものはガラスで封印されてしまっているんだけど、天井からは鉤(かぎ)が下がっていて雰囲気バツグンだ。

BGMもオシャレ。ウキウキしてきた。

 

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吉見や3

メニューはよくわからずに"気まぐれランチ"ってのをオーダーした。

僕自身が気まぐれだ。

 

セットメニューでお蕎麦が温かいものか冷たいものか選べるそうなので、冷たいお蕎麦を選んだ。

お丸山公園を歩き周って暑いからね、ここは冷たいのでいきたい。

 

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吉見や4

かんじんのランチの写真がボケた。大変に申し訳ない。

 

天丼にお刺身に、サラダにお蕎麦。

なんでもあり、食べたいものの全てが結集したような一品であった。

しかも安い。1000円しなかったと思う。

 

蕎麦はコシがあっておいしい。天ぷらもサクサク。

品数は多いが1つ1つのボリュームはそこまで多くないので、軽く食べられた。

 

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吉見や5

しかしな、こんな平日の昼間に桜見て1人でオシャレにランチできているって、最高じゃないか。うん、有給最高。

今頃職場は大変なのだろうが、そういうことは全部忘れよう。

 

僕は1人、優雅な世界に生きるのだ。

 

 

早乙女桜並木を眺める

 

暑い。

栃木県は昨日より10℃も気温が上がっているらしくて、今日の陽気は5月中旬並みだそうだ。そりゃ桜も満開になるよ。ブラボー。

 

道の駅からのトータル歩行時間は、なんだかんだで10分ほどだっただろうか?

さっきお丸山公園から見下ろした早乙女桜並木に到着した。

 

500mほどの道の両側に約100本の桜の木が植えられている、桜のトンネルみたいなスポットだ。

とちぎ景勝百選にも選出されている名物スポットでもある。

 

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早乙女桜並木1

なるほどなるほど、確かに綺麗だ。

 

ただ、正直なところを言うと、間違っても快適ではない空間であった。

いかんせん交通量が多い。

ま、これだけ綺麗に桜が咲いているのだから、みんな興味を持ってこの道を通りたがるのはうなずけるけど。

でも、排気ガスがなかなかすごい。寿命が縮む。

 

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早乙女桜並木2

ここは歩道も無いんだ。

しかも道もそんなに広くはないので、車が怖い。

オチオチ頭上の桜を見ることもできない。命に直結しそうだ。

 

この並木には歩行者もいるし自転車もいる。かなりスリリングだ。

車を運転する人も、せっかくここを走行していても桜どころじゃないだろう。

全員が緊張していて、ピリピリと張り詰めた空間だ。

 

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早乙女桜並木3

僕は路肩に身をひそめ、タイミングを見計らって車道から素早く写真撮影。

これを繰り返す。桜ハンターだ。

なんだこれ。桜は綺麗なのに何やっているんだ。

 

ここまでリスクを冒して桜並木を端から端まで歩くこともなかろうと考えた。

いい景色ではあるが、歩いても景色に大きな変化は無いだろうし、安全な場所で立ち止まってゆっくり眺めるのが得策だと判断したのだ。

 

こうして僕の喜連川の桜巡りは終わった。

 

-*-*-*-*-*-

 

話は2022年の冒頭に戻る。

今年が、現状の早乙女桜並木の桜を見られる最後だ。

6月ごろにはこれらの桜並木は伐採されるとのことだ。

 

理由は2つ。

1つは道路拡張のため。その必要性は、現地を歩いた僕としても納得であった。

もう1つは桜の木の衰えによる、枝などの落下だそうだ。

…そっか。

 

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早乙女桜並木4

ソメイヨシノの寿命はおよそ70~90年。

それに対し、この桜並木は97年前の大正時代からあるという。

確かにそろそろ衰えてきてしまうのだろう。

 

調べたところ、道路を拡張したらまた新たに120本ほどの桜を植えるそうなのだ。

すぐに見栄えのある景観になるかどうかは知らないが、早乙女桜並木はまた復活するのだ。

 

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早乙女桜並木5

97年前は、道路は舗装されていなかっただろうし、車もこんなにガンガン走っておらず、のどかな景色であっただろう。

 

車通りや排気ガスについて苦言してしまったが、ずーっと昔から喜連川の人たちに愛されてきた桜並木だから、こうして今日まで存在してきたのだろう。

 

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早乙女桜並木6

伐採されるのは悲しくはあるが、未来に向かって躍進してほしい。

そして現在の桜については、97年間本当にありがとう。

遠い地から僕も感謝の気持ちをお伝えします。

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 早乙女桜並木
  • 住所: 栃木県さくら市早乙女108-4
  • 料金: 無料
  • 駐車場: 臨時駐車場があるらしいが詳細不明
  • 時間: 特になし

 

No.185【群馬県】日本のへそは渋川市!?そこに立つ臍地蔵はメッチャでべそだったぞ!!

"日本の臍(へそ)"、つまりは日本を人体に例えたときの中心点は群馬県渋川市にある。

日本の中心渋川市だったのだ。

 

そこに何があるのかと言うと、日本の臍や日本の中心を示す碑や掲示物があったり、臍地蔵というお地蔵さんがいたり、記念スタンプがあったり、へそ音頭が流れるボタンがあったりと、狭い一角がゴッチャゴチャのカオスなお祭り騒ぎになっている。

 

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そんな愉快なスポットに、僕だって行きたい。

僕も一緒になって日本の真ん中を感じながら、コイツらとわちゃわちゃしたい。

 

そんな夢を叶えた話を今宵は語ろうか。

 

 

日本の臍ってなんだろう?

 

まずは日本の臍について説明しなければなるまい。

日本の臍は、数ある日本の中心の1つである。

何言っているんだかわからない方も多いと思うので、リンクを貼ろう。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

詳細については上記リンク先の【特集】をご覧いただきたい。

実は日本の中心というのは日本各地に無数にあるのだ。

ぶっちゃけ30箇所くらいある。

そしてこの無数の日本の中心を全部巡ってみたいと夢見ているのが、この僕だ。アホでしょ。

 

その中の1つ、群馬県には日本の臍というスポットがある。

難しい文字だが、漢字で書かねばならない。

なぜなら兵庫県に「日本のへそ」というスポットがあり、そことの差別化を図る必要があるからだ。

兵庫県のほうは、ひらがななのだ。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

なんでこんなにも日本の中心が乱立しているのかというと、それぞれ日本の中心の定義が違うからだ。

有史以来「図形の中心とは、このように求めること」ってズバッて定めた人が皆無なので、とんでもなくガラパゴス化してしまっている。

 

 

日本の臍は、上記のような定義で日本の中心だとアピールしている。

本土最北端の「宗谷岬」と、本土最南端の「佐多岬」。

それらの2点を円で結んだ中心が日本の臍なのだ。

 

なるほど、我々がイメージする漠然とした日本の中心のイメージに近い場所のではなかろうか。

しかし草葉の陰で円に入れなかった沖縄県民がきっと泣いている。

 

それにこれは重要なことだが、「宗谷岬佐多岬を直径とする円」ではない。

宗谷岬佐多岬を経由する円」なのだ。

 

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宗谷岬佐多岬を直径とする円」と仮定してみよう。

これ、1秒考えればわかる話だが、わざわざ円を描く労力すらいらない。

イコール「宗谷岬佐多岬を直線で結んだ半分の地点」だからだ。

そしてそこは日本海だ。

 

これじゃあ地域起こしができない。

だからここを日本を中心だとアピールしている人は1人もいない。

 

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かといって、「宗谷岬佐多岬を経由する円」としてしまうと、実はそんなものは無数にある。

つまりその円の中心も無限にある。

"日本の臍"とは群馬県が中心となるように宗谷岬佐多岬を経由する円を描いた」、これに尽きると思う。

 

Web検索しても誰もこの定義に対する言及、書いていないのな。

コペルニクス的転回??

地動説みたいに唱えたら群馬県民にWebごと存在を抹消される??

 

もちろん、先ほど書いた通り我々がイメージする漠然とした日本の中心のイメージに近い場所ってのが大事だと思う。

根拠は後付けていいのかもしれない。

みんな違ってみんないいのだ。

 

グダグダ言っても不条理だ。

行こうじゃないか、日本の臍、群馬県渋川市へ。

 

 

臍地蔵との出会い・再会

 

日本の臍には、臍地蔵というお地蔵さんが立っている。

僕とこの臍地蔵との出会いは古い。

 

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日本3周目1

あえて西暦何年…とは言わないが、現在日本6周目をしている僕が、日本3周目時代に初めて訪問している。

日本の中心に興味を持ったのが日本3周目であり、その最初期に訪れたのだ。

「まずはここだ!」という強い決意が僕にはあった。

 

場所は渋川の街中、かなりの中心地の寄居町というところだ。

その「寄居町会館」の前が日本の臍である。

 

結構車通りも多いし歩行者も多く、カメラを構えるのも恥ずかしかった。

従い、上の写真はその動揺のせいでちょっとブレたのだ。

しかもあまり多くのバリエーションの写真を撮れなかったことで、悔いが残った。

 

ちなみにお地蔵さんの向かって右側にはコンクリートで作られた日本の臍中心標があった。

 

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日本3周目2

向かって左側には、「ここが日本の中心 日本のまんなか 臍地蔵」という標柱もあった。

ただしこれは老朽化のためか2022年現在は存在していない。上の写真は今となってはなかなかレアだぞ。

 

*-*-*-*-*-*

 

そしてしばらく月日は流れる…。

僕は再び寄居町会館前の近くにやって来た。

 

「懐かしいな、どこだったかな…」と、薄っすら記憶のある町中をキョロキョロする。

そしてとある道路の角を曲がると…。

 

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寄居町会館1

はい、あったあった。

この建物が寄居町会館である。週末なのでドアは閉まっている。

そしてその建物の側面、一角の色彩がやたらと豊かで目を引く。あそこだ。

 

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寄居町会館2

お地蔵さんがチラリと見える。

しかしなんだかやたらと賑やかになったなー、これは楽しくなってきたぞーって、気分が盛り上がる。

 

こうして日本の臍、再訪。

2022年現在の愉快な日本の臍を次項でご紹介しよう。

 

 

日本の臍は盛り上がる

 

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日本の臍1

冒頭にも掲載したが、上記が日本の臍の全容だ。

しかしアレだな。誰が主人公だかわからねー。

 

それでも、実は入りきらずにフレームアウトしてしまった要素もあるのだが、それらは追い追いご説明しよう。

 

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日本の臍2

まずは日本の臍の由緒が書いてあるので、ザクッと目を通してもいいかもしれない。

記載内容は以下の通りだ。

 

日本のまんなか へそ地蔵

ここには古くから日本の中心と言われる「へそ石」があります。

それにちなんで、昭和五十九年にこの「へそ地蔵さん」が建立されました。

その名前のとおり、御尊体のまんなかに立派な「おへそ」があります。

「おへそ」は母と子の大切な「きずな」であり人間愛の象徴であります。

お参りの方は「おへそ」をなぜてから合掌し、参拝してください。

必ずあなたの家庭円満、健康、安産、愛情、友情、縁談等、又子供達の学業向上等が願成されるでしょう。

どうぞ「おへそ」にふれて感謝の心で祈念して下さい。

 

…とのことだ。

 

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日本の臍3

そしてこれが臍地蔵である。

コロナバージョンで赤いマスクをしている姿だ。

そしておへそがある。心配なくらいに赤く腫れあがっている。

 

でべそってヤツだ。なんか死語のような気がするし僕もほぼ使ったことが無い言葉だが、でべそってヤツだ。

服の上だと思うのにどうして…という疑問もあるが、まぁ触れないでおこう。

 

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日本の臍4

しかし日本の臍に鎮座する、ありがたきお地蔵さんだ。

記載の通りおへそをなででから参拝した。

これで僕の家庭円満、健康、愛情、友情、縁談の願成が約束された。

 

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日本の臍5

ちなみに臍地蔵が立っている台座には日本地図が描かれている。

そしてその日本地図の渋川市に当たる部分にもへそがある。

平面の無機質な日本列島に、立体的な有機物であるへそ。

なかなにシュールだな。これもなででおいたけど。

 

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日本の臍6

そしてこれがへそ石だ。

さっきの説明板で『古くから日本の中心と言われる』と書いてあったが、それ以上の説明はなく、よくわからない。

だから調べたことがある。

 

すると、奈良時代の初代征夷大将軍である「坂上田村麻呂」が、蝦夷(今の東北)遠征から帰る途中で「ここいら辺が都への帰路のちょうど半分だから、ここを日本の中心にしようぜ。はい、この石が中心ー。決めた。」って言ったらしい。

うん、ちょっと待て。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

上記で取り上げた「つぼのいしぶみ」。

これも坂上田村麻呂青森県で「ここが日本の中心だ!」って言って、石に"日本中央"と刻んだことに由来している。

 

おいおいアイツ、結構アバウトな性格だぜ。

いたるところで日本の中心を作り、そこかしこの石にその大役を背負わせているのではなかろうか。

そういう考え方をすると、なんか坂上田村麻呂に変な親近感を持てるような気がした。

 

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日本の臍7

次はそのへそ石の右、渋川へそ祭りについての説明板だ。

 

もう記載内容を全部転記するのは疲れるのでやめるが、昭和58年から続く「へそ祭り」という町起こしのお祭りについて説明されている。

お腹に顔を書いて踊る祭りだな、知っている。

 

着目すべきは説明板の左下部分。

『ボタンを押すとへそ音頭が流れます』って書いてある。

よーし、流したい!

この渋川の町に陽気なへそ音頭を轟かせたい!

 

…で、ボタンはどこだ??

ちょっと迷った。

結論、一番左下の「留め具かな?」って思っていた部分がボタンだった。

 

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日本の臍8

押した。

しかし何の反応も無かった。

ちょっと悲しかった。

 

壊れたのだろうか?

それともこのコロナ禍で、こういう陽気な音楽は自粛しなければならないだろうだろうか?

聞きたかった、へそ音頭。

 

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日本の臍9

はい、さらに右。

そこに立つのは「日本の臍中心標」だ。

北緯三六度二九分・東経一三九度〇分という経緯度も書いてある。

まさにここが臍であることを地理的に示している。

 

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日本の臍10

さらに右に行こう。

そこには記念スタンプを押せるスタンプ台がある。

 

えっとー、何かスタンプを押せる紙はあったかな?

バッグの中を探ると僕のバイブル、ツーリングマップルがある。

よし、これに押そう。

 

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日本の臍11

スタンプは2種類あったので、両方押した。

ちょっとインクが乾き気味だったのと、スタンプ自体の劣化も少々あったので、少しボケた。だがこれも思い出だ。

どうやらどちらも臍地蔵のイラストのようだね。

 

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日本の臍12

ちなみに、さらにその右には「秋葉神社」という神社がある。

小さな社がポツンと置いてあるだけだが。

 

秋葉神社というのは、防火の神様を祀っている。

日本の臍とはおそらく関係の無いものだが、せっかく隣にあるのでこの場を借りてご紹介させていただいた。

 

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日本の臍13

臍地蔵の左側を見てみよう。

まずは小さなお地蔵さんがもう一体いる。

このお地蔵さんについては詳細は不明であった。誰か群馬の詳しい人、教えてほしい。

 

その左には群馬県のマスコットキャラクター、ぐんまちゃんだ。

知らない人は「顔が2つある!手が4本ある!」とビビッてしまうだろうが、本当の顔は上の方だ。

下の顔は前述のへそ祭りのために、お腹にペイントした顔であろう。

手が4本ある理由は知らない。

 

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日本の臍15

最後に、写真の左下の赤囲みした部分を見てほしい。

マンホールだ。

 

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日本の臍16

日本の臍を表すマンホールだ。

日本列島にクロスするように入った座標時期もカッコいいし、色使いもカッコいい。これは気に入ったぜ。

 

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日本の臍17

この狭い敷地に多大なる情報量をごった煮のように集約させ、その頭上にはハンドメイド感の溢れる『』だ。

 

いやぁ、楽しい時間を過ごせたなぁ。

大好きすぎるぜ、ここ。

そしてまた時間を置いて再訪したら、どこかしらリニューアルされている気もするぜ。

 

綺麗に管理され、そして愛を感じるスポット。

これからもずっと、ほのぼのするような空間であってほしいと願う。

(あと、へそ音頭ボタンを直してほしい)

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 日本の臍(臍地蔵)
  • 住所: 群馬県渋川市渋川2110-21地先 寄居町会館前
  • 料金: 無料
  • 駐車場: 無し、近くのコインパーキングを使用のこと
  • 時間: 特になし

 

No.184【三重県】ここは本当に令和時代!?驚異のボロボロSAで絶品どて焼きを味わおう!

「あそこのサービスエリアのメシがうまいんだ。食いに行こうぜ。」

 

…まぁ普通にありえるセリフだと思う。

これを聞いたあなたは、どんなところをイメージするだろうか?

 

ピカピカの清潔感のある高速道路のサービスエリア。

明るい雰囲気のお店で、全国を行き交う車を眺めながら、ちょっと粋なご当地グルメを味わう。

…と、こんな具合であろうか?

 

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これは海老名SA

確かにサービスエリアのグルメってTV番組でもよく取り上げられることがあるし、サービスエリアに立ち寄ることだけを目的にドライブするなんてのも全然アリな時代である。

NEXCOが発足して以降、全国のサービスエリアやパーキングエリアもリニューアルが進み、さらにスタイリッシュな施設になったと感じている。

 

…だがな、今日はそういう話をしたいんじゃないんだ。

そういう系のサービスエリアじゃないんだ。

 

え? 「じゃあ、どういう系か」だって?

 

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伊賀上野SA

 

こういう系だな。

 

 

本当にサービスエリアなのかと疑ったあなた。

ちゃんと写真を見てほしいものだぜ。

 

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サービスエリア

疑う余地もない、サービスエリアである。

 

おいおい、「廃墟じゃねーの?」とか思うなよ。

サービスエリア内の「味のお福」さんは今日も元気に営業中だ。しかも名物のどて焼きがメチャ人気でメチャうまい。

 

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どて焼き

今日は、この名阪国道_伊賀上野サービスエリア(以下SAと略す)にスポットを当てたい。

 

 

廃墟系SA、現る

 

名阪国道

三重県奈良県を繋ぐ無料バイパスである。

"高速道路"というくくりには入らないのだが、自動車専用でインターチェンジもあるしサービスエリアもあり、使用する上ではまるで高速道路のような感覚だ。

 

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名阪上野ドライブイン

2022年3月末で、55年の歴史に幕を下ろした「名阪上野ドライブイン」も名阪国道にある。てゆーか、今回取り上げる伊賀上野SAのほぼ向かいあたりにある。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

名阪上野ドライブインも滑り込みで2回も訪問しているので、もしそっちも気になるという方がいるなら、上のリンクから飛んで行き、そしてここに必ずやまた戻ってきてほしい。

 

話を伊賀上野SAに戻そう。

 

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初秋の伊賀上野1

僕はかつてもここには来たことがある。

「すげーなー。渋いなー。」って心ときめいたものだ。

 

上の写真にある通り、駐車場とSAの建物を隔てる鉄柵があるあたり、もうクローズされている感がすごい。

周囲の緑の濃さも、建物を飲み込んでしまう勢いだ。

 

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初秋の伊賀上野2

建物の上に乗っている看板には「レストラン」の文字がある。

その下、建物本体にも伊賀上野…」という続きが朽ちて読めない文字列の後に、フォークとナイフのマークがある。

 

この看板の下部に当たるメインの施設はガチで廃墟だが、隣接する建物には確かに食事処があるのだ。

とても"レストラン"とは形容しがたいし、フォークもナイフも無いようなお店だが。

 

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初秋の伊賀上野3

そのお店の名が、冒頭で一度名前をお出しした"味のお福"である。

伊賀名物のどて焼きのお店である。

どて焼きとは、牛スジの煮込みだ。このあたりはあとで詳しく解説する。

 

ガラスの向こうは全面カウンター席であり、ワイルドな男たちがひたすらどて焼きを食べている。

僕も何度か「食べてみたいな」って思っていたのだが、大体僕がここに来るときというのは、名古屋のヘンテコでデカ盛りな喫茶店で腹いっぱい食べた後だったりして、とてもどて焼きまでは入らないだろうってなった。残念極まりない。

 

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初秋の伊賀上野4

だから自動販売機でドリンク1本だけ買って立ち去ったり…って感じだ。

 

しかしそんな悠長なことも言っていられないかもしれない。

前述の名阪上野ドライブインが閉店すると聞いたとき、一瞬こっちのことかと思ってしまった。

 

結果間違いだったのだが、こっちもこっちでいつ閉鎖されるとも限らない。

お福は人気店だから、SAの建物が取り壊されたとしても移転するなり何なりで永久不滅だと信じているが、この雰囲気が残っているうちにお福でどて焼きを食べておかねばならない。

 

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初秋の伊賀上野5

だから冒頭のセリフを自分自身に言い聞かせるのだ。

 

「あそこのサービスエリアのメシがうまいんだ。食いに行こうぜ。」

 

僕は1人、伊賀を目指す。

お福のどて焼きを食べるために。

 

 

崩壊美を楽しもう

 

お福の営業時間は、Webを見たところ11:45~と書いてあるページと12:00~と書いてあるページがある。どちらが正解なのか僕は知らない。

 

そして大きな懸念事項が1つある。

お福の定休日は、Webを見たところ月曜日と書いてあるページと不定と書いてあるページがある。どちらが正解なのか僕は知らない。

 

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開店するのか?1

僕は名阪上野SAにやってきた。

時計を見ると11:40だった。

 

あと、大事なことなんだけど今日は月曜日だ。一応祝日ではあるけど。

現時点でお店にはシャッターが下り、営業を開始する気配はない。

 

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開店するのか?2

これは大きな誤算だったな。

月曜日が定休の可能性があるという情報は、既に旅立ってから仕入れたのだ。

事前調査が不足していた。

 

これでもし開店しなかったら結構笑える。

きっと僕、泣きながら笑う。

 

手元の時計は11:45を過ぎた。

お店は開店しない。

 

15分後の12:00、そこですべての結論が出るに違いない。

 

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廃墟SA1

とりあえずこの15分で、SA内の様子を少しお見せしよう。

 

まずはメインであったと思われる建物が上の写真だ。

しかし廃墟化している。この建物の扉が開いているシーンを見たことは無い。

 

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廃墟SA2

…というより、扉は封鎖されている。

開ける気を感じさせない風貌である。

 

次は、上の写真から少し目線を右にずらそう。

自動販売機の右側だ。

 

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廃墟SA3

自動販売

ホットアイスコーヒー・缶飲料

ハンバーガー・カップラーメン

かき氷・タバコ

 

…このようにデカデカと書かれた看板が頭上にある。

文字配置的に、これは自動販売機のラインナップを示しているのだろうか?

しかし自動販売機のラインナップにハンバーガーやラーメンは無い。

 

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廃墟SA4

かつてはハンバーガーやラーメンの自販機があったのだろうか?

であれば、レトロ自販機好きの僕としては見てみたかった光景だ。

 

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廃墟SA5

そのまま建物に沿って路地に入ってみた。

自動販売機が並んでいる。ちゃんと全部健在だ。

 

頭上は以前はアーケードだったのかもしれないが、現在は鉄骨のみである。

日当たりがいいし風通しもいいね。

 

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廃墟SA6

入口の看板を見上げる。

SA本体の建物の軒下部分が少し写っているが、それの朽ち果てっぷりがヤバい。世紀末である。

 

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廃墟SA7

改めて、自販機横丁の全容だ。

右側の建物はお福方面。このさらに右側にお福がある。

行き止まり部分の廃墟感もいい味を出しているなって感じた。

 

 

その店は果たして開くのか

 

本題に戻ろう。

どて焼きのお福さんは開店するのか。

それが今の僕にとって最も大事な事項なのだ。

 

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デッド オア アライブ1

開店する可能性はあると感じていた。

 

これだけ何もないSAなのに、それなりに車もバイクも人もいたのだ。

しかも何をするわけでもなく、みんな手持ちぶさたな顔をして、空虚な時間を過ごしている。

 

僕が陽気なアメリカ人であれば、「やぁみんな、お福の開店を待っているのかい?」って笑顔で聞けるんだけど、シャイなメガネボーイなのでそれはできかねる。

 

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デッド オア アライブ2

でも、感じるのだ。

この開店前のヒリついた空気を。

 

そして周囲の人たちは、散歩中の犬がときおり飼い主をチラリと見るような感覚で、お福の方をチェックしているのだ。

さぁ、お福。あとはオマエがそのシャッター開けるだけなんだぜ。

 

…だが、まだシャッターは微動だにしない。

 

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デッド オア アライブ3

12時数分前のことだ。

周囲の人々がふわりとナチュラルに集まって、お福の前に行列を作った。

僕も自然にその列に合流してみた。

前から8番目だ。

 

よし、これでみんなお福目当てであることに確信を持てた。

運命共同体である。

 

時計を見た。

12時を少し回っている。

あれ?大丈夫?本当に開店するの?

 

内心少しドキドキしているが、それを表には出さないように虚勢を張り、行列の中で静かに待つ。

 

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デッド オア アライブ4

 

12:04、シャッター開いたーー!!

 

 

店員さんの案内でみんなゾロゾロと店内に突入する。

僕も半分くらいスキップしながらこれに続いた。

夢見たどて焼き、食べられるぞ!

 

 

絶品どて焼きは超ボリューム

 

カウンター席のみで、15席ほどだろうか?

入って左側から順番に座るように案内された。

 

左の人から順番に注文を聞かれている。

えっと、メニューメニュー…!

 

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どて焼き1

メニューは壁に貼ってある。

どて焼き以外にも、うどんとかおでんとかお茶漬けとかある。

しかし僕はもちろんどて焼きだ。

 

どて焼きの定食ってどこに書いてあるのか、ちょっとわからなくって焦る。

あるよね、定食?

そしてキョロキョロするのも恥ずかしい、メニュー見ようとするとその前の人と目が合うからさらに恥ずかしい。

 

そうこうしているうちに、メニューのヒアリングがどんどん進んでいる。

 

  • 1人目:「チュー」
  • 2人目:「チュー」
  • 3人目:「チュー」

 

大のオトナのおじさんたちがネズミのように、示し合わせたかのようにチューチュー鳴いている。

一瞬ここはどういう世界なのかと混乱したが、「なるほど、これきっとどて焼き定食の中盛りサイズを示しているのだろうな」って理解した。

どて焼きメインのお店だから、どて焼きをオーダーすることが前提のシステムだ。

 

  • 4人目:「中」
  • 5人目:「中」
  • 6人目:「中」

 

ところで中サイズっていかほどなのだろうか?

僕の場合は小でもいいような気もするが、あなたはこのチューチュー大合唱を自分のところでストップさせる勇気、ありますか?

人から人へと脈々と受け継がれてきたこの歴史、あなたの代で終わりでいいんですか?

 

  • 7人目:「中」

 

優しい世界に、カンパイ…!

8人目の僕も「チュー」と鳴いた。

 

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どて焼き2

すげーの来た。

いや、写真ではこのスケールは伝わらないだろう。

肉皿が小さく見えるかもしれないが、むしろ大きい。

その前列に鎮座する茶碗とお椀がハンパない大きさなのだ。

 

奥のグラスと対比してほしい。

ご飯は軽く2膳分はある。

味噌汁のお椀は見たことないようなサイズだ。そばやうどん用の丼だろ、これ。

来た瞬間、ヤベーなって思った。

 

しかし、今日はまだ喫茶店ピザトーストを食べたのみだ。それなりに空腹だ。

それに、最近は家族に「あなた最近よく食べるようになったのね」と言われたりしている。ご飯をお替りすることもあるのだ。

 

自分を信じろ!

いただきます!

 

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どて焼き3

どて焼きとは、牛スジ肉を味噌やみりんでトロトロになるまで煮込んだものだ。

正直僕、どて焼きと呼ばれるものを食べたのは人生初だ。

 

モツ煮に似ている感覚かな?

最強にトロトロ。脂のインパクトが結構すごい。

 

醤油の塩味・油のコク・みりんのほのかな甘み。

これってさ、フライドポテトやスナック菓子を食べるのをやめられない無限ループと理屈は一緒だよね?

塩分が油を求め、脂が塩分を求める。脳が快楽物質を放出し、「もっと食べさせてくれ」と僕の肉体に信号を送る。

ご飯も進む。「食べる」というより「口に放り込む」というレベルだ。

 

…ただ、早くも脂分がズッシリ来たよ。

 

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どて焼き4

はいこの写真、あなたは「食べる前に2枚写真を撮ったのかな?」って思われるかもしれない。

 

違うんだ。

腹8分目記念で撮影したんだな、これ。

 

2・3割しか食べてない時点で、腹8分目に達した。

これヤバいってヤツだ。

ガッツガツ食べていたつもりだが、いかんせん元の量が多いのだ。

 

どいつもこいつも右にならえでチューチュー言いやがって、和を崩すのを恐れているから僕がこうなる。

いや、チラリと左の先輩方を見ると、みんな黙々と食べ進んでいて僕だけ焦り顔なんだけどな。僕だけ少食だった。

 

とりあえず、腹8分目ということは、残り2割の胃のキャパがある。

これを最大限有効活用しよう。

 

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どて焼き5

もうちょっと!!

もうお腹は限りなく飽和状態だが、先が見えてきた。

備え付けの七味唐辛子を振ったらブーストがかかったのだ。

 

もう「ウップ」ってなるくらいだけど、もうちょっと頑張れる。

うまくいけば完食できる。

 

さて、もう左端の先に座った人から順に「ごちそうさまでしたー!」って退店が始まっている。

左から順に退店ラッシュが僕方面に近づいてきている。みんな何食わぬ顔で完食してやがる。

 

これ、ラーメン業界で言う「ロットを乱すな」ってヤツか?

いい感じの順番で完食させ、カッコよく会計したいものだ。

 

最後掻き込み、味噌汁で一気にお腹に流し込む。

 

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どて焼き6

ごちそうさま!

うまかった!マジうまかったけど、マジ満腹だ!

 

2巡目のお客さんも左側から入り始めていた。

店の外にはもう行列が出来ている。

 

2巡目に入った小学校低学年くらいの女の子が「中サイズで」って言ってた。

店員さんが「結構量が多いので小サイズにしては?」って言っていたが、母親は「中で大丈夫です」と確固たる意志を見せていた。

さて、彼女はどうなることか…。

その結末を見れずに残念だが、僕の闘いはここまでだ。退店する。

 

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土手焼き7

活気づく廃墟系サービスエリア。

そこで食べたどて焼きは、本当に絶品であった。

 

このお店は、2022年現在で創業47年になるという。

そりゃボロいSAだけれども、47年積み重ねた歴史がこれなのだ。

 

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さよなら、伊賀上野

公共施設はどんどん綺麗になっていき、それはそれでいいことだ。

だけども、こういう味わい深いお店で食べた思い出こそ、僕は今後の人生で大事にし続けるであろう。

 

いつかまた来るときも、またこのボロボロのままでいて欲しい。

(いや、もっと崩壊が進んでいるかな?)

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 味のお福
  • 住所: 三重県伊賀市上之庄3401-3 名阪国道 伊賀上野サービスエリア
  • 料金: どて焼き定食(中めし)¥1300他
  • 駐車場: あり
  • 時間: 12:00~19:00

 

No.183【石川県】桜の時期の「金沢城」&「兼六園」!春の訪れを祝い、陽気にお祭りだ!

日本三名園というジャンルがある。

 

日本庭園のトップ・オブ・トップの名誉を持つスポットで、「後楽園」・「兼六園」・「偕楽園」だ。

僕は全部行った。

まだこういう日本庭園の侘び寂びが理解できない日本2周目の時点で、既に全制覇してしまっている。

 

さて、この1つである金沢市兼六園

ここには日本3周目以降も桜の時期に2回訪問している。

かつては雪の眩しい真冬の快晴だとかにも訪れて感動したこともあるんだけど、今回は"桜の兼六園"にスポットを当てて執筆したい。

 

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日本5周目と日本6周目で訪問した記録をブレンドしつつご紹介しよう。

 

 

金沢市のシンボル、金沢城

 

金沢城を歩いた思い出から語ろうか。

兼六園や祭りの話は、後述するからもうちょっと待っててほしい。

 

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兼六園に行こう

とある年の4月のことだ。

うん、よく覚えている。この日の夜は皆既月食になるのだ。

天気図を眺め、日本列島の半分くらいがドロドロの曇りである中、桜と月が同時に眺められるスポットを割り出した。

 

能登半島だ。

こうして僕は能登半島に向かい、そこで兼六園に立ち寄るのだ。

ワクワクしてきた。

 

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金沢城1

はい、「金沢城」だ。金沢城兼六園のすぐ向かいにある。

…というより、金沢城の外郭に造られた庭園が兼六園なので、主は金沢城だ。

兼六園のすぐ北が金沢城なので、一緒に見学するとお得感が2倍である。

 

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金沢城2

お城と共に桜を見ると、これまたお得感も感動も2倍である。

 

金沢城は江戸初期に落雷で天守が燃えちゃって以降、一度も天守が建てられなかったお城だそうだ。

なので上の写真に写っているのも、天守閣ではなくって櫓(やぐら)だ。

石川門というらしい。

 

当然天守ほどは見栄えはしないので、僕も過去ここに何度か来たものの、感動レベルは控えめであった。

だけども今回は、満開間近の桜に綺麗に囲まれていて、初めて「綺麗だー!」って思った。

桜のパワーは偉大だと感じた。

そのように、当時の僕の手記にも書いてある。

 

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金沢城3

外国人の方も、桜とお城をバックに記念撮影をしていた。

笑顔で「ようこそ日本へ」って言いたい気分になった。

 

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金沢城4

兼六園金沢城を繋ぐ遊歩道から眺める桜並木もまた、格別であった。

ちょっと空は曇りがちだが、桜のエフェクトがそんなマイナスファクターを吹き飛ばしてくれる。

桜のパワーはそのくらい偉大だ。

 

…少し年月が流れ、日本6周目。

コロナ禍直前の時代。

 

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金沢城5

同じ歩道橋の上から、僕は桜を見下ろしていた。

あいかわらず綺麗であった。

しかも今回は快晴だ。世界はより一層キラキラしていた。

 

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金沢城6

最高だな、おい。

実は昨日の夜まで、ここに来る予定はなかった。

 

昨日は能登半島の先端にほど近い輪島の町で、車中泊スポットに付近をブラブラ歩いていたらお寿司屋さんがあったので突撃して、お刺身食べながらお酒を飲んだのだ。

そこにいたおっちゃんといろいろおしゃべりしたのだが、おっちゃんは「この陽気で金沢までは桜満開になったよ。兼六園きっと綺麗だよ。」って言ってた。

 

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金沢城7

「そっか、じゃあフラリと行ってみるか。」って思い、翌朝の今なのである。

来て正解だった。ありがとう、お寿司屋で飲んでいたおっちゃん。

 

付近は渋滞して結構大変だったし、駐車場もなくって結構遠いところに停めたんだけど、この光景を見たらそういう苦労は吹き飛んださ。

 

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金沢城8

改めて石川門を見上げる。

この石川門は、1759年に火事で焼け落ちたけどその後ほどなくして復元され、それ以来ずっと金沢城のシンボル的な存在だ。

 

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金沢城9

さて、今回はこの石川門の向こう側にも行く。

正直僕はお城はちょっと離れているところから眺めていれば満足な人種なのだが、今日は気温も20℃超でポカポカで、いろいろ散歩したい気分なのだ。

 

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金沢城10

三の丸広場だ。「広ー」って思った。

もともとは重臣の邸宅があった敷地だ。今はフリーダムな広場になっている。

 

その向こうにあるのが五十間長屋っていう、文字通り長屋のようになっている建物だ。

かつて武器庫として使われていた。

 

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金沢城11

その五十間長屋の左端が橋爪門続櫓っていう櫓。

石川門に負けず劣らずの存在感を放っていた。

 

僕はこれらを見渡せる三の丸広場をグルリと散歩し、次は兼六園内に足を踏み入れることとする。

 

 

神対応!無料開放される公園

圧巻の日本庭園

 

この金沢城に隣接する風光明媚な日本庭園が兼六園だ。

その日本三景に数えられる庭園にに桜が咲き誇ったら…。

 

そりゃもう最高でしょ?

普段以上に入場料が高くても入りたくなっちゃうでしょ?

 

…しかしだ!

兼六園は桜の時期に合わせて無料開放してくれる。

入園料が無料になるのだ。なってこった。神か。

 

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兼六園を散歩1

普段はセキュリティガチガチで、きっとサングラスをした黒服が立ちはだかっているであろうゲートも、今はフリーパスだ。

自由に出たり入ったり。VIP感がハンパねぇ。

 

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兼六園を散歩2

まずは見ておきたいのはこの徽軫灯籠。

読めない…。

"ことじとうろう"と読む。金沢城方面から園内に入ればすぐだ。

 

園内の霞ヶ池という家のほとりに立っている、兼六園を代表する景観の1つだ。

大体燈籠って足は1本か3本か4本なんだけど、これは珍しい2本。

琴の糸を支える琴柱(ことじ)っていうパーツに似ているのでこのネーミングなのだそうだ。

 

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兼六園を散歩3

左端の燈篭は3本足だな。これはこれでかわいい。

そして日本庭園が美しい。

以前は全然興味なかったんだけど、最近はしみじみいいなって感じる。

これは僕が渋い大人になった証拠だと自負している。

 

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兼六園を散歩4

池の上に張り出すように伸びた松なんか、すごくいいのだ。

 

なんで自らこんな危険な水の上に乗りだしているのか。

猪突猛進で集団入水していしまうレミング(タビネズミ)のようでもあるし、水場に先導されるハリガネムシに寄生されたカマキリのようでもある。

どっちの例えでも関係者には怒られそうだけど、この松の意思に感嘆する。

 

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兼六園を散歩5

「俺スゲーだろ感」の強い松。

僕も小学生~大学生くらいまでは、こんな感じのタイプであった。

 

「スゲーだろ」とか言っている割には、もう自身ではどうしょもできない角度にまで傾いてしまっている。ワンパク男子あるあるだ。

 

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兼六園を散歩6

霞が池の全容を収めてみた。

たまらんねぇ。松に囲まれる池。池の中の小島にも松がこんもり。

こういうのを風流と呼んでよいのだろう。

 

そして左側にチラッと見えている、池の上に乗りだした建物がステキだ。

内橋亭というらしい。

 

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兼六園を散歩7

茶屋では多くの人が休憩している。

 

これを今執筆しているのは2022年のコロナ禍なんだけど、こういう密集風景がすごく懐かしく感じてしまう。

以前は何とも思わなかった光景なのに。

 

ねぇ、これを読んでいる未来人さん。

あなたの時代はどうなっていますか?

やっぱまだ距離を空けた生活ですか?それともみんなで集まれる生活ですか?

まだ僕の人生はそれなりに長いと思うので、それが気になる。

 

 

桜咲く園内

 

ちょっと前章では「桜が少ないな」と感じられたかと思う。

うん、僕も正直そう思った。

金沢城もそうだけど、兼六園も桜の名所だ。

しかし、そんなワサワサと生えているとは感じなかった。

 

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園内の桜1

金沢城方面から入ると、ドーンと開けて霞が池の見える手前、入口から園内に繋がる遊歩道ゾーンが一番桜が多かったと感じた。

しかしそこも桜は点在しており、一枚絵で写真撮影するのであれば金沢城の石川門あたりがインパクト突出している。

 

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園内の桜2

調べてみたところ、兼六園内にも400本の桜の木がある。

決して少ない数ではない。

だが園内がとても広いので、多く密集しているようには感じにくいのかもしれない。

 

それに、桜は40種類の桜があるそうだ。

品種によって開花時期は様々なので、一度に楽しむというより、長い期間それぞれ異なる桜を楽しめる、といった感じかもしれない。

 

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園内の桜3

歩いていると、ひょっこり桜が現れる。

そんなシチュエーションを楽しめるのではないかと思う。

 

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園内の桜4

ちょっと人の少ないところに意外とたくさん咲いていたりするので、そういうスポットを探してみるのもまた、面白いかもしれない。

 

あとはもう1つ、眺望台と名前のついている、市街地を見下ろすスポットだ。

ここは桜すごい。

 

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園内の桜5

桜に包まれる市街地を見下ろすことができるのだ。

"園内に咲く桜"っていう図での撮影は困難だが、街並みと共に桜を撮影するにはうってつけのスポット。

 

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園内の桜6

桜も密集しているし、それを見る観光客も密集している。

でもいい。

この写真はコロナ直前のものだからセーフだ。

 

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園内の桜7

ただただみんなが、春の到来を楽しんでいた。

 

 

模擬店でまるまる焼きを

 

金沢城兼六園を繋ぐ区画では、多くの模擬店が軒を連ねていた。

この桜シーズンに合わせて出店しているのだろう。

 

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模擬店1

最高だ。

こういう祭りの雰囲気は大好きだ。

 

1人旅なのでちょっと気後れしてしまいそうな部分もあるが、せっかくなのでここで何か食べていきたい。

朝ご飯を食べていないので、少しお腹を満たせるコストパフォーマンスが高いものがほしい。

 

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模擬店2

あそこに見えている"まるまる焼き"に目をつけた。

 

まるまる焼きが何者かご存じか?

僕は知らなかった。

しかし慎重に模擬店を偵察し、大判焼きの型で作るお好み焼きだと判断した。

そして(確か)200円と比較的安価であった。

メチャうってつけだ。

 

ja.wikipedia.org

 

詳しく知りたい方は、上のリンクでも見てほしい。

大阪焼きだとかアメ横焼きと言われることもあり、この"まるまる焼き"という表現が使われるのは石川県を中心とした北陸地方に集中しているそうだ。…たぶんだけど。

 

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模擬店3

はい、いただきました。

そしてうまくないハズがない。

 

1人なので喧騒のちょっと端っこの方でがあるが、晴天と桜の木を眺めながら食べたまるまる焼きは最高の思い出となった。

最高のシーズンだ。

 

-*-*-*-*-*-*-

 

最後に、兼六園の無料開放期間についての情報だ。

これは開始日・期間ともに毎年変動する。

桜の開花情報が出てから判断され、そして期間はどういう判断かわからないけど大体7~10日ほどだそうだ。

 

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兼六園から少し歩いた駐車場

2022年は、4月3日から4月9日までの7日間である。

ちょっと短めであるので、興味のある方は早めに突撃していただきたい。

 

あと、残念なことにこのコロナ禍なので昨年に続き今年も模擬店の出典は無いそうなので留意されたし。

 

ちなみに、兼六園は有料期間でも320円と安価だ。

そしてたとえ桜の時期が終わったとしても、兼六園はもちろん素晴らしい。

 

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夏の兼六園1

夏の重要な緑に包まれる兼六園も最高なのだ。

今回は桜特集なので触れないが、いつか兼六園の夏と冬を取り上げた記事も執筆したい。

 

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夏の兼六園2

コロナ禍となってから3回目の春。

規模を縮小しつつ祭りを開催するところもチラホラ出てきた。

2022年を生きる僕も、そんな桜祭りに少し顔を出したりした。

 

もっと思い切り祭りを楽しめるような、そんな世界が早く戻ってくるといいね。

心からそう思う。

 

-*-*-*-*-*-*-

 

P.S.

冒頭で記載した皆既月食はちゃんと眺められた。

風呂あがりの能登半島和倉温泉」で、野営地でビール飲みながら見た。

神秘的な月見酒、最高だ。

いつもより酔いが回るのが早かった。普段の3倍酔う。

 

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皆既月食

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

名称: 兼六園

住所: 石川県金沢市丸の内1-1

料金: 320円

駐車場: あり(有料)

時間: 7:00~18:00(時期により変動あり)

 

【エッセイ】姿の見えぬ隣人に怯えて暮らす!!出会いの季節に送るちょっとホラーなお話!

こんばんは、【週末大冒険】のYAMAです。

 

2022年度がスタートしますね。

あなたも多かれ少なかれ、新しい1年に足を踏み出すのでしょうね。

おめでとう。陰ながら応援させていただきます。

 

さて、この僕は…。

ちょっと思うところがありまして、ブログの体裁をガラリと変えます。

 

ドライブスポット情報ブログはもう卒業です。うん、そんなもん止めだ止めだ!

これからは日常ホラー系ブログをやるのです。

時代はオカルトですよ、あなた。

 

 

週末大冒険改め、【終末大冒険】

 

4月からの新生活、一人暮らしを始める方も多いでしょう。

第1弾は、そんなあなたに贈るホラーでステキな応援歌!

 

それでは今年度もよろしくお願いいたします!

 

 

1. イワカン

 

これは、僕が仕事の関係で、とある都市(以下B市と記載)と実家の両方を拠点に生活していた時期のお話である。

 

7月の上旬。自宅のあるB市に久々に5日間だけ帰ってきた僕。

その最後の夜のこと…。

 

深夜1時すぎ、仕事を終えた僕はフラフラになりながらB市の自宅マンションに帰って来た。

もうここ数日シンドい。

朝6時台から24時台まで仕事。しかし今が踏ん張り時。

 

…ん?

アレはなんだ…??

 

ドアの両脇の円柱

僕の部屋の前に、なんか神社の狛犬みたいにドアの左右に置いてある、あの円柱状のものは何?

ま、すぐにわかったんだけども缶コーヒーだ。

眠くて頭の中には霞がかかっているが、そのくらいはわかる。


チッ、誰かここいらでたむろして捨てずに帰ったのか?

治安も良くない町だしな、ありえるかもしれない。

 

でも、オートロックの綺麗なマンションなのにな。

わざわざこんなところでコーヒー飲んで捨てていくかね?

しかも、こんな狙ったのように僕の家のドアの左右に…。嫌がらせも甚だしいぜ。

 

僕が出来るオトナであれば、ちゃんと缶を捨ててあげるんだけども、今は深夜1時過ぎ。ヘロヘロ。

だから今はどうでもいいやーって思い、そのまま無視してドアを開けて部屋に入ろうとした。

その際、チラッと足元の缶コーヒーを見る。

 

 

あれ…?未開封…?

 

 

背筋にゾクッと得体の知れないものが走った。

何かが奇妙だ。第六感が何かのアラートを告げている。

すぐに部屋に入り、そして施錠した。

 

 

2. サシイレ

 

午前1時過ぎのマンションの自室。

僕は心がザワザワと異変を告げるのをごまかすかのようにPCに電源を付ける。

そしてWebに『おぉ、退勤したのが24:30になっちゃった。でも帰れただけ幸運!』って書き込んだ。

 

…そのときであった。


僕のいる隣の部屋のドアが、「ギー… …」と開いた。

そして「カシャン…」と静かに閉まった。

 

まぁ僕の家は24時間眠らない町にある。

深夜だろうと何時だろうと、人が行き来するのは珍しくはない。

 

…いや。でもしかし…。

僕の隣って、人が住んでいたっけ?

それはさておき、僕の帰宅数分後という、このタイミングでのドアの開閉音に、言い知れない嫌な予感を感じた。

 

 

カツーン、カツーン、カツーン… 

 

 

深夜のマンションの廊下にやけに足音が響く。

しかしその足音もわずか数歩でピタッと止まった

 

ドアの向こうに、足音の主

あの…、そこってたぶん、今僕がいる部屋の前なんですけど…。

息を凝らして、聴覚全開でドアの向こうの動向を探る。

 

向こうも僕の気配を探っているのだろう。

しばらく時が硬直する。

 

…そしてまたカツーン、カツーン

音が遠ざかった。ホッとする。


そしたらまた数分後にカツーン、カツーン。

音が近付いてきた。

誰かが僕の部屋のドアをゴソゴソ触っている。

なんだなんだ??

 

しばらくの後、遠のく足音が聞こえ、隣の部屋にギィィー、バタン!!

 

 

 な  に … ?

 

 

僕の部屋の両側の人は引っ越していなかったハズ。

あぁだけどもそうか、ここ3ヶ月間は家を不在にしていたから、その間に誰か入居したのかもしれない。

 

しかし、僕の家のドアの前で一体何をしていたのだろうか?

鎮座されていた未開封の缶コーヒーを回収したのだろうか?

いや、もっとなんか嫌な予感がするのだよ。

 

ソイツは今、僕の隣の部屋にいる。

ベッドの横たわった僕の、ほんの数㎝の薄い壁の向こうにソイツがいる。

くしゃみをすれば100%聞こえてしまうくらいの薄い壁。

うわぁ…、嫌な感じ。

 

しかも僕、暑いのでバルコニーのある部屋の窓は開けたところであった。

これでさらに物音は筒抜け。

今日は窓を閉めて寝ようか…?

音が出ないようにそーっとそーっと、窓を閉める。

サッシの動くわずかな「キー」という音でも、僕の心臓は止まりそうになった。

 

そして寝た。寝るに限る。

4時間弱が経過。5:00に目を覚ました。

さぁ、すぐに仕事への出発の準備だ。


昨夜はシャワーどころでなかったので、朝一でシャワーを浴び、テキパキと荷物をスーツケースに詰める。

今日はいい天気だ。昨夜のモヤモヤした思いは、もう頭の片隅にあった。

 

いつもは朝ご飯もちゃんと自炊するのだが、今回は自宅の滞在日数が短いので、ほとんどコンビニで買ったもので済ませていた。

とりあえずこれから近くのコンビニでパンを買ってこよう。

そして出社したら仕事しながらそれを食べよう。

 

コンビニへ行こうと、ドアを開ける。

…ん?手ごたえが、変だ。

 

ドアの向こう側(外側)を見て、僕は面食らった。

ドアの取っ手にスーパーのビニール袋がかけてあったからだ。

中にゴッソリと何かが入っている。

 

玄関ドアの外側にスーパーの袋

うわっ、怖い怖い!!

だけどもとりあえずコンビニでパン買わねば!

ここはポジティブで現実逃避が得意なO型の僕だ。

スーパーの袋はそのまま見なかったことにして、コンビニでパンを買った。

 

そして帰宅時にスーパーの袋をチラッと覗く。

覗いただけだ。ドアノブから外したわけではない。

 

なんか食材が入っているみたいだ。

なんだ?なにこれ?差し入れ?

誰が何のために?

いや、普通に考えて例の隣人なんだけど、会ったことも無い僕のために深夜??

ゾッとするわ!

怖いから詳しく見ないで家に入る。

 

それから考える。

これは悪意か、それとも好意か。

好意を抱かれるような理由はこの4日間で何1つ無い。

悪意なら心当たりは1つある。

一昨日の夜、もうそれなりに遅い時間なのに洗濯機をゴインゴイン回したからな。

普段だったらそんなことしないけど、深夜にしか家にいないからしょうがなくやったんだよね。

それでキレて、毒入り食料をプレゼントされたのだろうか?

 

さて…。

人は好意にしろ悪意にしろ、人に物を上げたらその反応が気になるもの。

隣人は僕の反応を期待しているかもしれない。

僕がドアを開けた音は隣にも聞こえているだろうから、もし隣人が起きているのであれば、今このタイミングで自室のドアをちょっとだけ開けて、その隙間から僕の部屋の前を見ているかもしれない。

差し入れを僕が受け取ったか見ているかもしれない。

 

しかし、まだあれから4時間。時刻は6時前だ。寝ている可能性も高い。

だけども今僕があんまりゴソゴソやると、起きちゃう可能性がある。

ならば一刻も早く、静かにこの家を出なければ。


スーツケースを転がさずにそーっと持ち上げると、家を出る。

出る際にやっぱ後味悪いので、ドアノブにかかったスーパーの袋をひったくるようにして取り、ダッシュでマンションを後にした。

 

実はね、今日は仕事を終えたらそのまま自宅には帰らずに新幹線で実家のある町に移動する予定なのだ。

たった4日間だったが、さよなら我が家。

さらば謎の隣人。次にここに帰ってくるのは数週間後だぜ!

 

 

3. ソウメン

 

数10分後、到着した職場で考える。

 

これがB市最終日でよかった…。

また今夜この家に帰るような予定だったら、やっぱ怖いもん。

 

男の僕でも怖いのだから、こういうの1人暮らしの女子大生とかだったらマジで恐怖なんだろうなー。

そういう気持ち、ちょっとわかったぜ。

ちなみに僕は女子の平均よりも体格・筋力共にたぶん劣っているから、何かあったら相手が誰であろうと負ける気マンマンだ。絶望。


では、スーパーの袋の中身をチェックしよう。

職場のデスクに並べてみた。

 

不思議な詰め合わせ
  • 大袋に個包装の袋のおせんべいがいっぱい入っているタイプのヤツ。それの個包装が2枚。
  • おにぎり2つ。鮭と昆布。
  • コンビニのそうめん、"揖保乃糸(いぼのいと)"。
  • 缶コーヒー2本。

 

ん?缶コーヒー?

昨日の深夜に家の前に置いてあった2本の未開封の缶コーヒーがコレだったり?

あのときは銘柄までは見ていなかったから、コレとアレが同一かはもうわからない。

だけども思い返せば、今朝は家の前のコーヒーは消えていたな…。

じゃあコレがアレだろう。

 

全てがナゾだ。

これらをどうしようか?毒が入っているかもしれないし。

そうだ、あとで同僚が出勤してきたら、食べてもらおうかな?

 

僕は毒を食べるのはイヤだ。

毒を盛られている可能性があるのであれば、慎重にならざるを得ない。

しかし、毒が無い可能性もある。そしてなにより、食べ物に罪はない。

 

この事態をどう解決しようと考えた結果に出た答えが、「同僚に食べさせてみる」だったのだ。

…というより、得体の知れない隣人は、なんでコンビニそうめんなんていう要冷蔵の物をドアにくくりつけたのだよ?マジで意味わからん。

オニギリだって弱冷蔵環境が必要だしな。

 

8:30を過ぎると、オフィスに同僚が出勤してくる。

僕は声をかける。

「あのー、そうめん好きっすか?揖保乃糸好きっすか?そこのオフィス内の冷蔵庫に入っているんですけど」って。

当然「え?くれるの?なんで?」みたいな反応をされる。

 

そんなとき、僕はキチンと事情を話す。O型は損得なしに正直なのだ。それにわかった上で自己責任で美味しく食べてもらいたい。

だから話すのだ。

「昨夜の深夜1時に老若男女すらわからん隣人がゴソゴソ家の前の床に缶コーヒー置いたりドアにそうめんぶらさげたりした、そのそうめんです。」って。


当然誰しもビビる。僕も話しながら改めてビビる。

結局誰も食べてくれなかった…。

まぁそんなこったろうと思ったぜ。おいおいどうすんだよ、この食料の数々…。

 

昼近くになり、お腹が減ってきた。

しかし僕は仕事が忙しい。

食事のために外出もいいんだけど、そんな暇があるのであれば一刻も早く仕事をひと段落させ、新幹線に乗って実家のある町に移動する必要がある。

 

冷蔵庫から例の差し入れコンビニおにぎり2つを取り出して考える。

もし毒を盛るのであれば、一番容易なのがこのおにぎり。

チェックをして、包装が破れたりしていないことを確認。

うん、これを食べて無事であれば、他は大丈夫だと思う。だからまずはおにぎり食べてみよう。

最大リスクを乗り越えれば、それは安心への確信に変わるのだ。


同僚たちが「おいおい、食べるのかよ!」と心配する中、食べてみた。

まずは鮭。うん、大丈夫。

念のためにもう1つの昆布も食べてみた。うん、平気。

 

なんか胃が活発になって来た。僕の胃が「もっと食糧くれ」と言っている。

同封されていたせんべいもバリバリ食べた。

ここまで食べると喉も乾くので、缶コーヒー2本飲む。

 

この缶コーヒー、きっと昨晩ドアの前の床に置いてあったヤツだよな…。

一応飲み口の周りは入念に拭いておくけど…。

ただしこれが一番毒を混入させづらいだろうから、ここまで来たらたぶん平気。

これで仕事をしながら片手間にランチできちゃった。満足。

 

改めて考える。

誰が何のために、こんな奇妙なことをしたのだろうか?

まぁ、99%隣人なんだろうけど。

 

仲が良く、声を掛け合う間柄ならわかる。挨拶をする程度の人でも、まだわかる。

僕がすんごいイケメンで、そして隣人がいい感じの年齢の女性で、僕に一目ぼれとかでも、まぁわかる。

 

だけども僕の隣人のこと、名前も顔も性別も年齢も知らない。

…いや、もしかして知らないのは僕だけで、相手は僕のことを知っている?

でもこの4日間で僕は深夜にしか自宅にいないし…。

 

なんとも得体の知れない気持ち悪さを感じながらも午後の仕事をサクサク行い、夕方に仕事を一段落させる。

そして駅から新幹線に乗る。

 

今日からしばらく自宅に帰らなくっていいことに、ここからの安堵感を覚えた。

とりあえず、新幹線の中で小腹が減った。

よーし、オヤツにしよう。

取り出したのは、そう、アレだ。

 

揖保乃糸

 

ある意味一番怖い、隣人からの差し入れだ。

だけどもさ、これってコンビニで買うと400円くらいするのよ。

のり弁であれば400円で満腹すぎる状態になるのに、そうめんだとツルツル入ってすぐ終わっちゃうでしょ。

なのに400円。コストパフォーマンス悪い。

 

だから僕はコンビニでそうめんなんて買ったことない。お金がもったいないから。

しかしもらい物なら別。

つまり、コンビニそうめんを食べるチャンスは我が人生で今だけ。

だから勇気を出して食べた。

 

うまい。ツルツルだ。

こうして合計で推測850円ほどの奇妙な差し入れを1人でたいらげてしまった。

 

実際の写真です

B市から逃げだした僕。

しかし、これは事件の解決にはなっていない。

僕の本来の自宅はB市なのだから…。

数週間後の帰還が怖いぜ、これ。

 

 

4. スイロン

 

「なぁ、どんな人がどんな気分のときに隣人に差し入れをすると思う?」

 

揖保乃糸を食べてから2日経った日。僕はまだ生きていた。

昨日から今日にかけて、旅行をするほどには元気だ。毒は盛られていなかったのだと思う。

この旅行でどこに宿泊したのか気になる方は、以下のリンクでも見てほしい。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

僕は車内で同行の彼女に不思議な事件の話をしつつ、自分の見解を述べていた。

 

  1. 悪意。やはり数日のB市帰還時に僕が隣人を怒らせた。夜中の洗濯機の音がうるさかった。だから毒入りの差し入れで殺そうとした。
    ⇒ 差し入れを全部食べた僕が、2日経ってもピンピンしているので可能性は低。
  2. 好意。隣人は女性(男性かも知れんが)。「YAMAさんってステキ!お近づきになりたい!」と思ったが、シャイで直接声を掛けられないのでいのでプレゼント作戦。
    ⇒ 隣人と会ったことが無い。深夜にしか家にいないので、擦れ違った可能性も低い。そして、「ステキ!」の結果の差し入れがせんべいやおにぎりや揖保乃糸?なんかセンスが変。
  3. 友情表現。男性の可能性。「チーッス、せっかくお隣さん同士だから飲みましょう!でもYAMAさん深夜しか在宅じゃないから誘えなかった…。飲み会のために買っておいた食材をあげるっす。」
    ⇒ 揖保の糸を缶コーヒーを?これがビールであれば、ちょっと可能性UPしたかもな。
  4. 譲渡。「ウチで仲間とホームパーティーしていたんだけど、食材があまっちゃって…。捨てるのもったいないんで、お隣さん、いります?」
    ⇒ これも食材チョイスがちょっとおかしい。
  5. 慰労。「YAMAさん毎日お疲れっす。これでも食べて元気を出してくださいね。」
    ⇒ ちょっと現実的だが、普通そういうときは栄養ドリンクとかじゃない?そして見ず知らずの人にねぎらってもらう理由もない。

 

…どうにも、もらったものから隣人のキャラや意図が全く見えない。

ちょうど一食分くらいの分量なのだが、要冷蔵の揖保の糸があったということは、僕が当日の夜食で食べることを想定していたのか?

ドアをゴソゴソやって荷物をかけていた行動は、あえてその物音で気付いていもらうことが前提だったのか?

だとしたらインターホンを押さなかったのはなぜ?

 

そして、なによりドアの前の床に2本置いてあった未開封の缶コーヒーが不可解。

人に物をあげるアクションとしては相当な悪手だ。

これで好意を示したつもりであれば、大いに感覚狂っている。うーむ…。


助手席の彼女が言う。

差し入れを食べた時点で好意を受け取ったと思われるからキケンだと。

そのままドアノブに掛けたままで放置するか、マンションのゴミ捨て場とか目に見えるような場所に捨てることで「拒否」を示さないと、受け取ったとみなされて行動がエスカレートするかもしれない、と。

 

いやー、でもドアノブに掛けたままB市を数週間留守にしてさ、ホントにそのままだったら腐るぜ。

この夏場に放置したら、次にB市に帰ったときに部屋の前がすごいことになっていそう。

それに揖保の糸、食べてみたかったし…。そんでおいしかったなぁ、ウフフ。

 

すると彼女がブリブリ怒り出すのです。

ヤッベ、さすがに得体の知れない差し入れを食べたのはまずかったか…。

僕のO型が故の軽率な行動を怒られるのだな…、怖いな…って思ったら、違ってた。

 

僕が悪いのではない、O型が悪い

「アホなYAMAはそういうエサをぶら下げられたら食べるのが当然!その点はもうしょうがない!!そんなYAMAに変な差し入れをした隣人が憎い!!」とか言ってる。


あれっ!!?

怒るのそっち!?僕はアホ確定!?食べちゃうの当然!!?

 

しかし、悪意でないのであれば、なんらかメッセージがあってもいいと思うのだが。

でないとこうして気持ち悪がられるのが普通。

だから「あまったのでどうぞ」、「いつもお疲れ様」、「YAMAさん好きです」とかのメッセージと共に、「誰それより」と自分の素性を明かすのが普通ではないか?


差し入れの時点で大なり小なり自己顕示欲があるのだから、それを示さないと意味がない。

もし示す必要が無いのであれば、得体の知れない差し入れをもらって困惑している僕をいつでも見れる位置にいるってことか…。それは怖いな。

 

いや…

僕は考えた。

既にメッセージはある。しかし僕が気付いていないだけだとしたら…?

メッセージを置いておけるような箇所に心当たりは複数ある。

 

実家拠点の生活からB市に戻るまではあと数週間。

それまでに心の準備ををしておかないと、突発の事態に耐えられませんぜ、こりゃ。

 

 

5. メビウス

 

僕は考えた。

隣人が差し入れと一緒にメッセージを伝えていたとしたら、それはどこに?

一番可能性が高いのは、ドアノブに掛けてあった食材モリモリのビニール袋の中。

しかしそこにはなかったことを確認済み。

 

残る可能性は、玄関の郵便受けと、マンションのロビーの郵便受けの2つだ。

そこに手紙などが入っているかもしれない。


しかし僕はあの日は差し入れを見ただけでビックリしちゃって、その後すぐにB市を出発したからこれら2つを確認していない。

数週間後にB市に戻った際に確認できれば、隣人が誰なのか、隣人の意図が何なのかわかるかもしれない。

 

しかしね、怖いのはその隣人が非常に僕に執着心を持っていた場合。

僕の部屋のドア郵便受けには、マンションの住民であれば誰でも触れることが可能だ。

なんか生卵だとか腐ったトマトとか入れられて、数週間後に帰ってみたら部屋がとんでもないことになっていた、とか辞めて欲しい。

僕の部屋は1階だから、外からバルコニーに物を投げ入れることもできる。

 

それに、今は夏場。大体みんな窓を開けている。

少々の生活音はお互い様だからいいんだけど、こういう人が隣だと本当に用心しないとヤバそうな気がするよ。

 

ドアの開け閉めだって気を使わなきゃ。

僕が外出する音を聞きつけて隣人がこっちを覗いてきたら、マジ気持ち悪いし。

廊下で擦れ違うのも怖いし。

 

てゆーか向こうから「あの差し入れ、どうだった?」って聞いてきたらどう答えようね。

彼女と考え、もし相手から聞かれたら「どこの誰からのかわからず怖かったので手を付けられませんでした」でいこうってアドバイスを受けた。

正直者の僕は「いや、食べたしおいしかったよ」と反論したのだが、「それはわかっている、アホ!」と一蹴された。

 

そして数週間が経過した。

8月中旬だ。

僕の実家のある町に住む彼女は、行楽がてら一緒にB市までやってきてくれた。このまま一泊の予定。

 

家の近くまで来た時点で、僕は彼女に言う。

「オマエは近所の喫茶店でちょっと待ってな。まずは僕1人で部屋の様子を見てくるから。」

そう言って僕は1人自宅を目指す。

 

マンションロビーの郵便受け…。怪しいものは無し。手紙等無し…。

ま、普通ないよなー。予想はしていたけど。

自室の前の共用の廊下部分には、ピンクのモコモコしたスリッパが片方だけ落ちていたが、これはまぁ気にしない。

 

そして玄関のドアを開けて部屋に入る。

バルコニーにも物を投げ入れられたような気配はない。

数週間前のままの、綺麗な我が家だ。

 

んっと、じゃあ最後に自室のドアの郵便受けをチェックしてみるわ…。

んで、なにこれーー!

 

出てきたのはタバコ。"メビウス"。しかも開封されている。

20本入りのタバコの箱に、18本が残っている状態。

 

喫煙者か不明な人に、斬新な贈り物

隣人?いつ入れた?揖保乃糸のとき?それともこの数週間の僕の不在時?

タバコだなんていう、吸わない人からしたら何のプラスにもならないものをなぜチョイスした?

僕が吸うことを知っているのであればまだ理解できるが、僕は吸わないし。

何度も言うけど、隣人に会ったことないし。


それに、なぜ開封済み?「自分が手を付けたタバコをYAMAさんにあげる」という、なんらかの繋がりを持ちたい心情?

ちなみにここにも手紙とかはない。うむ…、マジで謎。

 

モヤモヤと同期を考えながら、タバコは試しに後日1本だけ吸ってみた。

長らく吸っていないが、昔ちょっとだけ吸ったことあったので。毒など無いか、念のためだ。

 

とりあえず、釈然としないけど、これからまたしばらくB市での生活となる。

そう、隣人との密着生活は、これからが本番なのだ…。

 

 

6. ホウモン

 

B市での生活を再開させて2ヶ月半が経とうとしていた。

10月下旬、秋も深まって来た。

 

忙しすぎて、ここ最近は例の隣人の存在はもうあまり気にしなくなっていた。

相変わらず微妙におかしな現象がマンションの廊下で目撃されたりもしたけど、ここに書くほどのイベントではない。

 

この日、久々に再会する同僚がいた。ここまでの一件を大体話している同僚だ。

その同僚に「あれ以来、奇妙なお隣さんはどうだい?」って言われた。

いや、やめてよ。せっかく忘れかけていたのに。

こういうこと言われると、また何か起こっちゃいそうじゃないか…。

 

…ってなやりとりがあったりもしたのだが、昨今のあまりにボリューミーな残業時間のために産業医に面談をしてもらい、珍しく早めに帰宅する。

あと、先日いきなりお風呂の配管が取れたので、やってきた業者の対応をした。


同時に、明日の夜から訪問予定の新潟県にある「世界一神社」っていうワイルドな神社の情報を調べる。忙しい。

あ、ちなみに世界一神社について詳細を知りたい方は、以下のリンクを見てほしい。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

まぁそんななんやかんやがあった1日だけど、今日は久々に早めに寝れる…。

そう思ってベッドに入り、たぶん24時前にはグースカ寝てた。

…このまま朝まで寝れると思っていた…。

 

 

ピ  ン  ポ  ー  ン  …

 

 

ん!?

いきなり鳴ったインターホンの音で目を覚ました。

枕元の時計を確認すると、午前1:10

 

え…?

こんな時間に誰…?

 

嫌な予感がする。

今日の昼、同僚に「あれ以来、奇妙なお隣さんはどうだい?」って言われた言葉が甦る。

言わんこっちゃない…。意識したことは現実になるのだよ…。

でも、まだそうと決まったわけではないけどな…。

 

インターホンは液晶映像があるから逆に怖い

とりあえず、ベッドから上体を起こす。

そうすると、マンションのロビーに設置してあるカメラが撮影した、インターフォンを押している人物の映像が見れるからね。

 

見えるような、見えないような、

微妙に見えぬ…。

そもそも深夜でロビーも暗いし、こっちは眼鏡もない裸眼だし、そもそもベッドからインターフォンの液晶画面まで数mあるし…。

 

でも、確実に誰かが立って、こっちを見ている。逃げもせず。

その様子が液晶画面にボンヤリと映っている。

だけども性別すらわからん。

かといって、立ち上がって液晶画面をまじまじと見に行くのもイヤだ。

 

 

ピ  ン  ポ  ー  ン

 

 

もう一度インターホンが鳴った。

当然僕は出ない。

まともな用事のハズがないからな。

もう一度言うが、今は深夜1時なのだ。

 

何度かインターホンが鳴ったが、しばらくすると相手も諦めたのか、静寂。

一定時間が経過したことで、液晶画面も消えて真っ暗になる。

 

さて…、僕の勘が正しいか実証されるのはこれからだ…

耳を澄ましてみよう。

 

1階にある僕の部屋から、マンションの1階ロビーまでの距離は10数m。

深夜に耳を澄ませば、ロビーの音が聞こえるのだ。

 

 

ガチャガチャ… 、キー… 。

 

 

カギでマンションのロビーのドアを開けた音。

これで誰かが鍵を忘れたので僕に代わりに開けてもらいたかった、という理由が消えた。

もっとも、そんなことを頼まれるほどの知り合いもいないが。

 

 

カツーン、カツーン、カツーン

 

 

足音が聞こえてくる。

 

 

カツーン、カツーンカツーンカツーン!!

 

 

 来 た 。

 

 

悪い意味で予想通りだ。

足音はエレベーターホールの前を通過した。

つまり足音の主の行き先は、2階より上ではなく、1階のどこかの部屋だ。

 

近付いてくる足音…

僕の部屋の前までやってきた。

足音が止まる。

はいビンゴー!!

 

息を止めて次の行動を見守る。

 

揖保乃糸

また差し入れくれるか?YAMAさん食べちゃうぞ?

 

静寂。

ドア越しの睨み合い。なにこの緊張感。

空気がビリビリと張り詰める。

足音の主の目線は、間違いなくドアを透過して、ベッドの上にいる僕を見ているはずだ。

 

しばらく時間が経過した。

「カツーンカツーン」とまた足音が進み、隣の部屋のドアの前で「ガチャガチャ、ギー」という音がした。


やはりお隣さんだったか…。

僕はもう今日は進展はないだろうなーと、そのまま寝た。

 

翌朝、ドアに何かまたいたずらされていないかドキドキワクワクで確認したけど、何もなかった。

一体何だろう、あの深夜1時の行動は…。ナゾだらけ。

せめて性別と年齢層くらいは知りたい。何もわからないのは恐怖すぎる。

…って望んでしまった。

これもすぐに、変なかたちで現実化するのだ。

 

 

7. モクゲキ

 

8月中旬、僕の部屋のドアの前付近に、スリッパが片方転がっていた。ピンク色のフワフワモコモコなスリッパ

…そう書いたのをあなたは覚えておいでだろうか?

 

当時、「誰の?なにこれ?」…って思った。

誰かがまたまた落としていったものかもしれないので、どこかに撤去するわけにはいかない。

少なくとも僕のものではないので、若干例のお隣さん方向の廊下に場所をずらして置いておいた。

 

その後普通だったら、落とし物なら落とし主が拾う。

あるいはゴミなのであれば、定期的に清掃しているビル管理会社が回収していく。

このマンション、ビル管理会社はかなりしっかりしているのだ。

 

だけども不思議なことに、そのピンクのモコモコは、いつまでたってもそこにあった。

むしろ、ときどき僕の部屋のドアの前に移動していた

 

スリッパはいつも僕の部屋の前に

もうこっちも疑心暗鬼だからね、そうなる度に「隣のアイツー!」って思って、かなり隣人寄りにピンクのモコモコを移動させていたりした。

ピンクモコモコ攻防戦。

今から振り返れば、何も根拠のない子供じみたやりとりなんだけど、ちょっと心の余裕が無かったよな。

 

そんな攻防が、実に3ヶ月続いた

いや、長かったね。

もう季節は夏から秋もめっきり深まろうとしているんだけど。

ピンクのモコモコも、もう雨やホコリで灰色っぽくなっていたしな。

 

そんな10月末のことだ。前章のピンポン事件から数日後だ。

僕は最大の油断をした。

 

マンションのロビーの郵便受け(集合ポスト部分)から、溜まっていたチラシ類をゴソゴソと引き抜いていた。

 

後ろから視線を感じた。

「あぁ、誰か僕の次に郵便物を取り出したんだな。さっさとどかなきゃな。チラシを捨てる作業は今じゃなくってもできるしな。」

そう思い、すぐに郵便受けの前を立ち去ってマンションの中へと入るドアを開けた。

 

 

…ん!??待てよ!!

 

 

1秒後に嫌な予感がした。

 

 

僕がいたら郵便物が取り出せないほどに、郵便受けが近い人物?

 

 

そんなのは、数人しかいない。

郵便受けの列が縦に並ぶメンバー、僕と同じフロアに住むメンバーだ…。

 

マンションの集合ポストはチラシがいっぱい

ひょっとしたら…。

僕は悟られぬよう歩調を崩すことなくサクサクとマンション内を歩きつつも、次の角を曲がる際にほんの一瞬だけ、ロビーの郵便受けを振り返った。

 


その人物は、僕の郵便受けのすぐ下を開けているところだった。

 

 

つまり、隣の住人の郵便受けだ。

 

女性。

そして、僕と同じくらいの年代か、わずかに上くらい。

 

一瞬だから全然見れなかったけど。

顔も覚えられないくらいの一瞬だったけど。

少なくとも、知らない人。

冒頭で書いたような差し入れをもらう理由は何1つ無い。

 

これで得られた情報は大きいけど、失ったものも大きい。

それは、僕の方が長い時間監視されたということ。

僕がチラシ類をゴソゴソと取り出していた時間はわずか数10秒だけど、でもその間はほぼ一方的に見られていたかもしれない。

 

どう思われていただろう?「あれ?あんな人か?差し入れあげて損したわ。」みたいな感じだと最高なのだが。

とにかく、僕は最悪横顔をガッチリ覚えられた可能性がある。それが一番の失態。

 

しかし、僕は内心隣人は男性だと思っていた。

女性だったとは…。

僕にコンビニのそうめんを送り付け、床に缶コーヒーを並べ、部屋の郵便受けに開封したタバコを入れ、廊下にピンクのモコモコを3ヶ月も放り出し、そして深夜に僕の部屋のインターホンを鳴らし…。

 

インターホンの件、もし仮に僕が応答していたらなんて答えていたのだろうかね?

「一緒に飲みましょう」とか言われていたんすかね?

深夜に女性から、見知らぬ男性の部屋に乗り込んで来ようとするかね?

マジでナゾだ。


そんなこんなでさらに数週間が経過し、11月上旬。

まだピンクのモコモコは転がったままだ。


友人の「バンザイ」がウチに泊まりに来たりした。

そのあと、2人で「黒部渓谷」を始めとするドライブ旅行に行ったりもした。

詳細は以下のリンクをご参照いただきたい。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

上記エピソードの数時間後のことだ。

B市に向かっている車内で、バンザイが眠いというので、眠気覚ましにここまでの一連の話をた。

 

「オマエ、先日僕の部屋に泊まって気付かなかったか?あのときもそのピンクのモコモコは、廊下の前に転がっていたんだぜ。」と言う。

うん、我ながらカンペキな締めだ。

バンザイは「ひいぃぃーー!」みたいなリアクションをしてくれた。素晴らしい。

 

僕は悪ノリして「せっかくだからピンクのモコモコ見て行けよ!なんなら持って帰ってよ!B市土産!」とか言うんだけど、断固拒否された。

僕の家の10数m手前まで来ながら、僕の家に寄ることなく、バンザイはそのまま電車に乗って帰って行った。

 

バンザイ、笑顔で逃げ帰る

「ふふ…、怖がりなヤツめ…」

バンザイを駅で見送った僕は、1人自宅に引き返す。

 

そこで僕は隣の部屋を見て、腰を抜かさんばかりに驚いた。

 

封印された部屋

 

ドアがー!!隣人の家のドアがーー!!

 


隙間という隙間、お札まみれ!!

なにごと?そんでピンクのモコモコ、また僕の部屋の前に転がっているし。

 

バンザイ、オマエ正しかったよ。これは見ない方が良かったよ…。

今夜、僕はどういうテンションで自室で過ごせばいいというのだ…。

 

 

8. サヨナラ

 

いつしか季節は晩秋から冬へと移り変わった。

7月の下旬にドアの前に転がっていたピンクのモコモコスリッパは、11月半ばにようやく消滅した。

誰がどう撤去したのかは謎だ。

 

例の、黒部渓谷から帰って来た際に死ぬほどビックリした、ドアを封印していた御札は、翌日にはさすがになくなったた。

ま、ドアと壁を塞ぐような形で貼られていたからね。

つまり家主は外出中ということ。

剥がさない限りは家に帰ってくれないということ。

 

どういう意図だったのだろうか?

留守中の自分の家に守備魔法でもかけていたのだろうか?

 

12月下旬には、ピンクのモコモコの代わりに我が家の前の廊下に黒いサンダルが片方転がっていたことがあった。

デジャブ。

そしてまた片方なんだー。そうなんだー。

 

結局、まともに対面したのは10月の郵便受けの一件のときの1度きりだ。

てゆーか、生活の気配がほぼ皆無。不自然なほどに皆無。

 

ただ、気になる情報がある。

前章で僕はバンザイに眠気覚ましにこの話をしたと書いた。

その際に「住んでいるはずなのに、家に帰っている気配がないんだよねー…」とも付け加えたのだ。

するとバンザイはこう答えた。

 

「いや、YAMAは寝ていたから気付いていたんだろうけどさ。深夜1時過ぎに帰って来たみたいだ。隣の部屋から壁をゴソゴソカリカと何かをやっていたぜ。しばらく寝れなかった。」

うん、寒気がした。

 

夜型生活の人かな?

そういえば、今までのなんやかんやも、深夜1時過ぎに起きたことが多いしな。

だとしたら昼過ぎだとか夕方くらいの、僕が仕事で外出している間に出掛けているのだろうか?

 

しかし、例え夜間の仕事をしている人間だとしても、休みはあるはずではないか。

買い物したり廊下で擦れ違ったり、洗濯物干したり窓を開けたりゴミを出したりするはずではないか。

それが全くない。

 

愛車の駐車場に行く際には、外からバルコニー側の路地を歩く。

その際にバルコニーを追う壁越しに、隣人の家も少し見える。

だけども、夜間に電気がついているのを見たことがない。

日中に洗濯物が干してあったりカーテンが空いているのを見たことが無い。ひたすら漆黒なのだ。

何10回どころか、何100回見てもそうだった。毎日毎日、こうだった。

 

そして、バルコニーって隣人との区画の間に下の方に少し隙間があるでしょ。

その区画から汚いダンボールがチラッと見える。

そして、なんかナゾの汁がそこから漏れて、ウチのほうのスペースにデロデロ入って来ていたり。

 

隣人のバルコニーから謎のおつゆ

うわぁ、カンベン。

そんでなんで毎日毎日汁が出ているのかなー、このダンボール…。

 

前年の冬は、結露による湿気を防ぐために朝とかは家のドアも少し隙間を空けて風通しを良くしていた。

しかしこの年は、怖くてそれができない。

ドアの隙間からキッチンとか丸見えになっちゃうからね、怖い怖い。

朝に料理をしていてふと背後からの視線に気づいたら、隣人がドアの隙間から覗いていた…とかあったら、ホラーだもんよ。

 

そんな妄想劇場を楽しみながらも冬は終わり、春になった。

春の陽気が心地いい。

 

僕は引っ越す。仕事の都合で、ずっとずっと遠い地に行く。

 

あれ以来隣人との接触はなかったし、いろんなことが謎のままだ。

だが、これは映画でもドラマでもマンガでもない。オチや結論があるとは限らないのだ。

 

「もうビクビクしながら暮らす必要もない。」

それが重要なのだ。

 

 

荷物、よろしくお願いします。

 

春うららかな日。

 

 

僕はB市を後にした。

 

 

さよなら、B市の数々の思い出よ。

 

… …

 

…!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ END ~

 

No.182【和歌山県】関西一の早咲き桜!「紀三井寺」で満開の桜と金ピカの巨大仏像を見る!

僕は、仏教のことも宗教のことも疎い。神社仏閣についても詳しくない。

だけども、寺に咲く桜の美しさは理解できる。

社殿と桜のコラボレーションに思わず目を奪われる、それは日本人でもそうでなくても共通の反応なのではなかろうか。

 

日本5周目において、ちょうど3月下旬の早咲き桜のシーズン、僕は和歌山県の西海岸を走っていた。

ドライブしているとところどころで桜の花が目に入り、新しい季節がやって来たのだと気分を高揚させてくれる。

 

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今回は、関西一の早咲き桜の名所と言われる「紀三井寺(みきいでら)」を訪問した話をご紹介したい。

 

 

早咲き桜のお寺へ

 

和歌山市の国道42号。

この国道沿いには紀三井寺っていう有名なお寺がある。

あまり神社仏閣に知識がない僕でも、名前くらいは聞いたことがあるスポットである。

 

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桜満開、紀三井寺1

国道42号から見ると、上記のような絵である。

国道42号が紀三井寺に突き当り、そして右に折れている。

紀三井寺の政治的パワーで国道を屈折させたのであろうか?

事実、結構日本各地にはそういう背景があるスポットもあるが、ここにおいては背景事情をWebからは調べきれなかった。

 

日本5周目にいたるまで、何度もこの道を走っている。

当然紀三井寺も視界に収まっている。

だけれども神社仏閣巡りを趣味とはしていない僕は、あえて立ち寄ったことは無かった。

 

ただ、今回は「今回は行ってみよっかな?」って思った。

上の写真のようにお寺が視界に収まってから判断した。

なぜなら今日ははポカポカの快晴でいい天気。そして紀三井寺の桜が満開を迎えているのが、国道を走る車からでもよく見えたからだ。

こういうテキトーな判断ができるのが、一人旅のメリットである。

 

 

国道42号がカーブするポイント。

寺の境内はここからさらに奥なのだが、もうこの時点でこの周辺は参拝客の人がゾロゾロと歩いている。

しかもこの先は道も狭そうだし、駐車場は満車かもしれない。

 

僕の車はHUMMER_H3っていうんだけど、かなり横幅が広いし左ハンドルで運転しにくいしで、あまり狭路には入りたくない。

もしものときのUターンも大変だし。

 

従い、国道沿いのコインパーキングにスルリと入った。

上の写真のように、紀三井寺のガーディアンのようにモスバーガーがあるので、朝食がてら入ってみた。

そしてホットサンドを1つテイクアウトにした。

境内で食べられそうな場所があったらこれを食べよう。

 

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桜満開、紀三井寺2

ここが入口だな。

護国院の楼門。これは重要文化財とのことだ。

そいてその周囲の桜の見事さに感動したわ。これには僕もニッコリだ。

この桜を見ただけでも、ここに来た意味があったと感じる。

 

境内でモスバーガーをムシャムシャ食べるのもよろしくないと思い、周囲の桜がいい感じに咲いている場所に移動した。

まず食べよう、ホットサンドはホットなうちに。

 

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桜満開、紀三井寺3

「300円したわりにはペラペラな感じなのな…」と、普段モスバーガーを食べない僕は思ったが、味は確かだった。さすがモスバーガーさん。

 

なにより桜の木の下でご飯を食べる。これ花見の代表的な楽しみ方じゃないですか。何を食べてもうまいに決まっている。

さらに、ここ紀三井寺ソメイヨシノは関西で一番開花が早いのだそうだ。

 

つまり関西で今年最初に満開の桜の下でモスのホットサンドを食べているのは僕なのかもしれない。優越感しかない。

 

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桜満開、紀三井寺4

では、改めて楼門をくぐり境内に入って行こう。

 

階段がマジで急だ。本堂までは231段あるらしい。

いや、段数だけ見ればたいしたことないように思われるかもしれないけど、傾斜がえげつないんだ。

運動不足の身には堪えますな、これ。

 

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桜満開、紀三井寺5

中央の立て札にご注目いただきたい。

この石段は「結縁厄除坂」という名前だそうだ。

若き日の「紀伊国屋文左衛門」が、結婚と出世の契機となる出会いをした坂なんだって。

 

そしてさらに気になる表記が。

 

是より上の登段最速記録は二一・九秒

無謀な挑戦はおやめください

(元陸上100m日本記録保持者・青戸慎司選手)

 

なるほど。煽っているのか諫(いさ)めているのかわからないフレーズだが、少なくとも僕はやらない。

「青戸慎司選手」はソウルオリンピックバルセロナオリンピックに出場した、若山出身の陸上選手だ。

 

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桜満開、紀三井寺6

しかもだ、2018年から「紀三井寺福開き 速駈詣(はやがけまいり)」というイベントが始まったらしい。

年始にみんなでここをダッシュで登り、そのタイムを競うようだ。

 

「鯉の滝登りに開運を目指せ!」的な意図だそうだが、なかなかにパワフルな行事ですな。

初回は青戸慎司選手もゲストとして来たそうだぞ。

 

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桜満開、紀三井寺7

途中で足を停めて桜を見上げたりする。

決して息が切れたり足が限界に来ているからではない。桜が綺麗だからだ。

ゼーゼーと荒い呼吸をしているのは、この桜を見て興奮しているだけだ。いたって普通。

 

階段の途中には湧水がある。

これが紀三井寺の名前の由来となった湧水の1つだろうか…?

 

実はね、紀三井寺って僕はあんまり由緒とか知らないんだけど、名水が3つ湧いていることがこのお寺の名前の由来になっているようなのだ。

ツーリングマップルの情報から知ったのだけれど。

"紀三井寺の三井水(さんせんすい)"という名称で、「日本名水百選」にもエントリーされているのだよ。

 

 

境内と黄金の仏像

 

石段を登り切った。暑い、疲れた。

まずは右手に仏殿っていうゴッツい立方体のお堂がある。最強の守備力を誇っているようなフォルムだ。

 

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境内と仏像1

ちょっと境内での写真がないので、国道から遠望したときの写真を引用する。

これが仏殿ね。文字通り新しそうだ。

 

このすぐ前に下界を見下ろせるスポットがある。

まずは登って来た街並みを見降ろそうそうではないか。

 

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境内と仏像2

 

すげー絶景だな!!

 

 

いやこれ、頑張って石段を登って来た甲斐があったというものですな。

なんか足がプルプルと小鹿のように痙攣しているけど、そこまで足を酷使してきたことが報われた瞬間だ。

 

あの下界の町の中から一気に石段を上ってきたのだな。

遠くには和歌山市の由緒ある景勝地である「和歌の浦」も見えているぞ。

 

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境内と仏像3

しいて言うのであれば、ちょっとだけ残念なのは、ここまで登ったらまだ桜がほとんどツボミだったことだ。

 

2つ前の絶景写真を改めてご覧いただきたいのだが、写真の下半分は全て桜の木なのだ。

これらが満開になったら、桜の花に包まれるように下界の町を眺められるだろう。

想像するだけで鳥肌が立つような絶景だ。

あと5日…ってところかな?僕が来るのはちょっと早すぎたのかもしれない。

 

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境内と仏像4

続けては本殿だ。

小さな堀に、これまた小さな朱塗りの橋が架かっているのが風流だね。

 

頭上の桜は2分咲きといったところだろうか?

実は、和歌山県ソメイヨシノ開花宣言は、ここ紀三井寺の標本木が基準となっているそうなのだ。

和歌山の桜の基準となるスポットなのだ。

 

なぜ和歌山県内に数ある桜スポットの中でも、この紀三井寺がエントリーされたのかというと、かつての第二次世界大戦の和歌山空襲で、多くの桜が燃えてしまったそうなのだ。

そんな中でも紀三井寺の桜は無事だったため、標本木とされたそうだ。

 

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境内と仏像5

そう考えると、境内に少しずつ咲いてきたこの桜たちが、とても愛おしいよね。

そして咲いたばかりの桜はとても生命力がみなぎっているように生き生きしている。

満開前ならではの力強さかもしれない。

 

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境内と仏像6

本殿で参拝をした。

この1年はいろいろと人生に動きがありそうだからな、無事を祈るのだ。

 

提灯にも書かれているが、ここは救世観音宗の総本山なのだそうだ。

しかし僕自身はあまり知識がないため、これ以上は語れぬ。

でも開創が西暦770年だというから、気の遠くなるような歴史があるのだ。すごいところに参拝できたものだ。

 

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境内と仏像7

これは多宝塔だ。これまた重要文化財だ。

周囲の桜は1分咲きくらいではあったが、周囲の観光客はみんな春の訪れを喜んでいた。

ホントステキなシーズンだ。境内はどこも観光客で賑わっており、僕もウキウキであった。

 

さて、僕は仏殿に戻る。

あの最初に見た、セキュリティがゴッツリゴリゴリの建物である。

鉄筋コンクリート3階建ての、強靭な建物である。

その中には金色の巨大な仏像があり、入場無料だというのだ。

記念に見て行こう。

 

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境内と仏像8

 

はい眩しい。

 

 

目がくらんだ。なんだこの部屋。

大千手十一面観世音菩薩像という、高さ12mの巨大な千手観音が中央にチュドーンと聳えていた。

 

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境内と仏像9

木造の立像としては、日本最大の大きさなのだとか。

そしてこれは「松本明慶さん」という仏師さんの作で、2007年に完成したもの。

まだ歴史が浅いので、これだけピカピカなのだろう。

 

ちなみに100円払うと、頭のすぐ脇くらいの高さの回廊まで登れるそうだ。

いや、それはいいや…って思った。

僕は下から見上げるくらいの上下関係でちょうどいい。

 

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境内と仏像10

髪の毛が青いのが、なんともオシャレだな。

寄木造りの仏像で、ここで組み立てたのだそうだ。従い、よく見ると正中線が走っている。なるほど納得。

 

そして「あれ?小指から赤い糸が…?」って思ったのだが、両手の手のひらの間から出て入るっぽい。

そして用途は不明だ。Web検索してみたが、僕の探した限りではこの用途について触れられているページは無かった。

 

たぶんだけど、この赤い糸は僕にか見えていない。

僕と千手観音との赤い糸だ。ラブ。

 

 

紀三井寺は進化する

 

こうして日本5周目の僕は、桜とモスバーガーを堪能して紀三井寺を後にした。

今でもよく覚えている、ステキな思い出である。

 

さて、つい先日の2022年3月下旬のことだ。

日本6周目の紀伊半島を走る僕が、再び紀三井寺の前にやって来た。

紀伊半島にはかろうじて桜前線が到達したようだが、まだまだ1分咲きにも満たない状態だ。

 

僕は紀三井寺の正面に立つと、遠くから紀三井寺の撮影をした。

今回はあそこには行かなくていいんだ。今回は今回でやることあるから。

 

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進化の道1

…こうして撮影したのが、トップに掲載した写真である。

懐かしい思い出に駆られながら撮影した。

 

そうそう、2020年にはエレベーターが設置されたそうだよ。

上まで少し楽に行けるようになったのだ。

そこまでは知っていた。

 

旅を終えて帰宅後に改めて調べると、2022年4月頭にケーブルカーも運行開始!!

…とのことだ。

うおぉ、アツいな。どんどんハイテク化が進んでいくのな。

 

Webを調べていると、仏殿の右側あたりに山頂駅が設置されるらしい。

3月末開業であれば、先日お寺の前を通った僕の視界にも収まっているハズだよな…。

遠景を撮影した写真を改めて見返してみた。

 

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進化の道2

あった。メッチャちょっとだけ、ケーブルカーのレール部分が写っていた。

 

さて、2022年の春を生きるあなたにお知らせとご提案だ。

今年の紀三井寺開花宣言は3月25日、満開は3月31日とのことだ。

ピカピカのケーブルカーで満開の桜を見ながら丘の上まで登ってみてはいかがだろうか。

僕が10日ほど早くて実現できなかった夢、叶えて見てほしい。

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 紀三井寺
  • 住所: 和歌山県和歌山市紀三井寺1201
  • 料金: 無料
  • 駐車場: なし。近くのコインパーキングを使用のこと。
  • 時間: 特になし(本堂・納経所開所時間は8:00~17:00)

 

No.181【徳島県】日本の中心「ゆめりあ34」!!カクゴはいいか!?超絶山道を乗り越えろ!

僕:「ゆめりあ34!」

工事現場のおじさん:「ヌメ…?ヌメリア??なんだそれは?」

 

もういい。道を聞ければと思ったが、もういい。

こんなところでヌメヌメしている場合ではない。

僕が目指すのは日本の中心の1つである、「ゆめりあ34」。

この先の道はかなりシンドいだろうが、心を強くして突撃するのだ。

 

僕は工事現場のおじさんにお礼を言うと、山中を目指して愛車のアクセルを強く踏んだ。

 

 

なぜここが日本の中心か

 

今しがた僕は、『日本の中心の1つである「ゆめりあ34」』と記載した。

それを読んだあなたはどういうことかと思われたに違いない。

 

実は日本の中心というのは日本各地に無数にあるのだ。

ぶっちゃけ30箇所くらいある。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

詳細については上記リンク先の【特集】をご覧いただきたい。

そしてこの無数の日本の中心を全部巡ってみたいと夢見ているのが、この僕だ。アホでしょ。

 

しかし普通に日本の中心と言うと、多くの人は本州の真ん中あたりをイメージするだろう。

僕だってそうだ。

ではなぜ日本の中心が四国の徳島県なんかにあるのか。

 

 

日本国内の陸地が存在する地において、緯度経度の下2桁が同じとなる地の北端は北海道常呂町(北緯44度・東経144度)。南端は沖縄県竹富島(北緯24度・東経124度)。

この2つの地点の真ん中、つまり北緯34度・東経134度の地点がここだ。

 

つまりここが日本の中心なのだ。

「日本列島中心点」と呼ばれている。

日本の中心の概念はさまざまある。だからこそ、30個近くも乱立している。

 

乱暴に言えば「言った者勝ち」。

あなたの想像力が、今後新たな日本の中心を産むかもしれない。

…そういうジャンルだ。

 

僕の目指すゆめりあ34も、2005年前後に日本の中心にエントリーされた、比較的若手だと聞いている。

 

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阿波市に入る

さて、それでは本編の始まりだ。

 

日本3周目を走る若かりし頃の僕は、同時に各所の日本の中心も巡っていた。

日本の中心はシンドい立地の場所が多いが、ここもその例に違わず「また来たいとは思えないな」とヘロヘロになりながら振り返ったスポットだ。

 

 

山間部に突撃しよう

 

四国を流れる大河、「吉野川」に沿って僕はドライブをしていた。

この吉野川沿いのルートは好きで、これまでも日本1周目~3周目に至るまでに何度も走っている。半年前にも走ったばかりだ。

 

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山間部突撃1

「道の駅 貞光ゆうゆう館」という吉野川にほど近い道の駅にやって来た。

 

ちょっと歩くと吉野川が見えるので、このあとの行程を考えながら少し散歩した。

ゆめりあ34と「奥祖谷二重かずら橋」、どっちを先に行こうかなとか考えていたんだけど、前者を取った。

 

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山間部突撃2

あれは「美馬橋」だな。吉野川に架かる真っ赤な美しい橋。

橋好きの僕は、興奮して写真を撮った。

そして愛用のツーリングマップルを開いた。

 

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山間部突撃3

目的地のゆめりあ34は、おそらく画面中央の「」のあたりだ。

しかしどれだけ地図を凝視しても、目印になるようなものは無いし、道は複雑すぎて見ても無駄なくらいだし、極めつけに目的地に至る道は無い。

もうアドリブで行けってことだね、承知。

 

吉野川沿いをテクテク歩いているうちに汗をかいた。

このときは9月の朝だったのだが、早くも気温は30℃に迫ろうとしていたのだ。

汗をかくのは好きではないが、熱いのは好きだ。夏よ、去らないでって思う。

 

貞光ゆうゆう館に戻り、車に乗り込んで出発した。

ゆめりあ34を踏んでまたここに戻ってくるのに3時間半を要するのだが、このときの僕はまだそんなことを知らない。

吉野川沿いを少し西に走り、三加茂駅近くの県道44号から一気に山間部に入る。

 

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山間部突撃4

このあとは携帯が余裕で圏外の、秘境中の秘境だぞ。気合入れてくぞ。

しばらくはちょっとした集落があったけれど、すぐに山道になった。

そしてバリバリ標高が上がっていく。すごい。

 

この山間部の序盤で、道路工事の誘導員のおじさんに声をかけられた。

 

工事現場のおじさん:「あんた、どこまで行くんだい。この先は行き止まりだよ。」

YAMA:「ゆめりあ34ってところまで行こうと考えているんですよ。」

工事現場のおじさん:「え?なんだって?」

僕:「ゆめりあ34!」

工事現場のおじさん:「ヌメ…?ヌメリア??なんだそれは?」

 

…えっとー。もういいや。

あわよくばゆめりあ34までの所要時間とか、詳細な所在地とか聞ければなぁと思ったんだけど、諦めた。

おじさんは「この先は道も狭いし時間がかかるから気をつけてね。」って送り出してく
れました。

了解、頑張ります!!

 

 

高原の中の狭路

 

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山間部突撃5

もう対向車なんて当たり前のように1台も来ないし、人の気配すらゼロ。

クネクネとどこをどう走っているのかわからない山の中。

いやぁ、楽しいわ。

 

しかし気になるのが、ゆめりあ34の標識が1つも出てこないことだ。

この道で合っているんだろうな…??

 

合っていることを前提に要望なのだが、できればゆめりあ34までの距離を、百歩譲ってこの先にゆめりあ34がある旨の標識を作っていただたいのだが。

運転は楽しいが、心中は不安でならないわ。

もし道を間違えていたら行き止まりが出てくるまで永久に走り続けるよ、僕。

カーナビだって一応あるけど、そもそもゆめりあ34が登録されていないしさ。

 

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山間部突撃6

「桟敷(さじき)峠」という峠にやって来た。標高は1021mとのことだ。

ここまで、三加茂駅の前を通過してから30分であった。

 

ようやくゆめりあ34を示す標識が出てきて一安心。ルートは間違ってはいなかった。

ゆめりあ34まではここから6kmあるそうだな。

 

「風呂塔キャンプ場」・「水の丸ふれあい公園」などと同じ進行方向であるが、それらはツーリングマップルに一切の表記がない。あまり参考にならない。

ツーリングマップルに書かれないほどの秘境にいるということだな。

 

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山間部突撃7

桟敷峠にて県道44号を反れて水の丸方面に行く。

さらに道を進み、風呂塔キャンプ場へ行く道と分岐する。

 

ここまでは『風呂塔キャンプ場まであとちょっと!』みたいな励まし文句の立て札があってさ、僕もそこから勇気をお裾分けしてもらっていたんだけど、これで勇気の供給がストップされちゃったよ。寂しい。

 

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山間部突撃8

路面がやや荒れてきた。

しかしちょっと頭上が開けてきた。

 

水の丸エリアは高原地帯であり、3つ前の写真にもチラッと記載されているのだが四国の軽井沢とも呼ばれているらしい。

つまり夏でも涼しいということだな。窓を開けると確かに涼しい風が入ってくる。

 

間もなく『←水の丸ふれあい公園』という看板が出てくた。

もちろのこのままスルーで直進だ。

さっき撮影した桟敷峠での標識の写真によると、ここからゆめりあ34まではあと3kmか。

長いな。こういう狭路の3kmって果てしなく長く感じるよな。

 

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山間部突撃9

しかし眺めは最高であった。

どこまでも山の中。そんな山の斜面にポツンと集落があったりする。

「あんなところにも人々の生活があるんだなぁ…!」って思うのが、山間部ドライブの醍醐味だったりする。

 

さらに1km進んだところで「六地蔵峠」に出る。

ここ、ちょっとクセものだった。

 

 

僕自身の写真がないので、Googleマップストリートビューをお借りする。

 

ここが六地蔵峠だ。

右も左も同じ程度の道幅。どっちもメインロードのように感じる。

そしてゆめりあ34を示す標識などは無し。

…どっちだ…??

 

僕、右を選んだ。結果、失敗だった。

1km少々頑張って進み、あまりの狭さと向かっている方向から「違うのでは?」と思っ
て引き返した。

車1台がギリギリの道がずっと続いているような場所なので、Uターンに5回くらい切り
替えしたよ。

変な汗がいっぱい出た。一歩間違えたら脱輪で帰れないもん。

 

ちなみにここ、Googleマップで見てみると分岐などないのだ。

しかし実際はあるから要注意だ。

まぁこのときの僕はGoogleマップも使わずにカンだけで突き進んでいたんだけどな。

 

六地蔵峠まで戻り、左のルートを選ぶ。

すると山の中にちょびっと開けた集落みたいのがあった。

ビニールハウスが点在してる。

しかし人の気配は相変わらず無い。なにも音の無い静寂な世界で、僕の車のエンジン
音だけが響いていた。

 

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山間部突撃10

ゆめりあ34の標識があった!!よかった!!

 

たった1kmちょいだったけど、六地蔵峠からここまではドキドキだったよ。

集落前後である程度視界も開けるけど、逆に分岐が多くなってさ。

さらにゆめりあ34への標識は皆無だったからさ。

 

六地蔵峠で左を選んでよかったのかすらわからない状態だったから。

右が正解だったかもしれないなって思っていたから。

でも道を聞こうにも人がいないし。

 

ここまできてアプローチできなかった、とかはシャレにならない。かなりの時間と精神力を使っていますもん。

とりあえず分岐は全て道が太い方を選んだ。

微妙なところもあるけれど、そういうところは舗装面の色が分岐前と同じ方を選んだ。

 

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山間部突撃11

こうして、ようやく上の標識の場所まで来れたのだ。

日本列島中心点の文字が全ての疲れを吹き飛ばしてくれた。

 

あと700mだ!

なお、後から確認したところ、この先はGoogleマップに道すらない。

矢印を信じて突き進め!

さらに道は細く、そしてさらに荒れてくるけど、もう分岐は無い。突き進むのみだ。

 

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山間部突撃12

深い木立の中を突き進んで行く。

対向車来たら100%擦れ違い出来ない。

 

だが、序盤の工事現場のおじさん以降、人も車も全く見かけてないけどな。

でもここでシカがいてビックリした。かなりデカいヤツだった。わお。

 

 

日本列島中心点・ゆめりあ34

日本列島中心のモニュメント

 

着いたー!!

やっぱ疲れたわ。肩も凝った気がするし、精神的に疲れた。

だが爽快な気分だ。

 

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日本列島中心点1

三加茂駅から55分ほどだった。

六地蔵峠で迷わなければ45分くらいだったかな?

 

訪問当時にWeb上でわずかに発見できる情報では、駅からおよそ1時間と書いてあるところが多かった。

大体標準タイムだが、あなたももし行かれるのであれば初回は時間も精神力もゆとりを持っておくといいと思う。

 

砂利の駐車スペースには他の車は皆無。

のびのび出来ますなぁ!

外に出ると、標高が高いので空気が冷たく感じた。

 

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日本列島中心点2

駐車場に立っていた大きな立て札が、上のものだ。

 

ようこそ「ゆめりあ34」へ

さあ、あなたも日本列島のど真ん中に立ってみませんか。

そうすれば、あなたの夢はさらに広がることでしょう。

そして、夢の実現に向けての自信が湧いてくるかもわかりませんよ。

 

…と書かれている。

なんだかチープな自己啓発文のようだが、これはこれでいいんじゃないかと、優しい心になれる場所だ。

 

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日本列島中心点2

敷地内を歩いてみよう。

山の斜面に造られた公園が、ゆめりあ34だ。

 

何か特別な施設とかがあるわけじゃない。

傾斜にはアジサイツツジが植えられていて、綺麗に管理されている雰囲気だ。

ま、どちらも今は季節じゃないので花は咲いていないけど。

 

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日本列島中心点3

傾斜に沿い、遊歩道の階段を下りていく。

眼前には深い谷とどこまでも続く山々。そしてその山肌の小さいな集落。

 

四国の山間部ってこんな感じだよね。

酷道439号とか、まさにこんな感じだよね。

こうい雰囲気の四国が好き。

 

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日本列島中心点4

さて、僕が目指すのはあそこだ。

敷地内のほぼ中央、ツツジの植え込みが日本列島の形に植えられている場所の中。

 

そこに銀のポールが三角形に組んである。

あれが日本列島中心点のモニュメントなのだ。あれだけを見るために、わざわざここまでやってきたのだ。

 

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日本列島中心点5

はい、到着。

ピカピカのポールが青空に映えるなぁ。

 

しばらく僕はここで景色を堪能し、達成感を噛みしめた。

高原に吹く風が最高だった。

たぶん二度と来ないからな、ここ。一生に一度の光景を五感に刻めよ。

 

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日本列島中心点6

このモニュメントの中央部分には、三角点と思われるものが埋め込まれていた。

三角点には"ゆめりあ34"と刻まれていた。

なかなかにかわいい。

 

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日本列島中心点7

そして傍らには、日本列島の中心を名乗る根拠の説明板が設置されていた。

内容は前述の通りなので、ここでは詳細は割愛しよう。

 

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日本列島中心点8

そしてアホな僕はここに来るまで気付かなかったのだが…。

前述の通り、ここは北緯34度・東経134度の公会点。

だからゆめりあ"34"っていうんだね。

 

説明板の右上を読めばわかるが、ここ日本の中心だとわかり、そして名称を公募し、ゆめりあ34と名付けられたのだ。

2005年前後にネーミングされた、新しいスポット名だったのだな。

 

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日本列島中心点9

 

 

絶景ブランチを堪能

 

誰もいない。全くいない。

たぶんここを目指す人ってほとんど存在しないと思われる。

辿ってきた県道44号自体、もっと進むと四国山地にぶつかって行き止まりだしさ。

 

地元の人がピクニックやレクレーションで来るかもしれないけど、そう頻繁に来れるようなところでもないだろう。

だからとても静かで空気が澄んでいて、最高だ。

 

では、車内でご飯でも作るか。ブランチだ。

メニューは時間と環境が整ったときにしか作らないお好み焼きにしよう。

 

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アウトドアクッキング1

あ”ーー、汚い車内で大変恐縮だが、薄眼で見てくれ。

 

長旅では、1日1回は車中自炊するようにしているので、今日はここで作ることとする。

食材は四国を走りながら地元のスーパーで買ってある。

肉は無いので少し寂しいな。でもいいや。

 

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アウトドアクッキング2

見た目はあまりよろしくないが、ちゃんと自宅で作ればそれなりに上手なんだよ、僕。

車中自炊では最低限のクオリティしか求めないし、器具も限られているのでこんなもんだ。

 

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アウトドアクッキング3

四国山間部の絶景の山々を眺めながら、僕は外でお好み焼きを食べた。

幸せだ。

うまいのはお好み焼きではない。この旅のシチュエーション全てがうまいのだ。

 

*-*-*-*-*-*-*-

 

ゴミは残さず、しっかり回収してゆめりあ34を後にする。

集落の中は、帰り道だと行きとはまた違った視点となり、迷いやすそうな分岐が4つほ
ど出現する。

行きのときに注意深く周囲や後方を見渡しながら来たのでルートを覚えており、無事にクリアできた。

 

僕は下界を目指す。

数ある日本の中心の1つである、ゆめりあ34。

数多くある1つでしかないが、他には無い思い出を作ってくれた。

 

僕は、ここから眺めた景色を永遠に忘れることは無いだろう。

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: ゆめりあ34
  • 住所: 徳島県三好郡東みよし町毛田
  • 料金: 無料
  • 駐車場: あり
  • 時間: 特になし

 

No.180【愛知県】名古屋の穴場的な桜スポット!?住宅地を流れる「山崎川」で花見散歩!!

僕は名古屋のバーカウンターにて、バーテンダーさんにこう尋ねた。

名古屋市内で、なんか穴場的な桜スポットはありますか?」

 

こうしてバーテンダーさんや近くに座っていたお客さんから得た情報、それが「山崎川四季の道」の桜並木である。

 

…さて、2022年の春本番がやってくる。

今年の冬は寒かったな。3月下旬にも東京で雪は降ったし、にもかかわらず大きな地震直後で節電を呼びかけられたりと、なかなかシンドかったな。

 

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でも、もう桜前線は南からやって来ている。

あと数日もすれば西日本・首都圏は桜が満開になるだろう。

待ちに待っていた季節だ。

 

そんな桜シーズン到来を記念し、日本5周目で訪れた山崎川をご紹介したい。

もう今回は桜の写真しかないからな、カクゴせよ。

もう環境BGMみたいな位置付けで、リラックスしながら桜の写真を流し見してほしい。

 

 

桜咲く川沿いの道

 

朝の名古屋市

天気予報は雨だったはずだが、予想を裏切り快晴となった。

 

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朝の名古屋

おやおや、僕の日頃の行い、最高かよ。

バーで「雨じゃ桜見ても感動が半減じゃないか」とグチッていた過去の僕を慰めてあげたい気分だ。

そしてこの時期にしてはかなり気温が低い予想だったのだが、実際はそれなりにポカポカの陽気だ。薄手のシャツ1枚で余裕である。

 

さぁ行こう、山崎川へ。

 

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山崎川1

はい、もったいぶってもしょうがないので、いきなり到着の図だ。

カンペキだなって思った。

なんだこの優しさに包まれる世界は。

桜は優しさの象徴だ。

 

写真、真ん中の奥くらいにゴミ捨て場があってゴミ袋も見えている。

だけどもそれすら美しいと感じた。それが桜フィルターなのだ。

 

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山崎川2

柵の向こう側が山崎川だ。

Wikipediaさんの情報によれば、山崎川は名古屋市内に源流があり、名古屋港に注ぐ2級河川。長さは13㎞ほどとのことだ。

なかなかに小規模な川ではある。

 

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山崎川3

そしてこの山崎川は、少なくともこの桜並木が続くゾーンにおいては、比較的込み入った住宅地の中を流れている。

周辺は民家だらけだし道はやや細いし、生活感が溢れているエリアだ。

 

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山崎川4

だからだろうか?

僕はこの桜の風景にすごい親しみやすさを覚えた。

 

誰でも知っている桜の有名なスポットのように、模擬店があるわけでもないしイベントやっているわけでもないし、花見客がピクニックしたり酒盛りをしているわけでもない。

 

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山崎川5

ゴミを出すついでに近所の人同士が「桜が満開になりましたね」とか言い合ったり、通勤途中の人がふと足を停めて上を見上げたりとか…。

もちろん観光目的の人もいるだろうが、こういう雰囲気の桜スポットなのだ。

歩きながら桜を見上げる、そういうスポットなのだ。

 

それがいい。

日常の中に感動があり、日常の中に春があるのだと、そう感じた。

 

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山崎川6

そんな僕の知らない町の日常風景に、春の陽気につられて僕がフラッと迷い込んでいるのだ。うん、最高かよ。

 

桜を見上げる僕の頬は緩みっぱなしだ。

桜のシーズン、大好きだ。

 

 

川面に架かる桜

 

さて、山崎川自体を見てみよう。

ところどころに小さな橋が架かっているので、主にそこからの景観をご紹介する。

 

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川面と共に1

山崎川はこんな感じだ。

川幅自体は2mもなく、両側をスロープ状のコンクリートでガッチリ固められている。

天然物の土手のような風情は無いが、きっちり設計された美しさがある。

 

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川面と共に2

川面に桜がかかる様子がとても好きだ。

一歩足を進めるごとに、その絵が変わってゆく。だから一歩ごとに歩みを止めて写真を撮りたくなる。

 

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川面と共に3

うん、永遠に終わらない散歩のようになるけどさ。それがまたいいのだ。

桜の時期は一瞬だ。人生の中で、桜を眺められる日数だってそんなに多いわけではないだろう。

だから、その期間の僕らの歩みくらいはゆっくりでいいじゃないかと。

 

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川面と共に4

ひとしきり歩いていると、もっと川を間近に感じたくなってくる。

せっかく川沿いの桜並木なのだから、川の近くに行ってみたい。

それを河川敷って言うのかどうかは知らないが、下に見えている川っぷちギリギリのコンクリの路面を歩いてみたくなったのだ。

 

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川面と共に5

しかしどこもキチンとガードレールが設置されていて、下に降りれそうな場所がない。

やっぱダメなのかな、危ないのかな、あそこに行くのは。

 

しばらく歩いていると、車道から河川敷に降りれる小さな階段があった。

階段に至る部分には、まるで一般家屋に取り付けられている玄関の門みたいな簡素なゲートがある。

試しに押してみると、施錠などはされていなくってギーッと普通に開けられた。

 

おぉ、これは導かれているのだと理解した。

では下に降りてみるか。ワクワク。

 

 

河川敷から見た世界

 

階段を降りて川の真横まで来た。

なにここステキ。

ちょっと視点が下がっただけで、まるでそこは別世界であった。

 

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川沿いにて1

頭上全てがピンク。桜のトンネル。

そして足元も桜吹雪が舞い落ちてピンク。

さらには頭上がピンクだということは、川面にも桜が映り込んでピンクなのだ。

ピンク一色のファンシーな世界観だ。

 

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川沿いにて2

車道からここまで下がると、もう街並みは見えないし、喧騒も遠くになる。

僕と桜だけの別世界。

そんな空間を川沿いにノンビリと歩くことにした。

 

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川沿いにて3

途中で若干の人はいた。

おじさんが1人、桜の下で読書をしていたりもした。

秘密の空間って感じだ。確かにこんな陽気の日にここで読書をしたら最高であろう。僕も本があれば読んでみたかった。

 

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川沿いにて4

ところで、後日調べて分かったことなのだが、この山崎川四季の道というのはそれなりに名誉ある称号を持っている道なのだ。

ザッと以下の通りだ。

 

なるほどすごい。

確かに桜並木は綺麗だが、住宅地の中なのでそんな高名なスポットだとは思わなかった。

近くにある「鶴舞公園」とかは有名で、僕だって聞いたことくらいはあったけどさ。

 

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川沿いにて5

ここの桜並木は全長約2.5kmにわたり、そこに約600本の桜が植えられているという。

桜シーズンの夜は、その中でもモリモリと桜が咲き誇っている「かなえ橋」から「鼎小橋(かなえこはし)」までの約120m区間がライトアップされているらしい。

 

それはそれで、きっとさぞかし綺麗だろう。

(2022年はコロナの影響でライトアップ中止だそうです)

 

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川沿いにて6

今回僕が歩いたのは、山崎川の桜並木の2.5㎞区間のおける、比較的上流の部分である。

ここはあくまで桜並木の一区間であり、僕が見た部分だけをご紹介する記事に過ぎない。

 

中流下流には足を伸ばさなかったが、それらもここと少しテイストが異なり、やや開けた景観を楽しむこともできるそうだ。

 

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川沿いにて7

もしあなたがここに行き、時間があるならぜひブラブラと全区間を歩いてみてほしい。

僕もいつか、コロナが明けたらまた歩きたい。

 

短い時間ではあったが、名古屋の桜を見ることが出来て良かった。

情報をくれたバーテンダーさんやそこのお客さんに感謝だ。

 

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川沿いにて8

ここから今日は、桜を見ながら東の静岡方面に走る予定だ。

幸先のいいスタートとなりそうだ。

ありがとう、名古屋の桜。

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 山崎川四季の道
  • 住所: 愛知県名古屋市瑞穂区大殿町4
  • 料金: 無料
  • 駐車場: なし(近くのコインパーキングを使用のこと)
  • 時間: 特になし