「屋島」って、すごくいいよね。
平安末期の源平合戦の地として有名で、僕も小学生の時にそこからこの地の名前を知った。最近は2022年に「やしまーる」という複合施設ができて、すごく綺麗な展望台が整備されたりした。今もいいし大昔もいい。
…でも、ちょっとだけ昔も捨てがたい。
2022年のやしまーるができる前の、ほどよくレトロな雰囲気のあふれる屋島の景観も好きだった。

僕らの人生って常に前を向いて歩まないといけないけどさ。でも、今日は少しだけ後ろを振り返り、2010年代後半の屋島の様子を思い出してみないかい?
…というわけでだ、今回はいわゆる古戦場や展望台の屋島だけではなく、屋島半島の複数スポットについて連れていきたいと思うのだ。
西海岸:浦生海岸(プロローグ)
夕暮れ時、僕は屋島半島最北端の「長崎ノ鼻」を目指していた。未だ訪問したことの無い岬にて、夕日を眺めようと思っていたのだ。
しかし辿り着かなかった。半島を周遊する県道150号から、岬の北端に向かう小道が必ずあるはずなのだが、気付いたら岬の先端付近を通過して南に向かい始めていたのだ。
しまった、どこかで分岐を見落としてしまった。どうする…?
このまま先に進もう。ウロウロして時間をロスし、日没時間になってしまう方が残念だから。

半島西海岸の「浦生海岸」で車を停めた。西海岸なので、夕日を眺めるにはうってつけなのだ。だからこそ、岬の先端に対するこだわりを捨てたのだ。
ところで、"浦生(うろ)"と読むらしい。知らないと読めないよね。

浦生についての説明版があるが、情報量が多いな。
海産物が豊富な地であり、かつここにある神社は豊玉姫命鵜草葺不合尊を産んだところだそうだ。他にもいろいろだ。とりあえず歴史は深そうだ。
海岸から後ろを振り返るとすぐに、看板にも書かれている「鵜羽神社」がある。

これがその鵜羽神社だ。霊力の乏しい僕にはこの神社の真の魅力は充分には把握できかねる。だけども、肌寒くなりつつあるこの春の夕暮れ、境内に吹く風を感じるのは「旅」って感じで心が熱くなったよ。

こうして僕は暮れゆく瀬戸内海をいつまでも眺めていた。
…ここまでが日本4周目の話だ。
最北端:長崎ノ鼻
そして日本5周目!!
僕は再び、県道150号で屋島半島の周回道路を走っている。今度こそ長崎ノ鼻に到達したい!あのときのほろ苦い記憶を思い出しながら、県道を慎重に走っていた。

今回はちゃんと長崎ノ鼻への道を発見できた。
…こりゃ気付かないわ。初見殺しだわ。小さな看板はあったものの、特に反時計回りで来ると気付きにくい。なぜなら、岬への道への挿入角度は150度くらいだったのだ。えらいヘアピンカーブ。切り返ししないと入れなかったわ。

擦れ違いもできないようなすごい狭路で、途中からは未舗装になった。
対向車が来ないことを祈りながら進む。なにせ車体が大きいのだ。HUMMER_H3なのだ。対向車が来たら詰む。距離はあまり長くはない様子だが、充分にドキドキさせてくれる道だ。

突き当りの空き地が駐車場であった。ここまで、幸いにして対向車は来なかった。大きな枯れ木が世紀末感を演出してくれている。寂しい雰囲気だが、岬ってそういう世界の果てみたいな雰囲気でもいいと思うんだぜ。
駐車場から100mほど歩くと、殺風景でワイルドな屋島半島の最北端に辿り着いた。
念願の長崎ノ鼻への到達だ。

…なんか結構曇ってきてしまった。今朝の早朝の鳴門では素晴らしい朝日を眺められたというのに。1月なので見た目も寒いし実際に寒い。車に上着を置いてきてしまったので、さらに寒い。
でも、瀬戸内海に浮かぶ島々を眺められるいいロケーションではないかね?岬の先端がリアルに尖っているので、岬感があるのもポイント高い。
写真中央に何やら看板がある。あれを見に行ってみよう。

日本に「ペリー」が黒船でやってきてから国内の緊張感が高まり、1863年にここに砲台が設置されたという歴史が書かれていた。瀬戸内海ってかつては砲台まみれだったもんな。ここも半島の先端という良い立地なので、例に違わずだ。

先端まで歩いてみた。なんかの建物の基礎があった跡がある。
これが砲台跡…、ではないよね、きっと。江戸時代の物がここまで残っているとは思えないしね。そもそもこれ、コンクリの痕跡を残しているしね。また別の建物がかつてここにあったのだろうね。東屋とかかな。

静かで小さくて、ちょっと寂しい感じのマイナーな岬。こういうの、嫌いじゃない。むしろ好き。リベンジできてとてもよかった。
愛車乗り込み、未舗装路を引き返す。未舗装路脱出ギリギリのタイミングで対向車来たよ。手前のアスファルトの道で、僕が来るのを待っててくれたよ。危ない危ない、あと数秒ズレていたら、マジで擦れ違いは不可能だった。
屋島の台地①:源平古戦場
日本6周目の秋のことだ。まずはフラリと「屋島駅」にやってきた。屋島駅を訪問するのは初めてだからだ。見てみたいと思ったからだ。

大正時代に出来た駅らしい。なかなかの歴史だ。駅の各所には、源平合戦の地であることをアピールする掲示物があった。
冒頭にも書いたけども、そうなのだ。「源義経」が平家一門との激戦を繰り広げながら西に追い詰めていく戦いの1つ。兵庫県の「一の谷の合戦」→香川県の「屋島の合戦」→山口県の「壇ノ浦の合戦」って進むんだよね。
屋島の合戦は1185年2月のことだ。もう800年以上も昔のことだ。

駅前のロータリーには巨大な石柱が聳えていた。
このあと知るんだけど、屋島駅って2つあったんだね。JRと琴電。これはJRのほうだ。源平合戦にゆかりがあるのはどっちの駅だ?いや、義経はたぶんどっちの路線も使っていないな。馬だ、たぶん。

そして駅から北を目指すと眼前にはとんでもない山が現れる。
正面あたりが「屋島神社」だ。なんだか圧倒される世界観だ。今から山麓を右側から回り込むように登っていくのだぜ。
こうして「屋島スカイウェイ」という丘陵を走る道に入る。この道は2017年までは「屋島ドライブウェイ」と呼ばれていた。そっちのほうが馴染みのある人もまだ多いかもしれないね。僕もその1人だ。

そのスカイウェイの序盤で出てくるのが「ミステリーゾーンだ」。道の脇に唐突に「?」付きで出てきて、こっちの頭にも「?」が浮かぶ。
その正体が何なのかと言うと… ―

坂道錯視。さて、あなたはこの坂が登り・下りのどちらに見えるだろうか?
正解は登り坂だ。目の錯覚で下り坂にも見えるのだ。複数の傾斜の坂が連続すると、脳の判断がバグるのだ。高速道路など、これによって本来はアクセルを踏むべき部分でブレーキを踏んでしまい、それによる渋滞の名所が何箇所かあるよね。

これは懐かしの屋島ドライブウェイ時代の最終盤の写真だ。
2017年の7月まで有料道路であり、その2ヶ月前に僕はここを通過していた。普通車は630円だった。この料金所のロゴがとてつもない昭和感があるよね。キュンキュンする。

ここがそのスカイウェイの終盤に出てくる有名な展望スポットだ。「源平屋島古戦場案内図」って呼ばれたりしている。古戦場そのものではなく、それを指し示す案内板のあるスポットだから。
眺望もいいが、この案内板と共に撮影するのが礼儀なのだ。これを入れて撮影するとなんだか迫力が増し増しだからな。

見下ろす光景をズームしてみた。あのあたりで800年前に源氏と平家がバトっていたのだろう。今では普通の川沿いの住宅地であり、当時の面影はない。そもそも当時の屋島は、その名前の通り島だったそうだしな。

しかしどこか古代を、そして原始を思わせるこの荒々しい景観。屋島はカッコいい。
そんな風景を眺めながら、スカイウェイの終点へと歩みを進めた。
屋島の台地②:獅子の霊巌展望台
さぁ、最終章は丘の上の「屋島寺」と展望台を巡る話をしよう。かつ、冒頭で少し触れた2022年誕生の複合施設「やしまーる」ができる以前の姿を回顧していこうぜ。

これが当時もらったMAPだ。この色彩が控えめたところがレトロで既に古文書みたいなテイストだとは思わないかね?
とりあえず一番上にデカデカと書かれている「獅子の霊巌展望台」を目指すことにする。名前がカッコいいし。中二が好きそうな名前だし。
あと、駐車場に半分めりこむくらいの位置に「血の池」という物騒なスポットがある。なるほど、まずはそこを見てみたい。

これが血の池だ。あまり物騒なビジュアルではないが、確かに血の池なのだ。名前の由来は、源平合戦終了後に兵士が血の付いた刀をこの家で洗ったからだ。
じゃあ、800年経過した今は血の成分は限りなくゼロだね。ならば怖くない。「瑠璃宝の池」という綺麗な別名もあるし。

四国八十八箇所の中の、第八十四番札所である屋島寺。西暦754年に創建したらしく、時代は源平時代よりもさらに数段古い。その山門がこれだ。お遍路には縁のない僕も、これを前にすると背筋が伸びる思いだ。

しばらく歩くと本堂が見えてきた。あまり寄りの撮影はしてないが、年季の入った柱の貫禄に見とれた。
昨年である2025年に改修されたそうだが、今はどうなっているのだろう?歴史を感じさせる色褪せた柱はそのままであってほしいと思うが。
ここで旅の安全を願い、参拝した。

本堂の横には2匹のタヌキの石像がある。太三郎狸っていうらしい。
日本三名狸の一つで、「平重盛」に助けられたタヌキの子孫とされる守り神。ここ屋島寺の守護神として戦乱や凶事を予告して、源平合戦の様子を幻術で再現するほど変化の術に優れ、四国狸の総大将になったんだって。
他にも「鑑真」や「空海」を道案内した伝説もあるみたい。ジブリ映画「平成狸合戦ぽんぽこ」にも登場しているそうだね。見たことないけども。

さらに獅子の霊巌展望台を目指して歩くと、激渋の商店が現れた。
あんまり活気が無くてひっそりしているけども、こういうロケーション大好きだ。アーケードのポイントが高い。これがあることでグッと渋みが増している。

2022年のリニューアルでここも大きく変わってしまったよね?それはそれでスタイリッシュになっていいことなんだけども、こういう雰囲気を懐かしむのも大事だと思うんだ。

「喫茶マウンテーン」。
"テーン"って伸ばさない名古屋の「喫茶マウンテン」ならば僕は60数回通った大好きな喫茶店だ。甘口パスタやドカ盛りなどのエッジの効いたメニューが目白押しで、数多くの登山者を遭難させた名古屋の魔峰だね。
気になるならWeb検索してみてくれ。たぶん検索順位5番以内に僕の記事が出てきたりすると思う。

標高293mの獅子の霊巌展望台に到着した。瀬戸内海の島々を眺める絶景スポットだ。
このカッコいい名前の由来は、展望台直下に咆哮する獅子の顔のような岩があったから、だそうだ。たぶん今は整備されてしまっているので、その岩の存在はわからない。

展望台にはテーブルやイスが多く配置されたテラスがあって、そこからの眺めがとてもいい。眼下に市街地を一望できる。さっきの古戦場を示す看板のところと似たようなロケーションだけど、こっちの方がさらに高いしさらに視野が広い。

…で、これが前述の景色を見渡せるテーブル席。春だがわりと蒸していて気温も高いので、みんな日陰のテーブル席に座っている。
今はここがやしまーるに生まれ変わり、綺麗な屋内から絶景を眺められるようになったんだよね?まだ僕は訪問できていないので、そのうち再訪してみたい。

どんよりした天気なのが残念ではあるが、景色は爽快感バツグンだ。
なのでテンション上がって道行く人に写真撮ってもらったりした。

最後に出てきたのは「新屋島水族館」。小さな水族館。海が近いとはいえ、丘の上に水族館ってちょっと珍しいか…?老朽化の影響で2026年現在は休業しているが、2027年にリニューアルオープンするらしいよ。
僕の知っている屋島がどんどん無くなっていくけども、逆に言えば新しい屋島に出会えるチャンスがどんどん増えているんだ。
古戦場で有名な屋島だけど、時代に合わせて進化していく。こうしてう昔も今も未来も、人々に着目される地であり続けうのであろう。すごい。
以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。
住所・スポット情報
- 名称: 屋島寺
- 住所: 香川県高松市屋島東町1808
- 料金: 無料
- 駐車場: あり
- 時間: 特になし