ペガサスは、翼を持つ馬だな。白馬というイメージがあるし、なんか洗練されていて崇高な気もする。
もし"ペガサス"という名前の会社があるのであれば、なんとなく先進的なIT系の会社であったり、それがお店なのであればハイテクな機器だとかを取り揃えていそうな気がする。
あなたがどういうイメージを持っているのかは知らないが、僕個人はそう思ってしまうのだ。
…だからね、-

ー 白いプレハブ小屋みたいな建物で、気の抜けた文字で"ペガサス"って書いてあって、中に入ったらレトロなゲーム機が「ポヘポヘー」と気の抜けた音楽を奏でていたり、ゲームの景品がことごとくアダルティなグッズだったり、レトロな自販機から蕎麦が出てきたりすると、「おやおやおやおや…!予想外!…でも最高だな!!」ってなってしまうのだ。
そんな、スタイリッシュさを捨て去って庶民的に大きく舵を切った「ペガサス」を話をしたい。そこはレトロ自販機があることで、そこそこ有名なドライブインなのだ。
プロローグ:日本5周目は空振りで
そのペガサスを初めて目指したのは、日本5周目の秋のことだったなぁ。

いい外観だ。シビれた。
"ペガサス"っていう文字の右側はペンキで塗りつぶされているけど、これは"24H"って書いてあったらしいね。今も24時間営業っぽいが、どうして塗りつぶしちゃったのかな?
こういうドライブインに入るときはいつもそうなんだけど、アンダーグラウンドな雰囲気にちょっとドキドキしながら扉を開く。
中は「30年以上前のものなんじゃない?」って思えるような、レトロなメダルゲームやUFOキャッチャーが点々と置かれている。メダルゲームの景品のカプセルの中、なかなか芳ばしい。アダルトなグッズばかり。そして店内に貼ってあるポスターだとかも、そういうのばっか。
なかなか尖ったスタンスだね。トラックの運転手さんとかを意識した昭和のドライブインの生き残りって感じだな。

しかし、僕の目当てはそういうのではなく、ここにあるというレトロ麺類自販機。アツアツのそばやうどんが登場するのだ。
早速その昭和時代のものと思われる自販機の前に行ってみるのだが、残念ながらそば・うどんともに売り切れであった。ガクッときた。せっかくそれを目当てに遥々来たのに、残念すぎる…。
店内には同じくそばやうどん等を注文できる有人の軽食スペースもあるのだが、そういうのは興味ないし。例え同じものを食べれるとしても、僕は自販機から出てくる麺類に興味があるのだ。

狭い店内には数名の人がいたので、カメラを取り出してパシャパシャと撮影するのは憚られたので、今回はボロい携帯電話で撮影した画質の悪い写真だけUPしとこう。
そして、必ずやリベンジをするとしよう。
数ヶ月後に舞い戻る(天ぷらうどん)
数ヶ月後、季節は初夏。僕は再び新潟の山間部にあるペガサスに向かっていた。

快晴すぎる、気持ちのいい朝だ。
こんな天気の中、アダルティーなグッズであふれるスポットに行くんだぜ。そのギャップにゾクゾクするぜ。確かに朝からアダルティーだが、心はペガサスのように誇り高く行こうじゃねーの。

青空に白い建物が映えるね。まったく飾り気のない建物に、気の抜けたような"ペガサス"の文字。たぶん今回も中はちょいエロ。改めて「そういうペガサスがいてもいいじゃない」って思ったさ。

うん、やっぱり店内のゲームの景品には、未成年には見せられないようなグッズばかりだ。
でもね、アンダーグランドかといえばそういう雰囲気でもなく、明るい店内に、さも当然のようにアダルトが存在している。そんな古き良き昭和な香りのするドライブインだ。
「良い」とか「悪い」とかはさておき、自然体なのだ。「男子校の部室ではエロいトークもするよね」くらいに自然なのだ。なんだこのドライブイン。

いつまでもゲームを気にしている場合じゃない。レトロ自販機だ。前回は全品売り切れで涙をのんだが、今回はどうなんだっていう話だ。
ドキドキしながら在庫をチェックすると、良かったぜ、ちゃんとある。まだ朝の6時台なので本日分の補充がされていなかったりして売切れの可能性を危惧していたが、うどんもそばもある。選択肢がある。素晴らしい。

天ぷらうどんと天ぷらそばは、どちらも350円。うどんを選択した。
お金を入れてボタンを押して10数秒で、アツアツうどんが自販機から登場するのだ。カウントダウンの秒数表示はデジタルではなくって、もう絶滅寸前のニキシー管。光に温かみがあるよね、ニキシー管って。

はい、出てきたー!対面の瞬間。いつだって僕はこの瞬間には最高に気持ちが昂(たかぶ)るよ。
それと、あんたら素人はこのワンハンド・レシーブはやらないほうがいいぜ。容器は少々フニフニで薄めのプラスチックで安定性に乏しいし、熱も伝わりやすいからな。

初めて食べる、ペガサスのレトロ自販機麺。やや薄味のダシに、タマネギのかきあげが乗っている。うどんはもちもちで食べ応えある。
うん、普通にうまいではないか。そりゃあね、純粋に味だけを評価するなら感動レベルってわけではないよ。だけども前回のリベンジである点や、レトロなマシーンから出てくるワクワク感、そしてエロゲーム機のBGMを聞きながら食べるうどん、という意味では格別さ。

じゃあまた次に機会があったら、今回食べなかった天ぷらそばにチャレンジしようか。
ゲリラ豪雨を眺めながら(天ぷらそば)
ちょいと時間が流れて2025年の夏になった。僕は久々にペガサスを目指すことにした。それはもちろん天ぷらそばを食べるためだ。
下界はそこそこ晴れ間が見えていたのだが、山間部に入ってペガサスが近づくにつれて強い雨が降ってきてしまった。まぁしょうがないよね、そういう日もある。

ウワサには聞いていたが、広い駐車場にゴツいコンクリートのシェルターができている。
スノーシェルターだとかチェーン着脱のための作業場所だとかって言われているが、僕は正確には知らない。どうやら2023年か2024年に出来たそうだ。

そのシェルターの遥か向こうにペガサスが「こんにちは」しているね。やぁ、久しぶり。
トラックの運転手さんは車をコンクリの屋根の下に停めて積み荷の作業をしてる。正解。雨の日にこういう屋根はありがたいよね。

僕は傘をささずにダッシュで店内に入りたいので、シェルターは使わずになるべく店舗の近くに停めちゃうけどね。このお店、駐車線だとかが無くって、なんだかみんな好き勝手に停めちゃう文化なようなので。

で、店内のUFOキャッチャーとかにはいきなりこんな貼り紙がされていたりするよね。時代は令和になったが、勢いは昭和時代のまんまだ、ここ。
『ロマンポルノ』というなかなか聞かないパワーワード。ポルノはロマンか。そっか、そうだよね。『第2弾限定入荷』ということで、第1弾もあったのだろう。『早く採らないと無くなるぞ』という煽り文句も秀逸だ。
あんたも欲しけりゃ急げよ。僕はやらずにあんたの分、残しておいてあげたからな。

これがほぼ店内の全景だ。
中央にはレトロなカプセルをクレーンでキャッチする系のゲーム。カプセルの中はもちろんアダルティー。大人ってスゲーな。そういうことしか考えていないのかね?うん、確かにそうかもしれないな。

初回訪問時には営業風景を目撃した、店内の軽食スペース。平日限定で11:00~13:30という短い間だけ営業しているのだそうだ。
こういうゲームや自販機をメインしたドライブインで調理してくれる設備があるって貴重だよね。初回は「目的はこれじゃない」と言って利用せずに去ったけども、レトロ自販機で食べれないならここを利用しておけばよかったのに、って2025年の僕は考える。近い将来、こういう規模のドライブインのこういうコーナー、消滅するだろうからな。

そのメニューはこんな感じだ。各種うどんとそば。ラーメンにカレー。調理に時間がかからず、お客さんが多くても少なくてもなんとかなるオーソドックスなラインナップだ。
だけども不思議と興味はそそられる。仮に次回があったら今度はここを利用するのも面白いかもな。僕にとってはこっちのほうがロマンだね。

そうそう、レトロ自販機なのだが、僕が入店した際にはパカーって扉が開いていた。そして、スタッフのおばちゃんが用意されているそばやうどんを順次中にセットしている最中だった。
この写真もよくみると、奥のテーブルにセット前の大量の麺類のプラ容器が並べてあるのが見えるでしょ?だから僕はちょっと離れたところからその作業を見守りつつ、自販機を伝えるタイミングを見計らっていたのだ。

そばやうどんがセットされて満腹状態になったレトロ自販機だ。心なしかそのビジュアルも誇らしげに見える。冗談はさておき、昭和時代のレトロ自販機であるが、綺麗に管理されているよな。

あ、やはり値上げされているな。天ぷらそばは480円、天ぷらうどんは460円だ。レトロ自販機界の中でもややハイグレードな部類だな。
そしてうどんよりそばが20円高いというのも他の店舗ではなかなか見ないパターンだ。例えば「天ぷらそばより肉そばが高い」とか「きつねうどんよりデラックスうどんが高い」というように具材に応じた価格設定はあるが、そばとうどんの麺で差額があるのは珍しい。
今回僕が食べたいのはそばだ。より高級な方を選ぶ僕。エリートって感じだよね。すごいぞ僕。

前回には無かったと思われる貼り紙が自販機本体に掲示してあった。
つゆは沈んでいるし多いのだ。つゆを制する者は麺を制す。そう言いたいのだね、よくわかった。

天ぷらそば、以前のうどんと比べてすごくだしが黒く見える。食べてみると心なしか味も濃くなっているように感じた。味の記憶、もう薄れているので正確じゃないかもしれないけど。
あと、天ぷらはきっと以前よりも大きくなっている。それに麺の量もかなり多くて、ご覧の通りだしにヒタヒタなくらいのボリューム。そう考えると480円という価格にも充分に納得だな。

食べ始めたときにちょうど10時になった。
店内のゲーム機にはどうやら10時に電源が入るらしく、それまで静かだった店内の各所から「電源が入りました!」・「電源が入りました!」・「電源が入りました!」と電子アナウンスがこだまする。そんな中でそばをすすった。
その後、ようやくアナウンスが落ち着いたと思ったら、外から「ザーッ!!」というすごい音が聞こえてきた。

うわぁ、すっごいゲリラ豪雨。傘を持たずに店内に入ってしまった僕。愛車は目の前にあるのだが、そこまで行くだけでもビショ濡れになりそうだぞ…。
なのでゆっくりとそばを食べ、そのあとは店内のゲーム機や自販機をじっくり観察して雨が止むのを待った。

この"ポテルカ"というポテトチップ自販機もレトロだしレアものだそうだよ。僕はあんまり興味無いタイプだけども。レバーを下に引いて取り出すタイプのヤツだね。デザインはかわいい。
そのうち雨も小降りになり、僕はペガサスを出発する。
それでは今回もありがとうございました!
ペガサス。レトロ自販機ブームの昨今においてもカップルやファミリーには近寄りがたいテイストを維持し続けるドライブイン。そんな時間の止まったスポットだからこその希少性と魅力もあるのかもしれないね。
次回訪問時はどのようになっているだろうか?それもまた人生の楽しみだ。

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。
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