「花見山公園」。個人所有の桜スポットとしては全国随随一の規模なんじゃないかな?
山一面が様々な種類の桜でピンクに包まれる様子は、写真家の「秋山庄太郎さん」が感動して「福島に桃源郷あり」と広め、ここが全国規模の花の名所となったのだ。

超名所だから大混雑するので、マイカーでサクッと行ってサクッと帰るのは困難。シャトルバスを使用しないといけないのだ。
さらには花卉園芸をやっている個人所有の土地だから、レジャーシートを広げて宴会…みたいなこともできない。基本的には"散策"だ。
そういう条件はあるけれども、時間をかけてでもアプローチしてみたいスポットだ。他に似たようなスポットも少ない、オリジナリティあふれる存在だ。

2025年現在、ここはちょうど満開かそれを少し過ぎたくらいだそうだ。
ちょいと過去のお話になってしまうが、僕が訪問したときはもう数日後だったんだけどちょうど毎回になったタイミングだったんだよね。あの年は寒かったのかな…。
では、僕が福島県内の桜スポットを巡りつつここにも立ち寄った思い出を執筆しよう。
アプローチは朝が良い
この日の福島県は寒かった。どうやら1・2日前に雪も降ったそうなのだ。もう桜前線が到達し桜も満開だというのに、レアな気候だ。

なんだったら今日も雪予報だったのだが、日が差したら快晴になった。
ここは「道の駅 安達」。僕のお気に入りの道の駅だ。ここから30分ほどで花見山なのだが、プロローグ的な建付けで書かせていただいている。
ご覧の通り敷地内は雪。でも桜。これ、花見山でも雪と桜のコラボレーションが見られるかな?だったらなんだか幻想的でワクワクするよね?

道の駅の、道路を挟んだ反対側には「万燈桜」という桜の巨木がある。高さ15m、樹齢270年のエドヒガンザクラだ。樹形も良くって一見の価値ありだぜ。
…ってことで、この20数分後。道の駅から北上して花見山に近いところまでやってきた。
花見山へは、どうやら渋滞緩和のために一般車の乗り入れは不可な様子。近くに車を停め、そこからシャトルバスでのアプローチになるそうだ。
うん、有名スポットだったらしょうがないよね。逆にみんなはシャトルバスに乗ってまで行きたいと思っているのだろうから、期待できるわ。標識に従ってシャトルバス乗り換え用の駐車場を目指す。

花見山から4kmほど離れたところにある、阿武隈川に面した「あぶくま親水公園」の駐車場。ここがシャトルバスに乗る人用の駐車場だ。
時刻は8:30くらいなのだが、駐車場はもうかなり満車に近い状態。朝一番で来て正解だったな。
それなりに混雑していて、シャトルバス乗り場まではかなり遠い駐車スペースに停めざるを得なかった。乗り場までは300mほど歩いた。ま、300mくらい余裕だけどな。

駐車場から眺める吾妻連峰と、その手前の桜並木。写真には写っていないけども並行して阿武隈川も流れているんだぜ。もうこの時点で絶景。
シャトルバスの行列はかなり混雑していたので、意図的に1本見送る。2本目に無事乗車でき、それが出発したのがちょうど9:00であった。
ちなみにだが2025年現在は、公式Webを見てみるとシャトルバスの一便目が9:00だそうだ。あなたが行かれる際、留意しておくとよいかもしれない。

10分もかからずして、花見山入口バス停に到着した。バスを降りる。
花見山の敷地まではここから800mほど歩くそうだが、もうバス停の前から簡易的な土産物の模擬店群ができていて、大いに賑わってる。
では、桜のメインスポットに向けてみんなに従い歩いて行く。畑の中ののどかな道をテクテク歩く感じです。なんかのどかで、とても良い。

雪の積もった畑の横を、みんなでゾロゾロと歩く。なんか楽しい。
前方には雪の中に咲く桜の木が見えてきた。
花見山は雪と春色に彩られ
雪の脇の遊歩道を歩きながら、雪原に着目してみると、ツクシが頭を覗かせているのが見えた。

ツクシ!春を象徴するイラストなどでは無数に目をしたことがあるが、ホンモノってなかなか見る機会がなかったなぁ。
なんか嬉しいぜ。雪の中から顔を出して、春を届けてくれているのだな。

雪原に咲く満開の桜。冬と春のコラボレーションだ。
晴天の雪原なので、目を開けられないほどのまぶしい神々しいフィールド。そこにスクッと立つ桜の木。こんな光景が見られるなんて、今日はすごい日ではなかろうか…。

田んぼだか畑だかの水場には、カモも泳いでいる。その背景は雪と桜。
ポストカードのような美しすぎる景色だな。まだ花見山の敷地にすら入っていないのだが、こんな光景を見れて既に大満足している。

だんだんメインスポット花見山の、桜で覆われている丘部分が見えてきた。おぉぉ、すっごい満開っぽいぞ!!こういうのを百花繚乱というのだろうか…!?

花見山の桜の特徴の1つは、箒を逆さにしたようなかたちの木が多いこと。
冒頭で記載した通り、ここの所有者さんはこの地で花卉園芸をやっているから、出荷時には高さ1mくらいのところから上を切って出荷するんだって。だから1mより上は細い枝が密集して生える、箒のような形の桜が多いのだそうだ。

あぁ、もうすっごい桜。農園の敷地に入る前から桜がギッチリ咲いていてメチャ綺麗
なのだ。それだけに人も相当数いるけども、この人気も納得だ。
今日はここに来れて良かったな。いいところ発見した。

案内のボランティアのおじさん、「今日は満開だし快晴だし、今シーズン最高の日だよ!」と声をかけてくれた。嬉しいぜ、まさにその通りだと思った。
ここからようやく農園の敷地に入ることとなるそうだ。まぁここまででの充分満足だったんだけど、一応ここからが本番なのだ。

前の方にも書いたけど、花見山は私有地である関係上、レジャーシートを敷いて宴会をやるようなスタイルの花見はできない。歩きながら鑑賞するスタイルだ。
入手したパンフレットを見ると、30分・45分・60分の3コースがあるらしい。僕は無難に30分コースにしようかね。

満開の桜を見上げながら最初は農家の庭園を通り、そして丘へと遊歩道を登っていく。花見"山"というだけあって、大半が斜面で構成された敷地っぽい。
雪融けの影響で、土の遊歩道は結構グチャグチャだぜ。階段じゃなくて坂道なので滑る。足元注意だ。でもそれでも、この絶景の中を歩いているのは楽しすぎる。

僕思うに、花見山の美しさのオリジナリティっていうのは、複数の花の品種が一斉に咲いている光景にあると思う。複数の色がまじりあい、他には無いキャンバスが形成されるのだ。
公式Webを見てみると、4月に咲く桜だけでもトウカイザクラ・ヒガンザクラ・オカメザクラ・カンヒザクラ・ソメイヨシノ・ヤエザクラ・ウコンザク・アマノガワ…と、8種類もある。
ここは桜専門の農園ではないから、当然他の花も咲いている。だからすごい色鮮やかなのだ。

遊歩道は狭くって、それでも人は多いからなかなか立ち止まるのも難しい。一定速度でゆっくりゆっくりと常に歩き、丘を登ったり下ったりだ。
だから合間合間で素早く花の写真は撮れても、人物の記念写真を撮るほどのゆとりはほぼ無いぜ。まさに散策目的のスポットだ。

この時期は、桜以外にもレンギョウ・モモ・ウメ・モクレン・ロウバイ・ボケなどが咲いているそうだ。
この黄色いのはレンギョウだろうか?ところどころに植えられていて目を引く黄色で、インパクトある。花見山の景観において、なかなかに象徴的な色の1つだと思う。

これはモモかな?ビビッドなピンクに力強さを感じる。
…そんな感じでゆっくり歩いて30分ほどで、またふもとまで戻ってきた。

現在の時刻は10:00。もうこの時間になるとすごい人だ。対向からガンガン来る。
朝一のバスで来ておいて本当によかった。僕の時間帯でも遊歩道は結構人が多くて歩きづらかったが、この人数がこれから丘を登ったら相当にカオスになるぞ。
そんな大勢の人を掻き分けるようにして、バス停まで戻らねば。

最後に花見山を振り返る。
改めて、色とりどりの美しい丘。そして今回だけ、それに雪の白が混じってより一層幻想的に際立っているように感じたよ。
最強の個人所有桜スポット
もともと花見山を所有している一家は、養蚕業を営んでいたそうだ。
1930年ごろに昭和恐慌で生糸の価値が暴落したため、山を開墾して花卉園芸業に着手したとのことだ。

戦争中はいろいろあって大変だったんだけど、世の中が平和になってきた1959年、この山も四季折々の花で彩られるようになった。このタイミングで当時のオーナーさんがここを花見山と名付けて無料開放し、観光客を受け入れたのだ。
戦争で疲弊した人々の心を癒すための公開だったんだって。
冒頭にも書いた写真家の秋山庄太郎さんが「福島に桃源郷あり」と評してここを全国に広めたのが、1975年ごろ。一気に知名度が全国区になったらしい。

2007年に「ふくしま市景観100選」というのが制定され、この花見山はなんとそのうちの3つに名前を連ねている。確か僕が花見山の存在を知ったのも、この100選からだったと記憶しているよ。

戦後に初代と2代目によって開墾され、一般開放された花見山。2025年現在は4代目が営んでおり、そして今もここは無料で開放されている。なんてありがたい。

さて、時系列をもとに戻そうか。
花見山の敷地を出た。バス停前の模擬店群は朝一のときと比べてさらに盛況であった。花見山の観光案内所の本部とかもある。
もうこれ、一個人の所有地でできる範囲を超越しているだろう。花見山のアミューズメントレベル、高すぎるぜ。

ご当地のものとか試食できるものも豊富で、なんか成り行き上から生まれて初めてゆべしを試食した。なんか不思議な食感だ…。
福島の地ビールもあって欲しかったんだけど、ドライブ中なのでもちろんガマンだ。

花見山のエリア内からはどこからでも雪を被った吾妻連峰がよく見えたよ。
今回は花にフォーカスしていてあまり景色について取り上げなかったけど、実は全景なのだ。先ほど触れた「ふくしま市景観100選」のうち2つは、ここ花見山から眺める景観について取り上げられているくらいだもん。
一番左の吾妻小富士がかっこよくて好きなんだよ、僕は。だから何度もあのあたりを走っている。

それでは花見山エリアとお別れだ。
シャトルバス乗り場はかなりの列で、4・5本ほどバスを見送った。まぁでもそれなりに回転率は良くて、10分くらいで乗車することができた。
ところでここの花見山入口のバス停付近、観光バス専用の駐車場もあり、観光バスもすごい台数来ていた。本当に有名で人気なんだねぇ、ここは。

シャトルバスが出発したのは10:40だった。
帰りの道路はかなりの渋滞だったよ。今朝はシャトルバスでスイーッと10分もかからずにあぶくま親水公園の駐車場までアプローチできたけど、この時間はそもそもそこまで行くのが大変みたいでさ。
一般車が果てしなく渋滞。2km以上手前から凄まじい渋滞。
この人たち、これから駐車場に入ってシャトルバスを待ってから花見山に行くんだろうけど。着く頃にはきっと昼すぎだろうな…。
だから「僕の乗っているこのバスもあぶくま親水公園に帰るのは大渋滞で大変では?」と思ったら、裏道を経由して比較的スムーズに帰って来れちゃった。さすがシャトルバス、慣れている。
ただ、これから花見山に向かう人のシャトルバス待ちの行列はすごかったぜ。

僕が眺めたのは、春のほんのひとこま。
きっと四季折々ここにはいろんな花が咲いて、訪問するたびに新しい発見があるのだろう。
またいつか再訪し、違う一面を見れるといいな。
以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。
住所・スポット情報