桜吹雪の舞う時期に「奈良公園」と、その隣の「東大寺」を訪問したのは、2024年の春のことだ。
奈良公園も東大寺の大仏もベタだし何度も見たことがあるが、改めて見るといいもんだ。誰もが何度も見たくなるだけの価値があるからこそ、"ベタ"って言うのだろうな。

それに、たぶん桜のシーズンにここに来るのは初めてだった。同じ観光地でも季節が違うと印象も変わるもんだよな。
過去の訪問時の写真をドッサリ掲載してもいいが、それだとボリュームがエグいことになってしまうので、今回は昨年春の桜シーズンだけにフォーカスし、奈良訪問の思い出を執筆してみようと思う。
奈良公園の鹿
4月も中旬となり、桜が残っているかどうか少し不安だけども、奈良公園にやってきた。

奈良公園に向かって歩いていると早速桜があり、「おっ、まだ咲いているじゃないか」と思ったが、これは八重桜なので遅咲きタイプだ。ソメイヨシノはもう散りかけているかもしれぬ。

右手に「興福寺」の敷地が見えてきたあたりで、鹿せんべいの販売ワゴンが現れた。
…奈良公園の定義ってちょっと難しいよね…。でも僕は、鹿せんべいワゴンがあり鹿が闊歩している緑地ならば、そこは全部奈良公園でもいいと思っている。春の空気は、そのくらい優しい。

大通りに面した歩道を、いたって普通の顔をして歩いている。何事にも動じない。だってきっとこれは彼らの日常風景だからだ。
ワーキャー言う観光客をクールな顔で眺めているよ。特にインバウンドの方々が盛り上がっている。結構貴重な体験だよね、これ。

奈良県庁に入ろうとしている鹿が2頭いる。ただし今日は週末なので、きっと手続きなどはできないに違いない。…開庁していたらロビーくらいまで入り込んじゃうケースもあったりするのかなぁ…。

広い広場を発見した。しかもまだソメイヨシノが残っていやがる。さらには鹿もウジャウジャと闊歩していやがる。
僕が求める条件は揃った!この広場でしばらく時間を使おうぞ。

こうやって見ると「ここは動物園かな?」ってくらいなロケーションだよね。そのくらいに鹿ファーストな空間。
もともと奈良の鹿は、伝承によるとこの奥にある「春日大社」の祭神「武甕槌命」は、鹿に乗って茨城県の「鹿島神宮」からやってきたのだ。だから「乗り物も愛そう!」ってなって、現代まで手厚くされているらしい。

ただ、リアルな話では昔から東大寺の奥にある「若草山」周辺に住んでいる野生種らしいけどね。
現代においてもこの鹿たちは野生なのだ。勝手に食って勝手に寝ている。その行動範囲がちょっと人間と多めに交わっているだけなのだね。
おや、鹿溜まりだ。メッチャ群れている。

とはいえ、最低限の管理はされているそうだ。
頭数も毎年集計されていて、近年は大体1300匹前後らしい。そして雄の鹿は周囲を気付漬けないように角を切ったりしているらしい。あと、妊娠した鹿は一時的に施設で保護したりしているんだってね。

鹿と桜のみの写真を撮れれば最高に風情があったのだが、人も多くてそうもいかない。ワチャワチャした写真になってしまったが、これもまた思い出よ。
なるべく人が写り込まない写真にしたいのだが、実際は結構な人混みなんだからね。歩道とか、朝の新宿くらいに人がいるんだからね。
東大寺前にて
どこまでを奈良公園とし、どこからを東大寺とすべきかの境界が難しい…。だって僕の中には「鹿がいたら奈良公園だよ」とささやいてくる天使がいるんだもん。

とりあえずさ、明確な境界線を設けずにグラデーションのように東大寺パートに入っていきたい。
ちなみにこちらは、今回見かけた中で一番凛々しい立ち姿の鹿さん。植込みの上から、通行している車をキリッとした顔で眺めていた。背後の桜がまだ咲いているのも絵になったね。

流通フローをすっ飛ばして、直接鹿せんべいワゴンに突撃していく鹿もしばしば見かける。
ワゴンのおばちゃんが慣れた動作で鹿をいなす姿を眺めるのも面白いぞ。

ここでちょいと時間を飛ばして、東大寺観光を終えた後のことに少し触れる。
朝の9時台に奈良公園散策をしていたのだが、東大寺観光をしたことで10時を回り、お土産物屋などがオープンし始めた。
ちょっと小腹が減ったな…と思ったところで見かけたのが、このお店。みたらし団子を100円で販売している。
いいね。このあとお昼を食べに行きたいお店があるのであまりボリューミーなものは食べたくなかったのだが、団子1本で100円ならば理想的だ。

で、買ったのはいいんだけども、見てよこの熱い眼差し。ふんわりと僕の周囲に形成されていた鹿サークルの直径が、なんか段々と小さくなってきてないかい?

ドキドキしながら食べた。芳ばしくて甘くって、昔ながらの王道って感じだ。甘味が無くて醤油の味がとんがっているヤツも大好きだけど、甘い方は郷愁に浸れる。小さいころに買ってきてもらった、あの日の味なんだよ。

東大寺有名な南大門が見えてきた。
そんな人混みの中にもまだ鹿だ。ただ、少しずつ人間の物量の方が勝ってきたようだね。
では、本格的な東大寺観光と行きますか…!
東大寺の大仏
南大門~大仏殿
東大寺の南大門が見えてきた。

この長い長い日本の歴史を見てきたであろう、貫禄を感じさせる木造の門。西暦1203年のものだ。小学生の頃に見たときはその良さをまだ理解できなかったなぁ…。

南大門と言ったらこれよ。金剛力士像よ。
阿形も吽形も高さは8.4mあり、この自然光の中で浮かび上がる筋肉や着物のひだの感じは本当にレベルが高いっていつも思う。
しかもこれ、「運慶さん&「 快慶さん」が中心となり、わずか69日間で完成させたって言うから驚きだ。

この金剛力士像は、1体に対し3000ほどのパーツで構成されているのだそうだ。
どこをどう区切ったらいい感じに3000になるのか、それを紙と筆くらいしかない時代にどうやって設計図を起こせたのか、皆目見当がつかない。
僕だったら設計図だけで69日間悩み続け、挙句の果てに組み上げるときに間違えていびつになっちゃうし、それを補正したところそもそもの設計ミスで綺麗に組み上げられない…ってことになるであろう。仏師には向いてない。

南大門から真っすぐ行ったところが大仏殿なのだが、その手前にある中門は閉鎖されているので西側の門から大仏殿に向かうことになるよ。ここで拝観料800円をお支払いすることとなる。

ここからが有料ゾーン!大仏殿がついに現れたぞ!!
幅57m、高さ48mあり、世界最大の木造建築だ。だけども最初期の大仏殿はもっと大きく、これの1.5倍あったそうだぞ!
これには小学生当時の僕も驚いたさ。そんで図工の時間に「皿に何か好きな絵を描くこと」という課題に対し、この大仏殿とその手前の歩道部分を影絵方式で精巧に再現したさ。
なんか当時の担任からの評価はイマイチだった記憶なのだが、渋すぎたからかな?それとも独創性が足りなかったのか?まぁどうでもいいけどその皿は実家に飾られてます。

いや、デカいデカい!!まだ遥か彼方にあるのにこの大きさだもん。
見た目は普通に2階建てかもしれないけども、規模が違うのだぞ。前述の通り高さ48mあるので、ビルにすると15階くらいある。

初代大仏殿は1.5倍の大きさがあると書いたが、実は高さはほぼこのままで、幅がさらにボリューミーだったそうだ。
いずれにしろ、日本には西暦752年段階でビル15階にもおよぶ巨大建造物を造る技術があったのだなぁ…!ただただ圧倒される。
では、大仏殿の中に入って行こう…!
奈良の大仏
うん、人がすごくってなかなか写真撮れねー。

はい、誰もが知っている有名人、奈良の大仏様だ。
もちろん大仏殿の正面に鎮座しているけども、そこは入る人と出る人とがゴッタ返す通路になっているので、撮影できるとしたらこのようにやや大仏の右側面からになると思うよ。

ちょいと後ろ側から広角で撮影するとこうなる。
わりと柱がジャマ。柱をどう避けて撮影するかがポイントだと思う。
高さ15mある奈良の大仏は、この屋内だとずいぶんこじんまり見えてしまうかもしれなけど、実際に目の当たりにするとすごい威厳なんだからな。だから僕もこうして子供の頃から何度も会いに来ている。

そして大仏がビッグすぎてなかなか記憶に残りにくいかもしれないが、他の仏像もどれもすごく貴重だしビッグなのだぞ。
大仏の左右にはそれぞれ虚空蔵菩薩・如意輪観音がいる。最初に見えてくるのは向かって左側の虚空蔵菩薩だ。

サイズは大仏の半分ほどの7.1m。とはいえ、7mはデカいぞ。見上げるような感じになるのだぞ。
ちなみに虚空蔵菩薩・如意輪観音ともに1752年のものだそうだ。どちらも国指定重要文化財だよ。

おっ、大仏殿のツノみたいな部分のレプリカが展示されている。
正式名称は鴟尾(しび)だ。お城だとシャチホコにしていたりするよね。とりあえず全てがビッグ。日本なのにアメリカンサイズ。

思わず「アニキィー!」って叫んでしまうそうな、このバチクソ頼りになる風貌の方は四天王の1人、広目天だ。
正面からしっかり収めた写真もあるんだけど、この斜めからの姿が個人的に好きなのでこっちの写真を掲載しちゃう。

昔の東大寺の社殿の数々がミニチュアで展示されていたり…。
奈良は盆地だし当時はビルも無いから、五重塔や大仏殿は、かなり遠くからでも見えて権力の象徴だったかしれないね…。

大仏の真後ろの姿だ。光背の裏側、のっぺりしたプレートみたいになっている。

1700年代に造ろうとしていたんだけど、いろいろ事情あってこの状態。他の2人とは扱いがずいぶん違ってて泣けてくる…。

そして最後の四天王、多聞天だ。写真撮られ慣れしている人のポージングだ。手にはちっちゃい家を持っているのもチャーミングだ。

有名な柱の穴をくぐるヤツ。穴のサイズは幅30m・高さ37cmであり、大仏の鼻の孔と同じ大きさ。
これをくぐるためにインバウンドの方々がウッキウキで行列を作っていたよ。かんばれ、成功したら無病息災、失敗したら世界遺産の一部として大仏殿を支える。あ、両方栄誉じゃないか。

こうして再び大仏の正面側に出てきて、如意輪観音にご挨拶して一周が終了。
いやぁ、何度来てもいいところだね、ここは。外とは隔離された、中の神秘的でヒンヤリした空気は、きっと来た人にしかわからないだろうなぁ…。

みんな大仏を見た瞬間に写真撮ろうとするから、向かって左側は大混雑だけど、この終盤の右側はかなり空いているよ。記念撮影とかしたいなら、ここを狙ってみてね。

大仏殿を背にしてきた道を戻り、中門のところで今度は東側から出るように誘導される。そこの東に向かう回廊からの眺めが最高だった。手前にしだれ桜も入ったからな。
春、ステキ。
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…はい、あなたは春を満喫できていますか?
僕は3月末に風邪ひいてこじらせて、苦しくってのたうち回り、今日ようやく起き上がれるところまで来た次第です。だから前回の投稿から間が空いちゃった。
あー、これもう近所の桜、散ってるんじゃないかなー。なんてこった。
以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。
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