週末大冒険

週末大冒険

ちょっと出かけてみないか。忘れかけていた、ワクワクを探しに。

No:053【秋田県】川原を掘って自作温泉にチャレンジ!必要なのはスコップと筋肉と闘志!

10月も終わりを告げようとしている。

 

東北の朝晩はグッと冷え込み、紅葉シーズンまっさかりとなる。

紅葉を堪能したら、温泉で体を温めれば最高だ。

 

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2019年_秋田の紅葉

「紅葉 + 温泉」。

 

それはアメリカで言うところの「ハンバーガー + ポテト」と同じくらい、相性バッチリな組み合わせだ。

季節限定だけれども、だからこそ日本の秋は素晴らしい。

 

さて、東北には紅葉スポットも温泉地も数多くあるけれども、今回は僕が昨年(2019年)の紅葉シーズンに訪れた一風変わった温泉、このただ1つにフォーカスして執筆したい。

 

端的に言うとね、

温泉、掘った。

 

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2019年_温泉掘った

 

 

川原に湧く温泉

 

僕が向かっているのは、秋田県の内陸部に位置する「秋の宮温泉郷」だ。

 

発見は一説には1200年前だそうで、秋田県内で最古とも言われる温泉地であり、うち1つの温泉宿は「日本秘湯を守る会」にもエントリーされている。

戦時中には文豪「武者小路実篤さん」も滞在していたという。

 

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川原を目指せ1

はい、小難しい話はここまで。

 

温泉に行くぞー。

ランチ食べて大満足したところなので、次は無料だと聞いている、川原の足湯に浸かってまったりするぞー。 

 

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川原を目指せ2

着いた。ここらしい。

マイルドに表現しても、一抹の不安を拭い去れない
 

なんか空き地だし。

他に車は1台もいないし。

うすら寒いし。

 

しかし大丈夫だ。空き地の片隅を見てほしい。

 

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川原を目指せ3

「川原の湯っこ」

これが、今回僕の目指していたスポットである。

 

この塀と向こうに見えている柵の間から、奥へと入ってみる。

すると…。

 

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川原を目指せ4

 わー、川原が広がっているー!

 

これは「役内川」っていう川なのだそうだ。

ここの川原に、温泉がボンボン湧きだしているらしい。

 

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川原を目指せ5

何人かが川原で土木工事をしてらっしゃる。

 

あれは、温泉を掘ってらっしゃるのだ。

役内川の川原は、30cmほど掘るといたるところから温泉が湧きだすと言われている。

なので、ああやって温泉を探り当て、そして勝利の足湯に浸るのだ。

 

…っていう事前情報。

 

おもしろそうだぞ、僕もやりたいぞ。

 

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川原を目指せ6

「ゆ akinomiya」と書かれたナイスで武骨な小屋がある。

こう書かれていないと、農具かなんかを格納する作業小屋にしか見えないが。

 

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川原を目指せ7

うん、失礼。

中に入ってみたが、やっぱ作業小屋テイストだったわ。

乱雑に木材とか作業用具とか置いてあるし。

 

だけども、ここが無人かつ無料のスターティング・ブースである。

 

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川原を目指せ8

立て掛けられたスコップは、川原の石を堀るのに使う。

無料のタオルもあるので、濡れた足を使うのに使用させてもらうことも可能だ。

訪問者ノートもあるから、思い出を残せるぞ。

壁にはメディアで紹介された記事や、足湯の作り方などが掲示されている。

 

全て、地元の人の配慮。

道具からタオルから足湯使用まで、全てが無料なのだから、本当にありがたい。

 

よし、準備はカンペキだ。

 

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川原を目指せ9

なんかミステリアスな建物の裏を通り、川原へと降りる。

※「介護予防拠点施設 福寿荘」というらしい。

 

では、足湯を掘るぞ!!

 

 

土木系エンターテイメント

 

役内川の川原。

適当なポジションを確保してみた。

ここがきっと10数分後のマイ・ユートピアに生まれ変わる。

 

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土木1

川原からの光景は、こんな感じだ。

 

紅葉と吊り橋、そして川。

本当は空はもっと青くてきれいなんだけど、紅葉を写そうとするとどうしても白飛びしてしまうのだ。

本当は今日は晴れなのだ。少しだけ太陽に雲がかかってしまってはいるが。

 

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土木2

よっしゃー!

掘る掘る掘る掘る…!!

 

スコップは適度に穴が開いているタイプで、余計な水をすくったりせずに石だけ掻き出すことができる。

ありがたい!

ラーメンのレンゲでも、こういうのあるよな!最後に残りがちな、味噌ラーメンのコーンをすくうヤツ。

 

よいしょー、よいしょー!

 

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土木3

…なんかね、心なしか、スコップに乗っている物体の質量が少ないよね。

 

もちろん、僕の足腰がすぐにお疲れモードになってしまったという要因もある。

しかしそれ以上に、この作業をスコップでやるのってシンドくないですか?

 

石の1つ1つは3cm~5cmくらいはある。

それらが敷き詰められたところにスコップを突き立てても、「ガキッ!!」ってなるだけで、充分に刺さらないじゃないか。

ストレートな衝撃が手まで伝わってきて、痺れるし。

 

 

ちょっと水の中に手を入れてみた。

結構温かかった。

 

よし、ハダシでやろう。自ら水流の中に入って作業したほうが、すぐ足元を掘ることができるので作業しやすい。

腰への負担も少ない。

 

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土木4

力は入れやすくなったが、相変わらずスコップは川底でガキンガキン言うだけで、作業効率は悪い。

 

なんだか疲れてきた。

土木って単純のようで難しい。いや、単純だからこそ難しい。

 

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土木5

ときどき腰を伸ばさないとイテーのです。

後ろのキッズに土木のコツをヒアリングしたいが、プライドが邪魔をしてくれる。

 

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土木6

「お、なんかこの構図は絵になるな!」とか、現実逃避をしてみる。

 

うん、この写真、完全に僕は川原の岩に座り込んでいるからな。

休養も必要。

 

そもそも日本のサラリーマンはクソまじめに働きすぎなのだ。

にもかかわらず、なんで休日にもこうやって働いているのだ。

…自分を正当化するための言い訳なら、目の前を流れる川よりもサラサラと無限に湧き出る。

 

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土木7

おっと、これはついに川原の真理に気付いてしまった顔をしているぞ。

 

そう、僕は気付いてしまったのだ。

地球の周りを太陽が回っているのではなく、太陽の周りを地球が回っていることと同じように、真理に到達した。

 

 

足元は温水なのに、なぜ僕は温泉を掘っているのだろう??

 

 

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土木放棄1

これさ、掘る必要ないじゃん。

このまま足湯になるじゃん。

 

この真理に到達した者にとって、スコップはもう飾りだ。

男らしさをほのかにアップさせるだけのアクセサリーだ。

 

紅葉を見ながら、悠々と足湯を満喫しようぞ。

 

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土木放棄2

ところで、1つ注意点がある。

 

温泉は川原のいたるところでスポット的に湧き出している。

10cm・20cm位置がずれただけで全然水温が違うのだ。

サーモグラフィーで見たら、きっとダルメシアンの模様みたいになる。

 

従い、「右足は冷たいが左足は熱い」・「つま先はヤケドしそうだがカカトは真冬」みたいな事象が常に発生する。

頻繁に足を動かして位置を変え、どうにかバランスを保つのだ。

 

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土木放棄3

熱すぎて足が真っ赤になってしまったりしたら、川の本流に足を突っ込もう。

メチャクチャ気持ちいいぞ、これ。

 

なお、これは悪い例だ。

ちゃんとバランスの良い足湯を作る方法が、前述の小屋に掲示されている。

 

熱い温泉が出ているスポットに、川の冷たい水が流れ込むように水路を作り、そしてそこ全体を大きな岩で綺麗に囲って湯舟のようにする。

微調整しながら快適な温度になれば、世界で唯一のマイ・足湯の完成だ。

 

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土木放棄4

…そんな丁寧な作業、できなかったけどね。

 

いいの、O型だからこんなもんでいいの。

お湯と足さえあれば、そこは足湯だもの。

 

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土木放棄5

最後にもう1つだけ注意点だ。

 

上の写真のように、ビビッド・グリーンのゾーンがたまにある。

確か上の写真のところはそうではなかった記憶があるが、この色をしたところはメチャクチャ熱湯が湧き出しているので注意だ。

水温90°とか行くらしいぞ。足湯どころか、クッキングに適した温度だ。

 

必ず水温を確かめて、慎重に足なり手なりを入れてほしい。

まぁ、湯気がボンボン出ているのでわかるかとは思うが。

 

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土木放棄6

あとね、ここから100mほどのところにある「まこ食堂」に電話をすると、川原に出前を届けてくれるそうだ。

 

足湯をしながら、ラーメンとかすすることができるぞ。

なんというステキ体験。

 

このときの僕はランチ直後なのでやらなかったが、あなたがもし空腹なのであれば、ぜひチャレンジしてみてほしい。

 

 

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心も体も温まった。

例えぶかっこうであっても、「なにかを作る」という行為は、確かな満足感を生み出してくれる。

土木サイコーじゃないか。

 

 

では、ドライブの再開だ。

 

色づく東北の紅葉を眺めながら、秋の宮温泉郷を後にする。

 

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 川原の湯っこ
  • 住所: 秋田県湯沢市秋ノ宮湯ノ岱
  • 料金: 無料
  • 駐車場: あり
  • 時間: 特になし(ただし5月~11月ごろ限定)

 

No:052【福岡県】九州本土の最北端は埋立地!?コンテナだらけの太刀浦埠頭にアタックだ!

九州本土の最北端。

 

…こう言われてピンとくる人は、おそらく突端マニア現地の関係者以外にはいないであろうと推測する。

 

それが風光明媚な岬なのであれば、訪れる観光客もいるのかもしれない。

だが、九州本土最北端は岬ではないのだ。

 

埋立地コンテナターミナル

 

なんともかんとも、観光客目線では食指が動かないワードだ。

しかし、突端マニアとしては行かないわけにはいかないだろう。

 

…少なくとも、行ける部分までは。

 

 

 

最突端16岬の異端児

 

北海道・本州・四国・九州。

日本の本土と言われるこの4つの大きな島、それぞれの東西南北端がある。

詳しくは、僕の書いた以下の【特集】をご参照いただきたい。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

この16岬の中で、岬ではない異端児が1人だけいる。

それが、今回ご紹介する「太刀浦埠頭」だ。

 

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それがいいか悪いかは別として、世の中には「複数の中に1つだけ、心なしか違う世界観のものが混じってしまう」という現象がしばしばみられる。

 

 

太刀浦埠頭は、16岬の中でのまさにそれだ。

しかも、残念なことに「悲しいほうの意味」でそれだ。

 

前述のとおり太刀浦埠頭は埋立地である。

天然の岬ではなく、人工の陸地である。

しかも観光地でも景勝地でもなく、思いっきり作業員さんたちが働いているコンテナターミナルである。

なんだったら、観光客は邪魔者にあたるかもしれない。

 

16岬を巡る旅人たちは、「太刀浦埠頭にはたいして興味ないけど、16岬の1つだからとりあえず踏んでおこう」だとか、思ってやいまいか。

 

例えば16岬のリーダー格である「宗谷岬」なんかは、「我ら16岬の中でも太刀浦埠頭は最弱のヒヨッコよ。アヤツを倒したくらいでいい気になるなよ、クックック…。」とか言ってやいまいか。

 

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いや、そんなことはない。

 

16岬の中でも特異な属性を持つ太刀浦埠頭には、他の15岬には無い魅力がきっとあるハズだ。

僕はそれを探しに行くため、コンテナの狭間を猛進する!

 

 

目指せ、コンテナ埠頭

 

さて、ここからは日本4周目から6周目で訪問したエピソードを、オリジナルブレンドしながら執筆しようと思う。

 

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埠頭へ1

本州から九州へと渡った先である「門司港」からほど近い場所に、目指す埠頭がある。

 

海沿いに東へと2kmほど進むと、徐々に風景が無機質になってくる。

トラックが多くなってくる。

そろそろなのかもしれない。

 

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埠頭へ2

頃合いを見計らい、ハンドルを左に切って埠頭へと突撃する。

 

なんだか作業車両とかしか入っちゃダメそうな雰囲気だけど、「関係者以外進入禁止」とかは書かれていない。

部分的には立ち入り禁止エリアもあり、ゲートの前に立つ監視員の人から怪訝な視線をもらったりもするが、そっちには行かないので大丈夫。

 

行けるとことまで行ってみる。

 

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埠頭へ3

トレーラーの後ろの部分が、片隅に鎮座している。

上にコンテナを積まれるのを待っている。

 

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埠頭へ4

 山積みのコンテナもある。

 

ははーん、わかった。

ここは積むか積まれるかの世界だ。

 

僕のような者は、ぶっちゃけお呼びではないのかもしれない。

モタモたしていると「アンタもコンテナ積みたいのかい!?」とか言われて、愛車の上にコンテナ載せられてプレスされかねない。

 

少なくとも、作業の邪魔にはならないように、慎重に歩みを進めねば。

 

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埠頭へ5

完成形もあった。

文字通り、パズルのピースが噛み合ったってヤツだ。

あとは、これに動力源さえくっつければどこへでも移動させられるであろう。

 

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埠頭へ6

前方に見えているのは、港へとつながるコンベアー的なものだろう。

あまりこういう設備には詳しくはないが。

 

少し離れたところから、ガションガションと大型重機が動く音が聞こえてくる。

工場感がほとばしっている。シンプルにかっこいいと感じた。

 

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埠頭へ7

なんかのタンク。

巨大建造物を見るとドキドキしちゃう。

 

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埠頭へ8

コンテナの間をグルグルしたりもしたが、海が間近に見えてきた。

 

これから目指すのは、九州本土の最北端である。

最突端を名乗るからには、海の要素は必須である。

 

僕と海との間を遮るものが、今ほぼ皆無となった。

この先どんな感じになるのかわからないので、ここで写真を撮っておこう。

…天気も相まって、ディストピアなテイストだが。

 

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埠頭へ8

フェンスが現れた!

有刺鉄線が現れた!

怖いけど、まだ進めるので構わず進んでみよう。

 

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埠頭へ9

コンテナトレーラーが立ち並ぶ。準備万端だ。

 

作業員の人がチェック作業をしていたり、フォークリフトがキュラキュラ言いながらコミカルに動き回っていたり。

 

そんなエリアを抜け、埠頭は開ける。

「あぁ、ここがゴールなんだな」と肌身で感じた。

 

 

九州本土最北端の海

 

…着いた。

僕は岸壁近くに愛車を停め、そして静かにエンジンを切った。

 

ここが、旅人ととしてのゴールであろう。

ここから先は、フェンスがあって関係者しか入れない。

 

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最北端の海1

海ギリギリまで来れた。

海の反対側はコンテナが積まれているものの、海側は美しい「関門海峡」が広がっている。

 

僕のすぐ近くには、数人の人が釣りをしていた。

ここだけのどかな雰囲気だった。

 

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最北端の海2

すぐ対岸に見えているのは、関門海峡越しの本州、山口県である。

だから最果て感は薄い。

 

じゃあ山口県にすごく近いのかというと、そうでもない。

関門橋」が架かっている場所が一番近い。

 

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最北端の海3

ちなみにその関門橋、すぐ後ろに見えているけどな。

 

九州本土最北端は、関門橋とマイカーを綺麗にフレームに収められるスポットの1つである。

この点、お気に入り。

車と海との間に、フェンスもガードレールも何もないもんね。

それだけに、転落には最大限の注意が必要だが。

 

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最北端の海4

関門橋の右手に見える小高い山は、山口県下関市の「火の山公園」である。

 

あそこの山頂からの、関門海峡の夜景はとても綺麗なんだぞ。

それはまた、機会があったらご紹介したい。

 

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最北端の海5

僕は往々にして、あの関門橋を渡った地点から九州のドライブを開始し、そしてまた関門橋へと戻ってくるケースが多い。

 

僕にとって関門海峡エリアは、始まりと終わりの地である。

北九州のこのエリアは都市部であるが、この先九州の大自然・高原・岬などを多く巡り、そしてたくさんの思い出を胸に抱えてここへと戻ってくるのだ。

 

太刀浦埠頭から、そんな思いを込めて関門橋を振り返る。

 

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最北端の海6

それから、視線を少し西方面へと向ける。

改めて関門海峡を観察する。

 

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最北端の海7

海路には全然詳しくはないが、日本地図を見る限り、ここ関門海峡は海の交通の要所なのだろう。

 

見ていると大型船がゆっくりと前を通過していく。

あまり大きな船を見る機会がないので、新鮮な気持ちだ。

 

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最北端の海8

すぐ側には海難救助船の「早潮丸」がいる。

何か出動するような要件が発生したのだろうか?

 

…まぁ、よくわからないのでいいや。

きっとパトロールしているだけなんだと思う。

 

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最北端の海8

釣り人たちに交じって、ぼーっと海を眺める。

日の出が近づいてくる気配を感じる。

 

あれね、釣り竿を持っていないだけで、僕も釣り人だからね。

…何を釣り上げるのか、だって?

 

そりゃもちろん…、

 

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最北端の海8

太陽だよ。 

 

積まれたコンテナ越しに、少し遅めの日の出を眺めた。

赤く焼ける関門海峡の景色がステキだった。

 

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最北端の海9

 

 

最北の限界を極める

 

…ところでだ。

下記の簡易MAPを見てほしい。

 

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Googleマップなどを見る限り、太刀浦埠頭の構造は大体こんな感じだ。

 

前述の通り、厳密に九州本土の最北端に当たる部分は、一般人は入れない。

この九州本土最北端の人気が他の突端と比べてイマイチなのは、「埋立地の埠頭」・「途中までしか入れない」という2つの要素を兼ね備えていることが大きいと思っている。

 

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限界点1

たぶん、あのキリンさんが立っている当たりが最北端だ。

しかし、僕は一般人であり、キリンの飼育員でもなんでもないので、これ以上は進めない。

 

少なくとも、現時点で「景観と北限がナイスブレンドになったポイント」は踏んでいると自負している。

ギリギリまで北限に近づこうとすると、それは埠頭内部に当たるので、景観は期待できないだろう。

(2つ前の簡易MAP参照)

 

しかし、1度くらいはチャレンジしてみたい。

限界地はどんなところなのか、知っておきたい。

 

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限界点2

はい、来た。

 

厳重にゲートに守られている。

愛車と限界点のコラボ写真を撮りたかったので、素早く車を降りた。

ドアが開けっ放しなのは、何かあった場合にすぐに乗り込めるようにするためである。

 

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限界点3

キリンさんには、さっきよりかはずいぶん近づいたが、ここが限界である。

でも、自分の限界を知れてよかった。

 

このゲートの向こう側には警備員が駐在している監視小屋がある。

僕がここに愛車のパジェロ・イオを停めていたら、2人の警備員が顔を見合わせ、そしてうなずいた後にこっちに向かってきた。

 

いや、ちょっと待って。

悪いことをしようとだなんて考えていないよ。

なんだったらここ、Googleストリートビューの撮影車も普通に来ているよ。

 

…というごたくを言っている場合じゃない。

エマージェンシーだ!

 

素早く愛車に乗り込むと、Uターンしてさっさとここを後にした。

 

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限界点4

…ふぅ。

 

別に楽しくはなかったけど、貴重な体験ができた。

九州本土最北端がどんなところなのか、身をもって知ることができた。

 

まるでアメリカのショッピングモールのように、うず高く積まれたコンテナの隙間を縫うように走りながら、高揚を隠し切れない自分がいた。

 

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限界点5

 

*-*-*-*-*-*-

 

… なお、余談だが埋立地ではなく、日本の本来の地形の上での九州本土最北端」であれば、それは同じ福岡県の「遠見ヶ鼻」である。(諸説あるらしいが)

 

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遠見ヶ鼻

1990年代の半ばまでは、ここに「九州最北端」の碑もあったそうだ。

また機会があれば、僕が遠見ヶ鼻を訪問したときのエピソードをご紹介したい。

 

*-*-*-*-*-*-

 

さぁ、僕の壮大な九州ドライブは、ここから始まるんだ。

 

車中泊で九州1周。

いろんな出来事が待っているだろう。

再びここ北九州に戻ってくる頃には、ひとまわり成長できているに違いない。

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

 

No:051【宮崎県】モアイの立ち並ぶ不思議ワールド!!「サンメッセ日南」に1人突撃した!

モアイ。

 

この3文字には、人類が未だに到達できない無限の神秘と、それに対する飽くなき探求心が込められていると判断した。

僕ら人類はまだまだ、モアイのことを知らなすぎる。

 

…いや、そんな戯れ言はどうでもいい。

あなたがモアイと思いっきり触れ合いたいなら、うってつけのスポットがあるからご紹介したいだけだ。

 

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サンメッセ日南へ

 

僕は、意を決してウインカーを右に出した。

 

サンメッセ日南」の存在はずいぶん前から知っている。

日本1周目から、すぐ脇をドライブで通過していて、チラリと見えるモアイに心ときめいていた。

 

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過去モアイ1

しかしな、実際に行ってみるとなると、そのハードルは途端に高くなる。

 

ましてや1人旅で、有料テーマパークに突撃するとなると、そりゃ相当なモアイ好きなのか、それともB級スポットマニアなのか。

 

ええい、ままよ!!

 

現実世界で聞いたことのないフレーズを脳内で叫ぶとともに、僕は愛車HUMMER_H3のウインカーを右に出した。

走りなれた海沿いの国道220号から、モアイの住む未知の世界へと、世界の軸が切り替わる。

 

あぁ、そうともさ。

僕はモアイ好きであり、B級スポットマニアでもあるのだ。

自分に嘘は、もうつけない。

 

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過去モアイ2

 

日本5周目においてようやく、自分の殻を脱ぎ捨てようとしている僕がいる。

 

なんか奇跡的に僕の後ろに車が5台くらい続いてサンメッセのゲートをくぐることになった。

 

みんな、きっと僕と同じ気持ちだったのだ。

その一歩がなかなか踏み出せない。

だからこそ、誰かが入るとみんなそれに続くのだろう。

 

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サンメッセ日南1

そんで入場料金は高速道路の料金所ゲートみたいな形式のところで払うんだけど、僕は左ハンドルだから、もちろんすぐに払えずにモタモタする。

 

車幅が広いので、左の座席から直接支払いもできない。

こういうときは料金所からおじさんに出てきてもらうか、自分が車から降りて料金所に行くかの2択。

 

もちろん、軽く後ろが渋滞。

大変に申し訳ない気持ちになった。

 

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サンメッセ日南2

ちなみに運転席と助手席はこんな感じ。

結構な幅。2m近くある。
 

駐車場も混雑していることを予想。

料金所からしばらく進んだところの駐車場が便利だそうだが、もっと手前にあるガラガラの駐車場の方が良いと判断。


料金所のおじさんに聞いてみた。

 

YAMA:「このすぐ脇にある駐車場のほうが無難ですかね?」

おじさん:「いや、もっと先の駐車場も空きがあるので、そちらへどうぞ」

 

それに従ったら、もう駐車場への道が擦れ違いできないくらい狭いし、対向車来るしで大変。

ようやく駐車場に辿り着いたら、満車ギリギリでまた大変。

 

狭いスペースに何度か切り返してギリギリで停めた。

あぁー…、こういうの嫌だから、多少不便でもさっきの駐車場に停めたかったのにー。

 

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サンメッセ日南3

そんなこんなで、来たぞ!

モアイ・ワールド!!

 

モアイの楽園

 

オール・ブラウンの急勾配!

ここがサンメッセ日南だ!

 

もっとも、訪れたのは年が明けてすぐのこと。真冬だ。

たぶんだけど、俳句で詠むならモアイの季語って夏だ。

冬は真逆である。モアイの本来のふるさとである「イースター島」っぽさはないかもしれないが、しょうがない。

 

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サンメッセ日南4

まずは、一番メインとなるスポットの写真を紹介しよう。

 

これがサンメッセ日南のアイデンティティだ。

7体のモアイ。

 

下は人工芝で、常緑だった。冬でも無敵な無機質な緑だった。

バックの青空に映え、「モアイ好きの聖地だな、ここは。フムフム。」と感嘆した。

 

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サンメッセ日南5

彫が深い、イケメンたち。

南国の強い日差しが、顔の凹凸を際立たせている。

ノッペリ顔の日本人である僕は、こんな顔に憧れるぜ。

 

…とまぁ、モアイを吟味したわけだが、正直ここで僕の目的は大体果たした。

700円という入園料を払っておいてアレだが、この写真を撮ることが僕の目的だったのだ。

 

もうランチの時間だし、腹減ったし、あとは適当に流す程度でいいかなって思ってしまっている僕がいる。

 

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サンメッセ日南6

とりあえず、見上げる斜面の頂上にある、あそこの展望台方面に行こうか。

「天空の塔」というらしい。

塔っぽく見えないけど、まぁいいや。行ってみよう。

 

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サンメッセ日南7

途中でも、モアイに出会った。

1人斜面で日光浴していた。

野生だ。野生のモアイだ。

 

どうやらここサンメッセ日南には、全部で10体のモアイがいるらしい。

さっき見た通り海を背に綺麗に並んでいるのが7体。

その他に、このように自由奔放に過ごしているのが3体。

 

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サンメッセ日南8

ここにも野生種。

寝ているのかなって思ったら、どちらともつかない斜め45度をキープしていた。

故郷イースター島にて、引き起こされる前の状態だったころを思い出しているのだろうか。

 

ここ、敷地は広いものの、芝生と散策路が大半を占めているな。

ゴーカートみたいのを有料で借りて園内を乗れるみたい。

 

ファミリーは、それでこの茶色い世界をブンブン「マッド・マックス」みたいなテンションで走り回っている。

僕は、1人で乗っても寂しいだけなのでパス。

 

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サンメッセ日南9

あ、ブランコある。

モアイを見ながら、この丘でブランコを漕げるのか。

「モアイの見えるが丘公園」みたいなネーミングをできそう。

 

カップルでブランコ漕いで、いずれ「デートでモアイ見ながらブランコ漕いだね、ウフフ」とか言えれば美しいのかもしれないが、僕はロンリーなのでパス。

 

ちなみにいまさら書くまでもないかもしれないが、人口はファミリーやカップルが大半を占める。

1人で来ているのなんて、僕くらいである。クソ。

 

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サンメッセ日南10

もう少し登って振り返る。

僕はモアイたちを見ているが、モアイたちも僕を見ている。

 

ホント、ここモアイと展望台と遊歩道しかないな。

逆に言うと、モアイに100%集中できる。

雑味の一切ない、モアイ・ワールドだ。

 

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サンメッセ日南11

あと、海すごい綺麗。

日南の海って、僕は日本の中でも5本の指に入るくらいに好き。

 

日南の海は、モアイによく合う。

これは紛れもない真実であると悟った。

 

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サンメッセ日南12

天空の塔のすぐ近くまで来た。

真冬だけども、この斜面を登るのは結構な運動だ。

 

そしたら、目がチッカチッカするようなカラフルな、おっさん群。

なんだこのスタイリッシュな7人のおっさんは。

 

これは「モアイと海を見るヴォワイアン」という芸術作品らしい。

調べたところ、ヴォワイアンとはフランス語で「見る人」という意味なのだそうだ。

「見る」部分が被っている気もするが、O型なので細かいことは気にしない。

 

モアイとおっさんの28の瞳が交錯するポイントを見つけて入りこみ、不可視のエナジーを浴び続けた。

 

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サンメッセ日南13

天空の塔からも、モアイと海と斜面が見えた。

見えるものはおおむねどこも同じで、その角度が違う。

 

そして再び斜面の中腹。

「ふれあい牧場」というスポットが唐突にあった。

ロバ・牛・ヤギなどの牧場系の動物がいる。

 

まぁ写真の通り、ロバは僕にふれあおうとはさらさら思っていないらしい。

大丈夫、どこまでも僕は一人旅。

種田山頭火」と同様、「咳をしても一人」。

 

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サンメッセ日南14

敷地内にはレストランもあったが、ちょっと食指は動かなかった。

どっか別の場所で海鮮でも食べようかな。

 

モアイに別れを告げ、駐車場へと戻る。

 

長年気になっていたスポット。

個人的に一生に1回でいいかなって感じた。

しかしこれは「来なければよかった」と思ったがゆえの表現ではない。

一生に1回の貴重な経験にとどめておきたいと思ったからだ。

 

車に乗り込み、またまたメッチャ狭い駐車場と園内通路をギリギリで抜けて、僕は国道220号の南下を再開した。

 

 

なぜモアイはそこに立つ

 

なんで宮崎県の「日南海岸」にモアイが立っていたのか。

奇をてらったB級スポットだったのだろうか。

 

モアイ設置に至る経緯は、サンメッセ日南のWebサイトに詳しく書かれている。

 

www.sun-messe.co.jp

 

要約してご説明しよう。

 

それは昭和の終わりごろのこと。

イースター島のモアイは内乱とか「チリ地震」の影響で倒され、見るも無残。

貴重な遺跡なのに。

 

残念がった四国のクレーンメーカーの人が、「このクレーンでモアイを起こす」と立ち上がり、いろいろ頑張ってモアイは修復された。

たぶんこの功績もあって、モアイは世界遺産に登録されたのだ。

 

イースター島の長老会は、これに感謝して世界で唯一、「日本だけモアイを復刻していいよ」って許可を出した。

サラッと書いたけど、この長老会の許可ってマジですごいことなのよ。

 

※たぶん、いつか宮城県南三陸町のモアイのところで、また同じような話をすると思うが。

 

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宮城県南三陸町のモアイ

無事に長老会から許可を取れたことで、「日南海岸のあそこって、モアイに似合いそうじゃない?」ってなり、サンメッセ日南ができたのだ。

 

ヘンテコなスポットだと思われるかもしれないが、あれは正式なモアイだ。

正式なモアイは、イースター島と日本でしか見れない、メッチャ貴重なものなんだ。

 

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それを数100円で堪能できたのだから、すごくありがたい話だ。

モアイマニアにとっては、感涙もののスポットだと思う。

 

もちろんマニアじゃなくっても、なんか面白い。なんか自慢できる。

そんなユニークなスポットだ。

 

 

最後に、2018年秋に交付開始された、宮崎県の「地方版図柄入りナンバープレート」をご紹介する。

 

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おわかりだろうか?

一番左端に、7体のモアイがいることを。

 

もはやモアイは宮崎の象徴の1つである。

バッチリ市民権を得たと、これで僕は確信した。

 

イースター島と日本の友好の架け橋となっている、宮崎県のサンメッセ日南に今後も幸あれ!

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: サンメッセ日南
  • 住所: 宮崎県日南市宮浦2650
  • 料金: 大人800円(2020年現在) 
  • 駐車場: あり
  • 時間: 9:30~17:00

 

No:050【福島県】ヘンテコだが、それがいい!田園の「へたれガンダム」に会いに行こう!

あなたは機動戦士ガンダムをご存じか。

 

実は僕は1話たりとも見たことがなく、ガンダムについて何かを語るだけの資格を持った人間ではない。

 

しかし、そんな僕でもガンダムと言われれば、あのカッコいいデザインが脳内に思い浮かぶし、なんならおぼろげながらテーマ曲も脳内再生できるし、「親父にもぶたれたことないのに!」って言いたいけれども幼少期からボコボコだし。

 

つまり、おそらくは誰もがどこかでその情報に接したことのある、まさに国民的ロボットなのではないかな?

 

今回はそんな僕が、実際にそのガンダムに邂逅した話をしよう。 

 

さぁさぁ、ワクワクしてきたね。

 

 

永遠の男子よ(女子も)、心躍れ!

これが機動戦士ガンダムだッ!!

 

 

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へたれ。

 

 

 

へたれガンダム事件

 

これが、「へたれガンダム」である。

では、いきなりだがへたれガンダムとはなんなのかをご説明したい。

 

へたれガンダムは2020年初夏、以下に関するニュースによって全国的に知られることになった。

 

www.fnn.jp

 

ザッと説明すると…。

 

福島の某所にある、マニアのみ知るB級スポットのへたれガンダム

しかし5月に誰かがガンダムの持っているビームライフルを盗んでしまったのだ。

かわいそう!ライフル返せ!

 

…そんな感じの、悲哀に満ちた物語。

 

コロナ禍で犯人の心も荒んでいたのだろうか?

全国ニュースで度々流れ、Webニュースでも目にした本件だが、2020年10月現在も、元のライフルは 返却されず、行方不明のままだ。

 

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ニュースでは、本来持っているはずのビームライフルを取り上げられ、手持ち無沙汰になってしまったへたれガンダムが取り上げられていた。

より一層、へたれてしまったように感じ、胸が締め付けられた。

 

2020年の夏のコロナ禍が、どん底から少しだけ好転し、県境を跨ぐ移動が許可されることとなった。

 

…行こう。

へたれガンダムに会いに。

 

なんだろう?

へたれガンダムを助けたいわけでもないし、勇気づけられたいわけでもない。

ただただ、会いたいんだ。

 

コロナ禍で疲れた僕は、愛車に乗り込んでアクセルを踏んだ。 

 

 

へたれガンダムとの対面

 

…雨だ。

 

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へたれ1

くっそー。

真夏の快晴の空に浮かぶ入道雲とかを追いかけるドライブをしたかった。

なのに、なんだこのドロドロの天候は。

 

永遠と思われる梅雨がようやく明け、ようやくドライブができるかと思ったらこれだよ。

ある意味、へたれ日和なのかもしれないが。

 

福島市郊外の農村エリアを進む。

 

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へたれ2

そして、出会う。

 

…なんだこのマヌケな写真の構図は。

愛車のパオとへたれガンダム、どちらもユルユルに力が抜け、しかも天気もこれだから、なんだかフニャフニャした写真になった。

 

こんな畑の前の空き地に、彼は立っている。

 

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へたれ3

微妙に猫背だ。

シャキッと感がゼロである。

「あぁ、オフィス内での僕って第三者目線でこんな感じなのだなー」と、また1つ賢くなったコロナの夏。

 

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へたれ4

うわー、ガニ股だ。すごいガニ股だ。

ガニ股で猫背。

子供が憧れる要素を綺麗に取り除いた、そのフォルム。

 

なにか間違ってしまった、パラレルワールドガンダム

 

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へたれ5

見上げるような構図で撮影すれば、少しはりりしくなるだろうか?

…おっ、ちょっといい線を行っているのでは??

 

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へたれ6

こんな感じに、上半身だけの構図にして、画像サイズを小さくして…。

そんでビール飲んで酔っ払ったところでメガネ外してから薄眼で見れば、3回に1回くらいは本家と勘違いするかもしれないな。

 

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へたれ7

顔も、なーんか違うんだよなー。

絶妙な違和感。絶妙な頼りなさ。作画崩壊

 

お面を装着しているのが、もう近所のあのおっちゃんだってわかっちゃうような、そんな感じ。

 

かっこよくはないけど、にくめない。

世界が平和になって、15年くらいやることなくってゴロゴロダラダラしてゆるんじゃったガンダム

その分、近所の子供と遊ぶ時間を充分に取れたガンダム

 

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へたれ8

バックショット。

このランドセルみたいのは何?

ゴメン、原作もアニメも知らないから、うまいコメントはできないんだ。

 

ただ、このパーツだけ塗りが異様に綺麗。

貴重品とか入っているに違いない。無知なりに、そう結論付けた。
 

 

へたれガンダムは完全武装

 

ここまで掲載してきた写真から、あなたもお気付きかもしれない。

「へたれガンダム。ライフル持っているぞ。盗まれてないぞ。」と。 

 

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へたれ9

確かに彼は、ライフルを所持している。

しかしこれは、もともと持っていた彼の愛用の銃ではない。

 

盗難後に寄贈されたものなのだ。

丸腰になってしまったその姿が哀愁を誘い、いてもたってもいられなくなった人が、彼に武器を届けたのだ。

 

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へたれ10

ある親子は、へたれガンダムのために木製のライフルを自作して届けた。

また、ある男性は奇をてらったものを届けたいと考え、鎖付きの鉄球を自作した。

 

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へたれ11

ペットボトルを連結させてバズーカ砲を作った人もいた。

工業高校では、盗まれる前の写真を基に、精密な設計の元、ほとんどかつてのままのビームライフルを再現した。

 

既成品を届けた人も何人かいる。

確かに銃は、手作りよりも既製品の方が、メーカー保証もあるだろうし安全に扱えそうな気もわかる。

 

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へたれ12

区長は次々届く武器のため、近所の人に武器ラックを作るよう依頼したらしい。

こんな物騒なオーダーしてくる区長、なかなかいないぞきっと。

 

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へたれ13

よく見ると、盾の下からも錨のようなものが飛び出ている。

 

これも独立した武器か?って思ったけど、接続されている鎖を経由し、さっきの鉄球につながっていた。

なるほど、全部合わせて1つの武器であったか。 

 

とりあえず、すごい武装をしていることが理解できた。

絶対殺すマンだ、これ。

普段はのほほんとしているけど、キレると何してくるかわからないような、クラスに1人はいるタイプのヤツなのかもしれない。

 

もし元のビームライフルを盗んだ人がここに再び来ようものなら、この絶殺マンへたれガンダムは、全火力で攻撃をしかけてくるかもしれない。

 

 

…いや、前言撤回。

へたれガンダムはそんなことする人じゃない。

きっと平和的な解決ができるはず。

 

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へたれ14

そんな彼だからこそ、みんなに慕われた。

そんな彼だからこそ、このコロナの混乱の中でも失った武器を届けたい。

 

ja.wikipedia.org

 

※ 以前読んだ「のぼうの城」を彷彿とさせた。

 

 

そう思われる人徳

ロボットなのに人徳

 

なんという深い話よ。

 

 

へたれガンダム誕生秘話

 

へたれガンダムの生みの親は、「佐々木忠次さん」というアマチュア鉄作家の方だそうだ。

 

佐々木忠次さんは引退後、溶接技術を学ぶ。

そんで毎日工房にこもり、いろんな作品を生み出したのだそうだ。

 

2007年には、地域活性化のために鉄製の恐竜を何体か作り、平石地区のこの場所に、「平石恐竜の里」と名付けて設置をした。

だけどもすぐサビた。うん、鉄だから。

わずか3年の命であった。

 

でも、その場所に何もないのも寂しい。

地域の子供たちに親しめるような、何かが欲しい。

そんなことから次に佐々木忠次さんが作ったのが、へたれガンダムだ。

 

高さ2mの、なんだかヘンテコなガンダムが、2010年にこの地に爆誕した。

ヘンテコだけど、地域の人に愛された。

 

しかし、その翌年の2011年の6月に、佐々木忠次さんは亡くなっている。

へたれガンダムは、佐々木忠次さんの遺作なのだ。

 

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地域を愛し、キャラクターを愛し、子供のためにと造られた、遺作のへたれガンダム

そのビームライフルが心無い人に盗まれたのだから、残念な気持ちだよな。

 

だけど、があった。

コロナ禍でみんながロクに動けず、物理的に出会えない中でも、は確かにつながっていた。

 

だからこその、この大量の重火器

 

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へたれガンダムは、ライフルがあろうと丸腰だろうと、「やさい100えん」の無人販売所の前に立っている。そこであなたが来るのを待っている。

 

あなたもぜひ会いに行ってほしい。

彼が愛される理由が、よりわかるかもしれないから。

 

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雨は止み、周囲が明るくなってきた。

さぁ、次のスポットへ行こうか。


 


以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。 

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: へたれガンダム
  • 住所: 福島県福島市平石駒ケ池
  • 料金: 無料
  • 駐車場: 周囲に数台分あり
  • 時間: 特になし 

 

 

No:049【北海道】遥かなる日本本土最北端!!宗谷岬は北を目指す旅人たちの終着地点だ!

日本の最北端。 

 

このシンプルなひとことに、どれだけの旅人たちの感情が揺さぶられただろうか。

どれだけの旅人が、その最北の地を踏むために旅立っただろうか。

 

数ある「○○の最先端の岬」の中で、今回ご紹介する「宗谷岬」は究極であると僕は考える。

いろんな意味で「TOP of TOP」の岬。

 

その世界に到達したエピソードである。

 

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北極星を象る最北端の碑

 

北海道・本州・四国・九州。

日本の本土と言われるこの4つの大きな島、それぞれの東西南北端がある。

詳しくは、僕の書いた以下の【特集】をご参照いただきたい。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

その中でも最北。

北海道最北であり、日本最北の岬が宗谷岬である。

 

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無数のツーリングライダー、旅ドライバー、チャリダー、ヒッチハイカー…、全ての旅人がこの一極を目指すといっても過言ではない。

 

僕も、2020年現在において7回か8回くらいは訪問しただろうか?

北の大地、北海道に上陸すると2回に1回くらいの頻度でここを目指す。

 

「北に行くなら、北の最果てまで」。

そう考えてしまうのだ。

 

そこはどんな岬なのだろうか?

いったい何があるのだろうか?

 

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最北端の碑1

 

そこにあるには、日本最北端の碑だ。

 

 

三角形のとんがったモニュメントがあり、石板に「日本最北端の地」と書かれている。

これだ。

これがあるだけで、僕は狂喜乱舞だ。

 

僕だけではない。旅人・ライダー・観光客、入れ代わり立ち代わり、みんなこの碑の前で記念撮影をする。

宗谷岬の象徴であり、日本最北端の地をこの足で踏んだという証明だからだ。

 

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最北端の碑2

少し拡大してみよう。

 

日本最北端の地

The Northernmost Point in Japan

 

英語でも、日本最北の地であることを書かれている。

よーく見ると、ちょっと後付けっぽくプレートが貼られている。

 

これ、実は2010年に訪問したときにはなかった。

2012年に訪問したときについていたから、きっとその間にインターナショナル化が進んだんだ、宗谷岬

 

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最北端の碑3

これが2010年。

比べてしまうと、ちょっとノッペリとしたデザインであった。

 

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最北端の碑4

この特徴的な三角形が何なのかというと、北極星の一稜をかたどったデザインなのだそうだ。

 

だから極星。

ところでボキャブラリーに乏しい僕は「一稜ってなんだよ?」って思うのだが、いろんなWebサイトで「北極星の一稜」とは書いてあるものの、それ以上の説明がない。

そもそも北極星自体に"稜"はない。

 

これさ、たぶんだけど…

 

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…ってことじゃないの?って僕は推測した。

北極星というよりかは、デフォルメされた「おほしさま」。

 

違っていたらごめんなさい。

そして「そのくらいみんな知っているよ!」だったらごめんなさい。

 

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最北端の碑5

 三角の間に、アンテナみたいな造形物。

これは「N」を表している。North(北)の「N」

 

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最北端の碑6

ドライブ・ツーリングシーズンの日中だと、大体いつもこの周辺で多くの観光客が写真撮影をしている。

このモニュメントを無人の状態で撮影するには、その記念撮影の一瞬のスキをつかないといけなかったりする。

 

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最北端の碑7

逆を言えば、1人旅であったとしても、カメラを持ってキョロキョロしていれば、親切な誰かが声をかけてくれてシャッターを押してくれる。

 

僕は、わりと現地で知り合った旅人と共に行くことも多い。

道北で出会う旅人は、大体宗谷岬を目指すか、宗谷岬から下ってきたか。

 

上の写真は、なんかすんごいスポーツカーで1人旅をしている女性と合流して宗谷岬を訪問したときの写真だ。

似たような写真ばかりをUPしているが、僕にとっては1枚1枚に壮大なドラマがある。

 

 

愛車と共に

 

記念すべき岬に到達したからには、自らの愛車と共に撮影をしたいと思う人も多いだろう。

結論から言うと、これがなかなか難しい。

 

駐車場の路面と、最北端の碑が立つ路面との間には、段差がある。

つまり、基本的には乗り入れ禁止であり、歩行者のみが立てる「歩道」に属する地だ。

 

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最北端の碑8

従い、もしWeb上で碑の間近にバイクを置いている人がいたら、段差を乗り越えたのだろう。自転車を置いている人がいたら、ヒョイと持ち上げたのだろう。

…とか考えていた。

 

しかし、この記事を読んでくれた、敬愛する先輩旅人たちから有益な情報をいただいた。

 

『碑の右側から行くと段差ほぼなしなので、押していける。通常は「乗り入れ禁止」的な掲示物があるが、過去災害があった際や2020年のコロナ影響のように、観光客が極めて少ないときにはこの掲示物がないことも。』

 

なるほど!

二輪の人たちには希望が!

でも四輪はさすがにマネできない! !

 

では、四輪車がこの最北端の碑と一緒に撮影する方法は…。

 

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最北端の碑9

なんとかかんとか、できなくもない。

 

まずは碑の目の前より少しずれた位置の駐車スペースを確保。

さらに隣に他の車がいないこと。

そして、背後の車道ギリギリ、あるいはさらに遠くまで下がってから目いっぱいのズーム。

 

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最北端の碑10

車が混雑していることが多いから、今まで6・7回ここを訪問して、愛車との撮影が成功したのは上記の2回のみである。 

 

余談だが、上の写真を撮った直後に愛車のHUMMER_H3の調子が悪くなった。

既に夕方で冷気が襲って来ているし、最北の岬も急に閑散となる中、愛車の不調は心底肝を冷やす。

 

後述する「日本最北端のガソリンスタンド」に飛び込んだものの「重大なトラブルかもしれません」と絶望的なコメントをもらったのは、今となってはいい思い出。 

※結論、問題はなかったのだが。

 

 

間宮林蔵とサハリン

 

もう1つ、定番のショットをご紹介する。

 

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間宮林蔵1

間宮林蔵」と日本最北端の碑の、コラボショット。

撮影方法には説明入らないだろう。上記の通りだ。

 

間宮林蔵は、僕の尊敬する探検家の1人だ。

北国を多く探検し、「サハリン」が島でないことを発見したりした人。

 

【世界地図に名を残した唯一の日本人】探検家・間宮林蔵 | 歴人マガジン

 

彼の活躍は、例えば上記のリンク先などで確認してほしい。

間宮海峡」という名前で、サハリンとロシア本土との隙間の海峡に名を残しているぞ。

ちょっと肖像画の顔が「バカ殿様」っぽくてアレだが、実績はすごい人だぞ。

 

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間宮林蔵2

上の2枚の間宮林蔵の写真、そのいずれも水平線にサハリンが見えているのをお気づきだろうか?
間宮林蔵は、遥かなるサハリンをこの地で眺め続けている。

 

サハリンは、日本から一番近いロシア。

その距離は43㎞である。

 

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サハリン1

これが、僕が宗谷岬にて撮影した中でも、トップクラスにサハリンが良く映っている写真だ。

 

もっとも、一番無難かつ綺麗に撮影する方法は、「稚内空港」を飛行機で離着するときだと個人的に考えているが、飛行機からの写真は今回の趣旨とは異なるので割愛する。

 

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サハリン2

拡大すると、建物らしきものも見えている。

これだけロシアが近いのだ。逆に言うと、宗谷岬がすんごく北なのだ。

 

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サハリン3

日本はここで終着点だが、あの向こうには果てしない世界が広がっている。

 

あっちに渡ったときのことを想像するとドキドキとワクワクが同時に押し寄せてくるが、たぶん僕が世界を股にかけることはない。

日本という限られたエリア、狭く深く追求していきたいから。

まだまだ日本を追及しきれていないから。

 

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間宮林蔵3

…そんなことを言っているような、ちっぽけな僕。

 

だからこそ、開国前に早々に海外を意識している人間に敬意を表す。 

彼にとってはここは「日本の終わりの地」ではなく、「世界の始まりの地」だったのかもしれない。

 

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間宮林蔵4

 

宗谷岬の楽しみ方

日本最北端の店 

 

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最北端証明1

宗谷岬の駐車場の周囲には、食堂もあるしお土産物屋さんもある。

 

そんな中でも、日本最北端の店を名乗る 「柏屋」をご紹介しよう。

 

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最北端証明2

お菓子などの一般的なお土産も多く、僕も過去何度かここで友人や同僚へのお土産を購入している。

 

しかしそれ以上のアイデンティティが、「日本最北端到達証明書」を発行している点である。

100円で、日付と時間入りで証明書を発行してくれるのだ。

 

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最北端証明3

例えば2016年バージョンがこれだ。


7回ほど宗谷岬に通った中で、日本5周目と日本2周目だけ曇っていたが、上記の写真はその曇りの日本5周目である。

証明書の青空を見て、ちょっと気持ちを上向きにさせた。

 

日本1周目や2周目では嬉々として購入していたが、そのうち「何枚もあってもね…」と思って購入を辞めた。

だけどもこの日本5周目は特別な思いがあって訪問したので、久々に発行してもらったのだ。

 

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最北端証明4

お店には、デジタルの温度計もついている。

8月なのにだったり20℃だったり、9月なのに13℃だったり…。

どれだけここが寒冷な地か、ご理解いただけるかと思う。

 

日本最北端のガソリンスタンド 

 

尚、柏屋のさらに後ろにはガソリンスタンドがある。

日本で最北のガソリンスタンド、「安田石油店」だ。

ここで満タン給油をすると、ちょっと素敵なプレゼントがある。

 

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最北端証明5

「日本最北端給油証明書」!

 

あなたは日本最北端の給油所で給油したことを証明致します。

 

この証明書と周辺MAP、そしてホタテの貝殻の交通安全アクセサリーを無料でもらえる。

ホタテのアクセサリーは手作りだろう。

こういう品は嬉しいね。大事にしたい。

 

この写真は2010年のものであるが、通年やっているのか、今もやっているのかは不明なので、詳細はご自身で確認してほしい。

ちなみに僕は過去2回ほどもらっている。

 

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最北端証明6

「愛車がヘンなんです!助けて下さい!」と泣きそうになりながら駆け込んだのは、過去1回だけである。そして願わくば、もう2度とやりたくない。

 

 

宗谷丘陵から 

 

駐車場から国道を挟んだ丘を上がってみよう。

歩いても数分だが、車で行っても広々とした無料の駐車場があるぞ。

 

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宗谷丘陵1

この丘の上からは、ここまでの項目でご紹介したポイントが軒並み見渡せる。

もちろんサハリンも。

 

わかりづらいが、手前の店舗群と駐車場との間を国道が走っている。

この岬が非常にゆるやかなカーブを描いていることがおわかりいただけると思う。

 

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宗谷丘陵2

丘の上には、「宗谷岬灯台」がある。

この写真は、パジェロイオで到達した、日本4周目のときのもの。

奥のすごいスポーツカーで関東からやってきた旅人の姉さんとは、2020年現在も未だに親交が続いている。

 

宗谷岬灯台は、日本最北の灯台である。

国境を示す灯台であり、宗谷岬とサハリンの間を航行する船にとっては、非常に大事な役目を持つ。

 

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宗谷丘陵3

なんだかカクカクで、写真映えしないデザインかもしれないが、「日本の灯台50選」にもエントリーされている。

 

プチ情報だが、灯台が白黒あるいは紅白なのは、雪が降った時でも灯台が見やすいようにペイントしているためだ。

白黒と紅白の違いの理由は、ごめん知らないんだ。

 

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宗谷丘陵4

もう4台も車が登場して恐縮だが、全部僕の愛車。

 

背後には灯台の他にも、さまざまなモニュメントがある。

これらを見ながら最北の丘の上を散歩するのも楽しい。

 

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宗谷丘陵5

右手に見える男女カップルは「あけぼの像」だ。

 

K-1でヘンテコな負け方をして有名になった元おすもうさんのことではなく、この日本最北の地の、酪農の夜明けを表す像だ。 

 

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宗谷丘陵6

「祈りの塔」。

1983年にこの付近で勃発した大韓航空機撃墜事件にて、乗客乗員は全員死亡してしまった。 

その慰霊碑である。

アルメリアが咲き乱れていたので、慰霊の想いを込めて一緒に撮影してみた。

 

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宗谷丘陵7

これは「旧海軍望楼」である。この丘の上で、僕が最も好きなスポット。

 

日露戦争の時、「世界最強のバルチック艦隊、どっから侵攻してくる!?可能性のある海峡を全力で見張れ!!」ってなったときの宗谷岬の要所。

 

そんな場所だから眺めはバツグンだ。

上まで登って宗谷岬全域を見渡そう。本稿の冒頭の写真も、ここから撮影している。

 

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宗谷丘陵8

「ゲストハウス アルメリア」は、丘の上に立つ風車が特徴的な建物。

宗谷岬の肉牛を食べれるレストランだ。

 

この背後の丘陵は肉牛たちの大牧場で、それをダイレクトにここで食べちゃう作戦。

ジンギスカンとか牛丼とかあるぞ。

僕も初めて宗谷岬に来た日本1周目のとき、ここでランチにした。

 

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宗谷丘陵9

当時の写真である。宗谷黒牛の牛丼だ。

ピンボケしちゃっていて恥ずかしいな。まぁこれも思い出よ。

 

 

 

もし未達であれば、あなたも日本最北端の宗谷岬に立ってみてほしい。

 

そのとき果たしてあなたは、何を感じるだろうか?

 

旅人の数だけ思いはある。

2つとして全く同じものはないだろうが、達成感と笑顔は、そこにあるのではないかと考える。

 

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以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 宗谷岬
  • 住所: 北海道稚内市宗谷村字大岬
  • 料金: 無料
  • 駐車場: あり
  • 時間: 特になし

 

No:048【大阪府】「ほな、さいなら」巨大ふぐ看板「づぼらや」コロナで100年の歴史に幕!

今日は10月15日…。

もう1ヶ月が経過してしまったのか。

 

大阪の「新世界」のシンボル的な存在であった巨大ふぐ看板を掲げていた、あの「づぼらや」が9月15日に閉店してから…。

 

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原因は、2020年に猛威を振るう新型コロナウイルスに伴う、営業自粛で経営難になったことだという。

 

まさか、あの巨大ふぐ看板が無くなるだなんてな…。

信じられない。

 

最後に見たのは、閉店からちょうど1年前に当たる2019年の9月中旬のこと。

ちょっと回顧させてくれないか、あの日のことを。

 

 

づぼらや閉店1年前の新世界

 

あの日、1年後の未来なんて何も知らない僕は、のほほんと巨大ふぐ看板を見上げながら、1人たこ焼きを食べていたのだ。

 

*-*-*-*-*-*-*-

 

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新世界へ1

あんまり賑やかなところに車で突撃したらパニックになりそうなので、「通天閣」から徒歩5・6分と思われるところに愛車のパオを停めてみた。

 

でも、大阪の中心地なためか、駐車場代が相当に高い。

あと、背後のビルの外壁がベロンベロンで、大丈夫かなぁと思った。

 

では、お散歩だ。

 

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新世界へ2

通天閣が見えてきたーー!!

 

再び大阪から世界へ!EXPO2025

 

万博、また大阪で開催されるもんね。

その日が楽しみだね。僕も行きたい。

 

通天閣をかすめて、さらに「世界の大温泉スパワールド」方面に歩く。

スパワールドも昔入浴したことあるが、インパクトすごかったなぁ。

 

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新世界へ3

両側のガチャつきレベルが飛躍的にUPしたーー!! 

この自己主張のバロメータを振り切った看板群にクラクラするわ。

 

頭上を船が通過する、不思議な光景。

 

確かに、上品ではないかもしれない。

でも、すごくすごく元気をもらえる町。

なんだか笑顔になれる町。

 

そういう存在、人生において必要だと思う。

 

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新世界へ4

看板を見ながら歩く。

 

串かつ・串かつ・串かつ…。

あ、その向こうがづぼらやだな。

 

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新世界へ5

 

なんか浮いているぞ。

 

あれが、づぼらやの巨大ふぐ看板だ。

看板の概念の向こう側まで行っちまっている。

 

しかしここ新世界や「道頓堀」には、そんなダイナミックな看板が溢れているから恐ろしい。

もはや食のアミューズメントパークだね、これ。

 

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新世界へ6

ここでいったん、後ろを振り買ってみた。

通天閣が、看板群に飲み込まれつつある。

 

だけども、それも含めて混然一体となり、1つの世界観を構築している。

なんでもかんでも無節操に入れてみたら、なんか味がまとまって美味しくなった鍋、みたいな感じだろうか。

 

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新世界へ7

恵比須様だ。

手にはなんだか雑なデザインの…串かつ?

 

串かつ屋だから、串かつなのだろう。

決してみたらし団子ではないし、「道の駅 望羊中山」の名物のあげいもでもないのだろう。

 

…さぁ、そうこうしているうちに、づぼらやの目の前に到達したぞ。

 

 

づぼらやとたこ焼き

 

づぼらやは、大きなふぐ看板を出している通り、ふぐ料理屋だ。

フラリと立ち寄った旅人1人で入るには、少々ハードルが高いかなって思った。

巨大ふぐ看板はカッコ良くて魅力的だが、それに釣られて店内に入るのは、思いとどまった。

 

何より僕はたこ焼きが好きである。

なんだったら、ここに来た最大の目的もたこ焼きだ。

 

そうだ、づぼらやの巨大ふぐ看板を見ながらたこ焼きを食べればいい。

僕は天才か。

 

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づぼらや前1

「新世界 かんかん」という名前のたこ焼き屋を発見。

 

振り向けばづぼらやの巨大ふぐがつぶらな瞳でこっちを見ているような立地。

そして、づぼらや新館の隣。

ここにしよう。

 

隣の「餃子の王将」のファンタスティックな看板も気になるが、王将は他でも食べれる。ここは、かんかん一択だ。

 

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づぼらや前2

はい、できたー!

8個入りで350円。結構安い気がする。

アッツアツだ。

 

たぶん持ち帰り専用のお店なので、こんな感じに渡される。

これ持って巨大ふぐの前に行こう。

…とはいっても、移動距離は数mだけど。

 

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づぼらや前3

さぁさぁ、ここがベストプレイスか?

づぼらやの巨大ふぐの正面近くまで来たぞ。

 

右を向いている人が多いが、これみんな巨大ふぐを見上げているのだ。

 

ところでスマホで写真撮影するときって、みんな両手を顔の前に持ってくるでしょ?

それが、タイミングが合えばみんな巨大ふぐを崇拝しているように見えるのよ。

なるほど、ふぐ神。

 

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づぼらや前4

右に巨大ふぐ看板。

そして左手に「日本一の串かつ 横綱」。

 

どっちもすごい。人間の横綱と、魚類の横綱の共演である。

 

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づぼらや前5

おすもうさんだ。

おすもうさんが、いっぱいおる。

 

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づぼらや前6

反対側にはビリケンさんもいる。

 

お店の外壁の宣伝看板を見る限り、ちゃんこ鍋・どて焼き・寿司…。串かつ以外にもいろいろあるようだ。

どうやら飲み会とかで使えるような、なんでもあるお店みたい。

こういうところで、昼間から陽気に飲んでみたいものだ。

 

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づぼらや前7

ふぐを見上げながら、たこ焼きを食べた。

熱いのでヤケドしないように気をつけて食べたつもりだが、上顎の皮はベロンとなったようだ。

まぁ、僕はO型なので細かいことは気にしない。そのうち再生する。

 

ところでこのたこ焼き、めっちゃうまいな。

トロトロだし、でも揚げ玉がたくさん入っているようで、若干サクサクしたような、複雑な食感が楽しい。

なによりダシもタコもうまい。

 

最近は大阪のたこ焼きからは遠ざかっていたので、感動した。

やっぱ大阪のたこ焼きはうまい。

ヘタすれば、もう一店舗このあとハシゴしてしまうかもしれない。

 

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づぼらや前8

すさまじいインパクトを誇る、巨大ふぐ看板。

これはふぐ提灯を模しているらしい。

 

なんと体長は5m、直径は3mだそうだ。重さは100kg。

 

そして、提灯だからか看板だからか理由はわからないが、夜になると内部に仕込まれたライトが光って明るくなる。

提灯としても看板としても、正解だ。

 

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づぼらや前9

スパワールド近くまで行き、ちょっと引きで巨大ふぐ看板を撮影してみた。

バックには通天閣

新世界を表す構図としては有名なショットだと思う。

 

人力車もいるぞ。正面はすごい人だ。

しかし撮影している場所は少しだけ喧騒から離れていたので、ここでたこ焼きをゆっくり完食。

少々のダメージを口内に負ったものの、大変に満足した。

 

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づぼらや前10

この巨大ふぐ看板、実は違法らしい…。

 

大阪市の道路占用許可基準にて、看板が道路にはみ出る許容範囲というのが定められている。

それによれば、看板は地上から4.5m以上の高さを保ち、かつ店舗から1m以上突き出ないこと、ってなっている。

 

だけどもこの巨大ふぐ看板は、高さは10cm足りないし、規定より道路側に4mも飛び出ているそうなのだ。

かなり大胆に規定を超過してしまった。

 

しかし、大阪の文化を表す代表的なスポットということで、市長も黙認してきたそうだ。

うん、やっぱふぐ神なのかもしれない。神の威厳と権力。

 

すでに看板というより、空中浮遊だもんね。

神は空にて民を見下ろすものだ。

 

 

道頓堀のづぼらや

 

前項でご紹介したのが、づぼらやの本店だ。

づぼらやにはもう1店舗、道頓堀店というのがある。

 

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道頓堀1

はい来たー。「道頓堀」である。

さっきの新世界より数㎞北に位置する地点だ。

 

そして「来た」とか書いたけど、これは時間軸をしばらくさかのぼっている。

直近の日本6周目では道頓堀は観光していないので、日本5周目に訪れた写真からご紹介する。

 

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道頓堀2

もうね、道頓堀もどこを見ても面白い。

こんなにもエネルギッシュな町がほかにあるだろうか?

 

その店舗も、看板に対して全力投球だ。

その前のめりな姿勢が、見るものに笑顔を与えてくれる。

 

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道頓堀3

「グリコ」・「かに道楽」・「くいだおれ」…。

まさに大阪巨大看板の王道だ。

 

かに道楽もくいだおれも入ったことないけど、看板はよく知っている。

大阪を代表する景観だと、勝手に思っている。

 

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道頓堀4

くいだおれ太郎」だ。

土産物店に設置されている。大人気であった。

 

くいだおれは、もともと老舗飲食店であったが、2008年に閉店しちゃったんだよな。

約60年に渡る長き営業に幕を閉じたのだ。

 

僕、実はその2008年のくいだおれの閉店の少し後に道頓堀に来ている。

 

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道頓堀5

これが、そのときの写真だ。

役目を終えたくいだおれ太郎は、たぶん自分探しの旅に出ていた。

 

話が反れてしまったが、そんな道頓堀の商店街の中にもづぼらやがある。

 

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道頓堀6

づぼらや道頓堀店。

ここにもふぐ提灯があるが、新世界と比べると少し小ぶりだ。

それでも、インパクトはなかなかのもの。

 

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道頓堀7

でも、これもなんとなく市の規定からはみでているような気も、しなくもないが…。

 

このときの道頓堀では、日本最北の島である「礼文島」で知り合った大阪在住の旅人と合流し、一緒にお好み焼き食べた。

すげーうまかった。

 

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道頓堀8

カオスな世界。

でも、僕はこの世界観が好きだ。

 

日本の他のどんな町でも得られない体験が、ここではできると思っている。 

 

 

づぼらやの閉店

 

そんな「大阪のイメージ」の代表格の一角である、づぼらやが閉店宣言をしたときには、とてもビックリした。

きっとニュースを見た日本中の多くの人も、同じ気持ちだったに違いない。

 

www.yomiuri.co.jp

 

1920年から、100年間も営業してきた老舗ふぐ料理店。

2020年の新型コロナウイルスの流行に伴う自粛のため、4月8日からは休業していた。

 

復帰する予定もあったんだけど、コロナの影響が長引いたこと、そしてもともと経営が苦しかった側面などもあり、そのまま9月15日に復活することなく、本店も道頓堀店も閉店したのだ。

 

「ほな!さいなら」の垂れ幕が掲げられ、シンボルである巨大ふぐ看板が取り外された。

それを今後どうするかは、決まっていないらしい。

 

当たり前のように存在していた、巨大ふぐ看板がなくなってしまった。

あの光景は、もう見れないのだ。

 

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心にポッカリと穴が開いた気持になる。

 

そして、こんな老舗店までもを閉業に追い込む新型コロナウイルスに憤りを感じる。

この状態が今後も続いたら、日本の飲食業・観光業はどうなってしまうのだろう?

 

まだまだ出口は見えない。

僕にエネルギーを与えてくれた大阪。

 

今度はわずかながらも僕がエネルギーのお返しをしたいところだが、GoToキャンペーンも使う予定もなく、陰ながらの応援となってしまっている。

 

せめて、コロナが落ち着いたら、もう一度遊びに行こう、大阪。

 

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 「づぼらや
  • 住所: 大阪市浪速区恵美須東2-5-5
  • 料金: いろいろあるけど、2,000~5,000円目安か。
  • 駐車場: なし。付近のコインパーキングを使用のこと。
  • 時間: 11:00~23:00

 

【特集】「本土最突端16岬」!!北海道・本州・四国・九州の東西南北の突端を一挙紹介!

 

日本地図を広げてみる。

 

そこには、大きめの島が4つある。

北海道・本州・四国・九州だ。

 

これを日本本土と呼ぶ。

(「離島航路整備法第2条第1項」に基づく定義)

 

日本の本土の最北端は、「宗谷岬」だ。

では、日本の本土の最南端は…?

四国の東西南北端は…??

 

4つの大きな島があるからには、きっとそれぞれの島に東西南北端がある。

書き出してみた。

 

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これらをまとめて「本土最突端16岬」と呼ぼう。

 

 

その突端は、果たしてどんなところなのだろうか?

 

行けるところまで行ってみよう!

そこには何もないかもしれないが、少なくともロマンはあるに違いない!!

 

 

北海道

 

最北端:宗谷岬

 

 

北海道の最北端ということは、日本本土の最北端である。

それすなわち、日本の最北端である。

 

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宗谷岬1

無数のツーリングライダー、旅ドライバー、チャリダー、ヒッチハイカー…、全ての旅人がこの一極を目指すといっても過言ではない。

 

寒冷な地ではあるが、日本で1番、旅人たちの熱気であふれるスポットなのかもしれない。

 

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宗谷岬2

旅の終着点。旅の目的地。

全ての終わりと始まりの地。

 

それが、北海道最北端の「宗谷岬」だ。

 

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宗谷岬3

僕も、幾度この地を踏んだだろうか?

いつ行ってもここは、旅人たちの笑顔であふれている。 

 

旅する者が等しく夢見る、サンクチュアリ

北極星の一稜をかたどった三角のモニュメントが、遥かなる旅路を経て辿り着いたあなたを迎えてくれるだろう。

 

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宗谷岬4

詳細情報については、以下を読んでいただけると嬉しい。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

 

最東端:納沙布岬

 

 

北海道の最東端ということは、日本本土の最東端である。

それすなわち、一般人の到達しうる日本の最東端である。

 

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納沙布岬1

正確に言えばさらに東には「南鳥島」とか「北方領土」とかあるのだが、ここは学術的な地理ではなく、旅人のためのページとご理解いただきたい。

 

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納沙布岬2

6月から9月にかけては、霧に覆われることが多い岬。

何度も訪問したが、快晴であったことは稀だ。

 

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納沙布岬3

北海道で最初に設置された灯台も建つ。

 

風が強く、荒涼としたイメージのあるエリア。

北方領土返還を求める看板や碑などが多く、複雑な思いを抱く。

晴れていれば、肉眼でも北方領土灯台が見えるのだ。

 

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納沙布岬4

手が届きそうで届かない、北方領土を臨む岬。

 

それが、北海道最東端の「納沙布(のさっぷ)岬」だ。

 

 

最西端:尾花岬

 

 

結論から言おう。

この岬に到達することは原則不可能だ。

 

車道も歩道も無いからだ。

 

そりゃ、陸地が続いている限り、卓越した肉体があれば不可能ではない。

無理矢理到達した人もいる。

しかし、前述の通りここでは一般論を書く。

 

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尾花岬1

上記が、隣の「帆越岬」から見た「尾花(おばな)岬」である。

尾花岬の一番のビュースポットだと思っている。

 

赤く囲った部分にトンネルが見えるだろうか?

このトンネルの入口と出口が、一番岬に接近できるところだ。

 

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尾花岬2

トンネルの反対側(北側)。

ここから岬の先端を振り返り、思いを馳せる。

 

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尾花岬3

古くから「陸の孤島」と呼ばれてきた、厳しい地形の果てに位置する幻の岬。

僕も10数年この岬を追いかけてはいるが、追っても追っても届かぬ幻。

 

それが、北海道最西端の尾花岬だ。

 

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尾花岬4

 

 

最南端:白神岬

 

 

北海道の最南端は、本州の最北端に対し13kmも南にある。

海を越えた20㎞程の彼方には、津軽半島の「龍飛崎」が見えている。

 

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白神岬1

そんな立地上のこともあるが、海岸付近まで山々が連なるロケーションからも、「壮大な北海道」というよりも青森県に近い感覚に陥る。

 

さらにもう1つ、青森県との結びつきを強める要素がある。

 

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白神岬2

これが北海道最南端の碑である。

ここには、『海底下の 列車のひびき 聞こえ来て 白神岬は さざ波の列』という句が刻まれている。

 正確には少しズレるものの、この地下を青函トンネルが通っているのだ。

 

青森県と向かい合い、そしてつながる岬。 

それが、北海道最南端の「白神岬」だ。

 

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白神岬3

上記が、白神岬の駐車場である。

 

東から来るとすると、国道沿いの覆道の直前に滑り込むようにこの敷地がある。

逆に西側から来ると、覆道の直後に一瞬見えるものの、意識せずしてここに入るのは困難と思われる。

 

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白神岬4

近くに白神岬灯台もあるものの、岬自体にはただただ、北海道最南端の碑があるのみ。

しかし、その唯一の碑が、何物にも代えがたいものなのだ。

 

 

本州

 

最北端:大間崎

 

 

ここは、観光としての側面で評価するのであれば、きわめて100点に近い岬だ。

豊富な駐車場・土産・グルメ・景観・旅情、その全てがこの岬の周辺に集約されている。

 

…だからかどうかはわからないが、日本6周を走る僕も、かつて日本1周目の最初を飾るドライブで、ここを目指した。

 

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大間崎1

『ここ本州最北端の地』の碑。

北に目を凝らせば、北海道の地が水平線に見える。


残念ながら橋は架かっていないが、ここ大間から1時間半フェリーに揺られれば、さらなる冒険の大地が広がっている。

 

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大間崎2

もともとは最果ての小さな漁村と思われる地だが、岬周辺は観光客向けにきれいに整備されている。

 

それだけの経済効果があるのだろう。

盛り上がれ、観光産業。

 

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大間崎3

大間のアイデンティティはそれだけではない。

 

「マグロ一本釣りの町」。

大間のマグロと言えば、一大ブランドである。

従い、付近の食堂でもマグロ丼を多くの店が提供している。

 

突端岬と国内有数のマグロ漁獲地という、強力な要素を生かした観光地。

それが、本州最北端の「大間崎」だ。

 

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大間崎4

 

 

最東端:トドヶ崎

 

 

控えめに言っても、ここは最高だ!素晴らしい岬だ!

達した瞬間、感動で胸が震える。涙が出そうになるくらいだ。

 

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トドヶ崎1

それは三陸の秘境、重茂半島の最深部にある。

漢字では「魚毛」を一文字で書き、"トド"と読む。

 

まずは一番近い宮古の町から岬の駐車場に行くまでが大変。

山深い山間部をクネクネと延々走る。

道の行き止まりである「姉吉キャンプ場」に、車を駐車することとなる。

 

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トドヶ崎2

ここは2011年の東日本大震災で最大の津波に襲われたところで、その前と後とではずいぶん景観が異なる。

直近ではずいぶんきれいに整備された。

 

ここから山道を4km歩く。

静寂に包まれた道を、ただただ延々歩く。

 

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トドヶ崎3

先端には東北一の高さの灯台と、本州最東端の碑がある。

 

このロケーションが開けた瞬間の感動は、筆舌に難い。

ここには気の利いたものなんて何もない。ただただ、三陸の険しい海岸が広がるだけ。

しかし、岬が本来持つ荒々しさ、自然の厳しさを体感できる。

 

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トドヶ崎4

僕は何度もここに行っているが、今まで出会ったのは日本1周している旅人2名だけ。

 

 

この何もない場所から何かを感じ取れることができるのであれば、また日本の良さに1つ気付けた証なんだと思う。

 

荒波と岸壁に囲まれた、到達レベルの高い岬。

それが、本州最東端の「トドヶ崎」だ。

 

 

最南端:潮岬

 

 

南国テイストの溢れる紀伊半島の先端に、その岬はある。

どこまでも広がる青い青い太平洋は、地球の輪郭に沿って見事な弧を描いている。

地球は丸いのだと、改めて気付かされる。

 

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潮岬1

上記は少し古い写真である。

(かつては常連だったのだが、最近はあんまり行っていない)

 

2020年現在は背後に見えている建物が撤去され、どこまでも広がる海をバックに、「本州最南端の碑」を見ることができる。

 

堂々たる碑だ。

最突端16岬の碑の中では、最重量なのではないかと推測する。

 

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潮岬2

夕日もまた格別だ。

立地上、ここは朝日の夕日も見える。岬の敷地周囲、300度くらいが海だ。

 

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潮岬3

岬のかたちをさらに感じ取るのであれば、観光タワーに登るのもよいと思う。

土産屋や食堂もある。

 

岬には広大な芝生が広がり、キャッチボールやフリスビーに興じたこともある。

ピクニックもできるだろう。

 

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潮岬4

他にも本州最南端を示す碑がある。

敷地は広く、いろんなものがあり、いろんな景観を楽しめる。

 

芝生が広がり、太平洋を臨む南国ののどかな岬。

それが、本州最南端の「潮岬(しおのみさき)」だ。

 

 

最西端:毘沙ノ鼻

 

 

下関市の中心部から20㎞程離れた郊外。

田園地帯の中を突っ切ったり、狭い山道をゴミ処理場ギリギリをかすめて進んだりと、道中不安になるようなこともあるだろう。

 

その先に、本州の最も西の地点がある。

 

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毘沙ノ鼻1

駐車場から岬の展望台までは徒歩5分である。

ちなみに、駐車場に公衆トイレが1つあることを除けば、他に「施設」と呼べるようなものは岬の先端まで何もない。

 

ただただ景色を見る。そのためにここに来た。

そういう意思を再確認しておこう。

 

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毘沙ノ鼻2

「本州最後の陽が見える丘」の標柱が立つ遊歩道。

日本2周目で初めて撮影してから現代に至るまで、ずいぶん劣化が進んでしまった。

 

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毘沙ノ鼻3

突き当たりには展望デッキがある。

 

前方には島があるし、九州の大地が見えている。

紺碧の海は、ここまで辿り着いた者を最大限に讃えてくれるだろう。

 

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毘沙ノ鼻4

本州最後の夕陽と九州の大地を臨む丘。

それが、本州最西端の「毘沙ノ鼻(びしゃのはな)」だ。

 

ちなみに僕は、過去2回ここでの日没にギリギリで遅刻している。

 

 

四国

 

最北端:竹居観音岬

 

 

庵治半島のクネクネ道をひたすら進んだ先に、「竹居観音寺」へと下る狭路かつとんでもない傾斜の道が出てくる。

 

この道を降りた正面にあるのが、四国最北端の碑だ。

 

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竹居観音岬1

穏やかな瀬戸内海が、碑の背後に広がっている。

巨大な陸地のように見えるのは、「小豆島」だ。

 

上記は日本6周目の写真だ。

だがこれ、僕的には残念な要素がある。

日本5周目に当たる数年前まで、この上に時計のオブジェがあったのだ。

 

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竹居観音岬2

素晴らしい!!

このレトロな時計のデザインよ!!

 

僕はこれが好きで好きでたまらなかった。

撤去されてしまったのは、老朽化や故障が原因なのだろう。

残念極まりない。

 

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竹居観音岬3

晴れてさえいれば、海岸はとてもきれいだ。

時計のシルエットが浜辺に投影されるのもステキ。

 

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竹居観音岬4

ここは竹居観音寺の境内である。

もう少し進めば拝殿、及び断崖の洞窟に設置された社とかあるが、それはまたの機会にご紹介しよう。

 

瀬戸内海に突き出た、かつてレトロ時計が時を刻んでいた岬。

それが、四国最北端の「竹居観音岬」だ。

 

 

最東端:蒲生田岬

 

 

果てしない狭路。襲い来る肩こり。

ただただ1つの岬のために、全ての犠牲を払え。

さすれば、四国最東端に到達できるだろう。

 

…ちょっと大げさに書いたが、あながち冗談ではないことを、到達経験のある方ならわかっていただけると信じている。

 

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蒲生田岬1

延々続く狭路の果てにある、野鳥飛び交う岬。

それが、四国最東端の「蒲生田(かもだ)岬」である。

 

 2010年に、上記写真の四国最東端の碑が設置された。

それまでは四国最東端を示すものはほぼなく、「本当に何もないが最東端だから行く」という、屈強な意思が必要であった。

 

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蒲生田岬2

四国最東端の碑と同時に、不思議なモニュメントも設置された。

どちらも観光客誘致のためだが、効果は不明だ。

 

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蒲生田岬3

遊歩道を歩く。

灯台までの階段はかなりの心臓破りである。

 

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蒲生田岬4

先端には、特定方向の照射に固定された灯台が立つ。

 

基本的に観光客もほぼいないが、バードウォッチングの人が多数いたこともあった。

野鳥の楽園。

静かな秘境の岬。

 

 

最南端:足摺岬

 

 

亜熱帯テイストの漂う、黒潮の打ち寄せる岬。

それが、四国最南端の「足摺(あしずり)岬」だ。

 

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足摺岬1

岬には黒潮が打ち付け、高さ80mの目のくらむような断崖となっている。

正直、自殺者も多い。

 

そんな足摺岬だが、1度だけおだやかな顔を見ることができたことがある。

 

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足摺岬2

真冬の日の出前。

断崖の上に立つ灯台。朝焼けに染まる静かな海。

いつも荒れ狂っている印象のあるこの岬の中で、僕が撮影した限りでは貴重な1枚だ。

 

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足摺岬3

岬には立派な展望台があり、朝日も夕日も見ることができる。

どっちも見たが、どっちも印象的であった。

付近には遊歩道が整備され、岬の周辺を南国植物など見ながら散策できる。

 

近くには水族館もあり、岬周辺が充実しているので多くの観光客が訪れる。

しかし付近の道はやや狭く、駐車場のキャパシティも心もとなく、ゴールデンウィークや夏休みなどは、やや離れたポイントからシャトルバスが出ている。

 

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足摺岬4

それだけの人気を誇る観光岬。

きっとステキな思い出になるであろう。

 

 

最西端:佐田岬

 

 

佐田岬と書いて「さみさき」と読む。

九州の最南端は佐多岬と書いて「さみさき」と読む。

 

これを間違えると恥ずかしいので、要注意だ。

ハリー・ポッター」の「ハーマイオニー」を「オー・マイ・ハニー」と読み間違えるのと同じくらい、恥ずかしいかもしれないぞ。

 

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佐田岬1

日本一細長い佐田岬半島の先端に位置する岬である。

 

最寄りの比較的大きい町である八幡浜の町から、実に52㎞。

しかも、残り3分の1くらいは擦れ違いも困難な部分もある、クネクネ道となる。

 

さらに、試練はそれだけで終わりではない。

 

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佐田岬2

駐車場から灯台まで徒歩で1800mである。

「がんばりましょう!」とか書かれている通り、なかなかシンドい。

アップダウンもあるぞ。丘を1つ歩いて越える。

 

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佐田岬3

辿り着く先のその地は、九州大分県の「佐賀関」からはわずか14㎞だ。

 

少し道を反れて「椿山展望台」に登れば、灯台豊予海峡を一望する絶景が広がる。

ここが一番のビュースポットだ。

 

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佐田岬4

日本一細長い半島の最先端。九周を突き刺すような岬。

それが、四国最西端の「佐田岬」だ。

 

 

九州

 

最北端:太刀浦埠頭

 

 

九州の最北端は、再突端16岬で唯一埋立地になっている。

つまりは人工の土地だ。

 

そして全国の突端マニアの泣きどころなのが、ここがコンテナターミナルの敷地内であり、立入禁止であるという点だ。

 

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太刀浦埠頭1

1つアドバイスをしておく。 

あなたがここを目指すなら、一般人の行ける北限の限界点で、あんまりウロウロしていないほうがいい。

 

ゲートの向こうで2人の警備員がお互いを見つめて頷き合った後、こっちに向かって突進してきたことがある。

僕、逃げた。エスケープ・ダッシュには定評がある。

 

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太刀浦埠頭2

西側の岸壁から回り込んで、海沿いに北側に行く。

 

ここが、無難な北限点である。 

一般的にはここを最北端としているケースが多い。

 

背後には九州と本種を繋ぐ「関門橋」が見えている。

もうすぐ朝日が昇る時間だ。

 

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太刀浦埠頭3

岩壁にはコンテナを運ぶ作業員もいるが、釣り人もいる。

突飛な車でない限り、旅人でもまぁまぁ自然に溶け込めると思う。

 

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太刀浦埠頭4

コンテナの立ち並ぶ、立入禁止の埋立地

それが、九州最北端の「太刀浦(たちうら)埠頭」だ。

 

 

最東端:鶴御崎

 

 

最寄りの大きな町である、佐伯から非常に遠い。

かつ、狭路のクネクネ道が続く。

九州の大地を駆け巡りたい者にとって、この岬に行くことはかなりのタイムロスとなる。

 

では、そんな岬には行く価値が無いのだろうか?

…そんなわけがないだろう。

 

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鶴御崎1

この景色を見れるだけで、心が躍る。

身体の奥の奥から、深呼吸ができる。

 

ところで灯台の脇に武骨なコンクリの建物があるが、これは第二次世界大戦中の砲台の跡なのだ。

前述の佐田岬と対を成すように、瀬戸内海へのバリケード的に突き出すこの岬。

そのどちらにも砲台はあるが、とくにこっちの武装力はすごいぞ。

 

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鶴御崎2

ここはかつての要塞。

70年以上を経て未だに残る負の遺産を掠め、さらに海に向かって歩いていく。

 

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鶴御崎3

すると、海を見渡す広場に、真新しい九州最東端の碑。

 

木製で朽ちてボロボロになり、それでも四方からロープで吊られてなんとか生き延びていた先代の碑から、新調されたばかりだ。感慨深い。

綺麗で青空に生える。

 

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鶴御崎4

ここの灯台はお気に入りである。

植栽含め、まるで日本庭園のように手入れが行き届いている。

 

険しい地形の半島の果てにある、要塞と一体化した岬。

それが、九州最東端の「鶴御崎(つるみさき)」だ。

 

 

最西端:神崎鼻

 

 

九州の最西端ということは、日本本土の最西端である。

 

しかし、日本本土の他の3方位を固める宗谷岬納沙布岬佐多岬というビッグネーム比べると、やや知名度に欠けるのがこの岬だ。

 

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神崎鼻1

山と海に挟まれた狭路を進んだ先にある、静かな集落。

静かな漁港。

 

そこにポツンとある岬なのだが、僕は知っている。

ここ10数年で定期的に整備をし、バージョンアップをし、常に我々観光客のことを考え続けてくれている、その岬のことを。

 

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神崎鼻2

不思議な形のモニュメントは、場所と形こそかわらないものの、台座部分が見違えるほどに変わった。安全性、大幅UP。

スマホを設置して、自撮りできる台もある。時代にしっかり追いついてきている。

 

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神崎鼻3

岬を目指す旅人は、デカい日本地図がそこにあると無条件に興奮する。

その生態を把握しつくされている。

 

「床に輪を書くとネコはその中に入る」という習性と同じように、僕も当然この円形の日本地図の中にニヤニヤしながら足を踏み入れるのだ。

 

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神崎鼻4

静かな岬。静かな公園。西の果てへの旅の、完結の地。

それが、九州最西端の「神崎鼻(こうざきばな)」だ。

 

 

最南端:佐多岬

 

 

ついに、九州の最南端である。

九州の最南端ということは、日本本土の最南端である。

 

他の岬とは装いがまるで違う。

ジャングルの中を進むかのように、ヤシを見上げ、ガジュマルを潜りぬいて岬の突端を目指す。

 

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佐多岬1

上の写真は、2020年現在は既に撤去されて別のモニュメントに置き換わってしまっているが、北緯31度を示すものである。

 

記載の通り、カイロやニューデリーと同じ緯度なのだ。

これを見ただけで、また少し気温が上がったように感じられる。

 

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佐多岬2

ジャングルを抜けた先のトロピカル・パラダイス。

それが九州最南端の「佐多(さた)岬」だ。

 

そして極めて個人的かつ感情的なコメントだが、「佐多岬、大好きだ!!」

 

過去には岬に行く唯一の道が閉鎖されて廃道化される危機があったり、岬の施設が軒並み廃墟化して大変だったりしたけど 、ちゃんと今現在も多くの観光客が訪れる地として健在だ。

 

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佐多岬3

それだけの魅力があるから、今こうして残っている。

 

2018年にすさまじいレベルのリニューアルが行われたが、それだけの投資をする価値のある、唯一無二の魅力を持つ岬。

 

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佐多岬4

僕が狂ったように全国を走っていた頃とは、まるで変ってしまった岬。

 

「大きく変わったことでガッカリするかな?」って心配しつつ訪ねたら、全然そんなことなかった。

進化している!カッコよくなっている!

 

次世代の旅人の思い出の地となること、間違いなしだ。

そんな満足感を得て、僕はこの岬を後にした。

 

 

※ このページは、追って挿入する各岬の詳細紹介ページへのリンクを持って完成とする予定です。

 

【コラム】ドライブ日本6周・訪問スポット推定1万箇所の旅人です。ブログをやってみます。

こんばんは、【週末大冒険】のYAMAです。

 

とりあえず、ブログの開始からここまで、僕が今まで訪問した少しユニークなスポットを、ご挨拶代わりに47都道府県から1つずつピックアップしてみました。

 

人生でブログ執筆は初めてであり、少々手探りです。

文章を書く仕事をしているわけでもなく、旅行・観光業などに携わっているわけでもありません。

でも、 ドライブ旅行への好奇心だけは人一倍あります。

 

サイト開始からここまでの47エピソードは、そんな僕が綴る当ブログのプロローグでした。

 

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◆自己紹介◆:旅人YAMAの歩み 

 

「恐山にギャルのイタコがいる 」というウワサをどこかから耳にし、放課後に仲間と車を走らせて、片道900㎞の彼方の本州最北端エリアに向けて旅立ちました。

残念ながらイタコもギャルもいませんでしたが、これが僕のドライブ人生のスタートでした。

 

日本1周ごとのテーマ

 

僕は、日本を周回するごとにテーマを設けています。

 

  • 日本1周目:都道府県走破
  • 日本2周目:有名観光地・景勝地制覇
  • 日本3周目:島・旅人宿・車中泊・車中自炊
  • 日本4周目:秘境・廃墟
  • 日本5周目:レトロ・B級スポット
  • 日本6周目:ボロ宿・ボロ食堂・珍スポット

 

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次はどんなワクワクを探しに行こうか、って考えています。

時間の経過と共に、興味も変わるものです。

 

興味が変われば、同じ都道府県を訪れようとも見る場所が変わるし、同じ場所を訪れたとしても、また違った視点から物事を見れるようになります。

こうやって僕は、成長し続けたいと願っています。

 

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人生、いつだってワクワクなのです。

 

 

日本1周ごとの愛車

 

僕は、基本的に日本1周するごとに車を取り換えるスタンスです。

 

  • 日本1周目:トヨタ_プログレやレンタカー等
  • 日本2周目:ホンダ_ステップワゴン
  • 日本3周目:日産_サファリ&トヨタ_bB
  • 日本4周目:三菱_パジェロイオ
  • 日本5周目:HUMMER_H3
  • 日本6周目:日産_パオ

 

今まで、7・8台の車を使い、全国を駆け巡ってきました。

 

基本的には飛行機やレンタカーを使わず、全て愛車とのドライブです。

例外的に、沖縄本島や離島のみ、レンタカーなどを使用しました。

 

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愛車は、大切な旅のパートナーであり、そして僕の個性です。

 

北海道と沖縄以外では、基本的に車中泊なので、観光と食事以外の時間は全て車内で過ごすこととなります。

だから、どのドライブの思い出にも、必ずそのときの愛車が登場するのです。

 

それが、僕の人生です。

 

 

日本1周の定義

 

何をもって日本1周とするのかは、人によって少々異なります。

よっぽどでない限り、何が間違っている、とかは無いと思います。

その人が思う日本1周をしたのであれば、それが日本1周で良いのではないかと思います。

 

では、僕にとっての日本1周とはなんでしょうか。

 

  • 沖縄県を除く全都道府県を観光する。(できれば沖縄県にも行く)
  • 走行マップを書いたときに、大体日本列島の外枠を走れている。(細かい岬などは除外することも)
  • 高速道路や海路はノーカウント。上記を一般道で走る。

 

僕の場合はこうなります。

これを5回繰り返し、今は6回目の後半戦にてコロナ禍となり、ボケボケとブログを始めました。

 

しかし、ただ日本の外周ばかりを走っていては、内陸部をすることができません。

従い、外周を走りつつも内陸部にも積極的にアプローチをします。

 

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例えば、僕が日本5周を走ると、北海道の走行ルートは上記の青線のようになります。

道がある限り、いろんなところを走りたいし、いろんな場所を見てみたいです。

 

【週末大冒険】の名前の通り、僕は基本的には週末と夏休みくらいしか休みがないサラリーマンですので、都度マイカーで延々走って現地を目指すこととなります。

 

そんな感じなので、日本5周目を終えるころには36万㎞程は走行していました。

地球7.3周分ですね、長いです。

 

ついでに、「日本1周には100回以下のドライブ回数で完結させること」とし、ダラダラと長引かせないようにしています。

 

限られた時間、限られた週末、限られた人生の時間を効果的に楽しむために、そんな目標を立てて楽しんでいます。 

 

 

◆振り返り◆:力を入れたエピソードTOP5

 

今まで、全都道府県から1つずつ、全47スポットをご紹介してきました。

この47の中で、特に力を入れて執筆したエピソード5つを、簡単なコメントと共に公開します。

※対象5つの順位付けはせず、順不同でいきます。

 

静岡県】幻の池

 

drive-ns.hatenablog.com

 

このブログを構想する段階から、序盤で書こうと決めていた記事でした。

5番目に書こうって考えていたら、埼玉県の「鉄剣タロー」が閉店になるっていうので、繰り越して6番目となった記事です。 

唯一無二のエピソードとして、このブログの最初の武器になると思っていました。

 

ブログ公開からまもなく、某大手サイトで取り上げていただき、バズりました。

さらに登段家の「真人さん」に取り上げていただき、真人さんは僕の考察を参考に、実に10年ぶりとなる「幻の池」の発見の、一躍を買ってくれました。

 

kaidanmeguri.blogspot.com

 

(まだ始めて2週間ほどだったけど、)ブログをやっていて、こんなに嬉しかったことはないですよね。

 

 

【東京都】大宗旅館

 

drive-ns.hatenablog.com

 

僕が出会った木造の旅館での物語を、ただただ感じたままに綴りました。

何も考えずに執筆できて、とっても楽しかったです。

 

たった1泊で短時間滞在しただけですが、普段目にしない世界に心躍り、東京のイメージが変わりました。

 

この感動を、少しでも多くの人に分かち合えればと思い、執筆しました。

ビジネスホテルも安定していてとてもいいですが、たまにはこういうところにも泊まってみると、人生の深みが増すな、と感じました。

 

 

岐阜県深沢峡

 

drive-ns.hatenablog.com

 

人気のない秘境に行くときには、冒険心・探求心・背徳感・不安感が絶妙に交じり合った感情が押し寄せてきます。

※この感情に、なんらか名前を付けたいと思うのですが、未だにいい名前が思いつきません。

 

かつて多くの人が賑わっていた景勝地が、災害とダム開発で朽ち、そして消えていく現実を目の当たりにし、少々鳥肌が立ちました。

過去の栄華を想像しながら一歩また一歩と現地を歩き、一期一会の思い出を噛みしめます。 

 

僕の人生が「廃」寄りになった、転機となるエピソードです。

 

 

【鹿児島県】中渡瀬骨粉水車跡

 

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誰からも見向きもされない、草木に埋もれた遺跡がありました。

言われてもそれが遺跡とは気付かないほどに、何もなく情報もないスポットでした。

 

しかし、どんな史跡や遺跡にも、歴史があります。ドラマがあります。

現地の専門家の方に連絡を取り、机上調査をし、1つ1つ謎を紐解いて、他のどんな観光客もが辿り着けなかった真実に近づけたとき、それは何物にも代えがたい知識と経験の財産となります。

 

机上調査編に力が入る珍しいエピソードとなっています。

2週間ほどかけてじっくり執筆しました。

 

 

京都府】芦生の森

 

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これも、そのスポットを深く知ったことで深みを増したエピソードです。

 

貴重な森である背景事情・美しい森の景色・壊れゆくトロッコ線路・血を吸うヒルの恐怖と、見どころが盛りだくさんあり、執筆の焦点を定めにくく苦労しました。

しかし、どれもが大事な要素であり、入山した僕はその全ての要素を同時に感じ、同時に対処しながら歩みを進めました。

 

読むのには少々疲れるかもしれませんが、その疲れは実際に探訪した僕の疲れとちょっとだけリンクするかもしれません。

これも2週間ほどかけて執筆しました。

 

 

◆今後の目標◆:どんなエピソードを書くか

 

全国を網羅している旨をアピールしようと、プロローグパートで全都道府県から1つずつの47スポットをご紹介しました。

 

しかしここから先はこれまでのような公平な書き方はしません。

都道府県ごとに面積も異なるし、存在するスポットの数も大きく異なります。

このブログで取り上げたいと思えるスポットかどうか、という観点もあります。

従い、自由気ままにチョイスしようと考えています。

 

また、プロローグパートよりもクセの強いスポット、逆に誰もが知っているスポットもチョイチョイ取り入れていこうと思ってます。

例えば…で、ちょっとだけ構想をご紹介します。

 

 

メジャースポットの魅力を再確認

 

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北海道の「旭山動物園」の写真です。

超メジャーで、知名度バツグンのスポットです。

 

しかし、見る人が変われば考え方・感じ方も異なるし、季節や時間が変われば、また違ったシーンも目撃できるでしょう。

 

ありきたりなガイドブック情報に偏り過ぎないよう、ライブ感に溢れる執筆をし、そのときその場所で感じたことを、豊富な情報と共にお届けできればと思います。

 

 

マイナースポットのご紹介

 

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千葉県にある「岩崎巴人の壁画防空壕」の写真です。

 

これは、あんまりWebでは出て来ませんね。

ましてやどうやってたどり着けるのか、明確に書いてあるWebサイトはほぼゼロです。

僕も1回は空振りしました。

 

だからこそ、辿り着けたときはうれしいし、辿り着けなかったときには「次こそは」と情熱を燃やすことができます。

 

しかし、僕が本当に悔しいのは、「そこに辿り着けなかったとき」ではありません。

「こんなにユニークなスポットが存在していたのに、それまでそれを知らなかった自分自身」に対してです。

 

知ることは、極上の喜びと思います。

そんな情報をあなたに届けるため、執筆できればと思います。

 

 

旅人心をくすぐるテーマ別特集

 

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徳島県にある「ゆめりあ34」の日本の中心のモニュメントです。

 

徳島県なのに日本の中心を名乗っているのです。

どういう理屈で日本の中心なのでしょうか。

そして、実は日本の中心を名乗るスポットは、他にも国内に数多くあるのです。

 

調べてみると、どれが間違っているとかではなく、どれも正解なのです。

…全部訪問してみたら面白いと感じたりしませんか?

 

そんな感じに、僕が気になるテーマごとに片っ端から国内を巡った記録をご紹介したいと思います。

 

 

滅びゆく世界のアドベンチャー

 

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山梨県にある「廃村・折門」の写真です。

ここは50年ほど前から時計の針が止まっています。

 

古地図をもとに、山奥の廃村までの道のりを導きだし、ちょっと迷ったりしつつも山歩きをして2回訪問しました。

 

現代から隔離された、タイムカプセルを開けるかのような感覚です。

 全てが朽ちて土に返るギリギリのタイミングで、過去の人の想い出を掬い取るかのような感覚です。

 

廃村や廃墟の探訪は、少し危険で、すごくノスタルジックな冒険です。

あなたご自身が気軽に行くことはなかなか困難かもしれません。

せめてブログの中でご紹介できればと思います。

 

 

◆まとめ◆ 

 

いろいろ書きましたが、僕自身が楽しんで執筆できるようなブログとしたいと思います。

 

また、あなたが仮に全然行く予定の無い都道府県であっても、興味を持っていなかった分野であっても、読んで楽しい文章になるように心がけます。

そのためにも、1つ1つのスポットを愛し、読後感が良くなるようなまとめかたを心がけたいと思っています。

 

慣れてきたころに、さらに別角度からのテーマも取り入れたいと考えておりますが、それはまだ現時点ではナイショです。

 

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そんな感じで、みなさん初めまして。

(あるいは1年半ぶりの、お久しぶりです)

 

今後の執筆に、ぜひぜひご期待くださいませ。

 

No:047【神奈川県】香港の伝説のスラム街「九龍城」!!実は川崎にも存在していたのだ!

「東洋の魔窟」と言われた、香港の「九龍(クーロン)城」。

 

126m×213mの極小の敷地にグシャグシャのビルを500個も建て、 5万人もの人が密集して暮らすアジア最大のスラム街。

その人口密度は世界最大で、約190万人/k㎡。

1畳に3人が暮らす計算だという。

 

さらに警察も介入できない無法地帯。

ドラッグ・ギャンブル・売春、なんでもござれ。

 

他人事なので、ぶっちゃけワクワクが止まらない。

 

そんな九龍城だが、1994年に取り壊されて今は更地だ。

もう四半世紀以上も前の話だ。

僕が九龍城の存在を知ったころには、もう九龍城は存在しなかった。

 

残念な話だ。

機会があれば見に行きたかった。

 

しかし…!!

 

神奈川県にあった。

伝説の九龍城を模した施設が。

 

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九龍1

 

さぁ、47番目のエピソード、つまり「全都道府県から1つずつのスポット紹介」のラストを飾るのは、神奈川県の九龍城だ!

 

 

 

電脳九龍城、潜入!

 

ここで大変申し訳ないが、重大かつ残念な前提事項をお伝えする。

『神奈川県にあった。伝説の九龍城を模した施設が。』と書いたが、これは過去形と捉えていただきたい。

 

つまり、2020年現在は既に神奈川県からも消滅してしまっているのだ。

2019年11月17日、つまり1年近く前に閉鎖してしまったのだ。

今回の記事では、僕が閉鎖前に訪問したレポートを振り返るかたちでご紹介する。

 

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川崎1

年末の近付く川崎駅前にやってきた。

九龍城はこの近くだ。

 

とりあえず目についた地下駐車場に愛車のHUUMER_H3を駐車しておいた。

 

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川崎2

これから向かう九龍城にも駐車場はあるそうだが、どんな駐車場かはわからない。

狭い駐車場だと僕の愛車は停められないので、都市部では目についた無難なところに駐車するのがセオリーだ。

 

少しだけ歩く。

見えてきた、九龍城が。

 

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九龍入口1

うわ、きったない。

錆びついてドロドロだし、ヘンテコな漢字が書かれているし。

 

超娯楽魔窟煩悩覚醒
贅沢三昧
一日五食
電脳九龍城三升五合

 

うん、煩悩が覚醒してきた。

 

廃墟ビル?いや、ここが九龍なのだから現役だ。

施設名は「ウェアハウス川崎」。実はゲームセンターである。

 

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九龍入口2

あなたのウェアハウス」って書かれている。

いや、「あなたの」って何さ。そんな汚い体でなれなれしく近づいて来ないでくれない?こっちの服が汚れそうだ…。

 

…って思うかもしれないが、安心してほしい。

これはわざと汚れているような塗装をしているだけだ。

このビルは、九龍城になりきっているだけなのだ。

 

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九龍入口3

ビルの入口である。

この内部が九龍城を模した廃墟系ゲームセンター、「電脳九龍城」である。

 

18禁。

17歳以下は入っちゃダメなんだぜ。

無法地帯のスラムは危険だから??

いや、本当の意図は「オトナが落ち着いてゲームを楽しめる空間造りのため」らしい。

 

要塞のようで全く中を窺い知れない重厚な鉄の扉。

だけども自動ドアなので簡単に開いた。

 

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九龍入口4

狭い廊下があって、その先にまた鉄の扉。

不安を煽る、お化け屋敷のような効果音が流れている。

 

この扉も自動ドア。

前に立つと「プシューッ!!」って蒸気機関みたいないい音が鳴って、扉が開いた。

 

僕が通過すると、扉が閉まった。

まぁ自動ドアだから当たり前なのだが。

念のため後ろを振り返ってドアの前に立ってみたが、もう開かない。

つまり、この扉は外から中への一方通行なのだ。

 

ちょっと待って、ちょっと待って!!

帰れるよね、これ!?

このまま九龍の住民になって、スラムで一生を送ることにはならないよね?

 

焦ってウロウロしていたら、ちゃんと別の扉を発見。

こちらは中から外に行ける。

 

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九龍入口5

出口から建物内部側を振り返って撮影してみた図。

 

なんか魔法陣みたいなところから出てきた。

まだ中に入って何もしていないのだけども、「無事に魔窟から生還できてよかった」みたいな感情が早くも芽生える。

 

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九龍入口6

ちなみに足元にはドライアイスみたいなのが焚かれているが、さらにその下は池だよ。

飛び石から足を踏み外すと、ビショ濡れになるよ。

 

上の写真は、内部側から外側を撮影したもの。

奥の方に駐輪場が見えている。

 

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九龍入口7

手すりっぽいけど、水道管。

ちゃんとバルブがある。

しっかし、こんなクレイジー動線の水道管は初めてお目にかかったぜ。

 

 

蘇るスラム街

 

では、改めて内部に入ろう。

この電脳九龍城は、写真撮影禁止である。

 

閉鎖直前には解禁されたようだが、少なくとも僕が訪問したときは撮影禁止であった。

従い、事前に取材意図やWeb掲載許可を取った上での突撃&撮影としている。

 

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九龍2

…暗い。

そして通路が狭い。

さらに、ガヤガヤ・ボソボソと中国語での会話が聞こえてくる。

お化け屋敷のようだ。

 

狭い路地には、いくつもの家屋が軒を連ねている。

試しにその1軒の窓から内部を覗いてみた。

 

半裸の売春婦が寝ていた。

おっととーー!!いきなりR18来たー!

失礼。ジャマして失礼!

 

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九龍3

路地の突き当りは、エレベーターとエスカレーターだ。

どちらもボロッボロ。

 

あ、ゲームセンターなのに1Fにはゲーム機1つもないんだな。

世界観を作り出すことに徹底している。すんごい。

 

では、エスカレーターにて2Fに行こう。

エスカレーターは、ステップもサイドのガラス板も、茶色く薄汚れていた。

汚さを極めている。

 

もちろん、これらも本当に汚いわけではない。

そういうダメージ加工をしているだけなのだ。

 

エスカレーターに沿い、壁面に貼られている数々の中国語の怪しいポスターを見ながら、2Fへといざなわれる。

 

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九龍4

うお。

スラム街だ。

まごうことなき、ガチなスラム街が頭上に広がっている。

 

この時点で、ビル内にいるという感覚はほぼ失われた。

僕は今、夜の九龍にいる。

 

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九龍5

肉屋もある。

「今夜はクリスマスですかな?」ってくらいに、ダイナミックなチキンを陳列している。

 

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九龍6

30元・48元・60元…。

正直、高いのか安いのかよくわからない。

 

でも、そういう価値観の異なるフィールドで非日常を楽しむのも、海外旅行の醍醐味だと思う。

 

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九龍7

食べ歩きするなら、15元のこのサイズかな…。

 

ま、実際には打っていないし作りものなので食べられないけど。

しかしこのリアリティよ。

実に食欲をそそられる造形だ。

 

次は、バランスを取るために食欲を削ぐスポットをご紹介しよう。

 

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九龍8

トイレ。

 

キング・オブ・不浄スポットである。

もう入口前に立つだけで、「この先はヤベーぞ…」と足がすくむ。

 

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九龍9

注意!!!可疑人物

 

可疑人物ってのは、中国語で「不審者」だね。

はい、こちらの不安を煽ってきているね。

 

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九龍10

梅毒と淋病に特化した、診療所のポスターだな。

しっかしこの2つの病気ってさ…(以下、自主規制)。

 

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九龍11

中国語での『滑るので注意』の注意プレートと、『小便するな』の落書き。

トイレの前で立小便するかな?

あと一歩のところで限界来たのかな? 

それとも観光バスがジャンジャン来て、すんごい行列だったのかな?

 

まぁどうでもいいや。

中に入ろう。

 

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九龍12

 

おおぉぉぉぉーー!!!

 

 

どうだ、この写真からでもかぐわしい臭いが漂ってきそうな迫力は!!

この汚さはヤバいだろ!!

 

…と思いきや、これも汚れデザイン。

実際は綺麗だ。便器をよく見ればわかると思う。

 

しかし、気持ち的にはなかなか理解しづらいデザインだな。 

それだけリアルだということ。

 

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九龍13

洗面台も汚ーーい!!

 

鏡もボロッボロ。

何を洗っても綺麗にならなさそうな、このジレンマよ。

 

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九龍14

ちょっと変なアングルの写真しか残っていなくって恐縮だが、コインロッカーもボロボロの塗装を施されている。

 

徹底しているな、ホントに。

楽しくってしょうがないぞ。

 

 

レトロゲームセンター

 

そういやここ、ゲームセンターだったな。

 

ここまで読んでくれたあなたにとって、どこがどうゲームセンターなのか理解不能であろう。

従い、ゲームセンター部分を少しご紹介したい。

 

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ゲーム1

ゲーム機。

九龍の路地にポツンポツンと設置されている。

全然コロナの時代ではないのに、ソーシャルディスタンスがバッチリな配置だ。

 

◆手前のテーブル型のゲーム機は、昭和時代に喫茶店に置かれていたりしたものだな。

幼少期と、全国のレトロスポット探訪にて見たことがある。

 

内蔵されているゲームは平安京エイリアンだ。

1980年に稼働開始した、超有名ゲーム。

僕はプレイしたことないしどんなゲームかも知らないが、名前だけはよく知っている。

 

◆右奥はSEGAスペースハリアーだ。

1986年のゲーム。名前だけ聞いたことがあったが、今回初めて見た。

 

◆左奥の大きな筐体は、TAITOのダライアスだな。

これも1986年。

 

これはプレイしたことないが、よく知っている。

続編出ているうちの1つをやったことある。敵機のデザイン秀逸。クジラ好き。

横3画面分を繋ぎ合わせた、伝説の筐体だ。

現存しているゲームセンターは非常に少ないと聞いている。

 

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ゲーム2

退廃的な世界の中に、煌々とデジタルディスプレイの光。

ミスマッチなようだが、意外と溶け込んでいるようにも感じてきた。

ディストピアな雰囲気が溜まるところを知らない。

 

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ゲーム3

こういうところにシレッとゲーム機を配置するセンスな。

天才か。

 

アパートの住民も「さて、洗濯も終わったし、じゃあ1階でちょっとワンゲームしてくるわね」という気軽さだ。

 

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ゲーム4

申し訳程度の、ゆがんだひさしの下にある筐体。

100点。

非の打ち所がない。芸術性がダダ漏れして大洪水を起こしている。

 

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ゲーム5

なぜ、スラム街とゲームセンターを融合したのか。

どことなくアンダーグラウンドなイメージが合致したのだろうか…?

 

九龍というエッジの効いた題材を選んだ、その感性に僕のできる得る限りの賛辞を贈りたい。

九龍を味わえるこの幸せに、心からの感謝をする。

 

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ゲーム6

UFOキャッチャーと自動販売機だ。

古代兵器のブリキのロボットのようになっちまっているけど。

 

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ゲーム7

こいつ、サビッス台

 

…もしかして、サービスとサビ(錆)をかけているのか…!?

『できる得る限りの賛辞を贈りたい』って書いたばかりだけど、少し萎えた。

 

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ゲーム8

自販機で売っているものは普通。

だけどもパネルが汚くって、中身がやや霞んで見える。

全体的にセピア色に見える。

 

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ゲーム9

先ほどのチャイニーズ・ケンタッキーの横の路地から、バイクの尻が見えている。

これもライド系筐体だ。

 

いたるところにゲーム機が潜んでいる。

それが電脳九龍城。

伝説のゲームセンター。

 

 

九龍の生活

 

実際の九龍は、前述の通り狭い敷地に500ものビルが建っていた。

完全に違法建築。

ただただ無造作に階を積み上げていくようなイメージなので、ガッタガタ。

子供の積み木のように、今にも崩れそうな感じであった。

 

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九龍15

唯一のルールは、最上階の高さを守ること。

すぐ隣が空港なので、高すぎるビルは飛行機との接触の危険性がある。

飛行機は、本当にビルのギリッギリ頭上を掠めるように飛行していたそうだ。

 

ビルが倒れないように、隣と密着させるように建造していた九龍。

当然、内部には全く日がささない。

路地は迷路のようだし、いつもジメジメして真っ暗だったという。

 

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九龍16

そんな中でも緑を育てたいと思うのは、もはや人間の本能なのだろうか?

緑を見て、少しでもすさんだ心を癒そうと思っていたのだろうか?

 

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九龍17

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九龍18

そんな環境下で、洗濯物はちゃんと乾いたのだろうか?

「おひさまのにおいがするー!」みたいな、フッカフカのお布団にダイブすることはできたのだろうか?

 

水道管は整備されておらず、地下から汲み上げるスポットが何箇所かあったようだ。

あとは、汲み上げスポットからパイプで引っ張ってきたり。

しかし下水は無いのでそこいらに排水。

なかなかの不衛生。

 

電線とかも適当に引っ張ってきて接続。

従い、パイプやケーブルが縦横無尽に張り巡らされた、カオスな世界となる。

 

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九龍19

商売をするのに、資格は必要ではない。

だって無法地帯だから。

 

九龍には歯医者が非常に多かったという。

上に掲示されている「牙科」というのは、歯医者を指している。

 

スラムで無免許の歯医者に治療を受ける…。

なかなかにスリリングな思い出造りをできそうだな。

 

そして、上の写真内には「鮮菓」の看板も…。

こういうところで「鮮」の文字は、正直使ってほしくないよね。

 

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九龍20

衛生状態が悪いから、病院や虫歯の人も多かったのだろうと推測。

だから医者が求められる。

崩れ落ちそうな危ない世界の中で、需要と供給が握手をしている。

 

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九龍21

なんだかよくわからないけど、飲食もできるみたいだな。

 

九龍ではありとあらゆる商売があり、その中だけで生活は完結できるだけの環境はあったらしい。

エネルギッシュなのだ。何をやってもいいから、いろいろチャレンジしていたのだ。

 

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九龍22

そんな人たちが、ここでたくましく暮らしている。

 

www.albatro.jp


さらに階を登り、2Fと3Fの間の空間から九龍を堪能しよう。

 

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九龍23

薄暗いビルの一室。

生活空間が完全に再現されていた。

 

IKEA」のモデルルームに、こんなのが1つあってもいいかなって一瞬思った。

絶対やってくれないだろうけど、とんがったコンセプトがあってもいいじゃない。

多様化の時代なんだから。

 

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九龍24

そこかしこに、生活の匂いがする。

たかがゲームセンターに、ここまでの力を注ぎこむ決意は、並ではないだろう。

 

ゴミや一部の備品・ポスターなどは現地から取り寄せもしたそうだ。

こだわりのメーターが完全に振り切れている。

 

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九龍25

 

川崎スラムの終焉

 

そんな九龍を身近に感じられる存在であった、電脳九龍城。

冒頭に記載した通り、2019年11月で閉鎖してしまう。

 

一部マニアに人気だったのに、いきなりの閉店発言。

閉店予定のニュースを見た僕も、動揺を隠せなかった。

 

店側は、閉店理由は「諸般の事情により」としか公開していない。

取材に対し「建物の賃貸契約期間が満了したため」と返答したとの情報もある。

 

マニアたちは裏事情を知るためにいろいろ動いたり推測したりしていたようだが、僕はそこまでの興味はない。

 

ただただ、貴重な財産が失われてしまうことを残念に感じた。

 

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九龍26

こんな施設、2度と現れないだろう。

 

昭和レトロを再現した施設などはそこそこ見かけるが、アンダーグラウンドに真正面から突っ込んでいった、稀有な施設。

そして妥協を許さない、その作り込みの精度。

 

「らしさ」を表現するために、並々ならぬ調査や検討を重ね、それなりの費用を投じたのであろう。

 

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あの日、出会えたことを感謝する。

 

さらば、電脳世界のスラムよ。

 

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 電脳九龍城(2019年11月閉店)
  • 住所: 神奈川県川崎市川崎区日進町3-7
  • 料金: 入場は無料
  • 駐車場: あり(有料)
  • 時間: 月〜金9:00〜23:45、土日祝7:00〜23:45

 

No:046【山形県】最上川に設置された巨大な堰!ただし魚と船が通れるギミックがあるぞ!

『五月雨(さみだれ)をあつめて早し最上川』 

 

我が国、日本を代表するポエマー「松尾芭蕉氏」が「最上川」を船で下る際、想像以上に川の流れがワイルドで、むしろ「スプラッシュマウンテン」のクライマックスみたいな感じだったそうで、その驚きに対し5・7・5の呼吸法で悲鳴を上げたのが、これだ。

 

そんな最上川の、河口からさかのぼること28㎞地点。

芭蕉の句の「さみだれ」を冠した大掛かりな堰(せき)が存在する。

※堰:堰堤とほぼ同じ意味。わかりやすく言うならダム。

 

その名を、「最上川さみだれ大堰(おおぜき)」という。

芭蕉もビビる天下の最上川を堰き止めるその施設は、いったいどのようなものなのだろうか…!?

 

 

日本最大級のラバーダム

 

梅雨の終盤の晴れ渡ったある日、僕はそこを目指した。

さぁ、見えてきたぞ、さみだれ大堰だ。

 

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大堰1

遠目から見ると、完全にただの橋だな…。

これをパッと見て「ダムでしょ」・「堰でしょ」と言える人は少ないかもしれない。

 

しかし、そんなこととは関係なしに、この最上川雄大な風景に心を打たれる。

緑に囲まれた大河。

なんか「日本の夏!」って感じ。

このような季節にこういうところをドライブできることに、至上の喜びを感じる。

 

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大堰2

もう少し近づいてみた。

橋の下で、川に高低差ができているのがおわかりだろうか?

そう、ここで水量を調整しているの。この下が堰なの。

 

最上川下流って、「庄内平野」っていうダダッ広い土地があり、米作りが盛んなのだ。

そこに安定した水を供給することで、おいしいササニシキだとかひとめぼれとかが、僕らの食卓にのぼるのだ。

ありがたいダム。

 

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大堰3

橋の上から下を見下ろした。

結構ワイルドに泡立っている。

 

ダム直下はやっぱキケンだ。

かつての芭蕉と同じくらいビビった。

 

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大堰4

遠くを見ると、こんなにものどか。

心が満たされるような眺め。

 

コロナ禍でずっと外出を控えていたので、この日差しと自然が身に染みる。

「生きているー!」って感じる。

 

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大堰5

橋の下に回り込んでみた。
ダムの高低差がよくわかるようになった。

 

これ、ラバーダムっていうらしい。しかも国内最大規模の。

どんなダムかっていうと、ゴム製の巨大なチューブを川の中に仕込んでいる。

 

ゴムがしぼんでいれば、川は普通に流れる。

ゴムに空気を送り込んで膨張させると、川の流れを大幅に堰き止める。

 

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大堰6

こんな絵でイメージできるだろうか?

川を輪切りにして、真横から見た図だ。

今はたぶんゴムが膨らんでいるから、橋の下が軽く滝みたいになっているのだ。

 

「ゴムってどんななの?」って思うあなたのために、敷地内にはサンプルもあるぞ。

 

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大堰7

ゴムチューブを輪切りにすると、上記のような感じだ。

これは膨張した状態での輪切りであろう。

 

MAXに膨張した場合、高さは2.7mにもなるそうだ。

これがちょうど、川面の高さと同じくらいになる。

 

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大堰8

これは日本5周目を走っている頃、ゴムが全然膨らんでいないシーンを撮影したものだ。

橋の下がすごく穏やかなのかおわかりいただけると思う。

 

こうやって季節に応じ、水量をコントロールしているのだな。

 

 

船通しと魚道

 

このダムには、面白い抜け道がある。

通常はダムを作ってしまうと、船も魚もその上流側と下流側を行き来できなくなってしまう。

 

ja.wikipedia.org

 

試しにダム界のカリスマ、「黒部ダム」の画像を引っ張ってきた。

こんなところ、船も魚も通行できないよな。 

しかしこのダムは可能なのだ。

 

船通し

 

まずは船側で見てみよう。

仮に上流から下流に向かって、芭蕉さながら下っていると仮定しよう。

さみだれ大堰が見えてきたぞ…!

 

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船通し1

堰あり、航行不可、右へ ⇒

 

橋にはこんな横断幕がかかっている。

その通り、右へと舵を切ってみよう。

 

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船通し2

 

船通し閘門(こうもん)!!

 

 

かっこいい、船用のゲートが右側にある!

結構狭そうでテクニックがいりそうだけど、ここのゲートを開けてもらうことで、船が通行できるようになっているのだ。

 

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船通し3

正面近くからも撮影してみた。

木々がジャマでいい写真が撮れなくって申し訳ない。

 

もっと接近して、船のルートを覗き込んでみよう。

 

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船通し4

 

はい、すごーい!

隣ではザブザブと滝のように水が流れ落ちている中、船通しはフラットに橋の下を通行できるようになっている。

 

僕としては右側のほうが「カリブの海賊」のちょっとした落下ゾーンのようで楽しめそうな気もするが、ここを通る船はそんな楽しさを求めているわけではないので、キチンと横の船通しを使うのだろうな。

 

 

魚道

 

実は、魚も通れるぞ。

先ほどは船専用の道を紹介したが、次は魚専用の道を紹介する。

 

それが…これだ。

 

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魚道1

 

世にも珍しい、魚専用の水路。

 

 

写真の右側に、先ほどの船通しが見える。

さらにその外側、川の端ギリギリに魚用の道が造られている。

 

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魚道2

上記は日本5周目で撮影した写真である。

川に沿って魚道が伸びているのがわかる。

 

最上川は、イワナだとかアユだとか、20種類ほどの魚が遡上してくるのだそうだ。

ダムがあっては、それらの魚がまともに遡上できない。

だからこうやって魚道を設けたそうだ。

 

このスポットには、もう1つ面白い施設がある。

 

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魚道3

それがあの中にあるんだぜ、フフフ…。

ダムの管理事務所の一角に、「フィッシュギャラリー」というコーナーが設けられている。

 

ガラス越しに魚道を真横から見れるんだぜ。

そうすると、川を遡上してくる魚が目の前に見れるんだぜ。

しかも無料で。

 

日本5周目のときには夕方で既に施設が閉まってしまっていたので、日本6周目の今回は見れるといいなーって思いながらやってきたのだ。

 

 

…うん、今回も閉まっていた。

 

サイトによると「月~金曜日 AM 9:00~PM 4:30 (5月~9月は土・日・祝も開放します)」とのことだが、ちょうど今はコロナ禍。

人の集まりやすい土日は閉鎖していたのだ。

残念。

 

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魚道4

せめてもの償いとして、施設前に掲示してあった説明板の写真を掲載する。

5月から9月は魚の遡上シーズンで、魚が見やすいんだってさ。

 

僕は実際見れなかったので、あなた自身で見に行ってくれれば幸いと思う。

僕のカタキを取ってくれ。

 

 

最上川は、暴れ川

 

本当に穏やかに晴れ渡った夏の1日であった。

しかし同じ日、九州はとんでもない豪雨となり、「令和2年7月豪雨」と名付けられた甚大な災害となった。

 

ja.wikipedia.org

 

その低気圧は数日後には東北にまで北上し、ここ山形県最上川エリアにも直撃することとなる。

大蔵村大石田町大江町村上市内の計6箇所にて最上川は氾濫し、周囲の住宅を飲みこんだ。

 

僕が訪問したほんの数日後の惨事であり、牙を剥いた最上川と周辺の住宅の変わり果てた様子にショックを受けた。

 

幸いにして最上川さみだれ大堰付近では目立った被害はなかったようだが、最上川は古来から有名な暴れ川である。

自然の力は恐ろしい。

 

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自然と共存し、自然をうまくコントロールしていければよいのだが。

むしろ逆効果になってしまった事例も多いだろう。

 

なかなか人間は罪深い。

 

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しかし、まずは知ること。

そして考えること。

 

1人1人ができることは限られているけど、いろんな視点から日本を見ていきたいと思う。

 

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…嵐の前の静けさ。

本当に、青空の綺麗な1日。

僕は最上川をさかのぼり、次のスポットへとアクセルを踏む。

 

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 最上川さみだれ大堰
  • 住所: 山形県酒田市上安町1-2-1
  • 料金: なし
  • 駐車場: あり
  • 時間: 特になし。フィッシュギャラリーは月~金曜日9:00~4:30(5月~9月は土・日・祝も開放)

 

 

No:045【石川県】怪鳥ロックの巣!?湾に浮かぶ「ボラ待ち櫓」は日本最古の漁法の痕跡だ!

あなたは「ロック鳥」をご存じだろうか?

 

アラビアンナイト」の「シンドバッド」の冒険で出てくる怪鳥ロックが有名だろうか?「ディズニーシー」のアトラクションにも登場するし。

グリフォン・フェニックス・ガルーダなどに派生する場合もある。

 

いずれもデカい鳥で、ゾウを3頭ヒナに一気に与えたりする伝説がある。

うん、デカい。

 

翼を広げると、昼でも周囲が暗くなるほどだという伝説がある。

うん、さすがにそれは盛りすぎだろう。

 

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ボラ待ち櫓1

そんな「怪鳥ロックの巣」と例えられた建造物が、能登半島の七尾湾にある。

名前を「ボラ待ち櫓(やぐら)」という。

今回はそれをご紹介したい。

 

 

中居湾ふれあいパーク

 

ボラ待ち櫓は全部で3つある。

 

うち2つは、日本2周目から6周目にかけて毎回訪問している、ヘビーリピーターだ。

うち1つは未だ訪問したことがない。

すさまじいヒエラルキーを作ってしまって申し訳ない。

 

言い訳をするならば、8年ほど前のツーリングマップルには、僕が訪問している2つしか掲載していないからなのだが。

 

今回は3つ全てご紹介したいところだが、未訪問スポットを紹介はできないので、まずは過去4回訪問している「中居湾ふれあいパーク」のボラ待ち櫓からだ。

 

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中居湾1

これがボラ待ち櫓。

海に浮かぶアスレチック遊具のような建造物だ。

 

僕の訪問した2箇所はいずれもデザインは酷似している。

主な違いを挙げるとすれば、ここ中居湾のボラ待ち櫓は愛車と一緒に撮影できるという点。

 

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中居湾2

日本3周目では、1月の厳冬期に訪問した。

 

すごい雪だったので、このときのみはノーマルタイヤの愛車ではなく、スタッドレスタイヤのレンタカーを使用した。

ドライブに愛車を使わなかった、非常に稀有な例だ。

 

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中居湾3

ドロドロに曇った夕暮れの、HUMMER_H3とボラ待ち櫓。

これもこれで絵になる気がする。

 

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中居湾4

時代とともに、僕の愛車はコロコロ変わる。

 

しかしボラ待ち櫓は変わらない。

春夏秋冬、晴れの日も曇りの日も、中居湾に佇んでいる。

 

あ、もう1つだけ、ずっと変わらないものがあるよね?

 

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中居湾5

 

彼だ。

 

 

櫓の上で微動だにせず、仙人のように悠久の年月を鎮座している。

彼は何者なのか。

 

今回写真は掲載しないが、愛車ステップワゴンで豪雪の中を訪れた日本2周目の際には「吉村ぁーー!!」と呼びかけながら雪玉を投げたが、肩が貧弱すぎて余裕で届かなかったばかりか、吉村も微動だにしなかった。

 

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中居湾6

このことから、僕はいくつかの仮説を立てた。

 

  1.  吉村は耳が遠い
  2.  吉村は人形である
  3.  吉村は静かに過ごしたい

 

あなたはこう考えたはずだ。

「2が正解だろう。1と3は、YAMAのヤツが笑いを取るために書いたのだろう。」

 

悔しいが、あらかた正解だ。

確かに吉村は人形である。日本6周もしていると、さすがに気付いた。

しかしある意味「3」も正解だ。

 

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中居湾7

吉村が人間なのか人形なのか、そんなことはとりあえず置いておこう。

次項で、「なぜ動こうとしないのか」に着目してみよう。

 

 

日本最古の漁法?

 

そもそもボラ待ち櫓とは何なのか。

ボラってのは、魚のボラだ。 

 

ja.wikipedia.org

 

僕が子供のころ、父親とときどきハゼ釣りに行った。

父親はボラが釣れると「これはおいしくない」といってリリースしてたりした。

調べてみると、ボラは水質の悪いところだと身に臭みが出るらしい。

僕ら、ダーティーな海に生きる一家だったのか。最近知った。

 

しかしここ七尾湾の水はとても綺麗だ。

ボラを刺身にして食べるととてもおいしいらしい。

従い、古来からこの地ではボラの漁が盛んであった。

 

では、どうやってボラを捕獲するのか。

 

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ボラ待ち櫓2

その答えがボラ待ち櫓である。

 

吉村は、櫓の下に網を設置してひたすら待つ。

静かに、音を立てぬよう、動かぬよう。

 

なぜなら、ボラは臆病な魚であり、人影が見えると即座に逃げてしまう。

だから吉村は動かない。動かざること、岩のごとし。

ひたすら待つ。

何時間でも、櫓の上でその時を待つ。

 

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ボラ待ち櫓3

その網の中に偶然ボラの群れが入ったとしよう。

吉村の目が光る。

一気に網を引き、ボラの群れを一網打尽だ。

 

これがボラ待ち櫓の漁法。

僕が雪玉を投げたくらいで吉村が動じない理由がおわかりいただけたと思う。

 

しかし、極めて個人的な感想を言わせてもらうのであれば…。

ただただボラが通過するのを待つのではなく、「エサにおびき寄せる」などの集客性をプラスしたほうが効果的ではなかろうか。

 

 

そしてもう1つ。

網を引くというシンプルな動作のために人間1人を長時間拘束するのがもったいない。

ネズミ捕りやゴキブリホイホイなど、他の多くの捕獲系の罠がそうであるように、オートマチックにボラを捕獲できるギミックはなかったのだろうか?

 

正直「考え方がノビノビしすぎているぜ」って思った。

しかし、同時に「それもまた風流」って思った

もはや侘び寂びの境地だ。禅問答だ。悟りを開きかねない。

吉村上人。

 

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ボラ待ち櫓4

 

尚、このボラ待ち櫓は日本最古の漁法と呼ばれている。

江戸時代ごろから伝わる、伝統的な漁法だそうだ。

 

インパクトのある肩書だが、本当なのか?そもそも「漁法」ってなんだ?

水産庁農林水産省のWebページにて、ちょっと調べてみた。

…が、正直よくわからなかった。

 

広義の漁法には、釣り竿や手持ちの網を使う方法も含まれる。

もっと大掛かりなギミックのみを漁法という言い方をするケースもあるが、例えば地引網などは室町時代の段階で「九十九里浜」で始まっている。

 

かといって、ここ以外に日本最古の漁法を名乗っているところはなかった。

なにをもって日本最古の漁法なのか。

これは、また追って調査をしていきたいと思う。

 

 

根木ポケットパーク

 

ここまで掲載したのが、中居湾のボラ待ち櫓だ。

次は、同じく複数回訪問している、根木ポケットパークのボラ待ち櫓をご紹介したい。

 

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根木1

ここは、トイレのみの小さなパーキングから徒歩5分強の場所にある。

中居湾と比べてアクセスがやや面倒。

 

しかもロクに歩道がない国道を歩き、最後ボラ待ち櫓に接近する際にも、歩道などない岸壁のゴチャついているエリアを突破する必要がある。

 

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根木2

いちばん簡単なのは、国道に一瞬路駐し、ズームで櫓を撮影する方法だ。

近付いてゆっくりの写真撮影は、中居湾側でやればよい。

 

…しかし、僕にはここで譲れないものがある。

だからこそ、ほぼ毎回ボラ待ち櫓までテクテク歩く。

正直、国道を走る車からは奇異の目で見られるのだが。

 

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根木3

それがこれだ。

『日本最古の漁法 ぼら待ちやぐら』の標柱。

前項でネガティブな発言しておいて申しわけないが、こういう標柱は好き。

 

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根木4

標柱と小さな漁船、そして浅瀬のボラ待ち櫓。

なんだかすごい自然体で絵になるでしょ。

 

中居湾の方は目の前の駐車場にジャンジャン観光の車が停まるけど、こっちのほうは自分以外の観光客を見かけたことがない。

そういう意味でも好き。

 

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根木5

直近の日本6周目で訪れた際は、標柱もリニューアル。

周辺もなんとなくこざっぱりしたように感じた。

地域にもまだ見捨てられてないぞ、愛されているぞ。

 

さらに、以下のような説明板がある。

 

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根木6

僕が特に興味津々が後半部分を以下に抜粋しよう。

 

明治二十二年(一八八九)に当町を訪れた米国人天文学者のパーシヴァル・ローエル(一八五五~一九一六)が、「創世記に出てくるノアの大洪水以前に在った掘っ建て小屋の骨組みを、これも有史以前の伝説による怪鳥ロックが巣に選んだ場所」と形容している。

 

著書「NOTO」の中で、そう書いたらしいね。

正直、かなりわかりづらい形容だ。少なくとも、明治時代の人は「ノアの大洪水」とか「ロック」とか言われても、ポカーンだよね?

 

しかし、興奮したときってとりあえず突っ走った形容をしちゃうことってあるよね。
ローエルさんも、きっとそうだったのだろう。

あるいは、ちょっと変化球を投げすぎなポエマーだったのだろう。

 

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根木7

ボラ待ち櫓は、高さ10m~15mにもなるという。

実際に見てもそこまで大きい感覚はないんだけど、吉村のサイズを見ればかなり目のくらむような位置での漁業ではないかと想像できる。

高所恐怖症には無理だろう。

 

最盛期には、これが40基ほども湾内に設置されていたそうだ。

さらに、実際に漁をする際にはボラを獲るための大きな網も海面に設置しているしな。

 

そんな様子を思い描くと、ローエルさんが驚くのも納得だ。

 

 

終焉と復活

 

ボラ待ち櫓を使った漁は、1996年まで行われていたそうだ。

割と最近までやっていたんだなって思った。

 

平成の世であれば、もっとテクノロジーを駆使した漁法もあっただろうが、櫓の上でノンビリとボラを待っていたのかー。

 

こうして歴史に幕を閉じた漁であるが。2012年に復活した!

 

www.seiryo-u.ac.jp


 

16年ぶりの復活。

当時の漁師さんの胸の高鳴り。

2時間待って3匹。

 

これが成功と言えるのかどうかは僕にはよくわからないが、読んでいて僕も胸が熱くなった。

 

その後、観光客向けにたまに実演することがあると聞いたことがある。

あいにく僕は実際現地でその情報を得たり、目撃したことはないのだが。

 

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ボラ待ち櫓5

鏡のような静かな湾に佇む櫓。

一見ノンビリしているように見えるが、水面下のボラを息を飲んで待ち構える漁師さん。

 

そんな江戸からの伝統が、現代もこうして目に見えるかたちで存在することに、大きな喜びを感じる。

 

 

吉村、ありがとう!

これからもここで、観光客に夢を与えてくれ!

…吉村!!

吉村、聞こえてる!??

 

> 1. 吉村は耳が遠い

 

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 中居湾のボラ待ち櫓
  • 住所: 石川県鳳珠郡穴水町中居
  • 料金: 無料
  • 駐車場: あり
  • 時間: 特になし

 

 

  • 名称: 根木のボラ待ち櫓
  • 住所: 石川県鳳珠郡穴水町根木ホ165
  • 料金: 無料
  • 駐車場: あり
  • 時間: 特になし

 

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No:044【茨城県】筑波山の「ガマ洞窟」!B級スポットの聖地であるオバケ洞窟に潜入した!

筑波山」の山麓には、「ガマランド」というテーマパークがある。

 

テーマパークという単語を使うのを憚られるほどに、世紀末でカオスなスポットである。

「生ける廃墟」とかって単語がよく似合うスポットである。

 

まさにテーマパークのゾンビ

ゾンビのテーマパークではないよ、「テーマパークのゾンビ化」。

存在そのものがゾンビなテーマパーク。

 

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ガマランド

これらの詳細を取り上げていては、いくら時間があっても足りない。

今回は、ガマランドの中で最大…、いや、唯一のアトラクション??

…そんな位置づけの「ガマ洞窟」をピックアップしてご紹介したい。

 

とりあえず、あなたもガマランドがマジな廃墟になる前に、ガマ洞窟は行っておいたほうがいい。

人生が豊かになるから。…たぶん。

 

 

チケット購入

 

テーマパークに行くと、「どのアトラクションに行こうかな?」とワクワクするに違いない。

しかし、ガマランドには選択肢が少ない。

ガマ洞窟しかまともな施設が残っていない。

 

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ガマ洞窟へ1

しかしそのガマ洞窟が強烈すぎる。

残念ながら選択肢は他にないものの、ワクワク感だけは本物である。

僕は今、最高にワクワクしている。

 

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ガマ洞窟へ2

ガマ洞窟入場の方は売店にて入場券をお求めください

 

ここが洞窟入口である。

黄色い暖簾(?)と立て看板に、ほぼ同じメッセージが書いてあるが、どちらも見づらい。今一歩、工夫を…。

 

そして、ガマ洞窟は有料である。

ガマランド唯一の有料施設。料金は500円。

隣接する、唯一の有人施設である売店で料金を前払いする必要がある。

 

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ガマ洞窟3

売店のおばちゃんに料金をお支払い。

売店はすんごい昭和レトロ感を醸し出していた。

 

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ガマ洞窟4

ガマ洞窟

無事通れれば どんな災害も まぬがれるでしょう

(通ってみて ラスカルより)

 

「ま、ガマ洞窟自体が災害だけどな…」っていう感情を押し殺しつつ、ふんぞり返るタヌキの頭を撫でておいた。

 

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ガマ洞窟5

では、ガマ洞窟突撃。

 

 

エントランスホール

 

黄色い暖簾を「よ、飲んでるかい?」って居酒屋に入ってくるおっちゃんのようなノリで押し上げ、洞窟に一歩足を踏み入れる。

 

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ガマ洞窟6

お客様へ

入場料の払い戻しはいたしません

 

入口から入ると同時に、この注意書きだ。

「なんだこのくだらない施設は!500円返せ!」

そんな戦いが過去何度も繰り広げられたことを想像させる。

 

ところで、書くなら入口より手前に書いておけばいいのに。

料金払ってから掲示しても遅くないかな?

まぁ僕は後悔なんてしないけどね。ここには500円以上の価値があると確信している。

 

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ガマ洞窟7

『別世界に入ってみよう』のスローガン。

 

別世界というか、なんというか…。

やさぐれた一家が住まうボロアパートの玄関みたいな雰囲気になっている。

正直、戸惑いを隠せない。

 

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ガマ洞窟8

使い古したウサギのぬいぐるみに、造花。ヘタクソな逆ハート(?)の切り抜き。

ビニール袋の中の消化器。おっちゃんの人形の上半身。

 

この世界観をうまく表現できるボキャブラリーが無いのが悔しい。

ホント、カオスな一家のアジトとしか言いようがない。

 

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ガマ洞窟9

あぁ、これ。

昭和の台所の入口にかかっている、ジャラジャラしたアレだ。

正式に言うなら木製暖簾だ。

 

あるいは、映画「レオン」で「ゲイリーオールドマン」がベートーベン聞きながら一家皆殺しするときに、ジャララ…っと開けるヤツだ。

 

まだ洞窟に入って4mなのに、ネタが多すぎるぞ。

では、次なる部屋である、台所(?)に入ろう。

 

 

暗闇のストレート

 

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ガマ洞窟10

暗ッ。

ほぼ何も見えない。

 

目を凝らす。

 

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ガマ洞窟11

『入場券は必ずお求めください』

 

おどろおどろしい字体で、まだこんなことを書いている。

お金の恨みは恐ろしい。

ちゃんとチケット購入してよかった。

 

そして、ちょっと気になったのでフラッシュ撮影をしてみた。

どうせお客さんは皆無だし。

 

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ガマ洞窟12

うーん、チープだ。

そしてまた暖簾だ。暖簾には、泥遊びした人の手形みたいのが大量についている。

足元には、着物を着た鳥かなんかのぬいぐるみ。

 

はい、では2つ目の暖簾をくぐろう。

 

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ガマ洞窟13

暗いなぁ。とにかく暗い。

手探りで狭い廊下を歩いている。

 

左右の壁にはブラックライトで絵が描かれている。

 

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ガマ洞窟14

オバケかな?

そしてその周囲には無数の人魂が飛んでいるようなペインティングだ。

 

「あぁ、ここの創造主はお化け屋敷を作りたいんだな」って、初めて思った。

ここまでは、何を作りたいのか全くプロファイリングできなかったので。

 

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ガマ洞窟15

 …クソォ。

この1枚の写真だけで、どれだけのツッコミどころを用意してくれているんだよ。

どれだけ多岐にわたる世界観を融合させているんだよ。

このセンス、悔しい。

 

  • 無造作に吊り下げられる着物
  • 「巨大イノシシ」を示す蛍光プレート
  • エロい紫色のブラックライト
  • 注連縄
  • 影絵で造ったネコっぽい獣の横顔
  • イカつい系のカーアクセサリーメーカー「DAD」のタオル

 

スゲーな。

このメンバーが一堂に会する場なんて、ここ以外にないよ。

アベンジャーズ」みたいな感じになっているよ。夢の共演

 

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ガマ洞窟16

フラッシュ焚いてみた。

着物と「DAD」がよく見えるようになった。

「DAD」の下に吊るされているのは、「ディズニーシー」の浮き輪マンじゃないか。

ポートディスカバリーから持ってきたのか?

 

あと、正面奥に「鍋島の」って書いてある札がある。

「鍋島の猫」って書いてあるんだろうな、あれは。

確か戦国時代に九州で勃発した化け猫騒動だ。ネタがレア。

 

次に、吊るされたピンクの着物を潜ったところで写真を撮ろう。

 

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ガマ洞窟17

 「DAD」、風呂上りみたいに手ぬぐいを頭にかけている人、般若心経、ネグリジェ

ネグリジェ!??

 

ところどころにパワーアイテムを配置してくれる。

 

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ガマ洞窟18

なんだか、ちゃんと怖いものがあると安心する。

 

でも、よく見ちゃダメ。

「手ぬぐい?バスローブ??」って、また情報処理が追い付かなくなるから。

ふんわりと、視力0.01くらいの設定で世界を見たほうが、人生楽しいって。

 

 

イノシシとヘビ

 

次は、巨大イノシシ行こう。

道は二手に分かれているので、まずはイノシシを紹介する。

 

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ガマ洞窟19

「DAD」のT字路を左に曲がる。

 とにかく暗い。手探りだ。

 

ちょっとさ、またフラッシュ焚いて撮影してみよう。

 

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ガマ洞窟20

そう来ましたか。

フジカラーの立て看板(?)がこんなところに。

昔、写真屋の店頭とかでよく見たヤツだ。

 

写ルンですあります。」とか書いてあるけど、絶対ないだろ、こんな洞窟内に。

 

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ガマ洞窟21

イノシシの看板に導かれるまま、緩い階段をのぼって行き止まりまでやってきた。

 

登り坂だけども天井の高さは変わらずで、なんだか非常に圧迫感のある空間。

手前には岩がゴロゴロ。

そして、岩の上に「ヘビの谷」と書かれた木片が無造作に投げ出されている。

 

その奥には檻。この中にイノシシがいるのかな?

横にはプレートが掲げられている。

 

猪明神

(猪突猛進)

入試突破

合格祈願

家内安全

 

猪突猛進でいいのか、それら?

まぁ勢いって大事だからいっか。

 

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ガマ洞窟22

檻を覗いた。イノシシいた。剥製だ。

暗闇で見るイノシシって割と怖いことを知った。

 

「つくば山産」って書いてあった。ここで捕れたのか。

 

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ガマ洞窟23

 改めて、ヘビの谷を見てみよう。

 

「ヘビの谷」と言うからには、それはもうヘビがウジャウジャと蠢いているのかと思いきや、1匹丸まっているだけだった。

隣にはタバコの吸い殻がギッチリ詰まったネットが置いてあった。どういう魂胆??

 

 

暗黒ブティック

 

来た道を戻り、DADのT字路を反対側に行く。

 

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ガマ洞窟24

相変わらず真っ暗。

ところどころ原色に光り輝いている。

 

ディズニーシーのマーメイドラグーンを限りなく陳腐にしたら、こんな感じになるかな?

あ、いや別にガマ洞窟が劣っているとか言いたいわけじゃないよ。

どっちも正解よ。なんだったら僕、こっちのほうがワクワクするよ。

 

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ガマ洞窟25

「アヒャヒャヒャヒャ…」とか聞こえる笑い声を聞きながら、ふと横を見るとオバケ…!

ではなくって、なんかスウェットみたいなヤツだった。

 

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ガマ洞窟26

キティちゃんのぬいぐるみに、またまたリラックスできそうな部屋着がチラホラとディスプレイ…。

 

なんだここ。

ファンシーテイストになってきた。ブティックみたいになってきた。

 

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ガマ洞窟27

 真っ暗でよくわからないが、緑色の台座の上に野球帽が乗っているのがわかる。

その左下にも、同じく帽子があるようだ。

 

よし、フラッシュ撮影してみよう。

 

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ガマ洞窟28

帽子帽子帽子…!!

兵隊さん、帽子の上に帽子被っているよ。

 

手にはおそらく槍を持っているのだろうが、帽子とタオルに埋め尽くされていて原型がわからない。

帽子を粗末に扱うとお仕置にやってくる妖怪みたいなことになっている。

 

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ガマ洞窟29

狭い通路の頭上では、あったかそうな冬着を着たミイラが首を吊っていた。

その後も、布切れを見学しながら奥へ奥へと進んでいく。

 

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ガマ洞窟30

なんだか赤いゾーンが出てきた。

中央にかわいい女の子が鎮座していた。

 

右には首の無い着物を着た人がいたり、よく見ると帽子がおいてあったり、「安達ヶ原の鬼婆」と書いてあるのであろう看板があったり。

安達ヶ原の鬼婆伝説は、茨城じゃなくって福島だけどな。

 

でも、この赤いゾーンの世界観は嫌いじゃない。

むしろ一番好きな空間だった。

 

 

ガマのいる洞窟

 

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ガマ洞窟31

「ガマ洞窟 ⇐  足元に気をつけて下さい」

 

看板見て吹いた。

足元に気をつけるのは、今に始まったことではない。最初の最初からだ。

 

そして、「ガマ洞窟 ⇐」って、じゃあ今まで僕がいたのはどこだったのだ。

そういえば、ガマ洞窟なのにカエル全くいなかったな。

 

「ヘビに食べられたのか?」とか思ったりもしたけど、ヘビ1匹だけだったし、やせ細っていたので、カエルを食べてしまったとは思えない。

 

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ガマ洞窟32

あ、左端にいるの、ドラえもんだ。

なんか安心する。

インドを一人旅していたら、偶然同じ県の出身の日本人に出会ったときみたいな気持ちだ。

 

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ガマ洞窟33

しかし、ドラえもんの右側1mには「死」の文字。

ドラえもんに出会ってほっこりしていた心臓を、キュッと掴まれた気分になる。

 

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ガマ洞窟34

次は「殺」だ。 

文字のチョイスが小学校中学年くらいだ。

「死とか殺とか、強そう!悪そう!」みたいに。

 ちなみに小学校中学年の僕も、そんな感じだった。(大学生くらいまでそんな感じだった気も。)

 

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ガマ洞窟35

オバQか。かわいいぞ。

 最後にオバQに見送られ、さらに奥へと歩を進める。

 

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ガマ洞窟36

おぉ、なんかフェンスの向こうに怖い生首がある。

モロに目が合った。

 

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ガマ洞窟37

生首マネキンのラッシュ。

ガマを見せる気はさらさら無いらしい。

 

…と、諦めかけた矢先だった。

 

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ガマ洞窟38

うお、なにこれ。

狭い通路を3分の1くらい塞ぐ、巨大な物体が壁面にへばりついている。

 

これ、カエル?

ゴーカートくらいのサイズあるけど、カエル??
RPGとかで、主人公パーティーが洞窟で突然モンスターにエンカウントする気持ちがよくわかった。

 

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ガマ洞窟39

フラッシュ撮影してみた。

 

ご名答、カエルだ。

ここに来てガマ洞窟の主、ようやく登場。

 

そっか。ダンジョンの主は最深部で待ち構えていたのだな。

なんか鼻血出ているけどさ。

なんか顔の上にヒヨコ乗っているけどさ。

 

しかしカタルシスを感じた。

「おぉぉぉーー!!」ってなった。

 

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ガマ洞窟40

さぁ、この冒険もエンディングが近いはず。

 

相変わらずコートや帽子などのアパレル系が不意打ちしてくるが、もう場慣れしているので動じない。
「暗闇の洞窟にコート?それが何か?」くらいに落ち着き払っている。

 

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ガマ洞窟41

廊下の隅で、小さめのカエルが寂しそうにしていた。

とはいえ、柴犬くらいのサイズだから、実在していたらちょっとイヤなサイズだが。

 

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ガマ洞窟42

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ガマ洞窟43

お供えされている、勝ち組のカエル。

軽く神々しい。


お参りしておいた。

 

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ガマ洞窟44

ゴールだ。

 

全てが名残惜しい。

「払い戻しいたしません」・ジャラジャラ暖簾・写ルンです・DAD・イノシシ・アパレル・オバQ・ガマ…。

走馬灯のようによみがえる。

 

頭上のわずらわしいシャワシャワしたビニールの断片を払いのけ、最後の暖簾をくぐる。

 

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ガマ洞窟45

土産物屋。

 

 

最初に戻ってきた。

ゲームの無限ループみたいな感覚に苛まれつつも、20分前と比較し一回り大きい人間になった自分に気付く。

 

なんと素敵で意味ある20分だったろうか。

500円で人生経験が格段に豊かになった。

 

相変わらずの曇天が、心なしか明るく見えた。

 

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: ガマ洞窟
  • 住所: 茨城県つくば市筑波つつじケ丘
  • 料金: 500円
  • 駐車場: あり
  • 時間: 定休日…12・2・9月の木曜日 9:00~17:00(冬季は16:00)

 

No:043【奈良県】奈良・和歌山・三重にまたがる三県境の「瀞峡」!その壮大な渓谷美!!

「瀞峡(どろきょう)」という、奈良・和歌山・三重にまたがる雄大な渓谷がある。

 

まさに秘境という表現がふさわしい、荒々しい岩壁の中を流れるエメラルドグリーンの清流。

僕はかつて日本1周目の際にこの景勝地を見て以来、ここのとりこだ。

 

今回は三県境(さんけんきょう)に絡め、奈良県側からこの瀞峡を訪れたときのエピソードをご紹介したい。

 

 

三県境とは 

 

三県境というのは、 3つの都道府県が1点に集まっているスポットを指す。

つまり、以下のような感じだ。

 

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「珍しいのか?」と言われれば、正直そんなには珍しくはない。

全国で48箇所ある。

 

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点を打ったところが全て三県境である。

あなたも県境付きの日本地図を見れば、即座にチェックできるであろう。

※ちなみに四県境以上は存在しない。

 

しかし、「三県境」という言葉を聞いたことがある人の大半は、おそらく上記のうちの2地域に対してのみなのではないかと思う。

 

 … 栃木・群馬・埼玉の三県境(柳生の三県境)

 … 奈良・和歌山・三重の三県境

 

なぜこれらの2地域のみが有名なのか。

大多数の三県境が高山の山頂や大きな河川の中央という、人が立つには少々難易度が高い場所であるのに対し、緑丸は平地にあり、気軽に徒歩で踏める日本唯一の三県境であるからだ。

 

赤丸は、5つの三県境が入り乱れるという前代未聞の事態が勃発しており、「これはただごとじゃあないぜッ!」ってマニアたちが注目しているからだ。

 

前者の「柳生の三県境」については、またいずれ語りたい。

今回は、後者の赤丸が密集してわけがわからなくなってしまっている、奈良・和歌山・三重の三県境について、紐解いていこうと思う。

 

 

奈良・和歌山・三重の三県境

 

なぜ、「奈良・和歌山・三重の三県境」が5箇所も存在するのか。

 

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上の図を見ながら考えてほしい。

事前知識の無い方に対しては、なかなかのトンチになってしまうと思う。

 

ウソのようだが、事実として5つあるのだ。

 

 

その答えが、以下だ。

 

 

 

 

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和歌山県、子供を産み落としている。

 

 

これが有名な「飛び地」というヤツだ。

このおかげで、5つの三県境が1地域に密集して存在することが可能となっている。

 

飛び地について語ると話が長くなるし、飛び地は和歌山県に属するので、それについてはいずれ和歌山県の項目で語りたい。

 

ちょっとこの飛び地部分を、Googleマップ上でおさらいしてみようか?

 

 

わかりづらいかもしれないので、さらに着色してみよう。 

 

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これで、5つの三県境がわかりやすくなったと思う。

 

では、今回はこの5つのうち、「A・B・C」の3つを実際に現地からご紹介させていただこう。

 

 

「A・B」の三県境、攻略

 

僕は、早朝の国道168号を走る。

 

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秘境へ1

和歌山県新宮市の海沿いから「熊野川」沿いに山間部へと駆け上がっていると、どんどん秘境テイストがUPしてきた。

 

ここでちょっと車を停めて、川の写真でも撮ってみるか?

 

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秘境へ2

熊野川の上流は「北山川」。

その北山川が目指す三県境を有する「瀞峡」である。

 

僕はそのあとさらに北山川をさかのぼり、道路が崩壊して行き止まりになるところに残る廃村まで行こうかと考えている。

 

だからまだまだ序の口だぜ。

 

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秘境へ3

ここは「道の駅 瀞峡街道 熊野川」だ。

あぁ、ここいらからは「瀞峡」って名前を使っていいエリアなのだね。

 

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秘境へ4

道の駅から見えるのは、荒涼とした熊野川

そんな風に見えてしまうのは、この薄らドンヨリとした天気のせいかな…って思った。

 

だけども、理由はそれだけではないことに気付いた。

 

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秘境へ5

対岸、すっげぇ崩壊しているし。

キケンキケン!瀞峡はキケン!

 

そういえば、2011年の9月に超巨大な台風12号紀伊半島を襲った。

ここいらのその被害が甚大だったと聞いている。

あれもその影響かもしれないな…。

 

そうこうしているうちに、「A」の三県境に到着した。

 

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三県境1

いかがだろうか?

見事なS字を描いているのが、熊野川の上流に当たる北山川だ。

 

僕の立っている奈良県の端の端から、左右それぞれに三県境が見える。

2つの三県境を同時に見れるスポットなんて、国内でもここだけだろう。

 

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三県境2

そして、写真の腕がヘッポコであることを、あなたに深くお詫びしたい。

どんな高級食材を入手しても、料理の腕がなければ美味しい食事を提供できないのと同じ理論である。

これでは、片方の三県境を遠望しているだけだ。

 

恥を忍んで、ほぼ同じ位置からの景観を、Googleさんにお借りした画像で改めてご紹介しようか。

 

 

北山川のS字部分を正面に捉えた。

これに県表示をするのなら、以下のようになるだろうか?

 

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三県境3

実際に見えない境界を想像するってのは、難儀だなぁ。

そんな難儀な境界に興味を持ってしまう僕もまた、難儀な人間である。

 

では、次の三県境を目指そうか。

擦れ違い困難な断崖ギリギリを攻めながら、さらに北山川を遡上する。

 

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秘境へ6

 

「C」の三県境、攻略

 

アプローチ

 

国道169号の旧道を進む。

狭い狭い狭いー!

なかなかスリリングで楽しいぞ。

 

動画で撮影している方がいるので、ご紹介させていただく。

ワイルドな感じをご理解いただけると思う。

 

www.youtube.com

 

そして「蟻越峠」でいったん奈良県を離れ、和歌山県へと入る。

またすぐに奈良県に戻るけどな。

ここいら辺、もう自分が何県にいるのか理解できなくなる。

 

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秘境へ7

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秘境へ8

「C」の三県境は、国道沿いではない。

国道169号を離れ、これまた狭めの道で後述する「瀞ホテル」や北山川のある方面に突き進む。

 

この道はドン詰まり。

さらに細く、Googleストリートビューの車ですら、2020年現在も立ち入っていないようですぜ。

 

秘境感モリモリだ。

1人旅でこんな喧騒を離れた場所をふらついていることに、いいようのない快感を覚える。

 

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秘境へ9

狭路を走ること15分。「C」の三県境前に到着した。

ここはギリッギリで奈良県に属している。

 

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三県境4

看板は陽気に「よう来たのら」とか「ようきたのし」とか言っている。

ちょっとさ、こんなノンキなキャラに愛想笑いなんてできる余裕がないくらい、ハードな道だったんですけど?

 

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三県境5

駐車場に愛車のパジェロ・イオを停めたあと、しばらく遊歩道沿いを歩く。

眼下に不気味なほどに緑色の北山川が見えてきた。

 

さらに進むと、おそらく川面方面に下りれるであろう階段が出てくる。

さぁ、この先が瀞峡のハイライトであろう。

 

 

瀞ホテル

 

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三県境6

 

わっ!

いきなりホテル出てきた!

 

 

すごい秘境のすごい立地に、めちゃめちゃレトロなホテル出現だ。

ビックリした。

 

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三県境7

名前は「瀞ホテル」。

ホテルの概念を超越する勢いでレトロだ。

 

断崖の上、渓流を見下ろすように佇むレトロな施設。

その建物からは、ボロッボロな吊り橋が対岸に向けて伸びていた。

 

…あれ?

まっったく同じシチュエーションを、僕は知っているぞ。

岐阜県にある幻の渓谷「深沢峡」の、廃茶屋「いさまつ」だな。懐かしいぞ。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

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三県境8

ここがホテルの入口かな?

見上げた看板は、文字が右から左に書かれている。そんな時代の一品なのか。

そして、もはやホテルというより神社と呼んだほうが共感が得られそうなほどに、古風な建物だ。

 

帰宅後に知ったんだけど、このホテルはここ数年はオーナーさんが亡くなったために営業していなかった。

だけども僕の訪れる数日前に、息子さんがカフェとして再オープンさせたんだんだって。

 

あー、このとき知っていれば!

レトロ好きだしカフェ好きの僕、きっと数10分待てばきっとここのカフェに入れたのに!

残念!またいつか!

 

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三県境9

瀞ホテルのほんの数m下には『台風12号水位』と書かれた石が置いてあった。

前述の、2011年9月の台風12号のヤツだ。

 

こんなところまで水が来たのか。川の水面はまだ2・30m下なのに…。

ここいらは確か一番被害が出たエリアだったんだよね?

さぞや大変だったであろう…。

 

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三県境10

ホテルを見上げるような構図になった。

ここまでくると、先ほどちょっとだけ触れた「対岸に向かって伸びるボロッボロの吊り橋」がよく見えるようになる。

さぁ、よく見ようぞ!!

その朽ちっぷりを!!

 

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三県境11

スタートからゴールまで、まんべんなくデンジャラス。

 

吊り橋は「葛川」という北山川の支流をまたぎ…。

はい、一緒の吊り橋の行く先に目線を移そう。

 

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三県境12

わわっ、この辺は静岡県の「夢想吊り橋」にも匹敵するディストラクションレベルだ。

その向こうに、何か見えてきたぞ…。

 

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三県境13

 

瀞ホテル別館。

 

正直、笑いしか出てこないような立地だ。

もちろん、今は使用されていない。

吊り橋が渡れないもんね。

 

でも、かつては使用されていた。
その事実に、身の毛もよだつほどの興奮を覚える。

 

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三県境14

僕は懸け造りの建造物が好きである。

断崖に半分せり出したこの建物を、数本の華奢な足のみで支えている現実に震える。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

台風12号の際、増水して建物ギリギリまで水位が上がったが、押し寄せる水流にこの華奢な足は耐えた。

しかし吊り橋は耐えきれず、ご覧の通り崩壊した。

 

ちなみに懸け造りって神社仏閣が多いけど、これは宿泊施設だ。

今しがた表記した通り、かつては使用されていたのだ。

それがどういうことか。

 

雨の日であっても、宿泊客は旅の荷物を、吊り橋を通って別館に運んだのだろう。

食事も本館から吊り橋経由で運んだ可能性が高いだろう。

すごい時代だ。

 

おそらく、この先吊り橋を架け替えることはないであろう。

目の前にあるのに、別館は永久に人が到達できない場所。

このまま朽ちていくのを、対岸から見ることになるのであろう。

 

これもまた、崩壊美。

 

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三県境15

ちなみに、瀞ホテル本館は奈良県である。

吊り橋の先の、瀞ホテル別館は和歌山県の飛び地部分。

複雑だ。

 

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瀞峡の渓谷美

 

いよいよ、瀞峡のハイライトに当たるスポットが、僕の前に姿を現した。

息を飲むような、静けさの中に力強さを持つ渓谷であった。

 

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瀞峡1

瀞峡は、日本唯一の飛び地の自治として有名な和歌山県北山村から、和歌山県新宮市にかかる北山川沿いの渓谷。

上流のほうから「奥瀞・上瀞・下瀞」とネーミングされている。

 

下瀞の中でも上瀞に近い部分が「瀞八丁」と呼ばれるハイライト。

まさに、ここから始まるエリアだ。

 

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瀞峡2

眼下に見えているのは、瀞八丁を巡る観光船と「田戸発着場」。

 

観光船はここで20分上陸し、休憩をするプランとなっているそうだ。

ちょうど今は休憩の停泊中なのかな。レアシーンだ。

 

観光船は、「ウォータージェット船」というタイプ。

川の水を取り込んで、後方から噴射することで進む仕様。

これまた非常にレアな船で、国内で一般人が乗れるスポットはここ以外に知らない。

 

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瀞峡3

岩壁の上を移動し、少し見る角度を変えてみた。

渓谷は綺麗だ。

だが、おそらく2011年の台風12号の被害と思われる痕跡がそこかしこに見える。

 

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瀞峡4

短時間の停泊スポットなので、施設が仮設テント程度なのは、台風以前からなのかもしれない。

 

しかし、背後の山の斜面には大量の流木が転がっている。

これらが台風被害のものと推測した。

 

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瀞峡5

反対側、瀞峡の上流側にギリギリまで移動してみよう。

足元に注意しながら岩壁を辿る。

 

深い深い緑の渓流が見えてきた。

 

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瀞峡6

高さ30mほどの絶壁の渓谷、瀞峡の瀞八丁。

 

対象物がないのでわかりづらいが、目も眩むような絶景だった。

僕はしばらくここで座り込み、大自然の創り出した景勝を堪能した。

 

 

ちなみに、この写真のど真ん中が、三県境「C」である。

奈良・和歌山・三重の3県が、僕の目の前で交わっている。

 

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瀞峡7

目に見える瀞峡の渓谷美

目に見えないレアスポットの三県境

そして、この地で歴史を紡ぐ瀞ホテル

 

五感を全開にし、これらを感じ取ろう。

 

 

紀伊半島の奥の奥。

秘境、瀞峡。

日頃のオフィスワークのストレスが、溶けて流れてなくなっていくのを感じた。

 

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 瀞峡
  • 住所: 奈良県吉野郡十津川村大字神下田戸405
  • 料金: 無料
  • 駐車場: あり
  • 時間: 特になし