2024年3月の下旬。ついにソメイヨシノの開花宣言も出て、春本番が到来しようとしている。
ここ最近はまだまだ寒くて僕はコートにマフラーを手放せないし、数日前には雪も降っていたのだが、それでも確かに春はやってきているのだろう。だからそろそろ花見のことも考えておかねばならない。
さて今回は、僕が日本5周目において東海道を西から東に桜を見ながらドライブするという企画をした際の、静岡市清水区にフォーカスしたエピソードをご紹介したい。
あ、ちなみに清水区といえば富士山絶景スポットで桜も見られる「日本平」が有名ではあるが、そこはあえて外して「清水船越堤公園」を中心に執筆する予定だ。
実際このときの僕は日本平も訪問しているんだけども、そこまで書いちゃうとボリューミーで書き手の僕も読み手のあなたも疲れちゃうだろうから、優しい配慮が必要なのだ。
駐車場時点でボルテージMAX
…というわけで、日本平を出発した僕は次の桜スポットである清水船越堤公園を目指すのである。
桜の時期ってさ、桜スポットはもちろんなのだけれども、それ以外の何気ないドライブ中でも桜が目についたりして幸せな気持ちになれるよね。
桜並木を走行しているだけで幸せになれたりするよね。だから春、好き。
目指す船越堤公園は今回初めての訪問となる。
直前に花見をした日本平から住宅地をクネクネと数㎞進んだところにある。直線距離で言うと3kmくらい北に当たるかな?
住宅地の先にある公園駐車場では、既に5台ほどの車が駐車場待ちをしている。
あれ、平日なのに満車になるほどの人気なのだろうか。駐車場のキャパは知らないが、なかなかに盛況な気配を感じ取ったぞ。
10分くらい大気したところで空きが出たようで、係員さんに指示され駐車場内に入ることができた。
うわぁ、ここすごい!!駐車場からすごい!!
もう車の頭上が桜満開なのだ。園内だけでなく駐車場部分から桜に囲まれているのはうれしい限り。
ちょっと散策開始は待て。まずは桜と愛車との写真を撮りたい。
車やバイクに乗っている方ならわかるかもしれないけど、せっかく出かけたなら絶景と愛車とのコラボ写真を撮りたい…ってなったりするよね。
でも絶景スポットまでは愛機を乗り入れられず、見栄えのあまりよくない駐車場で待機させなきゃいけないのが世の常だよね。
だけどもここは駐車場からステキだった。嬉しい。
この黒いボディーのHUMEERと桜、最高にマッチするぜ。
今日は朝から見事なまでの快晴という点も嬉しい。桜の時期は短く、僕の仕事の休みの週末だけだ。これに快晴という条件もプラスするとなると、かなりシビアなのである。
まぁ世間のみなさまの都合も同じようなものだとは思うが、そういう複合条件の中で花見ができるっていのは感動もひとしおだよね。
桜単体でも撮影してみた。とても良い。
事前知識ゼロで来たが、この公園はこの時点で当たりだ。
桜の里の散策、ホイップ富士山
駐車場にてひとしきり満足したところで、公園内を散歩してみよう。
園内MAPを見てみたらとにかく広くてさ、軽くハイキングとかもできそうなスケールなのだ。全部をくまなく歩きたいとは思っていないので、とりあえず桜が咲いていそうなところを中心に軽く散策してみようか。
駐車場は上の図の右下部分である。ひとまず「桜の里」と書かれた中央付近のエリアを目指して歩いてみようと思う。あとは気分次第だ。
「夫池」の横の遊歩道を歩き、桜の里を目指す。
住宅地が近いのに、この圧倒的にのどかな世界観。これ、近所に住んでいたら晴れの日は毎日散歩しちゃうな。実際そういう人も多かろう。
桜の里に入ったところで撮影したのがこの写真だ。
もう一面桜だね。わぁ、いいわー、ここ。他の観光客も多すぎず少なすぎずで、散歩していて気持ちいいわ。
桜はソノイヨシノがメインだけど、枝垂れ桜とかもある。いろんな種類を長い間楽しめそうだ。
先ほどのMAPで示した通り、敷地内には茶室もあるらしい。
歩いていたら園内アナウンスで「茶室で○○をやっていまーす。よろしかったらそうぞー。」みたにな放送がかかったりもする。
雰囲気いいな。1人だから茶室でくつろぐなどは念頭にないが、2人とかだったらチラッと覗いてみたい。
「思い出の森」ってところを越え、「婦池」のほとりへのやってきた。
ここいらも桜がいっぱい。ついでに釣り人もいっぱい。何が釣れるのだろうか…?
ここを過ぎて「野鳥の森」に入ると、急にさびしい雰囲気になった。人の気配もあまりないし桜も咲いていないぞ。
なるほど、ここは文字通り静かに野鳥の気配を感じるゾーンか。それではサクッと通過して「お花見広場」を目指そう。
執筆時に確認したが、野鳥の森での写真は残念ながら撮っていなかった。まぁいいや。野鳥も見つけられなかったし。
森内のダラダラした坂道を登りながら、お花見広場を目指して歩いた。
たどり着いたお花見広場は広いグランドのようなところで、数組が桜の木の下でピクニックをしている平和あふれる光景であった。絶好のピクニック日和だね。
ここは広場全内を取り囲むようにグルッと桜並木になっている。広場内にはステージもあるから、イベントとかもできるのだろうね。
僕は広場を少し反れた緑あふれる木立の中を散策し、そしてボケっと座って桜を見上げたりした。気持ちがいい。本を持ってきていたなら読書したかったところだ。
お花見広場は小高い丘になっていて、足もとには住宅地を見下ろすことができる。
その向こうには清水駅や「エスパルスドリームプラザ」の観覧車も見えるし、さらにその先には太平洋が広がっている。
ところであなたは、写真左上の巨大なホイップクリームの正体がなんなのかわかるかな??
答えは富士山だ。日本のシンボルだ。
しかしこんなにモッコモコのホイップクリームみたいになっている富士山は初めて見たよ。
先ほどの日本平でも見えなかった富士山。相変わらず重厚なホイップに覆われていたままだった。
このタイミングで富士山が見えていれば、あの海側にある富士山絶景スポットの「三保の松原」に行ってもよかったんだけど、今回は諦めることに決めた。
実は今、お昼どきなのである。お腹が減ってきたのである。
従い、お花見広場でツーリングマップルを広げ、近くに目ぼしいお店が無いかを調査した。
直線距離でここから北東に3kmちょっと行ったところに新清水駅がある。そのあたりに豪快な天丼が目玉メニューという食堂があるそうだ。そこでランチにすることとした。
桜の花びらの積もる階段を降り、駐車場へと戻った。
非常に良い散歩になった。機会があったらまた訪問したいものだな。
メインとなる清水船越堤公園のお話はもうこれでおしまいなのだが、ついでにもう少しだけ書かせてな。次章、清水区内のランチだよ。
黒いだし汁、静岡おでんを食う
新清水駅の裏側は、ちょっとレトロな雰囲気が残っていた。
まずは駐車場を発見したので愛車を停める。
駐車場はコインパーキング的なオートマチックなところじゃなくて、土地の所有者が生活の片手間にやっているような場所。料金看板とかも手書きだし。味わい深い。
チャイムを鳴らして窓から顔を出したおばちゃんに、車のキーを預けておくタイプ。たぶんあと10年もするとこういうスタイルの駐車場はほぼ見なくなるだろう。貴重だ。
そして周囲を歩く。
「あ、新清水駅の改札って昭和レトロでメチャ小さい!」とか思いながら散策する。
しかしな、目的の天丼のが見つからないのだよ。しばらくウロウロして目指すお店は廃業したのだと確信した。シャッターが閉まって看板もない建物、これがきっと目指していたお店だったのだ。
さてじゃあどうしよう。周囲をウロウロしてみたが、新清水駅ってとても小さい駅で、近くに気軽に入れそうなランチのお店が無い。小さな居酒屋が数軒あるだけ。
また車に乗り込んで出発して別のエリアを探す方法もあるが、せっかく有料の駐車場に駐車したのに何もしないで出るのはシャクだよね。
有人の駐車場だから、わずか5分で車を出したら「何この人?なんだったの?」みたいに思われそう。
それに僕は空腹だ。今ご飯を食べたいのだ。
そうだ、清水駅方面にあるけば何かお店があるかもしれないぞ。僕はフラフラと歩き始めた。
日差しが強くって周囲がよく見えないけど、そしてお腹が減ってちょびっと元気がないけど、歩くのだ。大丈夫、満腹になればこの散歩も輝かしい思い出になるはず。お腹が減っていてちょっとアンニュイなだけなのだ。
「銀座」っぽくない銀座って日本各地にあるけど、もうそういう銀座の定義が「昭和レトロな」っていう意味人に代わりそうな雰囲気あるよね。
さて、「清水駅前銀座」に到着した。名前的に、これをたどれば清水駅まで行けるのだろう。そしてさすがにこの商店街であれば何件か食事処があるのであろう。
…と思ったら序盤からいきなり左右共にシャッター街で、時代の流れを痛感した。
それでもかまわず歩いて行くと、徐々に活気のある商店に変化してきました。
清水駅に近付くほど賑わってくる方程式?序盤の閑散とした空気とは打って変わり、人も多くなってきた。ワクワク。
静岡おでんのお店、「天神屋」に決めた。他にも海鮮丼のお店などあったが、今回はおでんだ。
基本はおでんやお弁当の持ち帰りのお店みたいだけど、店内にカウンター席が少しあってイートインできるようになっている。手軽だしお値段も安そうだし、ご当地グルメだしな。そして本場で静岡おでんを食べるのは今回が初めてだ。
静岡おでんの特徴の1つは、串に刺した状態で煮込まれている点。わぁ、うまそうだ。
オーダーのシステムがよくわからないので店員さんに「初めてなんですけど…」って言って会計方法を教えてもらい、まずは自分で好きな具を選んでからレジに来るように教えてもらう。
数品とシラスおにぎりを購入し、お会計。
「あ、大根だったらよく煮えているのがあるから交換するわね」とか言われていい感じに味がしみ込んだものに交換してもらえたりした。親切。好き。
イートインスペースで食べてみよう。
静岡おでんの特徴、串に刺さっている以外にはだし汁が真っ黒だったり、はんぺんも真っ黒だったり、魚の粉を振りかけて食べたりする点。
うまいのだ。しっかりと魚を感じられる黒はんぺんが、他で食べているものと一線を画すのだ。ちょっと濃いめのだしも、歩いてエネルギーを欲している体にストレートに浸み込む。
おにぎりもうまかった。元気復活した。
新清水駅の裏手の駐車場に戻る直前、路地の奥に桜が数本立っている公園を見つけた。
名前は「巴町公園」というらしい。
車を停めた駐車場の料金は1時間単位であり、1時間に至るまでにはあと15分猶予があったある。少しだけ寄り道できる。
「巴川」に面した、小さな小さな公園。遊具もブランコとか滑り台くらいしかないし。誰もいないし。
だけども桜は綺麗だし、散った桜の花びらが多数浮かぶ水たまりも綺麗だし、目の前には新清水駅から続く静鉄清水線が巴川を越える鉄橋が見える。
たぶん、新清水駅の裏側ならではのほのぼのした光景。のどかな平日の昼下がり。
そんな雰囲気を少しだけ味わえてよかったよ。
時間直前に駐車場に戻り、管理人さんの家のチャイムを押して愛車のカギを受け取ると、僕はドライブを再開した。
それでは清水、またいずれ!
以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。
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