週末大冒険

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ちょっと出かけてみないか。忘れかけていた、ワクワクを探しに。

No.134【富山県】2024年、黒部渓谷に新ルート!…その前に黒部トロッコの思い出を語ろう!

コロナ禍だけども、未来の観光業にワクワクを隠せないニュースはある。

僕の個人ランキングでその1位は… …!!

 

2024年、黒部・立山エリアに新観光ルート誕生!!!

 

うわー、これヤバい。

自分で書いておいて武者震いが止まらないレベルだ。

もう今からドキドキワクワクで興奮しすぎて、夜しか眠れない。

 

…おっと失礼。

1人でキャッキャウフフと喜んでいてもアレなので、概要をご説明しよう。

 

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まずは僕が苦労して描いた、立山黒部エリアの観光MAPだ。

 

左右を突き抜けているのが、「立山黒部アルペンルート」。

世界有数の山岳観光ルートであり、さまざまな乗り物を乗り継いで長野側と富山側を行き来できるようになっている。

僕も何度か訪問し、全線攻略済みだ。

 

下から上に上がっているラインは、「黒部渓谷」エリア。

ロッコで終点「欅平(けやきだいら)」まで行き、強者は「下ノ廊下」を歩いて1泊2日で「黒部ダム」まで行くこともできる。

ただしあまりに山深く雪深いので、雪が解けて登山道が整備できるのが9月中旬、そして11月にはまた雪に閉ざされるというすごい道だ。

 

2024年、ここの徒歩部分が乗り物で移動できるようになるのだ。

今まで工事関係者しか使えなかった設備や乗り物類だ。これについては後述しよう。

 

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では、今回僕が何を執筆するのかと言えば、先ほどのMAPにも記載した通りここだ。

現時点での黒部渓谷の(乗り物に頼れる)最深部。

 

宇奈月温泉から欅平までアプローチした話をしたい。

 

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紅葉、すっごかったんだからな!

 

 

抱けよ、解放感と尿意

 

これは、日本5周目で欅平を目指した、僕とその旧来の友人である「バンザイ」との物語だ。

 

前夜から「宇奈月温泉」に宿泊していた僕ら。

朝のトロッコで終点の欅平を往復する計画であった。

 

時は11月第1週。

紅葉のハイシーズンであるので、トロッコは事前予約をした方が良いと聞いている。

 

ロッコは定員制。

全員が着席する必要があるため、事前か当日かどちらかでチケット購入が必要なのだ。

当日分は6:50から販売開始とのことで、それに合わせて宿を出る。

 

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宇奈月駅1

宿からトロッコ始発駅の宇奈月駅までは徒歩2分だった。

文字通り、朝飯前だ。

 

ただしザーザー雨が降っている。おまけにすごく寒い。テンション低空飛行。

 

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宇奈月駅2

朝早いのに、キチッとした制服で頑張っているスタッフさんたち。

当たり前なのかもしれないが、ありがたい。

 

僕たちはとりあえず朝風呂入ってからジャージにサンダルみたいな格好で来ているので、完全に気後れした。

 

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宇奈月駅3

ホテルの朝食は7:00からなので、さすがに始発の7:32のトロッコは厳しい。

次発の7:57で予約をした。

 

ロッコは3種類ある。普通客車・リラックス客車・特別客車。

普通車とそうでない車輌の大きな違いは、壁と窓があるかないか

つまり、普通車だと側面が全くない、完全な吹きっさらし状態なのだ。

 

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宇奈月駅4

 だけどもトロッコだぜ。もともとそういうもんだろ。

壁なんていらない。窓もいらない。普通車を予約した。

ちなみに一番安い。

 

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宇奈月駅5

別シーンで撮影したものだが、これがリラックス客車か特別客車のどっちかだ。

どちらなのかはわからない。しかし知る必要のないことだ。

僕らは普通車なのだから。

 

*-*-*-*-*-*-

 

…というワケで、シーンは出発直前の宇奈月駅である。

 

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宇奈月駅6

駅で始発を待機している人々の装備が普通じゃない件。

完全防備。ヘルメット付き。

これは僕ら、場違いな感じがするぜ。まぁいいけど。

 

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宇奈月駅7

そして寒い。とても寒い。

今日の最高気温は、昨日の最低気温にすら届かない。

秋服で来たの、あきらかに失敗だな。草木も枯れ落ちる温度よ、これ。

 

「さてホームに行こうか」って思っていると、改札前で係員の人が「普通客車の方は、ポンチョをご用意くださーい!絶対買ってくださーい!横風でスブ濡れになりまーす!」って注意喚起している。


なんてこった。

1回限りの着用でポンチョなんぞ本来であれば買いたくは無いのだが…。

しかしズブ濡れはイヤだしな…。

もじもじしているうちに友人のバンザイがスタコラと買いに行きやがったので、しょうがないので僕も買うこととした。

 

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宇奈月駅7

「峡谷コート」だなんて渋いネーミングではあるが、普通にコンビニでも売っているようなスケスケのレインコートである。

 

400円。

ちなみにこの400円があれば、トロッコ片道分を特別客車にグレードアップできた。

なんとも愉快な出費である、ゲラゲラ。

 

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宇奈月駅8

ロッコの先頭車両がコイツだ。

バチクソかっこいいぞ。

パワフルに渓谷を突き進んでくれそうな、頼もしい顔をしている。

 

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宇奈月駅9

そしてトロッコの普通客車がこれだ。

ディフェンス力が低めのデザインである。

嵐が来ても熊が出ても、真っ先に餌食だ。それらのリスクを「臨場感」のひとことで片付けようとしている列車だ。

 

駅員さんに「キミたち、がんばれよ!」と言われた。

なんだったら、うるんだ瞳で敬礼されかねない感じで言われた。

出兵か。

 

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宇奈月駅10

撮影係のお姉さんがやってきた。

観光客の写真を撮り、あとで帰った来たときにでも1000円くらいで販売する、ちょっと昔の観光地でよくあったスタイルの営業だ。

 

僕らを見て一瞬ちゅうちょした後、声を掛けてきた。

きっと「この天気で普通客車に乗る変なヤツ」みたいに思われた。その通りだ。

僕らも苦笑いでピースしながら写真に写った。

 

もうすぐ発車の時間だ。

 

ロッコは片道80分。

途中に駅はあるけど、停車はほんの一瞬、あるいは停車してもドアが開かなかったりするらしい。

ようするに、これからの80分はトイレに行けないってこと。

 

だけども僕はトイレが近い。いつも朝は30分おきにトイレ行っている。

さっきもホテルの朝食バイキングでしっかりホットコーヒーを飲んだ。

利尿作用バツグンだ。

 

さらにこの吹きっさらし状態。雨かつ低温。

もう「トイレに行きたくなるための条件はすべてそろえた」と胸を張って言える。

ヤベーなこれ。

 

出発直前、駅員さんに「すぐ戻りますから!」って言って、最後のトイレにダッシュした。

ちなみにバンザイはチェクアウト前に「腹の調子がおかしい…」とか言いながら唸っていた。

これ、ピンチね。2人ともヤバいね。

 

7:57、トロッコ発車。

 

 

僕らはかわいそうな存在か

 

吹きっさらしのトロッコは楽しい。

黒部の風。黒部の匂い。全部体全体に感じることができる。

 

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ロッコの旅1

早速トンネルの中を走ったりするのだが、手を伸ばせばトンネルの壁に届くだろう。

もちろん危険なのでやらないけど。

 

しかし気分はインディジョーンズである。

ポンチョを着たインディジョーンズなんて聞いたことないし、もしそんなことしていたらここまでの人気にならなかっただろうが。

 

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ロッコの旅2

さて、上の写真であるが、僕らは普通客車の車両の一番前に座り、後方を振り返って撮影した。

それがなぜだかおわかりだろうか?

 

寒いからだよ!!

 

寒風が身に染みるんだよ、スタート1分でめげた。

だから前の車両を風よけにするために最前列にいるんだよ。死ぬ。

 

この生存方法、宇奈月駅で励ましてくれた駅員さんが教えてくれた。

命の恩人、ありがとう。

 

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ロッコの旅3

出発から7分。まだ7分。寒い。

最初の駅である柳橋駅を通過する。

 

ここの駅前には「新柳河原発電所」がある。

西洋のお城みたいですごいかっこいいけど、雨なので川がドロドロ。寒い。

 

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ロッコの旅4

線路が大きくカーブして、後ろの方に連結されている窓や壁のある客車も見えた。

あっちは観光客がいっぱい乗っている。

そもそも紅葉のハイシーズンなのだ。お客さんはとても多い時期なのだ。

 

チッ、貴族共はいい気なもんだなぁ、コラ。

そう言って僕は汚く舌打ちをした。

寒いと心も貧しくなるのだ。

 

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ロッコの旅5

錦絵図の中の、1本の滝。素晴らしい。

紅葉が本当に綺麗なのだ。晴れていたら最高だったろう。

 

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ロッコの旅6

ロッコ内には観光のためのナレーションが随時かかっていて、周辺の見どころや季節について、トロッコについてなど興味深い内容をガイダンスしてくれている。

富山出身の女優の「室井滋さん」がそのナレーターを担当しているのだそうだ。

 

これにお蔭で飽きることなくずっと楽しくトロッコに乗れるのだ。

このまま尿意を忘れるくらいにしゃべり続けてほしい。

 

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ロッコの旅7

後曳橋から眺める水路橋だ。これも見どころの1つ。

谷間で列車を止めてくれたので、吹きっさらしの木枯らしが身に応える―!チクショー、ありがとなー!

 

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ロッコの旅8

出平駅近辺では、黒部川に設置された出平ダムが見える。

なんというダイナミックな建造物。


現在の時刻は8:30になろうとしているところ。

まだ半分弱。

全く退屈ではないんだけど、トイレのことを考える機会が増えてきた今日この頃です。

 

駅を通過するとき、駅員さんからの「がんばれー!」の声がドップラー効果で聞こえた。寒い。でも心は温まった。

 

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ロッコの旅9

ダムの先にある猫又駅などは、工事用の車両が複数台停まっていたりしている。

あぁいう車両はどこから運び込んでいるのだろうね?パーツレベルにして、トロッコ列車に乗せて?

じゃあ、車検や法令に則った定期点検のときはどうするのだろうね?

 

尿意をごまかすためにバンザイを質問攻めにし、「知らん」と一蹴される。

君も腹痛を抱えていた身なのだから、もうちょっと協力すべきと思うが。

 

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ロッコの旅10

8:50、鐘釣駅にトロッコが一時停車。

この駅は途中駅では一番大きくって、「万年雪展望台」などの景勝地もあるし、温泉も湧いている。だから宿泊施設もあるんだよ。

 

ここで乗り降りする人も若干いるので、初めてまともな停車をしたのだ。

しかしわずかな時間なので、トイレにダッシュすることはアスリートであっても不可能。

 

ホームにいるおばさんが物珍しげにこっちを見ている。

そして僕さ、読唇術(リップリーディング)で何言っているか大体わかっちゃうんだけど、おばさんの口は間違いなく「かわいそう」のかたちに動いた。

 

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ロッコの旅11

うおぉ、「かわいそう」って言ったなー!

チクショー!!

でも!僕は自分が選んだ道は胸を張って歩きたいよ!!

 

さぁ、終点欅平まではあと20分弱!

"僕の"黒部ダムの貯水量はこの時期かなり多いけど、ギリギリ決壊はしなさそうだよ。人としての尊厳、守れそうだよ。

守れなかったら、そのときはもう「かわいそう」って言っていいよ。

 

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ロッコの旅12

9:12、終点の欅平駅

見事に体がコチコチである。すぐにトイレに行った。

 

まだトロッコが停まっていたので、一瞬特別客車と思われる車両に入ってみた。

おいおいなんだよ、窓と壁だけではない、中にはエアコンも完備されているじゃないか!そりゃ快適だわ!

いいご身分だなぁ!!

 

 

40分で覚める夢

 

さて、ここにいられる時間は40分だ。

ちょっとこの後の予定もあるので、そのくらいが限界だ。

 

河原展望台

 

この40分で、僕らは周囲の3箇所の景勝地を散策するつもりだ。

昨夜に酒を飲みながらイメージできている。

 

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河原展望台1

雨の降る中、ポンチョを着て傘を差し、急な石段を下る。

この先にあるのは「河原展望台」だ。

展望台と言うけれども、遥か下にある。

 

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河原展望台2

展望台からは、その名の通りに黒部川の河原が見渡せる。

川に注ぎ込む小さな滝も一緒に見られる。


頭上の赤い橋は「奥鐘(おくかね)橋」だ。

川からの高さは34mあって、標高1543mの奥鐘山の中腹へと続いている。

 

うん…、まぁいい眺めではあるけれども、やっぱり雨だとちょっと残念な気分にもなる。

展望台には足湯もあるけど、座板は雨でビシャビシャだし、手を入れてみたらぬるいし。風邪引くわ。

これも黒部渓谷に湧く「祖母谷温泉」からのちゃんとした温泉なんだけどね。

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河原展望台3

欅平駅方面に引き返すべく階段を登っているとき。

 

振り返った渓谷が、ほんの10分前に下っているときと比べて明るくなっているなって感じたんだ。

空を見上げると、少し雲が薄い。そして流れが早い。

 

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河原展望台4

僕はバンザイに「待て」と言った。

ここがいい。この位置がいい。あと1分で、きっと世界は激変するから。

 

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河原展望台5

 

来るよ来るよ!!

世界は輝くよ!!

 

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河原展望台6

はい、来たーーー!!

 

そして、雨の中に日が差したら、みなさん何が見られるかご存じですよねー!!

一緒に言ってみましょうか。

 

せーのー … !!

 

 

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河原展望台7



虹(レインボ)ー!!

 

 

いやぁ、感動的だねこれ。黒部渓谷に虹が架かったよ。

なんといういいタイミング。

 

 

奥鐘橋

 

僕らはさっき見上げた赤い橋までやって来た。

いつまでこの青空が続くかわからない。だから急いで駆け上がってきた。

 

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奥鐘橋1

朱塗りの橋に、雨の粒子がキラキラと光っている。

幻想的。日本の秋って素晴らしいね。

 

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奥鐘橋2

橋の上からの虹である。

さっきよりも遮蔽物が少なく、さらにいい眺めだ。

青空もどんどん広がってきている。

 

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奥鐘橋3

どうだいこの光景。

 

山も7色。虹ももちろん7色だ。ありったけの色彩が、今ここに集結している。

花は一輪も咲いていないのに、この鮮やかさよ。

これが黒部だ。

 

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奥鐘橋4

霧は生き物のように山肌を這い、刻一刻とそのかたちを変えて行っている。

ずっと見ていられる。

 

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奥鐘橋5

そして上空。

都会では見られない空だ。神々が降臨してきそうな空だ。

 

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奥鐘橋6

橋の上で、僕らは歓喜した。

そしてちょうど雨が止み、そして虹が消えていった。

 

 

人喰岩

 

ホラーなネーミングだ。

奥鐘橋を渡ってすぐのところにある景勝スポット。

 

岩がオーバーハングしていて、遊歩道の上に覆いかぶさるようになっている。

その様がまるで人を飲みこむようなので人喰岩と名付けられたそうだ。

 

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人喰岩1

ここは頭上からの落石の可能性があるとのことで、ヘルメットの着用が推奨されている。

遊歩道の入口にヘルメットがたくさん置かれている台があったので、僕らもヘルメットを被った。

 

安全のためというのもあるけど、単純に被ってみたかった。

ヘルメットがあったほうが、非日常って感じがする。

 

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人喰岩2

この先は祖母谷温泉に通じる山道なんだけど、僕らはこの岩盤がお目当てだ。

一往復して引き返すこととする。

 

尚、1つご紹介しておきたい画像があるので、Twitterから引用する。

 

 

この人喰岩、近々安全に生まれ変わるのだそうだ。

このツイートは昨年(2020年)、「安全な人喰い岩ってなんだよ」とか「口はそこじゃねーだろ」みたいな感じでバズってネットニュースにもなったもので、僕も同じく大爆笑させていただいた。

 

今回僕がご紹介した写真では、荒々しい岩盤が剥き出しの天井であるが、そのうちコンクリートでガッチリ固められて雰囲気が変わってしまうようだ。

ご留意いただきたい。

 

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人喰岩3

さて、名残惜しいがそろそろトロッコ駅に引き返す時間である。

なにせ時間が40分しかなかったのだ。

 

ただし、トロッコに乗っている時間も観光の一部だったので、とても満足はしている。虹も見れたし、青空も見れたし。

 

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人喰岩4

 

ありがとうイリュージョン

 

欅平の駅へと戻ってきた。

僕らが乗って帰るトロッコで到着したと思われるお客さんたちが、駅からドバッと出てきたところだった。

 

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帰路1

僕らの便のときよりも3倍くらい人が多いかも。

やっぱ普通の人が動き始めるのは、このくらいの時間からなのだろうね。

 

空は少しずつまた雲が多くなって来てしまっている。

もう少しで太陽に雲がかかってしまう。

あと数10分後には、ここは元通りの曇り空になってしまうかもしれない。

本当に一瞬の晴天だったのかもしれないな。

 

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帰路2

ロッコ出発までに、僕は駅で簡単なお土産を買っておいた。

それからしっかりとトイレに行っておき、帰りのトロッコに乗り込む。

 

ロッコは行きよりも人が多くって、僕らの普通客車も6・7人の人が乗っていた。

まぁそれでもガラガラだけどな。

だけど人が多いと精神的にも暖かい。

太陽が出ていたことや、日の出から時間が経ったことによる気温の上昇も期待できそうな気がする。

 

流石に帰りは眠い。

ナレーションを担当する室井滋さんのガイダンスも、帰路は心なしか口数少ない。

 

そしてまた雨が降り出した。

もう一度ポンチョを着て、濡れないようにお土産を抱えて少し寝る。

寒いけど、寝てしまえば感覚なくなるもん。

 

ウトウトしながら寝たり起きたりを繰り返す。

ときどき対向から欅平方面に向かうトロッコが来るんだけど、お客さんがメッチャ乗っている。

僕らのときとは全然違う。

そしてオープンな普通客車からチビッコとかがこっちに手を振ってきたりしてね。寝ぼけつつ振り返す。

 

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帰路3

そして行きのときに写真撮影ができなかった、猿専用吊り橋の撮影に成功。

 

宇奈月湖」に架かる、プランプランの簡素な吊り橋。

猿はここを渡って対岸とを行ったり来たりするんだって。

すごすぎる。僕ならイヤだ。

 

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帰路4

こうして11:40ごろ、宇奈月温泉の愛車の元に戻ってきた。

もう空はすっかり曇っていて、また小雨が降っていた。

 

一瞬のイリュージョンよ、ありがとう。

 

 

そして繋がる新ルート

 

冒頭で書いた通り、今回の舞台の欅平から黒部ダムまでの区間が2024年に開通する。

 

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新ルート1

ヤバいなんてもんじゃない。

あの日本最強クラスの黒部ダムっすよ。

 

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新ルート2

別の機会の僕が撮影した写真だ。

ダムの上に小さく人がいるのが見えるだろうか。

本当にすごい。ここいらの話はまた改めて書き殴りたい。

 

新ルートでこの黒部ダムに出て、右に行けばいいのか左に行けばいいのか。

どっちも最高だ。

しかし1日では回り切れない規模だ。

嬉しすぎて悩みそうな世界になるだろう。

 

それにさらにワクワクポイントとなるのは…

 

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新ルート3

青字部分に着目してほしい。

今回のトロッコしかり、立山・黒部エリアの乗り物は特殊なものが多い。

 

トロリーバスは日本で残っているのはここだけだ。

ちょっと前まで一番左の電気バストロリーバスだったんだけど、それに最後に乗りに行った思い出も、また機会があったら書こう。

 

そんな立山・黒部エリア。

新ルートの乗り物群もすっげぇんだからな!

 

unazuki-kurobedam-route.jp

 

  • 工事用トロッコ電車 … かつて工事作業員が乗っていた、暗い坑道を進むゴツい電車。
  • 竪坑エレベーター … 山を垂直に貫く巨大エレベーター。200mの標高差は、当時の日本1の規模。
  • 蓄電池機関車 … 高熱隧道と呼ばれる、掘削時160℃にも達した坑道を進む重厚な機関車。
  • インクライン … 斜度34度の急勾配の坑道を登る、ケーブルカーに似た巨大な台車。

 

どれもすごい。

20世紀の大事業と言われた黒部ダム建設のための工事を支えた区間を、この目で見たり実際に活躍した乗り物に乗れるのだ。

地下帝国のようなこの世界観。2024年が楽しみでならない。

 

そして、この新ルートの名称募集を、2021年10月31日までやっている。

歴史に名を残せるぜ。

あなたもやってみてはいいのではないだろうか。僕も考えようと思う。

 

立山・黒部エリアは、20世紀の大工事でも盛り上がったが、21世紀ももう一度盛り上がるのだ。

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報