週末大冒険

週末大冒険

ちょっと出かけてみないか。忘れかけていた、ワクワクを探しに。

No.367【鳥取県】"因幡の白兎"の舞台「白兎神社」!うさぎ焼いちゃうのかよ!でもうま!

「白兎(はくと)神社」。あなたもご存じかと思うが、「因幡(いなば)の白兎」という童話の舞台の神社である。

この因幡の白兎が記されている書物は、なんと古事記日本書紀までさかのぼる。日本最古の文献に、既にこの物語が掲載されているのだ。まさに神話レベルのお話だ。

 

その物語内でひどい虐待を受けた、かわいそうな白うさぎさんであるが…。

 

 

なんと、うさぎ焼きになってしまわれている。

いや、救われなさすぎじゃねーか、白うさぎさん。"しろぴょん"とかかわいい名前を付けられて満足げな顔をしている場合じゃねーってことですよ。

 

…というわけで、実際に神話の舞台である白兎神社を訪ね、そしてうさぎ焼きをムシャムシャと悪い顔をしながら食べるまでの話をしようぞ。

 

 

神話の時代に思いを馳せて

 

まずはおさらいだ。因幡の白兎の物語だ。

なんとなく僕が読み解いたストーリーを以下に記載するので、あなたも懐かしのストリーを思い出してほしい。

 

日本海に浮かぶ淤岐ノ島(おきのしま)に住んでいた白うさぎ。本土に渡ってみたいと考えた。

その方法として海に住むサメ(ワニと表記される)を読んで、「僕らとキミら、どっちが数が多いか勝負しようぜ。ちょっと数えるから一列に並びなよ。」と声をかける。

ワニたちが背中を並べると、淤岐ノ島から本土まで到達するくらいの距離となった。その背中の上を、数を数えながらウサギが飛び跳ねていく。

 

もくろみ通り、ワニを利用して本土まで到達しそうだ。

その直前、嬉しくなったウサギは数勝負ではなく本土に渡るためにワニを利用したと白状してしまう。怒ったワニはウサギの皮を剝いでしまった。

 

日本3周目、雨の中1

「痛ェ痛ェ」と泣く白うさぎ。そこに通りかかったのが我らが大黒様だ。

この先に魅力的なプリンセスがいて兄弟一同求婚のために押し寄せる旅路なのだが、なんか大黒様はみんなの荷物持ちで先を越されて、随分後からヨタヨタやってきたという損な役回り。

 

聞くと先行した兄弟たちは泣いているウサギに「じゃあ海水で洗って風にあたるといいよ、ゲラゲラ」とウソの情報を与え、それを信じたウサギはさらに痛みが増して泣いていた次第だ。

 

日本3周目_雨の中2

大黒様は「真水で洗って、蒲の葉の上に寝転びな」とアドバイスをする。

するとウサギはすっかり元通り。大黒様にお礼がてら「プリンセスと結婚するのはきっとあなたになりますぜ」とキザな宣言をすると、猛ダッシュで先行した兄弟たちを追い抜いて、プリンセスに一部始終をチクる。

プリンセスはそのあと到着した兄弟たちの求婚を断り、後から来た大黒様とめでたく結婚するのだ。

 

ふむふむ、時空がゆがんだとした思えないようなウサギの回復力と、兄弟たちの足の遅さに万雷の拍手を送ろうぞ。

 

 

うさぎ焼きが気になる日々

 

そんな童話の舞台は、鳥取県日本海沿いにある。

写真には納めていないのだが、神社の正面の「白兎海岸」からは150mの沖合に淤岐ノ島を眺めることができるのだ。

 

僕、正直言うと淤岐ノ島って隠岐の島だと思っていたのだが、違ったのだね。陸のすぐ近くにある小さな岩場が淤岐ノ島だった。

 

日本4周目の白兎海岸

白兎神社があるのは、「道の駅 神話の里 白うさぎ」という道の駅。神社の参道に道の駅が併設しているという珍しいパターン。

だから僕はこの道の駅自体にはときどき立ち寄ったことがあった。上の写真もそうだ。雨が降り出し、ちょうど濡れていく途中の大黒様うさぎだ。

 

道の駅の入口にこの像があるので、何度も撮影はしている。しかし道の駅としての利用のみだったので、白兎神社自体を参拝したことはないまま時が流れた。

 

右後ろの鳥居には縁のない日々

毎回毎回、ここを立ち寄るたびにバカの一つ覚えのように、この一人と一匹のコンビの写真しか撮っておらず、それを並べたところで面白い記事には程遠いのでこのくらいにしておくが。

 

そんな僕ではあるが、日本4周目で訪問した際に気になる看板を見つけていた。

 

うさぎ、焼いちゃいました

ヤベーぞこれ、オーディエンス全員ザワつくヤツだぞ。

白兎名物のうさぎ焼きだ。僕、これを見た瞬間は"因幡の白兎"と"かちかちやま"のたぬきがゴッチャになっちゃってさ、「物語の中で火だるまになった彼を、現実世界でも焼いて食べちゃうのかよ!なんてクレイジーなソリューション!!」って思ったのだが、違ったな。

因幡の白兎は焼かれちゃいない。剝がれただけだ。

 

とはいえ、物語の中で虐待を受けたうさぎさん、そんな中でもせっかく助かったうさぎさんを焼いちゃうのは、なかなかの仕打ちですぞ。大黒様が知ったら怒り狂うぞ。

 

なんとも言いがたいビジュアル

言っちゃ悪いけど、「かわいいー!」でもなく「おいしそー!」でもない、事前準備しておかないと「あ、あぁ…」って感じのリアクションしか出ないビジュアルのウサギが、多数ザルの上に寝そべっている写真。

しかも白うさぎがモチーフなのにピンクうさぎもいるしな。神話を破壊しにかかっているぜ。その攻めの姿勢、YAMAさん嫌いじゃないけどな。

 

じゃあたい焼きもおいしそうなデザインなのかというと、たい焼きを初めて見る外国人の気持ちになるとそうではないのかもしれない。僕ら日本人は幼少期からたい焼きに慣れ親しんでいるからおいしそうに見えるのかもしれない。

その理論で行くとしても、ちょっと我々にはうさぎ焼きは、早いよね。時代を先取りしすぎているよね。

 

買ってみたかったが、朝なので売店まだ営業していなかった。残念。

 

しろぴょん

それと"焼き"いう単語にハラハラする。せめて"うさぎまんじゅう"とかならいい。

物語の中で瀕死の重傷を負ったうさぎをモチーフとしたお菓子に"焼き"の文字は危険な香りを感じしてしまう。

"しろぴょん"、得意げな顔をしている場合じゃないって話しなのよ。

 

因幡ぴょん兎くん

もう1人(一匹?)のキャラクター、"因幡ぴょん兎くん"。オマエ、マジに何者なんだよ。

 

うさぎのしろぴょんと対になっているからてっきり大黒様だと思ったら、名前からしてオマエもうさぎなのか?でもデザインは大黒様も混じっている。何か深刻な事故でフュージョンしちゃったのか?

でも「大黒様とうさぎが一体化して1つのキャラクターになりました」だったらわかるけど、隣にしろぴょんいるしな。

考えれば考えるほど答えが見つからず、頭痛して来た。

 

そんな白兎神社をキチンと観光するのは、日本6周目のよく晴れた春の日であった。

 

 

白兎神社参拝、そしてうさぎ焼き

 

日本6周目の春。僕は再び白兎神社を訪れる。

 

天気は最高

文句なしの快晴。春のドライブって人生で一番幸せだよね。

ぶっちゃけ言うと朝一で「鳥取砂丘」で大暴れしてヘロッヘロになっているのだが、おかげでテンションは最高だ。この勢い白兎神社行く。腹減ってきたので、朝ごはんに例のうさぎ喰う。

 

うさぎではなく、僕を愛せ

グヘヘヘ…、そんな下品なうさぎではなく、この私めをヨシヨシしてくださいましよー、大黒様。

そんな感じで大黒様の右手の下に潜り込んだ。いや、ちょっと待て!この大黒様、目が笑ってねー!僕をヨシヨシしてくれているけど、目は冷ややかだ!なんてこった!!

 

おなじみのコンビ

…という冗談はさておき、いつものコンビだ。

手前には「恋人の聖地」のプレートがある。なるほど、おめーらデキてんのか。

 

あと、この道の駅 神話の里 白うさぎって、2015年に"重点道の駅"っていう、道の駅の中でも上位のカテゴリに登録されたみたいね。

因幡の白うさぎの神話や、山陰海岸ジオパークなどの舞台になっていることから、文化的にも地理的にも貴重なスポットらしい。なるほど、みんなメモしておけよ。

 

白兎神社1

んじゃ、白兎神社の鳥居をくぐる。

今まで何度も見上げてきた鳥居だが、くぐるのは初めてだ。

 

白兎神社2

まだ朝の8時代前半。

うさぎ焼きの店はまだしていないので、まずは白兎神社を参拝することとした。いたるところにうさぎいるぞ。うさぎの集まる神社。

白兎神社3

導入そこそこいろいろあったのだが、もううさぎ焼きが気になるのであらかた割愛。とりあえず数分の参道を歩いて白兎神社の拝殿まで来たってわけだ。

ご覧の通り規模は小さいけども、なんだかマッチョで存在感のある建物。そして「出雲大社」を彷彿とさせる、ムキムキの注連縄が設置されているぞ。

 

白兎神社4

春だ。ツツジの花が綺麗なのだ。

参拝した。皮膚病や縁結びのご利益があるそうだな。神話を下敷きにしたご利益だ。それでは道の駅の駐車場に戻ろうか。

 

白兎神社5

これは参道を戻ってきて、道の駅の駐車場が見えてきたときの写真だ。行きは気づかなかったけど、参道から海を見るとこんなにも雄大なのだ。

これが白兎海岸。日本2周目ではこの正面の砂浜を歩いたんだけど、結構過去のことだからこの記事ではその写真の掲載は見送るけどさ。

 

白兎神社6

ズームしてみた。なんとも風光明媚なロケーションの道の駅。

白うさぎはこの正面の海を、ワニザメの背中を渡りながらここまでやってきたのだな。

 

うさぎ焼き1

これがうさぎ焼きのお店だ。8時半ちょい前にOPENしたらしく、できたてホヤホヤを食べられることに興奮を隠せない。右の方にはこれまたちょいと人気なピンク色のポストがあるね。

 

うさぎ焼きは1つ150円で、白とピンクがある。よーし、両方買う。

え?ピンクのうさぎなんて神話に出てこなかった、だって?そうだな、ワニザメに皮を剥がれた状態がピンクだったんじゃないかな。すみません、グロめの表現をしてしまって。

 

うさぎ焼き2

念願叶ってようやく入手したうさぎ焼き。

米粉を使った生地らしく、もにゃもにゃした手触り。すんごい柔らかいんだよ。もし指2本でつまもうとしたなら、自重で崩れるぜ。例えるなら大阪のたこ焼きとか、首の座っていない赤ちゃんみたいな感じ。

 

食べてみると、触感がもっちゃもちゃ。形状を保てる限界まで柔らかい。嚙みつくと生地の弱いお腹の部分からあんこがズビッと出てくる。

まぁこう書くとあまりおいしくなさそうだが、なんかクセになりそうな触感だ。鳥取砂丘で暴れたので甘いものがありがたいだけなのかもしれないが。

 

うさぎ焼き3

カロリーを摂取して元気になった僕は、鳥取県を西に向かう。春の朝のドライブは気持ちがいい。

神話に少しだけ触れた体験。また日本7周目で訪れたなら、因幡ぴょん兎くんの正体を解き明かしたい。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 白兎神社
  • 住所: 鳥取県鳥取市白兎603
  • 料金: 無料
  • 駐車場: あり
  • 時間: 特になし

 

No.366【大阪府】京橋駅名物フランクフルトが消える!?「アンスリー」最後の瞬間に密着!

大阪京橋駅のホームには、とんでもなく人気のご当地コンビニがあった。

その名は「アンスリー」。キヨスクのような小さなコンビニではあるが、そこで売られているフランクフルトが大人気なのだ。

もう文字通り飛ぶように売れる。ホームを見渡すと、みんなフランクフルトを食っている。お祭りかな、ここは。

 

 

そんなアンスリーだが、2024年3月にて消滅するという。

これは、そんなアンスリーのかつての営業風景、そして閉店の瞬間に密着したドキュメンタリーである。

 

では、ライヴ感のために、あなたも手元にパリパリに焼いたウインナーを用意してご覧いただきたい。

 

 

みんな群がる濃厚フランクの魅力

 

かねがねウワサには聞いていた。

京橋駅のホームにあるアンスリーのフランクフルトが大人気だと。ケチャップやマスタードを使わずとも満足のゆくスパイシーな味で、だれもが衝動的に買ってしまう魅力があるものだと。

しかし永らく僕がここを訪れなかったのは、僕が車を使う旅人だからである。駅構内に売っているため、鉄道を使うか入場券を使うしかないからだ。

 

京橋片町口店

しかしだ。あるとき改札の外にあるアンスリー京橋片町口店をふと発見した。ここにはフランクフルトは売っていない。

だが「あぁ、この改札をくぐって1分も歩けば駅ホームのアンスリーでフランクフルトを食べられるんだな」って思ってしまったが最後。僕の右手には駅の入場券が握られていた。

人生ってさ、勢いが必要らしいよ。

 

アンスリー京橋ホーム大阪方店

アンスリー京橋ホーム大阪方店。今回の記事のメインとなる店舗だ。阪急線の1・2番線にある。

人がジャンジャン行きかうホームにある。電車が来る直前は、電車待ちの人の行列に埋もれそうな店舗。

 

ローカルコンビニというくくりではあるが、キヨスクみたいな規模とラインナップである。だがナメるな。ヤツはフランクフルトという強大な武器(アイデンティティ)を所持しているぜ。

 

衝動買いに適した価格

『フランクフルト1本140円』の輝かしい看板。

なんと1日700本を売り上げるらしい。…700本ッ!!

 

待て待て、それってどういうことだ?

このお店の営業時間は早朝から深夜まで非常に長いが、とりあえず7:00~22:00の10時間に利用する人が多いと仮定しよう。10時間で700本。つまりは1時間に70本。1分で1本以上。

 

ヤベーな、それ。もちろん時間によっては購入者の増減があるから、人の多い時間帯などは、1分で2・3本は売れているのではないだろうか?

1人の人がお金を払って購入して…に20秒くらいかかるだろうから、繁忙時間帯は息をつくヒマもなくフランクフルト対応が発生しているのではなかろうか。

 

…って考えていたらもうフランクフルトを持っていた

脳ではそんな小難しいことを考えていたが、足は勝手に店頭に向かっており、口は勝手に「フランクフルト下さい」と動いており、お金と引き換えに手にフランク。

そうですね、まずは食べなきゃね。

 

ひとくちめの衝撃よ

ひとくちかじると、パキッといいサウンドがホームに響いた。

うめぇなこれ。ケチャップやマスタードはつかないのだ。駅の人ごみの中でそんなものチマチマつけていたり、それを手に持っていると他の人についちゃったりするからだ。

そのかわり、かなり味は濃厚。ケチャップやマスタードはいかないのだ。

 

絶妙な焦げ目がこうばしく、そしてサラミに近いような濃厚な味わい。あれ?なんで僕、ビールのことを考えているのだろう…。

 

8人のフランクフルターと共に

周囲をチラリと見ると、僕と同じようにフランクフルトを持っている人が8人いた。老若男女さまざまだ。

そして食べている最中にも、どんどん人がフランクフルトを買う。なんて店だ。すごすぎるぜ。

 

みんなきっと腹が減っているから買うのではない。そこにおいしいフランクフルトがあるから買うのだ。買って食うのが日常だから買うのだ。そう感じた。

そこに迷いや決意はない。みんな当たり前のように買っていく。「雨が降ったら傘をさす」と同じように「京橋駅のホームに立ったらフランクフルトを買う」なのだろう。

 

情報量の多さが自信の表れかな?

僕も食べてわかった。これ1本で今日1日のモチベーションが変わるね。

「今日は試験だ、朝から憂鬱だな」・「今日の会議は疲れたな」、そんなときもこれを食べれば気分はお祭りだ。もちろんハッピーなときに食べればさらに気分はパラダイスだ。

駅のホームで50年、こうしてフランクフルトは大阪の人々に愛されてきたそうだ。

 

フランクフルト無限製造中

だが聞いてくれ。

アンスリーは2024年3月までに全店閉店するらしいぞ。え…、じゃああのフランクフルトはどうなる…??

 

 

ホームのアンスリー、最後の瞬間

 

2024年3月12日。この日の21:00にアンスリー京橋ホーム大阪方店が閉店するという情報を掴んだ。

 

人生の最優先課題

20:33、つまりは閉店27分前に僕は京橋駅構内に足を踏み入れた。

フランクフルトを愛する旅人として、最後に食わねばならない。そしてアンスリーの最期を見届けなければならない。

 

アンスリー最後のともしび

前回と同じく、行き交う人でにぎわうホーム。心なしか、アンスリーに群がる人が多い気がする。

これ、後日にX(旧Twitter)でコメントいただいたのだが、「そういえばあの日のあの時間帯は、車内でフランクフルト食べている人が多かったなぁ」という方がチラホラいた。静かに最後の晩餐をしていた人がそれなりの人数いたのだろう。

 

さて、最後にフランクフルトを味わうか…。

まさかもう販売終了していたりはしないよな…。

 

ラスト2本じゃねーか!!

おいおいおいおい!!前回はあれだけミッチリ詰まっていたケースに、今回はフランクフルトの在庫が2本しかない。

売り切れ直前なのか製造量をセーブしているのかは知らないが、これは急いだほうがいいぜ。

 

これが最後か…

こうして20:40、僕はアンスリーで買うのは最後になるであろうフランクフルトを手にした。相変わらずのパリッとした食感、塩味の強く肉々しいフランクフルトに頬が緩む。

 

あわやこのラスト2本で終売かと思われたが、見ていると数本ずつケースに補充している。どうやら閉店間際だから生産量を大幅に抑えているみたいだな。

 

これが永遠の別れではない

ところでところでだ。

これを最後に書くと生卵をぶつけられちゃうかもしれないのでここいらのタイミングで書くんだけど、僕らとフランクフルトは今日で永遠の別れということではない。

アンスリーは終わるけど、「もより市」っていう新しいブランドのお店がここにでき、名物のフランクフルトはそのお店での販売を引き継ぐのだそうだ。

 

だけども"アンスリーのフランクフルト"としては、今日までしか食べることができない。そういう意味では感慨深いよね、って話だ。

 

名残惜しそうに食べる

食べ終わったが、僕はまだここを立ち去りはしない。

アンスリー閉店の歴史的瞬間をこの目で見届けたいのだ。あと15分だ。

 

閉店15分前_片付け開始

商品の片づけが始まった。向かって右側、商品を青いケージに収納し始めている。さぁ、どんどん買える商品が少なくなってくるぞ…。

 

しかしフランクフルトは同じペースでちょいちょい補充される。お客さんも当たり前のように買っていく。

上の写真のように店舗の前には電車を待つイスが数脚あるのだが、今はアンスリー閉店を見届ける特等席となっている。

 

閉店10分前_スーツの人も加わる

向かって左側の商品の撤去も始まった。スーツの人だ。きっと本社から来ている偉い人だ。偉い人自ら引導を渡す魂胆だ。

一方、フランク班はお構いなしに延々とフランクフルトを焼いて補充している。いいぞ、もっとやれ。

 

店舗を遠巻きにする人の輪がゆるーくできつつある。みんな今までのアンスリーとの思い出を頭に描きつつ、写真撮影したりしている。

それを知らない人は、電車を降りて「どうしたどうした?今日は何?」みたいな顔をしている。

 

閉店4分前_陽気な外国人現る

商品陳列棚はかなりスカスカとなった。ポップなども回収されつつある。

 

近くにはプロの取材なのか個人的な取材なのかわからないが、大層いいカメラを構えてこの一部始終を撮影している人がいた。

そこに陽気な外国人が通りかかった。閉店4分前のことだ。

外国人は足を止めると、カメラの人に対し「おぉ、いいカメラを持っているね?どこのメーカー?ちょっと見せて。」みたいなニュアンスのことをフレンドリーに話し始めた。

 

親切なカメラの人は手を止めて、陽気な外国人に話し始めた。いいの?このタイミングで手を止めていいの??

どんどん片付けが進行する店舗。話が弾む外国人。あっちもこっちも目が離せない!

 

閉店1分前の20:59、陽気な外国人は満足して去って行った。

ー そして21:00… ―

 

いや、21:00ピッタリでは閉店しなかったのだよ。

まだフランクフルトは1・2本ずつ補充され続け、21:00を過ぎても2人ほどの人がフランクフルトを購入した。

 

21:01_シャッターが下り始める

その1分後、ついにシャッターが下ろされ始めた。

最後のお客さんが食べ終わった串をカウンターに戻そうとし、スタッフさんが締めかけたシャッターをまた少しだけ上げて串を回収した。

 

チラリと見えたが、まだこの瞬間までフランクフルトは追加補充されていた。絶対に品切れにならぬよう、最後まで焼き続けていたプロ根性がすごい。

ケースに残った数本は、このあとシャッターの裏でスタッフさんたちが「おつかれさまー」とか言いながら食べてほしいと望む。

 

21:02_右のシャッターも下りる

アンスリーってさ、阪神・南海・京阪の3社の鉄道会社で展開していたらしいよ。

アルファベットで書くと「HANSHIN」・「NANKAI」・「KEIHAN」であり、3社とも「AN」が入る。だからアンスリーだ。その歴史に幕が下りる。

長い間、お疲れさまでした。

 

21:03_おつかれさま

3分後、もうギャラリーも去りつつあった。

通りかかったおじさんが、いつもと違う店の佇まいを不思議そうに思ったのか、スーツの人に「どうしたんですか?」と話しかけていた。

切ない。3分前に1つの歴史が終わったんだよ。

 

もう1つの店舗も間もなく…

帰り際に冒頭でご紹介した、僕がホーム上のアンスリーに行くきかっけとなった片町口店を覗いてみた。こちらはまだあと数日営業するのだ。

 

3/19に閉店予定

こちらは7日後の3/19にクローズするそうだ。しかもさっきのホームの店舗とは違い、もより市に変換するなどの文言がない。完全にクローズしてしまうのだろう。

こうしてわずかに残ったアンスリーも次々閉店し、最後の店舗も3/28に閉店したそうだ。さよならアンスリー

 

 

エピローグ:もより市のフランクフルト

 

2024年度になった。それはもう、この世にアンスリーのない世界…。

 

しかし新たな希望のある世界

僕は再び京橋駅を訪れた。この物語を完結させるためには、もう一度ここに来なければならないと思ったからだ。

入場券を買う。電車に乗るわけでもないのに改札を通ってホームに上がる。

 

あのアンスリーは今 ―

 

ホーム間違えた

あ、上るホームを間違えちった。もより市と「名物フランクフルト」の看板、見えちった。

でもテイク2をやらせてくれ。

 

あのアンスリーは今 ―

 

もより市として再出発

もより市になっていた。1週間ほどの改装の後、こうして新たな道を歩んでいる。

しかしよく見るとフランクフルトのポップなど、以前と同じものを使っているような気がしてほっこりする。

 

しかも相変わらずみんなフランクフルトを食べている。すばやく数えてみると8人いた。以前と一緒だ。安堵した。

 

もちろん買う

僕も買った。

腹が減っているから買うのではない。そこにおいしいフランクフルトがあるから買うのだ。買って食うのが日常だから買うのだ。

「雨が降ったら傘をさす」と同じように「京橋駅のホームに立ったらフランクフルトを買う」のだ。

 

そんな日常よ、これからも永遠なれ。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: アンスリー京橋ホーム大阪方店
  • 住所: 大阪府大阪市都島区東野田町2-1-38
  • 料金: フランクフルト¥140他
  • 駐車場: なし。付近のコインパーキングを使用のこと。
  • 時間: 平日…6:30分~23:30、土曜…6:30分~23:00、日・祝日…7:00~23:00

 

No.365【徳島県】世界で2台のみ稼働のボンカレー自販機!「コインスナック御所24」で堪能!

レトロ自販機はいくつか種類があり、全国にポツポツと100台ほどあるあるみたいだが、今回はその中でも激レアなものをご紹介したい。

ボンカレー自販機。稼働しているものは2台しか存在してない、まさに骨董品自販機なのである。

 

 

今でこそ徳島県の「コインスナック御所24」、神奈川県の「中古タイヤ市場 相模原店」の2店舗に存在しているが、後者に登場したのは確か2019年くらい。

それまでの長らくは、コインスナック御所24に世界唯一の稼働筐体があったのみだったのだ。

 

だからマニアはこぞって徳島を目指す。そう、もちろんかつて僕も目指した。

2024年の最近も訪問した。それらの思い出を執筆させてもらいたい。

 

 

まだここが日本唯一であった頃

 

まずは僕の初回訪問時のエピソードだ。

2011年の暮れにレトロ自販機というものが存在すると知った僕は、全国のレトロ自販機巡りに乗り出す。

 

初訪問1

それからおよそ1年後の2012年の晩秋、僕はこのコインスナック御所24を初訪問していた。

この世で1つしか稼働していないという、ボンカレー自販機でカレーを食べるためである。そうなのだ、2012年は中古タイヤ市場 相模原店がレトロ自販機運営に乗り出す遥か前だから、ボンカレー自販機はここにしかない。

 

初訪問2

自販機がズラッと並んでいて壮観だ。その中にひときわ目を引くレトロな食品自販機が2つある。カレー専用のボンカレー自販機と、富士電機の麺類自販機。

 

両方食べたい。だけどもボリューム的に大丈夫かな?片方だけで限界が来ちゃうかもしれないだ。だとしたら、まずはここにしかないカレーを食べるっきゃないよね。

 

初訪問3

これが、最後の1台のボンカレー自販機。

もう壊れて動いていないバージョンであれば、千葉県の「オートパーラーシオヤ」にもあるんだけどね。アレはもう復活することはなさそうだよね。

 

初訪問4

僕、思ったんだけどさ。やっぱ稼働している自販機は"目"が違う。魂がこもっている。

「いや、顔パネルだから当然じゃないか」という声も聞こえてきたが、まぁその通りだな。しかしこれだけ顔の圧力の強い自販機もそうそう無いわな。

 

この方は「笑福亭仁鶴さん」。存じ上げなかったが、初訪問時にWebで調べて知った。笑福亭仁鶴さんがボンカレーのTVCMをしていたのは1973年。だからこの自販機もきっとその時代のものなのだろうね。

 

余談なんだけど、笑福亭仁鶴さんが2021年に亡くなりニュースになったとき、「むぅ…?知らない人だ」って思った。

そのあとしばらくして「え…?もしかしてボンカレー自販機の人!?うわぁ自販機の人!!悲しい!!」ってなった。僕にとってはボンカレー自販機のみで接点のあった方だ。

 

初訪問5

何をもって「新発売」なのかわからないけど、新発売らしい。

メニューボタンはすり減ってほとんど見えないが、甘口と辛口がある。値段はどちらも300円。僕は辛口にしてみよう。

ボタンを押すとすぐにカレーが取り出し口に出てきた。

 

初訪問6

ご飯・カレーがそれぞれパックに入ってる状態なのだが、包装紙でひとまとめになってアツアツの状態で出てきた。

自分でご飯の上にカレーをかけて完成、というシステムだ。

自販機コーナーには長細いテーブルとイスの1セットがあるので、そこでいただこう。

 

初訪問7

味はいたって普通のボンカレー。だけどもこういうロケーションで食べるとうまいわ。

 

自販機コーナーにはもう1人、カレーを食べているガテン系のおじさんがいた。「キミ、写真を撮っているということは県外から来たのかい?」みたいに聞かれた。

遥々数100㎞を走りつつドライブで来て、ここにはレトロ自販機目当てで立ち寄ったこととか、これが最後のボンカレー自販機であることを話した。

 

おじさんは「へぇー、ここにはよく来ているけど、これが最後の1台だったのかい!」って驚いていた。

「だけど心配ない。ここのオーナーさんはすぐそこに住んでいるんだけどね、これらの自販機が壊れた場合の交換用のパーツをまだまだたくさん持っているんだよ。」って教えてくれた。

 

初訪問8

そうなのかー、よかった。

ならばボンカレーの自販機は、まだしばらくこの世に存在していられそうだね。

最後の1台だもん、これがなくなったらもう二度とボンカレー自販機のカレーを食べられなくなっちゃうんだもん。今後もずっと、人々から愛される自販機であってほしい。

 

初訪問9

続いては、うどん食べよう。四国まで来たらうどんでしょ、やっぱり。

カレーを食べた時点でそこそこ満腹だが、なんとか入る。うどんはだし汁があるし、麺もツルツル飲み込めるから、位置付け的にはドリンクだもんね。ドリンクならいけるいける。

 

初訪問10

天ぷらうどんときつねうどんの2種類があり、値段はどちらも250円。天ぷらうどんを選んだ。

きつねに比べてカロリー高そうで腹にもたまりそうなに、なんでこっちを選んだのかは謎。でも天ぷら好きなんだよ。

 

初訪問11

おぉぅ!これはさぬきスタイルと呼んでいいものか?超極太麺じゃないか。存在感がすんごい。食べてみるともっちもちだ。うめぇなぁ!

ダシはすっきり薄めの味付けで、これぞドリンクだって思った。

 

…こうして大満足でガテン系おじさんに挨拶をして店を出る。

まぁこの後ここの麺類自販機を二度と食べられなくなるとは思っていなかったよね…。

 

 

2024_コインスナック御所再訪

 

2024年、ずいぶんと間が空いてしまったが、久々に訪問した。

 

御所再訪1

あぁ、久々にやってきたコインスナック御所24。

その数字はかつてから増えることもなく、また減ることもなく、令和の今も安定"24"だった。ありがたき幸せ。

 

インナーバルコニーのような構造の軒下には、ズラリと自販機が並ぶ。

かつてと比べてリニューアルされたものもあるのだろうが、チラホラとレトロなものもあるので全体的なテイストはかつてのままだ。

 

御所再訪2

前回は自販機に夢中で気づかなかったが、この建物はL字型であり、その短辺部分が屋内ゲームコーナーになっている。

 

ガラスドアからチラリと内部を覗いてみたが、なかなかにディープな空間のようだ。

オーナーさんと数人の常連らしきじいちゃんがゲームをしながら話し込んでいた。両替とかトイレなどの理由があれば僕もここに突撃するが、興味本位で入ってもお互いの空気を崩してしまうだろうなって思って止めた。

 

御所再訪3

では、これらの整然と並んだ自販機群を眺めていこうか。

ぶっちゃけ言うと僕の食べるものは今回もカレーであり浮気する気はさらさらないのだが、それでも他の自販機も少々気になるしね。

 

御所再訪4

「アトム手袋」という、ゴム手袋の自販機と思われるものは故障中だった。

からし色の、デザインに全く無駄のないシンプルな自販機。どういう層にニーズのある自販機なのか、ちょっと気になる。


ガムの自販機もきっと年々減ってきているよね。

中身は板ガムなのかな?板ガムは随分見かけなくなってきたな。板の方が粒上のものより個人的には好きなのだがね。

 

御所再訪5

コカコーラの瓶を売る自販機。

ボタンを押した場所の瓶のロックが外れるので、ガラス戸を開けてその瓶を自分で引き抜くんだよね?

自販機の中央付近にある黒いくぼみが栓抜きなんだっけ?一度だけこのタイプのもので購入したことあるのだが、もううろ覚えだわ。

 

御所再訪6

レトロな汎用自販機。

レトロ自販機好きな僕ではあるが、なぜか僕の食指は動かない自販機。

まぁレトロな自販機なんていろんな種類があるからね。その全部を愛せ、なんてルールはないわけで。人それぞれ好みはあるのよ。

 

スナック菓子やのど飴などが入っている。だいたい100円だ。

ボタンを押すと該当商品の扉のロックが8秒だけ解除される。この8秒以内に商品を出さないと、お金だけ吸収される仕組みだよ。

 

御所再訪7

カップ麺自販機は、ディスプレイされている商品がとんでもなく日焼けして色落ちしていた。もうほとんど純白。ウエディングカラー。

 

御所再訪8

気になったのがこの自販機。「中止」という貼り紙がされていて非稼働だったのだが、なんとなくデザインは昭和ではなく平成中期ぐらいな気がする。

 

しかし中身の奇抜さは昭和のノリだ。

まずは自販機名が『王様の宝箱』の時点でボルテージMAX。さらに貼り紙は『一夢1000円 貴方の夢が叶うかも!』・『お宝ザクザク』・『素敵な雑貨やブランド品・家電・ゲーム機など豪華賞品が入っています』など、バブリーな文言が渋滞している。

昔々コスモス自販機というチームなおもちゃの自販機があったそうなのだが、その大人版って感じかな?

 

御所再訪9

悲しむべきは、富士電機のレトロ麺類自販機が故障中であるという点だ。

これは知っていたのだが、どうやら2019年からこの状態らしい。ってことは、もうこのお店の独力での修理は難しいのかもしれないなぁ…。

 

御所再訪10

以前常連さんから聞いた「部品取り用の予備自販機もあるんだよ」というコメント。

予備があるのはカレー自販機だけだったのか、それとも富士電機自販機の予備もあるけどもそれを使うことで復旧するような事象ではなかったのか…。

いずれにしても悲しい気持ち。

 

 

ちっちゃいスプーンでカレー食う

 

それでは食事タイムだ。

 

カレー食う1

いつまでたっても「新発売」の、レトロボンカレー自販機。

麺類自販機とは違って中は既製品だが、ここでカレーを食べたいがゆえに徳島まで足を運んでいる。

 

カレー食う2

メニューはカレーライスの中辛のみで、お値段は変わらず300円。もう1つあったボタンは金属プレートで封印されてしまっていた。

コインを入れてボタンを押すと、取り出し口にゴトンと商品が落ちてくる。

 

カレー食う3

取り出し口に落ちてきたのは、パックライスとレトロとカレーをひとまとめにし、黄色い包装紙でくるんだもの。

シンプルな包装紙のデザインがいいね。さっきのゴム手袋の自販機と兄弟みたいなデザインだ。手に持つとアツアツ。うれしい。

 

カレー食う4

食べるのはここだ。以前と同じロケーション。

基本的にはインナーバルコニータイプで壁のない建物なのだが、一部にのみ壁があり、その内側がご覧の通り細長いカウンターとなっている。

 

カレー食う5

カウンターの上で包装紙を解く。

ご飯にはセロファンがかぶせてあり、やたらと小さいプラスプーンが備え付けられている。あれ?前回よりスプーン小さくないか?こんなので食えるのか??

 

カレーはボンカレーではなくプロクオリティ・ビーフカレーだ。僕もときどきスーパーでお徳用5個パックとかになっているのを買う。レトルトパックの状態でレンチンできるから便利でいいよね。

 

さて、画面の前のあなた。僕はこのあと、このご飯とカレーをどうすると思う??

 

カレー食う6

はい、ご飯にカレーをかけますね。正解です。

もっとも、ご飯はパックにギッチリと詰まっているので一気にカレーを掛けてはだめだ。まずは半分弱くらいをかけるのだ。

こういう知恵、関東甲信越の人は義務教育前に信玄餅の黒みつをかけるタイミングで学んだと思うが、他の地域の方はどうだった?

 

カレー食う7

あ"ーー!! もうこれだよ!

スプーン小さいし、すくいあげた写真を撮りたいなんていう気取った野望を持つから、カレー垂れたじゃないか!

まぁでもそういうところだよね、YAMAさんがみんなから愛されるのは。

 

カレー食う8

なんか悔しかったからなのか、カレーリフトの写真がもう1枚カメラロールにあったのでUPしておく。

なんでこんな小さいスプーンをチョイスしているか知らないけど、この小さいスプーンでチマチマ食うカレーがうまいんですよね。よく知っている味のカレーなのだがね。

 

ちなみにご飯はほとよくやわらかくてうまいよ。保温されっぱなしの状態にもかかわらず、炊きたてみたいなおいしさ。

 

カレー食う9

なかなかのボリュームだったな。カレーを2・3回に分けて掛けたからかもしれないけど、コスト以上の満足感。満腹だ。ごちそうさまでした。

ちなみに今回は僕の滞在中、他のお客さんは誰も来なかった。

 

いつまでも頑張ってほしい

この侘び寂びすら感じる渋いドライブインで、またカレーを食べられたことが嬉しいよ。日本で2台しか稼働していないこの貴重な貴重な自販機、これからもずっと稼働させてほしい。

そして願わくば、富士電機の自販機が復活してくれますように。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: コインスナック御所24
  • 住所: 徳島県阿波市土成町吉田原田市の一
  • 料金: カレー¥300他
  • 駐車場 :あり
  • 時間: 24時間

 

No.364【京都府】春は線路沿いの桜並木を歩こう!「蹴上インクライン」は写真映えするぞ!

京都は歴史的価値のある神社仏閣がたくさんあり、世界中から注目されて観光客もワンサカ来るすごい町だ。

僕も教科書に載っていて誰もが知っているような神社仏閣はそれなりに巡ったが、今回は京都の中心地にあるがちょっと王道からは反れたスポットについて語りたい。

 

「蹴上インクライン」。

いつ行ってもいい場所だが、桜スポットとしてご紹介したい。

あ、2024年の京都の桜シーズンも終わりかけのところ申し訳ない。これからすぐに行けばまだギリで間に合うかもしれない。あるいはブックマークして来年の桜シーズンまで温めていただきたい。

 

 

廃線と桜並木。かなり絵になるスポットだぞ。

桜が満開の快晴の日にここを歩けたことを、僕は天に感謝しているよ。

 

 

琵琶湖疎水の遺構へようこそ

 

あとから「南禅寺」入口付近にも駐車場があることに気づいたが、僕は蹴上駅から300mほど南にある100円パーキングに車を停めて歩いてきた。

 

インクライン遠景

ある意味その選択は正しいかったのかもしれない。なぜならば、交差点の向こうに一直前に連なる桜並木を眺めることができたからだ。

あれがインクライン。あの桜並木の下にそう呼ばれる線路が敷かれているはずだ。あぁ、早くその上を歩いてみたいな。

 

第2期蹴上発電所

交差点の横にはレンガ造りの「第2期蹴上発電所」がある。1912年(明治45年)に造られた水力発電所だ。

 

さて、今回インクラインについて語るには、「琵琶湖疎水」について理解しておかねばならない。

琵琶湖疎水とは、お隣にある滋賀県のデッカい湖「琵琶湖」の水を「京都にもその水ほしいよ!流してよ!」って思ったのではるばる引っ張ってくるという、明治時代のロマンあふれるプロジェクトなのである。

その引っ張ってきた水を使った水力発電所の遺構だ。

 

ねじりまんぽ

インクラインの目の前までやってきた。現れたのは「ねじりまんぽ」という不思議なトンネル。これまた明治時代の遺構である。

 

まんぽというのはトンネルを指す言葉であり、ちょっと中の写真は撮り損ねちゃったんだけどもレンガがねじれるように積まれているのだ。

例えるとさ、銃の砲身内部って螺旋状の腔線っていう溝が彫られていて、これによって弾丸は高速回転するじゃない。このトンネルは、その砲身のように螺旋状にレンガが積まれているのだ。

 

なぜかっていうと、この上にインクライン、つまりは線路が通っているから。その重みに耐えられるようにこういう構造なんだって。メチャ珍しいのです。

 

インクライン

インクラインを歩き出す。桜の咲く線路の道だ。

だがゴメン、その写真をお見せする前に、もう1つ事前知識を語っておきたい。

 

琵琶湖からここ京都市街地まで水を引っ張ってくる明治時代の一大プロジェクト。トンネル掘ったり水路造ったりと、ほぼ水平を保つ道を形成できたのだが…、1つ例外があった。

 

最大の傾斜地がここだ

小さい写真で恐縮だ。スマホの方は拡大してほしい。これが琵琶湖疎水の全容図。

右が琵琶湖、左の赤丸がインクライン。ここだけ傾斜になってしまっている。

 

まぁ水はいいよ。琵琶湖から京都まで下るだけだからさ。でも、せっかくこれだけの水路を造ったなら、もっといろいろ活用したいじゃない。

たとえば船による水運だ。京都と琵琶湖がほぼ水平に繋がったんだから、船で物資を運べばすごい楽。

でもダメだー。このエグい傾斜は船が登れるわけがねぇ!

 

インクラインの誕生

…ってことで誕生したのがインクラインなんだな。

線路を敷いてそこに船を載せて巻き上げる。その動力は、水力発電で作れば自給自足みたいになるぞ、と。その水力発電所が、さっきの第2期蹴上発電所だ。日本初となる、事業用の水力発電所だったのだそうだ。

はい、話が全部繋がってきたね。

 

インクラインとは傾斜地を行き来する貨物用ケーブルカーを指す。

その跡地の線路を歩くことができるのだ。背景を知ることでより一層ワクワクできるよね。

じゃ、線路をノンビリ歩こうか。

 

 

廃線と桜並木が作る世界

 

インクラインの全長は582m。これができた当時は世界最長の規模だったんだって。

 

インクラインを歩く1

僕はそのインクラインの中央付近から歩き始めた。まずは下流側、京都市街地へのゴール方面に歩いていこう。

歩いているとあんまり感じないが、インクラインは36mの高低差がある。そこを2本の線路が繋げているのだ。

 

インクラインを歩く2

少し葉が多くなりだした桜並木が線路の両側に立ち並んでいる。ソメイヨシノであり、90本あるとのことだ。そこを多くの観光客が歩いている。

外国人の人も多い。「日本にようこそ!日本の春はステキでしょ!」って胸を張って言いたいな。

 

インクラインを歩く3

足元は砂利引きの上に飛び石。うん、不規則で歩きづらい。スマホ見ているとコケるんだからな。

でも風情がある。はんなりして来た。京都だから。

 

インクラインを歩く4

線路は橋の下をくぐる。この上は南禅寺前の交差点であり、そこからの道が南禅寺につながっているのだ。

そして橋をくぐって少し行ったところが「南禅寺船溜」っていうインクラインを行き来する船の荷物積み下ろし場所であり、インクラインの終点となる。そこまで行ってみよう。

 

インクラインを歩く5

桜のトンネルの向こうにトンネル。そのトンネル越しに南禅寺船溜の噴水が見えてきた。美しい光景だ。欧州のどっかの宮廷の庭みたいだ。

そしてそのちょっと手前でインクラインの線路が途切れているのが、ここからでもわかるね。

 

インクラインを歩く6

わぁ、すげぇ。思わず声が出た。

トンネルによって向こう側がよく見えず、密閉感があった状態からのこの世界の広がりだから、余計に感動が増幅される。

 

噴水の背後に見えている白い建物は、「蹴上インクライン ドラム工場」だよね?

インクラインを行き来する船を載せた台車のワイヤーを巻き上げるための操作室。湖畔にたたずむ洋館みたいだ。

 

インクラインを歩く7

線路が途切れた向こう側は、チョロチョロと水の流れる水路。春先のきれいな水の中で、なんか植物がスクスク育ってきている。えっと、なんだっけこの植物。

そして水流には一緒に桜の花びらが乗ってきている。春ならではのロマン。

 

インクラインを歩く8

水流の上流側を目で追う。するとさっきまで歩いていた線路の脇にこんな水路があったのだね、気づかなかった。琵琶湖疎水はインクラインの外側をこうやって流れていたのか、そっか。

水路の上には桜。いいね、川と桜のコラボ。

 

ここでインクラインの脇にある階段から上に上り、さっき下をくぐった橋の上側に行ってみることとした。

 

インクラインを歩く9

はい、すごいね。夢の世界のようだね。

ちょうど園児の集団が散策しにインクラインに入ってきた。色鮮やかな帽子がまぶしい。

そして園児、まだ人間界での経験値は数年だろうに、感受性豊かだし個性もそれぞれ。微笑ましい。そんな彼らが数10年後の日本を支えていくのだね。がんばって、そして楽しんで大きくなってほしいものだ。

 

インクラインを歩く10

では、ここで折り返し、今度は約600m先の上流側の終点に向かって歩くぞ。

 

 

三十石船の軌跡は春爛漫

 

出し惜しみしてきたが、桜のトンネルが本領発揮するのはこの章だ。すごいんだからな。

Uターンした僕は、しばらくはインクラインを見下ろしながら車道側を歩く。

 

桜のトンネル1

そこの行程の中盤には、インクラインのレールの上を行き来していた復元された台車が展示してあり、目を引く。こういう働く車系が好きな僕はもちろん足を止める。

台車に載っているのは三十石船だ。

 

桜のトンネル2

インクラインが実際に稼働していたのは1891年から1948年までであり、50数年。正直個人的には「少々短い期間だったんだな」って思ってしまった。

 

当時は船に米・酒・醤油などを載せて大津と京都を行き来していたそうだが、戦後になるともう市街地を結ぶルートに船を使うのって、ちょっと古い手段になっちゃうもんね。車道も発達するし、鉄道も発達するし。

こうして役目を終えてしまったのだ。

 

桜のトンネル3

この復元台車自体は新しく、2010年に造られたもの。

なんか三十石船に乗っかっている荷物まで復元されたそうだけど、ネット掛かっているし全部同じ色で何が何だかわからずに気に留めなかったわ。しかも上の写真では荷物、白飛びしているしな。

 

桜のトンネル4

さぁ、こっからスゲーぞ!!

僕も今回初めて知ったのだが、インクラインは上流部分の方が桜が咲き乱れている。いや、これ下流側が葉桜が多くなってきているからかな?

標高が高い方が春が来るのが遅いもんな、そっかそっか。

 

とりあえず桜も多いし人も多いし、もうグッチャグチャでなんだか楽しくなってくる。

 

桜のトンネル5

さらに園児の集団も突入してきて、さらにワチャコラしてきた。

みんなの歓声や笑い声が周囲に響く。いいね、春ってそうじゃなくっちゃ。動物・植物のすべてが活発化し、世界が活気づくのだ。

 

桜のトンネル6

マジ満開。
そんでほんの30mほどしか上っていないのに、振り返ると遠くに山々が覗いている。すっげぇな、京都。

 

582mのインクライン。同時三十石船を載せたい台車は、このインクラインを10分~15分かけて登ったそうだ。

人が普通に歩く速さの半分くらいのスピードだったんだね。ゆっくりゆっくりと、でも船に積み荷を載せたままで船ごと移動できる技術は画期的だったのだろうな。

 

桜のトンネル7

あとな、僕はこれでも「結構にぎわっているな」って思った次第なのよ。

だけども後からWebで調べたら、桜満開の週末のときってこんなレベルではないのな。朝の新宿駅みたいに人でギュウギュウで、線路なんて1ミリも見えないくらいにごった返すのな。

僕がここを訪問したのは平日の午前中である。いいタイミングをチョイスしたようだ。

 

蹴上疎水公園1

そんなこんなで楽しい散策も終盤。左手に「蹴上疎水公園」が見えてきた。

多くの観光客はここいらで引き返したりしているそうだが、レールはあと100mほど続いている模様だ。もう少し登ろう。

 

蹴上疎水公園2

レールはここまで。正面の策のところで琵琶湖疎水の水路に突き当たり、消えていた。

あそこが「蹴上船溜」。上流側の船の停泊スポットだ。

 

蹴上疎水公園3

ここに復元された台車と三十石船があった。周囲にはほとんど人もおらず、静かに水際に停泊していた。

その向こう側に橋があるので登ってみよう。

 

蹴上疎水公園4

三十石船、そしてその向こうには緩い下り坂。両側に桜並木。これまで歩いてきた行程を見下ろすことができた。

あと、左上にちょこっとしか見えていないけども、京都盆地を取り囲む山脈。

日本の春の美しい光景だね。

 

蹴上疎水公園5

橋から反対側、つまりは琵琶湖側を眺める。

右奥には立派なレンガ造りの建物「旧御 所水道ポンプ室」が見え、さらにその奥にはチラリと「琵琶湖疏水第3トンネル」の西側出口が見えている。

あそこから疎水はトンネルに入り、山の向こうに繋がっているのだろう。

 

僕が今回歩いた琵琶湖疎水はほんの一部だが、こうして疎水は続いている。

ちゃんと辿れば、琵琶湖から京都市街までの壮大な疎水を負うことができるかもしれない。明治時代の夢の残滓。

そう考えると、なんかワクワクするよね。そんな春うららな思い出。

 

異常、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

 

【コラム】四国最西端「佐田岬」のミカン押し売りばあちゃんに、逆に物を売りつけていい?

愛媛県にある四国最西端の岬、「佐田岬」。

この岬を有する佐田岬半島は日本一細長い半島とも呼ばれており、付け根部分から往復するのはなかなかに時間がかかる。しかも終盤は擦れ違いがギリギリなほどの幅の車道となる。

さらには駐車場から岬の灯台までは結構なアップダウンのある道を片道1.8kmも歩かねばならない。

 

 

だからこそ、到達できた佐田岬に感動できるという面もあるが。

このあたりの詳細は以下の記事で記載しているので純粋に岬を目指す方は以下をご覧いただきたい。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

今回取り上げたいのはそうじゃないのだ。

この岬へと向かう広大な道のりの終盤に立ちはだかるガーディアン、「ミカンの押し売りのばあちゃん」について語りたいのだ。

ばあちゃんの押し売り理論を参考に、僕がばあちゃんに物を売ってみたいのだ。

 

 

もうこの記事、これからはばあちゃんのことしか書いていないし、僕もばあちゃんのことしか考えていない。

しかもあなたが想像するほどユニークな結果にはならないかもしれない。

それでいい方だけ、深呼吸してから画面をスクロールしてほしい。

 

 

岬には押し売り警戒看板が立つ

 

ミカン押し売りのばあちゃんとは。まずはそれを語らねばなるまい。

 

 

上の看板を見ていただきたい。これは佐田岬の駐車場から、灯台へと続く1.8㎞の遊歩道への入口部分に掲示されているものである。

 

遠路はるばるお越しいただき有難うございます

美しい自然の景観をお楽しみください

 ⚠押し売りにご注意ください

粗悪な商品を高値で買わされたという問い合わせが増えています。購入時のトラブルに関して、応援管理者は一切の責任を負いかねます。

公園管理者 伊方町

 

これ、なかなかに温度感の高い看板だなって思った。相当な量のクレームが役場に殺到し、頭を抱えた役場が「せいいっぱい角の立たない方法で警告と責任の回避をしている」と感じた。

担当、たぶんこの文面を考えながら下唇を思いっきり噛んでいたと思う。額に青筋を立てていたと思う。

 

本来は『押し売りされたという問い合わせが増えています』でよかったのだ。

それをわざわざ『粗悪な』・『高値で』というネガティブ表現を用いている。そもそも粗悪かどうか、高値はどうかは購入者の価値観によって左右される。

あえてこう書いたことで、「このくらい強いクレームが来ているんですよ」・「買わない方がいいですよ」っていうエマージェンシーを我々に発している。

 

これ、公務員としてはギリッギリのラインを攻めていると思う。僕もこれを初めて読んだときには「まぁまぁ。気持ちはわかるがホットミルクを飲んで今夜は早めに寝ろ。」って思った。

 

 

僕とばあちゃんの邂逅の記憶

 

僕が初めて押し売りばあちゃんと出会ったのは、日本2周目にて初めて佐田岬を訪問したときだったと記憶している。社会人になったばかりの頃であった。

 

 

以前のばあちゃんは、先ほどの警告看板のすぐ裏手、つまりは岬の先端へと続く上記の遊歩道の片隅に座っていた。

初回に出会った際にはまだばあちゃんではなく、"おばちゃん"って呼んだ方がいいくらいの年齢だったかな?同一人物かどうかは定かではないけども。

まぁいいや。この記事では"ばあちゃん"で統一する。

 

ここはすごく狭い道なので、100%ばあちゃんの前を通過せねばならない。

僕ら観光客が前を通過しようとすると、「ミカンどうですか?」みたいに声を掛けられる。

確か初回は仲間と4人だったので、フルーツは基本どんなものであっても食べない僕は、後ろの方でその一連のやりとりを見ていた。

 

ばあちゃん:「ミカンどうですか?」

観光客:「いや、今はいいです。旅行中ですし。」

ばあちゃん:「郵送でもできますよ。ご家族も食べるんじゃないですか?」

観光客:「家族いないし自分も食べないです。」

ばあちゃん:「それではこの海藻の乾物はどう?」

 

…こんな感じで、傍らのボックスからドラえもんのようにいろいろ取り出していたと思う。夏場はアイスもストックしていたな、確か。

上記はサラッと書いたが、実際は百花繚乱の受け返しテクニックを自在に操り、観光気分で少々懐の緩くなっている人はついつい買ってしまったりするのだ。

 

僕はフルーツを食べないのでわからないが、ミカンはそこそこの値段だそうだ。ちなみに海藻の乾物は社会人になったばかりの僕が気軽に買える値段ではなかったし、社会人になったばかりの僕は海藻に興味すらなった。あんなもん、金出して買うもんじゃねーくらいな的外れな人種だった。

ってことで冷静な評価はできないが、看板に『粗悪な』・『高値で』と書かれていたということは、ガッカリされた人の方が多いのであろうな。

 

 

この写真右端の看板。これが設置されたのは2010年代の前半だっただろうか?

これが設置されてからは、さすがにばあちゃんも遊歩道に陣取るのを辞めてしまったようだ。あ、ちょっと切ない。

 

しかし日本6周目で久々に佐田岬を訪れた際に、久々にばあちゃんを見かけた。

駐車場から1.5㎞ほど手前の車道沿いにある民家の前に座っていた。

 

画像

 

日本6周目、朝早い時間に佐田岬を訪問した僕。

その際に僕は、駐車場までの車道沿い、そして駐車場、岬の先端までの遊歩道、その全てにばあちゃんがいないか確認していた。結果いなかった。

いたらこの警告看板ができたことに対してどういうお気持ちなのかインタビューしてみたかったんだけどな。

 

だが、全ての観光を終えて充実した気分で岬を立ち去った直後にばあちゃんが現れたのだ。

その場所が、先ほど書いた通り駐車場から1.5㎞ほど手前の車道沿いにある民家の前だったのだ。

 

そうだった。僕はばあちゃんがミカンを売り出す時間を考慮していなかった。たぶん8時ごろから押し売り開始だ。だから往路の際にはばあちゃんはおらず、復路で登場したのだ。

 

 

僕が車で通りすぎる際、ばあちゃんはミカンを持った片手を高く上げ、僕に向かって何かを叫んだ。

気持ちの準備ができていれば僕はブレーキを踏んでばあちゃんと会話ができたろう。しかしいきなりの登場でそこまでの咄嗟の判断ができなかった。僕は「やぁ」みたいに片手をあげてばあちゃんの横を通過した。

 

ばあちゃんの叫びがドップラー効果みたいな感じでわずかに聞こえた。サイドミラーを見るとまだこっちに向かってミカンを振りかざし、何かを叫んでいた。

ゴメンばあちゃん、この道はもうUターンするのはかなり難しいのだよ。またいつか。

 

 

僕はばあちゃんと闘いたい

 

Web情報によれば、ばあちゃんは80歳を超えたという。引退してしまう前にまた会いに行かねばなるまい。

 

 

2023年の9月は、フェリーで佐田岬沖を通過した。大分港を起点に九州北半分を一周する旅を計画していたのだ。

佐田岬灯台も遠くに見えた。あぁ、あそこにばあちゃんがいる。でも今回は会えない…。

ばあちゃんに恋焦がれてXにポストしたのが上記だ。

 

2024年、僕はばあちゃんに再会できることとなる。

前日まで佐田岬はおろか、四国に行くことすら明確に考えていなったので、このプランには僕自身が一番驚いたかもしれない。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

時系列的には上記の記事の翌日だ。

上記の記事の最後に雪予報を検知した僕が予定を大きく変更し『さて、山口県まで突っ走った後にUターンして四国を目指そうかな…』とつぶやいている。

その結果、佐田岬を訪問することとなったのだ。

 

 

しまった、もうあと2時間後にはばあちゃんのいる佐田岬だ。

にもかかわらず、僕はばあちゃんに会ったときの会話を全然考えていない。事前準備もしていない。

あこがれのアイドルに会う直前の少女のように、僕は焦る気持ちを抑えながらプランを練った。

 

 

天下一品こってりスープおにぎり

 

僕は作戦を立てる。

ばあちゃんは観光客に押し売りをしてくる。それがいいか悪いかは厳密にはわからないが、迷惑をしている人もいるから冒頭の看板が作られている。

それでもSNSなどを見る限り、ばあちゃんは少しだけ場所をずらして相変わらず押し売りをしている。

 

きっとばあちゃんは「自分は押し売りをしている」・「迷惑をかけている」という自覚がないのだ。純粋にミカンを売りたいと思っているのだ。だからこそ、あの手この手で買ってもらう方法を提案しているのだ。

…その精神、しかと僕が受け止めた。そしてばあちゃんに同じく「押し売り返し」してみたい。

日本7周をし、何度もばあちゃんに会っている僕だからこそ、それができる。ばあちゃん、あなたを見て育った僕は一人前のオシウリストになりましたぞ、と。

 

 

「天下一品 こってりスープ仕立て 炒飯おにぎり」を購入した。168円。

 

選ぶ時間も店も充分に無かったのでこんな結果となってしまったが、まぁいいや。ばあちゃんに魅力を伝えられれば商品はなんでもいいのだ。

今からこれを、ばあちゃんに売りに行く。押し売りする。人生初の押し売りだ。ドキドキすらぁ。

 

大事なのは、ばあちゃんと同じ手法で押し売りすること。

ばあちゃんが「あら、私と同じセールストークね」って気づき、それによって今まで押し売りされてきた人々の気持ちがわかってくれればハッピーエンドだ。

嫌がらせになってはいけない。高圧的になってもいけない。僕はばあちゃんの愛弟子の気分にならねばならない。

 

 

天下一品 こってりスープ仕立て 炒飯おにぎりは、2024年2月26日から販売開始されたそうだ。うおぉ、マジか!メッチャ旬じゃねーか!我ながらいいチョイス!

 

そして説明するまでもないかもしれないが、あのポタージュのようにドロドロのスープがウリのラーメン屋「天下一品」のラーメンをモチーフとしたおにぎりなのだそうだ。

その鶏ガラスープを取り入れた炒飯で作ったおにぎり。にんにくや唐辛子も入っているぞ。元気になれるヤツ。

 

さらには天下一品って言ってもピンと来ないばあちゃんのために、天下一品のことをWebで調べて学習した。

創業は1971年、大阪万博の次の年だ。京都「銀閣寺」近くに屋台としてOPENし、最初は全然売れなくって苦労したらしい。

そのあとも当然いろいろあるけど、ここで話す話題じゃないので全部カット。

 

なんか調べていくうちに僕自身が天下一品のことが気になってしょうがなくなった。

僕自身がこのおにぎり食いたい。最悪、ばあちゃんと天下一品おにぎりの取り合いになるな、これ。

 

 

さて、どうやって鏡面セールス(←鏡面セールス??)をすべきか…。

佐田岬半島の先端に向かって走りながら脳内ロールプレイングをする。イメージは以下の通りだ。ばあちゃんのミカンターンと僕のおにぎりターンの対比で書くぞ。

 

ーーーー

ばあちゃん:「ウチのイヨカンはおいしいよ。買っていきなさい。」

僕:「いや、イヨカンって食べたことないんですよね…。食べられないかも。」

ばあちゃん:「じゃあだまされたと思って食べなさい。おいしいから。」

 

僕:「天下一品のおにぎりはおいしいよ。買ってください。」

ばあちゃん:「いや、天下一品って食べたことないのよ。苦手かもしれないわ。」

僕:「じゃあだまされたと思って食べてください。おいしいから。」

 

ーーーー

僕:「でもちょっとお高くないですか、これ…?」

ばあちゃん:「ウチのイヨカンはあれこれあれこれで、すごく大きくて甘いからお値段以上にお得よ。」

 

ばあちゃん:「でもお金を払ってまで食べようとは思わないわ。」

僕:「天下一品のラーメンは(歴史と企業努力を語る)で、それがおにぎりになるという2024年のビッグイベントなのですよ。それを僕がここまでお届けしているのです。配送業の"2024年問題"ってご存じですか?昨今のトラックドライバーの労働時間が社会的問題(以下略)」

 

ーーーー

僕:「でも柑橘類ってやっぱちょっと苦手かも…」

ばあちゃん:「ウチのは大丈夫よ。あれこれあれこれで、柑橘類が苦手な人でも食べやすいから。」

 

ばあちゃん:「でもこってりラーメンなんて普段食べないから苦手かもしれないわ。」

僕:「これは大丈夫です。おにぎりですから。老若男女、初心者であっても気軽に天下一品を体験できるように工夫されているんです。日本人なら誰しも馴染みのあるおにぎりで天下一品の(以下略)」

 

ーーーー

ばあちゃん:「このイヨカンは、太陽をたっぷり浴びたからすっごく栄養価が高いのよ。」

僕:「見てくださいこのおにぎり。カロリー218キロカロリーありますよ!栄養の塊ですよこれ!」

 

ーーーー

ばあちゃん:「じゃあご家族のために買って帰ってくださいな。」

僕:「じゃあ家族に食べてもらいましょう。おにぎりもラーメンも嫌いな日本人、きっといませんから。」

 

ーーーー

 

トークスクリプト、カンペキ!脳内で20種類くらいは用意した。

どう来ても天下一品カウンターできる。すばらしきは天下一品よ。

 

 

押し売りばあちゃんと対峙する

 

さぁ、いよいよ岬の先端が近づいてきた。

 

 

ここでゴメン、水を差すようだがあなたに1つ大事なことを伝えておきたい。

 

僕の目的は「ばあちゃんにおにぎりを押し売りする」ことではない。ばあちゃんのセールストークに対し鏡面セールストークをすることだ。

つまり、ばあちゃんは僕にゴリゴリの押し売りをせずに早々に手を引いた場合は、僕もセールスができなくなる。

 

僕は今回の企画をエンターテインメントでやっているわけではない。そういう系のユーチューバーなら突っ込んでいくのだろうが、僕はばあちゃんに迷惑をかけたいわけではない。

"おあいこ"以上のことはしないのだ。

 

 

毎回岬の先端まではすごい距離があるなーって思っていたのだが、ばあちゃんのことを考えていたらあっという間に先端付近まで来てしまった。

あともう少しだ。高鳴る心臓。初恋のあの気持ち。

 

そうだ、「言った言わない」にならないように録音もしておこう。断りなく録音するのはちょっとよろしくないので、録音に了承いただくトークも直前で考えておいた。

そして間もなく見えてくる。ミカンの木に囲まれ、崖を背にして立つ家が。その前に座り込むばあちゃんが。

 

よく聞き取れないが、「ちょっとー!お兄さんー!」みたいに呼びかけられた。

僕は待ってましたとばかりにブレーキを踏み、停車して「どうなさいましたか?」と聞く。

 

 

ばあちゃんはミカンの紹介を始めた。

ちょっと品種の部分が聞き取れなかったのだが、「〇〇という大阪の品種で、最近新しく育て始めた。ちょっと高いけれどもすっごいおいしいから買って行きなさい。」みたいな感じであった。

 

「ミカンか…。ちょっと"僕自身は"柑橘系はあんまり食べないんですよねぇ…。」と返答した。

ここで予想外の事象が起きる。

「あー、そうなの。だったらしょうがないやねー。」とばあちゃんが引き下がったのだ。

 

えっ、どうしたどうした。随分丸くなったじゃないか。僕はわざわざ"僕自身は"って言って隙を見せたのに。

一瞬考えた。これで「家族は食べます」とか言ったらもっとグイグイ来てもらえるだろうが、それでは「押し売りされたい」人になってしまい、本来の意図と外れる。それはダメなんだ。

 

 

僕が「すみませんねー」と言うと、ばあちゃんは「はいよー」とあっさり答える。

こりゃもう去るしかない。こうして佐田岬の駐車場に到着した。そこから小1時間をかけて佐田岬散策をするのだが、最高でしたわ。この岬はやっぱいい。

 

だけどもなんだか心が満ちない。ばあちゃんともうちょっとお話しできると思っていたからな。ワクワクしすぎた。

ばあちゃんも昔と比べて年を取り、ハングリー精神を失ったのだ。クレームを怖がり、本当に買いたい人だけにミカンを売るスタンスに変えたのだ。

 

 

それでいいじゃないか。

これで丸く収まる。もうよっぽどのことがない限り、被害者は出ないであろう。

それが確認できただけでよかった。

 

ここまでダラダラと長文を書いたので画面の前のあなたは「なんだ、結局押し売り返ししないのかよ、ガッカリだぜ」ってスマホを投げるかもしれない。

そういうもんだよ。この世はバラエティ番組のようにうまく構成されているわけでもなければ、フィクションのように望んだ展開になるわけでもないのだから。

 

 

エピローグ:また逢う日まで

 

佐田岬を観光し、再び僕は佐田岬半島の付け根に向けて車を走らせる。

時刻は16:30。西日がまぶしくなってきた。

 

 

ばあちゃんの家の前も無人だ。もう仕事を終えたのであろう。

ちょいと切ない気持ちで通り過ぎようとしたときだ。隣の納屋みたいなところにいたばあちゃんがちょうど外に出てきて、僕を見て「ちょっとアンタぁぁーー!」みたいに吼えた。

 

いや、ちょっと待てそのタイミングで呼ばれるとは思わなかった。

また呼ばれるとも思わなかった。

もうすでにブレーキを踏むのもよろしくない。僕は「やぁ」みたいに片手をあげてばあちゃんの横を通過した。

ばあちゃんの叫びがドップラー効果みたいな感じでわずかに聞こえた。バックミラーを見るとまだこっちに向かって何かを叫んでいた。

 

 

僕が2回目と気づかずに、またミカンを売るつもりだったのだろうか?

それとも他の物を売ってくるつもりだったのだろうか?

残念ながら真意は不明だ。

 

じゃあ、次は日本8周目で確認せねばなるまい。それまで元気でミカンを売り続けていてほしい。四国最西端で旅人たちに恐怖を振りまいていてほしい。

あの警告看板がいつの日か撤去されたら、僕は悲しい気持ちになってしまうからさ。

 

ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー

 

 

「天下一品 こってりスープ仕立て 炒飯おにぎり」。

僕の口に入ることになった。まぁうまかったですわ。ただ、ばあちゃんと対峙した際にすぐに取り出せるようにバッグの中に入れていた。そのまま佐田岬往復の時もバッグの中だった。

 

歩いたときの振動が蓄積されて、もともと柔らかかったであろうおにぎりの封を切った瞬間に、ほろほろと崩れた。

運転席のシートの脇の隙間とか、マックのポットが無限に吸い込まれるあの空間にご飯粒がぽろぽろと落ちていった。ちくしょうめ。うまいけども、ちくしょうめ。

 

伊予灘に落ちていく夕日を眺めながら、僕はつぶやいた。

No.363【新潟県】Googleマップにもない!人もいない!でも「高瀬の桜並木」はすごいのだ!

あぁ、あの年の僕は。

人生で最も…、と言ってもいいくらいに幸せに満ちていたあの年の春、「高瀬の桜並木」を歩いたのだ。

 

2024年現在、この桜並木はGoogleマップにすら載っていない。観光客も地元と思われる方々が数人いただけだった。

まるで夢幻のようなシチュエーションだが、確かにあの桜並木は存在し、見事に咲き乱れていたのだ。

 

 

…というわけで今回は関川村のこの桜並木と、それを見下ろす「丸山大橋」という市町村道では日本一の長さのアーチ橋について語ろうと思う。

あ、高瀬の桜並木の場所は最後に示すので参考にしてね。

 

 

プロローグ:初の丸山大橋

 

日本3周目の春、宮城・山形・新潟あたりを気ままに車中泊ドライブしているときであった。山形県から山間部の峠を越え、新潟県に入ってしばらくした際に目についたオブジェがある。

 

初、丸山大橋1

市町村道アーチ橋日本一』という丸山大橋を示すオブジェがあったのだ。

橋好きとして気になる。僕が走っている国道113号からほんの500mも反れれば、その丸山大橋があるようだ。では寄り道してみよう。僕はハンドルを切った。

 

橋のたもとには、100台くらいが駐車できる広大な駐車場&ドライブインがあった。「レストラン丸山大橋」というネーミング。まんまだ。釜めしが名物らしい。

※2024年現在はすでに閉店しており、建物だけが残っている。

 

初、丸山大橋2

そばにあった橋の説明の看板を読んでみる。

この橋の長さは175m。そして下部のアーチ部分の長さは118m。このアーチの長さが、市町村道で日本一なんだそうだ。

橋はここ関川村を代表する重要文化財である「渡辺邸」をモチーフにしているんだ
そうだ。渡辺邸を知らないけども。勉強不足ですまない。

 

橋の全容を見られる場所はどこかな?

たもとからではダメだ。斜め横から眺めたい。

 

初、丸山大橋3

ということで、上の写真を撮った。

撮るに当たって茂みの中を進み、一度コケて腕からちょっと血が出たけどね。まぁ腕くらいどうでもいいんだけど、少し涙目なことはナイショでな。

 

初、丸山大橋4

続いては橋の上を歩く。

橋の高さは下を流れる「荒川」44mあるそうだ。なかなかにスリリングな眺めだが、とても穏やかな春を感じられる光景ではないか。この渓谷を「荒川峡」と呼ぶらしい。

 

初、丸山大橋5

あぁ、心がクリアになるような青…。

ちょっと上の構図には写っていないんだけど、右側の方に桜並木と思われるものがある。もうこの時期は完全に葉桜なんだけど、桜の時期にあそこを歩けたらきっと幸せだろうな…。

 

初、丸山大橋6

こうして短い僕の散策が終わった。再び国道133号に合流し、日本海方面に車を走らせる。

すぐ先に関川村の「道の駅 関川」があるのだが、そこまでの道のりは八重桜が咲き誇っていて綺麗だったよ。道の駅ではノンビリと休憩させていただいた。

 

道の駅 関川にて

そして時代は少し流れ…。

 

 

満開の時期、高瀬の桜並木を歩こう

 

日本5周目の4月のことである。僕は関川村に戻ってきた。

桜真っ盛りのシーズンである。荒川峡の桜並木を歩きたいに決まっている。

 

高瀬の桜並木1

まずは駐車できそうなスペースを探しながら桜並木沿いの道を車で走った。

すんごい。ハンドルを握りながら思わず「わぁ」と声が出たよ。春っていいですよね、日本の春はすごくいい…!

 

高瀬の桜並木2

桜並木の西の端あたりで車を停められそうなわずかなスペースを発見。そこに愛車を停めた。

チラホラと駐車に使えるスペースが登場する模様だ。ちゃんとした区画の駐車場は近辺には無いように感じた。

 

高瀬の桜並木3

なんかみんな、いい感じに道路に幅寄せして駐車している。このような場所であれば愛車と桜並木のコラボ写真が撮れるかもね。

 

高瀬の桜並木4

…静か。

普通これだけの桜並木があると、車道は訪れる車でゴッタ返し、桜の木の下はカラフルなレジャーシートだらけ、あるいははゾロゾロ歩く人の列ができているイメージ。

しかしここはそんな要素は1つもない。世界から人が消えてしまったのかな?そう思った。

 

高瀬の桜並木4

この桜並木は、「高瀬温泉」の薬師堂を起点として丸山大橋方面に600m続いているとのことだ。そしてその本数はおよそ90本なのだという。

もっと本数があるように思えるけどな。とりあえずこうやって見ている分には充分なボリュームの桜なのだ。それが大事。

 

右手の方を見てほしい。土手を少し登ると芝生の上でくつろげそうじゃないか。そっちに行ってみよう。

 

高瀬の桜並木5

道路から土手に上がってみた。桜の花とほぼ同じ目線でのアングル。これもステキだ。そして土手側も閑散としている。

数名が散策しているのと、数組がピクニックしていたりオッチャンらしき人が飲み会をやっている程度。いずれも地元の人たちなのだろう。もったいないやらありがたいやらのスポットだ。

 

だけども、こんなロケーションだからこそ、土手はとてもきれいだ。これが東京都心の桜スポットだったらゴミが散乱しまくるだろうからな。

 

高瀬の桜並木6

見事なまでのソーシャルディスタンス。

別にコロナ禍で撮影したわけではない。コロナ前でこの状況なのだ。観光客と模擬店でごった返す賑やかな花見もいいが、静かな花見もいいよな。

春の日差しが暖かく、風がそよそよと吹く。こういうのを感じるのが好き。

 

高瀬の桜並木7

いつぞらの丸山大橋が桜並木越しに見えている。こうして見るとやっぱデカいし長いし、高いよなぁって改めて感じる。橋の長さは175mであるが、その倍くらいあるようにも感じてしまう。

よし、このあとあそこにも行ってみよう。

 

高瀬の桜並木8

土手を歩きながら高瀬温泉方面に戻ってきた。左端に高瀬温泉の「観山荘」が見えている。

ここで桜並木はブツッと終わる。上の写真の中央に写っている桜が、桜並木としての最後の1本だ。そして上の写真には写っていないけど、桜並木の始まりと終わりの場所に立つ薬師堂が、まさに上の写真の右下部分にある。

 

高瀬の桜並木9

土手を降りた。薬師堂の向かいの公園がいい雰囲気だったので写真を撮った。

 

このあとは小さな建物が密集している静かな温泉街へと入り、ところどころに咲く桜を見上げたりして平和な時間を過ごしたよ。

 

高瀬の桜並木10

では、次は再びの丸山大橋だ!

 

 

丸山大橋と猫ちぐらモニュメント

魅惑のキャットタワー

 

…というわけで久々に丸山大橋を目指すのだが、国道113号から丸山大橋に曲がる部分で前回訪問時に触れていないポイントがあるので、この章でちょっと補足させてほしい。

 

猫ちぐら1

最初の章で掲載したこの写真。僕が丸山大橋を知るきっかけとなったオブジェだ。

このオブジェと同じ敷地内に、もう1つ見逃せないモニュメントがあったのだが、当時の僕は丸山大橋に夢中で目に入らなかった。

 

猫ちぐら2

丸山大橋のオブジェの立つ地は、ちょっとしたパーキングになっている。上の写真、視線を少し左にずらすと丸山大橋のオブジェがある。

しかしこの章で取り上げたいのは、写真中央の黄色い怪しい実のなる木みたいなモニュメントだ。

 

猫ちぐら3

猫ちぐらのモニュメント」である。

キャットタワーみたいな構造であり、何匹かのネコがそこでくつろいでいる、ネコ好き垂涎もののスポットなのである。なんで前回はこれに気付かなかったかなー。無念。

 

猫ちぐら4

猫ちぐらとは何なのか。その説明版があった。

前提として、昔々の農家では"つぐら"っていうワラで編んだ巨大な丼的なものがあり、そこに赤ちゃんを入れておいて農作業に出かけたりしていたとのことだ。

 

その猫版は猫ちぐら。簡単に言えばキャットハウスなのだろう。

ワラで編んだ猫ちぐらは、関川村の特産物となっているそうだ。それを示すモニュメントなのだ。なぜかキャットタワーのようにスケールアップしているけども。

 

猫ちぐら5

ほら、ネコちゃんたちも猫ちぐらの中で快適そうに… … ??

いや、彫りが深すぎてあんまり表情が読み取れなかったわ。思ったよりもエキゾチックな顔立ちだったわ、ネコちゃんたち。

 

猫ちぐら6

だけどもマイハウスからこんな風に満開の桜を眺められたら、ネコちゃんたちもきっとハッピーに違いない。

今回は日本5周目の春の話であるが、その後の旅路で僕はここを3回ほど通っており、その度にネコちゃんたちに挨拶をするお気に入りのスポットとなった。

 

 

桜に包まれる丸山公園

 

猫ちぐらから500mほどで、かつて車を駐車したスポットにやってきた。

 

丸山公園1

前回存在していたレストラン丸山大橋はもうなくなっている。写真中央の桜の後ろからチラッと見えている白い建物が、以前そのレストランだったのだ。

…ってゆーか桜スゲーな!ここにも咲き乱れているな!!

 

丸山公園2

駐車場に車を停めた。

その隣には広大な公園が広がっていた。「丸山公園」というらしい。その公園内に桜がいっぱい咲いているのだ。

 

これすごい。まずは愛車と桜とのコラボ写真をいっぱい撮る。

それからこの公園に少し足を踏み入れてみなければ。丸山大橋はその後でいい。

 

丸山公園3

あぁ、いいなぁ。

高瀬の桜並木よりもお花見している人が多い。きっと並木という"線"のロケーションよりも、公園という"面"のロケーションの方が花見をしていて落ち着くのだろう。それにトイレとかの環境も公園の方が整っているからかもしれない。

 

そっか、つまり高瀬の桜並木に人が少なかったのは、車でほんの数分に丸山公園という桜のスポットがもう1つあったからなのだな。

 

丸山公園4

桜に包まれ、みんな幸せそうだ。

いい日にここに来たものだ。晴れていて風もなくって、そして桜が満開の週末なんて、年に1回あるかないかだもんな。いや、むしろ年に1回もない可能性のほうが高いもんな。

 

丸山公園5

では、忘れちゃいけない丸山大橋に行ってみよう。

 

 

再びの丸山大橋

 

全容を撮影できる角度は前回と同じように道と言えるような道はなく、茂みをかき分けて突っ込む必要がある。

 

久々の丸山大橋1

前回と比べて救われたのは、まだ季節が早いからそんなに雑草が生えていない点だ。撮影ポイント直前まではあまり苦労せずにアプローチすることができる。

 

久々の丸山大橋2

最後は足元注意だ。乾いた枯草が斜めになっていて、足元滑る滑る。

しかし万一本当に滑って転んだら、44m下の荒川峡までフォーリンダウンしかねない。それだけは避けねばならない。

 

久々の丸山大橋3

ちょっとね、橋を撮るのに夢中になっちゃってさ、ここから見下ろした高瀬の桜並木の並木の写真は無いんだ。何やっているんだか。

しかし僕は、確かにここから眼下に連なる桜並木を見た。

 

何年も前に、国道を走りながらふと見つけた丸山大橋のオブジェ…。

そこから始まり、桜並木を見つけ、猫ちぐらモニュメントを見つけ…。全部繋がっている。それが嬉しいのだぞ。

 

そして道の駅 関川へ…1

人生で最も…、と言ってもいいくらいに幸せに満ちていたあの年の春のひとこま。

前回は1人でのドライブであったが、今回は同行者と来れたのもまたいいね。前回得た知識を生かして、今回の案内ができたのだから。

 

そして道の駅 関川へ…2

そんな高瀬の桜並木。まだGoogleマップには掲載されていない桜並木。

2024年の今年もそろそろ咲くのだろうか。僕は遠い地で思いを馳せる。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 高瀬の桜並木
  • 住所: 新潟県岩船郡関川村大字湯沢
  • 料金: 無料
  • 駐車場: あり
  • 時間: 特になし

 

No.362【兵庫県】レトロ自販機のある「石田鶏卵」!!自販機そばにお店の卵をトッピング!

ここ数年注目が集まっている、昭和のレトロ自販機。中からアツアツのうどんが出てきたりトーストやハンバーガーが出てきたり…。

バラエティー番組やドキュメンタリー番組に取り上げられることもしばしばあるので見たことある人も多いだろうし、それらを複数巡っている方もチラホラいることであろう。もちろん往時から食べている方もいるだろう。

 

これが、今回取り上げる石田鶏卵のレトロ自販機

僕は東日本大震災直後くらいにレトロ自販機の存在を知り、2011年の年末から全国のレトロ自販機を巡るべく動き出した。

残念ながら最初ではないが、我が人生におけるレトロ自販機店の2店目に訪問したのが、この「石田鶏卵」というお店のなのである。

 

"鶏卵"という名前の通り、卵を売っている雑貨屋さんの店頭の自販機だ。お店で卵を買って自販機麺にトッピングし、月見にするのが粋だという。

僕はここを2012年の初頭に初めて訪れた。しかしなかなかお店の営業時間に訪れられずに月見にできなかった。

 

2024年、月見記念日

しかしついに2024年、日本7周目にてその願いを叶えることができる。

今回はそこに至るまでの壮大な物語をご紹介しよう。

 

月見そば、極上でしたぞ!!

 

 

【1回目】レトロ自販機超初心者の僕が行く

 

そう、あれは確か2012年の1月のことだ。僕は大阪湾の近郊にある廃墟や廃村を探索する旅をしていた。その途中で訪れたのが石田鶏卵だ。

 

2012年の出会い1

この1ヶ月ほど間に、この世にはレトロ自販機というものがあるって知ってね。その後、とりあえずすぐに1店舗は訪問したので、この石田鶏卵が栄えある2店舗目って次第だ。

その自販機があるのは卵屋さん…というか雑貨屋さん?商店と呼んでいいのかな?世の中にコンビニができる以前に、その機能を保有していた系のお店だ。今日は休業しているようなのでよくわからないけども。

 

神戸の埋め立て地の、ものすっごい工場地帯。そこにたたずむ少しレトロな商店だな。

調べてみると日曜日と祝日が休みのようだ。まぁいっか。僕の目的は商店ではなくてレトロ自販機だし。

 

2012年の出会い2

これがその自販機だ。おっと、興奮しすぎて前のめりになりすぎて全体像の写真が撮れなかったよ。すまぬ。逆にやや遠くっていいならば、1枚上の写真をガン見してね。

 

ちなみに萌えポイントはパネル左上にある『おいしい』という文字だ。なんだこのヘタクソな文字は。こんな文字でおいしいって書かれたら、そりゃおいしいに決まっているじゃんかよー!食うーー!!

 

2012年の出会い3

そばかうどんか。悩んだ末に選んだのは230円の天ぷらうどん。手ごろな価格だね。嬉しい限りだ。

お金を入れてボタンを押すと、20数秒ほどのカウントダウンが表示される。

 

ゼロになった瞬間に「チーン!」と音がして、取り出し口の扉の奥から「ジョバー!」
って汁が流れてきた。

あわわわ…!!なにこれ!!汁多すぎたの!?2012年つゆだく事件!?

 

2012年の出会い4

取り出すと、だし汁が表面張力ギリギリまで入った美味しそうな天ぷらうどん登場だー!テンション上がるー!!

上の写真、赤く飛んでしまっているのは、大阪湾岸の廃墟等をこのテイストで撮影していたからだ。同じモードでうどんを撮影しちまったよー。うどんは廃墟じゃねーのによー。ごめん、モードを戻そう。

 

2012年の出会い5

あらためて、天ぷらうどんである。

あ、おいしいおいしい。関西風のあっさりしたダシがいいね。そんなに満腹ではない時間帯であっても、体にスーッと浸み込むように入っていくよ。

雲のようにモコモコした天ぷらの下には、ネギとかカマボコも入っていた。

 

2012年の出会い6

同じようなレトロ自販機であっても、中身は作るオーナーさんによって様々なんだな。麺も具も、だし汁も違う。可能性は無限大なのだ。

面白いな。これからもレトロ自販機を巡ろう。なんなら、日本中のレトロ自販機を巡ろう。

 

 

【2回目】春の夜、深夜2時の夜食に

 

春…というかもう初夏のようなモンワリと熱い深夜のことだった。中国地方へのドライブに向かう僕がここにやってきた。

 

深夜の工場地帯1

わぁ暗い。マジで車も人も皆無だ。深夜2時近い工場地帯はすべてが寝静まっていた。あまりの静寂っぷりに動揺したためか、カメラを持つ手も震えて写真がブレたさ。

 

さーて、石田鶏卵はどこだったかなー。

大体の場所は覚えているので、適当に工場地帯の奥へと車を進ませて行く。

 

深夜の工場地帯2

なんとなく覚えているもんなんだよね。無機質な工場群の中でも僕の嗅覚は的確にレトロ自販機を捉え、見覚えのある道をたどって埋め立て地の先へと進んでいく。

あぁ、小腹が減ったぞ。深夜に食べる麺類って至福だよね。悪魔の味。

 

深夜の工場地帯3

煌々と光る石田鶏卵の前に来た。当然お店は営業していない。

でも、こんな深夜であっても、きっと自販機等を使う人たちのために明るく電気をつけてくれているんだね。ありがたい。

でも光の中に入ったら異世界転生してしまいそうなほどの光量だな、まぶしい。

 

お店の軒先の飲食スペースには、ツーリングライダーらしき先客がいる。きっと自販機麺を食べているのだろう。ジャマしちゃ悪いかなって思って、しばらく車の中でゴロゴロ仮眠しながら待機した。

こんな時間でもお客さん来るんだね。やっぱここ、いい店なんだな。

 

深夜の工場地帯4

数10分車内で転寝して、ライダーさんがいなくなったことを確認しつつ僕はレトロ自販機の前に立った。阪神エリアで唯一と言われている、貴重なレトロ自販機だ。

また来れてうれしいぜ。

 

…ん?パネル左上の『おいしい』の文字が消滅している。

おいしくなくなったのか?いや、そんなわけあるか。うまいに決まっている。わざわざ言う必要ないから取っただけだよね、わかります。

 

深夜の工場地帯5

初回訪問時から少し年月は流れたのだが、料金は変わらず230円。安すぎる。

前回はうどんだったので、今回はそばを食うと心に決めている。売り切れでなくってよかったぜ。

 

深夜の工場地帯6

23秒ほどで受取口からアツアツのそばが現れた。

あ、だし汁の量が常識レベルだ。前回のように器と一緒に汁まで「ドババー」と出てくる愉快なアトラクションではなくなっていた。

前回は湯切り装置の調子が悪かったんだよね。今回は修理後なので普通なのだ。

 

深夜の工場地帯7

ちょっとだけ涼しさを感じる、この夜風に吹かれながらのそば、最高じゃありませんか?

そば少しコシが弱いが、天ぷらは大きくてなかなかゴージャス。230円で味わえる非日常。極上であるなぁ。

 

深夜の工場地帯8

そういえば、この石田鶏卵の商店が営業していれば、そこで卵を買って月見うどんや月見そばにもできるそうだよ。いつかそれもやってみたいな。

でももううどんもそばも食べてしまったから、日本中のレトロ自販機を巡り終えて"2巡目"みたいなフェーズに入ったらまた来ようかな。

 

 

【3回目】ポケットに夢を忍ばせて

 

またまた年月が流れた。雪が降るほど寒い夜のことである。日本中のレトロ自販機をほぼすべて網羅した僕が、久々に初心に帰って石田鶏卵へとやってきた。

 

ポケットに卵1

あのライトアップされた美しいフォルムの橋は、阪神高速の「東神戸大橋」だね。たぶん横浜で言うところの「横浜ベイブリッジ」。デザインも似ている。

 

横浜と神戸って、ほぼ一緒の位置づけだよね。東京に対する横浜。大阪に対する神戸。

古くに開港した港町で外国文化をいち早く取り入れたし、中華街あるし、レトロな洋館多いし、坂道多いし。

もともとパラレルワールドの同じ町だったところ、なんかの事故で同じ世界に来てしまったんだと思うよ。そうじゃないと説明がつかない。

 

ポケットに卵2

既に22時なので今回も商店は営業していないであろう。商店がやっていないということは卵を購入できないということであり、それすなわち月見そばが食べられないということである。

 

しかし稀代の軍師である僕には1つ作戦があった。

それは、卵を持ち込むという作戦だ。ふふふ、すでに車内のセンターコンソールには生卵が1つ入っている。カンペキだ。

 

ポケットに卵3

今回も店頭にはライダーさんがいた。遠目なのでよくわからないが、自販機麺を確実に食べている。じゃあ少し離れた場所にて待機しよう…。

 

しばらくして彼らが食べ終え、ベンチを去ったタイミングで僕が動き出した。

センターコンソールから生卵をそっと取り出し、ポケットに忍ばせて。ようやく長年の夢、月見そばを食べられるのだ。今宵は卵と書いて"ゆめ"と読ませようぞ。

 

ポケットに卵4

だがしかし…、聞いてくれ、画面の前のあなた。不可解なことが起こったのだ。

お金を入れても入れても、釣銭返却口から落ちてくる。手ごたえがないのだ。どういうことだ。

 

僕はうろたえた。おそらくついさっき、ライダーさんが買っていたはずだ。

その際か、その直後に壊れたのか?なんてこった。ついさっきまで正常に動いていたというのに。自販機の横には大量の食べ終わった丼があるというのに、この僕は食べられないのか?

 

ポケットに卵5

だとしたら、活躍の場を奪われたポケットの中の卵はいったいどうなるのだ?

このあと数日間は旅が続くのだ。いくら真冬とはいえ生卵と一緒に何日も旅をするのは懸念があるぞ。かといって捨てるのは憚られるし…。

 

いや待て、落ち着け。

卵1つのことよりも、自販機がどうなってしまったのか考える方が先決だ。ちょっとSNSで調べたり自販機を眺めたりし、なんとなく推測した。

 

ポケットに卵6

写真下部の赤く囲った部分は、本来『売り切れ』のランプがつく部分だ。それが死んでいることを確認した。

つまりは売り切れているかどうかわからない。僕が買おうとしたときは売り切れていたのかもしれない。

 

でも本来であれば売り切れであってもいきなりお金が釣銭受け取り口に戻ることはない。メニューボタンを押しても反応がなくなるだけだ。

 

でももう1つ根拠がある。メニューボタンの上の丸いランプ。これがついたらメニューボタンが有効になる。ついていないということは、売り切れている可能性が高い。

 

ポケットに卵7

僕が考えたりもう1回チャレンジしたりしているうちに、2組ほどお客さんが来て自販機麺を購入しようとし、挫折して帰っていった。

ダメだな。今回は僕もあきらめるしかなさそうだ…。

 

ポケットに卵8

ポケットの卵は、その後コンビニでカップ麺を買ってそれにトッピングしたよ。泣きながら食べたよ。

 

あと、後日SNSをチェックしここの自販機が普通に稼働していることを確認した。やっぱ売り切れだったのだろうなぁ。

次はもう少し早い時間に行かねばな。いや、むしろいい加減そろそろ、ちゃんと商店が営業している日時での訪問を計画すべきだな。

 

【4回目】10年越しに叶った夢、高砂の夕日

 

2024年。暦的には春になったがとてもコートを手放せないような寒い日々が続いている中、僕はこの地を再び訪問した。

 

月見そば1

今回は見ての通り日中なのである。石田鶏卵の商店自体が営業している時間を狙ってきた。月見そばリベンジャーなのである。

どんより曇った空の下でも、東神戸大橋は威厳があるね。

 

月見そば2

毎度おなじみの石田鶏卵だ。上の写真ではやや見づらいが、お店が営業しているのがおわかりいただけるかと思う。

おなじみの石田鶏卵ではあるが、お店営業中の顔は「はじめまして」だ。新鮮。

 

では、先にレトロ自販機にご挨拶だ。

 

月見そば3

あれ、この貼り紙は初めて見たな…。

『投入したお金を返却する事ができません お金をいれる前に売切になっていないか、販売中止になっていないか確認して下さい』

 

むー。その確認方法がよくわからなかったから前回の僕は四苦八苦したんだけどな…。たぶん他の人が見ても同じように戸惑うであろう。にもかかわらず投入しかお金が返ってこないとは、なかなかにリスクの高い自販機だな…。

…というより、これはなかなかに深刻なレベルの故障だよね?これからも自販機営業を継続していただけるよう、修理できるといいね…。

 

月見そば4

では、ぶっちゃけ自販機麺が売り切れかどうかわからないんだけどさ、卵を買おう。

お店が営業しているんだから売り切れてはいないだろう。O型は物事を根拠のないポジティブさで考えるのだ。

店内はちょいとレトロな匂いのする商店。雑然と積まれたダンボールがナイスだな。

前章で掲載した通り店内にて生卵を1個単位で販売しているらしいが、どこだ?探すの面倒だから店員さんに聞こう。

 

月見そば5

レジでお昼ごはんを食べている店員のおばあちゃんに「生卵が欲しいです」と話しかけた。「どの種類の卵がいいですか?」って聞き返された。

大丈夫、答えはすでに用意してある。

 

月見そば6

これは前回撮影した、自販機の貼り紙である。

いろいろあるけれども、せっかく卵屋さんで買うのだから一番高い「高砂の夕日」にしてみようじゃないか。

同じ値段の「龍の卵」も気になるけど、僕は鶏の卵がいい。うん、たぶんそれも鶏の卵なのだろうが、とにかく高砂の夕日というフレーズが美しくて良い。

 

おばあちゃんは奥に行ってゴソゴソしばらくやり、持ってきた高砂の夕日のパックから1つ取り出して僕にくれた。

あぁ、尊い卵。僕はそれを両手でそっと受け取った。

 

月見そば7

緊張の一瞬。売り切れていないかどうか。

お金を入れると無事にメニューボタンが点灯したので、天ぷらそばを選択した。

300円。以前よりかは高くなったが、充分に安いと思う。この値段で販売してくれてありがとう。

 

月見そば8

今回もダシ汁はこぼれなかった。その機能の調子はいいらしい。

気をつけて軒先のテーブル席に運んだ。

久々の石田鶏卵の麺だ。ダシ汁はこぼれないが、満面の笑みがこぼれてしまうではないか。

 

月見そば9

卵を割ってみた。なにこの濃い黄身の色は。これ絶対にいいヤツだ。

 

まずはほぼ透明に近いスッキリしたダシをすすり、そして麺を食べ…。

後半になってからおもむろに黄身を割ってみた。こころなしか弾力があり、箸に少し力を入れて割った。

 

月見そば10

わぁ、とろんとろんだぁー…!

これはうまいぞ。濃厚だぞ。きっと卵かけご飯にしても絶品だ。

味の変化は大成功である。前半はスッキリさわやかな味、後半は卵と天ぷらでパワフルな味。あっというまに完食した。

 

月見そば11

食後の缶コーヒーがうまいなぁ…。

10年以上に及ぶ僕の月見そばを求める旅は、2024年3月に終わったのだ。感慨深い。

うっとりしながらコーヒー飲んだ。

 

月見そば12

平日ではあるが、お客さんはチラホラと訪れる。

今後もみんなに愛される自販機のお店でありますように。名残惜しさを感じながら、僕は石田鶏卵を立ち去る。

 

月見そば13

石田鶏卵はJR深江駅からも歩いて行けるほどに近い。車であれば大阪や神戸を繋ぐ大動脈の国道43号を反れてほんの3分ほどだ。

気軽に立ち寄れる阪神エリア唯一のレトロ自販機、あなたの心にも刻んでおいてほしい。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 石田鶏卵
  • 住所: 兵庫県神戸市東灘区深江浜町110-2
  • 料金: 天ぷらそば¥300他
  • 駐車場: 無いが周辺に充分なスペースあり
  • 時間: 自販機は24時間稼働

 

No.361【香川県】それは嘘か誠か…!誰も知らない山奥に野生のゲームボーイが生きていた!

2024年のエイプリルフールの日にこんにちは。

2年ぶりに【終末大冒険】をやろうじゃないですか。

 

 

今回、僕が調査する対象をご説明しよう。

 

香川県のとある山間部に、平成時代初期に所有者のもとから逃げ出して野生化したゲームボーイがいるという。それの生態を確認してきてほしいという依頼が舞い込んだのだ。

あぁ、なるほどゲームボーイね。家庭で飼育している限りは従順だし両手に収まるサイズだけども、本来はかなりの大型で凶暴な種もいると聞いたことがあるね。

 

養殖もののゲームボーイ

僕も最近はゲームボーイを目にすることが少なかったので、事前情報収取を兼ねて電気街の古い商品を取り扱うお店に足を運んだ。

そして撮影したのが上の写真だ。養殖ものなのでサイズは小さい。

 

これが何10年も野山で過ごし野生化したらどうなるのか。ポメラニアンだってオオカミのようになるであろう。

しからばゲームボーイはいったいどうなる??

 

 

調査員は山奥へと車を走らせる

 

調査員である僕は、「そのゲームボーイ香川県の山で野生化している」という目撃情報だけを頼りに四国へと渡った。

今回は助手TVクルーもいない。何かあって凶暴化したゲームボーイに襲われても、僕には彼らの身の保証はできないからだ。

 

Webで調べても詳細な情報なんぞないが、チラホラと目撃談を投稿してくれている人がいるので目星はつけてある。

 

山奥へ1

とある集落で情報収集を行ったりもした。

道が死ぬほど狭い。車を擦ってしまうのか、はたまた田畑に転落してしまうのかのギリギリの攻防であった。

この先はどん詰まりの集落の一般家屋で、戻るときにも数回の切り返しを余儀なくされ、変な汗をかいたりした。

 

山奥へ2

四国を走り回っている方であればご存じだと思うが、四国の内陸部は国道であっても延々にクネクネした狭い道が続き、擦れ違いすら困難であったりする。一部は未舗装部分もあったりする。

日本三大酷道の1つである439号(ヨサク)などがその代表だよね。僕もかつて制覇したよ、ヨサクの最難関区間

 

だが、今回僕が進む道は国道ではない。県道ですらない。

その時点で道の過酷さは折り紙つきだ。いろいろヤベェぞ、この案件。

 

山奥へ3

最初にネタバラシをしてしまうが、僕はふもとの集落から山の中のゲームボーイさん策をしてまた下界に戻ることとなる。その工程において、車にも人間にも全く出会うことはなかった。

そういうロケーションだ。静けさしか感じなかった。

 

山奥へ4

蛇行するように道が山深くへと続く。標高もそれなりに上がってきたのだろう。

道路の凍結を少々心配してきたのだが、それはなさそうであったことだけが救いだ。凍結したり積雪があったら、もう調査は打ち止めにしなければならなかったところだ。

 

山奥へ5

隣の山が近くに見えだし、そして空も近くになってきたように感じた。

そんな奥山にて、唐突に視界にアイツが入ってきたのだ。その違和感に、全身鳥肌が立ったよね。

 

 

野生化・巨大化したゲームボーイ

ついに対峙した巨大ゲームボーイ

 

お目当てのゲームボーイ、道端にたたずんでこっちを見ていた。

都市伝説ではなかった!巨大な野生のゲームボーイは確かに実在した!

 

ビッグゲームボーイ1

デカい。僕の肩くらいの高さは余裕であるだろうか?ちょっとした小型冷蔵庫を見ている気分だ。

これが野生のゲームボーイ…!!

まさに豚に対するイノシシだな。ワイルドさが段違いである。

 

ビッグゲームボーイ2

調べたところ、この初代ゲームボーイは1989年に発売された。

1998年に後継機種のゲームボーイポケットの生産が開始されるまで、携帯ゲーム機の首位を確保していたらしい。

その初代ゲームボーイが巨大化したのがこれなのだね。

 

ビッグゲームボーイ3

苔に覆われて経年変化しつつも威風堂々と立つ姿。なんだか「ラピュタ」のロボット系兵を髣髴とさせる姿だな。

ゆっくりゆっくり、ここで朽ちていくことだろう。この子があと何年ここに立っていられるかは不明だけども、今回これを見ることができてよかった。

興奮した僕は、ぐるぐるとこのゲームボーイの周囲を回ったさ。

 

ビッグゲームボーイ4

…ということで邂逅には成功した次第なのだが、次章からもう少し深堀してみよう。

 

 

なぜここに?何のために?

 

ぶっちゃけ、なんなのこれ?いや、大きめのゲームボーイってことはわかるんだけど、なんでここにあるの??

…という点について少し真面目にご紹介していこう。

 

実はこれ、巷では「ゲームボーイ型のポストを発見」みたいな感じで都市伝説的に取り扱われることが多い。つまりはキーワードは「ポスト」なのである。

ちょいとさっきの写真を再掲しよう。

 

ゲームボーイポスト1

ズルズルに剝がれてしまっているが、正面と側面に赤く「〒」のマークがビニールテープで描かれていた痕跡が見える。数年前はちゃんと〒マークだったのだが、近年劣化が顕著なようだ。

これがポストと呼ばれる所以であろう。

 

だが、これは本当にポストなのか。答えはNOである。つまりはここに郵便物を投函したところで郵便局員さんが回収に来ることはない。

ではなんなのか。なんでポストと呼ばれてしまっているのか。

 

ゲームボーイポスト2

この部分をよく見てほしい。本来のゲームボーイであればここは液晶画面であり、ゲーム画面そのものが写っているはずだ。

しかしこれは液晶画面がない。くりぬかれている。その代わりにはめ込まれているのは…、これ自宅用の郵便受けだ。

 

郵便受けを"ポスト"って表現する人、いるよね。僕もそう言ったりする。

しかもこの巨大ゲームボーイ自体が郵便受けというより正規の赤ポストみたいな形状をしている。だから「ゲームボーイ型のポストを発見」って感じに扱われてきたのだろう。

 

ゲームボーイポスト3

定かではないが、数年前までは郵便受けの中央部分に持ち主と思われる人の名前プレートも設置されていたようだ。

なんてユニークな発想なのだろう。僕もこんなことをやってみたい。

 

いや、しかし自宅用の郵便受けがなぜこんな山間部の道路沿いにポツンとあるのだ?

その答えもお教えしよう。

 

ゲームボーイポスト4

普通に道路を走っているとほぼ見えないが、ゲームボーイポストの少し先には車道から分岐する未舗装路があり、その先には家屋がある。ずっと前から廃屋のようだけれども。

 

つまりは、あの家の持ち主が昔リアルで使っていたユニークな郵便受け。

空き家となってしまってもずっと立っていた郵便受け。それが数年前に見つけた人によってまことしやかに語られ、一部界隈で有名になったということだろう。

 

ゲームボーイポスト5

ボタンに触れてみたが、これはフェイク。実際にボタンとして押すことはできない。

どうやらこれは、ゲームショップなどの店頭に展示し、販売促進用に画像などを流すために任天堂が作ったものらしい。

その名前を「ビッグゲームボーイ」という。

 

この家の主は、そのビッグゲームボーイを何らかの方法で入手して、液晶画面をくりぬき郵便受けを入れて二次活用したのだろう。

…では、このようにカスタマイズされる前のビッグゲームボーイってどんなものだったのだろうか?気になってきた。



 

ビッグゲームボーイを追い求めて

 

おそらくは平成初期に作られて各ショップに配布されたビッグゲームボーイ。今もこれが稼働していて店頭に展示されている可能性はあるのだろうか…?

 

秋葉原1

日本一の電気街である秋葉原にやってきた。ここになかったらもう結構絶望的だよねって感じだ。久々だな、秋葉原

ほとんど事前調査をせずに秋葉原にやってきてしまった。どっかにビッグゲームボーイ、あるだろうか?到着してからスマホで調べ出すという無計画さを露呈する。

 

秋葉原2

ラジオ会館」。少なくとも数年前に、ここの中にあるとある店舗の店頭に稼働筐体が設置されていたようだ。

頼む、残っていてくれ…。祈るような気持でその店舗があるという2階へと登って行った。

 

秋葉原3

…まぁ結論から言うと無かったよ。店舗ごとなくなっていた。

2階はいろいろなアニメフィギュアであふれていて人もあふれていて、特に外国の人がとても多くって、日本のサブカルチャーがいかに世界に影響を与える魅力的なコンテンツ化を間近で感じ取れてほっこりしたけどもさ。

 

他に調べ、近くだと神田の完全予約制の店舗に稼働筐体があるという情報も仕入れたけど、ビッグゲームボーイを一目見るためだけに予約するにも迷惑かもしれないしなぁ…とか思ってやめた。

 

秋葉原4

秋葉原を後にし、SNSに投稿する。

日本のどこでもいいから、ビッグゲームボーイの稼働筐体の情報が欲しいと。

 

するとレスポンスがあった。

秋葉原にある「スーパーポテト」というレトロゲームを取り扱う店舗に稼働筐体が展示してあるとのことだ。

なんだよ、やっぱ秋葉原にあったんじゃないかよ!完全に調査不足だったよ、反省…。

 

しかしもう一度秋葉原に行くのもシャクだなぁ…。

調べるとスーパーポテトは他にも店舗がある。じゃあ他の店舗にもビッグゲームボーイの稼働筐体があったりしないかな…?調べてみるとあった。

大阪の「でんでんタウン」の店舗にあるらしい。でんでんタウンは関西で最大級の電気街だ。まさに西の秋葉原

 

でんでんタウン1

じゃあでんでんタウンのスーパーポテト、行ってみるか…!

…って思って大阪にやってきた。寒い。さっき雪が舞っていたし。大阪って寒いね。

 

でんでんタウン2

スーパーポテトのオタロード店、ここにビッグゲームボーイがあるという。早速入ってみようぜ。

ちなみに入口の左には、赤い帽子のヒゲの中年が鎖で電柱に繋がれていたよ。すごい仕打ちだ。

 

でんでんタウン3

店内は懐かしのファミコンソフトがズラリだ。じっくり見ていけばかつて僕も触れたことのあるソフトがあるのかもしれないが、今の目的はビッグゲームボーイだ。サクサクと店内の奥へと進む。

 

でんでんタウン4

あった、現在も稼働するビッグゲームボーイ!!

 

これが本当の姿だ。ちょっと感動して涙出そうになったわ。

平成初期からずっと大事にされ、令和時代の今日もこうして動いているのだね。アンティークレベルの一品ではなかろうか。

 

もちろんだが液晶画面もしっかりはまっていて稼働している。正しい姿はこれなのだ。こうやってお店の中を物色する人に、オススメのゲームの画像を見せているのだ。

 

でんでんタウン5

星のカービィ」だ。初代ゲームボーイなので色はついていない。

1992年と書いてあるので、もう今から30年以上も前のゲームなのだね。その映像をこうやって大画面で見ることができるのも、ビッグゲームボーイならではなのだろう。

これを一目見れて僕は満足した。

これで一連の調査活動も無事に終了だ。

 

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都市伝説は、都市伝説のままで…1

誰も知らない山奥に野生のゲームボーイが生きていた。

それは嘘か真か…。

 

記事の後半はちょっとリアル寄りの話になっちゃったけど、もし本当にこんな不思議な構図が四国の山奥にあったら面白いよね。

記事内容の100%が真実なのか、それとも一部が創作なのか、実在するとしたらそれがどこなのか…、などは言えません。

 

都市伝説は、都市伝説のままで…2

真冬から一気に初夏の陽気となった2024年のエイプリルフールシーズンは、この陽気の中で少しだけフワフワと、夢と現(うつつ)の間を楽しめばいいと思う。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 野生のビッグゲームボーイ
  • 住所: 非公開
  • 料金: 無料
  • 駐車場: なし
  • 時間: 特になし

No.360【愛知県】「日本列島公園」はすごい!ちょっと歪んでちょっと寂びれてユニークだ!

僕は日本を巡るのが好きだ。つまりは日本列島が好きだ。

日本地図を手元で眺めるだけでワクワクするし、オブジェだとか壁画で巨大な日本列島を模したものがあれば、それが遠くても足を運んでみたくなる。

 

そんな僕が目を付けたのは、「日本列島公園」である。

公園は日本列島をイメージしており、その中には都道府県各所をイメージしたアイテムが設置されているという。

おいおいおいおい、それって僕にピッタリのスポットじゃねーかよ!

 

 

ただ、なんかおかしいなぁー!すごくおかしいなぁー!

僕らの住む日本列島ってこんなだったっけ?北海道が小さくって小顔な感じで、山口県がやたらとマッチョで九州がかわいそうなくらいにプレスされているような感じだけど、これでいいんだっけ??

 

ま、いいのでしょうね。

そういうちょっとしたパラレルワールド的な日本なのだろうね。

 

 

そんじゃ、僕と一緒に行ってみますか。

もう1つの日本列島へ。

 

 

日本上陸、そしてTOP3

 

こっちの日本列島も、海に浮かんでいる。

西側の駐車場に車を停めてから橋を渡って日本列島に上陸しような。東側から行こうとすると…。

 

ドキドキしてきた

…すんごいスリリングな道を通らされることになる上、ロクな駐車スペースもないんだからな。ビックリしたわ。このナビ、気は確かか??

 

日本上陸1

やってきた日本列島公園のゲートである。

明確な説明書きはないが、このゲートは本州と九州をつなぐ関門橋を模したものだそうだ。なるほど、言われてみればそんな気もする。

かなり経年劣化が進んでいるし渡れないけども、確かに関門海峡だ。

 

日本上陸2

ちなみにこれは公園内でも余裕でTOP3に入るほどダイナミックな日本モチーフの建造物だ。どれもがこのクオリティだと思うと火傷するからな、そういうナメた輩は今のうちにオロナイン買っておけよ。

 

それから、どこが何をモチーフにしているかの説明もほぼないからな。

ファミコン時代のクソゲーくらいに攻略のヒントが少ない。攻略サイトでしっかりとした対策を練れなかった連中は、ただただフィールドをさまようのみの運命だ。

 

富士山1

今しがたTOP3の話をしたが、1番は何なのかというとある程度予想してしまった方もいたかもしれないが、日本のシンボル富士山だ。

高さは18mあるのでなかなかだ。「こんな富士山知らん。頂上に煙突みたいなものがあるし。」とかボヤいているあなた。この世界の富士山はこういう感じなんだから口を慎めよ。

 

富士山2

早速僕も久々に富士登山しようとしたんだけど、閉山中みたいでロープが張られていた。そっか。冬だもんな。オフシーズンだったわ。

(ちなみに夏も閉山されている。危険なのかな?)

 

リンゴベンチ

個人的にナンバー3だったのがリンゴ型のベンチ。リンゴの産地青森県をイメージしたものだそうだ。

リンゴが色あせてちょっとシワがあって鮮度が気になるけど、いかんせん公園全体が古いんだからリンゴが古くてもいいじゃない。

 

以上がTOP3だ。

ちょっと不安になって来たでしょ。この後この記事、(紹介するオブジェのクオリティは)盛り下がる一方だよ。

 

 

こじつけもまた正義だ

 

では、この章ではややダイナミックだが首をかしげざるを得ないモチーフをご紹介していこう。好きだぜ、このギリギリのヒリついた世界観。

 

一見すると普通の休憩スペース

さぁさぁ、これがどこの何かわかるかな?

 

答えは大阪府。大阪の河内長野市の特産物である爪楊枝を模しているのだ。

よーし、わかりづらいし「大阪といえば?」でいきなり爪楊枝をブッ込んでくるその心意気が僕の予想の斜め上だ。河内長野市には失礼だけども、もうちょっと大阪らしいものがあったのではないかと思ってしまう。

 

標準時子午線の時計塔

兵庫県にあたる部分には時計が立っている。

おそらくは標準時子午線を通る明石の時計台をイメージしているのだろう。何の説明もないので地理の知識の引き出しを総動員だ。

 

東尋坊

福井県東尋坊!文字が彫り込まれていて親切でわかりやすいけども、ずいぶんとデフォルメしちゃったのね。

柱状節理をかたどったのだろう。世界初となる柱状節理のゆるキャラだ、これ。

 

ちなみに新潟県の親不知も同じ形状だった。刻印された文字が"親不知"な点だけが相違点だった。

 

コンクリートジャングル

東京は西新宿の高層ビル群だな、これ。

温かみゼロのソリッドなデザインのビルだ。東京の人間には血が通っていないと思われてしまいそうな無表情なビルだ。なんてこった。

 

兼六園

おっ、これは珍しくハイクオリティじゃねーか。

兼六園の徽軫(ことじ)灯籠という2本足の灯篭だ。デザインも本物にかなり寄せているな。

おっかしいな。日本列島公園ってこんなんじゃないだろ。もっとアクロバティックな造形で攻めるべきだろ。クレイジーな世界にいきなりまともなもんを見せられて、逆に戸惑うわ。独創性をどこに置いてきてしまったんだい?

 

はりまや橋

これは高知県の"日本三大ガッカリ"で有名なはりまや橋らしいぞ。橋のくせに繋がっていなくってブツ切りになっているけども、ベンチだからそれは許す。

しかし本物よりも大規模なんじゃなかろうか。本家ほどガッカリしないんじゃなかろうか。…って言ったら高知県の人に殺されるのでこの辺にしておきます。

 

愛媛のミカン

愛媛の特産物、ミカンのベンチだ。これはわかりやすいほうだ。ベンチシリーズに外れなしって感じだ。

山形県は将棋の駒のかたちのベンチだったが、あれは将棋の駒で有名な天童市を意識したのだろう。そのチョイスも良いと思った。

 

トーテムポール

たぶんここは北海道。そしてこの看板を両側から支えているのは、デザインが相当に剥げてしまっているけどもトーテムポール。

 

他にも正体不明なオブジェなどがいくつかある。

しかし調べてもどこの都道府県をイメージしているのか、はたまた全然イメージしていない無関係のものなのかわからなかった。

 

京都の神社仏閣でも模しているのか?

いつか全ての謎を解き明かしてWeb公開してくれる猛者の登場を待つ。

 

 

ワンプレート・ラッシュ

 

では、次はオブジェにすらしてもらえなかった悲しき都道府県のお話をしてまいりましょう。

 

花プレート1

福島県の花、ネモトシャクナゲ。以上。

このワンプレートが地面に埋め込まれている。これで終了だ。他にネタがないのか、それともオブジェを作る金がないのか、ちょいと渋めの扱いよ。

 

花プレート2

もう都道府県の3分の1くらいはこのお手軽花プレートなんじゃないかってくらいに、バッサバッサと切り捨てられて花化している。

広島県だってきっといろいろネタはあるんだどうけど、『もみじ』の3文字でフィニッシュだ。

 

花プレート3

たぶん、この世界の日本列島には明確なヒエラルキーがあるのだ。この栃木県のプレートのように、花化都道府県はきっと最下層。歩道で踏まれて暮らせ。

そういうこった。

 

花プレート4

北関東の扱いはこんな感じなのだ。現実世界でもパッとしないとイジられる北関東、この世界での扱いもしょっぱい感じだ。誰か、救ってあげてほしい…。

いや、僕は好きだぜ、北関東。

 

歌プレート1

ワンプレートタイプには、もう1つジャンルがある。それがこの歌プレートだ。

これは岩手県。『南部よしやれ節』の歌詞が書かれている。正直知らない。歌詞だけ見ても戸惑うばかりだ。

僕が戸惑っているのにテンション高めに『ヨシャレサアンヨ、ヨシャレサアンヨ』と繰り返されても、さらに戸惑うばかりだ。転校初日で全然文化に馴染めない生徒の気持ち。

 

歌プレート2

神奈川県は『赤い靴』である。確かに知っているし有名な歌だが、これはこれで感情をどこに持っていけばいいのか戸惑うな…。

せっかく都道府県紹介をするのであれば、気持ちが上向きになる歌をチョイスしてほしいものだぜ。

 

歌プレート3

岐阜県からは『ずいずいずっころばし』来た!またかなりの飛び道具的な選曲だ!でも歌碑が結構ボロボロだ!

「へぇ」とは思うが、岐阜県の人はこれを取り上げられて胸を張れるのかどうか不明。でも知名度は高いだろう。

 

歌プレート4

宮城県は『斉太郎節』。初めて聞いた。知らない。

あ、だけども斉太郎といえば石巻港に「斉太郎食堂」っていうなかなかのデカ盛のお店があるよね?僕も行ったことがある。あのお店の名前って、もしかしてここから取っていたりする??

歌プレート5

佐賀県は『岳の新太郎さん』。誰だ?斉太郎といい新太郎といい、どなた?

『アラヨーイヨイ』が繰り返され、メロディは全くわからないがなんだか楽しくなってくる。仕事で行き詰ったときにこのフレーズを叫びたい。

 

歌プレート6

茨城県は『雨降りお月』。これは自分的には割と有名な童謡だと思う。なるほど、茨城の歌であったか。

 

歌プレート7

岡山県は納得の『桃太郎』なのである。

 

…という感じで、一部は正体のわかりづらいオブジェ、その他の多くは花と歌のプレートで構成された公園なのである。ある意味どちらもイバラの道よ…。

 

 

楽しみは自分で掴み取れ

 

この日本列島公園は、「三河臨海緑地」の一部である。

1993年に21億円をかけて造られたそうだ。

 

ガッカリするなよ1

ミニ日本列島として、日本列島のミニチュアを庭園風に表現し、各地の地形・植物・人文・風俗などの特徴のあるものを各所に配置した公園なのだそうだ。

 

コンセプトはいいのかもしれない。ただしやるならばもう少し日本列島のかたちを精巧に表現した方がよかったかもしれないね。冒頭の写真で示した通り、ちょっと歪み過ぎている。

日本列島のかたちを綺麗に表現しただけで、インスタ映えなどのスポットになったかもしれないのに。

 

ガッカリするなよ2

あと、これだけの規模の公園を維持するのは大変なのか、各看板や設備が老朽化してきている。

富士山も閉山していたし、前述の東屋もイエローテープで囲まれて入れなかったし。僕が訪れたのは冬なので雑草は少なかったが、夏場は草ボウボウだったというコメントも見たことあるし。

 

ガッカリするなよ3

そのためか、「ガッカリした」という声をよく耳にする。珍スポット好きな人であってもガッカリするケースが散見されているようだ。

いかんせんオブジェの説明が少なすぎたり、都道府県によっては扱いが雑だし。

気持ちはわかるが、ちょっと切ないね…。

 

ガッカリするなよ4

僕はガッカリはしなかった。少なくとも僕の訪問時にはそれなりに清掃されており、ご覧の通り落ち葉すら少ない状態だったし。

 

それに、僕はこの公園は例えるとクソゲーだと思っている。

「難易度が高すぎ」・「意味不明」・「ちゃちだ」と罵られながらも、それをネタに知っている人たちの界隈で盛り上がり、攻略に向けて必死に談義をする。

そんなファミコン時代のクソゲーと同じ楽しみ方ができる。

 

ガッカリするなよ5

先ほども書いたが、まだ謎のオブジェは多い。

何がモチーフであるか気にも留めていなかったようなベンチなどが、実は何かのモチーフだったりするのかもしれない。

Webで検索すればなんでもわかるような時代であるが、このように「あぁでもない、こうでもない」と頭をひねって考察する余地を、この公園は残してくれているのではないだろうか。

 

ガッカリするなよ6

いいか。人生の楽しみなんて、お膳立てされているだけのものじゃあないんだぜ。

 

ディズニーランドみたいに人を楽しませることに100%心血を注いでいるスポットに行くのもいいだろう。確実に楽しめる。

だけどもさ、ノートとペンだけ、紙とハサミだけの状態で、それらを使ってどのように楽しめるか。それこそが人生を楽しく過ごせるかどうかだと思うのよ。

 

ガッカリするなよ7

僕は自分の旅を後者の視点で見ていたいし、その視点からブログを書けるよう心掛けている。

だから、難問を投げかけてくれたこの公園にも感謝だ。そう思って再びドライブを再開した。

 

…いや、ちょっと待て。

最後に1つ。ちょいと許せないことがあったわ。そんな美しくこの記事を終わらせるわけにはいかなかったわ。

 

もう1つの日本列島1

冒頭でもお見せしたが、これが日本列島公園である。ここではよりリアリティを追求するためにGoogleマップからの図を掲載している。

何度かお伝えの通り、歪んでいるしデフォルメされている。これはしょうがないことだと思う。

 

でも、ちょっとこれをズームしてみような。

 

もう1つの日本列島2

愛知県だけやたらクオリティ高くないか!!?

 

知多半島渥美半島まで詳細に再現されていてズルすぎるぞ!

露骨な地元ひいき!ウケる!!

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 日本列島公園
  • 住所: 愛知県豊川市御津町佐脇浜1号地
  • 料金: 無料
  • 駐車場: あり
  • 時間: 特になし

 

No.359【埼玉県】川岸に5㎞に渡り咲き乱れる桜並木!「こだま千本桜」は穴場スポットだ!

明日くらいから一気に暖かくなってくるとのウワサですな。

12月から昨日まで変わらぬ服装でがっちりとディフェンスを固めていた僕も、この春の陽気に少しだけ開放的になりつつある。

だから今回は春らしく桜スポットについて語ろうと思う。

 

本庄市児玉町。そこを流れる「小山川」の河川敷に沿って5㎞、1100本の桜が咲き乱れるスポットがある。それが「こだま千本桜」である。

 

 

たった1日だけ開催される祭りの日は、たくさん模擬店が立ち並んだり、ステージイベントなどが行われるらしい。

僕は祭りの日ではないが、その前日であるプレオープンの日に現地を訪問し、絶景の桜並木を歩いた。

 

それはさかのぼること2年前。

日本6周目の終盤、2022年の春うららな日にこだま千本桜を訪れたときの思い出を、少しだけご紹介したい。

これだけの規模があるにも関わずなかなかに穴場な桜スポットだから、みんなチェックだぜ。

 

 

祭り前日、プレオープン日

 

僕がここを訪問したのは2022年の4月2日である。

祭りのプレオープン日であり、祭り本番は翌日の4月3日に控えていた。

 

プレオープン

絶好の快晴の週末だ。きっと明日も晴れるであろう。

そして祭りの週末だけあって、桜の開花状況もバッチリの様子だ。我ながらいい日をチョイスできたと思っている。

 

さて、ここまで来る道中なのだが、そこそこ交通量は多く想定よりも時間はかかったものの、有名な桜スポット特有のギッチギチの渋滞みたいなものはなくって幸いだった。

いくら素晴らしい桜スポットであっても大渋滞があるとなると素直に評価できなくなっちゃったりするからねぇ…。

 

駐車場はサッカー場1

駐車場はちょっとわかりづらくってさ、桜並木の立ち並ぶ川に架かる橋を渡って数100m進んでから「あれ?」って思ってUターンし、川べりにまた戻ってきたりした。

そんなこんなで誘導員さんに駐車指示をされたのが上記写真の場所だ。

なかなかいい場所だったので似たような写真が続くぞ。

 

駐車場はサッカー場2

「児玉サッカー場」が駐車場だ。ゴールを見据えている愛車の日産パオがかわいい。

これは朝10時台なので既に観光客も充分に動き出している時間だと思うんだけど、なんだかサッカー場は閑散としていた。だからこんないい写真が撮れた。

 

だけども桜並木から遠いということもない。

あのゴールポストの裏が川べりの桜並木なのだ。すごく近い。徒歩30秒。しかも駐車場は無料。いいじゃないか、児玉サッカー場

 

駐車場はサッカー場3

僕も車と桜との記念写真に入る。

冒頭にも書いた通り日本6周目の終盤なのだ。それが終わったら愛車を手放すのだ。その前になるべく愛車との思い出を記録に残したい。

 

駐車場はサッカー場4

駐車場から川方面に一歩出た。左に見切れているのが駐車場。そこからご覧の通りすぐに川沿いの遊歩道に出ることができた。

あと、すぐ横にケバブ屋さんの移動販売車両がいた。プレオープンだけども先行で営業している人がちょいちょいいる感じだ。いい匂いだ、ケバブ

 

 

川沿いの桜並木を散歩する

 

それではメインとなる桜並木を見てみよう。

まずは小山川を一望できる「十二天橋」の上に向かった。さっきね、車でこの橋を渡ったときにチラッと見えた桜並木が綺麗だったからだ。

 

小山川の桜並木1

橋からの眺めがこれだ。桜並木は5㎞続くので、最初訪問する際にどこを目指したらいいのかわからないという方は、この十二天橋をターゲットとするがよいと思う。

 

上の写真は世界観を把握いただくためにあえて引きで撮影した。最初に橋の上の車中からチラ見した構図がちょうどこんな感じ。

河川敷の広さに比べて、水流がとても少ない。チョロチョロとかすかに流れている。

 

小山川の桜並木2

橋から見下ろした景色がこれ。冒頭にも掲載した、このスポットでも最も気に入っている写真だ。

人はあまり多くなく、快適な散歩が楽しめる。いいね、このくらいののんびりとした雰囲気。

河川敷を歩いてもいいし、右側にちょっと見えているガードレール沿いに歩いてもいいし。前者は桜並木を眺めながら歩け、後者はすぐ横で咲く花を間近に眺めることができる。

 

小山川の桜並木3

並木道5㎞を川の両側それぞれ歩くのは非現実的なので、十二天橋を中心とした往復数100mほどを散策するというスタンダードな方法で観光しようと思う。

 

雲1つない快晴。空いているので思い思いの場所を歩き、撮影する観光客。平和な眺めだ。

これを執筆するにあたっても、ちょいとWebで近年の混雑状況を調べたのだが、やはり空いていることが多いらしい。

つまりは首都圏の中において結構貴重な穴場桜スポットなのだ。気軽にこんな絶景を眺められるのはポイント高い。

 

小山川の桜並木4

ただ、それだけに緩急があるファクターが少ない感じも否めない。

 

つまりは「歩いてあそこまで行こう」・「次はあそこに行ってみよう」だとか、休みなくイベントが行われていたりとかフードが充実していたりだとかはない。

明日は祭りだが、祭りも1日のみなので、圧倒的にその日以外に行く人の方が多いだろう。

 

だから、人々はいい意味でも悪い意味でも、ひたすらに開放的でどこまでも変わらぬこの光景を眺めて気ままに歩き、そして気が済んだら立ち去っているように感じた。

それもステキなことで、例えば木陰でゆっくりと時間の経過を楽しむとかだったら最高。

 

小山川の桜並木5

でも緩急があるファクターが少ないからさ、ブログ執筆するにあたっては似たような写真ばかりだし特筆事項が少なくって、ブロガー泣かせだよね。

なので僕は泣きながらこの記事書いてます。

 

 

この千本桜の始まりは

 

歩い続けると無限ループに迷い込んだかのようにどこまでも歩いてしまうので、しばらく歩いた川べりの道を折り返して次は桜のすぐ下の車道を歩いて戻ろうと思う。

桜を間近に眺められて、こっちもいいぞ。

 

桜を見上げて1

このこだま千本桜の始まりは昭和40年代、つまりは1970年前後だったらしい。

50年ちょっとの歴史があるのだね。

 

地元の人々が有志でソメイヨシノの植樹をしたのがきっかけで、その後も青年会や老人会、観光協会などから協力者が多く参画してどんどん桜並木が大規模になったという。

 

桜を見上げて2

なるほど、地域のみんなに愛されて大きくなったのだ。これからも地元に愛され、1万本桜にバージョンアップしてほしいものだ。

 

…あぁ、本当にきれいだね。桜の木々からの木漏れ日に目を細めた。

コロナ禍と呼ばれる時代になってから2年。第6波がなかなかの威力だし、まだマスクは手放せないものの、3年ぶりにまともな春が到来したのだ。

 

桜を見上げて3

今まで各種イベントを自粛してきた世の中も、ようやく動き出してきた。

僕も周囲に気を付けつつもようやくまともなドライブを再開できるようになってきた。そんな折での春到来だ。幸せな陽気が身を包んでくれているよ。

僕にとってはここ、幸せの象徴だよ。

 

桜を見上げて4

こだま千本桜。2024年は3月31日(日)に祭りが開催されるそうだよ。あなたの今年のお花見スポットがまだ決まっていないのであれば、候補に加えてみてほしい。

晴れるといいね。

あと、桜の期間中は3週間ほどに渡ってライトアップもされるそうだよ。

 

桜を見上げて5

この後は北上して群馬県に入り、日が暮れるまで群馬県の桜スポットを巡るつもりだ。

その話はまたいずれ、来年の桜シーズンにでも語りましょうか…。

 

それではあなたの2024年桜シーズンに幸あれ。

出会いと別れのこのシーズン、ともに新たな一歩を踏み出そうぜ。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: こだま千本桜
  • 住所: 埼玉県本庄市児玉町児玉674
  • 料金: 無料
  • 駐車場: あり
  • 時間: 特になし

 

No.358【静岡県】桜の季節がやってきた!!「船越堤公園」で富士山と共に花見を楽しめ!

2024年3月の下旬。ついにソメイヨシノ開花宣言も出て、春本番が到来しようとしている。

ここ最近はまだまだ寒くて僕はコートにマフラーを手放せないし、数日前には雪も降っていたのだが、それでも確かに春はやってきているのだろう。だからそろそろ花見のことも考えておかねばならない。

 

さて今回は、僕が日本5周目において東海道を西から東に桜を見ながらドライブするという企画をした際の、静岡市清水区にフォーカスしたエピソードをご紹介したい。

 

 

あ、ちなみに清水区といえば富士山絶景スポットで桜も見られる「日本平」が有名ではあるが、そこはあえて外して「清水船越堤公園」を中心に執筆する予定だ。

実際このときの僕は日本平も訪問しているんだけども、そこまで書いちゃうとボリューミーで書き手の僕も読み手のあなたも疲れちゃうだろうから、優しい配慮が必要なのだ。

 

 

駐車場時点でボルテージMAX

 

…というわけで、日本平を出発した僕は次の桜スポットである清水船越堤公園を目指すのである。

 

日本平から船越堤公園へ

桜の時期ってさ、桜スポットはもちろんなのだけれども、それ以外の何気ないドライブ中でも桜が目についたりして幸せな気持ちになれるよね。

桜並木を走行しているだけで幸せになれたりするよね。だから春、好き。

 

目指す船越堤公園は今回初めての訪問となる。

直前に花見をした日本平から住宅地をクネクネと数㎞進んだところにある。直線距離で言うと3kmくらい北に当たるかな?

 

住宅地の先にある公園駐車場では、既に5台ほどの車が駐車場待ちをしている。

あれ、平日なのに満車になるほどの人気なのだろうか。駐車場のキャパは知らないが、なかなかに盛況な気配を感じ取ったぞ。

10分くらい大気したところで空きが出たようで、係員さんに指示され駐車場内に入ることができた。

 

駐車場1

うわぁ、ここすごい!!駐車場からすごい!!

もう車の頭上が桜満開なのだ。園内だけでなく駐車場部分から桜に囲まれているのはうれしい限り。

ちょっと散策開始は待て。まずは桜と愛車との写真を撮りたい。

 

駐車場2

車やバイクに乗っている方ならわかるかもしれないけど、せっかく出かけたなら絶景と愛車とのコラボ写真を撮りたい…ってなったりするよね。

 

でも絶景スポットまでは愛機を乗り入れられず、見栄えのあまりよくない駐車場で待機させなきゃいけないのが世の常だよね。

だけどもここは駐車場からステキだった。嬉しい。

 

駐車場3

この黒いボディーのHUMEERと桜、最高にマッチするぜ。

今日は朝から見事なまでの快晴という点も嬉しい。桜の時期は短く、僕の仕事の休みの週末だけだ。これに快晴という条件もプラスするとなると、かなりシビアなのである。

まぁ世間のみなさまの都合も同じようなものだとは思うが、そういう複合条件の中で花見ができるっていのは感動もひとしおだよね。

 

駐車場4

桜単体でも撮影してみた。とても良い。

事前知識ゼロで来たが、この公園はこの時点で当たりだ。

 

 

桜の里の散策、ホイップ富士山

 

駐車場にてひとしきり満足したところで、公園内を散歩してみよう。

園内MAPを見てみたらとにかく広くてさ、軽くハイキングとかもできそうなスケールなのだ。全部をくまなく歩きたいとは思っていないので、とりあえず桜が咲いていそうなところを中心に軽く散策してみようか。

 

桜の里を散策1

駐車場は上の図の右下部分である。ひとまず「桜の里」と書かれた中央付近のエリアを目指して歩いてみようと思う。あとは気分次第だ。

 

桜の里を散策2

「夫池」の横の遊歩道を歩き、桜の里を目指す。

住宅地が近いのに、この圧倒的にのどかな世界観。これ、近所に住んでいたら晴れの日は毎日散歩しちゃうな。実際そういう人も多かろう。

 

桜の里を散策2

桜の里に入ったところで撮影したのがこの写真だ。

もう一面桜だね。わぁ、いいわー、ここ。他の観光客も多すぎず少なすぎずで、散歩していて気持ちいいわ。

桜はソノイヨシノがメインだけど、枝垂れ桜とかもある。いろんな種類を長い間楽しめそうだ。

 

桜の里を散策3

先ほどのMAPで示した通り、敷地内には茶室もあるらしい。

歩いていたら園内アナウンスで「茶室で○○をやっていまーす。よろしかったらそうぞー。」みたにな放送がかかったりもする。

雰囲気いいな。1人だから茶室でくつろぐなどは念頭にないが、2人とかだったらチラッと覗いてみたい。

 

桜の里を散策4

「思い出の森」ってところを越え、「婦池」のほとりへのやってきた。

ここいらも桜がいっぱい。ついでに釣り人もいっぱい。何が釣れるのだろうか…?

 

桜の里を散策5

ここを過ぎて「野鳥の森」に入ると、急にさびしい雰囲気になった。人の気配もあまりないし桜も咲いていないぞ。

なるほど、ここは文字通り静かに野鳥の気配を感じるゾーンか。それではサクッと通過して「お花見広場」を目指そう。

 

桜の里を散策6

執筆時に確認したが、野鳥の森での写真は残念ながら撮っていなかった。まぁいいや。野鳥も見つけられなかったし。

森内のダラダラした坂道を登りながら、お花見広場を目指して歩いた。

 

桜の里を散策7

たどり着いたお花見広場は広いグランドのようなところで、数組が桜の木の下でピクニックをしている平和あふれる光景であった。絶好のピクニック日和だね。

ここは広場全内を取り囲むようにグルッと桜並木になっている。広場内にはステージもあるから、イベントとかもできるのだろうね。

 

桜の里を散策8

僕は広場を少し反れた緑あふれる木立の中を散策し、そしてボケっと座って桜を見上げたりした。気持ちがいい。本を持ってきていたなら読書したかったところだ。

 

桜の里を散策9

お花見広場は小高い丘になっていて、足もとには住宅地を見下ろすことができる。

その向こうには清水駅や「エスパルスドリームプラザ」の観覧車も見えるし、さらにその先には太平洋が広がっている。

 

ところであなたは、写真左上の巨大なホイップクリームの正体がなんなのかわかるかな??

 

桜の里を散策10

答えは富士山だ。日本のシンボルだ。

しかしこんなにモッコモコのホイップクリームみたいになっている富士山は初めて見たよ。

 

先ほどの日本平でも見えなかった富士山。相変わらず重厚なホイップに覆われていたままだった。
このタイミングで富士山が見えていれば、あの海側にある富士山絶景スポットの「三保の松原」に行ってもよかったんだけど、今回は諦めることに決めた。

 

桜の里を散策11

実は今、お昼どきなのである。お腹が減ってきたのである。

従い、お花見広場でツーリングマップルを広げ、近くに目ぼしいお店が無いかを調査した。

 

直線距離でここから北東に3kmちょっと行ったところに新清水駅がある。そのあたりに豪快な天丼が目玉メニューという食堂があるそうだ。そこでランチにすることとした。

 

桜の里を散策12

桜の花びらの積もる階段を降り、駐車場へと戻った。

非常に良い散歩になった。機会があったらまた訪問したいものだな。

 

メインとなる清水船越堤公園のお話はもうこれでおしまいなのだが、ついでにもう少しだけ書かせてな。次章、清水区内のランチだよ。

 

 

黒いだし汁、静岡おでんを食う

 

新清水駅の裏側は、ちょっとレトロな雰囲気が残っていた。

まずは駐車場を発見したので愛車を停める。

 

新清水駅付近にて

駐車場はコインパーキング的なオートマチックなところじゃなくて、土地の所有者が生活の片手間にやっているような場所。料金看板とかも手書きだし。味わい深い。

チャイムを鳴らして窓から顔を出したおばちゃんに、車のキーを預けておくタイプ。たぶんあと10年もするとこういうスタイルの駐車場はほぼ見なくなるだろう。貴重だ。

 

そして周囲を歩く。

「あ、新清水駅の改札って昭和レトロでメチャ小さい!」とか思いながら散策する。

 

しかしな、目的の天丼のが見つからないのだよ。しばらくウロウロして目指すお店は廃業したのだと確信した。シャッターが閉まって看板もない建物、これがきっと目指していたお店だったのだ。

 

さてじゃあどうしよう。周囲をウロウロしてみたが、新清水駅ってとても小さい駅で、近くに気軽に入れそうなランチのお店が無い。小さな居酒屋が数軒あるだけ。

また車に乗り込んで出発して別のエリアを探す方法もあるが、せっかく有料の駐車場に駐車したのに何もしないで出るのはシャクだよね。

有人の駐車場だから、わずか5分で車を出したら「何この人?なんだったの?」みたいに思われそう。

それに僕は空腹だ。今ご飯を食べたいのだ。

 

清水駅前銀座1

そうだ、清水駅方面にあるけば何かお店があるかもしれないぞ。僕はフラフラと歩き始めた。

日差しが強くって周囲がよく見えないけど、そしてお腹が減ってちょびっと元気がないけど、歩くのだ。大丈夫、満腹になればこの散歩も輝かしい思い出になるはず。お腹が減っていてちょっとアンニュイなだけなのだ。

 

清水駅前銀座2

「銀座」っぽくない銀座って日本各地にあるけど、もうそういう銀座の定義が「昭和レトロな」っていう意味人に代わりそうな雰囲気あるよね。

 

さて、「清水駅前銀座」に到着した。名前的に、これをたどれば清水駅まで行けるのだろう。そしてさすがにこの商店街であれば何件か食事処があるのであろう。

…と思ったら序盤からいきなり左右共にシャッター街で、時代の流れを痛感した。


それでもかまわず歩いて行くと、徐々に活気のある商店に変化してきました。

清水駅に近付くほど賑わってくる方程式?序盤の閑散とした空気とは打って変わり、人も多くなってきた。ワクワク。

 

清水駅前銀座3

静岡おでんのお店、「天神屋」に決めた。他にも海鮮丼のお店などあったが、今回はおでんだ。

基本はおでんやお弁当の持ち帰りのお店みたいだけど、店内にカウンター席が少しあってイートインできるようになっている。手軽だしお値段も安そうだし、ご当地グルメだしな。そして本場で静岡おでんを食べるのは今回が初めてだ。

 

清水駅前銀座4

静岡おでんの特徴の1つは、串に刺した状態で煮込まれている点。わぁ、うまそうだ。

オーダーのシステムがよくわからないので店員さんに「初めてなんですけど…」って言って会計方法を教えてもらい、まずは自分で好きな具を選んでからレジに来るように教えてもらう。

 

数品とシラスおにぎりを購入し、お会計。

「あ、大根だったらよく煮えているのがあるから交換するわね」とか言われていい感じに味がしみ込んだものに交換してもらえたりした。親切。好き。

 

清水駅前銀座5

イートインスペースで食べてみよう。

静岡おでんの特徴、串に刺さっている以外にはだし汁が真っ黒だったり、はんぺんも真っ黒だったり、魚の粉を振りかけて食べたりする点。

 

清水駅前銀座6

うまいのだ。しっかりと魚を感じられる黒はんぺんが、他で食べているものと一線を画すのだ。ちょっと濃いめのだしも、歩いてエネルギーを欲している体にストレートに浸み込む。

おにぎりもうまかった。元気復活した。

 

巴町公園1

新清水駅の裏手の駐車場に戻る直前、路地の奥に桜が数本立っている公園を見つけた。

名前は「巴町公園」というらしい。


車を停めた駐車場の料金は1時間単位であり、1時間に至るまでにはあと15分猶予があったある。少しだけ寄り道できる。

 

巴町公園2

「巴川」に面した、小さな小さな公園。遊具もブランコとか滑り台くらいしかないし。誰もいないし。

だけども桜は綺麗だし、散った桜の花びらが多数浮かぶ水たまりも綺麗だし、目の前には新清水駅から続く静鉄清水線が巴川を越える鉄橋が見える。

 

巴町公園3

たぶん、新清水駅の裏側ならではのほのぼのした光景。のどかな平日の昼下がり。

そんな雰囲気を少しだけ味わえてよかったよ。

 

時間直前に駐車場に戻り、管理人さんの家のチャイムを押して愛車のカギを受け取ると、僕はドライブを再開した。

それでは清水、またいずれ!

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

 

No.357【広島県】レトロ自販機店、廿日市に2024年1月下旬に爆誕!「M's cafe」に行こう!

2024年の初頭を飾った大事件といえば、広島県にレトロ自販機保有店が誕生したことだよな。

既存店舗にレトロ自販機が置かれたんじゃないんだぜ。新規開店に合わせてレトロ自販機を置くお店が現れたんだぜ。誠にめでたい。

 

 

40年だか50年だか前の気難しい自販機を目玉として新しいお店を始めるのって、きっとすごく難しいしリスクがある。

だから世の中のレトロ自販機保有店はどんどん減っているのだ。そこに来てこの朗報である。

 

もう行くしかないよな!

2024年1月26日OPENの「M's cafe」に行ってみよう!!

カフェ&レトロ自販機、もうワクワクが止まらねぇーー!!

 

 

場所は峠道、わかりづらいぞ

 

その日の広島市は雪だった。粉雪がしんしんと降っていた。

あれ?今日の天気って雪だっけ?むしろ晴れじゃなかったっけ?…って思った。

 

M'sカフェへ1

現場は峠の向こうだ。「本当にこんなところにカフェなんてあるのか?」っていう感じのハイスピードな峠道。

その頂上付近でいきなり道路左側に「CAFE」の巨大看板とレトロカーのオブジェが出てきたのでビックリした。

 

「これがM's cafeか!住所も"峠"ってフレーズ入っていたしな!まさに峠だぜ!」って思ったら、どこにも店舗本体がなくって、廃墟みたいなものなら一軒だけあったけどそのまま道路を走るしかなくって、気づいたら峠を下った先のドッグランでキョトンとしていた。

ドッグランのスタッフさんもキョトンとした顔でこっちを見ていた。

 

んー、たぶんだけどもあのCAFEの大看板はM's cafeではない。

ついでにM's cafeの実店舗はほんの少し前に通過してしまったはずだ。戻ろう。

 

M'sカフェへ2

着いた。ここだ、窓にレトロ自販機のパネルデザインもされているし。

…って、店舗そのものの写真でなくってすまねぇ。これ、店舗の前から峠の頂上方面を撮影したものだ。

さっきはあっちから高速でこっち側にダウンヒルして、目立たないM'sカフェの前を音速で通過してしまったのだな。

 

M'sカフェへ3

これが店舗の外観である。普通の一軒家のようにも見えるし、新しく開店して1ヶ月という時期なのにずいぶん古びてしまっているようにも見える。

まぁ、リノベーションしたのだな。好きなタイプの外観だ。

 

しかし普通にドライブしている人がここをカフェあるいか店舗だと気づき、「ちょっとお茶していこうか」とはなりにくいエクステリアだ。

まずは峠道で目に入りづらいし、目に入ってもカフェだと気づくには大リーガーの4番バッター並みの動体視力が必要。

 

M'sカフェへ4

実はこれらの写真は退店時に撮影したもの。僕が来店したときにはお店の前には一台も車がなくって、このお店の風貌に入っていいものかどうか若干逡巡したものだ。

 

M'sカフェへ5

ただし軒先に吊るされたUCCコーヒーの看板が僕に勇気を与えてくれた。

あとでマスターと話した際に「あれは今朝取り付けたんだよ」と言っていた。ね、こういうスペシャルな偶然が僕の人生をさらに色濃いものにしてくれるんだよ。

 

M'sカフェへ6

先ほども触れたが、これがレトロ自販機のパネルを模したものだ。

暖簾にはラーメン・うどんと書かれているが、実際のメニューはうどん2種類だけどな。

 

『レトロ自販機店内稼働中』の極太の文字に心が躍り、そしてその上に小さく書かれた『24時間やってません』の文字にクスっとくる。

営業は金・土・日の日中帯だけなのだ。貴重だぞ。

 

 

うどんはワンパクに登場する

 

店内に入った。なかなかオシャレな空間でキュンと来た。

 

麺類自販機でうどんを1

ピカピカのカウンター。真っ赤なハイチェア。まるでバーのようではないか。

しかしカウンターにはサイフォンが見える。カフェなのだ。もうコーヒー飲みたくって。朝からずっとコーヒー飲みたい。

 

マスターに「設置されたばかりだというレトロ自販機を求めてやってきました」と、サラリと動機を白状した。

 

麵類自販機でうどんを2

店の奥には富士電機のレトロ麺類自販機。木目調で渋いヤツだ。

しかしわりとピカピカだ。聞いてみると昨年フルレストアしたのだそうだ。

 

もちろん自販機うどんは食べるとして、コーヒーも気になるなぁ。マスターに「コーヒーも欲しいぃ…」と言ったら「でもうどんと同時は食べ合わせ悪いでしょ。食後ですね。」とクールに諭された。

そうだった。生き急ぎすぎた。否、別に食事と一緒でも全然いいタイプの人間なのだが、1つ1つ味わったほうが長い時間楽しめるよな、そっかそっか。

 

麵類自販機でうどんを3

自販機本体のパネルデザインは、うどん・そばだ。

この温かみのあるオレンジのパネルに、僕の人生はいったい何回救われてきたのだろうか…?

そんな富士電機のレトロ自販機に新たに出会えて幸せだ。

 

麵類自販機でうどんを4

メニューは肉うどんと天ぷらうどんである。どちらも400円。

僕は肉うどんをチョイスした。関西でしか基本販売されていない肉うどん。一杯しか食べるキャパがないのであれば、なるべくレアな方から攻めていきたいのだ。

 

コインを入れてボタンを押すと、ニキシー管が25秒のカウントダウンを始める。

そして25秒後。

「シャバダァーー」みたいな清涼感のあるせせらぎと共に、取り出し口から結構な量のだし汁が床にこぼれた。

 

古い筐体では時々見かける事象とはいえ、ピカピカの屋内スペースのこの店舗で漏水事故が起きたことに僕は少しビックリし、「豪快にあふれましたよ!豪快にあふれましたよ!!」とマスターに報告した。

マスターは慣れているのだろう、こちらも見ずに「そんなもんですから」と回答した。

…ですよね。なるほど、自販機の下のミニカーペットは、尿漏れ用のものだったか。

 

麵類自販機でうどんを5

おぉーっと!

しかし次はどんぶりから麺が飛び出してきているぜ。しかもよく見てほしい、少なくとも2本ある。

内部の湯切り機構がパワフルすぎて遠心力で吹っ飛んだのかな?

 

そーっと取り出そうとするんだけど、うどんの向こう側の端っこが自販機内部に挟まっている様子で、僕の手元のどんぶりと自販機の間でうどんが引っ張られてビニョーンと伸びている。なかなか取れない。

これ、コシの強いいいうどんだ。食べる前に判明した。

 

マスターに「今度はうどんがワンパクすぎてー!はみ出ているし取り出せなくてー!」って報告した。

さすがにマスターにも焦りの色が見えて、「え!えっ…!とりあえず、取り出してもらって結構です」って言われた。

僕は「いいですね!じゃあ構わず抜き取りますよ!」って宣言して丼を引っ張った。

 

麵類自販機でうどんを6

2・3本のうどんがベチベチッと床に落ち、1本だけはダラリとした状態でテーブルに着陸した。

あ、そういえばテーブルはレトロゲーム機なのである。これまた貴重だよね。ちなみに僕が入店したときはマスターご自身でゲームに興じていたし。ステキ。

 

麵類自販機でうどんを7

マスターは「あぁぁ、今までこんなことなかったのになぁ…、ショック。そしてわざわざこんなところまで来ていただいたのに、こんなことになってしまって本当に申し訳ない…。」と謝られた。

僕は「いえいえ、レトロ自販機ですもん。こういうハプニングも含めて個性です。」って正直に言いながら、取り出し口でプラプラ揺れるうどんを眺めていた。

 

麵類自販機でうどんを8

マスターが「七味もありますよ。カウンターからご自由にどうぞ。」と言ってくれたので、これを拝借した。準備は整った。

 

麵類自販機でうどんを9

肉うどん。やや肉が少なめに見えるかもしれないが、うどんに絡まって水中に埋もれているから気にするな。

そして肉うどんの真髄は肉そのものではない、肉のうまみの溶けだしたダシなのだ。これをひとくちすすれば、粉雪舞うこの寒々しさも吹っ飛ばしてくれるのだ。

 

うめぇ。ホント体にも心にも沁みる。

さっき出てきたときにダシがこぼれた通り、どんぶり並々と表面張力のようにダシが入っているのだ。それをしっかり飲んで温まれるのだ。

 

 

食後にはビターなコーヒーを

 

食後にコーヒーを飲もう。マスターは僕の頃合いを見て「そろそろですね?」と絶妙なタイミングで声をかけてくれた。

コーヒーは朝煎りと深煎りの2種類があり、どちらも500円だ。僕は深煎りが好きだよ。

 

コーヒータイム1

こういうコーヒーを待つ時間が好きだよ。漂ってくる香ばしい香りが好きだよ。

 

マスターに「このあとどちらに行くのですか?」と聞かれた。

「んー、よくわかりません。下関を回り込んで山陰に行こうかと思っていたんですけど山陰は雪のようなので、だったら広島東部まで行った後に四国に渡ろうかなぁ…。コーヒー飲みながら考えます。」と、ふわふわした人生設計を述べた。

 

コーヒータイム2

マスターは、「西に行くのだとしたら観音茶屋からの長沢ガーデンという、レトロ自販機王道コースですかな?」と聞いてきた。

おぉ、さすがマスターだ。中国地方のレトロ自販機に精通していると見た。

 

コーヒータイム3

しかし、どちらも何度も行っているし僕はもう満腹だしな。どちらも今回は行かないかな。むしろ愛媛県ソウルフード焼豚玉子飯を食いてぇな。

そんな適当な話をマスターとしている時間が心地よかった。

 

コーヒータイム4

深煎りコーヒーが出来上がった。

コーヒーをオーダーするとチロルチョコ2つをカウンター脇から自由に取っていいのだと言う。チョコ、ありがたい。

 

コーヒーは量は少なめだが、ガツンと来る濃厚さで好きなタイプだ。この量でちょうどいい。そしてチョコにすごく合うよね。

 

コーヒータイム5

穏やかなひとときを過ごせた。

僕のタイミングで麺類自販機が壊れてしまったのかもしれなくって少々気になるが、今後多くの人に食べてもらえるお店になるのだろう。その歴史の序盤に訪問できたことを光栄に思う。

 

コーヒータイム6

マスターにお礼を言い、お店を出る。

さて、山口県まで突っ走った後にUターンして四国を目指そうかな…。旅人は自由奔放なのだ。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

名称: M's cafe

住所: 広島県廿日市市峠61-5

料金: 肉うどん¥400他

駐車場: あり

時間: 11:00~18:00(金土日のみ営業)

 

No.356【神奈川県】実物大の「横浜ガンダム」終了まで2週間!夢と希望をありがとう…!!

横浜みなとみらいエリア、「山下公園」の隣に「ガンダムファクトリーヨコハマ」という施設がある。2020年12月にOPENした、実物大の動くガンダムの見られる施設だ。

機動戦士ガンダム」公開から40周年を記念したイベントらしい。

 

期間限定スポットであり、2024年3月末にフィナーレを迎える。

もともとは2022年3月に終わる予定だったのだが、2023年3月末、2024年3月末と、2回に分けて延長された。

 

このフレーズにはお茶噴いたよね

コロナ禍の真っただ中のリリースであり、行きたい人も行くことができずに残念な状態だったからこその延長。ナイス判断だったのかもしれない。そもそも2014年から企画考察されていたそうで、その頃はコロナなんて思いもしなかったもんな。

 

実は僕もここを2回ほど訪問した。

今回はグランドフィナーレを祝し、その思い出を振り返りたい。

おっと、ガンダムファクトリーヨコハマだと文言が長いので、本編では通称の「横浜ガンダム」と表記させていただくのでよろしくな。

 

 

プロローグ:アイツが横浜に降り立った10日後

 

2020年12月29日のことだ。つまり横浜ガンダムリリースからの10日後のことだ。

ちょうど横浜を訪問していた僕は、早速これを見に行くことにした。

 

ガンダムと出会う1

ザ・みなとみらい!…って感じの風景ですな。テンション上がる。

左に見えているのは山下公園に停泊している「氷川丸」だ。あまりよく知らないが静態展示されている有名な船。

 

ガンダムと出会う2

そしてあれがガンダムファクトリーだ。薄々あなたも感じていただろうが、有料施設だ。

みんなの夢と希望を詰め込んだ、動く実物大ガンダムだ。当然お金を払って中に入らない限りガンダムの姿は全く見られ… ―

 

ガンダムと出会う3

 

完全に屋根を突き破っていた。

建物の上からコンニチハしてた。

 

 

1650円でガンダムを足元から見上げることができ、3300円払えば顔のすぐ横の展望台で間近に見ることができる。

だが、ちょっと角度を変えればヒザより上は見ることができる。写真の左下の人々の位置が、それだ。

 

これさ、結構重要なファクターだからメモしておけよ。

つまりは3月末で終了する横浜ガンダムの駆け込みラッシュが起きて現地がオーバーフローしたとしても、無料で敷地外からも見られるってことだからな。夢を諦めるなってこと。

 

ガンダムと出会う4

ファクトリーの左から、海ギリギリの防波堤の道へと入る。

するとわりと見えるし、わりと大迫力。すげーすげー、マジに動いている!

 

ガンダムと出会う5

僕は1人でフラリとやってきた身であり、そこまでガンダムに興味があるわけではない。なんだったらガンダムなんて一度も見たことがなく1ミリも内容を知らない。

とりあえず今回はお金を払わずに中の雰囲気だけでも感じ取ることはできまいか、と思ってこのアングルを見つけた。

 

ガンダムと出会う6

音楽に合わせてゆっくりと動くガンダム

歩くようなしぐさをしたり、空に飛びあがるようなポーズを取ったり。なんだかんだと5分くらい動いただろうか?

 

ガンダムと出会う7

直立したと思うとプシューとスチームを焚いて、ドックに格納された。

あれ?動き出す前から僕は見上げていたが、なかなかに短いな。1公演5分??戦車よりも燃費悪い??

 

それでも見られて良かった。有料ゾーンで見るにあたっては、もう少し予習したりプランを定めた方がいいかもしれないな。

 

 

クリスマスガンダムとの対面

 

2021年の12月後半のことである。冒頭にも記載した通り、当初は横浜ガンダムは2022年の3月にクローズ予定なのだ。この機会に行かねば、って思って同行者と共に横浜にやってきた。

 

夕暮れのみなとみらい1

もうすぐ17時になる横浜みなとみらい。山下公園と「マリンタワー」が妖艶ではないか。クソ寒いのかなって思ったら、そんなにも寒くなくって良かった。

 

このクリスマスシーズンのみの、ライトアップされてこの時期オリジナルのBGMと共に動くガンダムが見られるというので、あえての夜にやってきた。

クリスマスシーズンオリジナルポーズも見られるそうだが、まぁそれはよくわからんし正直興味ないけども。

 

夕暮れのみなとみらい2

みなとみらいの夜景が本気を出している。かっこ良すぎる。時間バッチリだ。

夜景もそうなんだけど、真っ暗になってからよりもほんの少しだけ残照がある時間の方が味わい深く見えると思うのだよ。

 

ガンダムとの対面1

今回はちゃんと受付を通った。どうやら動くガンダム以外にも見られる施設があるそうだ。

 

初めてのアトラクションってワクワクするよね。

あなたもディズニーランドやUSJに初めて行った日のことを覚えているか?何も知らないっていうのはすごく贅沢なことなのだ。二度と戻れない日々なのだ。

まっさらの白紙に記憶が書かれていく感覚、エクスタシー。

 

ガンダムとの対面2

ご本尊!!仏壇(違)の中でピクリとも動かないご本尊!!

次の公演が始まるまではあと5分ほどある。緊張しているわ寒いわでトイレ行きたいので、まずは速攻で行っておこうかね。

 

ガンダムとの対面3

トイレの脇の自動販売機もガンダムしてた。

原作にも、こういう体内にドリンクいっぱい格納した親切なガンダムって登場するのですか??

はい、多分登場していませんよね、1ミリも見たことないけどなんとなくそのくらいは本能で察知できる。

 

ガンダムとの対面4

17:10、ガンダムのドックがおめでたいカラーに光り出した。クリスマスガンダム!クリスマスガンダム

なんだかわからないけど「これからアイツが動き出すんだ!」っていう無言の迫力にドキドキするよね、さすが男の子。

あとドックの右端には『2021 Winter』という電光文字が輝いている。ニクい仕事。

 

ガンダムとの対面5

これは個人的な意見だけども、昼間よりも夜の方が好き。

爽快感抜群の青空の下もいいかもしれないが、夜の方が余計な情報が見えず、かつパーツパーツがライトアップされた、よりメカニカルなガンダムを楽しめるんじゃない?

ほら、ガンダムって宇宙の物語だから真っ暗な宇宙空間で闘うし。ちゃんと見たことないからなんとなくのイメージだけど。

 

ガンダムとの対面6

頑張ってみなとみらいのビル群も入る構図で撮影してみた。

せっかく横浜だもんな。今日という日に、横浜でガンダムを見上げたということを忘れないようにと。

 

 

動くガンダム、ちょっとファンシー

 

ガンダムはしばらくドックの中でひたすらキラキラしている。乙女チックだ。

 

動けガンダム1

なかなかにゆっくりキラキラしている。内心少しだけ焦った。

横浜ガンダムは常に動いているわけではない。毎時ちょうどのドックからの登場、そして毎時30分のドックへの格納を繰り返す。

前者のアクション時間は8分、後者は5分だ。今回はまだドックに格納されている状態からのスタートなので、8分コース。

 

動けガンダム2

しかしこれ、キラキラしているだけでもうその半分くらい消化していないか??

動かない今がチャンスだからいっぱい撮影しておくけども。

 

動けガンダム3

ライトダウンされ、右側にカウントダウン表示が現れた。

あぁ、あれがスタートの合図なのかな?

そしてカウントゼロ。

 

 

今回は何本か動画を挿入する。これはガンダムに電源が入った瞬間だ。

別に見なくっても支障がない記事構成だが、"動くガンダム"なのだから動いている様子を動画で見た方がしっくりくるかも。

ちなみに音も出てしまうので気をつけてね。

 

動けガンダム4

きたーー!!

除菌室のように大量のスチームがガンダムに噴射されているように見えるけど、これ実際はガンダム前面のブリッジが取り払われている瞬間だ。

そしていよいよ18mの実物大ガンダムが動き出す!!

 

 

なんという滑らかな動き!これだけ大きいのに、ギクシャクした感じが一切ないよ。これパイロットにとってもかなり快適なんじゃないかな。

 

実際はほとんど進んでいないけど、まるで歩いているかのように自然な動きで出てきたよ。おはよう。

往時からのガンダムファンは、これ見て泣くかもしれないなぁ。

 

動けガンダム5

左を気にしながらダッシュしているみたいなポーズだけども、これから片膝をつこうとしている瞬間のガンダムさんだ。トラブル演出か?

 

動けガンダム6

なぜだか膝をついてしまったガンダムさん

心なしかその表情も曇っているようだ。

 

動けガンダム7

歌に合わせて上を見上げて右手を伸ばすガンダムさん

横浜ガンダムの稼働箇所は指を除いて24箇所だという。指については1本1本レベルで動くのだそうだ。だから動きに表情がある。

 

動けガンダム8

ファンシーな演出だが、技術はすごいな。

期間限定なのが惜しい。今でこそ延長が2回行われたが、当初計画では1年4ヶ月のみの公開だったのだ。

 

動けガンダム9

世界に誇れるこれだけの技術と、おそらく相当な金額をつぎ込んで、そのあと一体どうする予定だったのかな?後世に残していいレベルだぜ、これ。

 

 

ガンダムさん、立ち上がる。復活。

そして空に向かって飛び立つようなポージングだ。そろそろフィナーレ。

 

動けガンダム10

この飛び立ちポーズのまま硬直し、前半のドックからの登場フェーズの演出が終了した。動いていた時間は確かに8分ほどだったのかな…?

 

後半のドックへの格納については22分後の開始であり、それまでガンダムさんはピクリとも動かない。

このあたりを把握してから見学しないと、「あれ…?」ってなること確定だ。特に敷地外の無料エリアから見ると謎に包まれると思う。

 

 

ガンダムラボで最先端技術を垣間見る

 

実際の時系列的には、「後半部の開始前」と「後半の部の終了後」に分けてその他の施設を巡ったのだが、その通りに書くと話がややこしくなるのでまとめて書くね。

 

その他の施設1

お土産物屋ももちろんある。ガンダム関連のグッズ、特にプラモデルが充実している。マニアにはきっとたまらないものなのだろう。

僕にはよくわからないのでサラリと見た。

 

その他の施設2

横浜ガンダムの対面の建物、つまりは受付の建物の裏側部分。

その2階デッキに立つとガンダムをさっきと別角度から見ることができる。ガンダムからはやや遠いが全体を見渡せるし、目線がやや上なのが面白いかもしれない。

後半部の部はここで見ようと決めた。

 

その他の施設3

その建物内にある「ガンダムカフェ」。平日の夜とはいえ、見事なレベルでガラッガラだ。みんな出動してしまっているのかな?

ホットドッグ1200円、ポテト800円とかするのでなかなかの物価だ。特別感はあるかもしれないが、外界の3倍~4倍はする。

 

その他の施設4

メイキング映像、スタッフインタビューなどが上映されているフロアもあった。

「第〇話…」というように、テーマごとに完成に向けて話が進んでいく。実物大の動くガンダムという、子供の夢のような企画が実現していくドラマはなかなかに見ごたえあるよ。

大体全部見た。他にお客さんはほぼいなかったけど。かろうじてハイチェアに座れる席は合ったものの、座り心地はあんまりよくなかったしな…。

 

その他の施設5

そうそう、2024年現在はどうだか知らないけど、僕の訪問した2021年12月は来場者1人1人にガンダムのミニプラモデルが配られたんだよ。

仏壇みたいな枠付きの、横浜ガンダムを模しているデザインだ。

 

その他の施設6

まぁ無料の配布物なので小さめだし本格的に凝ったデザインではない。

でも嬉しいではないか。後日作成してみよう。人生初のガンプラだ。

 

続いてはガンダムラボに入る。

ここはかなり楽しかったぞ。雰囲気的には小学生時代に夢中になった科学館みたいなテイスト。ロボットやハイテク技術に実際に触れて学べるタイプの、キッズみんな大好きなタイプの空間であった。

 

ラボ1

ガンダムの手が、あるいはガンダム全体が、どのような機構で動いているのかを分かりやすく図解してくれている。上の写真のように自分でハンドルなどを使って動かすこともできる。

こういうので子供たちが興味を持ち、未来の技術者が生まれてくれたらこの国は安泰だよね。

 

ラボ2

現在の横浜ガンダムがどのような動きをしているのかリアルタイムで監視できるモニターもあるぞ。

戦隊ものヒーローとかの博士ポジションだ。僕は昔からそっちの裏方のキャラクターが好きだった。前線には出向きたくないタイプ。

このモニターの左右のデザイン、かつてみんながあこがれたSF世界のモニター画面のような造りではないか。胸キュンですな。

 

ラボ3

さっき無料でもらったミニガンダムを自動で作成するロボットもいた。

プログラムされた動作で、1つ1つのガンダムを結構な速さで組み立てていく。

 

ラボ4

バラバラなパーツが組み合わさってガンダムになっていく様子は永久に見ていることができるぞ。テキパキ組み立てていくので手元の在庫がなくなりそうになり心配になるほどだ。

 

ラボ5

バラバラガンダムがシュールである。

寝かされているボードがまな板のように見えてなおさらにシュールである。

 

ラボ6

この装置はとても楽しかったな。童心に返った。

これはガンダムのコックピットからの目線をリアルに再現したシミュレーター。スタッフさんに声をかけると1人ずつ案内してくれ、操作方法など教えてくれる。

 

自分で歩いてコックピッチに乗り込み、そして下界の人々を見下ろす。

ちょっとトラブルがあって敵とかも出てきたりするぞ。詳細は行ってからのお楽しみだ。

 

 

そしてドックに格納される!ありがとう!

 

前半のドックからの登場アクションの開始から30分が経過した。格納アクションが始まるぞ。

さっき目星をつけておいたラボ2階のテラス部分から遠望することにした。

 

ガンダム格納1

ガンダムはさっきの前半の部で空に飛び上がろうとしたまま停止している。

おぉ、いいアングルなんじゃない?月が煌々と光っていて、そっちに向かって飛び出そうとしているようだ。

 

…というよりここ、人が少ないな。

ガンダムから遠いからかな?いや、冷静に考えてみると上の写真に写っている観光客も20人~30人ほどだしな。母数が少ないのか。そりゃカフェに行く人も少ないはずだ。

 

ガンダム格納2

キラキラ光ってスチームが出て、音楽が鳴って。

そして夢から覚めたようにガンダムが動き出し、軽く足踏みをするようなしぐさを見せると直立状態になってドックに収容される。

 

後半5分の格納アクションを文字にするとこんな感じだ。

音楽部分が長いし動きがスローリーなので、前半に比べるとトピックスが少ない。これだけ見た人は少しガッカリしてしまうかもしれない。

 

ガンダム格納3

前半の部も含め、もっと長い時間いろいろ動いてほしかった思いはある。

インターバルほとんどなしに、常に動いてほしかった。そのくらいに惹かれる要素があったから、もっともっと見たかったのだ。

そう思う人は多いかもしれない。「あれ?これだけ…?」ってなる人も多いのではないだろうか?

 

ガンダム格納4

ただ、史上初の試みであり、それを成功させ、世界に可能性を示したという点ではすごい功績だと思う。

ファミレスでも普通にネコ型ロボットが働いている時代だもんな、手塚先生の「鉄腕アトム」も数10年後には実現しているかもしれない。

 

ガンダム格納5

この先、このガンダムをもっともっと昇華させるとしたら、これを見ている若い世代になるのだろう。そんな可能性をひしひしと感じた。

 

ガンダム格納6

ガンダムはドックに戻る。

入場券は1日でもここに滞在できるそうなので、もしあなたが興味あるのであればこれを何ループでも見ることができる。

僕はこの1ターンで満足かな…。さすがに12月の夜の気温が堪えてきたしな。

 

ガンダム格納7

横浜みなとみらいの夜景と、月とガンダム

ステキなクリスマスナイトだったぜ。ありがとう。

 

…そして、コロナ禍っ出の活動、お疲れさまでした。

あと2週間、無事にフィナーレを迎えることを祈っております。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: GUNDAM FACTORY YOKOHAMA
  • 住所: 神奈川県横浜市中区山下町279-25
  • 料金: 入場料¥1650
  • 駐車場: なし。付近のコインパーキングを使用のこと。
  • 時間: 10:00~20:00(19:00最終入場)