週末大冒険

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ちょっと出かけてみないか。忘れかけていた、ワクワクを探しに。

No.512【岐阜県】天下分け目の闘いを再現した「関ケ原ウォーランド」!ひらすらシュール!

西暦1600年、天下分け目の関ヶ原の戦い

これによって勝利を収めた東軍によって徳川の時代、江戸時代がやってきて、それが近代の日本の礎となっている。

わずか数時間の戦いではあったが、当時の日本を代表する戦国大名がここに集結し、二転三転するすさまじい攻防を繰り広げたことは、後世で耳にする僕も血がたぎる。

 

今の関ヶ原は、戦国大名の陣跡などは示されているものの、そんな大合戦が行われた痕跡はほぼない。…が、1つだけ例外がある。「関ヶ原ウォーランド」だ。関ヶ原の戦いを再現したテーマパークだ。

 

 

天下分け目の戦いに「ランド」なんて名称をつけてしまっている点に、日本がいかに平和な世界になったかをひしひしと感じるね。

そんな関ヶ原ウォーランドに行ってみた。結構スパイシーだぞ、ここ。いわゆる珍スポットだぞ。超有名な珍スポット。しかもかなりシュール。

 

今回はそんな世界をご紹介していきたい。それではいざ出陣 !

 

 

すごい迫力だが、どっか変だ…

 

関ヶ原ウォーランドは、実際の各戦国大名の布陣をギュッと圧縮した感じで作られている。だからそのあたりを踏まえると、より散策を楽しめると思う。

だが、僕はあえて何も知らずにウォーランドに突っ込んだ人の目線で語りたい。だって僕自身がそうだったのだから。

 

関ヶ原は大盛り上がり1

いきなりクライマックスだった。

もう誰も彼もが血気付いていて、次の時代を我が物にしようと必死のテンションであった。そんな中でオドオドしているのは僕1人であった。

 

自分が東軍なのか西軍なのかもわからない。所在がない。「あのー、僕は何をお手伝いすればよろしいのでしょうか…?」って聞いても無視される、新人バイトみたいな気持ちだ。切ない。

 

関ヶ原は大盛り上がり2

クラスイベントがあるというのに、当日に遅刻してきてしまった気分だ。周囲のテンションについていけず、状況も戦況も飲み込めない。役割がない。

でもそれを顔に出すのもシャクなので、「自分はこうして俯瞰して眺めているのが仕事ですけど?」的な立場を装う。あなたもそういう経験、ありません??僕は根は陰キャだから、しばしばそんなことがあったほろ苦い記憶と共に人生を歩んでいるよ。

 

youtu.be

 

短い動画も撮影してみた。やたらとカシャカシャした音が響き渡っているのは、風鈴の音だよ。梅雨時だったためか、各所に風鈴が飾られていたのだ。そこいらのことは記事の終盤で触れていこうと思う。

 

関ヶ原は珍スポットだ1

ところでだ。関ヶ原ウォーランドは冒頭でもふれた通り、世間では珍スポット的な扱いをされている。それがなぜなのかというと、この武将たちが絶妙にシュールな顔立ちをしているからだ。

それらをご紹介していきたい。

 

関ヶ原は珍スポットだ2

全部で200体以上は余裕でいるというコンクリート製の武士たち。彼らのポーズや表情は殺伐とした線上においてもどこかコミカルであり、そしてシュールでもあるのだ。珍スポットマニアの我々は、それらを眺めるのが大好物なのだよ。

…てゆーかこのおっさん、股間から苗木が育ち始めているけど大丈夫か?

 

関ヶ原は珍スポットだ3

マンガみたいなフォームでスタコラ走っている兵士。緊張感があるのかないのか…。

これらの中から自分だけの推しを見つけ、一緒にユニークなポーズで写真とかみんな撮ればいい。僕は恥ずかしいからやらないけども、それがここウォーランドの正しい楽しみ方の1つだとは認識している。

 

関ヶ原は珍スポットだ4

地肌なのか微妙に区別がつきづらいが、すごく黄色い人もいる。パンツはパステルブルーであり、戦国の世においては斬新すぎる色遣いだ。当時本当にこんな人がいたら、真っ先にターゲットにされるぞ。

 

関ヶ原は珍スポットだ5

…と思ったら結構ヤバい目つきをしている。コイツ、完全にパキってるぞ。コイツをターゲットにするのはやべぇ。服は黄色とパステルブルーだし。

 

こんな個性あふれる武士たちなのだが、誰がこれを造形したのかというと「浅野祥雲さん」だ。

珍スポットマニアには有名なコンクリート仏師の浅野祥雲さん。昭和時代の前半から中盤にかけて活躍した人で、味わいあふれる彫像が今も随所に残っている。静岡県の「熱海城」や愛知県の「桃太郎神社」の彫像が有名だよね。

 

関ヶ原は珍スポットだ6

そんな中でも、浅野祥雲さんの作品を最もたくさん一気に見れるのはもちろんここ。浅野祥雲ファンにとっては聖地なのだ。関ケ原の戦いを学ぶというより、ニヤニヤしながら浅野祥雲の作品を見て回るのが楽しいのだ。

 

関ヶ原は珍スポットだ7

あ、ほら貝から植物が生えて植木鉢みたいになっているよ。こんなほら貝でちゃんと音、出るのか?開戦の合図、行き届くのか?…こういう屋外ならではのハプニングを探してみるのも面白いかもしれない。

 

関ヶ原は珍スポットだ8

なんだかんだで控えめな自撮りもした。

そして帰宅後に気づいたのだが、写真右端に小さく映っている武将、大人気のヤツだね。この武将とハイタッチするような写真を撮るの、定番だよね。まぁ知っててもやらなかっただろうけど。1人だとなかなか恥ずかしいものよ。

 

 

関ヶ原で有名武将は何をする?

 

次はモブではなくって有名武将にスポットを当てていこう。名だたる武将たちは関ヶ原で一体何をしていたのか。それらを探し歩くのもまた楽しいのだ。

 

徳川家康1

まずは東軍のボス、徳川家康だ。のどかな芝生の広場でピクニック…ではなく、たぶん自陣で配下たちと戦局を見定めているのだろう。

浅野祥雲さんが製作するとどうしてもほのぼのしたテイストとなってしまうが、東軍と西軍の優劣は数時間のうちに二転三転しているので、実際は手に汗握るヒヤヒヤものだったと推測する。

 

徳川家康2

…と思って近づいたらら違ったわ!生首と対峙していたわ!

いい首を入手したので鑑定していたのだろう。つまりは首実検ってヤツだ。どうやら戦いは優勢に進んでいる様子だ。

 

石田三成

そして『大一大万大吉』!西軍のボスの石田三成だ!

なんだか薄ら寂しいところにいて背後は薮で、家康とずいぶんロケーションの違いがあるぞ。これは西軍が本陣を置いた「笹尾山」をイメージしているのかな?

 

島左近

西軍の前線では島左近がぶざまに転げているー!!かわいそう!あと、なんかすごく色黒!

島左近、西軍の名軍師なのに!戦闘力もすさまじく、徳川がマジ鳥肌立ったと後世まで語り継いだくらいの猛将なのにー!彼は残念ながら関ヶ原で戦死するのだ。

 

本多忠勝

関羽かな?」ってくらいに立派な髭を生やしているのは、戦国時代最強の武将である本多忠勝だ。兜、どっかに置いて来ちゃったか?あのノコギリクワガタみたいなすんごいギザギザの兜、今こそ被るときじゃないのか?

あと武器が天下三名槍の"蜻蛉切"じゃないぞ。蜻蛉切でザコ兵たちをバッサバッサと切り裂いてほしいのに。

 

長宗我部盛親

長宗我部盛親だ。ここは南宮山をイメージしているらしい。

毛利軍や吉川軍や安国寺軍など共に南宮山に陣取っていた大勢力だね。アレコレ事情はあるのだが、本来西軍であったこの大群が終始この山で静観していたのが西軍敗北の大きな要因の1つだ。

上の写真では長宗我部盛親は「やってやんよ!」みたいなテンションだが、実際は全く動いていなかったよね?

 

山内一豊

山内一豊。南宮山のふもとで山中の陣に目を光らせてはいたけど、実際にバトルには参加しなかった武将だよね?馬に乗ってメッチャ勇ましい風貌を見せてはいるが、手は綺麗なままなのだぞ。

ある意味賢い。僕もそうでありたい。

 

大谷吉継

大谷吉継ーーッ!自決する瞬間じゃないか、なんてこった。

西軍の人だね。石田三成のたった1人のマブダチで、関ケ原の戦いを辞めようと諭したのだが、光成が止まらないから友のために参戦した、アツい武将だよね。

病気を患っていてまともに動けずに輿に乗って指揮を取ったりしつつ、序盤はすんごい優勢を築いたのだ。最期は小早川の裏切りで崩されたけど。

 

宇喜多秀家

宇喜多秀家。西軍の主戦力の1人だね。福島正則との超激戦を繰り広げたけど、決着はつかなかった人だ。

西軍敗退後も生き延びており、八丈島島流しにあってその後50年も暮らしていたんだよ。84歳まで生きたというから、当時としてはとんでもなく長寿だよね。

 

藤堂高虎

そして藤堂高虎だ。主君をコロコロ変えることで有名だった高虎さん、このときは最後の主君となる家康に付き従って東軍に所属している。

…が、僕のイメージだと藤堂高虎って武人というよりも築城の達人なんだよな。今治城宇和島城江戸城伊賀上野城・津城…。携わったお城は20以上にも及ぶといわれ、僕もそれらの半分くらいは訪問したことがある。いずれもいいお城だよなぁ。

 

小西行長

小西行長もいるぞ。右側ではないぞ、左のひげ面が小西さんだ。

西軍の主戦力の1つではあったけども、朝鮮出兵で疲れ切った状態の軍隊だったよね?残念ながら小西行長も、この敗戦で生涯を終えるのだな。

 

島津義弘

おぉ、島津義弘。九州の武将だ。僕はこの人、結構好きだぜ。

東軍につくつもりが、なぜか気付けば西軍にいた人。「絶対に逃げ帰る」と心に決め、最高の本多忠勝もいる東軍の中央突破をしてまで戦場をエスケープして九州まで帰った伝説の人。ポテンシャルはメッチャ高いよね。

 

宮本武蔵

実は、若き日の剣豪宮本武蔵もいる。そうなのだ、基本的には生涯誰にも仕えなかった宮本武蔵関ケ原の戦いに参戦していたという説が濃厚なのだ。

東軍だったのか西軍だったのかはいまだに明確ではないが、そういう謎が残っているのもロマンがあっていいと思う。

 

小早川秀秋1

そして!戦犯小早川秀秋!400年以上が経過した現代においても裏切り者の代名詞、小早川秀秋

良くも悪くも、コイツの裏切りが日本史を変えたのだ。まぁこの決断が正しいのかどうかは置いておいて、人気は著しく低い武将だよね。やっちまったなぁ、秀秋ィ!

 

小早川秀秋2

あれ?頬に赤く「×」がつけられているけども、どうした?戦っていないから、関ヶ原で戦ってできた傷ではないよねぇ?

 

大群を率いていなから、東軍につくか西軍につくかずっと静観していた小早川軍、最後は家康の威嚇射撃にビビッて東軍に下ったと言われている。

当時からこの裏切りは世間のバッシングを受けたそうで、関ヶ原の戦いからわずか2年後に、小早川秀秋は22歳でアル中で死亡することとなるのだ。

 

武田信玄1

…ん?視界に白い毛のついた兜がチラッと見えた。

諏訪法性兜だ。チベットに生息するヤクの毛を使った2つとないレアな兜…。その兜をかぶる武将は1人しかいないが、いや、彼はすでに死んでいるはず…。

 

武田信玄2

来たーーーッ!!風林火山!!武田信玄!!

関ヶ原の17年前に死没しているが、なぜかこの戦場に降臨しているぞ。そりゃあもう信玄が来てくれればテンション上がるけども、なんでなんで??

 

武田信玄3

亡霊だったー!「もう争いはやめい!ノーモア関ヶ原合戦じゃ!」とか言ってる!

時空を超えて信玄が舞い降りたのだね。家康は信玄のことを死ぬほど怖がっていたので、本当に降臨したら1人で戦場をひっくり返すほどの影響力を持っていただろうね。

 

後藤又兵衛

他にもいろんな武将がいて、いろんなドラマがある。

だが、それら全ての写真はとてもご紹介しきれないので、あなたがもし気になるならば是非ご自身で現地に行ってほしい。きっとあなたの推しの武将もそこにいるから。

 

僕はね、なんとなく西軍に肩入れしてしまう。もし西軍が勝っていたら…。歴史に「if」はないけれども、そういうことを考えるのが好きだからだよ。

 

 

関ヶ原を通じて平和を知る…

和傘と風鈴のイベント

 

では、最終章では戦場以外のお話を中心にしてみようか。

 

和傘物語1

まずは「ウォーランド和傘物語」だ。ご覧の通りかわいい和傘が展示されており、SNS映えする。

どうやら2024年にスタートした企画であり、春から秋にかけて行われているのだそうだ。夜にはライトアップもするそうだよ。そりゃ幻想的であろうなぁ…。

 

関ヶ原のコンクリ人形たちはいつだって不変だが、こういう季節限定の企画も行われていたりするのだ。そりゃあね、コンクリ人形にサンタの格好をさせるわけにはいかないからね、それ以外のところで変化を見せないとだもんね。

 

和傘物語2

敷地に入ってすぐのところにある屋内施設には、このように照明を当てられた和傘がビッシリだ。これだけでもかなり見ごたえあると思うよ。

 

和傘物語3

この屋内展示は、2025年からの新エリアだそうなのだ。その数は300本以上だ。

岐阜県は歴史のある和の文化が多くあるので、それをかたちとして表現したかったという思いが1つ。さらにもう1つは、このウォーランドを通じて平和の大切さを知ってほしいという思いから、平和の"和"をテーマにしたらしい。

 

風鈴まつり1

それと、僕の訪問時には風鈴まつりも行われていた。

6月の月初から9月末まで行われている祭りで、僕が訪問したのはその初日の朝。なので現在進行形でスタッフさんたちが風鈴を設置している光景を見ることができたよ。

 

風鈴まつり2

関ヶ原の合戦上内部の全長200mの回廊の天井が、一面の風鈴。風で爽やかな音色を奏でている。その数は6000個もあるのだという。

厄を払い福を呼び込む風鈴、夏にはピッタリのイベントだったな。

 

 

戦争のない世の中への願い

 

関ヶ原ウォーランドは1964年に開園した。もう60年以上も経っている、超老舗のテーマパークだ。

これだけの歴史を持つテーマパークは珍しいよな。しかも失礼な言い方になってしまうかもしれないが、メジャーではなく珍スポット的な位置づけなのに、この長寿っぷり。

 

ウォーランドへの想い1

創始者であり初代館長であった人は、現在の館長のおじいさんにあたる人だそうだ。

もともとは第二次世界大戦中に特攻隊だったんだけど、出撃することなく終戦を迎えることができたという人だ。

 

ウォーランドへの想い2

ご自身の戦争体験と、多くの戦死者を出した関ヶ原の戦いとをリンクさせ、「戦争のない世の中を実現するためにも、戦争のことを知ってほしい。教訓として関ヶ原の戦いを形に残したい。」という想いでここを造ったのだそうだ。

 

つまりは前述の武田信玄の亡霊が叫んでいた「もう争いはやめい!ノーモア関ヶ原合戦じゃ!」こそが、初代館長の想いを代弁していたのであろう。

 

ウォーランドへの想い3

現に初代館長は、この敷地の隣に関ヶ原の戦いの戦死者を弔うためのお寺まで作っているのだから。戦がテーマのスポットではあるが、根底は平和への想いだったのだ。

そんな背景を知りつつここを巡ると、また違った発見があるかもしれないね。

 

ウォーランドへの想い4

ただ、さすがに60年も経過してコンクリートの像もずいぶんくたびれてきている様子だ。

ボランティアの人が中心となって数年に1回は塗り直しなどしてくれているようだが、そもそもコンクリート自体に寿命があるもんねぇ…。塗装以前に像そのものの経年劣化が見え隠れしている部分もある。

 

浅野祥雲さんが像を造ったからこそこれだけの味わいがあり、この知名度があると思っている。だからおいそれと像を新調するわけにもいなかないかもしれないね…。それが今後の課題かも。

 

十九女池1

あ、最後に余談だが、敷地内には関ヶ原の戦いとは関係のないエッセンスもある。それが「十九女(つづら)池の美女と大蛇」だ。

池は干上がって草ボウボウであり、大蛇は完全に龍のデザインであるが、それらもここに表現されている。ちなみに十九女池は関ヶ原に実在する池の名前だよ。

 

十九女池2

関ヶ原の戦いよりも100年もあとの時代だが、ここいらの民家に若い美女がたびたび「お椀を貸して」って言ってやってくる事象があったそうだ。

この美女、なんか生臭いスメルがするので「もしかして人間じゃなくて大蛇なんじゃない?」って民家の人は考え、あるときお椀にこっそり針を仕込んだのだそうだ。なぜなら大蛇は鉄が嫌いだからだ。

するともうお椀を借りにやってくることはなくなった。やっぱ正体は十九女池に住む大蛇だったらしい…っていう伝説だ。

 

なんでお椀が必要だったのかとか、意図が汲み取れない部分が何箇所かあるが、この関ヶ原ウォーランドにおいて唯一の女性キャラだから取り上げた。初代館長も「さすがに1人は女性キャラを配置したい」みたいに考え、この逸話を組み込んだのかもしれない。

 

これ、懐かしいよね

そんな関ヶ原ウォーランド。歴史好きも珍スポット好きもぜひ訪問して盛り上げてほしい。それがきっと、平和な時代の実現につながるから。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

 

No.511【長野県】手打ちそば屋「ふじさと」の店頭に麺類レトロ自販機が!風情MAXだぞ!

麺類などのレトロ自販機は、レトロなドライブインや個人商店などに設置されているケースが多い。しかし、信州にはお蕎麦屋さんの店頭にこのレトロ自販機があるのだ。コイツはレアだぜ。

 

 

このように、お店の敷地内に自販機コーナーがあり、その1つがレトロ麺類自販機なのだ。

人間観察をしていると、蕎麦屋の店内で食事を終えて満足そうに出てきたお客さんが、「じゃあ自販機でドリンクでも買ってから出発するか」みたいなテンションでこのラインナップを眺め、「ここにも蕎麦あるやーん!」と驚愕する光景を短時間で数回見た。

別に彼らが実際そのようなセリフを口にしたわけではないが、表情と呼吸からわかるんだよ、僕には。僕、そういう系の能力者だから。

 

 

さて、冗談はさておき「そば処 ふじさと」。そこを目指したお話をしたい。

お店からわずか数分でこんな光景なのだよ。最高っしょ。

 

 

2017年の初訪問

 

最初に訪問したのは春うららな季節だったな。もう5月に入ってはいたのだが、さすが信州は気候が爽やかで、まだ山桜がチラホラと咲いているのが印象的であった。

 

ふじさとの店舗部分

これがふじさとだ。左側に写っているのが当時の僕の愛車だ。

お店は日本風のたたずまいの蕎麦屋さんで、もうこの店構えを見ただけで「おいしい蕎麦屋さんに違いない」って思ってしまう。…が、今回用事があるのはここじゃないんだよなぁ、申し訳ないんだけど。

冒涜だと思われかねないけど、用事があるのは自販機コーナーの蕎麦なんだよ。

 

敷地内の自販機コーナー

話は反れるのだが、すごく小さい頃に母親と一緒にとある女子高の文化祭に行ったのよ。カフェみたいな店舗があり、メニューにケーキとカップラーメンがあったのよ。僕はカップ麺を選んだね。なぜならカップ麺を食いたいからだ。

母親は怪訝な顔で「お姉さんたちが作ったケーキがウリのお店なのになんでカップ麺なんかを…」みたいなことを言っていた。僕は甘党ではないのでケーキよりも、普段親が禁止しているカップ麺を食べれる方に価値を見出したのだ。そもそもケーキを食べてほしいのであれば、カップ麺なんぞ売るなや。

 

ちなみにカップ麺はおいしくなかったです。なぜならポットのお湯がすでに冷めていて、3分待っても面がゴワゴワだったからです。

 

レトロ自販機と対峙する

そんなはるか昔の記憶をなぜ鮮明に覚えているのか。それは罪悪感があるからだ。

…しかし一度ダークサイドに堕ちた魂は永遠(とわ)に浄化できねぇよな。本格手打ちそばを入口の前をスルーし、僕はレトロ自販機に対峙する。食べ物も人生も、ジャンクな方がワクワクしちまうのだ。

 

メニューは天ぷらそばと天ぷらうどんで、どちらも250円。安ッ。

 

ニキシー管のカウントダウン

ここは蕎麦を選択した。蕎麦屋だもんな。この点は幼少期の自分には無かった粋な選択ができたと思い、ほくそ笑む。

10数秒でカウントゼロになると取り出し口から蕎麦が出てくる。

 

天ぷらそば1

おぉ、いいビジュアルではないか。かき揚げが既製品っぽくなくって、なんだか生き生きとしている。後から調べたところ、これは店舗の方でちゃんと揚げているものなのだそうだよ。ありがてぇ。

ベンチはあったものの…

ところでここには自販機麺を食べるためのテーブルスペースはない。

上の写真のように主にタバコを吸う人向けと思われるベンチはあり、そこに腰かけて食べることもできそうだが、ちょうど僕が食べようとしたタイミングでは別の喫煙者のお客さんで埋まってしまった。長々と昔語りなんかしてたからだな、なんてこった。

 

天ぷらそば2

…というわけで、車内で食べることにした。窓を全開にして春風を感じながら食べたのだ。これはそれで風情があってよい。

蕎麦の麺はやや太め、ダシの味は濃いめ。元気が出てくる味だ。かき揚げがタマネギや小エビなど、具沢山。うまい。

 

天ぷらそば3

なんか覚えていないけど、当時もう一枚写真を撮っていたみたいなのでせっかくだから載せておくね。たぶん1つ前のが中途半端に光が当たってしまったので撮り直したんだと思う。

 

食べながら自販機コーナーを見ていると、ツーリングの人たちなどもやってきて次々にレトロ自販機から麺類を購入していた。知名度もあり、かなり人気みたいだね。

ライダーさんたちは僕のように車内で食べるという手段がないので、そのまま座り込んで食べていた。あぁ、僕も外で座って食べてもよかったかな。なるべくこの地・この店の雰囲気を味わいたいのであれば、車内という選択肢は取らない方がよかったかな?

…まぁそれは次回に取っておこう。

 

 

2025年の再訪問

驚異の250円のままのそば・うどん

 

灼熱の2025年夏。僕はたまらずに信州に逃避行をしていた。「美ヶ原」とかの高原はすんごくいい風が吹いていて爽やかで最高だった。

 

左手に店舗が見えてくる

さすがに高原から降りてくると汗ばむ暑さではあるが、それでもここ信州信濃町は都会とは暑さの質が違うね。不快感がなく、湿度も控えめのように感じられる。

さぁ、懐かしの店舗が左前方に見えてきたぞ…!

 

店舗前

店舗も暖簾も幟も前回同様、変わらない安心感がここにあった。

ちょうど昼時とあってか、10数台は停められるであろう駐車場はほぼ満車であり、その隙間を縫って僕も駐車することができた。レトロ自販機を使用している人は1組しかいなかったので、店舗側が人気だということだね。店舗ももちろん気にはなるが、僕のターゲットは今回もレトロ自販機だ、すまん。

 

自販機コーナー2025

自販機の並びも大体一緒だが、わずかに違うね。レトロ自販機の右側のタバコ自販機がスリムになった。そのおかげで空間ができ、そこに缶類用のごみ箱が設置された感じだ。

麺類自販機はこの数年でややくたびれた感じもするが、屋外設置なのでそれもしょうがないであろう。ちゃんと稼働してくれていて何よりうれしい。

 

料金は変わらず

メニューボタンを見て驚いた。価格がそば・うどん共に250円のままなのだ。2017年から2025年現在に至るまで、値上げされていないのだ。

マジかよ、今は平成ではないのだぞ、令和なのだぞ。この物価高の時代に料金据え置きとはすごすぎる。維持費もバカにならないだろうに、大丈夫なのかな?それだけ店舗側が順調ってことなのかな?

なんにせよ、ありがたい話だ。

 

500円玉に注意

ただし500円玉を使う際には注意だ。

売切れ時に500円玉を投入すると、もうどうあがいても返却されないというバグが発生している様子だ。『返却できません』ではなく『返却しません!』という表現に、あらがえない運命を感じる。例え店舗の人に相談しようとも「返却しません!」なのかな…?

 

すこしくたびれた自販機

じゃあ、今回はうどんにしようかな…?

蕎麦屋さんだけども、うどんなのだ。食べたことがないうどんを食べてみたいのだ。

 

 

うどんもそばもうまかった

 

今回は前回に叶えられなかった野望がある。ちゃんと店舗に用意されている飲食スペースで食べるという野望が。ちょっと以下の写真に着目してほしい。

 

飲食スペース1

以前に対しバージョンアップしているのだ。ベンチはよく見ると前回と同じものなのだが、その前にテーブルが設置されている。めっちゃゴツくて、そしてベンチに対しやや小ぶりなテーブルだ。

コイツは2025年で一番うれしいニュースだぜ!これで器をテーブルの上に置いて食事ができるのだ。

 

あと、隣のたばこ売り場の窓口もいいよね。たぶんご時世から今は使われていない窓口だと思うけども、このデザインがとてもよい。

 

僕の到着時にはこのテーブル&ベンチを使用して1組の人が食事をしていた。数分待つことで入れ替わりのタイミングがやってきた。ご挨拶をし、僕は250円の天ぷらうどんを購入して席に着く。

 

天ぷらうどん1

細めで平麺で、美しいうどんじゃないか。

さすがにそばやうどんまでは横の店内で打ったものではないらしいが、それでも本格蕎麦屋が提供する麺なのだ。名を汚すような品であるはずがないよね。

 

天ぷらうどん2

天ぷらはポテッとした立体的なビジュアル。食べてみるとちょっと冷たい。…がこれもご愛敬だ。

そもそも自販機内は冷蔵庫機能があり、麺類は冷やされつつ提供されるのを待っている。僕ら購入者がボタンを押すと、丼に2・3回お湯が注がれつつ湯切りをされ、最後にアツアツのダシが入って出てくる仕組みだ。

立体的な天ぷらは、その2・3回の湯通しにおいて芯まで温まらなかったってワケだ。でもそれだけのボリュームがあるってことよ。

 

天ぷらうどん3

正面に駐車している愛車を眺めながらのうどん、うまい。

高原とはいえアツアツのうどんを食べていると汗ばんでくるような陽気ではあるが、時間の関係もあり飲食ブースが日陰であったこともありがたい。

 

さて、もう少しお腹の余裕があるな…。今日は朝からソフトクリームしか食べていないのだ。

では、そばも食べちゃおっか…?

 

天ぷらそば4

天ぷらそばだ。天ぷらのかたちがワイルド極まりないのも、ハンドメイド感があっていいよね。そばは相変わらずうまい。

左端に写っているのは、そばと一緒に購入した缶コーヒーだ。間違ってホットを選択してしまい、この陽気の中で致命的なミスをしてしまったと悔やんだ。それでも飲んだけど。

 

飲食スペース2

こうして過ごしている中でもひっきりなしにお客さんがやってきて、レトロ自販機にて麺類を購入していた。

心地よい喧噪だ。こんなひとときが旅を豊かにしてくれるよね。

お腹いっぱいで大満足となった僕は、飲みかけのホットコーヒーを持ってドライブの続きを再開する。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: そば処 ふじさと
  • 住所: 長野県上水内郡信濃町穂波184-5
  • 料金: 天ぷらそば¥250他
  • 駐車場: あり
  • 時間: 自販機は24時間営業

 

No.510【栃木県】「焼きそば櫻井」はテーブル1つの焼きそば店!じゃがいも入りでうまい!

焼きそばが好きなのである。

あのソースと青海苔の香りがたまんねーってのもあるが、幼い日に縁日の焼きそばが食べたくっても親が許可してくれずに食べられなかったというほろ苦い思い出もブーストしてくれていると思う。

 

よって今はご当地焼きそばがあれば食べに行くし、”焼きそば専門店"という言葉を聞けば胸がキュンとするほどの変態に成長した。

 

 

今回は栃木市名物のじゃがいも入り焼きそばの話をしたい。

小さなお店でストイックに焼きそばのみのメニューを提供しているお店、「焼きそば櫻井」。うめぇぞ。

 

 

2022年、闇夜の訪問

コーヒーを飲みながら焼きそばを待つ夜

 

なぜ僕がこのお店の存在を知ったのかというと、それは「絶メシロード」という絶滅してしまいそうな絶品メシを出してくれるお店を巡るドラマで見たからだ。

僕はそれらを巡っているので、ほかのお店も気になるならば下記リンク先から参照してみてほしい。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

では、日本6周目の初訪問時から振り返ってみよう。

それは秋も後半にさしかかった18時ちょっと前であった。お店は18時閉店と聞いていたので、もうオーダー終了してしまっているかもしれない…と覚悟しつつ向かった。

この時期なので、18時前ではもう真っ暗なのだ。お店のある路地も完全に闇夜で静まり返っていた。

 

闇夜の訪問1

あ、でもまだ暖簾がかかっていた。店内に入りおばあちゃんに「まだオーダーできますか?」と聞くと、優しくOKしてくれた。ありがたい。

本来であれば店内で食べてみたいところなのだが、さすがに閉店数分前なので持ち帰りにすることとした。店内で食べるのはまたいつか機会があったらとしよう…。

 

闇夜の訪問2

メニューはシンプルで、じゃがいも入りの焼きそばのみ。サイズは大小の2種から選択できる。ここは無難に小にしてみようか。スパイシーソースも気になるが、持ち帰り時にオーダーできるわけではないので今回は謎のままだ。

 

2020年のドラマで見たときには小は350円・大は500円だったので少し値上がりしているが、コロナ禍とかでいろいろあるだろうから、それはしょうがない。むしろこれでも全然安い。

 

闇夜の訪問3

おばあちゃんは「コーヒーでも飲んで待っていてくださいな」と、インスタントコーヒーをサービスしてくれた。なんというありがたい心遣い。

1つしかないテーブル席に座り、コーヒーを飲みながら待つことにした。いつかこの席で焼きそば食べたいけどな…。

 

闇夜の訪問4

テーブルのすぐ脇に調理スペースがあり、おばあちゃんはそこの鉄板で焼きそばを作る。鉄板の目の前には窓があり、外から窓越しにテイクアウトを頼むこともできるスタイルのようだ。

 

闇夜の訪問5

店内の色紙を眺めながら過ごす。小さなお店だが、やっぱ知っている人は知っているのだな…。一番右が絶メシロードの主演さん紹介のためのチラシだね。

絶メシロードの番組ポスターもあったのだが、店外に掲示してあり闇夜でよく見えなかったので、それは2回目訪問時の章でご紹介しよう。

 

闇夜の訪問6

焼きそばは10分も待たずに出来上がった。いい匂いだ。

手に取ったプラケースは焼きそばの熱を通してホカホカであり、すぐにでも食べたい気持ちになったが、ここがガマンだ。後ほど食べよう。

闇夜の訪問7

…ってことで、次章は実食編だ。

 

 

じゃがいも入り焼きそばはうまい

 

翌朝になってしまったが、焼きそば櫻井で購入した焼きそばを食べることにした。

プラパックだからどこででも食べることは可能だったのだが、しっかり焼きそばに向き合いたかったので、明るい時間帯に落ち着いて食べられるロケーションを選んだのだ。

 

じゃがいも入り焼きそば1

朝日に照らされる焼きそばのパックが尊い。そして1枚紙をセットしてくれていることで感じる丁寧さと特別感よ。あ、2つあるのは家族と食べるからです。

 

じゃがいも入り焼きそば2

あぁ、パック越しでもわかるじゃがいものゴロゴロ感。栃木市特有のトッピングだ。

 

ドラマによると、ご主人が10数年フラッとどっかに行っちゃって、帰ってきても仕事しなくって、それを見るに見かねた近所の駄菓子屋のおばあちゃんが焼きそばの作り方を教えてくれたのだそうだ。

そこからこの焼きそば屋さんがスタートしたらしい。すごく老舗というわけではなく、2005年くらいの創業だそうだよ。

 

じゃがいも入り焼きそば3

でも、僕が訪問したときはおばあちゃん1人しかいなかったなぁ。ご主人どこ行った?またフラッと出て行っちゃったのか?…いや、時間も遅かったこともあるだろうし、ご夫婦かわりばんこで店番をしていたのだろう。

 

ところで焼きそば、うまそうだな。上に魚粉みたいなのかかかっているのも特徴だな。

電子レンジで温めることも検討したが、あえてそのまま食べることにした。レンジだと風味が飛んでしまうかもしれないし。時間が経ってちょっとポソついた焼きそばも好きだし。

 

じゃがいも入り焼きそば4

あぁ、うまい。じゃがいも以外に何か明確な特徴があるわけではないが、シンプルにうまくって毎日食べても飽きない味だなって思った。

他に具は少量のキャベツと…、わかりづらいけどもひき肉が入っていたよ。だからコクがある。

 

じゃがいも入り焼きそば5

じゃがいも、大きすぎず小さすぎずの絶妙なサイズだ。ペロッと食べ終わってしまった。

またいつか、今度は店内で食べられる日を楽しみにしておこう…!

 

 

2025年、猛暑の再訪

 

少し時間は流れて2025年の暑い暑い夏、日本7周目の過程で僕はここを再訪した。ようやくイートインできるかもしれないぞ…!

 

念願のイートイン1

あぁ、ところでこのお店の駐車場は店舗前に1台分だけ。店舗を覆いつくすように駐車しては失礼かなって思い、僕はギリギリ敷地に入るくらいの位置で駐車してみたよ。

念願のイートイン2

『とちぎし名物 じゃがいも入り 焼きそば販売中』と書かれた幟が風に舞っている。

さて、営業中であることは確認できたが、店内のテーブルは開いているかな…?なにせテーブルは1つしかないので、先客がいたなら待機するかテイクアウトするしかない。

僕は今回はイートインする気満々だ。先客がいたなら食べ終わるまでプレッシャーかけつつ待機する所存だ。

 

念願のイートイン3

だがラッキーである。店内は誰もいなかった。

あ、これは退店時におばあちゃんにお願いして撮影させてもらった店内の全容図。テーブルはこの1つのみであり、写真のすぐ右が1畳ほどの調理スペースとなっている。

 

念願のイートイン4

奥からおばあちゃんが出てきた。そして「本当にこの夏は暑いねぇ。麦茶どうぞ。」と冷たい麦茶を提供してくれた。ありがたい。

今日はまだ落ち着いた気候であるが、2025年はかつてないほどの猛暑に見舞われた年であり、地球はどうなってしまうのかと本気で心配になる年であったのだ。

 

念願のイートイン5

焼きそばの小は480円、大は580円でささやかな値上げ。この物価高の中でこれだけしか変動がないのは、本当にありがたい話だ。

焼きそばメニューのポップ内にまで『辛口あります(スパイシーソース)』と書かれており、アピールがさらに熱心になっている。気になる。

 

今回は大をオーダーしてみたよ。腹ペコだったのだ。

 

大盛り焼きそば1

おばあちゃんが鉄板でチャッチャと炒め、想像以上に早いスピードで焼きそばが登場した。あ、そういえば今回もご主人いないな…。ご主人どこ行った?またフラッと出て行っちゃったのか?

 

大盛り焼きそば2

しかしテイクアウトではなくイートインの焼きそばは、やっぱビジュアルがそそられる。食べてみると色は濃い目なのに味はそこまでしつこくなく、グイグイと食べ進めることができる。じゃがいももアツアツホクホクでうまい。

 

おばあちゃんは「昔、同じ量の焼きそばでもなるべくお腹いっぱいになるようにって生み出されたのがこれなの。昔は近所に揚げたじゃがいもを入れて焼きそばを提供しているお店もあったのよ。」と説明してくれた。

 

大盛り焼きそば3

おばあちゃんに「スパイシーソースって何?」と質問したことで紹介してもらったのが、この2種だ。

向かって左はテーブルに備え付けのもの。「すんごい辛いから。辛いの大丈夫なお客さんが自信満々にかけて大変になったりしているから。」って忠告された。

向かって右はおばあちゃんにオーダーすることで、冷蔵庫から持ってきてもらえるもの。これはややスパイシーになる程度で、おススメなのだそうだ。

 

後半で両方試した。

後者の方はピリッといい感じに辛くなり、僕好みだ。少し多めにかけてスパイシー焼きそばにアレンジすると面白いって思う。

前者はマジ危険。ちょこっとかけただけでも口の中から炎が出る。おいしいけども慎重に使うべきだな。

 

大盛り焼きそば4

食後、おばあちゃんは僕の対面に座ってくれ、ゆっくりお話ができた。

おばあちゃんは横浜観光をしたときの話などしてくれた。あぁ、横浜いいよね。僕の大好きな街です。僕はこの後新潟県を目指す話などをした。あと、このお店でイートインしたかった野望がようやく叶って嬉しい旨を報告した。

 

上の写真は絶メシロードのポスター。店外からしか見えないし、ちょっと隠れてしまっているけども、貼ってあることがうれしいぜ。

 

大盛り焼きそば5

路地裏の名店、櫻井。

絶メシ店なので後継者はいないそうだが、おいしいじゃがいも入り焼きそば、いつまでも残ってほしいなぁ。無理せず末永く営業できることをお祈りします。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 焼きそば櫻井
  • 住所: 栃木県栃木市昭和町2-10
  • 料金: 焼きそば大¥580他
  • 駐車場: あり
  • 時間: 10:30~18:00(月曜定休)

 

【リアルタイムレポート】2025年の遅い夏休み!青森県を中心に東北地方をザックリ走ろう!②

こんばんは、【週末大冒険】のYAMAです。

早くも夏休みの旅路の半分ほどが終わりました。なので今実施しているリアルタイムレポートについても、後半の部に切り替えたいと思います。

「は?リアルタイムレポート?後半の部??」っていう、話についてこれてない方については、前半の以下の記事をご参照ください。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

というわけで、今青森県の「とびない旅館」にて遅い夕食の仕上がりを待ちながらこの文章を書いております。腹減った…。

 

まずは前半でご紹介できなかったスポットを少しだけご紹介しようかね。

 

寒風山

秋田県の「寒風山」。2日目の朝に行こうとしたんだけども前日の暴風雨による倒木で道路が通れずに断念。男鹿半島を一周し終えて最後にもう一度チャレンジしたら通れました。

ここからの景色、すごい好きなんだよ。

 

ドラゴンタワー

秋田県、八竜の「ドラゴンタワー」。手には特産物のメロンを持っているよ。ドラゴンボールを持っているのではないのですよ。ここも毎回立ち寄るスポットなのです。

この龍がいるのは物産館の敷地。中で売っていたパンを買って食べました。

 

青函トンネル入口公園

青森県の「青函トンネル入口公園」。

このトンネルの向こうは北海道なのです。僕がトム・クルーズだったらこの貨物列車にしがみついて北海道まで行っちゃうんだけど、トムではないのでそういう無茶なクルーズはできなかったです。

 

釜臥山展望台

陸奥湾を臨む絶景展望台。むつ市街地からほんの20分足らずでこんな絶景の山まで来れちゃうんですねぇー。実は以前アプローチしたんだけども途中でゲートが閉まっていたりして、ここまで来れたのは今回が初なのです。嬉しいぜ。

 

…って感じよ。

後半もエンジョイしていきますよ。あ、もしかしたら「コイツ東北一周するのかな?」って思われているかもしれないけど、宮城県登米市福島県いわき市北部までは日本7周目に一般道で走行済みです。なのでマイルールによると日本7周目ではもう走る必要が無いってなっているので、スルーするかもしれません。

 

 

まぁ日数も限られているので無理せず行きますよ。

それでは後半戦どうぞ!!

 

 

■■■この下にポストが入っていきます■■■

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【リアルタイムレポート】2025年の遅い夏休み!青森県を中心に東北地方をザックリ走ろう!①

こんばんは、【週末大冒険】のYAMAです。

9月後半、暦上はもはや夏は過ぎ去っているのですが、僕の夏は終わらないのです。なぜなら夏休みをこれから取得するからなのです。もうね、夏休みのために1年の仕事を頑張っていると言っても過言じゃないかもしれません。

 

 

で、その大事な大事な夏休みを何に使うのか。まぁ毎年旅立っているので2025年である今年も旅立つには決まっているのですが、どこに行くのか。

当初はね、北海道に行こうと考えていたのです。夏の北海道、大好きだもんよ。

 

2024年_北海道走行MAP

今僕が走っているのは日本7周目。北海道には日本7周目として昨年1回訪れており、上記のMAPの通り西側は大体走り尽くしました。残るは苫小牧~知床を結ぶ海岸線です。ここを走りつくさねば日本7周目は終われないのです。

 

だからこそ今年も北海道に行きたいと思っていたのですが、結論諦めました。

これは一部の方から見れば実に贅沢な悩みなのかもしれませんが、日程が足りないと判断したのです。理想のスケジュールは土曜日から始まり、次の週の日曜日までの9日間。しかし今回確保できるのは、土曜日から次の週の金曜午前中までの6.5日間。

 

フェリーの旅は最高だが長い

北海道に行くならば、どこかしらでフェリーを使用しなければならないのです。ギリギリまでフェリーを使わずに長距離を走る方法もあるが、それもそれで時間がかかります。

結論、片道で丸1日程度は消費します。往復で2日。夏休み6.5日の残りは4.5日。北海道の残りの海岸線は走れるだろうが、往復2日と高額なフェリー代を鑑みるとコスパはよろしくない。

 

…であれば!

 

東北っしょ!

北行くか!

北海道のようにアプローチに消費される時間を大幅にカットすることができ、観光スポット間の距離も近くて密度の濃い夏休みをすごせることでしょう。

 

そんで半年ぶりにリアルタイムレポートやります!!

リアルタイムレポートって何かというと、僕が旅の行程を大体リアルタイムでつぶやくのです。ただ、ブログにいちいち書くのは面倒なので、に記載するんですけどね。そして、そのポストをこちらの記事の下の方に列挙していきます。

その作業は少し時間差になってしまうかもしれないのでご了承ください。

 

https://x.com/yama31183

 

上記が僕のXのアカウントです。1.2万人ほどのフォロワーさんと毎日楽しくわちゃこらしているので、あなたもフォローいただけると非常にうれしいです。

では、間もなく始まる旅にご期待ください!!

 

 

■■■この下にポストが入っていきます■■■

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい、ひとまず前半の部はここまでとしますね。

後半戦は以下のリンクから掲載していくので、引き続きよろしくお願いします!

 

drive-ns.hatenablog.com

 

 

No.509【鹿児島県】これぞ珍スポット!おじいさんが池田湖湖畔に黄金の鳥居をぶっ立てた!

九州最大の湖である「池田湖」とその周辺は、芳ばしいスポットがいっぱいで僕は大好きだ。

 

まずは”イッシー”という未確認巨大生物が生息しているという伝説がある時点でスパイシーな気配を窺い知れるし。さらには今回メインで取り上げたい「黄金の鳥居」は2020年に爆誕したクレイジーな珍スポットだから、たぶんあなたの琴線にもブッ刺さると思う。ブッ刺さって抜けないくらいになると僕も喜ぶ。

 

 

開聞岳」をバックに眺めるととても美しい池田湖。

何度か訪問したことあるが、快晴の中を観光できた2025年の最新情報をメインにご紹介したい。

 

 

玖珏神社の池田湖展望台

 

まずは「池田湖展望台」について触れたい。ここは黄金の鳥居から直線距離で2㎞ほど北に位置する。ちなみに2025年現在Googleマップには存在しないので、行きたいならば「玖珏神社」を目指してもらえれば良いと思う。

 

池田湖展望台1

黄金の鳥居を目指していたところ、上の写真の"池田湖展望台"の文字が目に入ったので、急遽車を停めたのだ。玖珏神社の敷地内に展望所があるらしい。

参拝がてら池田湖を眺めようじゃないか。

 

池田湖展望台2

誰もいない草むらが印象的な写真になってしまったが、きれいな神社なので心配召されるな。草もちゃんとカットされているし社もピカピカだ。

説明版を読んでみると、祭神は猿田彦命だそうだ。沿革を読んだら日本書紀までさかのぼる壮大なストーリーとなっていたが、僕の頭ではよく理解できなかったので割愛する。

社殿が建立されたのは1700年代だそうだね。思ったより歴史がある。

 

池田湖展望台3

いろいろ赤い。賽銭箱も赤い。南国植物がフレームに入るだけで「さすが九州」って感じがする。ここで旅の無事を祈願した。

では、本題の池田湖展望台だ。実はここは高台に位置しており、敷地の一番端の崖っぷちから池田湖を臨む構図のようだ。

 

池田湖展望台4

木のベンチしかない簡素な展望台である。…が、眺めはなかなかだ。

"池田湖展望台"という名前ではあるが、池田湖自体は木々に隠れてそんなには見えない。むしろ開聞岳の眺めがいい感じだよね。

 

あ、この眺めを見てピンと来た。財布から旧1000円札を取り出した。

 

池田湖展望台5

これはーー!!ドンピシャ!!1000円札の風景画のもとになった場所はやはりここだったか!!

 

…っていうのは冗談だ。この風景画は「本栖湖」から臨む富士山であることを知っている。だが、開聞岳は"薩摩富士"と呼ばれている山。見方によってはこの1000円札の構図に近しい写真を撮れるのではないかって思ったのよ。

 

池田湖展望台6

山から湖に至るまでの横のストライプにちょいとシンパシーを感じたものの、やっぱ本場の富士山の風景画には及ばなかったかもな…。

でも、開聞岳と池田湖のコラボも素晴らしいのは事実。ここに来れてよかった。

 

 

珍スポット、黄金の鳥居

黄金の道と転がるコイン

 

改めて黄金の鳥居を目指す。湖畔に向かってどんどん坂道を下る。

 

黄金の鳥居へ1

あー…。察しが悪い人でも察してしまうほどに、B級テイストのあふれる看板だ。『パワースポット』・『伝説の昇龍』、中二は喜びそうなワードであるが、大人はこれにきな臭さを感じてしまう。

いや、失礼。ワクワクはしているのよ。何事も自分の目で見ないと判断できないってのはわかっているのよ。でもなんか脳の片隅でパトランプが回っているだけ。ただそれだけ。

 

黄金の鳥居へ2

開聞岳を正面に、ローカルな道を進んでいく。

結論から言うと、この道は黄金の鳥居に行くためだけの道であり、鳥居のところで行き止まりになる。だから今後同じ道をたどるであろうあなた、ちょっと不安になるだろうけども信じて突き進め。

 

黄金の鳥居1

着いた。景色はすごくいいのだが、「最高ですね」とシンプルに口にはできない事情がある。

スポット名の通りなのだが、黄金の鳥居がズドンズドーンとそびえているからだ。なんか大小でいくつかの鳥居がある。キラキラしすぎてて逆にありがたみが控えめというか奇妙というか、もしかしたら僕、眉間にほんの少しシワが寄っていたかもしれない。

…とりあえず冷静に見学してみっか。

 

黄金の鳥居2

巨大な鳥居が2つ、重なるように配置されている。一般的には神社の名前が記載される"神額"の部分には、いずれも『金豊龍』と書かれている。

 

あ、これね、ネタバラししちゃうと製作者のおじいちゃんの名前”豊”から取ってこのように表記されている。ここはユニークな思考のおじいちゃんが1人で作り上げた”黄金の鳥居”という名前のテーマパークだと思って、この先を見ていただくと話が頭に入ってきやすいと思う。

 

だから本物の神社ではないよ。ありがたいものかどうかも、個人個人で判断すればいいと思うよ。

 

黄金の鳥居3

巨大鳥居の左側には小さな鳥居がある。

上の写真、向かって左は"黄金の道"と名付けられている。中央の核弾頭みたいなものは"かいもん岳"というらしい。てっぺんのシルエットは開聞岳をモチーフとしているのだろう。

 

黄金の鳥居4

小さい鳥居と、その先の核弾頭に空いた穴をくぐり、さらに横にあるブースに設置されている打ち出の小槌でプレートを叩くと、金運に恵まれるのだそうだ。

小さい鳥居はくぐることが容易だが、核弾頭の方はなかなかに狭くて万が一にも詰まってしまったらヤバいことになる。周囲には誰もいないし。なのでリスクを鑑み核弾頭はくぐるのをやめた。

 

黄金の鳥居5

条件は未達成だが、念のため打ち出で小槌で黄金プレートを叩いておいた。金運には恵まれたいし。ポチョンポチョンと頼りない音が鳴った。よろしく、金豊龍。

 

黄金の鳥居6

巨大鳥居の右側には、"金豊龍川"というギミックがある。

右手の金の壺の中のレールに、小銭を立てた状態でセットして手を放す。その小銭が倒れることなくレールの上の転がりながら進み、左のアクリル板の隙間から下に落下すれば、『自分にも大金が流れ込んでくるでしょう』とのことだ。

 

アクリル板の隙間に落下してしまったら、僕らはもうお金を回収できない。回収できるのはオーナーであるおじいちゃんだ。『自分にも大金が流れ込んでくるでしょう』って、まさかおじいちゃんのことか?

何度かチャレンジしてみたが、非常に難しい。小銭が倒れることなく1mほど転がるなんて、数%レベルの奇跡だろう。なので僕は良くも悪くもここではお金を失わずに済んだ。

 

 

湖畔のドラゴンと玉入れギミック

 

前章の写真を見てあなたがお気づきになったかどうかは知らないが、実はさらに湖畔に接近できるんだ。湖畔まではあと100m弱くらいあるんだ。

 

湖畔にて1

湖畔までやってきた。相変わらず池田湖と開聞岳の眺めは最高だ。

黄金の鳥居はさらに2つ登場した。ちょっと手前の鳥居の上の部分を見てほしい。気になるものが乗っているんだ。ちょっとズームしてみようか?

湖畔にて2

わわわ…。ザルだ。3つある。そして中には茶色くて丸いものがワラワラと入っているようだ…。

 

これが何かというと、玉入れだ。そしてザルじゃない、"黄金かご"という名前だそうだ。いや、全てに"黄金"とか"金"とかってネーミングすんなや…。

…という話はさておき、玉をあそこに投げ入れ、1発で入ったら金運が爆上がり。そしてたぶん3つのザルには大吉・中吉・小吉という設定があり、それぞれに応じた量だけ金運が上がるのだそうだ。

 

湖畔にて3

その玉がどこにあるかというと、すぐ近くに無人販売ブースがある。100円で5つを購入できるぞ。これ、おじいちゃんが夜なべしてこねたのかな?

 

で、なぜ玉を買うのかというと、現金を投げてザルに入っちゃったら、おじいちゃんが回収するのが大変だからだろうな。それがさっきの小銭コロコロレールとの違いよ。僕の妄想だけど。

 

湖畔にて4

コイのエサやり場もある。エサももちろん有料だ。

僕はやらなかったが、池田湖ってコイもいるんだね。イッシーだけじゃなく。

 

湖畔にて5

これまたさっきの玉を使ったアトラクションがあった。

玉を投げて、鳥居の上の輪を経由させつつ湖上のプレートに命中できたら、災難を免れるのだそうだ。鳥居ってホント、何にでも使える便利なツールなのだなぁ…。

 

湖畔にて6

これは説明書きを読む限りだが、パイプで角度を定めつつ、その中に玉を入れるんだと思う。パイプの反対側の湖上にはカゴがあり、そこに玉が入れば金運UPとのことだ。

ここまでのアトラクション全部成功したのなら、たぶんアラブに行けば確実に油田を掘り当てられるくらいの金運を得られていると思うよ。

 

湖畔にて7

いろいろ情報が多すぎて触れるのが遅くなってしまったが、鳥居の向こうにいた黄金のドラゴン2体についても触れないわけにはいかないよね。

 

これは龍噴水といって、口から水を噴射する装置のようだ。マーライオンのドラゴンバージョンだ。傍らに100円を入れると動く機械があるので、見てみたいのであればお金投入だ。ごめん、僕はやらなかったのだけど。

 

湖畔にて8

この龍だけクオリティが高いな。噴水機能を持っているということもあり、おじいちゃん自身が作ったのではないように思える。

…せっかくだから起動させてみればよかったな。またいつか行ったらジャンジャン金使おうかな。

 

湖畔にて9

湖畔については以上だ。

実はさらに奥の方、今は立ち入り禁止なんだけどもあれこれ造作されつつある。僕の訪問時にも遠くでオーナーのおじいちゃんらしき人が作業していた。

ここ数年でどんどんこういうアトラクションが増えているそうなので、あなたが訪問した際には億の新エリア、OPENしているかもしれないよ。

 

湖畔にて10

湖畔から振り返った、前章での巨大鳥居だ。

あ、これでお話はおしまいではないぞ。平地エリア、湖エリアをご紹介してきたが、次は上の写真の奥に見えている山エリアに行ってみるんだからね。

オーナーのおじいさん、バイタリティすごすぎだな。もう80代だそうなのに。

 

 

洞窟の龍の巣と金豊龍神

 

次は駐車場~山の斜面にかけてのエリアを見ていこう。

 

龍のたまご販売所1

もうすっごい小屋がある。温泉黒にんにくの自販機があったり龍のたまごを売っているとの札が出ている。右端にはもはやおなじみの金の鳥居がチョコンだ。

 

2階には軽食を売ってそうなブースもある。ソフトクリームのオブジェがあることから、夏場はソフトクリーム販売しているのかな?あと、Webを調べたら黄金うどんっていうメニューもあるそうだ。この時間はやってなかったけど。

おじいちゃんが販売するのかな?それともスタッフさんを雇うのかな?気になる。

 

龍のたまご販売所2

販売所の中を覗く。キーホルダーが売られていたり、金ピカの燻製たまごが売られていたりだ。

もう幅広く何でもやっているのだな。オーナーのおじいちゃんのバイタリティがすごすぎる。3歳くらいの子供がハサミの使い方や図画工作を覚えると無制限にカオスなアートを製造し続けるが、それのおじいちゃんバージョンって感じだ。ブレーキ、ブッ壊れてやがる。好き。

 

龍のたまご販売所3

販売所2階のカフェエリア手前まで来た。金のアーチの頭頂部にはいびつなハートが鎮座し、その足元にはチューリップが植えられている。

「どうだ!SNS映えするだろう!女子どもはここで写真を撮れ!」というおじいちゃんの心の声が聞こえてきそうだ。本来は鳥居にしたいところを、カフェなのでここだけはアーチにしたのかもしれない。そういうところも好き。

 

山の洞窟1

『洞窟の中おこへた龍の巣』。

僕も人間界に降臨してそこそこの年数が経つのだが、この札については何が言いたいんだがよくわからない。でも坂道の先に洞窟があるってことはなんとなくわかったので、そちらに行ってみよう。

 

山の洞窟2

金豊龍神社だ。洞窟の中を神社に仕立て上げているようだ。ここにもオシャレな金色アーチが見えている。鳥居はどうした?神社だぞ。

で、さすがに中は真面目な感じかなって思ったら、ここも遊び心と商売っ気に満ち満ちていたぞ。

 

山の洞窟3

金豊龍お守りの無人販売。5円玉がくっついている。先の見える5円玉からあなたの未来を覗くのだそうだ。僕は未来どころか現在も見えていない。なのでお守りはいらないかも。

 

山の洞窟4

なんか本格的なギミックがある。

100円機械に入れて急いでハート形の穴を覗くと、暗闇の中にいる龍が15秒ほど動くという仕組みのようだ。そういえば洞窟の入り口にも『動く龍の巣』って書いてあったな。それはこれを指していたのか。

 

山の洞窟5

100円を入れない限りは、この穴の向こうは真っ暗で見えない。少し気になるが、100円を捧げるほどではないかなって思って、この時はやらなかった。今から思えばたかが100円、ここで使うべきだったかもしれない。

それと、一瞬「フラッシュとか使えば内部がわかるかな?」って思ったけども、止めておいた。いつかちゃんとお金を払って中の真相を知るのが筋ってもんだよね。

 

山の洞窟6

あと、金の小槌を使って鐘を叩いたりした。僕の手を見てほしいのだが、盗難防止用のためかアクリルボードに穴が開けられており、そこに手を突っ込んで鐘を叩くのだ。

だが穴の開け方がワイルドなので、雑に手を動かすと手首から先を持っていかれるぞ。

 

山の洞窟7

なんだかよくわからないご本尊。左は招き猫か?こんなにも邪悪な笑みを浮かべた招き猫は初めて見たよ。お金への執着心がすごそうだ。

 

山の洞窟8

さて、これで大体全部だ。

チープかもしれないし、くだらないかもしれない。そういう意見もあるだろう。だけども、こういうのを愛でる心の余裕が現代人には必要なんだよ。

 

さらにここ、珍スポットのお手本のようにその要素のすべてを兼ね備えていると感じた。それをつらつら書くと記事が長くなりすぎるからやめるけど。

しかもここ数年で誕生した上、どんどん進化しているんだ。ここは押さえておいた方がいいぞ。人生の糧になるぞ。

 

テラスにて

最後に、晴れやかな景色を眺めながらベンチで持参したお茶を飲んだ。ようやく普通の展望スポットとしての楽しみ方をできたかもしれない。

 

 

池田湖パラダイスのイッシー

 

最後に池田湖のイッシーについて触れていこう。もちろん「ネス湖」のネッシーが名前のモチーフだ。1960年代初頭に最初の目撃談があったらしい。

湖畔にはそのイッシーの巨大な像がある。過去にも何度か訪れて記念撮影しているが、今回再び見に行こう。

 

イッシー1

これだ。イッシーは10mとも20mともいわれる恐竜の生き残りのような存在。そしてラクダのように背中に2つのコブがある。

だけども実際は「大ウナギの見間違いでは?」とか言われているよ。池田湖には2mにも及ぶ大きなウナギがいるので、それとイッシーの背中を混同したという説が有力だ。真相は知らんけども。

 

イッシー2

1970年代くらいに流行った"〇〇ッシー"という各地の湖の未確認生物だが、もう流行も去って久しいね。このイッシーも劣化が目立ち始めている。

僕、イッシーの実在にはあんまり興味はないけど、このオブジェは好きだよ。また会えてうれしいよ。

 

池田湖パラダイス1

このイッシー像は「池田湖パラダイス」というドライブインの駐車場にいる。とても年季の入ったレストランだ。

 

僕はこのレストランを眺めながら、同行者に「このお店も昔からあるが、ずいぶん古びてきたので次に来るときはないかもしれないな…」と呟いた。本来はこんなことブログには書けない縁起でもないことだが、事実2025年の8月末、つまり半月ほど前にここは閉鎖してしまった。

なんてこった。この写真を撮ってからわずか5ヶ月後だ。

 

池田湖パラダイス2

1950年代にOPENし、イッシーブームの時には多くの観光客が訪れ、そして池田湖名物の大ウナギも数匹飼育していたというドライブインだ。会長が春に亡くなり、副社長もケガで動けなくなってしまったことが閉鎖の原因だという。

 

イッシー像はどうなる?撤去されてしまわないかが気がかりだ…。

 

池田湖パラダイス3

生まれるスポットがあれば滅びるスポットもある。だから同じスポットでもまた訪れたいと思うんだけどね。

あ、レストランの対面の花畑、とても綺麗だったよ。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 黄金の鳥居
  • 住所: 鹿児島県指宿市池田3146-8
  • 料金: 無料
  • 駐車場: あり
  • 時間: 特になし

 

No.508【群馬県】レトロ自販機の「ピットイン77」!ラーメンの豪快なチャーシューが魅力!

レトロ自販機大国と呼んでも遜色はないほどに、レトロ自販機保有店がたくさんある群馬県

全国でおよそ60店舗ほどのレトロ自販機保有店のうちの約10店舗が群馬県にあるのだ。すごすぎる。なぁ教えてくれ。どのような政治をすれば、どんな徳を積めば、こんなレトロ自販機あふれる地を創造できるのだろう…。

 

 

そんな中でも「ピットイン77」は名前がまずカッコいいし、外観がアメリカのレトロなドライブインみたいでしびれる。アメリカ大陸横断の途中に立ち寄る荒野のドライブインみたいだ。そんなところでハンバーガー食べたら最高だ。

 

そういう妄想を抱きつつも、ここを訪問した思い出を語ってみようか。

 

 

天ぷらそば・カレーバーガー

 

真夏の少し雲の多い夕暮れ、僕はここへとやってきた。その到着時の写真が、冒頭で掲載したものだ。

魅力的な店舗でワクワクはしているんだけど、実は僕のお腹の方はそんなにはワクワクしていなかった。なぜならば、ここに至る前に群馬県内のレトロ自販機保有店を4店舗ほど巡ってきたからだ。

 

群馬県のデメリットはそれだ。レトロ自販機保有店が密集しているのに、人間の胃袋は1人につき1つなのだから、いろいろ巡っていると胃がバーストする。なんとかしてほしい。具体的には、胃袋を3つにするとか。牛みたいに。

 

レトロ自販機1

ここのレトロ自販機は豊富だぞ。

麺類自販機が2台、そしてトースト自販機にハンバーガー自販機まである。これら3種が揃っただけでとんでもないレアなフォーメーションなのに、麺類自販機が複数台あるって、それはもう崇め奉らうレベルなのだよ。

 

そんな中から、初回は天ぷらそばを食べてみることにした。上の写真の左側に写っている自販機がそれだ。ほかにうどんやラーメンもあったが、満腹に近いときにはそばが一番食べやすい気がした。麵が細いから。

 

天ぷらそば

思ったよりボリューミーなビジュアルのそばが出てきた。うまそうだが食べきれるかな?

かき揚げはそばの表面を覆いつくすほどの巨大さだ。そばの量も多いし、ダシは黒々としていてパンチのある味であることを予感させる。

 

結論、うまい。かき揚げは具材が多い食べ応えあった。かき揚げから染み出した油でダシはさらに濃厚となり、味濃いめが好きな人にはハマる味だ。そばも満腹でもスルスル入る。

満腹に近い状態ではあったが、同行者と2人で半分ずつなんなく食べきることができた。

 

カレーバーガー1

次はハンバーガーを買おう。今ここで食べるだけの意のキャパはないが、麵と違ってハンバーガーならテイクアウトし、腹が減ったタイミングで食べることができる。


メニューはチーズバーガー・カレーバーガー・コラボバーガーの3種であった。コラボバーガーが何がというと、ハンバーガー+辛いソース+ハム+ピリ辛ガーリックマヨネーズだ。期間限定らしい。

コラボも気になったが、カレーバーガーを買って持ち帰ることにした。

 

カレーバーガー2

これが後ほど食べたカレーバーガー。ハンバーグとカレーソースが入っている。

たぶん味はあなたの想像する通りだ。少しだけスパイシーだが万人受けしそうなカレーソース、そしてフニフニのバンズの組み合わせ。意外性は少ないが、これがうまくないわけがない。

 

夕暮れドライブイン1

外に出てみると、いい感じに夕焼けが空を染めていた。

おぉ、これは最高の瞬間なのではないかな。昭和レトロなドライブインには黄昏の空が似合う。

 

夕暮れドライブイン2

冒頭にも同じようなことを書いたが、この光景を見てアメリカのドライブインのようだと思った。

何がそう感じさせるのだろう?"ピット・イン77"の字体だろうか?平原の中にポツンと建つその姿だろうか?とにかく、心に刺さる光景だ。

 

夕暮れドライブイン3

僕の愛車も昭和時代にデザインさらたものなので、なおさらこのドライブインにマッチするよね。

こうして夕暮れの中、満ち足りた気持ちで再び僕は走り出す。

 

 

ラーメン・タルタルミートバーガー・ハムチーズトースト

 

2025年、僕は久々にピットイン77を訪問する。

暑くもなければ寒くもない、よく晴れて爽やかな春の午後だった。最高のドライブを堪能しながら、懐かしいドライブインを目指したのだ。

 

胸躍る再訪

今回はここを目的にやってきたので、腹を空かせてある。前回体験できなかったトースト自販機や、もう1つある麺類自販機を使ってみたいという野望を抱いてやってきた。

 

ラーメン1

写真が切れてしまったが、左側の"うどん・ラーメン"と書かれたパネルの麺類自販機。実はこれはうどんは売られていない。うどんが売られているのは向かって右に写っているほうの自販機であり、そば・うどんの選択ができる。

左側はラーメン専用の自販機なのだ。

 

ラーメン2

ただし、ラーメンも2種から選択できる。普通のラーメンかチャーシュー麺かだ。チャーシュー増量でもたった50円しか違いがないのは良心的だね。

しかし僕は今回ここでラーメン以外にもトーストを食べたい。胃のキャパを大事にしたい。なのでラーメンを選択した。

 

ラーメン3

ちょっと待て、なかなかすごいのが出てきた。チャーシューの量がエグいのだ。

これ、スタッフさんがチャーシュー麵を間違って普通のラーメンのところに間違ってセットしちゃった…とかじゃないよね?これが普通のラーメンなのであれば、チャーシュー麵は一体どうなってしまうのだろう?肉であふれるぞ、この丼。

 

ラーメン4

チャーシュー、かなり分厚いのだ。荒々しいワイルドなチャーシューで噛み応えも抜群なのだ。うますぎる。

レトロ自販機のラーメンに入っているチャーシューって、丸くてぺらぺらで工場で一律に加工されたっぽいヤツだとかが多いイメージなんだけど、ここのはハンドメイド感にあふれている。これは嬉しい発見だ。

 

麺は中太ストレートでツルツル。スープはやや濃い目のしょうゆ味。ほかにメンマやナルトが入っている。オーソドックスで期待ドンピシャな味だ。

 

レトロ自販機2

今回はいける。トーストとハンバーガー、両方いけると踏んだ。まずは前回未体験のトースト自販機から攻略していこうか。上の写真、向かって左がトースト自販機だ。

 

ハムチーズトースト1

メニューはハムチーズと辛口ガーリックの2種類。どちらも350円だ。ラーメンが380円であったことを踏まえると、ちょっとお高めかな?

後者の方がレアなのだが、気分的には前者のハムチーズトーストの方がいい。ラーメンの後で辛口ガーリックは、味が濃すぎるものの連続で胃もたれしそう。

 

ハムチーズトースト2

アッツアツの灼熱のアルミに包まれたトーストが出てくる。

中を見てみると、いい感じに焦げ目のついたハムじゃないか。で、上の写真ではチーズが見えていないが、実はハムの裏側にちゃんと存在している。チーズが接着剤の役目になっていて、パンをはがしたときにチーズがない側がはがれたために、上のような構図になったのだ。

薄くマスタードも塗られていて、見た目以上に味のハーモニーを楽しめた。

 

タルタルミートバーガー1

最後にハンバーガー自販機だ。

前回に期間限定だったコラボバーガーはなくなっている。その代わりタルタルミートバーガーとピリ辛ガーリックマヨネーズバーガーがあるぞ。後者は前回のコラボバーガーとほぼ同じようなレシピだね。いずれも350円だ。

じゃあ、タルタルミートバーガーにしてみようかな。

 

タルタルミートバーガー2

カフカのハンズのハンバーガーが出てきた。

タルタルミートバーガーって、タルタルソースとミートソースとベーコンが入ったハンバーガーであり、このお店の人気商品なのだそうだよ。そう自販機に書いてあった。

 

タルタルミートバーガー3

パッケージ写真ほどにはミートソースは入っていない。パッケージ写真は毒々しいまでに赤いミートソースが流れ出ているので、もしそんなだったら大変だもんな。

タルタルとミートソースの存在はほのかに感じられる程度であり、ベーコンは正直よくわからなかった。でも、マクドナルドのハンバーガーしかり、少量でもソースが変わるとハンバーガーのイメージは激変する。なのでこれは確かに普通のハンバーガーとは別物だなって思えたよ。

 

3品食べるとさすがに満腹だ。しかしこれでレトロ自販機4筐体を使うことができた。やり切った気分。

 

うどん・そば情報

ちなみに今回は食べていないが、うどんやそばは380円だったよ。

 

 

店内をちょっと紹介

 

最後の章では、店内の様子を少しご紹介していきたい。

このピットイン77は、1988年に創業したそうだ。昭和時代の最終盤にあたる年だね。それでももう40年近い歴史を持っているわけだが。

 

店名の「77」ってどういう意味だろう…って思ったが、結論から言うと明確な情報は得られなかった。一説には1970年代のドライブインをイメージしているから、「1977年創業」と思われるような数字を店名に付けた、とも言われているよ。

 

店内1

もともとはこの店舗は、群馬県内に数店舗残る「オレンジハット」というチェーンのドライブインだったそうだ。そこから独立してピットイン77になったのだね。…とはいえ、店内はオレンジハットと酷似しており、その違いはわからない。

 

その店内はこの手のドライブインによくある、半分がゲームコーナーで半分が自販機コーナーって感じだ。その境目に長細いテーブルが置かれ、ここで飲食できる形式。

店内2

ゲーム機もまたレトロなものが多い。僕はあまり詳しくないが、1990年代のものとかもザラにあると思われる。地元のおじさんやおじいさんたちが、これらのゲームに興じている。

店内3

向かって左のショーウィンドウの中には、そんなゲーム等の景品が陳列されているようだ。ペヤングソース焼きそば・お菓子類・ドラゴンボールのなんやかんやのグッズがちょっと見えている。

人間、何歳になっても焼きそばとお菓子とドラゴンボールは好きなんだな。すごくわかる、その気持ち。

 

店内4

前章まででは取り上げなかったが、自販機にはレトロな瓶ドリンク販売用のものもある。メニューはコーラ・ファンタ。HI・Cオレンジなどだ。

瓶にはさ、缶にはないロマンがあるよね。うまく表現できるボキャブラリーはないんだけど、これもまたレトロなエッセンスが含まれているからなのだろうと思っている。

 

店内5

僕はここで(内心)「レトロだレトロだ!」と大騒ぎの大はしゃぎをしているが、僕以外の人にとっては至極普通で日常の風景であるがごとく、時が流れていた。

しかしこの令和の時代にこんなドライブインがまだ存在していることが奇跡だよ。

だから「今この空間ですごせることにもっと歓喜せよ皆の衆!」と思いつつも、同時に「ここを日常としている人の平穏が今後も守られますように」とも思い、若干のジレンマを感じるのだ。

 

ピットイン77

ピットイン77。昭和時代の残滓を感じるドライブイン

あなたも、目まぐるしく動く時代の流れに飲み込まれそうになったら、1970年代の雰囲気を感じるこのドライブインにピットインしてみてはどうかな?

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: ピットイン77
  • 住所: 群馬県太田市牛沢町332-1
  • 料金: ラーメン¥380他
  • 駐車場: あり
  • 時間: 24時間営業

 

No.507【長崎県】本土最西端の鉄道駅「たびら平戸口駅」!巨大カマキリオブジェいたよね!

僕は日本国内の一般人の行ける東西南北端を制覇しているし、本土の東西南北端も行っているし、北海道・本州・四国・九州それぞれの東西南北端も踏んでいる。

そんな特異な性癖を持つ僕であるが、実は鉄道駅の本土東西南北端も踏んでいるんだよ。車旅の人であり、乗り鉄でも撮り鉄でもないのだが、どうやら”端鉄(はじてつ)”だったみたいだ。なにそれ。

 

 

そんな僕が本土最西端の鉄道駅である、「たびら平戸口駅」を訪問した時の話でもしよっか。

そういやここ、2015年から2020年くらいまでは巨大なカマキリのオブジェも設置されていたよね。あれはすごかったなぁ。また会いたかったなぁ…。

 

 

日本最西端の駅…?

 

たびら平戸口駅は日本最西端の駅なのか。いきなりアイデンティティを疑うような角度からのお話だが、まずはそこからだ。

 

最西端の駅1

たびら平戸口駅。「あともうちょっと西に行けば平戸島だぜ…!」って立地の国道204号から一瞬だけ反れたところにある駅だ。

ちょっとだけ反れるというポイントと、僕はそんなに駅には興味を持っていないという点から、何度も平戸島には行っているのにこの駅を訪問したことは3回ほどしかない。

 

でもこのなんだか昭和を感じさせるデザイン、妙に好きだよ。

 

最西端の駅2

駅の敷地内には『日本最西端の駅』と書かれた立派な標柱が立っている。後ろの看板にもそのように記載されている。しかしこれには異論があるのだ。

 

2003年まではこのたびら平戸口駅は誰もが認める日本最西端の駅であった。

ただこの年、沖縄県で「ゆいレール」が開業したのだ。那覇空港を起点とするモノレールだ。

モノレールは普通鉄軌道方式じゃない。宙に浮いているので軌道を走ってはいない。それにほかの都道府県とも接していない。そういう理屈から、今もこの駅は日本最西端の駅を名乗り続けている。

 

最西端の駅3

うーん…。僕個人はこの事態をどう判断すべきか。このやたらと九州だけがマッチョで沖縄県の存在しない日本地図を見て、どう判断すべきか。

 

「駅」という定義であれば、鉄道駅であろうとモノレール駅であろうと「駅」なので、日本最西端の駅と名乗ると、ゆいレールとケンカしちゃうかもなって思う。だから「駅かどうか」というところに争点を置くとよろしくない方向に向かっていくと思う。

 

最西端の駅4

次に、「日本最西端」ってフレーズにフォーカスを当てたい。当たり前だけども沖縄県も日本に含まれるので、沖縄を無視した定義にはできない。

だけども、「本土」っていうくくりにしたらどうだろうか?僕の大好きな「離島航路整備法第2条第1項」に基づけば、本土の定義とは北海道・本州・四国・九州を指すんだ。ここに沖縄県は含まれない。沖縄県は島に分類されるのだ。

 

だから「本土最西端」って名乗れば、ゴタゴタする事態を大幅に抑制できる上、「最西端」ってことでなんだかすごそうなステータスも維持できるんじゃないかな。

 

最西端の駅5

…って思ったらさ!

2015年にこの駅、愛称を「日本最西端の駅」に正式登録した!全然沖縄県に譲る気がない!むしろ牙を剥いている!なんなんだこの無駄なバイタリティー!バカヤロー、こうなったら僕も応援するしかなかろうて!!

 

上のパネルには、日本最北端の稚内駅、日本最東端の東根室駅、日本最南端の西大山駅の情報も掲載されているね。ただし注意点なのだが、最東端の東根室駅は今年2025年の3月に廃止されてしまい、現時点の最東端は根室駅だからね。

この写真はそれより以前に撮影したものなので、まだ東根室駅が現役だったのだ。

 

最西端の駅6

…という、血の気の多い駅なんだ。これが好きなんだ。

 

 

巨大カマキリが襲来する

 

じゃあ次は、駅の横に超巨大なカマキリのオブジェが設置されていたときのことを書こうと思う。あなたは「なぜにカマキリ??」って思っているだろうが、そのあたりも説明するから読んでくれ。

 

カマキリ襲来1

これは2回目の訪問である2015年のことだ。

特に駅にそこまで興味を持たない僕が「まぁ2回来たところで何か変化があるわけでもないしなぁ…」とつぶやきながら目線を少し左に移したときだ。とんでもないパニック映画的な光景が目に飛び込んできたんだよ。

 

カマキリ襲来2

駅前に停めてある貨物車両を占拠する巨大なカマキリ。

想像よりもデカいしリアルだろ?右側に写っているマネキンが人間サイズなので、それと比べれば巨大さがわかると思う。余裕で捕食されるレベルの危険度だ。

 

カマキリ襲来3

かっこいい。オブジェとしてのクオリティもさることながら、カマキリってのはその造形自体が素晴らしいのだ。だから僕は小さい頃からカマキリ大好きだし、大人になって触ることはできなくなっちゃったけど、カマキリの絵を描くのは相変わらず好きだ。

こんなデザインを造った神様は偉大だと思うよ、うん。

 

カマキリ襲来4

そして、その巨大カマキリに、普通サイズの虫取り網で応戦するヘルメットの男性。

逆光で虫取り網が白飛びしてしまったが、虫取り網の武器としての攻撃力はかなり低めなことは周知の事実だ。かなり無謀。ヒヤヒヤするぜ。

 

カマキリ襲来5

どうした?なにごと?そんな無表情で巨大カマキリにちょっかいを出せる強メンタル、僕も見習いたい。

よく見るとヘルメットには「松浦鉄道(株)」と書かれている。なるほど、このたびら平戸口駅を有する路線の鉄道会社の職員だったか。突如現れた巨大カマキリを追い払いにやってきたのだろうか…?

 

カマキリ襲来6

…と思いきや、彼の腰には虫かごが。その中には通常サイズのカマキリ・クワガタ・テントウムシなどが入っている。

あ、巨大カマキリを追い払いに来たんじゃないや、これ。普通に昆虫採集の一環として巨大カマキリを狙っていたということか。業務中に。なんて強者だ。

 

カマキリ襲来7

作品名は『カマキリ龍来』となっている。よく見ると第弐弾と書かれているので、第壱弾あったのだろう。どんな作品だったか気になるが、Webで調べきれなかった。近所の人、教えてほしい…。

 

この作品は駅の観光PRのために2014年に作成されたらしい。

ここ田平って、昆虫の町なのだ。昆虫写真家の「栗林慧さん」の故郷だから、昆虫をアピールしているのだ。「道の駅 昆虫の里たびら」も大きなカブトムシがいて、毎回僕は写真撮っているしな。

 

そんなわけでこの駅でも昆虫アピールしようってなり、それはがカマキリとなり、そんでこんな作品になったそうだ。2020年ごろに撤去されたそうだが、第参弾はまだかなって期待しているぞ。

 

 

駅の隅々を見てみよう

 

じゃ、直近である日本7周目の訪問記録から、もう少し詳しく駅の様子をご紹介するか。

 

夕闇の駅舎1

9月の19時ちょっと前くらいに到着した。西日本だから本州に比べるとやや日没が遅いとはいえ、もう真っ暗に近い状況であった。

でも闇の中には相変わらずレトロで風合いのある浮かび上がっていて嬉しい気持ちになる。いいなぁ、このデザイン。なんとも表現できない、平成初期くらいのセンスを感じるのは僕だけかな?

 

夕闇の駅舎2

『日本最西端の駅』の標柱も変わりなく立っている。沖縄県ゆいレールに最西端の座を渡す気なんてさらさらないのだ。ここが日本最西端に決まっている。

 

夕闇の駅舎3

駅舎からホームに至る部分。おぉ、これはかつて駅員さんが切符を切ってくれたりしていたブースだな。懐かしい。ラッシュ時の駅への入場や退場の管理を駅員さんが実施し、1人1人の切符を確認していただなんて、今では信じられない光景だよね…。

今は無人駅なのでそのままスルーしてホームに行くことができる。

 

夕闇の駅舎4

これがホームだ。19時ちょい前という、都心であれば朝の次くらいに込み合っていそうな時間帯であるが、誰もいない。トワイライトタイムに別の時空に迷い込んでしまったかのように静かだ。

それがいい。旅情ってのは、こういう風景から摂取できるよね。

 

夕闇の駅舎5

待合室もとても静かだ。ガランとしている。カラフルなプラスチックの椅子がかわいいよね。

あと、ちゃんぽんのお店があるってのが長崎らしさを感じさせてくれる。ここでちゃんぽんをオーダーしたら、待合室内の椅子に座って食べるのか?そういうの、やってみたい。いつかまた訪問する目的ができたぞ。

 

夕闇の駅舎6

さらには、駅舎内には鉄道博物館もある。旧時代の鉄道関連の機器やグッズなどを展示している小さな施設だね。ここは19時時点ではもう閉まっていた。18時閉館なのだ。

 

かつて日中に訪問した際に中を見たことがあるので、閉まってはいたが諦めがつく。…とはいえ、内部の写真を撮ったことはないんだけどな。中にはどんなものが展示されていたんだっけ…?これも次回への宿題とするか。

 

夕闇の駅舎7

こうして1人静かな駅見学が終わりを告げる。

にぎやかな駅もいいが、静かな駅もまたいい。いつか鉄道旅をして、こういう駅のホームでなかなか来ない列車をノンビリ待つのもいいかもな。そう思った。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

 

No.506【奈良県】渓谷を見下ろす絶景の古民家カフェ「瀞ホテル」!夏の思い出にピッタリ!

まずはあなた、「瀞峡(どろきょう)」を知っているか?

奈良県三重県和歌山県の3県にまたがる山深い渓谷の中の渓流。すんごい秘境感の漂う素敵な景勝地なのだよ。

 

ちょうど5年ほど前の話だが、僕もブログ内でこの瀞峡について執筆しているので、自然大好きな人は是非読んでみてほしい。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

さて、今回は瀞峡メインの話じゃあない。

1916年(大正6年)に創業した「瀞(どろ)ホテル」っていうすさまじく渋いホテルが瀞峡にあるんだ。実はそのホテルは宿泊業はやっていないんだけど、カフェレストランとして第2の人生を歩み出したんだ。そこを訪れたときの話をしたいんだ。

 

 

…ってわけでだ。前回は5年以上前の訪問記を書いたのだが、今回は直近である日本7周目で訪問した際の話をする。

最高だぞ、ここ…!!

 

 

あこがれの瀞ホテル

 

危険なレベルの暑さだとか世間で騒がれている日、僕は瀞峡にやってきた。

 

瀞ホテルへ1

瀞峡は緑あふれる山奥のスポットなのだが、やっぱ暑かった。日本全国が沸騰しかけているんだなって思った。

それでも都市部よりかはやや過ごしやすい。なにより空気が綺麗で不快感が少ない。

 

瀞ホテルへ2

以前何度か撮影した、瀞峡の看板と三県境の看板。ここから見下ろす渓流の真ん中で、三重県奈良県和歌山県が1点で交わっているのだ。

 

三県境は日本全国に48箇所あるが、そのほとんどが山岳地帯だ。山の山頂にて3つの都道府県が交わっている。…が、車で気軽にアプローチできる三県境は48箇所のうちわずか2箇所しかない。そのうちの1つがここなのである。

もう1つ、有名な「柳生の三県境」についてはまた機会があったら書こう。それと、三県境についてもっと詳しく知りたければ、冒頭のリンクから過去記事をご参照いただきたい。

 

瀞ホテルへ3

ここから下を覗き込むと、白い渓谷、淡い緑の渓流、そして断崖に建つ貫禄のある瀞ホテルが見える。今回のお目当ては、この瀞ホテルなのだ。見た感じ営業しているぞ、やったぁ。

 

瀞ホテルへ4

ここから川面まで降りていく階段は、瀞ホテルを掠めるように配置されている。上の写真はちょっとわかりづらい構図になってしまったけども、直進して"瀞ホテル"の看板の真下にて建物に沿って左に折れるルートなのだ。

 

瀞ホテルへ5

ホテル入口のすぐ脇まで降りてきた後、来た道を振り返るとこんな感じ。アクロバティックなルートを降りてきたんだなぁってことがわかる。

普通だったらこんな側面、ホテル関係者じゃないと通らない。てゆーか、どこからどこまでがホテルの敷地なんだろうね…?

 

瀞ホテルへ6

数mズレて、ホテル入口のほぼ正面まで来た。右から書かれた"ルテホ瀞"が時代を感じさせるし、バリバリ木造な感じが渋すぎる。

前回の記事でも『もはやホテルというより神社と呼んだほうが共感が得られそうなほどに、古風な建物だ』って書いたしな。なんだかありがたい存在に思えてしまうよね。

瀞ホテルへ7

瀞ホテルは前述の通り1916年創業し、その後2004年に3代目が亡くなって休業してしまう。しかし2013年に4代目が立ち上がり、喫茶店として再OPENしたのだ。

だから宿泊はできないんだけど、ご飯は食べられるんだよ。

 

瀞ホテルへ8

前回の記事で書いたけど、僕はその4代目による再OPENの数日後にここに来ているのだ。しかし朝でまだ喫茶店は開店しておらず、かつ当時の僕はそこまで喫茶店に興味もなかったのでスルーした。

その後、カフェ好きになった僕は「いつか瀞ホテルでカフェしてみたい」っていう思いを強く持ち続け、今回ようやくその夢を叶えることができるんだよ。

 

 

カフェタイム

スコーンとアイスコーヒー

 

時刻は13時を少し過ぎた頃。結構腹減った。

ホテル(という名の喫茶店)に入った僕は、スタッフの方に「ランチできますか?」と声をかけた。その後「あ、この人はどこかのWebサイトで見た瀞ホテルの若き4代目だな」って気づいた。

 

ホテル入口からの瀞峡

4代目に「予約の方ですか?」と聞かれた。嫌な予感がしつつも「違います」と答えた。

すると「ランチメニューは予約の人だけで終わてしまってまして、カフェメニューだけになってしまうのです…」と申し訳なさそうに言われた。

 

あぁ、僕は甘かったのだ。調査不足だったのだ。このときは世間は3連休。相当にお客さんが多かったのだろう。4代目、結構いっぱいいっぱいな様子だし。

2025年現在、瀞ホテルのWebを見ると食事はかなりカッチリした予約形態を取っているので、よほど人気のスポットなのだと窺い知れる。

 

店内入口付近

腹は減っている。ご飯を食べたかった。

しかし目的は「瀞ホテルを過ごすこと」である。カフェだけでもできるのであればありがたい。それを伝えると、4代目は席を案内してくれた。

どうやらランチタイムも終盤であり、もうお客さんは店内にはあんまりいなかった。

 

カフェ1

案内された席がここだ。

すごっ!!これ、特等席と呼んでも過言ではないんじゃないかな。

眼下に瀞峡の清流を見下ろすカウンター席なのだ。空腹なんぞ吹っ飛んだ。いや、むしろ「食ってる場合か!」ってくらいの絶景だ。

 

カフェ2

角度を変えてもう一枚だ。なぜならどこから眺めても絶景すぎであり、その感動を少しでもあなたにお伝えしたいからだ。もっとも写真では実際の風景の素晴らしさは全然伝わり切れないのだが、それでもいいだろ、この景色…!

ホテル業を営んでいた頃は、朝起きたら部屋からこれが見れたんだろうなぁ…。すごすぎる。

 

カフェ3

目の前の席から見下ろす瀞峡。ここが「瀞八丁」と呼ばれる、瀞峡の中でも一番の是敬のスポットだ。左右の渓谷が高さ50mほどあるそうで、すごく壮大。自然の偉大さを感じられる。

そんな中を渓流を観光船が進んでいる。気持ちよさそうだ。

 

カフェ4

これがカフェメニューだ。

ドリンクが中心なのである。地元紀伊半島のジュース類も豊富なのだが、僕はフルーツがちょっと苦手な人種だ。でもコーヒー大好きなので、この猛暑の中だったらアイスコーヒーがいいな。

フード的なものは"本日の焼き菓子"のみのようだ。そして詳細は黒板に書いてあるそうだ。

 

カフェ5

これが黒板。ドリンクは梅ソーダやレモンスカッシュもある。爽やか系メニューで暑さも吹き飛びそうだね。僕は飲めないけど…。

焼き菓子は自家製ジャム付きのスコーンの2種盛りだそうだ。これをオーダーしよう。

 

カフェ6

スコーン、来た。ハンドメイドタイプでやや小さくボコボコした風合いのスコーン。そしてたっぷりのジャム。1つは柑橘系、もう1つはヨーグルト系だな。

僕は前者は食べられない。自分のことを不幸だとは思わないが、こういうスイーツ中心のシチュエーションだったりコース料理のデザートの際には、自分の境遇を「不便だな…」とは思うよ、やっぱ…。食べられないのは残念ではある…。

 

カフェ7

アイスコーヒーも来た。テイクアウト用のプラカップである理由はわからないけど。

でも、コーヒーさえあれば、どこだってそこがパラダイスなのである。ましてやこの絶景を眺めながらのコーヒータイム。最高だろ。

 

カフェ8

うん、うまい。ザクザクしてクッキーにも近いスコーンは見た目のボリューム以上に食べ応えと満足感がある。ヨーグルトもほのかな酸味がいい。

アイスコーヒーもビターで僕の好きなタイプだ。

 

ランチの食事メニューは、前日午前中までに予約の必要なハヤシライス・3日前までに予約の必要な和定食などがあるそうだ。それは次回の宿題だね。

 

 

ホテル内を見学する

 

この章では、"見学"っていうか、カフェタイム中に歩き回れる範囲で移動して撮らせていただいた写真をご紹介しようと思う。

 

店内1

店内の中央付近。青い布が貼られているのが、厨房との境目部分だ。このあたりのセンス、いいよね。4代目の若いセンスを感じる。左側にはセルフサービスで水を注げるコーナーがある。

あと、年季の入った木の床がすごく好き。

 

店内2

セルフサービスを裏から見た図がこれ。

コーナーやその脇の棚・引き出しは昭和を感じさせるデザインのものだよね。床や天井には昭和レトロな扇風機が設置されている。天井の照明もなかなかに渋い。さすが100年の歴史を持つ超老舗ホテルだ。

 

ちなみに店内にエアコンはない様子。扇風機のみだ。立地が崖の上だし風通しのいい古民家なので暑苦しいほどではないけど、まぁそこそこは暑いよ。近年の日本の気候がおかしいせいなんだけど。

 

店内3

奥の方には雑貨販売コーナーがある。ここにも新しい時代の風を感じるよね。他にも店内の随所にオシャレなインテリアや、販売対象のグッズが飾られたりしているんだ。

 

店内4

同じく奥のスペース、トイレに繋がる部分だ。唐突にギターあるね。4代目の趣味かな?

向こうの方にはオシャレなタイルを貼った洗面台が見えている。

 

店内5

上階へと上がる階段があった。ここより先には踏み込まないけどね。ホテル時代に使われていたエリアなのであろう。

ところで予約&追加料金を支払うと、ホテル時代の個室を1日貸切ってのんびりご飯食べたりすることもできるらしい。そこまで高額ではなので、古民家好きや瀞峡をゆっくり堪能したい人には、うってつけのプランだと思うぜ。僕もやってみたい。

 

店内6

そしてーーッ!すごいものが窓越しに目に入った。まさかここでそれが見られるとは思っていなかった。

何かと言うと、この瀞ホテル本館から吊り橋で繋がる別館だ。2011年の台風12号に伴う「紀伊半島大水害」で大きな被害を受け、別館は使われていないし吊り橋もボロボロなのだが、かろうじて残っているのだ。

 

店内7

わわわわわ…。すごいスリリングな吊り橋になってしまっている。

往時はお客さんがここを通って別館に宿泊したり、部屋食の場合は従業員さんが食事を持ってここを渡ったりしたのだろう。それが今や、誰も永遠に渡れない状態となってしまっているぞ。

 

この吊り橋を下からバッチリのアングルで見上げた図は、冒頭からのリンクにあるので、ぜひ見てくれ。あと、この記事の終盤にも少しだけ出てくるので、スリルを感じてくれたら嬉しいな。

 

店内8

会計時、4代目に僕がここにずっと来たかった旨を伝えてお礼を言った。4代目は「忙しい時期でランチを提供できなく申し訳ない」と言っていた。

ランチタイムもほぼ終わり、店内は平和な空気が流れ始めており、さっきはテンパり気味の4代目も笑顔を見せてくれていた。いや、こっちこそ下調べなく来たのに受け入れてくれてありがとう。またいつか必ずご飯を食べに来たい。

 

店内9

景色も建物も人も良いお店だった。

営業形態は変わってしまったが、県指定文化財にも登録したこの建物が次の100年も人々を魅了していくことを心から期待しているよ。

 

 

瀞八丁の絶景を堪能する

 

最初に書いた通り今回は瀞ホテルの話なのだが、やっぱ最後に瀞峡の絶景もご紹介するね。これをわかってこその瀞ホテルだから。

 

瀞八丁1

まずは瀞ホテルから見下ろす瀞八丁だ。先ほども書いた通り、左右の50mの絶壁がすんごい。奥でカーブして先が見えないのもダイナミックさを感じさせる。

観光船に乗ればここいらを川面から見られるんだよね?それは僕も未経験なのである。いつか船からも眺めてみたい。

 

瀞八丁2

これから川面まで階段を下りていく。振り返る瀞ホテルが改めてカッコいいね。

しっかし暑い。帰りにこの石段を上まで登らなきゃいけないことに気が萎えるが、それでも絶景を間近で見られる方に魅力を感じるので行くんだよ。

 

瀞八丁3

降りてきた。岸壁も白いし、それが元となった足元の河原も白い。さながら極楽浄土。

なんでここの岩石が白いのかというと、どうやら主たる原石が砂岩であり、そこに石英が多く含まれるために光を反射して白く見えるっぽいな。

 

瀞八丁4

カヌー(?)やっている人がチラホラいる。川面からの日航の反射はヤバそうだが、この穏やかな渓流をゆっくり進んでいくのは楽しそうだなって思った。瀞ホテルのランチやカフェとセットにすれば、夏の思い出に最適であろう。

 

瀞八丁5

悔しいので僕もちょっとだけ川に手をつけてみた。見て、この透き通った水を。なんて綺麗なのだろう。

 

この川は「熊野川」の上流系にあたる「北山川」。ちょっとマニアな人であれば、北山川と聞くと筏流しを思い浮かべるよね。このエリアは林業が盛んだったんだけども、山が険しすぎて伐採した木を運べるような車道を整備できなかったので、その場で筏にして川を下って町までいくんだ。

 

北山川の筏流し

これは別の訪問の折に撮影したものなんだけど、偶然筏流しを目撃したこともあるんだよ。

この狭い渓谷を、大型トレーラーみたいな筏で通過していくの、どういうテクニックが必要なんだろうねぇ…。見ているこっちがヒリヒリする。

 

瀞八丁6

河原から瀞ホテルを見上げる。その左手にはさっきホテル内から撮影したボロッボロの吊り橋が延びているのがわかるだろうか?その左には日陰で見づらいだろうが、別館もちゃんと映っているよ。

すごい断崖にアクロバティックに建てられた別館。懸造りの神社仏閣のようなワイルドな建造物だったのだね。もし往時に訪問できた世界線があるのなら、ぜひ別館に宿泊してみたい。

 

瀞八丁7

そして別ルートで、瀞ホテルの足元に向かうような感覚で岸壁を戻っていく。結構暑いのだ。あんまり長時間河原に滞在できないのだ。

以前の記事で写真を撮ったのは、確かこの上の断崖部分だったかなぁ…。おぼろげな記憶をたどる。

 

瀞八丁8

あぁ、前回とほぼ同じアングル。これぞ瀞峡。次はまた違う季節に来ようか。そして今度こそ瀞ホテルで食事をしようか。

そんな夏の思い出を旨に、僕は瀞峡を後にする。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 瀞ホテル
  • 住所: 奈良県吉野郡十津川村大字神下田戸405
  • 料金: アイスコーヒー¥500他
  • 駐車場: あり
  • 時間: 11:30~売り切れ次第

 

No.505【福井県】80代のおじいちゃんの純喫茶「珈琲所」!店には大きな夢が詰まっていた!

福井駅の徒歩圏内にある「珈琲所」は、80代の話好きで優しいおじいちゃんが営んでいる純喫茶。

2025年の梅雨入り直前、僕はドライブでそこを訪れて、平和なひとときをすごした。休日に近所の喫茶店でノンビリするのもいいが、せわしない行程の一人旅の中で立ち寄る喫茶店こそが至高だと思っている。ホッとくつろげる貴重なひとときだからだ。

 

 

外界とはちょっと隔離された静かで落ち着いたトーンの照明の店内。純喫茶ならではのオーラ、たまんねぇよな…。

 

 

ランチするなら純喫茶

 

僕はテンション高めで福井市の中心部へとやってきた。なぜならついさっき念願の「福井県立恐竜博物館」を見学できたからだ。

幼稚園児の頃から恐竜好きな僕が恐竜博物館に行っちまったからには、もう気持ちが猛りまくって3日くらい眠れないと思うぜ。そう思うほどに最高のスポットだった。

 

恐竜博物館

…とはいえ、僕ももういい大人なので気持ちを静めなければいけない。なので純喫茶に行くことにした。落ち着いた純喫茶でランチをすることで、ボルテージを下げようと思うのだ。

そんな経緯で検索して行きついたのが福井駅近くの珈琲所であった。

 

福井駅付近へ

お店自体には駐車場はない。県庁所在地の駅付近なのだから、当然のことながらコインパーキングを使用することとなる。ちょうど、お店から10mくらいのところにコインパーキングがあった。

30分で110円だそうだ。なんと良心的な価格だ。東京都心の6分の1とか、それ以下くらいの価格だ。ありがたい。これでゆっくりお店で過ごせるであろう。

 

外観1

これがお店。左奥には僕の愛車が写っている。

テント看板はずいぶんと色あせてしまってしまっているようだが、もとは何色だったのだろう?もしかしたら黄色だったのかもしれない。

テントに書かれている文字も消えかけているが、ギリギリで『●珈琲専門店● 珈琲所』と解読することができる。あと10年後には考古学者じゃないと読み取れないかもしれないけども。

 

外観2

いい店がまえだ。中がよくわからないし入りづらい雰囲気だが、だからこそいいのだ。純喫茶に入るということは、1つの儀式だと思う。

オーセンティックなバーの扉が重厚で店内が窺い知れないのと同様に、この境界線を越えるドキドキ感も演出の1つだ。…それにしても自販機の存在が大きいけど。

 

外観3

しかし気になるのが、ピタッと寄り添うように存在しているインドカレー屋さんのテント看板だ。

立地といいデザインといい系列店のような雰囲気だ。喫茶店も気になるがインドカレーも気になる。胃袋が2つあるなら両方行きたい気持ちだ。

 

外観4

階段部分を見ると、『お2階へどうぞ』・『珈琲所コミュニティ・ルーム』と書かれている。なのでやはりこの2店舗は根っこ部分が繋がっていると理解した。

しかしこの2階部分、見上げると照明もついていなくって暗くって、営業している雰囲気ではない。いきなり突撃してみるよりも、まずは東食目的である1階の喫茶店に入るのがよいと判断した。

 

 

トーストサンドとコーヒーを

 

ドアを開けるとそこは、グッと照明を落とした落ち着く空間の純喫茶。カウンター席のみのお店。優しそうなおじいちゃん店主が「いらっしゃい」と迎えてくれた。1秒でわかる、人当たりのいい優しい人だ。

 

店内はまだ12時台ということもあってか、近所で働くサラリーマン風の人が1人いたけど、ほぼ僕と入れ違いで退店し、そのあとは終始僕1人の空間となった。

 

純喫茶ランチ1

さて、ランチだ。ご飯を食べたいのだ。どんなフードメニューがあるのだろう…。

店外にインドカレーと書いてあったよな。インドカレーのお店と密接な関係がありそうにも関わらず、2階の照明は消えていた。ということは、ワンチャンこのお店でインドカレーを提供している可能性もあるのではなかろうか…?

 

僕はおじいちゃんに「店外にカレーと書かれていましたが、あれは…?」と聞いてみた。

どうやら2階のお店は奥さんが営んでいたそうだが、3・4年程前に奥さんが亡くなり閉店してしまったそうだ。カレーもそれまではこのお店でも出していたそうだが、それもできなくなってしまったらしい。

寂しそうに「すみませんね…」というおじいちゃんに対し、むしろこっちが申し訳ない気持ちになった。

 

純喫茶ランチ2

メニューを見るとサンドイッチがあったのでそれをオーダー。おじいちゃんが「焼きサンドイッチになるけど、いい?」って聞いてくる。全然OKだ。"焼きサンド"っていう言い方、あまり耳にしたことないけど。楽しみ。

 

あとはブレンドコーヒーだな。いろんな専門店だけあっていろんな種類があるけど、まずはブレンドだ。

壁にも『美容と健康のため毎日美味しい珈琲をのみましょう』と書かれているしな。僕もそれを日々実践している。なので美容も健康も維持できているつもりだ。

『当店では女性の方のみ■■■■サービスしております』と、何か塗りつぶしてあるのが時代を反映しているね。今のご時世、性別で対応を変えるのはちょっとアレだもんね…。

 

純喫茶ランチ3

おじいちゃんはカウンターの奥で丁寧に調理をし、まずはサンドイッチが出てきた。いい焼き色だ。芳ばしいトーストの香りが好きだよ、僕は。紙ナプキンをこれでもかってくらいに広げてあるのも、またいいじゃない。

 

純喫茶ランチ4

中身はハムとキュウリだ。

実は壁のメニュー表を見ると焼サンド風トーストというメニューにはハムトースト・玉子トースト・野菜トーストの3種があった。オーダーをするときにおじいちゃんは「3種のうちの何にする?」みたいに聞いてこなかったので、僕はおじいちゃんの作るものに任せていた。

結果として、これはきっとハムトーストなのだろう。シンプルだけども大層うまい。

 

純喫茶ランチ5

そしてコーヒーも出てきた。かなり濃厚で、そして酸味の効いたタイプ。

いいねぇ、普段は深入りで酸味抑えめのコーヒーを好み僕だが、たまに気分転換にこういうのを飲むとスカッとする。

 

モーニングもやっていて、550円でコーヒー・トースト・サラダ・玉子がつくんだって。なんてお得なのだろう。しかも11時までモーニングタイムだというから、かなり対象時間が長いぞ。

 

 

55年間お店を営むおじいちゃん

 

残ったコーヒーをゆっくり飲みながら、おじいちゃんと話した。

1人で福井県を旅しており、さっきまでは恐竜博物館を楽しんだこと、このあとは福井駅の恐竜を見てから海岸線を福井県の北端から西端に向かって走る予定であることを伝えた。

そのあとのことはわからん。滋賀県とか岐阜県とか行くかも。

 

歴史ある店内1

旅をしながら、こういう純喫茶に入るのが好きなことも話した。そういえば今朝も結構年季の入った純喫茶でモーニングを食べたのだ。そこも最高の雰囲気であった。

 

おじいちゃんは、「好きなことを追求するのは素晴らしいことだ。自分もコーヒーが好きで、その道を追求した。で、それを仕事にしたいと思って会社を退職してこのお店を始めた。もう55年ほど前の話で、自分が30代前半だった頃だよ…。」と語った。1970年創業らしい。

 

そうなのか、今は80代のおじいちゃん。50年以上前からこのお店を営んでいたのか…。もう、今とは町の様子もずいぶん違うのだろうけど、このお店は変わらずここにあったのだな…。

 

歴史ある店内2

僕は「店内は、やっぱ創業時から変わったりしているのですか?」と尋ねた。おじいちゃんは「いや、ほぼ当時のままだよ」と答えた。

そうなのか、半世紀以上の歴史が染み付いたお店なのか…!僕はおじいちゃんにお願いし、店内の写真を何枚か撮影させてもらった。おじいちゃんは「古いだけのお店だけども、どうぞどうぞ」と優しく微笑んでくれた。

 

これがいいのよ。傘の付いた照明、金属の一本足のレトロなイス、コーヒーが染み込んだかのように黒光りする壁…。それらが相まって、一朝一夕では醸し出せない雰囲気を演出している。

なんだか天井が一部崩壊しているような気もするけど、気にしない気にしない…。

 

歴史ある店内3

僕は好きなことを仕事にはできないタイプの人間だ。

仕事にするからには儲けを考えたい。そうなると心から楽しめなくなるかもしれない。…であるなら、好きなことはあくまで趣味としたい。100%の力でエンジョイしたい。というわけで、僕の最大の趣味であるドライブは、今後も趣味としておきたいのだ。

 

それであれば、僕だって55年間ドライブを趣味とできる自信がある。

まぁ免許取得からの55年後の未来、運転できるだけの判断力があるのか、免許返納した方がいいのか…って問題はあるけども、精神はずっとドライブ好きのままさ、きっと。

 

歴史ある店内4

若かりし頃からのおじいちゃんの夢が詰まった喫茶店。55年もの夢が今も続く喫茶店。そんなお店にフラリと入れたことは、この上ない幸せだ。これからも無理なく末永く営業してほしいものだな…。

おじいちゃんにお礼を言い、退店する。おじいちゃんは優しく「気をつけて旅を楽しんでね」と送り出してくれた。

 

ごちそうさまでした

もう一度お店を振り返る。

ご夫婦で肩を並べて長年営んできた2つの店舗。おじいちゃんの話を聞いた後では、また違った気持ちで眺めることができた。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 珈琲所
  • 住所: 福井県福井市順化1-12-7
  • 料金: ブレンドコーヒー¥400他
  • 駐車場: なし。付近のコインパーキングを使用のこと。
  • 時間: 7:00~17:00(日曜定休)

 

No.504【千葉県】自販機小屋「オートパーラーシオヤ」!レトロ自販機のそばがうまいぞ!

ここ数年のレトロブーム到来で各メディアに取り上げられ、どんどん知名度を上げているレトロ自販機。

僕自身はこの自販機が”レトロ”ではなかった時代を知らない。とはいえレトロブームによって知ったわけでもなく、その隙間の、あんまりみんなが興味を持っていなかった時代に興味を持ち始めたってのが実情だ。

 

 

そのレトロ自販機との記念すべき最初の出会いは2011年、「オートパーラーシオヤ」という小さなドライブインであった。ドライブインと呼んでいいのか自販機小屋と呼んでいいのか微妙なレベルのような気もするけども、ここが間違いなく僕の原点のレトロ自販機スポットである。

 

じゃあ、今回はこのスポットについて執筆していこうか。

 

 

2011年の初回訪問

暗闇のドライブインと麺類自販機

 

日が最も短い時期、僕は友人たちと千葉県北部をドライブしていた。僕のプロデュースのもとでちょっとマイナーなスポットを中心に巡っていたのだが、その最後に選んだのが、オートパーラーシオヤであった。

 

デビュー戦1

木々の多い静かな暗闇の道沿いにポッカリ出てきた黄色いドライブイン。時刻は18時なのだが、なんだかもう深夜のように錯覚するほどに静かな雰囲気だった。

 

この外観、どうやら数ヶ月前までは渋いベージュの小屋だったそうだが、最近ド派手な黄色に塗り替えたそうだ。個人的にはレトロ感ほとばしるベージュバージョンも見てみたかったが、黄色もセンセーショナルでいいんじゃないかと思う。

 

デビュー戦2

これが店内の全容だ。ここはたぶんリニューアルされる前からのテイストを保持しているのだろうな。なるほど、こういう世界があったのか。飾りっ気のない自販機小屋に、僕はちょっとカルチャーショックを受けた。

だがなんだろう、この闇の中でくつろげる空間は。僕ら以外にお客さんが誰もいなかったこともあり、とても居心地よく感じたのだ。

 

デビュー戦3

イス1つとっても、この経年具合が最高なのだ。いろんな歴史が刻まれてきたのだろう。

 

僕は考える。

今年である2011年は東日本大震災が発生し、東北を中心に多くの人の生活や設備・施設などが破壊されてしまった。当たり前にあったものが、そうではなくなってしまった。

今まであまり意識していなかったが、滅びてなくなってしまう文化もあるのだ。そうなってしまいそうなものを今のうちに追いかけるべきなのではなかろうか…。

 

デビュー戦4

このときから見て未来の2025年を生きる僕だから言えることなのだが、確かに東日本大震災は僕のドライブの方向性を変えたし、このときのオートパーラーシオヤも同じく僕を変えた。

 

僕は朽ちていくものの魅力に取りつかれ、廃墟や廃村巡りに精を出す。3・4年するとちょっと落ち着き、純喫茶・激渋食堂・激渋旅館などのレトロ好きになるんだけどね。レトロ自販機も「ほかにどんなところがあるのだろう?」と思い、全国すべてのスポットを巡ったしな。

のめりこむとすごいの、僕。

 

デビュー戦5

で、これがお目当てのレトロ自販機だ。昭和時代の産物であり、ここからアツアツのうどんやそばが出てくるギミックだ。

 

ちなみに右のほうに手が写っているが、これはそばが出てくるまでのカウントダウンをしている友人の手。僕らみんなレトロ自販機を見るのは初めてだから、否が応でもテンション上がるよね。

 

デビュー戦6

メニューボタンを押して20秒弱。秒読み表示がゼロになると、取り出し口から「ガシャン!」とそばが半分顔を覗かせた。

大きめのてんぷらも乗っている。僕らは大喜びだ。ちゃんと管理人さんが作ってくれたてんぷらがあらかじめセットされているのだ。たった300円で手作りのうどんそばが食べられる自販機、ありがたい。

 

デビュー戦7

これが、友人の選んだてんぷらそばだ。写真撮らせてもっらった。大きなかき揚げ、そこから染み出した油がダシに溶け込み、うまそうじゃないか。

 

僕は天ぷらうどんにしよう。この1台の自販機で、うどんかそばか選択できるのだ。

…が、ごめん。このときうどんの写真は撮らなかった。ぷりぷりの太麺でうまかったのだがね。気になるならあなた自身でWeb検索してほしい…。

 

 

自販機バーガーとその他の自販機

 

ここにはもう1つレトロ自販機がある。それがハンバーガー自販機だ。これも昭和時代から平成の初期にかけてのアンティークものだそうだよ。

 

自販機バーガー1

見た目はなんだか新しいそうなデザイン。それだけしっかり管理されているってことかな?

メニューはハンバーガーとチーズバーガーであり、どちらも250円だ。…であれば、チーズが入っているほうがお得に感じてしまうよね?チーズバーガーを選択する。

 

自販機バーガー2

ハンバーガーは自販機内でおよそ60秒加熱されたあとに、紙箱に入って登場するシステム。箱越しに感じる温かみが、冬の日にうれしいじゃないか。

 

自販機バーガー3

これがチーズバーガー。僕は後年日本中の自販機バーガーを巡ることになるが、このお店のバーガーがトップクラスにかたちが整っていたな。他店では結構かたちがグニャってなってしまうことが多いので。ゴマが多いのもいいねぇ。

外注で作っているのだろうか?それとも自社だろうか?箱のシールを見たところたぶん後者。

 

自販機バーガー4

厚みのあるパティに、トロトロに溶けたチーズ。そして主張しすぎない程度にケチャップ。これ夜に食べるとマジでたまらんよね。

内臓電子レンジで温められたせいかバンズは少しパサつきを感じるが、あまり気にならないレベルだ。うまくて秒で食べ終わった。

 

その他の自販機1

では、食後にその他の自販機も軽く見てみよう。

これはボンカレー自販機。とんでもなくレアなものだが、ここのは非稼働だ。現役で稼働しているのは2011年時点では徳島県の「コインスナック御所24」の1箇所のみだ。だから僕はその後、徳島県に向かうこととなる。

2025年現在は、神奈川県の「中古タイヤ市場 相模原店」というレトロ自販機の聖地にもあるよ。

 

その他の自販機2

年季が入りすぎて、商品ボタンに何が書かれていたのか見えない。今はボタンそのものにマジックで『中止』って書かれているけどな。

ボタンに書いてしまうってことは、もうこの自販機を復活させる意思はないのかな…?過去の販売状況についてWeb検索してみたが、稼働していたころの情報は見つけ出すことができなかった。ずいぶん前から故障しているのかも。

 

その他の自販機3

ここが取り出し口。どうやらご飯のパックとボンカレーのレトルトパックが1セットで出てきて、自分自身でご飯の上にカレーをかけるスタイルだったらしい。

取出口をよく見るとマジックでお金を入れないと蓋は開かないという旨が書かれている。えっ、そんな仕組みだったのか。わざわざこの取出し口にそんな機能を搭載していたのか。すげー…。

 

その他の自販機4

他にもレトロなお弁当自販機がある。すでにこれを稼働させているのは国内で片手にも満たないほどに貴重なものだ。これまらた販売中止と書かれている。復活の見込みは極めて薄いであろう…。

 

その他の自販機5

お菓子などが売られていたというレトロな汎用自販機も、故障して修理不可となり非稼働となってしまったそうだ。

改めて僕は思う。今稼働しているレトロ自販機があること自体が奇跡なのだと。だからこそ、急いで巡らないといけないのだと。

 

 

2回目の訪問、春のある日

 

前章に対しあまり得新しい情報はないが、2回目に訪問したときのことも軽く触れておこう。

仲間内にレトロ自販機の存在を広め、この世から消滅してしまうのを少しでも遅らせるためのドライブをしたときのものだ。千葉や茨城に数店舗残るレトロ自販機保有店を一気に巡るドライブをしたのだ。

 

再訪1

明るい時間にお店の外観を見たのはこれが初めてなのだが、前回と違う点がある。

それは入口のドアの上に白い看板が設置されたということだ。前回は看板がなかったので存在を知っていないとそこがシオヤだと気づくことができなかった。だが今回のこれでお店をアピールできるようになったね。

 

再訪2

これは前回撮影し忘れた、レトロなドリンク自販機。原色のみで構成されたパネルがいかにも昭和って感じがする。たぶん紙コップのコーヒーなどが出てくるタイプなんだけども、これも販売停止で真相は不明だ。

 

再訪3

非稼働のお弁当自販機、今回は『販・売・停・止』の芸術的な四連にフォーカスした写真を撮ってみたよ。

あとは、本来お弁当のディスプレイが展示される部分にある『バカンス気分でのんびりいこうよ』の犬の写真が気になる。なにこれ?かつてのお弁当のパッケージ?AIに判定してもらったが、ここシオヤ以外では使用された形跡のないデザインだ。このお店オリジナルのものだろう。

 

再訪4

前回、故障で修理できないので販売停止の旨が書かれていた汎用自販機。カレンダーは更新されている。もう自販機ではなくってカレンダーを貼るための物体となっているようだ。

 

再訪5

この自販機の、お金を入れた後の商品選択ボタンがまた渋いではないか。

ここにランプでもつくのだろうか?古びたブリキのロボットのようなこの筐体にランプが灯る日が来たとしたら、もうそれはファンタジーな世界観だと思う。

 

再訪6

さて、前置きが長くなったが、もちろん今回も自販機飯を食べている。

麺類自販機はまだ午前中だというのにうどんが売り切れ。従い選択肢はそばしかない。前回うどんを食べた僕としては網羅性を高めることができるので何の不満もないわけだが。

いい意味でクセのない食べやすい麺。濃い目のダシ。少しいびつで手作り感のあるかき揚げ。うまい。

 

再訪7

ハンバーガー自販機も元気に稼働している。

やはりここはチーズバーガーを選んでしまうね。アッツアツの箱には僕の仲間たちもビックリしたが、これが醍醐味。まだ世間にコンビニが普及していなかった時代に、アツアツの麺やハンバーガーを食べられる喜び。それを僕らは知らない。

 

再訪8

管理人さんによる日々の補充や管理が必要なのでコストも稼働も掛かり、コンビニの登場で一気に衰退した自販機飯。その生き残りがこれらだ。「次世代には伝えられないかもしれないこの文化を僕らが嚙み締めなければね」って仲間と言い合いながら食べた。

 

 

2025年も時は止まったまま

 

さて、最新である今年の訪問記を書きたい。まだ寒い時期に行ってきたぞ。

 

2025年1

朝日指すオートパーラーシオヤ。なんてかっこいいお店。こんなお店が令和時代に残っていてくれてうれしい。

令和時代に免許取った人とか、こういうところでドライブ中に休憩したりはなかなかしないっしょ?コンビニ使うでしょ?それはそれで正しいんだけど、だからこそ失われていく文化に着目したいんだよね、僕の場合は。

 

2025年2

まったく令和時代にこびていない店内。初回訪問との違いが全然ない。

レトロ自販機はちゃんとあるし、汎用自販機には『修理できないので販売停止』の手書き文字が貼られたままだし、お弁当自販機では犬が「のんびりしよう」的なこと言ってるし、ボンカレー自販機はボロボロで停止したままだし。

タバコは吸えるし電子マネーはないし、本当にかつてのままだ。故障中自販機に貼られたカレンダーが新しくなったくらいだ。

 

2025年3

だが麺類自販機は350円に値上げされている。そりゃそうだよな。同じままだったら逆に不安になるもん。手間暇かけて管理しているのだから、それ相応の値段設定にならないとだよな。

 

それでは朝ごはんに天ぷらそばでも食うか。この日の僕は、長い年月をかけて全国ほぼすべてのレトロ自販機を巡り、原点に戻ってきたのだ。食わねば。

 

2025年4

このそばが出てくる瞬間は、いつだって僕を童心に帰してくれるよ。

2011年、この一杯の自販機麺から僕の長い長い旅路が始まったのだ。なんて感慨深い。

 

2025年5

寒い寒い、凍えるほどの朝だったのだ。店内は空調も効いていないので寒い。そんな中でこの一杯の温かいそば。心身に染み渡るに決まっている。

 

このオートパーラーシオヤ、お店の向かいのガソリンスタンド「塩谷石油」が経営している。ガソリンスタンドの店長のお姉さんがオーナーをしているそうだ。

僕がそばを食べているとき、ちょうど1人のおばあさんが車でやってきてテーブルを拭いたりと掃除してくれていた。この方がそのオーナーさんかな…?邪魔にならないようにし、そして挨拶をさせていただいた。

 

2025年6

ちなみにね、寒い中で麺類食べるとトイレ行きたくなるよね。おばあさんに「ここってトイレありましたっけ…?」って聞くと、申し訳なさそうに無い旨を教えてくれた。

 

…ってことで、食後の僕は急いで最寄りのコンビニを目指すこととなるのだ。

コンビニ拡大前のドライブインを堪能していたのに、結局はコンビニを頼ってしまうジレンマ。まぁしょうがない。それぞれに良さはあり、それを楽しむのが人生ではなかろうかね。

 

僕はこれからもレトロ自販機を巡るであろう。

2巡目もするし、新しい店舗が誕生したらそこにも行くし。かつて訪れたお店、そして原点のシオヤが長らく営業できることを祈っているよ。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: オートパーラーシオヤ
  • 住所: 千葉県成田市猿山935-4
  • 料金: 天ぷらそ¥350他
  • 駐車場: あり
  • 時間: 24時間(ただし麺類自販機は夜間停止)

 

No.503【鳥取県】日本一大きい砂洲!?弧を描く「弓ヶ浜」で朝日を見たり公園散歩した!

鳥取県最西部をドライブする際に「弓ヶ浜」を眺めるのは、とてもいいスパイスになるよね。

米子空港」を掠めながらスイスイとほぼ直線の道が続く国道431号だが、その脇には白くて綺麗な砂浜が広がっているのだ。

 

 

実はここは日本一大きな砂洲とも言われている。
正直ここを砂洲だと意識したことすらなかったのだが、本当に砂洲なのだろうか?そしてもし砂洲だったとするならば、本当に日本一なのだろうか?

僕が複数回アプローチした記録と共にご紹介していこう。

 

 

凍えながら見た朝日

 

「弓ヶ浜展望台」。国道431号を走っているとそう名付けられた交差点がある。そこから海側に入っていくとすぐに無料駐車場があり、目の前に砂浜が広がるのだ。結論、僕は弓ヶ浜と言えばそこが一番好きだ。

 

初回訪問1

そんな弓ヶ浜であるが、かつて初回訪問したときにはどうもピンと来なかったんだけどね…。それがこのときの写真だ。梅雨時の朝だったのだ。天気は今にも雨が降りそうなほどのドロドロであった。

 

初回訪問2

ドロドロではあったが、この後目指すこととなる島根県の「美保関」が水平線の向こうに見えており、そこだけ雲が切れていてなんだか壮大な景色に感じた。

この光景を見ながら僕は、さっき買ったマクドナルドの朝マックのマフィンを食べた。

 

初回訪問3

あと、敷地内に生えている木がとんでもなく曲がっていたので驚いてマフィン落としそうになった。ここまで曲がってしまうほどに風の強い地域だということだろうか…。

 

…っていうのが初回の思い出。少し時間が流れた日本4周目、僕はここで最高の朝日を見たのだ。4月上旬の寒さで凍えながら。

 

朝日を見る1

朝の5:30の弓ヶ浜だ。僕はここからちょっと南の大山エリアで車中泊をしていたのだが、たぶん夜中は気温マイナスだった。すんごい寒かった。今も寒い。写真の右奥に見えているのが「大山」だ。良い山だよね。山陰を代表する山。

こうして震えながら朝日を待つのってすごくエモいよね。あぁ、早く出て来い太陽。

 

朝日を見る2

割とすぐ朝日出てきた。待ちわびることなく、数分ですぐに「ポンッ」って出てきた。

そうなのだ。実は逆算していたのだ。これから島根県の美保関に向かうのだが、このあたりで朝日が出るであろう、そして以前にマフィン食べながら眺めたスポットがあったよなって思い出してここに来たのだ。時間バッチリ。

 

朝日を見る3

前回はあまり気に留めなかった東屋だが、こうやって朝日と共に眺めるとなんて絵になるのだろう…。

 

ところでここは"弓ヶ浜展望台"という名前だが、どこが展望台なのだろう?この東屋が展望台なのだろうか?"台"と呼べるような人工的な設備も天然の丘も無いのだが。昔は高い展望台でもあったのだろうか…?

でも、それでも現状での海岸の展望は素晴らしいけどな。

 

朝日を見る4

空を真っ赤に染めながら太陽が昇って来る。日に照らされ、ジワッと僕の体温も上がってくるのを感じる。太陽は偉大。一気に世界が暖まるように感じるよ。

 

朝日を見る5

遥か彼方、水平線に突き出る美保関。僕は再びあそこへと向かう…!

 

 

弓ヶ浜公園を散策する

 

では次は、同じ弓ヶ浜で国道431号沿いではあるが、2kmほど南にある「弓ヶ浜公園」について少し触れてみよう。

 

弓ヶ浜公園1

日本6周目でここを訪問した。

いやぁ、ここだけの話なんだけどさ、実はここを目指してはいなかった。いつも通りの弓ヶ浜展望台に行こうとしたら勢いあまって近所のこの公園に来ちゃって「あれ?」ってなった。

 

弓ヶ浜公園2

そして園内MAPを見た。なかなか広いしスペック高くね?

「弓ヶ浜わくわくランド」と書かれたエリアがあり、そこには観覧車もあるというのだ。さすがに観覧車には乗る気はないが、駐車場も園内も無料の公園だし、今は気候のいい春だ。せっかく縁あってここにたどり着いたのだから、ちょいと散歩してみてもいいだろう。

 

弓ヶ浜公園3

でもさ、鳥取西部の方はご存じかと思うけど、観覧車なかったわ。園内MAPの看板がかなり古かったのだ。

 

実はここはかつて弓ヶ浜わくわくランドという遊園地だったそうなのだ。そして直径40mもある巨大な観覧車もあった。鳥取県では唯一の観覧車だったそうだよ。

だけども入園者の減少と老朽化の影響で、2006年に閉園してしまった。すごい過去だ。もう20年近くも過去の話だった…。

 

弓ヶ浜公園4

今は巨大な芝生広場、遊具、バスケのコートやスケボー広場などのある開放的な公園になっている。遠くからは子供たちがキャッキャする声も聞こえてきている。犬の散歩やピクニックにうってつけの公園となって第2の人生を歩んでいるようだ。

 

弓ヶ浜公園5

あ、藤棚もあった。まだ花があまり枝垂れていないけども、この先グングン成長して垂れ下がってくるのだろうな。僕は何気に藤の花が好きなのだが、ちゃんとシーズンに見たことがない。いずれ藤のスポットを訪ねてみたいものだ。

 

弓ヶ浜公園6

でも芝生公園を歩いていただけでは鳥取感を味わえないので、やっぱ海に向かおう。この公園は海に面しているので、海を目指す。つまりは弓ヶ浜を目指す。

 

弓ヶ浜公園7

あぁ、いい!!この松の木越しの日本海!日本の海って感じ!

実はこの弓ヶ浜は「日本の白砂青松100選」にも選ばれている、松林のあるスポット。かつて防風林として植えられた松が、この美しい情景を生み出しているのだ。

 

弓ヶ浜公園8

「とはいえ、ちょっと松がまばらだな…」って思って調べたところ、どうやら2011年にすさまじい大雪があり、その際に6000本近い松が被害を受けてしまったそうなのだ。それは残念…。

だが、地元の団体が再生プロジェクトを発足して頑張ってくれているそうだよ。それは嬉しい話。

 

弓ヶ浜公園9

そういえば弓ヶ浜展望台に初回訪問したときに1m丈くらいのグンニャリ曲がった松を見たよね。

ここの松も陸側に向かってやや斜めになっているし、右端の松は盛大に曲がっている。弧を描くほどに曲がる松、すごいな。風の影響でこんなにも曲がっちまうもんなんだな。

 

弓ヶ浜公園10

このゾーン、とんでもない。手前から奥に向かって、アーチみたいに曲がった松が連なっている。

誕生日の人は、このアーチを奥の方から手前に向かって登場すればいいと思う。祝福されている気分になれるだろうから。

 

 

この半島は巨大砂洲なのか

 

弓ヶ浜は、弓ヶ浜半島の一部である。そしてこの弓ヶ浜半島は日本一巨大な砂洲であるという。その規模は、幅4km・長さ17kmにも及ぶ。

そうだったのか。僕は近年まで日本最大の砂洲は北海道の「野付半島」かなって思っていたので驚いた。

 

 

僕も複数回訪問しているが、上記が野付半島だ。すさまじく長いぞ。

砂洲とは砂が堆積して形成される細長い土地のこと。野付半島も有名だが、日本三景の1つである京都の「天橋立」が日本で一番有名な砂洲かなって思う。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

天橋立については以下のリンクで執筆しているので、よかったら覗いてみてほしい。

 

しかし、こう見ると弓ヶ浜半島は非常にマッチョであり、本当に100%まじりっけのない砂洲なのか気になる。ちょいとGoogleマップから引きの地図を持ってくるね。

 

 

こんな感じ。日本海と中海とを隔てており、山陰地方を描く上では外せないパーツと言っても過言ではないだろう。これが日本最大の砂洲だ。

 

…が、やっぱ調べてわかったんだけども、100%砂洲ではなかったようだね。もともと陸地があり、そこに砂が堆積して弓ヶ浜半島を形成したのだ。半島の東側が砂洲であり、中海側は完全な砂洲じゃない。弓ヶ浜半島の砂洲には"芯"があったのだ。

 

直近でのアプローチ1

じゃあ砂洲の定義って何だろう。

例えば千葉県の「九十九里浜」も土砂が堆積してできているが、じゃあ房総半島は砂洲なのか?それはちょっと違う。

でも、こういうことにあんまり首を突っ込みすぎると、夜に鳥取の人に襲撃されて弓ヶ浜に埋められるかもしれないのでやめておこうか。

 

直近でのアプローチ2

その名の通り、弓のように弧を描く形状の砂浜、弓ヶ浜。長い年月をかけて砂が堆積したことによって形成される、美しい浜辺だ。

僕はその後もここを訪れ、美保関や大山を眺めている。この直近でのアプローチのときの天気は最高だったな。ちょっと最後にそのときの写真を放出しよう。

 

直近でのアプローチ3

山陰のシンボルである大山もしっかり見えた。春なので山頂部分はまだ雪がうっすらと残っていた。雪があると、より雄大に見える。

 

直近でのアプローチ4

今回は"弓ヶ浜"という地名にフォーカスして執筆したけど、弓ヶ浜展望台の3kmほど北には「和田浜展望台」もあるし、半島の北端付近には「夢みなとタワー」っていうすごいタワーもある。

半島を満喫したいなら、これらも巡って見るといいと思うよ。

 

直近でのアプローチ5

じゃ、いつものように島根県との県境を目指しますか…。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 弓ヶ浜展望台
  • 住所: 鳥取県米子市富益町弓ケ浜展望台
  • 料金: 無料
  • 駐車場: あり
  • 時間: 特になし

 

No.502【秋田県】完璧な滝と言われる「安の滝」!!山の奥深くまでそれを見に登山するぞ!

秋田県の山奥にすんごい滝があるという。

なんと名瀑ばかりが名を連ねる「日本の滝百選」で第2位に選ばれているのだそうだ。誰がいつどう選んで2位なのかは調べてもわからなかったが、2位はすごい。その滝の名は「安(やす)の滝」というそうだ。

 

ちなみに1位は富山県の「称名滝」だそうで、それはもう納得感しかない。だけども安の滝も滝マニアの中では「この滝が最強だろ…!」みたいに言われているそうなのだ。

芸術に点数や順位をつけるのって難しいよね。僕もよくわからないけども、とりあえずこの目で見たくって安の滝を訪問したのさ。

 

 

結果、すごく良かったぞ…!

明確な順位はつけられないが、僕が見てきた数々の滝の中でTOP5には入るんじゃないかと思う。

では、今回はそんな安の滝を攻略した日本6周目序盤の夏の話をしようか。もう夏前からずーっと暑いもんな。清涼感のある景勝地の話をしなくっちゃ。

 

 

マタギの里には木彫りじいちゃんがいた

 

まずはな、この安の滝の場所を確認してくれ。

 

 

ヤベーぞ、周囲に緑しかねぇ。野性味あふれる立地だ。しかしだからこそ、その自然に貌まれた景観が僕らに癒しを与えてくれるってことだ。到達した際のカタルシスは甚大なものに違いないぞ。

 

安の滝の東側には国道341号があり位置的にはこっちの方が近く見えるが、西側の国道105号からのアプローチとなる。東側からだと山脈が立ちはだかっており車道なんて無いので無理。

 

国道105号1

国道105号、快晴の夏の日にドライブすると最高なのだ。信号もないし交通量も少ないし道はストレートが多いし、空気は澄んで緑は綺麗。まるで北海道のようだろ?

この道をドライブするのが昔から好きなのだよ、僕は。

 

国道105号2

そうそう、このタイミングで行っておくけどな、安の滝攻略には十分な時間を確保してから行くと良いよ。

山奥のドン詰まりに存在するから、このあと登場する「道の駅あに」を拠点として往復で半日くらい見ておくといい。もし沿岸部の秋田市などを拠点とするならば丸1日くらい確保がオススメだ。そのくらいに山奥なのだ。

 

マタギの里1

で、その道の駅あにである。山深いここはマタギという猟師さんが古くからいる地。

このすぐ近くから国道を反れてゴチゴチの山道に入っていくので、この道の駅で往復共に休憩しておくことを強く推奨する。

 

マタギの里2

ここでは前回となる日本5周目に、木彫りのじいちゃんと話し込んだ場所だな。

施設内のホールの片隅で営業していた木彫りのじいちゃんは、東北にやたら詳しかった。男鹿半島の何がうまいだとかのマイナー情報やか、十文字ラーメンの情報だとか、「白神山地」のどこそこがいいだの、「尻屋崎」の景観が最高だの、津軽がどーのこーの。

 

僕もそれらの情報は全部わかり、むしろじいちゃんより詳しいくらいなのでうまく返答していたら「キミは相当に物を知っていなぁ!そして、旅の魅力も危険性も熟知している!キミは物事を理解している!そんな人間、滅多にいない!」とか言われ、40分くらい話し込んだんだったよな。

 

マタギの里3

そのとき同行していた妻には「安心してに彼に着いていきなさい。彼といれば絶対に間違いはないから。」って言っていた。…そうなの?全国をプラプラしているだけで、人生を任せられる器って言えるの?まぁいいけど。

それと、「ここからずーっと山奥に安の滝がある。だけども今は行くなよ。春の間は雪が残る。先日も女子のライダー3人組に忠告したのに…」みたいな怖い話もしてきた。

 

あと、このときじいちゃんは40分で木工細工をカンナで2・3往復させただけだけど、そんなペースで大丈夫なのかなって心配になった。随分仕事の手を止めちゃった。

 

…ずいぶん余談が長くなっちゃったけど、そんな思い出を持つ道の駅だ。

あのときは忠告通り安の滝には行かなかった。こうして少し年月の流れた今回、日本6周目の夏に来た。

 

深部へ…!

看板の最下部を見てくれ。道の駅のすぐ脇から県道308号でまずは18km走るぞ。

では山奥へGO!!

 

 

未舗装路の上に狭路が18km続く…!

 

県道308号、それは安の滝に行くためだけに存在する道路だ。…と言ったら怒られるかもしれないけど。「阿仁マタギ駅」もあるし「くまくま園」もあるからね。

 

県道308号1

でも、ワイルドな道なのだ。普通の人なら「この道を突き進んで大丈夫なのかな?」って思うレベルだ。僕も夜だったらこんな道、あんまり走りたくない。対向車ゼロだからいいけど、ガンガン来たら肝を冷やしそうだし。

こんな道を18kmだ。メンタルしっかり保てよ。だから道の駅でしっかり事前休憩を取っておけと言ったのだ。

 

県道308号2

左の標柱に『安の滝入口 5.0km』と書かれている。

ここが1つの世界の分かれ目だ。前方の道を見ていただきたいのだが、道路の舗装が無くなるのだ。つまりはこの先はダートだ。気合入れていくぜ。

 

未舗装路1

わぁ、狭い狭い!ここいらになるともう県道308号も終点を過ぎているのだろうな。県道の延長線上だから道に迷うことは無いけれども。

現状のGoogleマップを見ても車道すら存在しないが、「打当川」沿いの道だ。信じて突き進め。

 

未舗装路2

うぉぉ、夏草夏草!!草がすげぇ元気。砂利の粒も大きくなってきて、車体がハデにガタガタ揺れる。

まだか。駐車場はまだか。未舗装路の走行経験のある方は同意いただけると思うが、5kmって相当長く感じるんだよね…。

 

未舗装路3

突き当りの駐車場に到着する5分ほど前なんだけど、目の前に一筋の水流が見えたので車を停めた。赤丸の部分だ。おぉ、あれはまさか…!!

ちょっとズームしてみるぞ…!!

 

未舗装路4

 

うおぉぉ、見えた!!あれが安の滝!!

 

僕はこの後あそこまで行くのだ。結構高低差もありそうだな。だけどもゴールが見えたことで俄然やる気がわいてきた。待ってろ滝ッ!

 

駐車場1

こうして道の終点にある駐車場に到着した。道の駅からの18kmにかかった時間は40分であった。平均時速30km弱ってところか。うん、そんなもんだよね。

駐車場には先客の車が2台停まっていた。

 

駐車場2

ここには綺麗なトイレもある。ありがたいね。

で、看板を見ていただきたいのだが、安の滝まではここから山道を徒歩で45分だ。つまりは道の駅を拠点と考えると「車40分+徒歩45分=85分」。往復で2倍して170分であり、仮に滝を30分眺めたら200分(3.3時間)だ。

実際は、下山スピードは行きに比べて早くなるだろうけども、さっき「道の駅から滝までの往復で半日ほど」って書いた理由がこれでわかったよね。

 

僕がこの駐車場に到着したのは11:50。そこから5分で身支度をした。

じゃ、行くか!

 

 

完全無欠と呼ばれる滝を目指して登山

清流のせせらぎを聞き森林浴をしながら

 

まずは駐車場にあったMAPを掲載しておこう。

 

MAP

中ノ又渓谷最奥部を行くルート。うーん、でもシンプルすぎてよくわからん。とりあえず川沿いにまっ直ぐに突き進めっていうメッセージはしかと受け止めた。

あと、クマ出没注意の看板もあった。秋田県の山って結構クマいるよね。だからこそマタギもいるって感じだよね。クマ怖いが、1人で騒ぎながら行こう。ここに人間がいるとアピールしながら歩こう。

 

11:55、歩行開始。

 

登山路1

すぐに深い森の中へといざなわれた。風で木々の揺れる音が心地よい。心身がデトックスされるのを感じる道だ。あまり高低差も無いのでサクサク進む。

 

登山路2

11:58、歩き出して3分ほどで少し視界が開けて綺麗な沢が姿を現した。

森の中の清流、爽やかでいいなぁ…。どうよ、この青空と濃い緑、そして川の流れ。人生にはこういうのを眺める時間が必要だったのだと痛感する。

 

登山路3

12:05、川のすぐ脇を歩いてくルートとなった。手の届くところに清流がある。まだ高低差はあまりなくって鼻歌を歌いながら行けるレベルだ。川のせせらぎが耳に心地よい。

 

登山路4

これは同じエリアを帰り道に撮影したものだ。

やや劣化しているものの、ちゃんとアスファルトで固めてくれているのもありがたいよね。もちろん登山靴が望ましいが、雨あがりとかでない限りはスニーカーでも行ける工程だ。

 

登山路5

12:08、つまりは歩き始めて13分で、安の滝まで800mとの標柱が出てきた。

どうやら駐車場から滝までの距離は2kmだそうなので、すでに半分以上の距離を稼いだっぽい。

 

登山路6

12:13、安の滝まで400mの看板を過ぎて少し階段を登っていると、茂みの向こうに安の滝が見えてきた。安の滝って2段に分かれている滝なんだけど、あれは上段の方だな。写真ではわかりづらいが、そこそこ見上げるようなアングルだ。

 

そこから階段が続くが、整備されていて歩きやすいし、ヘロヘロになるようなレベルでもない。程よい疲れと共に、僕は安の滝の目の前へと到着した。

 

 

そして辿り着いた、念願の安の滝

 

12:21、安の滝に到着。歩行時間は26分だった。

2kmの道のりって、平坦な道を普通の人が歩いても30分ほどだという。山道にもかかわらず26分で辿り着いたのは、それだけ僕のペースが早かったってことだな。だから歩きなれていな人はあまり参考にしない方がいいかも。

僕は山歩きが結構早いのだ。慣れてないけど、普通の人のタイムの倍くらいなことも結構あるくらいなのだ。

 

安の滝1

そんな御託はさておき、これが安の滝だ!

落差は90mあり、上段の滝が60m・下段の滝が30mだ。遥かに見上げる高さから落ちて来る真夏の水流。なんだこれ。本当にすごいぞ。泣きそうだぞ。今まで数々の滝を眺めてきた僕だが、この滝には心底震えた。

 

安の滝2

先ほどは滝に近づいて滝壺まで見える構図で撮影したが、少し引くとこんな感じである。

階段を登った丘は少し開けてベンチもあり、そこから滝全体を臨むことができるのだ。引きで見ることにより、上段の滝がかなり見えるようになっているよね。

 

安の滝3

昔、ある人に聞いたことがある。

安の滝がなぜ素晴らしいか。それは、豪快さと繊細さ・静と動・剛と柔などの対極する特徴を同時に兼ね備えているという特異な滝だから、だと。

 

そう言われるとすごく納得する。力強くて美しいよ、この滝は…。神懸かり的にカンペキすぎるステータスだよ…。当時の手記に僕は『この人生でこの滝を見れて、本当に良かった。』とまで書いている。

 

安の滝4

だかしかし!僕は飛び跳ねて喜んでいたが、1つ大きな宿題を生んでしまった。2025年現在も、僕はすごく後悔をしている。

それは何かというと、上段の滝の滝壺に行かなかったということだ。下段の滝の目の前まで入ったが、まだ続きの道があるのだ。あと15分登ることで、上段と下段の滝の中間地点まで行くことができたのだ。

 

安の滝5

すごく華麗な雰囲気の上段の滝。ストレートに力強い下段の滝に比べ、真に芸術点の高いのは上段の滝であろう。もう少し上れば、この上段の滝の全容がしっかりと眺められたのに…!

 

なぜ登らなかったのか、正直思い出すことができない。

僕は常人の3倍くらいのスケジュールでドライブをするので、この日も「八幡平」を走りつくしてここまで来たり、このあと男鹿半島を一周してさらに日本海側を南下したりと、たった1日でアホみたいに20箇所くらいを観光している。だから時間が惜しかったのか?

いや、違う。念願の安の滝だもん。またいつ来れるか分からないから、片道15分くらい突っ走ったはずだ。

 

安の滝6

では上段の滝の前まで行けることを知らなかったのか?その可能性もあったかと思うが、上の写真の通り道半ばまでどうやら歩いて写真を撮ったようなのだ。

うーむ、ドライブの情報量が多すぎて記憶がうやむやだ。

 

…考えたところで答えは出ないし、出たからといってどうにもできない。事実として上段の滝の前までは行っていないんだから。

それはそれでいい。いつかの次回への宿題だ。またいつか安の滝に行こう。そのときは、絶景だという紅葉の時期がいいかもな。

 

雪のために5月末から11月中旬までという、1年の半分以下の期間しか到達できない絶景の滝。また会えることを楽しみにしている。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 安の滝
  • 住所: 秋田県北秋田市阿仁打当
  • 料金: 無料
  • 駐車場: あり(ただしそこから徒歩40分)
  • 時間: 特になし(11月中旬~5月下旬まで雪のため閉鎖)