週末大冒険

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ちょっと出かけてみないか。忘れかけていた、ワクワクを探しに。

No.456【鹿児島県】ここは神話の舞台!!「高千穂河原」の荒涼とした地で鳥居を見上げた!

「高千穂河原」は神話の舞台。

スピチュアルなものには基本的に興味を抱かない僕ではあるが、なんだかここは好きなのだ。

その荒涼とした地は、かつての「霧島神宮」の跡地。火山をバックに聳えるゴツゴツした黒い鳥居を見上げると、なんか心の奥底の魂が揺さぶられるような気持ちにもなる。

 

 

この光景が見たくって、何度もアプローチしたよな。今宵はその思い出を振り返ってみようと思うのだ。

 

ちなみに宮崎県の渓谷と滝が美しい「高千穂峡」とは別物なので注意ね。高千穂峡も最高にいい場所だけどね。

 

 

標高970m、紅葉は一足早く始まって

 

初めて高千穂河原を訪れたのは、日本3周目の秋のこと。

 

ファーストアタック1

宮崎県の「えびの高原」を疾走した僕は、そのまま鹿児島県への県境を越えて「霧島高原」に突入した。

そこで高千穂河原を示す標識が目に入る。行き当たりばったりの旅路で、かつまだ日本のどこに何があるのか把握しきれていない僕は、ここで初めて「あぁ以前から行ってみたかった高千穂河原はここにあったのかぁ!」って気づいた。

 

ファーストアタック2

林の中のクネクネした車道を延々登っていき、高千穂河原の駐車場にたどり着いた。ちなみに途中ではシカと目が合ったな。

駐車料金は400円以上して、「このような人里離れたスポットなのになかなか強気な値段設定だな。さすが神がバックについているだけある、ふむ。」って思った。

 

そうなのだ、ここは神話の舞台なのだ。

ニニギノミコト三種の神器を持って高天原からこの下界に光臨した「天孫降臨」の
舞台になったのが、この先にある「高千穂峰」なのだ。

 

ちなみに宮崎県の高千穂峡も同じ伝説を持つ地。神話には天孫降臨の地として"高千穂"という名前が出てくるけど、それがどこなのかは明らかではない。

有力なのが、高千穂峰高千穂峡の2つ。おそらくは神話になぞらえてつけられた地名だとは思うが、どっちも本物でいいと思う。踏み込まなくっていい領域だと思う。

 

ファーストアタック3

前方には赤茶けた火山、高千穂峰が見えている。この写真のオリジナルを拡大すると、歩いている人の姿もチラホラと確認できる。

 

高千穂峰の山頂には天之逆鉾っていう逆さの剣が刺さっていてね、当然中二病の僕としては好奇心がビンビンに刺激されるのだ。「坂本龍馬」が引き抜いたとかどうとか、言われていたりもするよね。

「いつか見に行く!」と以前宣言したこともあるんだけど、往復で3時間くらいかかるそうだし、もう午後なので少なくともそれは今ではない。

 

ファーストアタック4

そこそこ木々はあるものの、なんだか荒涼とした遊歩道をテクテク歩く。

こうして現れたのが、「霧島神宮古宮址」だ。つまりは、霧島神宮の跡地ってこと。

 

かつて霧島神宮はここにあったのだ。だけどもおよそ1000年前の火山の噴火で燃えてしまったんだって。その跡地には、ポツンと黒い鳥居が立っている。

 

ファーストアタック5

建物は何も無いけれど、ポツンと立った鳥居は後ろに天孫降臨高千穂峰を背負い、未だに輝きを失っていないように思えるよ。今は山が御神体ってヤツかな?

太古のロマンに思いを馳せて、この鳥居の下に立った。

 

ファーストアタック6

標高1000m近いこの高原では周りにポツポツと紅葉が見られた。

荒れた遊歩道を歩いていたりするとすごく暑くなるのだが、赤いモミジを目にすると秋も深まりつつあるのだなぁと思う。

 

ファーストアタック7

雄大な高千穂河原を見た後は、数km山を下りたところにある霧島神宮にも立ち寄った。1000年前の噴火の跡に移設された、僕らのよく知る霧島神宮だ。

ここについてはまたいつか、機会があったら個別記事で執筆しよう。ここも何度も訪問しているから。

 

 

夕暮れ時、僕は監視下に置かれた

 

2011年の僕は、ちょっとだけイライラしていた。

そもそもだ。異様に通行止めが多く、何度も迂回を強いられたのが原因なのだ。

 

夕暮れの高千穂河原1

国道220号が通行止だったのだ。各所に迂回のための看板が設置してあって、それに合わせて右に行ったり左に行ったり…。迂回オンパレードで余計な時間がかかり、太陽はどんどん西へと傾く。もどかしい。国道220号の身に何があったのだろうね。

 

夕暮れの高千穂河原2

目指す高千穂河原への経由地として立ち寄った霧島神宮では、本殿が工事中で幕に覆われていた。なんてこった。ずっこけそうになったわ。いろんなマイナスファクターが重なりすぎている。

ただ、こういうライヴ感が旅の醍醐味よ。予定なんて崩れてなんぼ。むしろ粉々になってしまえ、ゲラゲラ。

 

夕暮れの高千穂河原3

さて本題だ。高千穂河原に向かって山道をグイグイ登っていくぜ。日没の時間までには到着できるであろう。

なんか途中に『夜間は通行できません』みたいな看板があったが、まだ夕方なのでふさがれておらず突破。

 

夕暮れの高千穂河原4

すぐ近くの「新燃岳(しんもえだけ)」が最近噴火を繰り返しており、ニュースになっている。だからか、高千穂河原より先には行けないそうだね。

行ったらまた霧島神宮くらいまで戻ってこないといけない宿命。

 

夕暮れの高千穂河原5

道すがら、緊急待避所のコンテナが置かれていたのを見つけた。

これは新燃岳が噴火した際の噴石などから身を守るために急遽設置した、簡易式の待避所なのだろうね。桜島阿蘇などのしょっちゅう噴火しているスポットに常設してある待避所は、コンクリのバッキバキに丈夫なヤツだもんな。

 

こうして高千穂河原の駐車場に到着した。そして「あれ?」って思った。

 

夕暮れの高千穂河原6

なぜなら、駐車場一帯にロープが張られているからだ。なんでかなぁ…。

 

そう思ったら、駐車場の隅に駐車してあるランドクリーザーから降りてきた人に声をかけられた。どうやらパトロール隊員のようだ。

「キミ、ここは夜間立入禁止だ。17:30以降は霧島神宮からの道は登ってきちゃダメなのだが…」って言われた。

 

えっ、知らない。夜間通行止めは見たが、17:30という表示は見た記憶がない…。

そのように正直に言った。

 

隊員:「うん、だがもう立入禁止なので、ロープを張ってこれから帰ろうと思っていたところなのだ。キミは何しに来たのかね?登山?観光?」

YAMA:「この周辺を数分散歩できればと思いまして…。」

隊員:「数分って、何分?」

 

夕暮れの高千穂河原7

とっさの起点でここには書かないけどいくつかの交渉材料を入れ、上記の最後の質問まで持っていった。この時点でもう勝ち組だよね。心の中ではガッツポーズしていた。

 

YAMA:「5分です。ほんの5分あれば、観光できます。」

隊員:「よし、5分だね。では車の中で待っているからロープを潜って行ってきなさい。」

 

やったぁぁーーッ!!

 

夕暮れの高千穂河原8

カメラを引っ掴み、音速で走る。ロープを飛び越える。

5分ね、約束は守るよ。

よーし、ここからは新燃岳の一件以来、ほぼ誰も見たことのない"夕暮れの高千穂河原"だなのだな!なんだかワクワクするなぁ!

標高1000m近い地の夕暮れ。肌寒さとは裏腹に、心は高揚して熱くなっていた。

 

夕暮れの高千穂河原9

この先はもう危険地帯なのだろう。本来であればここからの登山道で高千穂峰まで歩けるのだが、ご覧の通り遊歩道は通行止めだ。

天の逆鉾の刺さる高千穂峰、今回もまた行けなかったなー。前回もここで「行きてー!」とか言いつつ、結局行かなかったんだけどな…。

 

夕暮れの高千穂河原10

ま、宿題は残しておいた方がいい。またいつかここに来る理由になるから。旅を辞めない理由になるから。ここに書いてある矢印の先の世界を拝むのは、まだ先のいつかになるのであろう。

 

夕暮れの高千穂河原11

木立の隙間からチラッとだけ夕日。

ここいらの地形は全然わからないけど、標識の方向から察するに、あの夕陽の向こうが新燃岳なのだろうか…。本当のところ、真実はどうでもいい。「あっちはどんな世界かな?」って考えているのが好き。

 

夕暮れの高千穂河原12

で、高千穂河原の駐車場近くに立つ鳥居。前回に訪問したバキバキのヤツではないよ。これはもっと手前のヤツなのだ。奥の方の鳥居まで行きたいのはやまやまだが、時間的に200%無理。

だけどもこれはこれで眺めがいい。背後に高千穂峰が、まるで2つの連なる山のように壮大に見えているから。

 

…さて、そろそろ5分だ。車に戻ろう。腕時計を見つめているパトロール隊員にお礼を言い、愛車に乗りこむ。

ところでなんかさ、ここから後ろをずっとパトロールの車にピッタリ張り付かれていて、すんごいプレッシャーだったわー。さっさと帰りたかったよね、ゴメンね、隊員さん。

 

夕暮れの高千穂河原13

これが、たった5分の高千穂河原の思い出。

でも5分ですごいインパクトだった。誰もいない噴火圏内の高千穂河原。もう経験できないシチュエーションかもしれない。

 

 

日本の夜明けはここから始まる

 

最終章は、日本5周目の春に訪れたときのことでも書こうか。

 

夜が明ける1

前方から強烈な朝日が照射された。

僕は今、霧島神宮から高千穂河原に向かっているところだ。前方の高千穂峰に後光が射しているようだ。神々がいるぞ、あそこには。

 

夜が明ける2

そして山間部ゾーン。ここ県道480号は、林の中のクネクネした登り坂だ。前回は夕暮れの中でパトロールカーに張り付かれていた区間だ。

今回も交通量皆無の静かな道。ところどころで車を停車させて写真も撮りつつ、ゆっくりと登って行く。そういえば、緊急退避所は撤去されたようだね。平和が戻ってきた。

 

到着した駐車場にはまだ日が射していない。まだ朝の6:30だしな。さらにここは標高が1000m近いのでかなり寒い。ジャージを羽織り、遊歩道を歩きだした。

他には登山者が多いね。ここを拠点に高千穂やその周辺の山に登るのだろう。今日は登山日和だしね。僕は…、今回も登らないけどな。今日は忙しい。

 

前回は駐車場近辺しか散策できなかったので、霧島神宮古宮址まで行くのは初回以来であり久々だ。あぁ、懐かしい。

 

夜が明ける3

2・300mの遊歩道を歩き、霧島神宮古宮址の前までやってきた。美しいシルエットだ。何かが始まりそうな予感のするシルエットだ。

 

夜が明ける4

ちょいとコントラストをいじってみた。画質がかなり落ちてしまって残念な品質だが、石段とその上の鳥居が見えるであろう。

あの鳥居の向こうにかつて霧島神宮があったのだ。噴火で無くなる前は、高千穂峰を後ろに建ち、さぞや荘厳な姿であったであろうな。その気配だけは今も感じられるよ。

 

夜が明ける5

祭壇のようなものと、メッチャボロボロな賽銭箱がある。

ここは天孫降臨神籬斎場という場所らしい。天孫降臨御神火祭という、ニニギノミコト天孫降臨する際の道しるべとして、御神火を焚いてお迎えしたという故事を再現するイベントで、毎年行っているらしい。

 

夜が明ける6

夕暮れの中、薪をゴウゴウ燃やして火柱にし、その御神火の前で神職の人たちが祓詞を唱えるのだそうだ。この炎の中に、祈願札や絵馬を投入れてお焚き上げし、不浄を祓い清める行事らしい。

そして同時に高千穂峰の山頂でもやるらしい。

 

夜が明ける7

そりゃスゲーな。そんなことしたら、そりゃあ神様も降りてくるよね。

僕もいつか見てみたいなぁ。

 

夜が明ける8

ボロボロの石の鳥居。もちろんそんな太古のものではないかと思うが、火山性ガスとかで劣化してしまっているのかな?賽銭箱といい、鳥居といい。

いずれにしても、この貫禄のある姿が好きだ。

 

夜が明ける9

空がずいぶん明るくなってきた。

あっちに見えているのが「中岳」だろうな。あっちもこっちも火山だらけだ、霧島は。そういう地球の鼓動を感じられるような場所だから、神話の舞台になったのだろうか。

 

夜が明ける10

駐車場に戻ると、すっかり日が差していた。あと、愛車のワイパーに「料金所でお金を払って帰ってね」的な札が挟まれていた。まだ7時前なのに、朝早くからご苦労様だな。

 

あー…、あと15分長く古宮址にいたら、あそこから日の出を見られていたかな?だとしたらもっといい写真を撮れていたかな?

 

夜が明ける11

ま、いっか。ここで車内から眺める高千穂峰からの日の出もステキだから。

文字通り、夜明けはここから始まるのだ。

おはよう、日本。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 高千穂河原
  • 住所: 鹿児島県霧島市霧島田口2583-12
  • 料金: 無料(ただし駐車場代は有料)
  • 駐車場: あり
  • 時間: 特になし