中からアツアツのうどんやそばが出てくるレトロ自販機。
もう令和の現代では残存数は少ないものの、全国で数10の稼働筐体があり、ドライブインや商店などでひっそりと動いている。
だがな、四国には本格手打ちうどん屋さんの店頭にこれが置いてあるスポットがあるのだ。自販機うどんに使われているのは、まさに店内で打った本格うどん。
ただでさえうどん王国四国において、これは至高ですぞ。期待爆上がりですぞ。

お店の名前は「麺処かねか」。
僕は日本6周目と7周目においてこのお店を訪問し、うち1回は自販機から、そして1回は店内でちゃんと食べた。その思い出を書こう。
レトロ自販機から出てくる絶品うどん
まずは日本6周目序盤である今から数年前のお話。レトロ自販機だけを活用したときのことだ。
吉野川沿い、のどかな山々を眺めながらドライブしているとそのお店は出てくる。

うどん専門店。ご覧の通り、その脇の軒下にレトロ麺類自販機が設置されている。
他に車が数台停まっているので店舗も営業中なのだろうが、僕の興味はレトロ自販機なのである。店舗内で食事をするのは、またいつか別の機会にさせていただこう。

これがレトロ自販機だ。パネル右上部分には『手打ちきつねうどん』と書かれたオリジナルのボードが貼り付けられている。
メニューは2種類あり、天ぷらうどんときつねうどんで、どっちも300円だ。
あ、ここであなたに注意点だ。
この自販機が稼働するのは明確には定まっていないが、大体16:00~である。なぜならそれまでの時間は店舗が営業しているので、そっちで食べてもらいたいというお店側の意図だ。
このときは11:00過ぎで店舗も営業していたので、僕の訪問後に上記のスタンスに変更されたのだろうね。…ってことで留意しておいたほうがいいぞ。

きつねうどんにした。パネルに『手打ちきつねうどん』と書かれていたので、じゃあファーストコンタクトはきつねだろう、ってなったのよ。
自販機からうどん登場。取り出して見るとうまそうなうどんがのたうち回っていて、きつねは見えない。あとで掘り出そう。
あと、うどんが出来上がると同時に足元に不吉の象徴がヌルリとやってきたよ。クロネコ。なんだ、食べたいのか?あげないけどね。

店頭には座って食べられるようなテーブルやイスがないようだ。しかもタイミング悪く小雨がパラパラ降ってきてしまったので、車の中で食べることにした。
いやぁ、しかし見てよこのボリューム。ダシの入る隙間がないくらいにミッチリと麺がひしめいている。さらにはこの麺線。美しいじゃないか。さすがうどん職人の一品。

油揚げを掘り起こした。ふんわりと厚みのある油揚げだ。じゃあ食べよう。
麺はマジ最高すぎる。しっかりした噛み応えの麺がギッチリ。ここは徳島県なので"さぬきうどん"とは形容できないよね?さぬきうどんにはそれを名乗る場合の厳格な基準があるし。
だが、間違いなくうどん大国である四国のこだわりぬかれたクオリティだ。
さらにはその麺をダシが優しくサポートしてくれていて、スーッとノンストレスで胃に入る。うまい、うまいぞ!
ここから先の旅路への英気、確かに養えたぜ!
店内で最高の釜たまうどんを
日本7周目を走る2025年初頭、再び僕は麺処かねかにやってきた。

結構寒いけども綺麗に晴れ渡ったいい空だね。うどん日和。
今は日中の時間帯。前述の通りこの時間はお店が営業しており、レトロ自販機は休止している時間だ。だから今回のターゲットは店内の方なんだよ。お店の方でも1回食べてみたいじゃない、本場のうどん。

メニューはこんな感じだ。店内に入ると同時に注文カウンターでオーダーする形式なので、スマートに一瞬で決めたいところだな。
うむ、じゃあ釜たまうどんにしようかな。サイズは僕の場合は「小」で充分だろう。410円。

大体こういうセルフ形式のお店はうどんメニューとそのサイズを口頭でオーダーし、あとは自分でトレー持って行って注文カウンターで受け取る形式。
だけどもお店ごとにルール違っていたりするから、初めてのお店はプライドなんて持たずにどうすりゃいいのか素直に聞くとよいと思う。
釜たまはまだ茹で上がりまで少々時間がかかるので、最初に天ぷら等のサイドメニューを要望する場合はそれを取り、うどん分もまとめて会計した後に席で待っててほしいと言われた。
天ぷら食うか。大好きなちくわの磯部揚げだ。前回は自販機できつねうどんを選び、天ぷらを食べられなかったので、その分の天ぷらをここで食うのだ。

お店の座席は、カウンター席・テーブル席、そして小上がりの3種類がある。
僕の訪問時は地元の人が入れ代わり立ち代わり来ていて、主にテーブル席やカウンター席が埋まっていたが、一部小上がりも使われていた。
ただ、四国のうどん屋の特徴なのだがササッと食べて10分弱で去っていく人が多い。なので小上がり利用者は少数派かもしれないね。何名かでゆっくり小上がりで食べるのも、いつかやってみたい気もするけどね。

僕はカウンター席だ。1人ずつパーテーションで区切られていて、集中できる席だ。
釜たまが茹で上がったそうで注文カウンターから呼ばれたので取りに行った。薬味ネギとか揚げ玉を自由に入れられたような気もしたが、そのまま席に戻ってきてしまったのでまぁいいや。

釜たまうどんは、釜あげうどんに生玉子をトッピングしたものだ。
釜あげうどんとは、釜で茹でたままの状態で、冷水で締めていないうどん。なので冷水で締めたときのようなガッチリしたコシとかはなく、全体的にマイルドで麺の方面にもぬめりがある。
この釜あげしたてのアッツアツうどんにちょっとだけ醤油を垂らし、生玉子と混ぜるとうまいのだ。玉子かけご飯の要領だ。

あぁ、やっぱ手打ち麺は違うわ。茹でたても違うわ。
そりゃ前回の自販機麺もうまいけどさ、味とか喉ごしとかだけでみれば店内のものは別次元だ。それでも僕が自販機麺を愛するのは、興味に対するベクトルが全然違うからなんだよな。どっちも最高。
あ、ちくわの磯部揚げもうまかった。期待通りの味だった。
そんな感じで猛スピードでうどんを食べ、颯爽をお店を後にした。
吉野川に面し、レトロ自販機を続けるお店
最後におまけ的なテイストで、お店について語ろうと思う。写真ソースは前章の日本7周目のものだ。

吉野川沿いを走る国道192号沿いに建つ麺処かねか。僕もね、この吉野川沿いのドライブルートは以前から結構好きだ。
さぞかしお店からは川の眺めも良かろう…と思いきや、店内からは全く見えない。お店の前の国道の反対側、川のすぐ手前まで行ってもあんまり見えない。

数100mずれると上の写真みたいに見えるんだけどね。
しかしGoogleマップを見るとお店の目の前、吉野川との間に「ゴジラ岩」というスポット名がある。全国にゴジラ岩という名称のスポットはパラパラあるが、ここにもゴジラがあるとは日本7周目までノーマークであった。
いったいどんな岩なのだろうか…?

全ッ然ピンと来なかった。
おそらくはこの岩がゴジラ岩なのだが、どこがゴジラなのか皆目見当がつかない。草に飲まれすぎているのも一因かもしれいけど、ダメこれ。

もう1つトピックスとして、かねかの駐車場脇には「立石渡し跡」という史跡の石碑がある。
つまりはかつて、ここと吉野川対岸を結ぶ渡し船があったということだな。昔は今ほど川に橋も無かっただろうから、渡し船が生活の動脈となっていたのだろう。
調べてみると1985年(昭和60年)まで運行されていたそうだ。おぉ、思ったより最近まで運行していたんだね。
そのころは、きっとここからゴジラ岩でも眺めながら川面近くまで降りれる歩道のようなものがあったのだろうな。

そんな渡し船の時代からあったのかなかったのか、麺処かねか。
少なくともここにこのレトロ自販機が設置されたのは1995年のときのことだったそうだ。先代店主が残った麺を営業時間後も提供できるように、と考えて設置したのが始まりだったそうだ。

一時期は次回が不調で頻繁に不具合を起こし、自販機を手放すことも考えたそうだが、修理を経てどうにか2025年もこうして動いてくれている。

前回より値段が少し値上げされて350円。それでもすごいコスパだ。
さらに自販機の故障等の関係でメニューが一種類しか設定できない感じになっちゃっており、現在は天ぷらそば一品のみだ。
レトロ自販機を継続させるのはいろいろ大変だろうけど、どうにか頑張ってほしい。次また来ることがあったら、この天ぷらうどんを食べるよ。その日を心待ちにしている。
以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。
住所・スポット情報
名称: 麺処かねか
料金: 自販機は、きつねうどん¥350他
駐車場: あり
時間: 自販機は16:00頃~