週末大冒険

週末大冒険

ちょっと出かけてみないか。忘れかけていた、ワクワクを探しに。

No.135【岡山県】雨も風情?山間部の「湯原温泉」の共同湯に入り江戸時代の旅館を眺める!

シトシト降る雨の中。

1人車中泊のドライブをしている僕は、辿り着いた静かな「湯原温泉」でのんびりと共同浴場に入り、そしてカサをさして温泉街を散策した。

 

晴れていたらもっとステキだったのかもしれない。

しかし、世の中には晴れの日もあれば雨の日もある。

雨を楽しめないということは、人生を半分くらい損するかもしれない。

だから、前を向こうじゃないか。

 

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秋田で見た、雨の中の水没林

2021年9月現在、コロナ禍で緊急事態宣言がバシバシ出されている上、週末やお盆や大型連休を目掛けて台風が来ている。

シルバーウィークの前半3連休も後半は行楽日和となったもの、あわや台風で丸潰れかと危惧した方も多かったろう。

人生ハードモードだ。

 

このブログ【週末大冒険】においても、なるべく晴れの綺麗な写真を出すようには心がけている。

しかし、今回は雨の風景を少しお届けしたいと考えたのだ。

 

岡山県北部、鳥取県との県境も近い、山間部の湯原温泉の話だ。

 

 

真賀温泉の共同浴場

 

僕が岡山県の山間部に足を向けると、大概天気が崩れる。

「運が悪いよな」って思ってしまいそうになるが、逆に岡山県山間部の気持ちになって考えると、「YAMAには雨の日の情景を見てほしい」となるのだろう。

 

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真賀温泉1

よーし、ザーザー降りだ、ありがとう岡山。

こんな天気ではあるが、つい今しがた遊歩道を歩いてとある滝までアプローチしていたりしたので、体が濡れて冷えている。

 

ならば温泉なのだ。

僕は晴れの日の日中に温泉にのんびり入るのはちょっともったいないと感じてしまうが、雨の日であれば「それも良し」って感じる。

雨の日は、温泉との出会える。これもステキだ。

 

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真賀温泉2

こんな看板が出てきた。

まずは右の邪悪な日の丸の中に、デロリとサンショウウオが描かれているのが気になるが、これについては後述しよう。

 

中国地方で有名な湯原温泉

その湯原温泉は、「下湯原温泉」・「足温泉」・「真賀温泉」・「郷緑温泉」と共に湯原温泉と呼ばれている。

その一番南、つまり今の僕から一番近い位置にあるのが真賀(まが)温泉だ。

 

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真賀温泉3

ツーリングマップルには、『秘境的共同浴場』と記載してある。

なんだそれ、面白そうじゃないか。近いし面白いなら、そこ入ってみよう。

看板によればここからわずか300mだし。

 

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真賀温泉4

こうして到着した、真賀温泉。

山肌に張り付くように昭和レトロな建造物がひしめいている。最高か。

 

左上の看板に書いてある「真賀温泉」っていうのは、共同浴場である「真賀温泉館」っていうのを指しているらしい。

僕の狙いはそこだ。車を降りて石段を登る。

 

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真賀温泉5

もう笑えるくらいに雨ザーザーだ。

ただ、距離は短い。さっき見上げていた看板の建物がまさに共同浴場であり、ちょっと迂回しつつもそこの3階にある入口に向かうイメージだ。

 

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真賀温泉6

赤い傘がオシャレな入口だ。

もうちょっと引きで撮ればよかったが、味わい深い木造の茶色い建物であった。

期待が高まるたたずまいだ。

 

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真賀温泉7

もうこの手書きチックな案内板だけで、僕の心はイチコロだ。

しかし、22:00まで営業しているのか、すごいな。

こういう共同浴場って夕方くらいには終わってしまうイメージだったが。

 

ガラスのスライドドアをガラリと開けて入ると、受付がある。

その上に木製の料金表があるのだが、焦げ茶色に変色していてさ、墨で書いてある内容がほとんど読めない。

 

とりあえずなんとか読めたし一番普通であろう"普通湯"をオーダーした。

150円だった。なんという安さ。

こんな値段で温泉に入れて、本当にありがたい。

 

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真賀温泉8

こんな写真しか撮っていなくって申し訳ない。

人がチラホラいたし、とても狭い施設内なのでこれが限界であった。

ちょっと記憶の中から間取りを掘り起こしてみよう。

 

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真賀温泉9

うんうん、確かこんな感じであった。

狭いの。

そして入口は暖簾もなくってこれまたわからなくて、受付のおじいちゃんに教えてもらった。

 

浴場は仄暗くてシャワーとか石鹸とかそういうものはなくて、蛇口が1つと湯船のみ。

5人くらい入るとギュウギュウになりそうなその湯船に、みんな無言でひたすら浸かっている。

 

湯船は深く、そして温度はとてもぬるい。ゆっくり浸かっていられる温度だ。

僕してはかなり長めに30分ほど浸かり、そしてお風呂から出る。

ぬるかったけど湯上りはポカポカになった。

さすが温泉だって思った。

 

 

千と千尋」のモデルの旅館

 

さらに10㎞ほど車を走らせ、湯原温泉の中心地へとやって来た。

事前知識はほとんどゼロで来た。

 

駐車場の場所も知らないのでとりあえず道なりに温泉街の中をズンズン進み、一番奥の河原に無料の広大な駐車場があるのを発見。

そこに愛車を停めた。

 

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湯原温泉1

ちょっと温泉街方面に徒歩で引き返し、そして振り返って撮った写真がこれだ。

温泉街はこの「旭川」という川沿いに立ち並んでいる。

 

そしてこの温泉街の特徴は2つ。

 

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湯原温泉2

1つはすぐ背後の巨大なダムが聳えていることだ。

「湯原ダム」というらしい。

この立地とこの景観、すごいな。「進撃の巨人」みたいだ。

 

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湯原温泉3

もう1つは、2つ上の全景の写真を撮った後に気付いて「うわー、ごめんなさい!」ってなったんだけど、川原にすんごいワイルドな露天風呂があるという点だ。

 

無料の混浴露天温泉で、「砂噴き湯:砂湯」。

2021年現在は水着着用が推奨であり、女性については旅館等で湯浴み着を借りることもできるらしい。

 

このとき僕が見た限りでは、全員ハダカだったけどな。この頃はまだオープンだったのかな。

よーし、時間があったらあとで僕も入ってみようかなぁ。

 

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湯原温泉4

温泉街、渋いな。

レトロ好きな僕としてはときめく。

 

しかし週末なのに雨のためか、お客さんがほとんど歩いていなくって寂しい。

温泉まんじゅうを店頭で売っているお店もあったが、なんだか気持ちが乗らなくってそのままブラブラと歩き続ける。

 

僕には、この温泉に来た目的がいくつかある。

前述の通り事前情報はほぼゼロであるが、それでも知っていたことがあり、目的にしてきた。

 

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湯原温泉5

それがこれだ。「油屋」という旅館。

 

ジブリ映画の「千と千尋の神隠し」をご存じの方であればおわかりと思うが、映画には同名の湯屋が登場し、そこが物語の大半の舞台となる。

ここもその湯屋のモデルの1つといわれているのだ。

だからこそ、僕はここに来てみたかった。

 

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湯原温泉6

いっこうに止まない雨の中、カサをさして油屋を見上げる。

この宿は1688年(元禄元年)創業であり、この地でもう330年ほども営業しているのだ。

歴史の重みがハンパない。

 

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湯原温泉7

立ち寄り湯や食事も可能なのだが、さっきの砂湯も入りたいし、ランチは先ほど食べたばかりだし、そもそも僕なんかが1人でここにフラリと入る度胸もない。

だから見上げるだけとしよう。

 

そもそも2021年現在、立ち寄り湯は1100円する。

どうしてもさっきの共同浴場の150円と比べてしまい、興味本位では少々イタい金額だと結論付けた。

 

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湯原温泉8

いつかゆっくり宿泊で来れる機会があったらいいなって思う。

あの「油」の旗がステキだ。海賊旗みたいだ。

 

あと、「千と千尋の神隠しのモデルとなった湯屋はそこ以外にも…」っていう声が聞こえて来そうなので、追加でご紹介しよう。

 

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その他の「千と千尋」のモデル

僕の知る限りでは、これらを加えた4軒がモデルと言われている。

 

僕もここに至るまでに上記全ての温泉街で宿泊している。

つまり湯原温泉がラストだったのだ。だから来たかったのだ。

(仮に他にもモデルがあったのであれば、教えてほしい)

 

 

ちょっと不思議な体験を…

 

僕はさらに雨の温泉街を歩いた。

先ほど記載の通り、まだ目的があったからだ。

2つある。

 

温泉街は相変わらず静まり返っていたが、ある意味これは好都合であった。

 

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深淵1

これは油屋近くの路地に入って撮影したものだ。

赤い橋と木造建築とのコントラストが渋いなって思って撮影した。

 

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深淵2

これはグルグル温泉街を巡っているときに発見した、少し古びた温泉街のMAPである。

その他の目的地の場所が掲載されているか知りたかったのだ。

 

「うーんやっぱり載ってないな。古さが足りないのかもしれないな。あと、公序良俗的な問題もあるのかもしれないな、ふんふん。」って呟いた。

そしてその後、あれこれ頭を悩ませつつも、2つともなんとか発見できた。

 

この記事内では執筆せず、いずれ機会があれば…としたいが、ほんの少しだけ触れてみよう。

 

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深淵3

それは、40年前の遺構であった。

写真右端のポールを発見したことで、一気に活路が開けた。

足元ドロドロビシャビシャになったけどな。せっかくお風呂で綺麗になったのに。

 

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深淵4

もう1つは、これまた既に滅びたスポットであった。

息絶えたのは、平成の初期頃であろうか?

オトナの階段、登ってやった。

 

閑話休題

最後に、湯原温泉の片隅で見たものをご紹介する。

 

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深淵5

倉庫に格納された、巨大なサンショウウオの乗った山車。

それがいくつもある。

「うわぁ、ビックリした―!!」ってなった。

 

これは苦手な人は苦手なビジュアルと大きさであろう。

体長5mはゆうにあるぞ。リアルだし。

 

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深淵6

どうやらこれ、"はんざき祭り"っていう祭りに使われる山車らしい。

8月に実施するんだって。見てみたいような、見たくないような…。

 

はんざきっていうのは、オオサンショウウオのこと。

この地域独時の呼び方なんだって。

その名の由来は、「半分に裂いても生きているから」。

いや、裂くな。

 

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深淵7

山間部で水が綺麗な渓流も多く、オオサンショウウオが生息しているのだ。

だから、冒頭でご紹介した看板にもオオサンショウウオが描かれていたのだ。

近くにはオオサンショウウオを見れる「はんざきセンター」もある。

 

あと、そんな綺麗な川だからホタルも生息しているらしい。

なんとステキなことだ。

 

こうして岡山の山間部に降る雨が綺麗だから、こういった生物が今も元気に生息するし、川岸に温泉街が形成されて賑わったのかもしれない。

 

雨、ありがたいじゃないか。

そう感謝して、僕は相変わらずザーザー降る湯原温泉を後にする。

 

…いや、本当は晴れの方が3倍好きなんだけどな!

ちょっと無理して感謝しちまったよ!

そして、あれこれ探索していたら砂湯に入る時間が無くなったけどな!

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 真賀温泉館
  • 住所: 岡山県真庭市仲間180
  • 料金: 普通湯¥150
  • 駐車場: あり
  • 時間: 7:00~22:00(火・祝日休み)

 

 

No.134【富山県】2024年、黒部渓谷に新ルート!…その前に黒部トロッコの思い出を語ろう!

コロナ禍だけども、未来の観光業にワクワクを隠せないニュースはある。

僕の個人ランキングでその1位は… …!!

 

2024年、黒部・立山エリアに新観光ルート誕生!!!

 

うわー、これヤバい。

自分で書いておいて武者震いが止まらないレベルだ。

もう今からドキドキワクワクで興奮しすぎて、夜しか眠れない。

 

…おっと失礼。

1人でキャッキャウフフと喜んでいてもアレなので、概要をご説明しよう。

 

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まずは僕が苦労して描いた、立山黒部エリアの観光MAPだ。

 

左右を突き抜けているのが、「立山黒部アルペンルート」。

世界有数の山岳観光ルートであり、さまざまな乗り物を乗り継いで長野側と富山側を行き来できるようになっている。

僕も何度か訪問し、全線攻略済みだ。

 

下から上に上がっているラインは、「黒部渓谷」エリア。

ロッコで終点「欅平(けやきだいら)」まで行き、強者は「下ノ廊下」を歩いて1泊2日で「黒部ダム」まで行くこともできる。

ただしあまりに山深く雪深いので、雪が解けて登山道が整備できるのが9月中旬、そして11月にはまた雪に閉ざされるというすごい道だ。

 

2024年、ここの徒歩部分が乗り物で移動できるようになるのだ。

今まで工事関係者しか使えなかった設備や乗り物類だ。これについては後述しよう。

 

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では、今回僕が何を執筆するのかと言えば、先ほどのMAPにも記載した通りここだ。

現時点での黒部渓谷の(乗り物に頼れる)最深部。

 

宇奈月温泉から欅平までアプローチした話をしたい。

 

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紅葉、すっごかったんだからな!

 

 

抱けよ、解放感と尿意

 

これは、日本5周目で欅平を目指した、僕とその旧来の友人である「バンザイ」との物語だ。

 

前夜から「宇奈月温泉」に宿泊していた僕ら。

朝のトロッコで終点の欅平を往復する計画であった。

 

時は11月第1週。

紅葉のハイシーズンであるので、トロッコは事前予約をした方が良いと聞いている。

 

ロッコは定員制。

全員が着席する必要があるため、事前か当日かどちらかでチケット購入が必要なのだ。

当日分は6:50から販売開始とのことで、それに合わせて宿を出る。

 

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宇奈月駅1

宿からトロッコ始発駅の宇奈月駅までは徒歩2分だった。

文字通り、朝飯前だ。

 

ただしザーザー雨が降っている。おまけにすごく寒い。テンション低空飛行。

 

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宇奈月駅2

朝早いのに、キチッとした制服で頑張っているスタッフさんたち。

当たり前なのかもしれないが、ありがたい。

 

僕たちはとりあえず朝風呂入ってからジャージにサンダルみたいな格好で来ているので、完全に気後れした。

 

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宇奈月駅3

ホテルの朝食は7:00からなので、さすがに始発の7:32のトロッコは厳しい。

次発の7:57で予約をした。

 

ロッコは3種類ある。普通客車・リラックス客車・特別客車。

普通車とそうでない車輌の大きな違いは、壁と窓があるかないか

つまり、普通車だと側面が全くない、完全な吹きっさらし状態なのだ。

 

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宇奈月駅4

 だけどもトロッコだぜ。もともとそういうもんだろ。

壁なんていらない。窓もいらない。普通車を予約した。

ちなみに一番安い。

 

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宇奈月駅5

別シーンで撮影したものだが、これがリラックス客車か特別客車のどっちかだ。

どちらなのかはわからない。しかし知る必要のないことだ。

僕らは普通車なのだから。

 

*-*-*-*-*-*-

 

…というワケで、シーンは出発直前の宇奈月駅である。

 

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宇奈月駅6

駅で始発を待機している人々の装備が普通じゃない件。

完全防備。ヘルメット付き。

これは僕ら、場違いな感じがするぜ。まぁいいけど。

 

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宇奈月駅7

そして寒い。とても寒い。

今日の最高気温は、昨日の最低気温にすら届かない。

秋服で来たの、あきらかに失敗だな。草木も枯れ落ちる温度よ、これ。

 

「さてホームに行こうか」って思っていると、改札前で係員の人が「普通客車の方は、ポンチョをご用意くださーい!絶対買ってくださーい!横風でスブ濡れになりまーす!」って注意喚起している。


なんてこった。

1回限りの着用でポンチョなんぞ本来であれば買いたくは無いのだが…。

しかしズブ濡れはイヤだしな…。

もじもじしているうちに友人のバンザイがスタコラと買いに行きやがったので、しょうがないので僕も買うこととした。

 

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宇奈月駅7

「峡谷コート」だなんて渋いネーミングではあるが、普通にコンビニでも売っているようなスケスケのレインコートである。

 

400円。

ちなみにこの400円があれば、トロッコ片道分を特別客車にグレードアップできた。

なんとも愉快な出費である、ゲラゲラ。

 

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宇奈月駅8

ロッコの先頭車両がコイツだ。

バチクソかっこいいぞ。

パワフルに渓谷を突き進んでくれそうな、頼もしい顔をしている。

 

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宇奈月駅9

そしてトロッコの普通客車がこれだ。

ディフェンス力が低めのデザインである。

嵐が来ても熊が出ても、真っ先に餌食だ。それらのリスクを「臨場感」のひとことで片付けようとしている列車だ。

 

駅員さんに「キミたち、がんばれよ!」と言われた。

なんだったら、うるんだ瞳で敬礼されかねない感じで言われた。

出兵か。

 

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宇奈月駅10

撮影係のお姉さんがやってきた。

観光客の写真を撮り、あとで帰った来たときにでも1000円くらいで販売する、ちょっと昔の観光地でよくあったスタイルの営業だ。

 

僕らを見て一瞬ちゅうちょした後、声を掛けてきた。

きっと「この天気で普通客車に乗る変なヤツ」みたいに思われた。その通りだ。

僕らも苦笑いでピースしながら写真に写った。

 

もうすぐ発車の時間だ。

 

ロッコは片道80分。

途中に駅はあるけど、停車はほんの一瞬、あるいは停車してもドアが開かなかったりするらしい。

ようするに、これからの80分はトイレに行けないってこと。

 

だけども僕はトイレが近い。いつも朝は30分おきにトイレ行っている。

さっきもホテルの朝食バイキングでしっかりホットコーヒーを飲んだ。

利尿作用バツグンだ。

 

さらにこの吹きっさらし状態。雨かつ低温。

もう「トイレに行きたくなるための条件はすべてそろえた」と胸を張って言える。

ヤベーなこれ。

 

出発直前、駅員さんに「すぐ戻りますから!」って言って、最後のトイレにダッシュした。

ちなみにバンザイはチェクアウト前に「腹の調子がおかしい…」とか言いながら唸っていた。

これ、ピンチね。2人ともヤバいね。

 

7:57、トロッコ発車。

 

 

僕らはかわいそうな存在か

 

吹きっさらしのトロッコは楽しい。

黒部の風。黒部の匂い。全部体全体に感じることができる。

 

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ロッコの旅1

早速トンネルの中を走ったりするのだが、手を伸ばせばトンネルの壁に届くだろう。

もちろん危険なのでやらないけど。

 

しかし気分はインディジョーンズである。

ポンチョを着たインディジョーンズなんて聞いたことないし、もしそんなことしていたらここまでの人気にならなかっただろうが。

 

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ロッコの旅2

さて、上の写真であるが、僕らは普通客車の車両の一番前に座り、後方を振り返って撮影した。

それがなぜだかおわかりだろうか?

 

寒いからだよ!!

 

寒風が身に染みるんだよ、スタート1分でめげた。

だから前の車両を風よけにするために最前列にいるんだよ。死ぬ。

 

この生存方法、宇奈月駅で励ましてくれた駅員さんが教えてくれた。

命の恩人、ありがとう。

 

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ロッコの旅3

出発から7分。まだ7分。寒い。

最初の駅である柳橋駅を通過する。

 

ここの駅前には「新柳河原発電所」がある。

西洋のお城みたいですごいかっこいいけど、雨なので川がドロドロ。寒い。

 

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ロッコの旅4

線路が大きくカーブして、後ろの方に連結されている窓や壁のある客車も見えた。

あっちは観光客がいっぱい乗っている。

そもそも紅葉のハイシーズンなのだ。お客さんはとても多い時期なのだ。

 

チッ、貴族共はいい気なもんだなぁ、コラ。

そう言って僕は汚く舌打ちをした。

寒いと心も貧しくなるのだ。

 

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ロッコの旅5

錦絵図の中の、1本の滝。素晴らしい。

紅葉が本当に綺麗なのだ。晴れていたら最高だったろう。

 

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ロッコの旅6

ロッコ内には観光のためのナレーションが随時かかっていて、周辺の見どころや季節について、トロッコについてなど興味深い内容をガイダンスしてくれている。

富山出身の女優の「室井滋さん」がそのナレーターを担当しているのだそうだ。

 

これにお蔭で飽きることなくずっと楽しくトロッコに乗れるのだ。

このまま尿意を忘れるくらいにしゃべり続けてほしい。

 

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ロッコの旅7

後曳橋から眺める水路橋だ。これも見どころの1つ。

谷間で列車を止めてくれたので、吹きっさらしの木枯らしが身に応える―!チクショー、ありがとなー!

 

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ロッコの旅8

出平駅近辺では、黒部川に設置された出平ダムが見える。

なんというダイナミックな建造物。


現在の時刻は8:30になろうとしているところ。

まだ半分弱。

全く退屈ではないんだけど、トイレのことを考える機会が増えてきた今日この頃です。

 

駅を通過するとき、駅員さんからの「がんばれー!」の声がドップラー効果で聞こえた。寒い。でも心は温まった。

 

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ロッコの旅9

ダムの先にある猫又駅などは、工事用の車両が複数台停まっていたりしている。

あぁいう車両はどこから運び込んでいるのだろうね?パーツレベルにして、トロッコ列車に乗せて?

じゃあ、車検や法令に則った定期点検のときはどうするのだろうね?

 

尿意をごまかすためにバンザイを質問攻めにし、「知らん」と一蹴される。

君も腹痛を抱えていた身なのだから、もうちょっと協力すべきと思うが。

 

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ロッコの旅10

8:50、鐘釣駅にトロッコが一時停車。

この駅は途中駅では一番大きくって、「万年雪展望台」などの景勝地もあるし、温泉も湧いている。だから宿泊施設もあるんだよ。

 

ここで乗り降りする人も若干いるので、初めてまともな停車をしたのだ。

しかしわずかな時間なので、トイレにダッシュすることはアスリートであっても不可能。

 

ホームにいるおばさんが物珍しげにこっちを見ている。

そして僕さ、読唇術(リップリーディング)で何言っているか大体わかっちゃうんだけど、おばさんの口は間違いなく「かわいそう」のかたちに動いた。

 

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ロッコの旅11

うおぉ、「かわいそう」って言ったなー!

チクショー!!

でも!僕は自分が選んだ道は胸を張って歩きたいよ!!

 

さぁ、終点欅平まではあと20分弱!

"僕の"黒部ダムの貯水量はこの時期かなり多いけど、ギリギリ決壊はしなさそうだよ。人としての尊厳、守れそうだよ。

守れなかったら、そのときはもう「かわいそう」って言っていいよ。

 

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ロッコの旅12

9:12、終点の欅平駅

見事に体がコチコチである。すぐにトイレに行った。

 

まだトロッコが停まっていたので、一瞬特別客車と思われる車両に入ってみた。

おいおいなんだよ、窓と壁だけではない、中にはエアコンも完備されているじゃないか!そりゃ快適だわ!

いいご身分だなぁ!!

 

 

40分で覚める夢

 

さて、ここにいられる時間は40分だ。

ちょっとこの後の予定もあるので、そのくらいが限界だ。

 

河原展望台

 

この40分で、僕らは周囲の3箇所の景勝地を散策するつもりだ。

昨夜に酒を飲みながらイメージできている。

 

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河原展望台1

雨の降る中、ポンチョを着て傘を差し、急な石段を下る。

この先にあるのは「河原展望台」だ。

展望台と言うけれども、遥か下にある。

 

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河原展望台2

展望台からは、その名の通りに黒部川の河原が見渡せる。

川に注ぎ込む小さな滝も一緒に見られる。


頭上の赤い橋は「奥鐘(おくかね)橋」だ。

川からの高さは34mあって、標高1543mの奥鐘山の中腹へと続いている。

 

うん…、まぁいい眺めではあるけれども、やっぱり雨だとちょっと残念な気分にもなる。

展望台には足湯もあるけど、座板は雨でビシャビシャだし、手を入れてみたらぬるいし。風邪引くわ。

これも黒部渓谷に湧く「祖母谷温泉」からのちゃんとした温泉なんだけどね。

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河原展望台3

欅平駅方面に引き返すべく階段を登っているとき。

 

振り返った渓谷が、ほんの10分前に下っているときと比べて明るくなっているなって感じたんだ。

空を見上げると、少し雲が薄い。そして流れが早い。

 

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河原展望台4

僕はバンザイに「待て」と言った。

ここがいい。この位置がいい。あと1分で、きっと世界は激変するから。

 

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河原展望台5

 

来るよ来るよ!!

世界は輝くよ!!

 

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河原展望台6

はい、来たーーー!!

 

そして、雨の中に日が差したら、みなさん何が見られるかご存じですよねー!!

一緒に言ってみましょうか。

 

せーのー … !!

 

 

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河原展望台7



虹(レインボ)ー!!

 

 

いやぁ、感動的だねこれ。黒部渓谷に虹が架かったよ。

なんといういいタイミング。

 

 

奥鐘橋

 

僕らはさっき見上げた赤い橋までやって来た。

いつまでこの青空が続くかわからない。だから急いで駆け上がってきた。

 

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奥鐘橋1

朱塗りの橋に、雨の粒子がキラキラと光っている。

幻想的。日本の秋って素晴らしいね。

 

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奥鐘橋2

橋の上からの虹である。

さっきよりも遮蔽物が少なく、さらにいい眺めだ。

青空もどんどん広がってきている。

 

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奥鐘橋3

どうだいこの光景。

 

山も7色。虹ももちろん7色だ。ありったけの色彩が、今ここに集結している。

花は一輪も咲いていないのに、この鮮やかさよ。

これが黒部だ。

 

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奥鐘橋4

霧は生き物のように山肌を這い、刻一刻とそのかたちを変えて行っている。

ずっと見ていられる。

 

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奥鐘橋5

そして上空。

都会では見られない空だ。神々が降臨してきそうな空だ。

 

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奥鐘橋6

橋の上で、僕らは歓喜した。

そしてちょうど雨が止み、そして虹が消えていった。

 

 

人喰岩

 

ホラーなネーミングだ。

奥鐘橋を渡ってすぐのところにある景勝スポット。

 

岩がオーバーハングしていて、遊歩道の上に覆いかぶさるようになっている。

その様がまるで人を飲みこむようなので人喰岩と名付けられたそうだ。

 

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人喰岩1

ここは頭上からの落石の可能性があるとのことで、ヘルメットの着用が推奨されている。

遊歩道の入口にヘルメットがたくさん置かれている台があったので、僕らもヘルメットを被った。

 

安全のためというのもあるけど、単純に被ってみたかった。

ヘルメットがあったほうが、非日常って感じがする。

 

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人喰岩2

この先は祖母谷温泉に通じる山道なんだけど、僕らはこの岩盤がお目当てだ。

一往復して引き返すこととする。

 

尚、1つご紹介しておきたい画像があるので、Twitterから引用する。

 

 

この人喰岩、近々安全に生まれ変わるのだそうだ。

このツイートは昨年(2020年)、「安全な人喰い岩ってなんだよ」とか「口はそこじゃねーだろ」みたいな感じでバズってネットニュースにもなったもので、僕も同じく大爆笑させていただいた。

 

今回僕がご紹介した写真では、荒々しい岩盤が剥き出しの天井であるが、そのうちコンクリートでガッチリ固められて雰囲気が変わってしまうようだ。

ご留意いただきたい。

 

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人喰岩3

さて、名残惜しいがそろそろトロッコ駅に引き返す時間である。

なにせ時間が40分しかなかったのだ。

 

ただし、トロッコに乗っている時間も観光の一部だったので、とても満足はしている。虹も見れたし、青空も見れたし。

 

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人喰岩4

 

ありがとうイリュージョン

 

欅平の駅へと戻ってきた。

僕らが乗って帰るトロッコで到着したと思われるお客さんたちが、駅からドバッと出てきたところだった。

 

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帰路1

僕らの便のときよりも3倍くらい人が多いかも。

やっぱ普通の人が動き始めるのは、このくらいの時間からなのだろうね。

 

空は少しずつまた雲が多くなって来てしまっている。

もう少しで太陽に雲がかかってしまう。

あと数10分後には、ここは元通りの曇り空になってしまうかもしれない。

本当に一瞬の晴天だったのかもしれないな。

 

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帰路2

ロッコ出発までに、僕は駅で簡単なお土産を買っておいた。

それからしっかりとトイレに行っておき、帰りのトロッコに乗り込む。

 

ロッコは行きよりも人が多くって、僕らの普通客車も6・7人の人が乗っていた。

まぁそれでもガラガラだけどな。

だけど人が多いと精神的にも暖かい。

太陽が出ていたことや、日の出から時間が経ったことによる気温の上昇も期待できそうな気がする。

 

流石に帰りは眠い。

ナレーションを担当する室井滋さんのガイダンスも、帰路は心なしか口数少ない。

 

そしてまた雨が降り出した。

もう一度ポンチョを着て、濡れないようにお土産を抱えて少し寝る。

寒いけど、寝てしまえば感覚なくなるもん。

 

ウトウトしながら寝たり起きたりを繰り返す。

ときどき対向から欅平方面に向かうトロッコが来るんだけど、お客さんがメッチャ乗っている。

僕らのときとは全然違う。

そしてオープンな普通客車からチビッコとかがこっちに手を振ってきたりしてね。寝ぼけつつ振り返す。

 

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帰路3

そして行きのときに写真撮影ができなかった、猿専用吊り橋の撮影に成功。

 

宇奈月湖」に架かる、プランプランの簡素な吊り橋。

猿はここを渡って対岸とを行ったり来たりするんだって。

すごすぎる。僕ならイヤだ。

 

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帰路4

こうして11:40ごろ、宇奈月温泉の愛車の元に戻ってきた。

もう空はすっかり曇っていて、また小雨が降っていた。

 

一瞬のイリュージョンよ、ありがとう。

 

 

そして繋がる新ルート

 

冒頭で書いた通り、今回の舞台の欅平から黒部ダムまでの区間が2024年に開通する。

 

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新ルート1

ヤバいなんてもんじゃない。

あの日本最強クラスの黒部ダムっすよ。

 

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新ルート2

別の機会の僕が撮影した写真だ。

ダムの上に小さく人がいるのが見えるだろうか。

本当にすごい。ここいらの話はまた改めて書き殴りたい。

 

新ルートでこの黒部ダムに出て、右に行けばいいのか左に行けばいいのか。

どっちも最高だ。

しかし1日では回り切れない規模だ。

嬉しすぎて悩みそうな世界になるだろう。

 

それにさらにワクワクポイントとなるのは…

 

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新ルート3

青字部分に着目してほしい。

今回のトロッコしかり、立山・黒部エリアの乗り物は特殊なものが多い。

 

トロリーバスは日本で残っているのはここだけだ。

ちょっと前まで一番左の電気バストロリーバスだったんだけど、それに最後に乗りに行った思い出も、また機会があったら書こう。

 

そんな立山・黒部エリア。

新ルートの乗り物群もすっげぇんだからな!

 

unazuki-kurobedam-route.jp

 

  • 工事用トロッコ電車 … かつて工事作業員が乗っていた、暗い坑道を進むゴツい電車。
  • 竪坑エレベーター … 山を垂直に貫く巨大エレベーター。200mの標高差は、当時の日本1の規模。
  • 蓄電池機関車 … 高熱隧道と呼ばれる、掘削時160℃にも達した坑道を進む重厚な機関車。
  • インクライン … 斜度34度の急勾配の坑道を登る、ケーブルカーに似た巨大な台車。

 

どれもすごい。

20世紀の大事業と言われた黒部ダム建設のための工事を支えた区間を、この目で見たり実際に活躍した乗り物に乗れるのだ。

地下帝国のようなこの世界観。2024年が楽しみでならない。

 

そして、この新ルートの名称募集を、2021年10月31日までやっている。

歴史に名を残せるぜ。

あなたもやってみてはいいのではないだろうか。僕も考えようと思う。

 

立山・黒部エリアは、20世紀の大工事でも盛り上がったが、21世紀ももう一度盛り上がるのだ。

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  

No.133【北海道】本土最北東端かつ世界遺産の「知床」!マイカーで行ける限界はどこ!?

僕ら一般人が到達できる、日本の最北東端はどこか。

それは北海道の知床にある「相泊(あいどまり)集落」だ。

 

正確に言えば日本の国土には北方領土が存在するし、仮にこれを北海道本土に絞ったとしても「知床岬」がある。

 

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北海道の地図をパッとイメージしても、大半の方の脳には知床半島が思い浮かぶし、「知床岬、一般人でも行けるんじゃないの?」と思われるかもしれない。

 

結論、知床岬は凡人には少々困難だ。

車道はおろか、歩道もない。

 

今回僕は、車さえあれば多くの方が訪れることが可能である日本の最北東端、相泊集落の最北端部分についてお話ししたい。

 

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…もうね、道がブツッと切れているからね。

岬じゃないけど、これもある意味で"最果て"よ。

 

 

知床は大自然の楽園

 

まずは前提のご説明をさせていただきたい。

今回の記事は、日本の突端をいろいろご紹介する以下の【特集】の一環として執筆する。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

本記事のみならず、どうぞ心行くまで突端を味わってほしい。

輪郭を知れば中身が見えてきて、それが日本を理解することにも繋がると思うのだ。

 

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さて、冒頭でもご説明の通り、そんな日本の各突端においてメッチャ手前で道が途切れてしまうという意味で、知床岬は少々特殊である。

 

ちょっと知床岬にフォーカスしたMAPをお見せしよう。

 

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ガチで知床岬に行こうとしたら、片道でも相泊集落から徒歩で2泊3日だ。

 

歩道もなく、海沿いのガレ場を延々歩かないとだし、場合によっては高い岩場をクライミングしたり、満潮の海を少々泳いていかないといけない。

もちろんテント・飲食、全部持参だ。

さらにヒグマの巣窟。なにせ世界遺産に登録された広大な大自然だから。

 

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大自然、知床1

相泊の道路が終わるところに立っている標識を撮影してきた。

パワフルなワードが並ぶが、マジで遊び半分で足を踏み入れてはいけないのだ。

慢心は即、命にかかわる。

 

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大自然、知床2

僕も知床岬まで行こうと本気で考えていた時期がある。

いろいろ情報収集もした。

 

しかし装備を整えるのは大変そうだし、僕は根性無しだし、1日でもお風呂に入れないとイヤだし、夜はきっとオバケが怖い。

それに、一緒に言ってくれそうな友達がいない。マジメな話、同行者は絶対にいないとキケンなのだ。できれば経験者がいいけど、もちろんいない。

 

…とまぁ八方ふさがりで、そもそもサラリーマンなんであんまり長期も休みも取れないし、それだけの休みがあるなら北海道全域をグルグル走りたいし。

 

ね、もうグチグチとネガティブ発言が止まらないでしょ。

神聖な知床の地は、こんなグチ男は受け入れてくれませんな、きっと。

 

だから、僕は相泊集落を目指すのだ。

 

 

エンド・オブ・ザ・ロード

 

羅臼の中心地であっても、なかなかに"果て感"がある。

目の前には北方領土の「国後島」が横たわっているし。

 

しかし相泊集落はそこから25㎞だ。

どん詰まりの道なので、また羅臼中心部まで戻ってこないといけない。

往復50kmだ。

 

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道路の終わり1

信号なんて1つもないし、店も交差点も人もほぼゼロ。

たまーに対向車が来るだけで、とても爽快な走行だ。

ちなみに右に見えている陸地が、北方領土国後島

 

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道路の終わり2

相泊集落に行く途中には奇岩があったり滝があったり、小さな集落と温泉があったりするのだが、そこは主旨ではないので全部飛ばそう。

 

舞台は25㎞先、道路沿いにポツポツと民家が10数軒並ぶ、相泊集落である。

その一番奥、いよいよ道路が無くなるところまでやってきた。

 

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道路の終わり3

『キケン 道なし!』

『この先  行き止まり』

 

「相泊橋」という集落の北端近くに架かる橋のたもとにあるのが、これらの看板だ。

エモい。

ただただ、この看板がエモい。

 

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道路の終わり4

裏を返せば、もう道がなく危険と隣り合わせの場所まで、僕はやってきたということだ。

知床の道は、ここで終わる。

この先は世界遺産が牙を剥く、野生の王国だ。

 

エンド・オブ・ザ・ロード

 

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道路の終わり5

岬の先端まで車で行くことはできないが、道の終焉をしっかりと示してくれる場所まで自走で来れたことが感慨深い。

 

僕はガチの地理的観点からの突端を目指す人間ではない。(それが実現できれば一番だけど)

旅人としてなんらかのゴールの定義を踏めれば、ひとまずは満足なのだ。

まさにここがそれ。

 

だから、僕はここに来るたびにこの看板の写真を撮影している。

 

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道路の終わり6

正確に言うと、無難に車で行ける厳密な限界点は、橋を渡ってすぐ左側にある無料駐車場だ。

上記の写真で示すのであれば、愛車パオの屋根の上あたりに被っている場所だと思っていただきたい。

 

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道路の終わり7

ここがその駐車場。

相泊を散策するのであれば、ここに停めるのが良いだろう。

(…とはいっても、見どころは少ないが)

 

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道路の終わり8

ここから奥は、本当にもう車道がない。

建物がチラホラ見えているが、漁業関係のものがほとんどとなる。

 

昆布漁が盛んな羅臼。そのための施設(昆布番屋)がまだ知床半島の先端方面に向けて点々と存在するのだ。

漁師さんは、そういった番屋に主に小船で行き来している。

 

知床岬まで2泊3日で歩くのであれば、この写真をずっと奥の方に、こういった番屋を見ながら歩いていくのだ。

 

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道路の終わり9

一度、地元の方に許可をいただき、駐車場のもう少しだけ奥まで車で進ませてもらったことがある。

とはいっても数10mだが。

 

先ほどお見せした橋の反対側。

橋の下を流れる川の河口部分が上の写真だ。

 

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道路の終わり10

果て感のある、いい写真になったと思っている。

向こうの陸地は国後島だ。

ギリギリまでやってきたという達成感があった。

 

そりゃ「本来であればこの向こうも…」みたいな北方領土を取り巻く思いも無きにしも非ずだが、それは今回は胸中にしまっておこう。

 

 

日本最北東突端地の碑

 

さて、突端マニアのみなさん。

ここ相泊には、「日本最北東突端地の碑」がある。

 

2021年現在、かろうじてある。

僕自身は2021年のこの場所を実際に自分の目で見たわけではないのだが、そのような情報を得ている。

 

ちょっとそこいらの経緯を時系列でご説明しよう。

 

 

「熊の穴」とトド肉

 

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日本最北東端1

食堂兼民宿の、「熊の穴」

先ほど掲載した相泊橋のすぐ手前にかつて存在したお店だ。

 

知床岬まで徒歩で行く人の拠点となったり、オーナーのおじさんがいろいろアドバイスしてくれたり、岬到達後は船で迎えて来てくれたり。

知床岬攻略において重要なお店であったという。

 

これは日本3周目で僕が訪れた際の写真だ。

左奥にご注目いただきたい。

 

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日本最北東端2

日本最北東突端地の碑。

お店の前には、この碑が設置されていた。

斜め方位の突端だ。とても貴重なものだ。記念撮影できてとても嬉しい。

 

よし、お昼ご飯はこのお店で食べるか。

 

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日本最北東端3

 

トド焼き定食!!

 

 

トドだよ、トド。

道東や道北では、トドを食べる文化があるのだ。

 

ja.wikipedia.org

 

レトルトカレーの具だったり缶詰とかで観光客が購入できる機会もあるが、こうやって肉そのものをムシャムシャ食べられる機会は非常に貴重だ。

だから迷わずトドをオーダーした。

尚、迷ってはいないが、心中はドキドキであった。

 

なかなかに強めの臭み。

全体的に味が薄く、なんか水っぽい感じ。

だから焼肉のタレにしっかりと絡ませて食べるのだ。

うむ、一生に1回でいい味かもしれない。

 

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日本最北東端4

ジャーン、お目当てはこれだ。

会計時にオーナーさんからいただいた。

 

証明書

貴方は知床世界自然遺産日本最北東突端に到達し、味処熊の穴を味わった事をここに証明する

 

トド肉を食べたときだけ、これをもらえる。

当時は日本の突端に到達するたびに、そこで発行している到達証明書を獲得していたので、これも絶対にGetしておきたかったのだ。

 

 

冒険者の夢の跡

 

少し時が流れて、再び知床羅臼の町。

僕は嫌な予感がしていた。

 

羅臼の旅人宿で一緒に飲んだ旅人が、「相泊集落の熊の穴?改装していたのかな?やっていなかったよ。」と言っていたのだ。

その旅人に別れを告げてチェックアウトすると、僕は相泊集落を目指してアクセルを踏む。

 

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日本最北東端5

到着した。

懐かしいお店であったが、前のような生命反応を感じられなかった。

近くにトラックが停まっていたが、お店自体を見るに、改装しているにしては各所に雑さが見られた。

 

作業している人に、「何の工事ですか?リニューアルですか?」って聞いてみた。

そしたら「ここのオーナーさんが亡くなったので、もう壊すんだよ」とのこと。

えぇーー!!閉店なのですか!あのオーナーさん、亡くなっちゃったのですか!

ショックだ。

 

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日本最北東端6

どうやらオーナーさんが亡くなったのは2010年のこと。

その後、2011年にお店は閉店し、売りに出されたらしい。

 

僕がこの写真を撮ったのは2013年のことだったのだが、取り壊し予定ということは、買い手がつかなかったということだろう。

 

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日本最北東端7

以前記念撮影したときとはデザインの異なる碑。

あのあとリニューアルしたんだね。

 

しかしその碑が傾いた状態で無造作に置いてあるのが、とても悲しい。

お店を解体してしまうということは、この碑もきっと撤去されてしまうのだろう。

 

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日本最北東端8

碑はお店の敷地内にあるので、作業の方に立ち入り許可と撮影許可をいただき、碑と共に再び記念撮影をした。

 

これがきっと最後の撮影になるだろう…。

悲しいけど、グッバイだ。

 

 

象徴よ、令和に遺れ

 

さらに時は流れた。

久々に僕は羅臼に来ていた。

ちょうど「北海道胆振東部地震」っていう大きな地震が起きた直後であった。

 

もう、お店もあの碑も、無いよね…。

 

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日本最北東端9

いや、普通にあった。

なんだったら、5年前と全然同じだった。

 

「解体する」と言っていたのは何だったのだろうか?

手前にはミッチリと車が停まっているが、お店が営業しているわけではない。

寂しいことには変わりは無い。

 

そうだ、日本最北東端の碑は…!?

 

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日本最北東端10

あった。

 

チクショー、ゴミみたいに扱いやがって…。かわいそう、かわいそう。

横倒しになっているし、数年前と比べて明らかに塗料が落ちて色あせていた。

 

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日本最北東端11

地元っぽい人に、「コイツと一緒に写真を撮りたいのですが、引っ張り出してもよろしいですかね?」と聞いて「いいんじゃない?」的な回答を得る。

 

よーし、まずはちゃんと立とう。

碑は立っているべきだ。少なくとも今だけは。

 

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日本最北東端12

うんうん、いいぞ。

初めてここに来た日を思い出すなぁ。

あの日からいろいろ変わっちゃったけどさ、懐かしいよな。

 

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日本最北東端13

今度こそ最後になってしまうかもしれない。

そう思って記念撮影をした。

 

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2021年、この地を訪れている人の写真をWeb上で見ると、まだお店もあるし碑もある。

なんだったら、碑はちゃんと立て掛けられていて、このときみたいな邪険な扱いはされていなかった。

 

しかし、主のいない店の敷地内の碑だ。

いつどうなるかわからない。

 

日本最北東端の象徴であるこの碑、今後も残存してほしいと強く願う。

 

 

未来に命を繋ぐもの

 

相泊には、食堂も無ければお店もない。

国後島は良く見えるが、人工的な展望台みたいなものもない。

つまり、"観光施設"と呼べるようなものは、僕は知る限りはほぼゼロである。

 

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相泊温泉

あえて言うならば、「相泊温泉」だ。

海ギリギリに設置された、コンクリートの小さなプールみたいな温泉。

 

無料だが、夏期のみ入浴可能であり、満潮時や高波のときには水没する。

夏の一時期のみ簡素な囲いができるが、それ以外はこのようにフルオープンであり、車道からも丸見えだ。当然脱衣所などは無いし、混浴だ。

観光客向けではなく、もともと漁業関係の方々が入るために造られ、地元の人が管理して運営されている。

 

カクゴがあるなら、ここに入ってみるのもいいだろう。

(僕は入ったことは無い)

 

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相泊川1

そんな中で、僕がオススメするのが相泊川である。

あの『キケン 道なし!』・『この先  行き止まり』の下を流れている川だ。

 

上の写真のように、橋の下をくぐったら海に注ぐだけの、何の変哲もない川に見えるかもしれない。

しかし、夏の後半から秋には、すごい光景がみられる。

 

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相泊川2

それは鮭の遡上である。

海で暮らしてきた鮭が、産卵のために生まれ故郷の川に戻ってくるという、アレだ。

 

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相泊川3

川を覗き込めば、いたるところ鮭だらけなのだ。

それはもうウジャウジャと遡上している。

 

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相泊川4

わかりやすく、あえて水流が穏やかな場所にいる鮭の写真を数枚掲載した。

 

傷ついた彼らの身体がわかるだろうか?

ヒレや腹が川底などにこすれて剥離し、真っ白になってしまったりする。

だけども彼らは死力を尽くして遡上するのだ。

 

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相泊川5

水流に逆らってひたすら泳ぐ。

ときどき油断したり体力が尽きて、一気に河口のほうまで流されてしまうものもいる。

残念どころの話ではない。命がかかっているのだ。

 

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相泊川6

しばらく力をためた後、一気に推進する行動を繰り返している。

魚にだってスタミナがあるのだ。

苦しいのだ、きっと。

 

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相泊川7

僕はスーパーの魚を見ても、食材としか思ってこなかった。

観賞用の魚を見ても、「優雅ですね」くらいにしか思わない。

 

しかし、おそらく魚にも感情がある。

自然の中で生きるっていうのは、こういう厳しいシチュエーションに立ち向かうことなんだ、きっと。

 

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相泊川8

途中で傷つき、息絶える者もいるだろう。

熊のエサになってしまうものもあるだろう。

 

それでも必死に泳ぐ彼ら。

思わず「がんばれー!」と声が出てしまうが、ずーっと太古の昔から育まれてきた営みなのだろう。

 

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相泊川9

生きるということ、食物連鎖、命をいただくということ…。

子供のときにこの光景を見れたら、さらに感銘を受けていたであろう。

 

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相泊川10

彼らはどこまでいくのだろう。

 

川は遡るほど勢いが早くなり、狭くなり、そして形状もボコボコで小さな滝のようなところもある。

柔らかい体は、きっと擦り剝けてボロボロになるに違いない。

 

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相泊川11

旅の終着点は、命の終着点。

それと引き換えに、子孫を次の時代に残すことができる。

 

それは当たり前なのかもしれない。

でも、人の手の全く入っていない命のバトンを目の前で見れるのだ。

なんという貴重な体験なのだろう。

 

世界自然遺産、知床。

車で行ける限界点は、すなわち手つかずの大自然との境界。

そこで生きるということ・命というものの素晴らしさを感じ取れた。

 

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ここを立ち去る前に、再度冒頭の写真を掲載しよう。

 

『キケン 道なし!』・『この先  行き止まり』。

 

僕らが介入していいのはここまでだ。

岬までなんて、行けなくていい。岬まで道路を通すのもおこがましい。

少しだけ、大自然に触れさせてくれてありがとう。

 

言葉にできない感謝の気持ちで、最果てを引き返す。

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 相泊集落
  • 住所: 北海道目梨郡羅臼町相泊
  • 料金: 無料
  • 駐車場: あり
  • 時間: 特になし

 

No.132【愛知県】深夜3時~明け方のラーメン屋!客は店主に見つからぬよう木立に隠れる!

「大丸ラーメン」。

名古屋の今池という町にかつて存在したラーメン屋さんだ。

 

知っている人は、「あぁ、あの伝説の…!」と目を細めるだろう。

知らない人は、その店を知っている人から話を聞いただけで恐怖に震えるだろう。

要するに、三国志で言えば「呂布」だ。

 

その店は、50年の長きに渡って営業していたが、2012年の11月末で歴史に幕を下ろした。

 

「なーんだ、もう存在していないお店なら興味はないや」だなんて言わないでいただきたい。

呂布が遥か昔の武人であっても現代まで語り継がれるように、大丸ラーメンも未来に語り継ぎたい伝説だ。

 

僕も一経験者として、語り部としての責務を果たしたい。

手元には当時の手記がある。

これに少々手を入れつつ、当時の興奮をあなたにお送りしたい。

 

それでは、お聞きください。

食べるも地獄、聞くも地獄の、大丸ラーメン物語。

 

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大丸伝説1

 

 

死臭の中で見つけたもの

 

今池の町といえば、名古屋屈指の繁華街である。

24時間、喧騒の絶えない街というイメージがある。

僕には、そんな街を拠点としていた時期がある。

 

頻繁に歩く道があった。

大きな幹線道路に設置された、綺麗な白い敷石の埋め込まれた歩道だ。


ここの特定の10mほど、歩道が急にベタベタになる。

革靴で歩くのがメッチャ不快だ。

 

 

Googleマップストリートビューで、2012年のものを見つけたので上に貼り付ける。

ここだ。このレトロで昭和テイストなビルの前であった。

正確に言うと、向かって左側のシャッターが下りている当たり。


向かって右側は、一見すると営業しているのかどうかわからないような鍵屋さん・金庫屋さんが入っているみたいだが、ほとんどの場合はシャッターが下りていた。

でも、薄暗い中で営業しているシーンも何度か見かけた。

 

上層階はアパート的な感じのようだ。

ビルの脇に上層階に上がる階段があるのだが、暗くて狭くて覗いただけでちょっと怖かった。

 

 

そんなビルの一角にある、シャッターが壊れたように1m上がっている部分。

 

ちょっとしたひさしがあり、その下には雨の日は、ボロボログチャグチャの玄関マットが敷いてあるから、なんかの施設の入口だと思うんだ。

だけどもなんだかわからない。

入口なんだろうけど、間違っても入りたくはないタイプの入口だ。

 

そこの前の歩道がいっつもベタベタなのだ。

そしていっつも上のストリートビューのように、1mだけ開いているのだ。

 

季節は6月だった。

ジメジメムシムシで有名な6月だ。

このシャッターの1mの隙間から、すっごい臭いがするの。

とても失礼な言い方で申し訳ないのですが、腐ったような、ホームレスのような臭い。

本当にそうなのだから、しょうがない。

 

その半開きシャッターの前を通るときは、いつだって必ず息を止めていた。

だけど気になるから、チラッと横目でシャッターの中を見る。

 

ゴミの山。

ダンボールが転がっている。

そしてシャッターのすぐ奥には小さな小さなカウンターがある。


店舗?飲食店系の廃墟かな?

そのカウンターの上もダンボールやゴミで溢れているから、とても営業しているとは思えない。全てが汚すぎる。

 

*-*-*-*-*-*-*-*


7月下旬

相変わらず息を止めて、その元店舗らしき場所の前を通過したとき、すごいものを見てしまった。

 

キャベツのダンボールを持ってきたであろう業者さんが、シャッターの中を覗いて、中に人に何かを話しかけている!

キャベツを納品している!

 

マジで!?現役の店舗!?飲食店??

看板もないし営業しているところを見たことも無いけど?

今まで僕、このシャッターの前を100回ほど、朝6時から夜23時くらいまでまんべんなく歩いていたけど、店なの!?

ゴミ屋敷ではないの!?えーっ…!??

 

でも、シャッターの奥からは、ボロボロのカッコの70歳くらいのおじいさんが出てきてキャベツ屋さんの応対をしているんだ。

 

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大丸伝説2

Googleマップストリートビューの最古の映像に、偶然それに類似するシーンが収められている。おじいさんが外の物品を建物内に運び込もうとしている。

 

えーー、どういうこと?キャベツ屋さん、あの臭いの中で大丈夫なのかな?

キャベツの運命もかわいそうだな。

 

しかし、あの店舗(?)は一体なんなんだ?

なぜにキャベツを大量に買い付けているのだ?

 

僕はWebで調べた。

店名のあるお店であれば一発だが、看板や暖簾などを出している気配はない。

だからWebでそれっぽい住所を打ち込んだり、ビル名や同じビルに入っている鍵屋さんの名前で検索したり、いろいろやったさ。

 

そして…、検索できた!!

 

  • 店名…大丸ラーメン
  • 営業時間…深夜3時~早朝5時

 

えぇぇぇぇぇーーーーーー!!!??

 

…これが、僕と大丸ラーメンとの出会いだった。

 

 

僕らは物陰に潜むネコだ

 

大丸ラーメン。

僕が良く歩く通りの、臭くて汚い半開きシャッターの中は、そう呼ばれているお店だと知った。

いや、本当にオブラートに包まない表現で申し訳ない。ただしガチで不快感しか感じていなかった。


営業時間は深夜の3時ごろから5時ごろまで。

オーナーのおじいさんの気分次第なのだそうだ。

なるほど、だからいつも店の前を通っても営業していなかったのか。

 

ちょっと気になったので、さらにWebでいろいろ調べてみた。

 

  • 店名は知っていても場所は知らない人が多い。看板が出ていないので、深夜に今池の町を徘徊して自力で探す形式。
  • 創業50年で、おじいさんが若いころからやっている店。
  • ドカ盛りで激安。麺はうどんや焼きそばも使っている。
  • クソマズい。
  • お客さんに材料を買いに行かせたりする。
  • カウンターを拭く雑巾に触ると、手を洗っても臭いが落ちない。
  • 深夜のわずかな時間しかやっていないのに、すごい行列する。ファンも多い。「大丸ラーメンの歌」も作られている。
  • 2012年の8月に閉店予定。なぜなら、お店のあるビルが東日本大震災のあとの査定で基準値を満たしていないことが発覚。老朽化もあって取り壊されることになったから。


うおぉ、濃厚すぎて情報を頭の中で処理しきれない…。

とりあえず調べながら「ヤベー、ヤベー」しかコメントが出て来なかった。

 

普通の人は「すごいカルトなラーメン屋がある」というウワサを掴んでから必死に店の場所を探すんだけど、僕は真逆だった。

怪しい建物を発見し、それを調べて行くうちにラーメン屋だと気付くという。

 

とにかく、8月末に閉店するのか。

既に今は8月第2週だから、あと3週間か。

てゆーかさ、あんなヤバい店でラーメン作って、深夜なのに人が来るの?

信じられないんだけど。

 

でも、ちょっと興味をそそられる。

自分の目で見てみたい。あわよくば、食べてみたい。

 

だけども、あと8月末閉店ってことはもう今週末しか行く機会がないと気付く。

その次の週末から僕は北海道に旅立ち、その旅行が終わるのがもう8月最終週だからだ。


よし、じゃあこの週末に調査してみるか…。

ボロクソ書いておいて、結局のところ興味津々なのだ。

自分で自分が恐ろしいぜ、まったく…!

 

*-*-*-*-*-*-*-


2012年8月11日(土)、深夜2時過ぎに僕はフラリとこの通りに現れた。

こんな深夜にドカ盛りラーメン食べたい気持ちは1ミリもないけど、これも調査だ。

 

お店が視界に入る角を曲がると、うおっ!!

本当にあのボロボロのビルの前に20人くらいたむろしている!!

いつもシャッター半開きで腐臭が漏れてくる店舗に明かりがついている!

 

まずは通行人を装って、店の前を通過してみた。

中からプワンと醤油の香り。

チラリと見えた店の中はやはり汚いけど、食べ物の匂いがしただけでかなり安心感を感じてしまったから、人間って不思議。

 

たむろしている客層は、メインは大学生から20代後半の男性。そしてその連れの女性。

うおぉ、女性もあんなヤバい空間入るのだね。初デートだったらいろいろすごすぎる。

あ、でもほとんどの人は飲食店としてもこの店の顔しか見ていないから平気なのかな?

昼間のデロデロの状態を見ていないから。

 

それからちょっと怖そうなおじさんたち。

今池はライブハウスとか多いので、それ系の人と、あとは繁華街だから夜のお仕事系の人が多いみたいね。

 

怖いけど、列の一番後ろに並んでみる。

大体並んでいるのはグループか、1人でも常連っぽい人。

僕は新参者で1人だから、ちょっとドキドキだ。

 

2:30、店の中からオーナーのおじいさんが出てきた。

僕らの方を見て、「今日は営業しないです!帰ってください!」と言う。

僕らがモジモジして店の前からなかなかどこうとしないと、「営業しないと言ってますでしょ!帰ってください!!」と再度言う。

僕らは仕方なく店の前を離れ、誰もいなくなった。

 

…ってのは、実は毎日やっている恒例行事らしい。

 

Webで事前に読んで知っていた。

行列の人が騒いで近所迷惑にならないように、追い払うらしい。

並んでいたおよそ20人の人たちは、思い思いの場所で虎視眈々と店の様子をスパイの様に伺う。

 

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大丸伝説3

2:50、おじいさんがまだ店の前をウロウロして、お客がいなくなったかを監視しているみたいだ。


僕は道路の対面からコッソリそれを見ていた。ネコのように。

僕の近くで待機している人がもう2人ほどいたけど、「これは開店まで時間がかかりそうだな…。今日は全員食べることはできないだろうな…。」と言っている。

なんだこの人、相当な手練れだ。

 

なんかね、この店は以前はもう少しまともな営業時間だったのよ。

夕方開店で朝方閉店みたいな。

 

だけどもおじいさんの体力が追い付かなくなり、開店時間がどんどん遅れ、だけども閉店時間は朝の5時で固定。

そんな感じで今では午前3~5時の営業となってしまったのだ。

だけどもこれもおじいさんの気分次第なんで、もっと早いこともあれば遅いこともあるらしい。

 

…雨がポツポツ降ってきた。あー、カサ持ってないわ。

なんか気分が萎えるなー。

 

3:15になった。まだ誰も店の前に戻って来ない。

みんなビルの陰や木立の陰からお店を監視している。

おじいさんも時折ビルから出て来ては、周囲をキョロキョロ警戒している。

なにこの深夜のサバイバル劇。


んー、なんかもう今日はやる気失せたな。僕、帰るわ。そんで寝るわ。

明日の夜に再チャレンジしてみようと思う。

そして、きっとそれがラストチャンスだ。

 

 

買ってこい、ブラックサンダー

 

翌日の2012年8月12日(日)、僕は再び大丸ラーメン攻略に乗り出す。


深夜3時開店って言っても、今はオーナーのおじいさんのスタミナも限界近いから、実際に店がOPENするのはもっと遅くだろう。

そう考え、昨日よりもアプローチ時刻を遅く設定する。

 

2:45、大丸ラーメンの前に来た。

まだ店は準備中。30人ほどの人たちが店の様子を窺いながらたむろしている。並んでいなくって、お店の前にウジャウジャしている感じだ。

店内の席は…、5席だっけ6席だっけ?

ひとまず6回転くらいしないと僕の順番は来ないな…。

 

3:15、人々が列を作り始めたので、僕もそれに混じった。

1人で並ぶのは何かアウェイな感じだ。ヒマ。

 

3:20、昨夜と同様におじいさん出現。「営業はしないです!帰ってください!!」と声を張り上げ、僕らを追い払う。

いや、じゃあそのお店から漏れてくる醤油のにおいはなんなんだと。あなたの夜食か?

ひとまずみんな撤退。そして昨夜同様にネコのように思い思いの物陰から店を物色する。ニャー。

 

3:37、再びコソコソと30人が店の前に集結。

行列ができた。僕もスルリとその行列に入り込んでいる。

 

僕の後ろに並んでいる2人組の片方の人は、「この店、今月で閉店するから10数年ぶりに食べに来てさぁ。楽しみだ。」とかなんだとか話している。

その相方は今回が初回の訪問っぽい。聞き耳を立てて情報収集をしておこう。

 

3:42、行列の前の方からアメの袋が回ってくる。

自分の分を取って後ろに回す。

このお店、待っている間におじいさんがこうやってお菓子を回してくれるのだ。

なんだよ、ついさっきは追い払ったくせに優しいじゃないか。

ツンデレか。惚れるぜ。

 

そしてよく見えないが、この後すぐにどうやらお店が開店したようだ。

この時間(3:45)に開店とは。遅ー…。

 

4:35、並んでいるうちに空が少しずつ明るくなってきた。

鳥がチュンチュン。

あー…、何やっているんだ、僕…。

でも、行列は順調に進んできた。あと10人、2回転くらいかなー。

 

4:40、行列の一番前のお客さんが、おじいさんに買い出しを頼まれたらしい。

近所の「100円ローソン」に竹輪とブラックサンダーと麺を買いに行かされた

Web情報によれば、これも恒例イベントだ。

 

買い出し担当のヤツ、嬉しそうに生き生きと「100円ローソン」に走って行きやがった。

なんなんだこの店…。麺も具材も「100円ローソン」とは。

しかしね、まだ開店から1時間弱、10数人しか店に入っていないのに、もう食材在庫切れ?

計画性の無さが素晴らしいぜ、コラ。

 

4:53、いよいよ行列の先頭まで来た。

店内のカウンターにてスタンバイしている人が外の僕を見て、「1名入れるそうですよ」とおじいさんの言葉を伝言してくれた。

来たー!ついにあの暗黒空間に足を踏み入れるとき!!

カウンター5席だけのクッソ狭い店内に入り、外に一番近いカウンターに座る。

 

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大丸伝説4

うわぁ、うわぁ…!!

あれだけ忌み嫌っていた店内に入っちゃったよ。

そんで暑いなここ。地獄か。

開けっ放しのドアから朝の少しヒンヤリした風が吹き込むのが不幸中の幸い。一番外に近い席でよかった。

 

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大丸伝説5

僕の席からの眺めがこれだ。

 

カウンターは僕を含めて男性3名、女性2名。これでギュウギュウ。

おじいさんはカウンターと荷物に囲まれた、1畳も無いスペースで汗だくになってラーメンを作っている。

 

冷蔵庫を置くスペースが無くって、僕らの座席の後ろに冷蔵庫がある。

ときどきおじいさんは「冷蔵庫から竹輪取ってくださーい!」と僕らに指示をする。

 

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大丸伝説6

5:05、まだ出てこないラーメンを待っていると、突然おじいさんが言う。

 

「暑ーい!もうダメ!休ませて!もうここね、炎のすぐ側なんだもん。炙られているようなもんだもん!はい、今日は店内にいる人まで!」

そしてちょうど1人が食べ終わって空いた客席にドカッと腰を下ろした。

 

…は?もう辞めちゃうの?店内にいる人までってことは、僕のラーメンまではOK?

聞いてみると僕のは作ってくれるって。

「でも外の人のは無理ね。帰ってもらってください。」

そう僕に指示をする。

 

しょうがないので僕はドアから顔を出し、「あのー、もう今日は作らないそうなんで、帰ってほしいそうです…。」と告げる。

外にはまだ2・30人が並んでいるんだけどな。

そういやもう店の閉店の時間である5時を回っているな。

 

外の人たち、「は??」みたいな顔をしている。

なかなか現実を受け止められずに、その場を動かない。

奥でおじいさんが「本当に作らないから、待ってもらっていても悪いけどダメだから、帰ってもらってください、ハイ。」と再度言う。僕はそれを伝言する。

 

外の人たちもそれでようやく諦めだした。

僕のすぐ後ろに並んでいた、「10数年ぶりに食べに来て楽しみだ」と言っていた2人組も、ションボリしながら帰って行った。

 

…ねぇ、で、僕のラーメンは?

おじいさんはドッカリ座り込んじゃってレストタイムをエンジョイしているけど、誰がラーメン作るのですか??

 

 

うどん・焼きそば足しますか?

 

2012年8月12日(日)、早朝の5時過ぎ

僕はラーメン屋で、自分のオーダーしたラーメンが出てくるのを待っていた。

 

ま、オーナーのおじいさんは、僕ら客と同様にカウンターのこっち側の椅子に座っているんだけどな。

カウンターのあっち側?

いや、誰もいないよ。無人

 

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大丸伝説7

そんでこんな早朝だけども朝ご飯としてラーメンを食べるのではないのだよ。夜食。

もう2時間半も待っていて、外はすっかり明るくなってきちゃった。

 

「暑いですね。扇風機つけますね、ハイ」

おじいさんはそう言い、針金だけで出来ているような昭和テイストの扇風機のスイッチを押す。

なんか「ガショガショ…ガション」と音がしただけで、扇風機は再び静かになった。

アレレ。

 

上を見ると、蛍光灯がチカチカ点滅しだした。

「今月でお店もおしまいですし、私も74歳ですし、何もかもが寿命なんですよ…、ハイ。」

おじいさんは寂しそうにそうつぶやくが、吹っ切れたように立ちあがり、またカウンターの中に戻ってラーメンを作り始めた。

 

僕は今まで店の外観を「汚い臭い」とののしっていた。

もちろん内装も備品も全てが汚い。

 

麺を上げるザル、なんかチラッとしか見えなかったけど、デロデロみたいのが付着していない?ザルから麺じゃない何かが垂れ下がっていない?

深海からいろいろ引き上げるサルベージ船のカゴを彷彿とさせた。怖い…。

 

で、なんやかんやで僕と他2人の、今日のラストのラーメン3つが完成した。

「えー、ではそこのアナタ、立ってください、ハイ」

おじいさんは目の前の客を1人立たせる。

 

説明しよう。

5席ほどしかない大丸ラーメンのカウンターの上は、物が多くて内側からお客さんにラーメンを出そうにも、ラーメンを置ける場所が1箇所しかない。

その1箇所に座っているお客さんが、全員にラーメンを配るのだ。

 

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大丸伝説8

幸い、そこの席は常連と思わしき人。

僕じゃなくて本当に良かった。あの席だけは嫌だった。

 

鬼のように大盛りのラーメンは、注意してもスープがこぼれる。

だからカウンターのふきんを使って丼を持って、そーっとおろすんだ。

 

そのふきんは当然スープで汚れ、洗っていないのかどうかはナゾだけども色はブラウン。まるで油揚げのようだ。

これを使用した者は手を洗っても匂いが落ちないという、伝説のふきん。呪いのアイテム。

その彼が、素晴らしき自己犠牲の精神で、カウンターのラーメンを僕を含む3名に回してくれた。

 

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大丸伝説9

5:10、戦闘開始!敵は強大だぞ、気合入れて行け!!

 

本当はこの店、カメラ厳禁なんだ。完全撮影禁止をもう50年も貫いてきた。

だけどもおじいさんが「もう閉店だから、自由に撮ってください、ハイ」とみんなに言っていたので、僕も撮影できた。

 

このお店は、盛り付けもボリュームも適当。

だから作るたびに微妙に違うラーメンになっちゃうんだって。

そうしたら昔、「Webで見た写真と実物が違うぞ!」と突っかかって来たお客さんがいたそうだ。

そういうトラブルを抑制するため、撮影禁止にしていたんだって。

 

まずは大量のモヤシ。軽く湯がいてあるだけで、味付け無し。

マジで絶望するほどの味気のなさ。

 

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大丸伝説10

でも、これは知っている。

だからこそ、カウンターの上にソースや醤油、ニンニクチューブがあるのだ。

みんなこれで好きに味付けするのだ。

おじさんに頼めば焼きそばの粉末スープも出してくれるらしい。


それらの調味料がスープに溶けだして初めて、大丸ラーメンのスープの完成なのだそうだ。なんだそりゃ。

ひとまずソースをかける。こだわりのラーメン店なら、この時点で激怒だな。いや、待っている間にアメを食べていた時点でアウトかな。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

モヤシ地獄。なんとか食べ進める。

ソースをかけたところで味気ない。テンションが全然上がらない。

だけどもコイツをどうにかしないと麺が出て来ないのだ。

 

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大丸伝説11

もうビビッてカメラがブレちゃって恐縮なんだけど、ようやくラーメン本体の登場。

だけどもこれでもまだ普通のラーメンの1.5倍はある。


中太麺、そしてナゾの味付けの肉、買ったばかりでまだ冷たいチクワ、カマボコ。

味は…、うん、マズい!!

すでに閉店した今だから正直に言うけど、マズいよこのラーメン。

 

スープは昆布だしと醤油だけで作っているらしい。

それをラーメンのスープと呼べるのかどうか、なかなかキワドいラインを攻めている。


ナゾ肉だけは、オリジナリティのある濃い味付け。

これだけはイケるかも。

でも、考えたら負けだ。一気に食べないと、絶対に完食できない!

 

隣の人は僕より先に食べ始めたため、もう完食間近。

おじいさんに「替え玉いりますか?」って聞かれていた。

 

ここは替え玉無料なのだ。

まぁデフォルトで普通のラーメンの倍くらいのボリュームがあるので、替え玉まで行くには相当生命力がある人に限られるけど。


隣の人は「あ、うーん…」と渋っている。

するとおじいさん、「うどん?焼きそば?」みたいに聞いていた。

オーダーしたうどんが投入される。

それ、もう既にラーメンじゃねーし…。スープも麺もラーメンじゃねーよ…。

 

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大丸伝説12

5:26、完食!!

限界!汗だく!

 

残したら悪いから、死ぬ気で食べたよ。

カウンターのこっち側の席でバテているおじいさんに、「ごちそうさまでした」とお金を払う。

550円だったかな?タクシーの初乗り料金と一緒ってのを、創業以来ずっと貫いているそうだ。


「ありがとうね。ハイ、ブラックサンダー

そう言って手渡されたのは、さっき客の1人が買いに行かされたブラックサンダー

食後にはお菓子をもらえるのがここのルール。

 

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大丸伝説13

外に出ると、もう完全に朝。

1日が始まりつつあるのに、僕は寝不足だし腹パンパンだし、なにやっているんだろう…。

 

家に帰る。現実に戻ってきた気分。

ブラックサンダー、今はとても食べきれない。

 

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大丸伝説14

あ、ブラックサンダーじゃなくってモーニングサンダーだった。

アイツ、オーダー間違えて買ってきやがった。

 

グッド・モーニング。

なんという皮肉。

これから寝て、起きてから食べよう。

では、おやすみなさい。

 

 

キミにも届け、この戦慄

 

2012年8月末で閉店予定だった、超カルトラーメン屋の大丸ラーメン。

8月末閉店だからこそ頑張って8月中旬に食べたのに、閉店しなかった。


「ビルの大家さんが、まだ取り壊し工事が始まらないから営業していていいと言ってくれたんです、ハイ」とのことだ。

近いうちの閉店は決まっているが、ギリギリまで営業するらしい。

 

Web上では、10月末説や、11月末説が飛び交っていた。

みんな気になる大丸ラーメン。

 

すっかり肌寒い季節となった。

僕は相変わらず、大丸ラーメンの前を頻繁に歩いていた。

営業している深夜3時とかに出歩くことはほぼないので、いつも営業時間外の半分シャッターの閉じた状態を横目で見ながら通過していた。

 

やっぱり飲食店とは思えない汚くて臭い店の前。

中をチラリとみると、オーナーのおじいさんがカウンターに突っ伏して寝ている。

来る日も来る日も。

いつも同じ服だしね。洗濯しているのかな、あの服…。

 

おじいさんは家に帰っているのだろうか。

70過ぎなのにいっつもカウンターで寝ていて、疲れは取れているのだろうか?

 

24時過ぎくらいに例の「100円ローソン」で買い物をしていると、たまにおじいさんに会う。

いつもカゴいっぱいのモヤシや竹輪を買っている。

レジでおじいさんのすぐ後ろに並ぶと、会計に時間がかかることを気にしてか、「すいませんね、ハイ」と言ってくれる。


まれに夕方ごろ、モヤシを持ってヨタヨタと今池の町を歩いている姿を見かける。

だいぶ足が悪そうだ。


2012年10月下旬、親しい友人たちと名古屋を満喫した。

その際、僕はみんなに「今池にはヤバいラーメン屋があるんだぜ」と紹介した。

昼間の大丸ラーメンの前に行き、先の武勇伝を語った。


半開きシャッターの中から、カウンターで寝ているおじいさんがチラリと見えた。

友人メンバーの1人に「室伏」というナイスガイがいる。

関東圏の廃墟・廃村巡りの頼りある相棒だ。

 

その室伏が「うおぉ、行きたい!興味ある!でも深夜に並ぶのか…」とかモジモジしている。

「もうすぐ閉店なんだぜ、一生に一度なんだから行けよ」、と僕は後押しした。

室伏はやる気になった。

 

夜が更けた。午前2時過ぎだ。

再び友人たちと大丸ラーメンの行列を見に行く。

「じゃ、頑張ってね」と言って室伏を行列に並ばせてから、その場を離れた。

 

そのあとは何度かメールで実況中継が来た。

「なんかおじいさんに『帰れ!』って言われたんだけど!」「お菓子が配られた!」…とか。

うんうん、知ってる。

あと、「寒い」とかメール来る。知らん。

 

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大丸伝説15

そのとき室伏が撮影した写真がこれだ。

 

「8年半前のことで恐縮なんだけどさー…」と、室伏に連絡を取り、当時の画像をもらったのだ。

久々に連絡して大丸ラーメンの画像要求だよ。僕はヒドいヤツだ。

そして室伏も無事に完食したようだ。

 

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大丸伝説16

5:30に完食して帰って来た室伏は、「マズい…。シンドかった…。後悔している。」と言っていた。


ま、食べなくても後悔するより良かったんじゃなかろうか?

フォローするために、「でも、ナゾ肉はそこそこうまいよな」って言ったら、「いや、ナゾ肉が1番マズかった…」と苦しそうに言ってた。

アレ?

 

…そして、11月。

名古屋はめっきり寒くなる。

大丸ラーメンの閉店日は11月末で確定した。

本当に最後の日がやってきた。

 

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大丸伝説17

 

 

木枯らしの中のサヨウナラ

 

2012年11月末日。大丸ラーメン最後の日。

別に僕はもう再びあの店に行くつもりはない。

どうせ今日は凄まじい行列になるだろうし。

 

夜に例の「100円ローソン」に寄ると、オーナーのおじいさんがいた。

竹輪とモヤシを買っていた。

 

どちらからともなしに、「こんばんは」と声を掛けた。

ここでおじいさんを見かけるのも、きっと今日が最後。

50年続いた最後の営業、頑張ってくださいな。

そして僕がおじいさんを見たのは、これが最後であった。

 

翌12月1日

いつもいつもずーーっと半開きだったシャッターは、初めて閉じられていた。

本当に終わっちゃったんだね。

なんだか木枯らしが身に染みた。

 

しばらくして、大丸ラーメンのビルの周囲に解体のための足場が組まれた。

ドカンドカン音がして、再び足場が撤去されたときには、もうそこにはビルは無かった。

その後、真新しいビルが建設される。

もうここのロケーションは、以前とは全く違うものになってしまった。


さらに2年半の月日が流れ、2015年4月中旬

じいさんがいつもモヤシとチクワを買っていた「100円ローソン」も閉店してしまった。

僕はその最期も見届けていた。

 

同じく2015年4月、僕は行きつけのバーで知り合った人から話を聞いた。

なんの経緯か覚えていないが、大丸ラーメンの話になったのだ。

あのおじいさんは、ウワサでは閉店してからものの1・2ヶ月で亡くなったとのことだ。

 

そうか…。本当かウソか知らないが、毎日毎日休みなくラーメンを作り続け、お店のカウンターで寝たりして50数年。

まさにラーメンのための人生だったのだね。

その肝心のラーメン、味のレベルが控えめだったけどね。

 

汚いし臭いしマズいけど、ファンの多いお店だった。

(ごく一部の人に熱狂的に)愛されていた。

記憶には強烈に残った。

僕は今も名古屋の話になると、あの大丸ラーメンを思い出す。

 

*-*-*-*-*-*

 

2021年現在も手元には、今池の街のどこかでもらった、商店街のMAPがある。

 

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大丸伝説18

このMAPの一部に注目していただきたい。

 

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大丸伝説19

買い出ししたモヤシを持って歩く、おじいさんがいるのだ。

 

きっとこれから店に戻って仕込みに入るのだろう。

昆布ダシと醤油だけの、メッチャシンプルなスープの仕込みに。

 

おじいさん。

…大橋さん。

ありがとう。おつかれさま。

あなたのことは忘れません、ハイ。

 

 

エピローグ

 

コロナ直前のことであった。

家族と共に深夜の栃木県足利市を歩いていた。

何度か通っている、お気に入りのバーで飲んだ後であった。

 

僕はふと足を止めた。

 

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大丸伝説20

あ…。

ボロボロのビル。赤いひさし。一箇所だけ灯った照明…。

 

記憶の奥底にあった大丸ラーメンの思い出が久々に蘇った。

 

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大丸伝説21

 

「大丸ラーメンっぽいね」と、すぐに横から声が聞こえた。

 

よくわかったな。

昔チラッとお店の外観を見せに行っただけなのに。

胸が温かくなった。

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 大丸ラーメン(すでに閉店)
  • 住所: 愛知県千種区今池5-38-23 岐阜正ビル1F
  • 料金: ラーメン¥550
  • 駐車場: なし
  • 時間: 深夜3時~朝5時ごろ

 

No.131【福島県】自分の家の庭に富士山を造ったおじいさんがいる!登らせてもらおう!!

「あなたのこの夏の思い出は何ですか?」

 

さぁ、苦しいな。

このコロナ禍で、やりたいことも満足にできなかったろう。

旅行・夏祭り・花火大会・海水浴・ハイキング…。

夏を代表するエンターテインメントは、ことごとくやりづらいご時世だ。

 

僕も、なんか引っ越しに全エナジーを集中させてしまい、それ以外の思い出と言えば「足の小指を自分の意思で横方向に動かせるようになった」とか、そのくらいである。

 

ステイホーム。

なんともにっくき言葉。

家で何をすればよいというのだ。

 

そりゃ、家の敷地内に海があったり庭があったりするのであれば、自宅で休日をエンジョイできるが、そんなお宅なんて…

 

…いや、そういえばあったな、そんなお宅が。

 

 

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自宅の庭に、富士山。

 

 

実は僕がここを訪れ、そして富士登山をしたのは今年ではなくって昨年の2020年だ。

しかし、今年の分はネタが無いので語ろう。

昨年の夏、緊急事態宣言の合間を縫って、世にも珍しい自宅富士を登った話を。

 

 

じいちゃんは富士を愛す

 

その山を「佐藤富士」と呼ぼう。

理由は簡単だ。佐藤のじいちゃんが造ったからだ。

 

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富士山を造った男1

福島県某所。

車を運転していると、前方に雪を被った富士山が見えてきた。

あれが佐藤富士だ。

 

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富士山を造った男2

溢れ出る違和感。

住宅街にひょっこり富士山なんだもん。

僕のような危機感のない人生を歩む人間は、こういう不測の事態まではプログラムされていない。

 

…っていうのは言い過ぎで、佐藤富士を目指してここまでやってきたのだから、「おぉ!ついに見えた!」って歓喜した。

 

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富士山を造った男3

敷地外から見上げた富士山だ。

ちなみにこっち側(つまり背面)は、まだメンテナンスが不十分であり、佐藤のじいちゃんの今後の課題だそうである。

 

僕がこの富士山を敷地外から見上げていたら、2合目くらいでメンテナンスをしていた佐藤のじいちゃんが僕に気付いて、「おぉ、キミがアレかね?」みたいな声を掛けてくれた。

 

実は事前に僕は訪問のアポを取っていた。

個人宅だもんな。いきなりは失礼にあたると思ったのだ。

そのときにお話ししたのは奥さんだったんだけど、「わざわざどうも。あんなモンでよろしければ…。」みたいに、結構クールな評価だった。

 

その評価はまぁまぁ正しいのかもしれない。

夫婦にはバランスが必要なのだと学んだ。

 

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富士山を造った男4

じいちゃんは素晴らしい速度で下山し、「車はこっちにどうぞー!イェイイェーイ!!」みたいな感じで僕の愛車のパオを敷地内に誘導してくれた。

 

まずは正式にご挨拶し、地元で購入してきた手土産をお渡しする。

クールな奥様と食ってほしい。

 

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富士山を造った男5

さて、次は佐藤じいちゃんのターンだ。

その次も佐藤じいしゃん、さらにその次も佐藤じいちゃんのターンだ。

ずっとずーっとだ。

要するに話が止まらない。

 

まずはどれだけの取材が来たのかをすっごい熱弁された。

新聞にも雑誌にも載ったし、TVの出演回数もものすごい。

それらの記事や、TVスタッフの名刺を1つ1つ説明してくれた。

 

関西地域からも結構な数の取材が来ている。

ホンモノの富士山を通過してまで、ここに来たのか…。

 

…てゆーかですね。

かなりの猛暑日の炎天下なのだ。危険な暑さなのだ。

そんな中、庭で延々と説明会。

正直頭がクラクラしてきた。

 

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富士山を造った男6

しかし佐藤じいちゃんは無敵である。

外気の暑さと佐藤じちゃんのアツさが釣り合っているので、本人は暑さをものともしないのだ。

このバイタリティが、自宅の庭に富士山を生んだのか。思い知った。

 

佐藤じいちゃんの息子さんは、富士山にちなんだ名前だと教えてくれた。

そして、じいちゃんの車のナンバーも、富士山にちなんだものだ。

(Webなので、どちらも具体的には明かさないが)

 

スゲーと思った。

息子さんを愛するあまり、富士山にちなんだ名前にした。

…というよりも、富士山を愛するあまり、息子さんを富士山にちなんだ名前にしたのだと理解した。

 

 

富士の聳える庭で

 

富士山と、その手前に広がる池。

ちなみにこの池は「河口湖」なのだそうだ。そっか。

 

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佐藤富士1

湖面には逆さ富士が写っている。風光明媚だ。

 

池には鯉がたくさん、大きいのから小さいのまでいるという。

じいちゃんは「ほら、あれは小さいだろう!」とキャッキャと解説していたが、正直そこいら辺の記憶は明確には残っていない。

きっと僕にはあまり興味がない話題だったのだろうと振り返る。

 

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佐藤富士2

池には白鳥の造り物が浮いていた。

じいちゃんは「こっちから見ると白鳥と白鳥の間の空間がハートマークに見えて、TVのディレクターがどうのこうの…」って言っていたが、それもあんまり覚えていない。

 

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佐藤富士3

「じゃあ、エサで鯉を呼び集めてあげよう!」とじいちゃんは言う。

 

傍らの大きな丼に入っていた、鯉のエサ。カリカリ乾燥タイプ。

じいちゃんはそれを、僕の予想に反してエサの入ったまま池の水を汲む。

ビタビタで1つにまとまったエサを河口湖に解き放つじいちゃん。

しかし鯉、全然集まって来ず。

じいちゃん、「あー…」って言ってた。

 

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佐藤富士4

気を取り直し、僕はじいちゃんに佐藤富士のことを質問する。

 

この富士山、標高は11mちょっとあるらしい。

何度も何度も作り直して巨大化しているため、この中にはかつての5世代分の富士山が埋まっているとのこと。

ここに至るまでの総費用は700万円を超え、土の量はトラック100台分以上なのだと言う。

 

だけれども、まだまだ富士山は完成ではないのだ。

じいちゃんは毎日この山のメンテナンスをしている。

 

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佐藤富士5

なぜ、そんなにも富士山LOVEなのか。

 

小さい頃にお風呂の壁に描かれていた富士山を見て感動し、そして40代の頃に初めて本物の富士山を見て感動し、福島の自宅に富士山を造ろうと決意をしたのだ。

最初は5mほどの小さな富士山であったが、さらなる高みを目指して「昭和新山」のように山は巨大化し、今に至るわけだ。

 

山の内部には竈があり、そこで火を焚けば山頂から噴煙が上がる仕組みだ。

だが、夜に噴煙を上げたら近所の人が火事と勘違いして、騒動になったこともあったそうだ。

 

庭のボートは露天風呂にもなり、風呂に入りながら富士山を眺められるという。

もはやアミューズメントパークだ。

 

 

念願の富士登山

 

じいちゃんは一通りの説明が終わると、僕に対し「じゃ、富士登山してみるかい?」と聞いて来てくれた。

 

おぉ、登らせてくれるのか。ありがたい。

それではひと夏の思い出、作らせていただこうではないか。

 

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富士登山1

じいちゃんと共に河口湖を西側からグルッと回り込み、登山口へと立った。

じいちゃんは「見て目より結構急だよ。途中からさらに急になるから、ロープにしっかり掴まって登ってね。」とアドバイスをしてくれた。

 

急に空に雲が立ち込めた。

僕の運命を嘲笑うかのような天候だ。

 

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富士登山2

だが、その逆境を切り開くのが心地よい。

天よ、吼えるがいい!しかして僕の歩みを止めることは、何人(なんぴと)にもできまい!

 

僕はロープをしっかりと掴んだ。

 

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富士登山3

そのシーン、2カメさんからの映像がこちらだ。

 

傾斜はリアルに30度近い。マジな話、あまり油断しないほうがいい角度だ。

足を滑らせるとそのまま河口湖の藻屑となる。

じいちゃんも松の木の陰から心配そうに僕を見守っている。

 

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富士登山4

森林限界、突破!!

4合目か5合目くらいまでは来ただろうか?

ここからは積雪エリアだ。

そして傾斜もさらにアップするので注意が必要だ。

 

さらにメタ的な話をすると、ここまでは土だったところが、ビニールシートとセメントのような材質に変わる。

乱暴な登り方をすると富士山の破損(環境破壊?)に繋がりそうで気を遣う。

 

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富士登山5

山の天気は変わりやすい。

暗雲の中、僕は山頂直下にいた。

 

「おじいさーん!!8合目にカエルがいるんですけどー!」とか叫んでいた。

いや、本当にカエルいたんだもん。カエル。

 

そんなこんながあり、ついに…

 

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富士登山6

 

富士山、登頂!!

 

 

いやー、ついに登り切ったぜ。

かつては本物の富士山を登ったこともあるが、それに勝るとも劣らない感動よ。

 

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富士登山7

頂上に立つと、掴まるものが全くないので少々怖い。

風をダイレクトに受けるので、なおさら怖い。

 

標高11mちょい。僕の身長を入れると目線は13m近いのだろう。

周囲の2階建ての家屋の屋根にも勝るため、なかなかの迫力の眺望だ。

 

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富士登山8

再び、1カメの映像に戻ろう。

眼下に緑の河口湖。そして僕の愛車のパオが見えている。

 

かなりの角度だ。スキーやスノボーでこの角度を滑り降りるには、少々の鍛錬が必要となるだろう。

 

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富士登山9

反対側は田んぼが広がっている。

青々としていて目に優しい光景だ。

 

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富士登山10

そこからちょっとだけ左を見るとこんな感じだ。

 

付近の民家が良く見えるが、民家から僕もまたよく見えるだろう。

「また佐藤さんの家の富士山に誰かが登っているね(ヒソヒソ…)」って光景が容易に想像できる。

 

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富士登山11

山頂の景色を堪能していたら、突如としてじいちゃんが動いた。

「じゃあ、今日は久々にオレも登っちゃおっかな~!」みたいな感じで、富士山を登り始めた。

 

おぉ、これはじいちゃんとの山頂コラボ実現か!?

貴重だぜ、この体験!夏休みの思い出!

 

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富士登山12

じいちゃんも、山頂に立つ!

2人で登頂の喜びを分かち合う!!

 

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富士登山13

 

2020年夏、富士山登頂。

 

よし、これで絵日記も自由研究も同時にクリアできるぜ、って感じた。

もうこのコロナ禍の夏、これだけやれれば合格だろう。

 

下山は登りよりも怖かったけど、ロープを伝ってなんとか降りれた。

とても楽しい登山であった。

 

 

僕も心に富士山を

 

佐藤じいちゃんにお礼を言い、僕はドライブの続きを再開することにする。

じいちゃんの熱弁で40分くらいは時間が経過していた。

しかし、このままだとまだまだじいちゃんの勢いは止まらないのだ。

僕はこの後にさらに行きたいところがあるので、そろそろだ。

 

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日本一の山1

じいちゃんは「またいつでも来てほしい。冬の富士山も素晴らしいんだから。」と言っていた。

そっか、またいつか、コロナが明けたら冬山登山に遊びに来ようかね。

佐藤富士にリアルに雪が積もっていたら、それはそれで風情がありそうだ。

 

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日本一の山2

20年かけて、自宅の庭に富士山を造った男。

 

お金もかかるわ、わけわからんわで、奥さんは当初大反対だったそうだ。

だけども最終的にはその意思に賛同してくれたという。

そんな奥さんに感謝を込め、じいちゃんはこの山を"夫婦富士"と呼んでいる。

 

今でこそ、TV取材も多いし地元を巡る観光バスが乗り付けることもあるそうだ。

しかしここに至るまでは、さまざまな苦労があったろう。

そんなじいちゃんだが、ただただニコニコとひょうきんで、話好きで、そして富士山が好きであった。

 

1つのことをただ極めた男…か。

僕もこんな風になれるかな?

ドライブしか取り柄がない僕だが、近しい人に感謝をしながらこういう道を歩めるのだろうか?

 

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日本一の山3

じいちゃんに「猛暑日なので無理してブッ倒れないようにしてください」という旨をマイルドに言い、出発する。

バックミラーに映る富士山は、やはり雄大であった。

 

1人の人間の半生を架けた夢の結晶なのだ。

その熱い想い、しかと感じたぜ。

日本一の山を自宅に再現した男は、同時に日本一の男なのかもしれない。

 

グッバイ佐藤富士。

そしてグッバイ、佐藤のじいちゃん。

夏の想い出をありがとう。

また会う日まで。

 

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 佐藤富士
  • 住所: 非公開
  • 料金: 無料
  • 駐車場: 佐藤さんに相談のこと
  • 時間: ご迷惑にならない時間に(僕は事前アポ)

No.130【群馬県】また1つ昭和が遠のく…!薮塚のレトロ自販機ドライブイン、本日閉店!!

今から40~50年ほど前、つまり1970年代のことだ。

日本各所のドライブインには、麺類やハンバーガー・トーストなどの自販機が設置され、トラックドライバーや旅行者に愛用された。

 

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まだコンビニも24時間営業のファミレスも流通していなかった時代だ。

24時間営業のドライブインの自販機は、彼らを支えるオアシスであったのだろう。

 

時は流れて令和の時代。

まだ少しだけ、そのような自販機は残っている。

全国わずか数10箇所。"レトロ自販機"と呼ばれ、マニアも多い。

 

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しかし風前の灯火である。

時代の流れに身を委ねる者、逆境に抗う者、自販機オーナーもギリギリのところで生きている。

 

近い将来、日本から消えてしまう光景だろう。

そうなる前に僕はこの思い出を脳に刻みたい。

だから全国のレトロ自販機を巡って来た。

 

だが、また悲しい知らせを耳にすることとなる。

 

…そんな…、まさかアイツが…!

 

 

「オレンジハット 太田薮塚店」、2021年8月31日(本日)22時閉店。

 

 

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オレンジハットは昭和レトロなドライブイン

 

8月28日(土)の深夜に、僕はこのニュースを聞いた。

 

「おいおいおいおい!急だなおい!」 って思った。

それから「夏の終わりは切ないと聞くけれど、こんな切ないニュースはカンベンだぜ」って思った。

しかし、どうやら店側の決断も直前だったようだ。 

 

まぁこのあたりは後述しよう。

まずはオレンジハット太田薮塚店がいったいなんであるかを、ご説明したいのだ。

 

jihanki.michikusa.jp

 

レトロ自販機探訪のがいる。

神は上記サイトを運営している。

 

僕も全国津々浦々のレトロ自販機を回っているがね、所詮は神の手のひらでグルグルしているにすぎないと自負している。

神の情報があるからこそ、僕はレトロ自販機を巡れているのだ。

 

さて、このWebサイトから少し情報をいただこう。

 

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こんな感じの分布だ。

2021年5月時点の情報だそうだ。

群馬スゲーし、オレンジハットもスゲーってことを言いたい。

 

あ、一店「オレンジ353」っていうお店もあるのだが、名前以外はオレンジハットだし、そもそももともとオレンジハットなので、オレンジ換算させていただいた。

数年前であれば、さらにオレンジハットが1店舗多かったんだけどね。閉店の4ヶ月ほど前に行ったのが最後になっちゃった。

 

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オレンジハット1

そんな群馬県のみに存在する、昭和の生き残りのドライブインチェーン、オレンジハット様だ。

 

トレードマークはオレンジの帽子とヒゲ!

ダンディ!!

 

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オレンジハット2

昭和のドライブインの看板の前に、昭和にギリギリ足を突っ込んだ車を停車させる。

わー、たまらんねー!!

 

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オレンジハット3

別店舗だが、夜はこんな装いになる。

 

ライトアップされているのにどことなく暗く感じる、オレンジハットの文字が哀愁をそそるのだ。

ちょっとアンダーグラウンドな雰囲気も醸し出す。

これまた昭和に足を踏み入れる上でのスパイスだ。

 

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オレンジハット4

それでは、僕がオレンジハット太田薮塚店を複数回訪問した記録を、今回ミックスさせてお届けしたい。

 

こんなちょっとのどかな住宅地に、オレンジハットは姿を現すのだ。

庶民の暮らしと融合しているかのような立地だ。

 

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オレンジハット5

冬の日の出直後の太田薮塚店だ。

「オレンジハットとは、あの立派な瓦屋根の民家なのかな?」と思ってしまったら、それは間違いだ。

右側の建物がオレンジハットだ。あの瓦屋根の民家は、看板の裏にあるだけ。

 

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オレンジハット6

とにかくポップでかわいい字体に心が躍る。

陽気な昭和が、ここに残っている。

 

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オレンジハット7

看板近くから見た店舗は、こんな感じ。

平屋造りの真っ赤な建物。

 

この店舗には、さっき夜間の写真で引用したような店名の看板が屋根に乗っていたりはしないようだ。

従い、パッと見だと何の建物だかわからない。

 

あと、ブラインドが閉まっていてなおさら店内の様子がわからない。

ちょっとドキドキするのだ。

 

 

レトロ自販機のメニュー

麺類

 

まずは王道、麺類だ。 

コンビニのカップ麺のように自分でお湯を注ぐ必要もなければ、フタを剥がす必要もなく、そのまま出てくる。

商品受領からひと口目まで最短2秒のスタートダッシュは、昭和の方に軍配が上がる。

 

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レトロ自販機1

手前に「うどんそば」。奥には「うどんラーメン」だ。 

さらに奥にもレトロ自販機が並ぶが、まぁ焦るな。

 

まずはラーメンを食べようか。

小銭を入れてボタンを押すと、秒数カウントダウン表示が始まる。

10数秒で完成し、アツアツのラーメンが取り出し口から顔を覗かせる。

 

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レトロ自販機2

この瞬間、すごい好き。

スープがなみなみと入っているので、気をつけてテーブルまで運ぶのだ。

箸やコショウ・七味などの薬味は自販機の内部の専用ケースから自分で取り出す。

 

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レトロ自販機3

やや太麺。そして厚切りチャーシュー。

麵の奥をさぐっていたらワカメも出てきた。

自販機内で湯切りをする際に具材がこぼれないよう、小さい具材は麺の下に忍ばせておくという、店側の工夫だ。

 

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レトロ自販機4

スッキリしたスープが冬の朝の胃を喜ばせてくれる。

この窓際の席は毎回使った。お気に入りだ。

 

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レトロ自販機5

次は天ぷらそばだ。これまた麺が太い。

そしてかき揚げがゴージャスだ。

 

自販機の筐体自体が一緒でも、中身は千差万別だ。

本格的な蕎麦屋さんの手打ち麺が入っていることだってあるし、天ぷらも天かすだったこともあるし、エビ天が入っていたこともある。

 

これはなかなかのゴージャスである。

あと、つゆの味が濃かった。

 

 

トースト

 

かなりレアな自販機トーストだ 。

麺類自販機が全国で60台以上生存しているのに対し、トースト自販機は16台しかない。

麺類に対し24%だ。絶滅間近。

 

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レトロ自販機6

このレトロな赤さがハートを直撃する。

赤という色は、いつの時代だって正義だと信じている。

 

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レトロ自販機7

うん、なにこのイメージ写真。

ティータイムのお手本だ。100点満点。額に入れて新居に飾りたい。

 

次にメニューボタンにフォーカスしてみよう。

 

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レトロ自販機8

なんだかどっちもセピア・ワールド。

テプラで無理矢理過去を上書きし、ハムトーストとピリ辛トーストとなっている。

両方ご紹介しよう。

 

小銭を入れてボタンを押すと、内部でトーストが40秒ほど焼かれる。

トースト中」の文字を眺めてワクワクしながら待とう。

 

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レトロ自販機9

 チーンと鳴って落下音が聞こえる。

トーストが自販機下部の取り出し口に落下した音だ。

 

ここでドリンクの自販機のように不用意に手を突っ込むと、あんたヤケドするぜ!

いや、比喩でも何でもなく、本当にヤケドするぜ!

 

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レトロ自販機10

テプラをよく見てほしい。

『アッ、熱い、気をつけて下さい。』

『取出す時、大変熱いので気をつけて下さい。』 

 

「アッ」という悲鳴が入っている。

これはリアルだ。言霊が宿っている。

 

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レトロ自販機11

だから備え付けのトングを使わせてもらおうな。

アルミに包まれたトーストサンド、これにて捕獲だ。

 

※備え付けのトングがない場合は、ハンカチなどを使おう。

 

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レトロ自販機12

これはピリ辛トーストだ。

具材はハム。そしてチリソースのようなものが塗られている。

 

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レトロ自販機13

何枚切りっていうんだ、これ?

薄さの極みだ。

こんなに薄く綺麗に切るだなんて、きっと名のある剣豪に違いない。

16枚”切り"とかではなく、16枚"斬り"っていう技の名にしたい。

 

ちなみに味は文字通りピリ辛だ。

既製品のパンとハムとチリソースだと感じた。あなたの脳内でも味は再現できよう。

 

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レトロ自販機14

次はハムトーストだ。

ぶっちゃけ、他店はハムチーズトーストなどにしているケースが多い。

ハムしか具材が無いのは少しだけ寂しい気持ちにもなる。

 

だから夜食べた。

夜は物悲しい時間帯だからだ。

 

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レトロ自販機15

少し見えづらいが、ハムの下にマスタードが塗ってあった。

これはほんの少しの贅沢だと感じた。

 

ボリュームは決して多くなく、成長期の男子であれば10個は食べてしまいそうな勢いだ。

しかし、ドライブで疲れた夜食としてはいいあんばいであった。

 

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レトロ自販機16

 

ハンバーガ

 

これはトーストよりもさらに貴重だ。

2021年春現在で、全国に12台しか生存していないらしい。

 

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レトロ自販機17

ハンバーガー自販機にはいくつかのデザインがあるが、これはもっともスタイリッシュなものだと個人的に判断している。

昭和の自販機かもしれないが、一番平成感が出ている。

 

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レトロ自販機18

この写真に写っているラインナップは、チーズバーガー・ベーコンポテチー、そして真ん中が何も書いてないのでわからない。

 

実はこのボタンの下にチラシが貼ってあったのだが、チリソース+ハム+ハンバーグの"コラボバーガー"だ。

他のハンバーガーが220円に対し、コラボバーガーだけ300円。ゴージャス。

 

 

あなたはおそらくコラボバーガーあるいはベーコンポテチーに興味を示すだろうが、残念、それらは買っていない。

他のオレンジハットで買ったことがあるので、ここではカレーバーガーにしたのだ。

(カレーバーガーが登場していたタイミングがあった)

 

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レトロ自販機19

60秒ほど自販機内部で温められた後、紙箱に入ったハンバーガーがポトッと落ちてくる。

 

中からは爺さんみたいにフニフニのパンのハンバーガーが登場だ。

そしてやや小さい。片手で包み隠せるくらいの大きさだ。

まぁでも自販機バーガーは大概こんなものだ。

 

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レトロ自販機20

鶏ひき肉かな?と思わせる庶民的な味のハンバーガーと、そしてカレーソース。

うまいかどうかと問われれば、そりゃうまい。

 

しかしな、味とかコスパを求めているのではないのだ。

「自販機で食品を買う」という行為にロマンを感じているのだ。

これが対人接客だったら興味ない?「は?なんで人間から物を買わなきゃいけないの?」とか思ってしまう。

 

お金を入れたらアツアツの食べ物が出てくる。

ギリギリを生きるブリキロボットのような自販機に、こんなピタゴラスイッチのようなギミックがついていることが、たまらなくワクワクするのだ。

 

小さい子供のようだろ?

しかし大人をナメるな。大人だってワクワクするんだ。ワクワクしたいんだ。

最終ゴールが食欲を満たすことに繋がるのだから、これはもう生存本能なのだ。

 

 

さようなら、太田薮塚店

 

オレンジハット 太田薮塚店、2021年8月31日(本日)22時閉店。

8月28日(土)の深夜に、僕はこのニュースを聞いた。

 

脳内で素早く、このお店を再訪する方法を考えた。

でもダメだ、僕のIQでは解決策を出せなかった。 

 

僕はもう、あのお店を訪問することはできない。

 

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さようなら1

閉店が決まったのは、早くて8月27日(金)、遅くて僕の知った8月28日(土)だ。

お店の貼り紙を撮影してくれた方がいるから、その文面をご紹介する。

 

お客様各位

 

8月27日太田警察よりゲーム機の営業を即時停止するように勧告がありました。

今後店舗継続が可能な形態としては自動販売機とゲーム機8~10台前後となり店舗運営は、収益的に考えて無理となり8月31日午後10時で閉店廃業とさせていただきます。

 

これまで多くのお客様に支えられ心より感謝とお礼を申し上げます。

ご案内が急なことで申し訳有りません、当局の勧告ですのでいかんともしがたく私どもの心情を御理解いただきお許しください。

 

オレンジハット薮塚店

店主・スタッフ一同


…なんとも無念さがにじみ出る文章だ。

そして、警察が関与しており、ちょっと物々しい空気感だ。

 

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さよなら2

これはWebに流れている情報なので100%信用の置けるものではないですが…。

 

そもそも前提として、クレーンゲームなどの景品等に、ちょいとアダルトなものが含まれていたのだそうだ。

うん、これはわかる。

他の昭和系ドライブインでも複数目撃したことがあるからだ。

ユーザのターゲットが中高年男性なので、古来からこんな感じだったみたいだ。

 

それを直近で警察に通報した人がいる。

そこで警察が動き出し、ゲーム停止宣告をした…。

こんな感じのようだ。

 

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さよなら3

決して警察に通報した人が悪いわけではない。

 

ずっと昔からとは言え、薄暗くてアンダーグラウンド感が漂い、そしてタバコの臭いの充満するこれらのドライブインは、カップルやファミリーで入るにはハードルの高いスポットだ。

令和のこの時代に馴染めているとは思えない。

それに、老若男女安心して楽しめるお店造りも必要だ。

 

しかし、おそらくコロナ禍で弱り切っていたこのお店への警察による宣告は、改善の余地すら与えない、一撃で致命傷となるレベルのものだったのだろう。

 

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さよなら4

僕は決してアダルト商売の方を持つわけではない。

しかし、昭和の面影を残す営業形態・自動販売機が無くなってしまうことに、すごい寂しい気持ちになる。

 

大事なものは無くなってしばらくしてから気付くのだ。

古墳・宿場町・銭湯・城郭。

昔は当たり前のようにあったものがどんどん壊され、気付いたときにはほんの少しだけになった残骸を大事に扱うか、似たようなものを復刻するしかなくなる。

乱獲に伴う動物の絶滅だってそうだ。

 

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さよなら5

どうにか、守るような方法はなかったのだろうか?

 

他のオレンジハット、そして他の似たようなドライブイン

これらも今後標的となった場合、レトロ自販機は驚くほどのスピードで滅亡までの道のりを突き進む。

それがとても怖い。

 

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さよなら6

22時を回った。

僕は自宅の自室で、どんな顔をしてこのお店に「お疲れ様」を言えばよいのだろうか?

ただ、レトロ自販機の全盛期を知らない僕が、過ぎ去ってゆく時代に少しだけ接触できたことは、人生に大きな意味を残してくれたのかもしれない。

 

今までありがとうございました。

 

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: オレンジハット太田薮塚店
  • 住所: 群馬県太田市藪塚町2463
  • 料金: 天ぷらそば¥220・トースト¥220他
  • 駐車場: あり
  • 時間: 24時間営業・日曜定休

 

No.129【沖縄県】日本最南端の有人島「波照間島」!南十字星の見える最果ての岬に立て!

僕ら一般人が到達できる、日本の最南端はどこか。

 

それは「波照間(はてるま)島」だ。

正確にはその波照間島にある「高那崎」っていう岬だ。

 

今回ももちろん高那崎を絡めた日本最南端の話にフォーカスしたいのだが、それ以前にさ、波照間島に到着した時点でもう世界が違う。

日本最南端テイストが島中にムンムン満ち満ちている。

 

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周囲全て水平線の、真っ白い珊瑚礁の小さな島。

 

「あー、死んでないのに天国に来ちゃったー…」って感じる。

昼はオリオンビールを飲み、夜は泡盛(「泡波」)を飲んで、旅人たちとゆんたくだ。

誰かしらが三線を持ってきているだろうから、みんな一緒に琉球ソングを歌うのだ。

 

僕は、寒い冬の間は毎日こんな波照間島のことを考え、懐かしんでいる。

(夏の間は3日に1回ペースだ、すまない)

 

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今回は、そんな南国の楽園のお話をしたい。

 

 

最果ての珊瑚礁

 

まずは波照間島の位置関係をまずはご説明したいので、以下の地図をご覧いただきたい。

 

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めっっっちゃ南だな!!

 

本土最南端の「佐多岬」も南国ムードが溢れていたのだが、ごらんよ。

例えば横浜から波照間に行く場合、佐多岬あたりでまだ半分なんだぜ。

 

つまり横浜人から見ると、波照間島の南国指数は佐多岬の2倍だ!

うん、なに言っているの自分でもわからねぇ!

 

drive-ns.hatenablog.com

 

参考までに、上記に佐多岬について執筆した記事のリンクを貼っておく。

良かったら事前に読んで見てほしい。

 

ほら、あなたも「いきなりプールに飛び込んではダメ。心臓ビックリするから、足からゆっくりよ。」って言われたでしょ? 

それと一緒。いきなり波照間は心臓ビックリしちゃうからね。

 

…という冗談はさて置き。

 

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最果てへ1

波照間島へは、「石垣島」の離島桟橋から小船で向かうのだ。

アホみたいに揺れる。

なぜなら、波照間航路は外洋に突入するからだ。 

 

初めて波照間に行ったときには、あまりの荒波で船がオーバーヒートして2回交換したのだぜ。船そのものをだ。

出航したと思ったらまた石垣島に戻ったり、予定にない「黒島」に寄港して一度降ろされたりして、ハラハラドキドキだった。

 

まぁそんな船旅だから、船は波間をマジに跳んで、海に落ちるたびに船内から悲鳴、船酔いした人にとっては地獄という、阿鼻叫喚であった。

僕も心臓ビックリした。

 

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最果てへ2

翌日はね、島で知り合った人の乗った船が沈んだりしたからね。

(僕は翌々日の定期船に乗船)

海上保安庁から僕宛にも生存確認の電話が来たさ。まったくもってスリリング。

 

何度か波照間島には行っているが、いつだって「島に行くフェリーがちゃんと出るのかハラハラ」・「島から石垣島に帰れるのかドキドキ」だ。

おもしろ過ぎて徹夜で語れる。

 

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最果てへ3

そんな南の孤島。

レンタサイクルで気軽に島を一周できるほどの大きさの、白い珊瑚礁で出来た島。

 

波照間島の語源は、「果てのうるま(珊瑚礁)」

なんというステキなネーミングなのだろう。

 

 

高那崎は不憫な岬

 

さて、前述の通り日本最南端の岬は高那崎とされている

なんで語尾を強調したのか、まずは波照間島のレンタサイクルショップでもらった地図を見てほしい。

 

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目指せ、最南端の地1

ご自由に拡大してほしい。

「"たましろ"っていう宿に興味があるわ」とか言って、突撃してヤケドするのも大いに結構だ。(僕の常宿だ)

 

しかし注目してほしいのはそこではない。

地図の右下部分だ。

 

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目指せ、最南端の地2

「あれ?高那崎って最南端じゃないぞ?」 

 

…そうなのだ。

島の明確に最南端の部分には名前がついていない。

便宜上、高那崎が最南端とされているが、「日本最南端の碑」からは1kmほど離れている。

 

そして岩礁だけで何もないので、高那崎に行く人は稀だ。

みんな日本最南端の碑で記念撮影をするのだ。

 

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高那崎

 だから(少なくとも僕の経験上、)最南端に行きたい場合に「高那崎に行こうぜ!」と言う人はいない。

みんな「最南端の碑に行こうぜ!」と言うのだ。これ注意。

 

だから「高那崎」と言ってもなかなか通じないかもしれない。

2021年現在、なんとGoogleマップにも登録されていない不憫な岬なのだ。

 

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目指せ、最南端の地3

よし、もう高那崎という言葉を使うのはここまでだ。

充分に連呼してやったので、満足であろう。

 

では、日本最南端の碑に行こうぜ、ひまこさん

 

 

日本最南端を示す物たち

 

自転車で日本最南端の碑に向かう。

 

波照間島は背の高い木立もないし、ビルも原則ない。

つまり日影が非常に少ないので、日差し対策と水分補給には細心の注意をしつつ自転車を走らせるのだ。

 

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目指せ、最南端の地4

僕は合計4回ほどは最南端の碑を訪問しているが、一番最初は旅友のひまこさんと一緒だった。

 

船がバキバキになるほどの荒波を共に乗り越えた仲だ。

後日談だが、ひまこさんとはこの旅の後も一緒に関西最後の秘境の「芦生の森」を探検したり、神戸で飲んだり、和歌山とドライブしたりしている。

 

drive-ns.hatenablog.com


はい、そうこうしているうちに目印となる「星空観測タワー」に着いた。

島で一番大きいのではないかと思うスケールの建物だ。

 

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目指せ、最南端の地5

ここから見える東屋の向こうが、日本最南端の碑だ。

300mもないので、星空観測タワーから歩いてもいいし、もう少しだけ自転車を漕いでもいいだろう。

 

ちなみに日本最南端を示す碑は複数ある。

以下で順次ご説明していきたい。

 

 

日本最南端之碑

 

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日本最南端の碑1

 

日本最南端之碑。

 

 

後ろにまだ陸地があるのでもっと海に近づいてもいいが、ここが撮影スポットだ。

海の向こうは、もう何も見えない。

 

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日本最南端の碑2

ハンドメイド感の漂う碑である。

その経緯をご説明しよう。

 

1970年。

まだ第2次世界大戦に伴うアメリカからの沖縄返還が実施される2年前のことである。

 

日本縦断をした1人の大学生がいた。

その大学生は北海道から旅を始めて、この地をゴールとしたのだ。

その記念として、アルバイトで稼いだお金を使ってここに自費で碑を建てた。

それがこれだ。

 

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日本最南端の碑3

島一周サイクリングに誘ったひまこさんと共に、この最南端の地を踏んだ。

感無量だった。


この碑を自費で建てた、当時の学生さんに心から感謝を伝えたい。

なにせ、当時ここは「日本」ですらなかったのだから。

 

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日本最南端の碑4

その複雑な心境は、察するに余りある。

そのの絡みもあり、2021年も返還されていない北方領土を臨む本土最南端の「納沙布岬」には、この波照間島から採取した炎が延々と燃えているのだ。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

ぶっちゃけ納沙布岬に行くと、北方領土返還へのプロパガンダでお腹いっぱいになる。

純粋な景勝地として楽しむ心の余地も無くなる。

しかし、その背景だけは、我々は知っておかないといけないのかもしれない。

 

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日本最南端の碑4

 

聖寿奉祝の碑

 

そんな日本最南端の碑のすぐ横にあるのが、この「聖寿奉祝の碑」だ。

日の丸のマークが象徴だ。

 

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日本最南端の碑5

昭和天皇の在位60年目を記念して日の丸を埋め込んだらしい。

ってことは、1985年だ。

 

もともとはそれよりも10年以上も前、日の丸の旗を掲揚する塔を建てたんだけどさ、潮風が思ったよりも強くって、すぐにボロボロになっちゃって。

なのでこういう碑になったらしい。

 

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日本最南端の碑6

2018年、この日の丸が破壊されて、交換のために一時撤去されたりもした。

国際問題の火種を孕むのか、なんのか。

 

そういう政治的背景には極力足を踏み込みたくはないが、公共の物を破壊するのだけはちょっと違うよな。

 

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日本最南端の碑7

2021年現在はちゃんと復活しているので、ご心配なく。

 

 

日本最南端平和の碑

 

このエリアには、ひときわ大きいハンペンのような石碑がある。

存在感はダントツでトップだ。

 

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日本最南端の碑8

それが「日本最南端平和の碑」である。

 

この石碑が建てられたのは、1995年。

第2次世界大戦の終結(1945年)から50年目を記念して造られたのだそうだ。

岩に刻まれているとおり、これを造ったのは地元である竹富町だ。

 

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日本最南端の碑9

戦後50年記念であること、そして石碑に"平和"の文字が刻まれていることからも、沖縄が歩んだ壮絶な歴史の記憶を絶やしてはいけない、という意思を感じる。


日本の最南端から、日本の恒久平和を祈りたい。

 

 

蛇の道・その他の碑

 

日本最南端の地には、うねるように鎮座する巨大なヘビがる。

まずは航空写真にてお見せしよう。

 

わかるかな?

右上から左下に向かい、クネクネとした白い帯が見えるだろう。

 

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日本最南端の碑10

これが「蛇の道」だ。

「日本最南端の東屋」付近から始まり、日本最南端之碑近くで終わっている。

 

上の写真をよく見ると、日本最南端の東屋・日本最南端の公衆トイレ・星空観測タワーが写っている。

 

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日本最南端の碑11

クネクネした道を歩くと、その傍らのところどころに、こぶし大の石が埋まっていることに気付くだろう。

ちょっとフォーカスしてみよう。

 

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日本最南端の碑12

石と一緒に、「秋田」とか「山形」と書かれたプレートも埋め込まれている。

 

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日本最南端の碑13

こちらには「神奈川」や「東京」もある。

都道府県ある。

これらは、実際に全部の都道府県で採取した石。それをこうやって埋め込んであるのだ。

 

沖縄は、戦後しばらくアメリカに取られてしまい、日本ではなくなってしまったでしょ?

もう二度とそんな歴史を繰り返してはいけない。

海で隔たってはいても、沖縄も本土の都道府県も、同じ日本なのだ。

 

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日本最南端の碑14

47都道府県、全部集まって「日本」なのだ。

 

決してもう離れ離れにならないよう、蛇がクネクネと47都道府県分の石に絡まってくれているのだ。

なんというありがたい蛇。

 

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日本最南端の碑15

その終着点付近にあるのが、「波照間之碑」。

頭頂部の欠けたピラミッドのような造形だ。

 

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日本最南端の碑16

近くの岩の上には、こんな"日本最南端"もある。

テーブル上の岩盤だ。

 

上に見切れているが、ちょうどベンチのように使えるコンクリートブロックもある。

ただしかし、これをテーブル代わりにするだなんて、恐れ多くて僕にはできないな。

 

…こんな多くの碑がある日本最南端。

何度も訪問するのは難しいかもしれないので(もちろん毎年行く常連さんもいるが)、記念に目いっぱい写真を撮っておくと良いだろう。

 

 

あの向こうはフィリピン

 

最南端の地からの景色を少しご紹介したい。

 

ついつい夢中になって碑の写真ばかりを撮ってしまい、「…で、最南端ってどんなところでどんな景色なの?」と人に尋ねられたときに困る。

これは"波照間あるある"なのかもしれない。

 

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最南端の景色1

これは最南端の碑のちょびっと手前で撮影した。

 

琉球石灰岩のゴツゴツした大地が特徴だ。沖縄県の大地の30%がこれだ。

珊瑚の死骸を多く含んでいる。

 

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最南端の景色2

まるで固まった溶岩のようだ。

メッチャ固くて尖っているので、サンダルで歩いた場合、ヘタするとケガをする。

僕もかつてやってみたので間違いない。

 

大体前述の繰り返してはあるが、日差しは強いし、足元はゴツゴツだし、周囲は木陰もないし、商店からも遠く離れていてる。

いろいろ気をつけてアプローチしよう。

 

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最南端の景色3

あのあたりが大地の果て。

その向こうは延々に海が続き、次の陸地は800㎞ほど離れたフィリピンだ。

ただし、フィリピン最北の島までであればその半分ほどの距離であろう。

 

なんか、すごいな。

400㎞離れているとはいえ、フィリピンを感じさせるとは。

400㎞なんて、東京から大阪までの距離感。高速道路を使えば4時間ほどで走れる距離なのだ。

 

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最南端の景色5

そんな一般人到達可能最南端の景色。

こんなブログではとても表現しきれない、現地ならではの情景を五感で感じ取ってもらいたい。

 

 

南十字星が輝く島

 

少し問題からは外れるが、波照間島からは南十字星が見える。

一般的に南半球で見られる、全星座の中で一番小さな星座。

サザンクロスとも呼ばれているものだ。

 

波照間島では、それがギリギリで見える。

冬から初夏にかけての22時ごろ、水平線からわずか3度というギリッギリのところに浮かぶのだ。

 

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夜の波照間1

上記は波照間島のマンホールだ。

もしあなたが波照間島南十字星を見れなかったのだとしたら、足元の写真を撮って気を紛らわせればよい。

 

南十字星を僕が見に行ったときの話は、またいずれ星空観測タワーについて執筆する際に触れたい。

 

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夜の波照間2

宿泊した民宿の送迎で、夕食後にこの日本最南端を目指したことがある。

星空観測タワーで南十字星を見るためだ。

 

なんか日本列島の相当西にあるためか、20時を過ぎても空が明るくって時間感覚が狂う。

 

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夜の波照間3

宿から10数名でここに降り立ったのだが、そのときのメンバーには前述のひまこさんもいた。

次の日の高波の中をがんばって島から脱出しようとし、乗った船が沈むこととなるメンバーもいた。(しかしちゃんと無事であった)

 

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夜の波照間4

なんか知らないけど、星空観測タワーに来ていた別の宿の人たちともすぐに仲良くなり、みんなで記念撮影をした。

 

南国だとみんな心も開放的になり、近所の公園の幼稚園児同士と同じくらいスムーズに友達になれる。

僕はこれを勘違いして"モテ期"と呼んでいる。

 

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夜の波照間5

しかし、夜でもまだ昼の熱気を残す波照間島

そこで残照を眺め、そして南十字星を一緒に探したあの日のことを、僕は忘れない。

 

また、汗だくになりながらひまこさんと島内を自転車で駆け巡り、晴天の日本最南端に立ったあの日のことを忘れない。

 

夕方、ひまこさんは僕を宿の前まで誘導してくれ、「はい、ここがあなたの泊まるたましろ。私にはちょっとムリだけどね。」と言い、クールに自転車で去って行った。

 

なるほど、ここが宿。ガラクタ小屋ではなくって宿。ウワサに名高い、日本一汚い宿。

…って思った。

その話も、また機会がございましたら。

 

*-*-*-*-*-*-*-

 

常夏の島、波照間島

南十字星輝く島、波照間島

 

改めて、日本列島は南北に長いのだな、と感じる。

 

もちろん東西にもそれなりにも長いのだが、気候の変化があるのは南北だ。

宗谷岬」や「礼文島」とは全然違う世界、そしてそれぞれに素晴らしい魅力のある日本に、改めて感動したのだ。

 

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桟橋の先端で僕を見送ってくれた仲間たち

また星空の下で、三線の演奏で歌いながらゆんたくしようぜ。

 

どこまでも澄み渡った青い海。

その桟橋で島抜けする僕に向かってずーっと手を振ってくれた、最南端で知り合った仲間たち。

 

帰る地はバラバラでも、思い出は1つ。

僕らは、蛇の道でそれを学んだのだ。

 

さようなら、最果ての珊瑚礁

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 日本最南端の碑
  • 住所:  沖縄県竹富町波照間
  • 料金: 無料
  • 駐車場: あり
  • 時間: 特になし 

 

No.128【東京都】線路が埋め立てられて巨大ホーム爆誕!?進化した豊洲駅を歩いてみた!

ホームがあって、線路があって、電車が来る。

勝手にこれを「駅の三原則」と定めたい。

 

…ところがだ!

その三原則の1つである、大事な大事なホームをな、大胆にも埋め立てちまったヤツがいるんだよ!!

アイツ…、やっちまいやがった!どうかしているぜ!!

 

ソイツの名は…!…いいか、言うぞ!

ソイツの名はッ!!

 

豊洲駅」!!

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電車、来れない…。

 

 

昔、ここは海でした

 

いきなり僕が「豊洲駅!!」とかシャウトしたところで、「どこそこ?」と冷めた目で僕を見た方も多いであろう。

いやはや、お恥ずかしい。つい先走ってしまった。

 

豊洲駅のある豊洲エリアっていうのは、東京湾の埋め立て地にある。

数年前まで東京を代表する魚市場って、「築地市場」だったじゃないですか。

それが今は豊洲になったじゃないですか。

これでピンと来る方も多いだろう。

(あぁ、コロナ禍じゃなかったら酒飲みながら江戸前寿司を食べたいな、こんちきしょー。)

 


これが2021年現在の東京都心だ。

豊洲駅ピンを立てた。このあたりが豊洲なのだと、なんとなく脳にインプットしておいてほしい。

 

次に、江戸時代初期の東京だ。

 

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なんというモイスチャー・シティであろうか。

あらかた海に沈んだ。

 

ネタバレになってしまうので詳細は言わないが、「新海誠監督」の「天気の子」のラストのおばあちゃんのセリフが、これで身に染みるだろう。

 

江戸城(皇居)」の東は海に面していたのだ。

それによって外敵の侵攻を防いでいたのだと、先日「ブラタモリ」で言ってた。

 

「ディズニーシー」なんて、リアルに海の中だ。

わざわざ陸地化したのに、そこに海を再現するという逆行をしている。

 

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豊洲の今昔1

右上に『昔 ここは海でした』と書かれている。

そう、江戸時代から現代に至るまで、東京湾は何度も何度も埋め立てられて、現在の姿になったのだ。

 

そしてクジラの親子だ。

「おいおい、東京湾にクジラなんているのかい?」と思われるかもしれないが、実は江戸時代にときどき東京湾にクジラが迷い込んでいる。なので事実だ。

 

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豊洲の今昔2

これ、地下鉄の豊洲駅掲示してある「豊洲今昔物語」という壁画だ。

 

中央には豊洲駅が描かれている。

背景は豊洲のビル群だ。

『今、豊洲はすてきな町』のコメントがある。

 

手前には『いるかたち』・『海釣り』。

「おいおい、東京湾にイルカなんているのかい?」と思われるかもしれないが、実は(以下略)

 

今昔物語というか、新旧を無理矢理合体させて不思議な世界観になってしまっている壁画だ。ステキ。

 

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豊洲の今昔3

地下鉄駅から地上に出た。

なんか「コロッセオ」みたいな円形の広場の中央に出た。

反対側の扉からライオンでも出てきて、どっちかが死ぬまで闘わされそうな構図だ。

 

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豊洲の今昔4

ウソです。

 

円形広場はすんごいのどかでした。

ご飯食べたりコーヒー飲んだりしている人たちが、チラホラといる。

コロナ禍じゃなかったら、もっと賑わっていただろう。

オシャレなトウキョー・シティだ。

 

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豊洲の今昔5

ちなみに、僕がこれらの撮影をした円形闘技場の2階部分、ビシッとスーツを着たサラリーマンが多く歩いていた。

撮影している僕は少々恥ずかしかった。

 

この円形広場の周囲には高いオフィスビルがいくつかあるのだ。

ちょうどお昼どきなので、ビルがサラリーマンを放出したのだろう。

 

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豊洲の今昔6

築地から豊洲に魚市場が遷ったので、駅周辺は粋な板前さんが闊歩していたり、江戸前の魚がビチビチ跳ねていると思ったら、全然違った。

豊洲市場はここから1.5kmもあるらしいぞ、てやんでい、べらぼうめ!

 

ま、でも今回は豊洲市場の話は置いておこう。

駅構内の話だ。

 

 

線路がない!??

 

話を豊洲駅構内に戻そう。

僕は最初、我が目を疑った。

 

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線路ない事件1

あれ?駅ってこんなだったっけ??

線路ないけど、電車ってどんなだったっけ?

写真右半分の黒いタイルの上を、シャーって滑ってくるんだっけ?魚市場の冷凍マグロみたいに。

 

…そんな感じで、1秒くらい脳がバグッた。

 

上には「3番線 池袋・和光市・森林公園・飯能方面」って書いてある。

ホントだな、行けるんだな?

この線路の無いホームから。

 

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線路ない事件2

線路、埋め立てられたのだ。

豊洲はなんでも埋め立てるのが好き。海だって埋め立てたし、線路だって埋め立てるのだ。知らんけど。

 

でも、それによってこっちのホームとあっちのホームが陸続きになった。

にもかかわらず、電車との接触を防止するホームドアだけが残っているのだ。

それがとても違和感だ。

 

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線路ある普通

上は、豊洲駅のいくつか隣の駅で撮影したものだ。

ホームドアとは、こういうものだ。

ホームと線路(電車)の間で、僕らを守ってくれるたのもしい兄貴みたいな存在だったハズだ。
 

それが、ここではどうだろう?

 

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線路ない事件3

もう一度掲載するが、ほら、もうやることなくして所在無げに立ちつくしているのみだ。

こんな兄さん、嫌だ。 

 

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線路ない事件4

 ホームドアには「のりださない」という注意書きがある。

でもさ、今は乗り出しても向こう側には何もない。

 

今なら思う存分に乗り出しちゃってもいいんじゃないかな?

今まで乗り出したくても乗りだせなかったあなたも、その長年抑圧された願望をここで解き放ってもいいんじゃないかな。

 

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線路ない事件5

さぁ、かつての線路の上に足を踏み出したぞ。

 

始めて月に降り立った「アームストロング船長」の言葉を借りるのであれば、「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な一歩である。」だ。

当然、彼と同様に左足からだ。

いや、ぶっちゃけこのときの僕がどっちの足からであったか、忘れたけど。

 

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線路ない事件6

よーし、絶妙な浮遊感だー。 

そして今、僕は電車の気持ちだー。ぶーん。

 

こんな駅はそうそうお目にかかれない。

かつてのホームの上を、隅から隅まで歩きたい。

 

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線路ない事件7

ほら、高速道路とかが完成した直後のまだ車も通さない段階で、「記念に今日だけ歩行していいよ」みたいな日があるじゃない。

一生に一度の経験。

 

そういう気分だ。

明石海峡大橋」とか「瀬戸大橋」の車道をそうやって歩ける時代に生まれたかった。 

 

 

埋め立てられた線路の上で

 

豊洲駅は、2番線と3番線の線路が埋め立てられている。

実は本当は"埋め"られてはいない。

線路の上に板を渡してあるだけだ。なので歩くと若干ブゴンブゴンと、下が中空である感触がする。

 

川であれば"暗渠(あんきょ)"と言うね。

昔は川だったところを、上からフタをして車道にしちゃったり、デカいパイプに川を通しちゃったりして、地上からでは川だとわからなくする工事だ。

ブラタモリ」でよく出てくる言葉だ。

 

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線路の上の世界1

しかし、ホームが広いだけですばらしい感覚だ。

 

料亭とかで大勢での会食をする際に、普段は部屋を仕切っている襖(ふすま)を取り外したら、「うおぉ、こんな大きな宴会場にもなるんかい!」ってなるのと同じだ。

小さい頃、そんな広間をはしゃいで駆け回って母親に怒られたのは僕だけではないハズだ。自己肯定のためにも、そう思いたい。

 

今はコロナ禍で会食なんてできないけどさ、コロナが明けたらそんな大きい広間で親しい人たちと宴会して、豊洲に揚がった魚の刺身とか食いたいよな、べらんめぇ!

 

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線路の上の世界2

貼り紙にご注目。

『この先はホームが狭くなっています ゆずり合ってご通行ください』

 

はぁ?どこのホームが狭いですってぇ??

いや、確かに昔は狭かった。上の写真のホームドアの位置からそれがわかる。僕もその時代に豊洲駅を見ている。

 

しかし2021年現在は、ゆずり合いだなんていう美しい精神は不要だ。

かつての線路の上を歩けばいい。江戸っ子はグイグイ我が道を突き進むのだ。

 

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線路の上の世界3

駅の端っこの方は、2つあるホームとホームとの間に高低差があるようだ。

だからこんな風に中央に階段が出来ている。面白い。

ブラタモリであれば、きっと河岸段丘とか言われているだろう。

 

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線路の上の世界4

1・2番線にて電車を降りた人たちも、かつての線路上を横断して3・4番線側から改札階に上がれるのだ。

これ便利。ソーシャルディスタンスだ。

 

さて、ホームを端近くまで歩くと、世界の終わりかのように壁が立ちはだかった。

まだホームは続いているのに、線路の上の世界だけが当然プツリと終焉を迎えるのだ。

 

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線路の上の世界5

それがこれだ。

向かって右には線路上の世界がある。左側はそれがない。

 

昔の誰かが、「海の果ては滝になっていて、全ての船はそこから落ちていく」と言っていた。

まさにそんな気分だ。

 

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線路の上の世界6

ただ、ここでようやくかつての線路がコンニチハだ。

この線路を上から封印していたのだ。

 

ホームの一番端まで歩いてから振り返ってみよう。

 

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線路の上の世界7

こうなる。突然終わる線路がいい味を出している。

 

美しい世界の終焉だな、ってほれぼれしたさ。

…じゃなかった。

江戸っ子だったらこういうときは「とーんと来たね」って言うそうだ。

ゴメン、実は僕は江戸っ子ではないのでよくわからない。

 

 

なぜ線路は無くなった?

 

ホームがこのように埋められたのは、2020年3月16日のことだそうだ。

 

なぜかというと、東京オリンピック&パラリンピクの混雑緩和のため

豊洲もオリンピックのメイン会場だからな。

そして、コロナ禍でオリンピックは1年延期で2021年になっちゃったけど、本来は2020年だったでしょ。だからこの時期に埋めたのだ。

 

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未だに駅構内に掲示してある、線路があった時代の貼り紙を撮影してきた。

 

1~4番線があるうち、2つのホームの間である2・3線が埋められたのだ。

上の図を見ていただければ、それがイメージしやすいかと思う。

 

当たり前だが、決して線路がない駅というわけでもなく、そして線路を使わない電車が走る駅というわけでもない。

ただ単に、4つあった線路が2つになったという話だ。

 

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ちゃんと活用されているホームドア

次に、「一気に線路を半減させちゃって大丈夫なの?」と思われるかもしれない。

結論、大丈夫だ。

もともと2・3番線はほとんど使っていなかったそうなのだ。

 

当初この豊洲駅は、住吉とか押上方面に支線を造る予定だった。

しかしその予定はずーっと実現していない。

支線を作るときのための線路だけが残っている。

まぁ朝の時間とかにちょこっとだけそれを活用していたりはしてたようだけど、基本的に未使用の線路だったのだ。

 

今後、どうなるのだろうな?

この記事は、オリンピックとパラリンピックの間に執筆されている。

 

パラリンピックが終われば、この線路の上の世界の役目も終わる。

また撤去されるのだろうか?

それとも、いつの日か支線が誕生したり、あるいは2つのホームで捌ききれないほどに豊洲が栄えた日に、再び日の目を見るのだろうか?

 

400年以上の長きに渡り、埋め立てが行われている東京都心。

これからもきっと、進化し続けるのであろう。

 

我々は、東京の埋め立て計画に、これからも目が離せない。

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。
 

 

住所・ スポット情報

 

  • 名称: 豊洲駅
  • 住所: 東京都江東区豊洲4-1−1
  • 料金: 160円(入場券制度がないため、原則乗車のこと)
  • 駐車場: なし(付近のコインパーキング使用のこと)
  • 時間: 始発から終電まで

 

No.127【北海道】日本最北「宗谷丘陵」!貝殻を敷き詰めた白亜の道があるぞ!走ろう!!

日本の本土の最北端、「宗谷岬」。

 

その岬の背後には緑いっぱいの、WindowsXPのデスクトップ画面みたいな丘が広がっているんだ。

その丘を「宗谷丘陵」という。

 

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その一面が緑の宗谷丘陵にはね、一本の真っ白な道があるの。

白いホタテの貝殻を粉砕して敷き詰めた、おとぎ話のようなファンタスティックな道。

 

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「宗谷丘陵 白い道」・「最北の白い道」・「シェルロード」…。

この道の呼び方は複数ある。

 

うーん、僕はこのブログ内ではなんて呼ぼうか。

あえて、今は少しマイナーになってしまったけども、最初期の呼び名である"最北の白い道"と呼んでみようか、ねぇBLUEayさん

 

では、今回は真夏でも涼風の吹く日本最北の丘の話を、日本4周目から6周目の話をブレンドしつつ語りたいと思う。

 

 

アプローチ方法ご紹介

 

ここにあなたが向かう上で最初に突き当たる障壁。

それは「どこにあるのかわからない」という点であろう。

 

もちろんご存じの方も多いと思うし、コロナ禍で僕が自宅でウダウダしている間にわかりやすい標識だとかが作られたというウワサも耳にしている。

だが、まぁここは書かせていただきたい。立地を感覚で覚えてもらいたいし。

 

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上の図、全部まとめて宗谷丘陵という広大な丘だと思ってもらっていい。

ガチに走り回りたい人以外は、宗谷岬訪問のついでに「宗谷岬公園」から眺めるのが一般的だ。

 

「最北の白い道は宗谷丘陵にある」と表現されることが多く、このことから宗谷岬から白い道を目指そうとする人も多い。

 

確かに目指せる。だけどもちょっと遠い。

それは上図を見ていただければおわかりだろう。

さらに言うと、国道238号と道道889号以外は全部擦れ違い困難な幅の未舗装路だ。

 

オフロードバイクで砂煙を巻き上げながらヒャッハーしたいのであれば、東から行ってもいいし北から行ってもいいだろう。

だが、そうでないなら最短ルートである西側アプローチがオススメだ。

 

 

ただ、ここいらの国道はとんでもなく走りやすいので、気をつけないと分岐をすごいスピードでスルーしてしまうだろう。

国道を反れるポイントについて、上にストリートビューから引用させていただいた。

 

ただ、国道からの分岐を見つけたところで、そのあとも2つほど小さな分岐がある。

これが少しだけわかりづらいのだ。 

 

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これが西側アプローチだ。

「宗谷郵便局」をまずは目指してほしい。

 

その背後にある四差路を間違えないようにするのだ。

ちなみにGoogleマップでは三叉路だ。衛星写真で見ないと、行き止まりの4本目は表示されない。 

だから、「郵便局裏の分岐をとにかく左へ…!」と覚えておくと、行き止まりに吸い込まれるので注意だ。 

 

 

左が行き止まりの道。右が最北の白い道への正解だ。

ぶっちゃけ、まともな神経であればどっちも入り込みたくないくらいに狭いし 激坂である。

 

せっかくなので、左の行き止まりの世界をご紹介しよう。

 

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行き止まりの世界1

もうすんごい傾斜。

でも途中から舗装されているので、ちょっと希望が持てる。

あそこまでガンバレ、と。

 

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行き止まりの世界2

 …と思ったら、舗装ゾーンはたったの20mくらいで終わる。

なんなの!?

 

しかもその先は何かの施設があるだけで行き止まりなのだ。

なんなの!もう、バッカじゃないの!?

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行き止まりの世界3

苦労して切り返した後、下界を見下ろした光景がこれだ。

右の方には拡大すれば宗谷郵便局が見えているし、写真右上に見切れているのが国道238号だ。

 

いいかい、こっちへ来てはダメだ。

四差路では左から2本目の道を登るのだ。

 

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こっちも擦れ違いはできないけどな

 

緑の丘の、白亜の道を走れ

 

さて、白い道への続きだ。

道はエキセントリックなレベルで狭いが、もう少しでホワイトゾーンが出てくるからしばらくの辛抱だ。

 

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シェルロード1

ちなみにHUMMER_H3で突入したときは、本当にドキドキだった。

もう対向車来たら終わる。対向車がバイクでも詰む。

 

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シェルロード2

どうでもいいけど、もう1回写真を掲載する。

 

ここまでの3枚の写真は、それぞれパジェロイオ・HUMMER_H3・パオでの走行シーンだ。 順番に日本4周目~6周目である。

毎回同じ場所で写真を撮っていることが、右手の2つの電柱からわかる。

僕は律儀だ。

 

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シェルロード3

そして始まる白亜の世界。

どうよ、モクモクの入道雲を背に高原を走っているぞ、僕の日産パオ。

我が愛車ながら、かわいすぎる。

 

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シェルロード4

「このまま車のCMに使えないか?」って思えるほどのロケーションだ。

 

もちろん、それは僕の日産パオだからではない。

あなたの愛車もきっとここに来れば最高に輝くであろう。

 

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シェルロード5

ただし白い道は舗装路ではない。

ゆっくりと走ってほしい。ゆっくり流れる車窓からの眺めもまたステキなのだ。

 

そもそもこの白い道の正式名称は、「稚内フットパス」。

フットパスとは、歩行用の道を指す。

つまりハイキングしている人もいるかもしれないのだ。見たことないけど。

なので気をつけて走ろう。

 

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シェルロード6

この白い道には駐車できるスペースがほとんどない。

僕の知る限りではあるが、駐車場として設けられている敷地は無い。

 

最初の坂を上がりきったところに、上の写真のようなちょっとした広場とベンチがある。

ギリギリ車道を避けたくらいの場所には、停まっている車をチラホラ見かける。

もちろんだが、草原の中を車で突撃して行ってはダメだ。
 

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シェルロード7

同じ場所だが、晴れるとさらにすごい。

 

個人的には、3kmの白い道の中で序盤のここが一番のロケーションである。

愛車と緑の丘と海、全部一度の撮影できる。

うまくアングルを工夫すれば海上の「利尻富士」もフレームに加えられるだろう。

 

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シェルロード8

車外で最北の風に当たる。

喧騒に包まれる宗谷岬よりも秘境感がある。

登山の途中、ちょっと景色のいいところで小休止をするかのような気分だ。こういうところでコーヒー飲みたい。

 

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シェルロード9

そして、外に出たからには足元をよーく見ていただきたい。

 

これ全部、ホタテの貝殻なのだ。

白い道の正体、それは砕いたホタテを敷き詰めたことによるなのだ。

 

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シェルロード10

こんな道が3kmも続くんですぜ。

北海道はホタテが名産とは言え、この道を造り、そして維持する労力は甚大であろう。ありがたい限りだ。

 

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竹富島の白い道

そういえば、沖縄の「竹富島」の集落内は珊瑚を砕いて敷き詰めた白い道だったな。

これ結構あるあるなんだけど、日本の最北と最南は、意外と共通点が多いのだ。

ルートビアとコアップガラナも似ているしな…。

 

閑話休題

 

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シェルロード11

そして再び白い道を進む。

すごく大きな見どころは無いが、宗谷丘陵の緑の丘が流れていく様を堪能してほしい。

 

遠くには風力発電のプロペラが無数に回り、そして遥か彼方には宗谷岬のすぐ上の丘にある「アルメリア」という風車のレストランがかすかに見える。

 

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シェルロード12

人工物はこれくらいであり、日本ではないかのような絶景がずっと広がる。

 

走っていて景色が劇的に変化するわけではないし、この広大な眺めを文字でどのように表現すれば良いのかもわからない。だから表現に詰まる。

だけども退屈さは全くない。

ずっと眺めていられる景色なのだ。

 

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シェルロード13

ときどき「そろそろ戻ったほうがいいのではないだろうか?」と不安になる感覚もある。

大丈夫、これも秘境や林道に足を踏み入れる際によくある感覚だ。それも醍醐味。

 

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シェルロード14

3㎞先のゴールに何があるわけでもない。

適当に堪能したと思ったらUターンしてもよいだろう。もっとも、Uターンできる場所自体が少ないので、慎重にだ。

 

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シェルロード15

戻る際、最初に登って来た激坂を下ることになる。

この直前の光景、上の写真のように道がバサッと途切れていてその向こうに最北の海が見える。

 

なかなかいい眺めだから覚えておいてほしい。

 

 

僕らは初めての冒険をする

 

2021年現在は、そこそこ有名なこの白い道。

老いも若きも「白い道、白い道」と呟きながら宗谷の深淵に足を踏み入れる。

 

しかしこの道、歴史はそこまで深くは無いのだ。

2011年の5月、つまり本記事の執筆時からちょうど10年前に完成したのだ。

 

その翌年である、2012年夏の話をちょっとしよう。

 

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「漁師の家」

旅友であるライダーの「katsu君」が以前に教えてくれた店、「ノシャップ岬」の「漁師の家」にて、僕はウニイクラ丼を食べている。

 

その対面に座るのは、BLUEayさんだ。

日産の180SXというゴチゴチのスポーツカーで、1人全国を旅してまわるスゲー人だ。

ちなみに初対面。

 

今朝の段階でBLUEayさんは小樽、僕は旭川近辺。

「お昼に会おう」ってなって設定された場所が、お互いの真ん中ではなくって日本最北の稚内市だ。距離ガバ。

 

で、ランチを食べながら「この後はどこに行きたい?宗谷岬と…。」と僕が訪ねた際に、BLUEayさんの口から出たのが最北の白い道であった。

なるほど、お目が高い。

 

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最初の冒険1

これね、撮影したのは本記事執筆時だけど、そのときお店で僕が開いた実物だ。

「0円マップ」

北の大地を走るライダーのバイブル。

現在は残念ながら廃刊となってしまったが、その最後の号だ。

 

内容は大体全部頭の中に入っている。

ここに最北の白い道が掲載されていたことも覚えている。

 

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最初の冒険2

知名度はゼロで、どんなところか不明だ。

しかし、この時期に訪問したということが、後々のステータスになるかもしれない。

 

じゃあ行こうか。

って思うんだけど、0円マップの地図は縮尺が甘いし大雑把であることが特徴だ。

どこだか全然わからん。

 

併せてツーリングマップルを取り出し、慎重に照合する。

宗谷郵便局近くから始まるダート。これが白い道になったのではないか、と推測した。

 

そこからは冒頭の通り(行き止まりの件)である。

四差路に翻弄されつつも、僕らはそれぞれの車で最北の白い道に到達する。

 

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最初の冒険3

BLUEayさんの180SXだ。

舗装路から白い道に切り替わって50mほどの地点。

 

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最初の冒険4

後ろにはかすかに、先ほど3枚連続で掲載した特徴的な電柱が見えている。

そして水平線には利尻島利尻富士だ。

 

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最初の冒険5

当時の僕の愛車のパジェロイオである。

ダートを走ると喜ぶ子。一緒に数々の秘境・廃村などを探検している子。

 

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最初の冒険6

最高の気分だったので、BLUEayさんに写真を撮ってもらう。

最高の理由はもう1つあって、雲の多い天候であったが左(北側)から青空が広がってきたという点だ。

 

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最初の冒険7

バッチリだ。かっこよすぎる。

あの向こうはサハリンか?

 

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最初の冒険8

この車で全国を旅しているということに驚愕。

しかしそれこそがアイデンティティ。僕も誰も使わないような車で日本一周してみたい。

 

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最初の冒険9

僕も、そしてこの記事をお読みのあなたも、もう知っている。

後年、ここは少し整備されてベンチが置かれたり、駐車できるわずかなスペースができることを。

 

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最初の冒険10

白い道のほぼゴール付近までやって来た。

ここも毎回車を停めている、お気に入りのスポットだ。

 

ところでさっきの0円マップの写真で気付く方は気付かれたと思うが、当初の白い道は2km区間であった。

2021年現在は3kmに伸びたようだ。

 

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最初の冒険11

Uターンして戻る。

 

実はここに来る前に宗谷岬に立ち寄ったりしていたので、太陽は傾いてきた。

しかしすっかり晴れ間が戻ってきたようだ。

この後僕らは、本日2度目の宗谷岬に向かう。

 

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最初の冒険12

後日談ではあるが、僕らがこの白い道を走った頃には、Web上で「白い道_宗谷」などと検索しても、情報は数件しか出て来なかった。

この後で僕が「最北の白い道を走った」とWeb記載したところ、一気にYahooの1ページ目に表示されたりしたものだ。

2012年。そのくらいの最初期のお話。

 

BLUEayさんとは、この後の宗谷岬で別れた。

ときどき情報交換はしているものの、2021年現在も再会はしていない。

 

しかし、インターネット時代かつコロナ禍の旅人は、Web上でも繋がれるよね。

BLUEayさんは僕がこの記事を書くことも知っているし、きっと読んでくれるだろう。

 

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また走ろうぜ

それだけでね、僕の魂は再び最北に戻ることができるのだ。

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 最北の白い道
  • 住所: 北海道稚内市大字宗谷村字宗谷
  • 料金: 無料
  • 駐車場: ほぼなし。路肩などを利用。
  • 時間: 特になし

 

No.126【群馬県】カオスでエロい、1人の男が作った謎の楽園!「アダルト保育園」に潜入!

いいか、大事なことだから聞いてくれ。

 

性欲は、何か大きな夢を成し遂げるための大きな原動力となりうる。

たぶんだけど、そのエネルギーをうまく変換すれば蒸気機関車くらいは動く。

 

そのほとばしるエネルギーで、カオスとしか言いようのないB級スポットを作り上げてしまった男がいるという。

そのスポットは、ちまたで「アダルト保育園」と呼ばれている。

 

なんともかんとも、IQの低そうな、失笑をもらいながら存在していそうなネーミングである。

つまり最高だ。

 

オープンキャンパスはいつですか?

えっ、常時ウェルカムなのですか?

なら行く。すぐ行く。

 

 

ジジイは走るのではなく飛ぶ

 

旅友のFUGA君と共に、甘楽郡の山間部をドライブしていた。

目的は冒頭記載の通り、アダルト保育園訪問だ。

 

道はどんどん山深くなり「この先に保育園があるのか?」という不安もあるが、吊り橋効果に伴うトキメキに変換されてしまっているとも感じる。

 

アダルトとも保育園とも無縁そうな平和な山間部の道。

僕は助手席で「あと200m・あと100m…」とカウントダウンする。

 

 

だって、あと100m足らずでアダルト保育園が出てくるような道には、とても思えないからだ。

 

しかしGoogleマップは正しい。

圧巻の光景が僕らの前に現れた。

何も知らない人だったら、ビックリしすぎて事故るんじゃないかと不安になるようなスポットであった。

 

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外観1

情報量が多すぎてめまいがする。

 

  • 『ひろ~いのよ さあー!車から降りてミーナ!』
  • 『そうです!ワタシがヘンなジイさんです(ダ・フンダ!)』
  • 『(祝)日本作詞大賞「嵐を呼ぶ老いら」』
  • 『令和2年 80才のエロ(レ)ジジイー!』
  • 『園児 酒タバコOK』
  • 『正気と狂気の狭間の芸術 圧巻 景観 達観』

 

うん、なに言っているんだコイツ…、ってなる。

大体全部わからないが、オーナーさんが80歳ほどのクレイジーなエロジジイであることだけはよくわかった。

右端には保育園の園歌と思われる歌詞が書かれているが、もう頭痛いよ僕。

 

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外観2

…なんかね、身内にはいて欲しくないタイプのオーナーかもしれない。

わかってはいたけど。

誰かブレーキかけてくれる人はいないのか。いや、誰もブレーキかけられなかったのだな。

 

FUGA君も僕の横で車窓からこれらを見てポカーンとしていた。完全にOSのキャパを超えてフリーズしていた。

降りよう。

気持ちはわかるが、車から降りよう。

 

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外観3

『ジジィのライバル!雄三(加山)と雄一郎(三浦)

 

うん、じゃあその2人に謝ろうな、って思った。

無邪気すぎる80歳児、困ったものだ。

 

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外観4
  • ジジィは走るというより飛ぶ感じ!
  • 駄目ヨ~ダメダメ 猪ちゃんだけーわ
  • アダルトホ!イク!イク!えん
  • ジジィは 今日も元気ダ。あや子様
  • ハチミツもいいけどだんみつネ!

 

ジジィは走るというより飛ぶ感じなのは、今日初めて知ったわ。

異様にゴロがいい。口に出してみたい格言だ。

 

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外観5
  • 『「アダルト保育園」と「野外アート」と「屋内エロス」!』
  • 『驚愕の大規模アート!』
  • 『エラいもん(中條家)カ・モーン!カモン・かもん!ヘイ!家紋!』
  • 『ワァオー!恐竜ダァ!大恐竜!ゴールデンザウルス!怖ーイ!』

 

もう、内容と字面がとんでもなくうるさいですね。

音の出ない騒音。

 

本来であれば秀逸な看板をズームして順次紹介していきたいところだけど、今回はこの距離でカンベン願いたい。圧倒されすぎて近づけない。

 

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外観6
  • 『ナニコレ!珍庭園』
  • 『名勝 楽替園』
  • 『ふれあいセンター 銘酒館』
  • 『どっち こっち あっち』

 

コンセプトが散らかり過ぎて、何がしたいのかまったくわからない。

ホント、我々側が「どっち?こっち?あっち?」と迷子だよ。心の迷子。

 

右端部分を少し拡大してみよう。

 

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外観7
  • 『アート極まる』
  • アートランド 竹林の風』
  • 『巨大石燈篭 竹笹庭園 入口』
  • テレビ朝日 TBSテレビ 日本テレビ
  • 『大型観光バス来たあー! 平成三十年二月二十四日 令和元年七月十三日来たる

 

とりあえず、大型観光バスの立ち寄りスポットになったのが心から嬉しかったようで、読んだこちらも笑顔になる。

 

…てゆーか、絵日記レベルのことを公道に向けて書くんだな、このオーナーさん…。

そしてある意味、Twitterのアナログ版のような行為でもあるな、と感じた。

 

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外観8

唯一「清涼感があるな」と思って近づいた、風でカラカラ回るオブジェは、全て酒の缶だった。クレイジーだぜ。

 

どうだい、この密度。

全部説明していたら、このブログの月間使用容量をオーバーしてしまいそうだ。

にもかかわらず、まだ敷地内には一歩も足を踏み入れていないんだぜ。

 

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外観9

では、いよいよゲートを開けて中に入ろう…。

 

 

テレビ直売・アダルトデンキ

 

公道を敷地を分断する柵のすぐ内側は、ガショガショした感じのメカに溢れていた。

 

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庭園1

うん、わからない。

「東大王」でも、これが何か即答することは困難であろう。

ただ、E.T.であればこれを使って故郷に電話しようとするかもしれない。そんな感じの造形である。

 

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庭園2

…って思ったら、いきなり電話あった。

E.T.はまずここで電話させればいっか。

 

そして剥き出しの家電にミニカーに…。

ここって風雨の影響をモロに食らうが、いいのか? 

わりとメカには厳しい教育方針だ、オーナー…。

 

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庭園3
  • 『テレビ直売コーナー』
  • 『アダルトデンキ』
  • 『家具コーナー(安いよ!)』

 

おっ、こんなところに電気屋さんあった。

値段は知らないし安いのかもしれないが、僕は雨ざらしのTVや石油ストーブは遠慮したいタイプの人間だ。

 

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庭園4

でも、日向ぼっこしている家電たちは気持ちよさそうだ。

その平和な光景に、思わず僕らも笑顔で記念撮影をした。

 

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庭園5

青空の似合う扇風機。

どこを冷やしているのよ、これ…。

 

そして『27年6月12日(金)』のタイムスタンプが意味不明すぎる。

不明すぎて自由過ぎて、もうどうでもいい。
 

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庭園6

アダルトデンキの隣は大人形展だ。

ずるいぜ、このセンス。

 

もう小屋の中にミッチミチに日本人形。

むしろ密になりすぎてそれらが屋外まで溢れている。

 

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庭園7

その向かいは、日本一雑な骨董市みたいになっている。

特等席に黒電話がふんぞり返っているところを見ると、アダルトデンキの影響力がここまで及んでいると推測する。

 

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庭園8

大人形展の隣は、大花見会エリアだ。

 

中央に位置するのは、宝の山桜

しかし、おもくそ普通の物干し竿と、昭和の家にある和室の照明を、それぞれ無理矢理ピンクに塗ったものが括り付けられている。

泣いているぜ、山桜。

 

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庭園9
  • 『老いらの砦』
  • 『園児の楽園』
  • 『園児用の飲み物』
  • 『パワースポット!』
  • 『あだると 生ビール ビヤガーデン』
  • 『スナック・オットピン』
  • 『参拝開運堂』

 

山桜の隣はこんな感じだ。

「花見には酒」と言わんばかりに、園児用ドリンクとしてビールが置いてある。

あとはもう、ツッコみ切れない。酒を飲んでどうでもいい気分になりたい。

 

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庭園10

ビアガーデンの奥は竹林となり、ちょっとしたデンジャーゾーンでもある。

いや、今までも充分にデンジャーゾーンだったのだが、この先は別テイストだ。

 

いきなり『危険!!不発弾!!』の文字が出てくる。

これまでの経験から、ここのオーナーであれば普通に不発弾を所持しているだろうという負の安定感があって怖い。

その前に立つ笑顔のコックが怖さにブーストをかけてくれる。

 

その後ろの犬が首から下げているプレートには『お金ちょうだい』と書いてある。

ナメてんのか。

 

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庭園11

ビアガーデンの隣なので、かつてのアメリカ大統領が、明らかに出来上がった顔で迷い込んでしまっている。

不発弾につまずかないかどうか、ハラハラしてしまう。

 

なんという愉快な庭園だ。

欲望まみれのディズニーランドみたいだ。

屋外アトラクションはこれで大体見て回った。次は屋内アトラクションか?

 

 

壇蜜を探してごらん、ほらいたよ

 

最後の項目だ。

いよいよ僕らは心臓部への扉を開けることとなるのだ。

 

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壇蜜1

振り返ろう。

オーナーのご老人は、特定の何名かの有名女性の名前を書き殴る傾向があるが、ことさら壇蜜さんの名前は頻出する。

 

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壇蜜2

絶対壇蜜大好きなのだ。これテストに出るぞ、抑えておけ。

 

TVをほぼ見ないし芸能界にも疎い僕であるが、これを機に壇蜜だけは覚えた。

今でも壇蜜の名前を目にすると、このアダルト保育園のことを思い出す。

なんてこった。 

 

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壇蜜3

各所に壇蜜⇒』の表示がある。

 

僕は壇蜜さんことを良く知らないが、好きな人であればゴキブリホイホイならぬ壇蜜ホイホイみたいになるであろう。

ま、僕も興味本位で矢印の方向に行くのだがね。
 

てゆーか『総合記念館』ってなんだよ。

そして壇蜜さんもこんなところに自分の部屋 が造られているなんて、1ミリも知らないだろうな。

 

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壇蜜4

壇蜜の部屋 アダルトセクシールーム』

 

矢印は1つのプレハブ小屋を示す。

まずは外側を見て回ったら、なんかムフフな文言が書いてあった。

さらに奥へと進もう。

 

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壇蜜5

AKB48 壇蜜 藤あや子 記念館 入口』

 

プレハブの中は二重構造でセキュリティやや高めであった。

いや、扉も鍵も無いんだけどさ。

 

ここが記念館とやらだ。

奥の方にはファンキーな字で『ご自由にお入りください』と書いてある。

 

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壇蜜6
  • 『だんみつを見ずして帰るアホかいな』
  • 『だんみつをさがしてごらんホラ居たよ』
  • 壇蜜を覗かず拝まず帰る人よ(アー!)お気の毒!』
  • 『だんみつ→』

 

とにかく壇蜜愛が暴走を起こしていることは理解した。

 

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壇蜜7
  • 『だんみつの部屋』
  • 壇蜜在室中』
  • 壇蜜と密…』

 

うおっ。部屋の前に立った時点でエロスが溢れ出しそうになっているので、ちょっと黒いマスキングを使わせていただいた。

このブログは老若男女、安心して見てほしいからな。

壇蜜、コイツはヤベーぜ。

 

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壇蜜8

よいしょーーッ!!

なんか肌色が多めの写真だらけの部屋!!

ちょっとこれリアルにR18なので、画質を極端に落としてわからないようにした。

 

なんだこれ…。

マジに中学生がそのまま大人になってしまったかのうような世界観だ…。

アダルト保育園の名前の真髄、しっかり腹落ちしたよ。

これ以上のネーミングなんて、きっとこの世に存在しないよ。

 

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壇蜜9

中に入れる小屋は他にも何点かある。

その1つが、上記である。

 

  • 『走れ!ジジィー』
  • 『走れエロス!』
  • 『老い等の老い楽』
  • 『のぞいて見る?!』
  • 『ヤバイヨやばい。』
  • 『ほんまヤバイ 』

 

 もちろんここも、中はカオスだ。安定品質だ。

 

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壇蜜10

(他と比べれば)一見まともそうな小屋内だが、テーブルの上に置かれているものがまともではない小屋もある。

 

日本の秩序とか常識は、ここではあまり通用しないのだ。

僕らは確かに今、異世界にいる。

ディズニーランドは夢と魔法の国なら、ここは混沌とエロスの国なのだろう。

 

 

カオスとエロスの集会場

 

僕らは、ここのオーナーさんには出会えなかった。

 

しかし、ここまでに記載した通り、令和が始まったころに約80歳の、バイタリティ溢れるおじいちゃんがオーナーさんだ。

名前が「中條さん」であろうことも、ここまでの記事や写真を見ていただければ推測できたことと思う。

 

保育園の一角には、オーナーさんがこの施設の建設に着手し、どんどんカオス化が進む様子、そして観光客なども訪れている様子などがパネル展示されていた。

 

もともとはここは、地域の集会場としてオーナーさんが整えたのだ。

地域の納涼祭・花火大会などを実施したときの資料・展示物・記念写真なども一緒に掲示されていた。

 

そのうちにどんどん趣味が高じてこじらせて、廃材アートと壇蜜の含有率が増えていったようだ。

Googleマップストリートビューを見ると、まだ僕の訪問時よりもおとなしい。

そして、Webサイトを訪問しても、そのときそのときで看板の内容が異なり、サグラダファミリアのように進化し続ける施設であることがわかる。

 

奥さんは、そんなカオスとエロスの城の成長を黙って見守っているそうだ。

 

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自宅の壁がこんなになっても。

 

そのうち夫婦間にとんでもない事件が起こりそうで、そっちも怖いな。

いや、80歳まで連れ添っているのだから、オーナーさんのことを全て把握しているのか。

 

好きなことをとことん突き詰める。

それはドライブと旅が好きである僕にとっても理想の生き方だ。

 

ただ、ある程度 自分を客観的に見ておくのも必要だ。

しかし、こじらせるなら、とことんこじらせるのだ。

 

僕の行きつく先は、いったいどんななんだろう?

僕もたいがい「子供っぽい」と言われる。

何保育園を作ろうか、今から考えておくのも悪くないかもしれない。

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: アダルト保育園
  • 住所: 群馬県甘楽郡甘楽町秋畑576
  • 料金: 無料
  • 駐車場: 路肩に若干スペースあり
  • 時間: 不明。だが個人の敷地につき日中訪問を推奨

 

【特集】日本の国土の極地!八方位観点からの斜めの突端!まだまだ最突端は奥が深いぞ!

誰しも端っこには興味がある。

 

旅人はより遠く、大地の果てに行きたがる。

電車に乗っていてもふと、「この電車の始発駅や終着駅はどこだろう?」と気になることがある。

過去の偉大な人の存在を知ったとき、その人の幼少期や晩年について知りたくなる。

 

全部端っこである。

端っことは、始まりであり終わりである。

これを知ることで、物事の輪郭がよりくっきり見えてくる。

「知識の解像度が上がる」とでも言っておこうか。

 

僕もあなたも、無意識のうちにこの端っこを知ろうとしているのではないかと、僕は推測するのだ。

 

では、日本の端っこはどこか。

 

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以前にこんな記事を書いた。本土最突端16岬だ。

日本の本土を形成する四島の東西南北端の岬のご紹介である。

気になる方は、以下の【特集】から詳細をご確認いただきたい。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

…しかしだ。

記載の通り上記はあくまで「本土」である。

そして「東西南北端」である。

 

人間の欲求はそんなにシンプルではないのだ。

今回はもう少し踏み込んだ、日本の突端・極地のご紹介をできればと思う。

 

 

突端・極地の一覧化

本当の意味での日本の端 

 

さて、日本という国の本当の端からまずはおさらいしていこうと思う。

 

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はい、こんな感じだ。

 

 

択捉島」は北方領土であり、日本は「ここまでが我が国だ!」とは言っているものの、2021年現在日本人が普通に行くのは無理。

 

ja.wikipedia.org

 

南鳥島」は自衛隊気象庁や施設メンテ業者じゃないと行けない。日本最東端の碑ならある。

 

ja.wikipedia.org

 

沖ノ鳥島」 は小さすぎて施設ナッシングだし、一般人は当然行けない。日本最南端のプレートならある。

 

ja.wikipedia.org

 

与那国島」は、「西崎」が長年日本の最西端とされていて、そこは一般人も行ける。

ただし2019年に国土地理院の地図が更新され、西崎より260m沖の「トゥイシ」という岩が最西端となった。まぁ行こうと思えば行ける。

 

ja.wikipedia.org

 

…とはいえ!!

 

ここで僕がやりたいのは地理の勉強ではないのだ。

あくまで僕やあなたのような一般人が、旅をしながら気軽に踏める最果ての話をしたいのだ。

 

だから、カモイワッカ岬も与那国島のトゥイシとやらも、一旦はナシで。

 

実質今(2021年)の日本最北端も北海道の「宗谷岬」だ。

宗谷岬の沖合に弁天島という無人島があるぞ」と得意気に言ってくる人もいるかもしれないが、うん、知っている。でも今はそういう話ではないのだ。

 

申し訳ないけど、もっと地理とか国土とか政治的観点からの突端の話をしたい方も、僕の目線までそのレベルを下げていただきたい。

 

 

一般人の行ける極地とは

 

前項をご理解いただいたうえで。

じゃあ一般人が行ける究極の地を、可能な限り洗い出そうではないか。

東西南北のみならず、北東とか南西とか、八方位も混ぜてみようか。

 

ただし注意点だ。

僕は勝手に定義を作らない。

自治体が「突端です」って言っていたり、現地に突端を示す碑があったり、あるいは一定以上の突端としての知名度がある場合に絞り、僕もそれを突端としてご紹介しよう。

 

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ザッと洗い出せたのが、こんな感じだ。

 

本島四島内に記載のあるスポットは、「○○本土の最○端」、そうでないものは「離島も含めた…」という風に認識してほしい。

ここまで上の地図に書き込むとゴチャついてしまうので、止むなくこうした。

 

また、書き出した基準は「日本の…」あるいは「本土四島(例:本州)の…」というくくりとしてある。

だから「能登半島最北端の禄剛崎が無いぞ」とか「伊豆半島最南端の石廊崎が無いぞ」とか言われても、そりゃ確かに無いのである。

 

この項目では、少し大きく四角で囲ったスポットをご紹介したい。

その他の岬(本土最突端16岬)について知りたい場合は、以下のリンクから別ページに飛んでほしい。

どれもオススメなので読んでほしいぞ。

 

  1. 北海道本土最北端:宗谷岬
  2. 北海道本土最東端:納沙布岬
  3. 北海道本土最西端:尾花岬
  4. 北海道本土最南端:白神岬
  5. 本州本土最北端:大間崎
  6. 本州本土最東端:トドヶ崎
  7. 本州本土最南端:潮岬
  8. 本州本土最西端:毘沙ノ鼻
  9. 四国本土最北端:竹居観音岬
  10. 四国本土最東端:蒲生田岬
  11. 四国本土最西端:佐田岬
  12. 四国本土最南端:足摺岬
  13. 九州本土最北端:太刀浦埠頭
  14. 九州本土最東端:鶴御崎
  15. 九州本土最西端:神崎鼻
  16. 九州本土最南端:佐多岬

 

 

日本の極地・マニアックな突端

 

遅くなったが、ようやく本題だ。

以下の極地・突端についてご紹介していきたい。

※もう一度言うけど、「一般人到達可能な極地・突端」ですからね…。

 

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本土最北東端:知床岬

 

北海道の本土、つまりは日本の本土の最北東端の岬は「知床岬」である。

そして初っ端から大変に申し訳ないが、この岬の先端だとか灯台の立つ地まで一般人が行くのは、かなり困難だ。

 

行けなくはないが、道なき道を、ヒグマの襲撃を躱しながら片道2泊3日の徒歩だ。

ガチのサバイバル。途中で海の中を歩くような部分もあったりなかったりだ。

 

正直に言えば、すごく憧れる。

本気で行こうと考えたこともある。

しかし、日程の確保や、さすがに1人では何かあったときに生死に関わることからも、2021年現在は実現に至っていない。

 

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知床岬1

しかし、行けるところまで行ってみてほしい。

だからこの項目を設けた。

 

車道のある限界の地。まさにエンド・オブ・ザ・ロード

それは知床半島にある「相泊」という名の集落だ。

上図の通り、ここで道は終わる。

 

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知床岬2

碑だって一応ある。

しかしご覧の通り、いつ撤去されてもおかしくないような管理状態だ。

 

改善を祈るが、僕ごときの祈りが通じるとも思えないので、なるべく早めに見に行った方が賢明かもしれない。

 

 

 

日本最北限:礼文島_スコトン岬

 

「最北限ってなんだよ!」と鼻息荒く僕に突っかかってくるのは辞めてほしい。

しょうがない、ここが最北限だと名乗っているのだから。

 

そこは日本最北の有人島である「礼文島」の最北端の岬である。

 

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スコトン岬1

うーん、 何とも言えない雲の多い天気だな…。

3回行って3回ともこんな感じのクライディな天候であった。

このあと晴れるのだがね、朝は曇りやすいのかな、ここ…??

 

さて、ここは日本本土最北端の「宗谷岬」よりも6,500m南にある。

しかし、昔はその差が明確に測量できていなかったのだ。

「どっちも最北。どっちも1番。」とされていたのだ。

 

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スコトン岬2

しかし測量技術が進み、スコトン岬は最北ではないと判明した。

それを受けて、最北ではなく最北と名乗ることにしたのだ。

 

有人島としては最北端の岬であるは事実。

そして観光地化されて車やライダーさんがジャンジャン来る宗谷岬と比べても、地の果て感は各段に上である。

 

是非、あなたにもこの北限の景色を味わっていただきたい。

 

 

 

本州本土最北東端:尻屋崎

 

青森県下北半島にある、「尻屋崎」。ここが本州最北東端だ。

現地には最北東端を示す碑などは無いが、自治体などのWebサイトにて、最北東端を名乗っている旨を確認できる。

 

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尻屋崎1

現地にあるのは、「本州最崖地」の碑だ。

"最崖地"は、僕がここでしか目にしたことのないカッコイイ言葉だ。

 

同じく下北半島の「大間崎」が本州最北端であり、それと絡めてドライブで回れると最高であろう。

大間崎とは全く違ったテイストの楽しみ方ができるのだ。

 

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尻屋崎2

大間崎がお土産物屋あり、グルメありでドッカンドッカンとフィーバーしているのに比べ、尻屋崎は静かだ。

 

青い海・緑の芝生・そして白い灯台、ここに生きる寒立馬という馬たち。

すごく絵になる。

 

大間崎がアミューズメントパークであれば、こっちは美術館。

文字通りの「岬」を堪能したいなら、こっちの方が勝るかもしれない。

美しい青森の岬、 それをご覧いただきたい。

 

 

 

本州本土最北西端:川尻岬

 

本州のもう1つの斜めの端っこは、山口県の「川尻岬」だ。

本州最西端の「毘沙ノ鼻」と絡めて巡ることもできるだろう。

ちゃんと、最北西端を示す碑が現地にあるのもありがたい。

 

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川尻岬1

駐車場からそんなに距離の無いところにこの碑が現れる。

 

ただし、駐車場から歩いてくるとこの碑は背を向けていて文面に気付かない。

最初に訪問した際は「碑はどこかなー」とこの前をスルーし、延々岬の先端の方まで行ってしまった。

まぁ散策できてよかったけども。

 

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川尻岬2

荒々しい波の打ち寄せる、強風の岬というイメージ。

釣り人がポツポツいて、そしてキャンプ場がある。

 

しかし割とローカルな場所にあるので、アプローチはやや大変だし観光客もあまり見かけたことは無い。

突端マニアですら、僕は自分以外に見かけたことは無い。

 

結構マニアックな岬なのかもしれないが、それがいい。

自分だけの価値を見出せよ、旅人。

 

 

 

九州本土最北西端:波戸岬

 

九州の本土における再北西端の岬、それが「波戸岬」だ。

玄界灘へ、「壱岐」の島に向かって突き出す岬である。

 

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波戸岬1

この岬の特徴は、観光用の海中展望台があることだ。

 

日本国内には2021現在で海中展望台は8つあるが、日本海側にあるのは国内で唯一なのだ。

これは相当レアだぞ。

ちなみに僕はまだこの海中展望台には入ったことは無い。 次回のお楽しみとしている。

 

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波戸岬2

これが波戸岬にある碑だ。

『The northwest end.』

そしてこの碑の足元は、「N」と「W」との歯車がガッチリ嚙み合った造形をしているぞ。

つまりは最北西端ということだ。なんともオシャレよ。

 

僕はこの碑の元で、朝日を見たこともあるし、夕日を待ったこともある。

玄界灘、朝日も夕日も最高なのだ。

 

遥か西の地から見る太陽は、感慨深い。

ただし気をつけろ。ここは恋人の聖地だ。ハート型のオブジェもある。

あなたがもし1人で行くのであれば、このオブジェを視界に入れるな。心を折られるぞ。

 

 

 

橋で結ばれた日本最西端のみなとまち:平戸島_宮ノ浦

 

さぁ、ひときわ異彩を放つ、飛び道具的な定義が飛び出した。

しかし定義は読んで字のごとくだ。

 

日本本土の最西端は前述の「神崎鼻」である。

しかし、本土と橋で繋がった島はどうなるか。自走で行けるのだし、もう本土と肩を並べてもいいように感じる。

 

船などに乗らず、本土を走る人たちがそのまま自走で到達できる日本の最西端。

その地にある港町の名前が、「宮ノ浦」なのである。

 

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宮ノ浦1

長崎の陸地から、「平戸大橋」で「平戸島」に渡り、延々走った最先端にあるのがこの港だ。

 

小さな港であり、着いたところでやることも何も無く、妙な達成感だけがあった。

観光客皆無の漁港で、おそらくいつも通りに黙々と働く漁業関係者の方々の前で、僕は小さくガッツポーズをした。

 

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宮ノ浦2

尚、近年は少し困ったことがありまして。

 

この港の近くに「本土と繋がった道の最西端」というスポットが出来た。

2021年現在は碑もなく、バキバキの未舗装路が海の直前で終わっているのみだ。

しかし、なんという旅情だよ。

行ってみたいが、僕はまだ未達なのだ。とても行きたい。

 

 

 

日本最北西端:対馬_棹崎公園

 

離島を含んだ日本の最北西端にあるのは、「対馬」だ。

その北端付近では、天気が良ければ海の彼方の韓国も見えるのだ。韓国の釜山との距離、49.5km。

釜山の花火大会の碑に、その花火を超遠望で撮影するのが写真家たちの間で流行っているよな。

 

www.jalan.net

 

ちなみに申し訳ないが、僕自身はまだこの岬に未達である。

従い、多くを語る資格がない。

じゃらんnet」さんの情報を上記にリンクさせていただきたい。

 

Wikipediaさんにはこの「棹崎公園」の個別ページは存在しない。

従い、「日本の端の一覧」内で表記されている情報を以下に抜粋する。

 

「日本最北西端の碑」を設けている(ただし、『北東から南西にかけて斜め45度に引いた対角線上においての最北西端』と定義した場合、北海道礼文郡礼文町のスコトン岬一帯が最北西端となる。

また、大韓民国に実効支配されている竹島も、棹崎公園より"北西"に位置する。

よって、棹崎公園は、『本土から距離があり、一般的な交通手段で国内より到達可能な場所』としての最北西端であることを留意する必要がある)。

(引用元:「Wikipedia」)

 

棹崎公園のみならず、八方位観点(つまり斜めの突端)は、この概念が難しいのだ。

斜めの定義に正解は無いのだ。

だからこそ僕は、自分自身で定義せずに、公となっている情報を基に今回の記事を執筆している。

 

とりあえず、いつか行きたいぞ対馬

 

 

 

日本最南端:波照間島_高那崎

 

日本の有人最南端の島は、「波照間島」である。

石垣島」から小船に揺られ、結構死にそうな思いをして到達したのが、僕の最初の到達であった。まぁその話は追い追い。

 

常夏の小島、波照間島では自転車を借りて島内をサイクリングして回った。

そこで外せないスポットの1つが、日本最南端の碑であった。

 

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高那崎1

サトウキビ畑を抜け、青く輝く海を見ながら疾走した日本最南端。

最後に現れたのが、この碑であった。

武骨なハンドメイド感の溢れるこの碑が、とても味わい深く感じた。

 

もうこの南には、島は無いのだ。

どこまでもどこまでも、青い青い海なのだ。

 

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高那崎2

すぐ脇にはボリューム感タップリの「日本最南端平和の碑」もある。

両方で記念撮影しておけばカンペキだ。
 

脇には「星空観測タワー」という日本最南端のプラネタリウムを有する施設がある。

すっごく小さなプラネタリウムで座席すらないけど、カーペットに寝っ転がって眺める星空は最高であった。

 

もちろん、本物の星空もすごい。

出会った旅人たちと、ここで眺めた南十字星は、一生忘れることはできない。

 

 

 

日本最西端:与那国島_西崎

 

最後は、与那国島にある日本最西端の「西崎(いりざき)」である。

知っていないと"にしざき"と読んでしまうのだろう。

 

ちなみに与那国島の最東端は「東崎(あがりざき)」という。

「太陽は東からあがり、西にはいる」と覚えておけば、この読み方に戸惑わなくなる。

 

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西崎1

ここで日本は終わるのだ。

この先はすぐに異国なのだ。そう考えるとドキドキする。

 

前述の通りトゥイシという、この岬から半分繋がったような岩が本当の日本最西端だと国土地理院から発表されたが、やっぱ旅人としての最西端は(2021年現在は)ここであろう。

 

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西崎2

台湾との距離は約111㎞である。

石垣島」と与那国島の距離が約127㎞なのだから、石垣島よりも台湾に近いのである。

石垣島の時点で本土から見ると遥か西なのに、それよりもさらにさらに西である、まさに国境の島。

 

年間わずか数回ではあるが、天気のいい日には台湾が見えるのだ。

灯台の脇の展望台には、台湾が見えたときの様子が描かれている。

僕もいつかここから、遥かなる台湾を見てみたい。

 

 

 

※追って各スポットへの詳細記事を執筆し、リンクを貼ることで、本記事の完成とします。おたのしみに!

 

 

【コラム】「住むとしたらどこ?」日本一周人が受ける質問あるあると、僕の本音を公開!

こんばんは、【週末大冒険】のYAMAです。

 

気温40℃に迫る日々が続く日本列島。

アツいのは、オリンピックだけではなかったようです。

みなさん、ちゃんと水分取っていますか?

 

drive-ns.hatenablog.com

 

さて、当ブログ開始から2番目の特集である「日本一低い山」の全執筆が完了したので、ここで再びコラムのコーナーを開催しようと思います。

 

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あなたは、自分の身近に自走で日本一周した人がいたとしたら、どのような質問をしてみたいですか?

 

今回は、僕自身が多く受けた質問と、それに対する回答・本音を少しだけご紹介できればと思います。

あくまで、僕自身のケースです。

旅人によって千差万別ではありますが、ちょっとだけ参考になればと思います。

 

 

「それって全都道府県を巡ったってこと?」

 

人に寄るのかもしれないですが、僕は「全都道府県を巡ったよ」と回答します。

ニュアンス的には少しだけ「そうに決まっているだろ」というテイストが入ります。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

上記リンクの中で、僕自身の日本一周の定義を書いてありますので、よろしければご覧ください。

 

やはり海岸線は大体外周を抑えたいし、かといって内陸県を飛ばすのもその県の人に悪いなって思います。

従い、結論から言うと全県を巡るのです。

 

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以前も掲載したことがありますが、これが日本3周したときのルートです。

青字が一般道で走行したルートです。

これに、上図には無いですけど沖縄県が加わるイメージです。

 

日本一周の定義は旅人によって異なります。

都道府県を巡らずに、沖縄や内陸県を飛ばす人もいます。

それはそれで良いでしょう。厳密な定義は無いですので。

 

でも、日本を何周もしている僕がこの質問を受けるのであれば、胸を張って「もちろん日本何周もしているからには、全都道府県に足を踏み入れているに決まっているじゃないか」と言いたいのです。

 

 

「一番良かったところはどこ?」

 

非常によく聞かれる質問です。

僕は「北海道の道東や道北の地平線、あるいは沖縄の八重山諸島の青い海かな」みたいに答えます。

 

「お手本のような回答だな」って自分で思います。

もちろん事実です。どちらも最高なのです。

 

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この2つを挙げる根拠は、まずは万人にわかりやすく共感を得られやすいという点です。

 

次に、もし相手が多少マニアックな人だったら、そこから話を広げやすいのです。

もし相手がマニアックでなくっても、食いついてきたら「こういう景色が最高でね…」って言語で表現しやすい点が挙げられます。

 

いずれにしても、「景色」を軸に「良かったところ」を語るのが特徴です。

 

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ただ、本当は現地の良さっていうのは景色だけではありません。

 

グルメであったり、文化であったり。

あるいは宿での交流、現地の人との交流、困難を乗り越えてルート取りしたり、一生のうちでそう何回も経験できない体験が出来たり…。

そう考えると、どんな都道府県の旅も本当に貴重で楽しいものなのです。

 

しかし話を戻すと、北海道や沖縄への旅は、遠方なので長期になりがちです。

そうなると、いろんなエピソードが発生しやすく、思い出深い旅となるのです。

やっぱり僕、北海道と沖縄が好きなのだと思います。

 

 

「一番おいしかったものは何?」

 

よく質問されますが、これは「一番良かったところ」以上に回答が難しかったりします。

誰とどんなシチュエーションで食べるかによっても、大きく変化するからです。

砂漠でカラカラになった状態で飲む水は、きっと世界一おいしいでしょうし。

 

それに、相手の期待もあります。

「北海道の…」って僕が言い始めたら、相手はきっと「おっ、海鮮かな?ジンギスカンかな?」みたいに思うでしょう。

ここで僕が「納豆だよ」と言ったら、少し周囲の気温が下がります。

例え事実であっても、「求めている答えはそうじゃないんだけどなー」という空気感になります。

 

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今回は空気を読まずに敢えて言いましょう。

ピザです。(僕はすんごいピザ好きです)

 

北海道は羽幌の「吉里吉里」。

40年以上も続く、伝説のカフェ&旅人宿です。僕も何度も宿泊しています。

しかし、ランチタイムのみで提供されるピザが本当に絶品なのです。

このためだけに道北に足を延ばしたこともあります。

 

2021年夏、旅友の「FUGA君」が北海道を走っているとき、ちょうど宿の前でライダーさんを送り出すオーナーさんご夫妻を目撃したと言っていました。

遠い地で、コロナ禍の中、吉里吉里さんは頑張っているのでしょう。

会いたいよ、オーナー。

 

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「車の年式と排気量は?」

 

車好き、バイク好きの人から良く聞かれる質問です。

うん、正直うろ覚えです。

「ちょっと車検証を見てきていいか?」と言いたい気分になります。

 

多分世間一般の旅に車を活用している旅人は、車は相棒であり、そのスペックをしっかり把握しているのでしょう。

しかし僕は、車をスペックで選んでいるわけではないのです。

 

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乗っていて楽しいか。

これに尽きます。

 

もっと言うと、車中泊しやすいかとか、長距離運転しやすいかとかも加味しますが、なんだかんだでそういう条件はさておいて見た目で選んでしまうタイプです。

しかも車はとっかえひっかえなので、これが対異性だったらとんでもない暴君ですね、僕。

 

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結論を言いましょう。

現在(日本6周目)の車である日産パオは特殊な販売期間の限定車なので、「平成元年式」と覚えています。

しかしその他の要素は歴代の車含め、ほとんど覚えていません。

 

いいんです、僕。

車は動けばいいのです。

もっと言うと、例えば交流のある旅人であっても、本名も年齢も知りません。

逆に僕の本名や年齢も教えません。

大事なのは、「存在している」ってことですので。

 

 

「オススメのスポットはどこ?」

 

これは相手によって慎重になってしまう質問です。

 

  • 相手の人の乗り物は何か(車・バイク・公共交通機関
  • 相手の人は何を目的に旅するか(景勝地・施設・温泉・グルメ)
  • 相手の人はどのくらいの経験値か(時間をかけてでもマニアックなスポットに行きたいか)

 

ザッと考えてもこのようになります。

SNSなどを見ても「オススメはありますか?」などの質問をよく見かけますが、軽はずみにご紹介してご迷惑になってしまってはよろしくないなって思い、ちょっと慎重になってしまうのです。

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もちろん、ある程度知っている仲だったら、その人に合ったスポットをご紹介できます。

充分にコミュニケーションが取れるのであれば、「もし国道○号を走っていて数10分ほど寄り道ができるのであれば…」という感じで具体的に条件を示しつつご紹介もできます。

 

誰しも忙しい中で、貴重な休みを活用して旅をしていると思うのです。

力になりたいと思う反面、余計な情報を与えてしまわないかと思ってしまうのです。

 

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しかしね、実は僕自身はそういう紹介は嬉しいタイプです。

 

正直、「知っているよ」というスポットもあるし、「興味ないな。むしろ返信がメンドウ。」と思うことだってあります。人間だもの。

だけども、そういうやりとりができる人が存在することが嬉しいのです。

それが現実世界でも、Web世界であっても。

 

矛盾してしまっていて、申し訳ないです。

そんな葛藤の中を生きているのだと、軽く受け止めていただけると幸いです。

 

 

「住むとしたらどこ?」

 

これもしばしば質問されることがあります。

…が、「旅するのと住むのって全然別問題だよ」って思っています。

それを踏まえたご質問なのか、そうでないのかが気になります。

 

僕はあくまで旅人です。

帰る場所があっての「旅」なのです。

旅とは非日常です。これを日常にしたいとは思っていません。

 

つまり、「北海道の大自然が好きだー!」とか言ってますけど、僕がやっているのは最高の季節にただ走って宿に泊まって酒を飲んでいるだけです。

北海道の冬の厳しさ、就職の困難さ、買い物や病院などの利便性など、何も知りません。

お客としてチヤホヤされているだけです。

 

そんな僕が「北海道に住みたい」とは言い出せません。

「ナメるな」の一言で終わりです。

 

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例えば、いろんなグルメを巡る人に対して「で、日本料理屋をやってみたい?それとも中華料理人になりたい?」と聞いているようなものです。

 

食べるのが好きで料理人になる人ももちろん多いでしょう。旅でいい思い出を作り、その地に居住する人もいるでしょう。

しかし、相当運命的な出会いがない限り、そういうのは難しいのかもしれません。特にビビリの僕においては。

 

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僕だって、表の顔(旅)と、裏の顔(仕事&プライベート)があります。

裏の顔のほうであれば、ある程度の規模の町で、周囲に必要な施設が揃っているところがいいかなって思っています。

 

そうですね…。

具体的には1位が横浜、2位は神戸~明石くらいの雰囲気が好きです。

コンクリートに囲まれすぎないレベルの町で、そこそこの歴史と緑と海が程近くにある…、そんな場所でオシャレなカフェとベーカリーを見つけられたら、最高ですね。

 

*-*-*-*-*-*-*-

 

さて、前回の記事と今回の記事との間で、僕は新天地に引っ越しをしました。

「どこの町か」とかは明言はしませんが、しばらくはこの地を拠点として、ワクワクを探してみようと思います。

 

twitter.com

 

Twitterもやっています。

3500人ほどのフォロワーさんと共に、旅のワクワクを語らい合う日々です。

コロナ禍で思うように動けませんが、よろしければ一緒に夢を語りましょう。

 

2021年夏、 あなたにとってもアツく思い出深い夏になりますように。

No.125【福井県】武生市に行ったらボルガライスを食べるべき!…どんなものか知らんけど!

旅行に行ったら、その土地の食べ物を味わうといい。

 

その土地で獲れたものを食べられると最高にハッピーではあるが、「その土地にしかないメニュー」っていうのも面白い。 

同じ日本だけど、ちょっとだけ文化が違うのだ。

あなたの住んでいる土地と、旅行先の土地とでは、少しだけ常識が違うのだ。

 

それがとても面白い。

旅先の駅だとか、旅先のスーパーを覗いてみると、"当たり前のように"それを使っている人がいる。 

 

そりゃそうだ。それがその人の日常なのだから。

それを見て、「あぁ、自分は違う世界に来たのだな」と感じる。

そういうの、たまらくなく好き。

 

さて、今回は福井県の武生(たけふ)市とそのご近所だけで、"当たり前"と言われているグルメをご紹介したい。

 

待ってろ、ボルガライス

 

 

総社大神宮

 

福井県の海岸線沿いを走っていた。

僕は「しおかぜライン」と名付けられた、この海沿いの道のドライブが好きであった。

 

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武生へ1

しかし、途中で「この絶景にかまけている人生ではダメだ。何か新しいことをしなければ。」と思い立ち、急遽内陸部に向けてハンドルを切ったのだ。

 

ランチにしよう。

今までは「福井県は海が多いから、海鮮系を食べたい」みたいに単純な思考しか持っていなかった。

もちろん福井県リアス式海岸の特性から豊富な魚介が獲れる。当然うまい。

 

毎回海鮮でもいいけど、ときには違う冒険も必要だ。

地元の人は毎日海の幸を食べているわけでもないだろうから、他にもきっとおいしいものはあるのだ。

 

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武生へ2

 

 『武生に来たらボルガライス

 

 

今回のお目当てはこれだ。

ボルガライス。たぶん福井県外の人はあまりなじみのないネーミングだろうし、福井県民であっても武生市以外の人だと知名度はガクッと落ちるのではないかと考える。

だからこそ、武生でこれを食べてみたい。

 

というより、漫画家「池上遼一さん」が描いた、このポスターの顔の濃い人が気になる。

2021年現在から見ると、ここ数年は「○○を擬人化してみた」みたいな企画が多い世の中になっていると感じる。

 

ボルガライスを擬人化するとこんな感じの、顔の濃い人になるのだろうか。

だとするなら、僕もちょっと顔濃いめになるのだろう。それもいいかもしれない。

 

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武生へ3


ボルガライスが気になる方は… [武生に来たらボルガライス][検索]』

 

ポスターの標語と全く同じ内容を検索ウィンドウの中にも記載する、丁寧なお仕事。

ボルガライスも気になるが、今この瞬間はこの顔の濃い人の方が気になる。

だけどもやっぱり気にしなければならないのは、ボルガライスの方だ。

 

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武生へ4

「総社大神宮」というところに辿り着いた。

 

ボルガライスを提供している「ヨコガワ分店」を目指してきたら、なぜか神社に到着したのだ。

ま、冷静に見渡したら神社の参道みたいなところにヨコガワ分店はあったんだけど。

 

お店は11:30~の営業。

しかし今は11:20。なので神社でもお参りしておこう。ヒマだし時間潰しだ。

 

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武生へ5

"総社"というのは、「そのエリアの神様がここに全員集結する」っていうスポットなのだそうだ。

 

大化の改新とか勃発した今から1400年くらい前って、都道府県とかの概念はなく"国"っていう自治体が全国にあったんだけど、その国ごとの神様をまとめて祀っちゃうというありがたい神社。

 

だから「ボルガライスの店が開店するまでヒマだから時間潰しのためにお参りしよう」だなんて人はバチ当たりかもしれないからな。誰だよ、そういうことするの。

 

 

ヨコガワ分店

 

開店と同時に入ろう。

ボルガライス食べよう。

 

ここで、ボルガライスとは何なのかを説明しよう。

ボルガライスっていうのは、オムライスの上にトンカツを乗せてデミグラスソースをかけたもの。

 

最初に聞いたときは「根室エスカロップに似ているな」って思ったけど、エスカロップにはオムライスの"オム"要素がない。

ボルガライスにはさらに卵が追加されているのだ。

 

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これは根室エスカロップ

ボルガライスは、「オムライス+トンカツ+デミグラスソース」なのだ。

なんというゴキゲンなコラボレーションよ。

洋食界の大化の改新かなって思った。

そりゃ日本海沿いからワクワクしながら内陸まで走ってくる意味もあるってものですよ。

 

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ヨコガワ分店1

ヨコガワ分店さん。

1969年創業だというからそこそこの老舗である。

…が、リフォームしているのかすごいかわいい外観。看板の文字など、大変エモい。

 

ところで、「"分店"とついているということは本店もあるのか?」 というところが気になるが、実は本店は無い。

かつては存在していたのだが、とっくに閉店してしまったのだそうだ。

 

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ヨコガワ分店2

店内は、開店直後なので僕1人。

カウンター席が厨房を取り囲んでいる。カウンター席のみのお店。カッコイイ。

ちなみに店内も厨房も恐ろしくピッカピカ。

 

料理は親子2代で実施しているそうだ。

僕がボルガライスをオーダーすると、オーナーさんと息子さんと思われる方との連携プレーが始まる。

 

カウンター越しに調理風景を見れていて楽しい。

オーダーを受けてから、カツを揚げ、そしてチキンライスを丁寧に炒める。

そしてフライパンの上で玉子にチキンライスをサッと包むのだ。

 

最後に、長年つぎ足しながら使っているという秘伝のデミグラスソースをかけてできあがり。

 

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ヨコガワ分店3

うん、このビジュアルでうまくないハズがない。

トンカツさんだってホラ、思わずオムライスにハグしているじゃないか。

 

あ、うまい。

ひとくち食べて、そう思った。

 

トンカツは揚げたてサクサク。

そんなにボリューミーではなく、やや薄めでサクッとした食感。

デミグラスソースもしつこくなく、ほどよい酸味なので食べ疲れはしない感じ。

玉子も生地が薄くて食べやすい。

 

オムライス・トンカツ・デミグラスソース。

一見バラバラのようにも見えるこれらのパーツだが、1つ1つがやや控えめであるからこそ、これらのコラボレーションが綺麗に完成しているように感じた。

 

結果、ペロリと完食だ。

満足感がほとばしる。

 

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ヨコガワ分店4

ごちそうさま。

お店の人の接客もとても丁寧で、好感の持てるお店だった。

 

人生初のボルガライス、100点。

 

 

ボルガライスとは

 

ボルガライスっていうのは、オムライスの上にトンカツを乗せてデミグラスソースをかけたもの。

それは前項で書いた。

 

しかし、どこでどう生まれたメニューなのだろうか?

改めて、冒頭で出てきた『ボルガライスが気になる方は… [武生に来たらボルガライス][検索]』を実施してみよう。

 

volga-rice.jimdofree.com

 

すると、「日本ボルガラー協会公式ホームページ」に行きつく。

ボルガラー…。

深淵を感じさせる単語なので、ここはスルーしておこう。

 

ボルガライスの起源について、このWebサイトに記載があるので、そのまま引用させていただく。

 

【名前の由来その1 ロシア料理説】

ロシアにたまごを使った「ボルガ」という料理があり、同じたまごを使った料理ということで「ボルガライス」とした。

 

【名前の由来その2 イタリア地方説】

イタリアのボルガーナという地方で食べられていた料理に似ているということがから地方名をとり「ボルガライス」とした。

 

【名前の由来その3 ボルガ川連想説】

ボルガライスのオムライスの部分がロシアのボルガ川でそこをわたるイカダがトンカツという見た目から連想して「ボルガライス」とした。

 

そのほかにもボストンライス説、ロシアの車「ボルガ」説、ボルガ店名説など様々な説が飛び交っており、そのためかYouTubeには、ボルガライスに関するわけのわからない動画までアップされている!

 

こんな感じで、ボルガライスの由来はとんでもなくフワフワとしているのだ。

あと、末尾のYouTubeには、ボルガライスに関するわけのわからない動画までアップされている!』で噴いた。 

 

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由来も漠然としたボルガライスだが、そこからの派生もまた自由だ。

どうやらドリア風ボルガライス、うどんの上に具材を乗せる鍋ボルガ、ホットドッグにするパターンや押し寿司にするパターンもあるらしい。

概念ゆるゆるで素晴らしい。

 

もともと、「コレとコレを一緒にしたらおいしいのでは?」という理論から誕生したであろうボルガライス

誕生後の進化の可能性もまた、無限大なのであろう。

 

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*-*-*-*-*-*-*-*-

 

2021年8月現在開催されている東京オリンピックだって、きっとそうだ。

 

いろんな国・いろんな文化の集結、そしてそこからの進化。

こうやって世界は、次の時代を切り開いていくのだろう。

コロナに負けず、躍進してほしい。

 

…そして僕も、次の時代を切り開こう。

ここしばらく更新頻度に少し間隔があいていたのは、引っ越しをするためだったのだ。

この記事も、ダンボールの山の中で書いた。

 

もう間もなく搬出の時間だ。

僕自身の次の時代、楽しみだな。

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: ヨコガワ分店
  • 住所: 福井県越前市京町1丁目4-35
  • 料金: ボルガライス¥980他
  • 駐車場: あり
  • 時間: 11:30~23:00(火曜定休)