週末大冒険

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ちょっと出かけてみないか。忘れかけていた、ワクワクを探しに。

No.515【新潟県】北限の自販機トーストはここだ!「ポピーとよさか」のレトロ自販機へGo!

「ポピーとよさか」は、麺類自販機とトースト自販機を有するレトロなドライブインだ。

どちらも現代においては滅びかけた自販機でありとても貴重なものなのであるが、特にトースト自販機はレア。2025年現在は日本最北のトースト自販機だと言われている。つまりは東北地方や北海道にはトースト自販機は存在しないのだ。

 

 

そんな自販機たちを求め、僕は新潟県に向かう。

あぁ、新潟のレトロ自販機保有スポットと言えば、「公楽園」っていう2000円台で宿泊もできるすんごいドライブインが有名だったりしており、ここポピーとよさかは少々その陰に隠れてしまっていたりするけど、食事のクオリティは高いんだからな、ここ。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

それでももしあなたが公楽園について知りたいと仰るなら、しょうがねー。上記リンクから僕の過去記事を読みに行ってくれても良い。

だが、先にこのポピーとよさかの話だ。…時は10年程前にさかのぼる…。

 

 

トーストはおつまみなのだ

 

では、僕がポピーとよさかを初めて訪れたときのことをまず書こう。それは2014年の真夏のことだった。

 

初回訪問の思い出1

横に長ーいドライブイン。赤いテント看板が目を引くね。

「24_食事と喫茶_ポピーとよさか_ゲームランド_24」…。「24」とは、きっと24時間営業を指しているのだろうな。思いつくままに書き殴ったかのような文言が並んでいるが、その赤さも相まってワクワクが込み上げてくる。

 

ところでこの文言は2024年現在はもう拝むことはできないから、あなたも今のうちに上の写真で目に刻めよ。

 

初回訪問の思い出2

路沿いの看板には『レジャー&レスト』と誇らしげに書いてある。はて、レジャーとは…?って一瞬思ったけど、きっとそれはドライブイン内のゲーム機器のことを指しているのだろうな。

 

それと、上の看板で『ポピー豊栄』と表記してある通り、”とよさか”を漢字表記するケースもあるそうだが、当ブログではよりポピュラーなひらがな表記を採用させていただく。

ところで豊栄っていうのは、このあたりの地名だよ。

 

初回訪問の思い出3

中に入った。内部の3分の2ほどはゲーム機で埋め尽くされており、端の方にイートインスペースがある。奥には厨房があって簡単な麺類をオーダーして食べることもできるようだし、レトロ自販機からのご飯を食べることもできるスタイルのようだ。

どっちも興味あるけども、今回はやっぱりレトロ自販機だ。

 

初回訪問の思い出4

まずはこれが麺類自販機だ!天ぷらそばや天ぷらうどんがアツアツの状態で出てくる、富士電機製のレトロ自販機なのである。

 

…が、ちょっと考えたけども今回はこれは利用しない。実は今日の夕方だけで、3店舗のレトロ自販機保有店を巡る予定なのだ。ついさっきは別のお店で自販機トーストを食べた。この後はさらに別のお店に行く予定なのだが、そこは麺類自販機しかないという。

「トースト → X → 麺類」。僕の胃袋のキャパシティ的に、「X」には何を入れるべきか。ここで麺をぶっこんだら溢れるのは目に見ている。トーストだね、正解は。

 

初回訪問の思い出5

本命、トースト自販機だ。

で、これをよく見てくれ。トースト自販機の左右がどちらもお酒の自販機なのだ。そしてトースト自販機の上部には「おつまみ」と書かれたプレートが吊り下げられている。トーストはおつまみなのだ。意外かもしれないけど、そうなのだ。僕が教師ならこれをテストに出すから覚えておいて。

 

初回訪問の思い出6

注意書きが貼られている。お金はゆっくり投入だ。100円玉しか受け付けないぞ。そしてトーストは熱いので気を付けて取り出す必要がある。これは重要なので2回分書いてある。

きっとね、酔っ払いがあわてて50円玉とかをバカスカ投入して、あげくに出てきたトーストでヤケドでもしたのだろう。そういう人ってこういう貼り紙も読まなそうな気がするけどな。

 

初回訪問の思い出7

メニューは2種類。チーズトーストとハムトーストがあり、値段はどちらも200円だ。

僕はチーズトーストを選択。ボタンを押すと自販機内でパンが温められてから出てくる。これが灼熱なのだよ。ハンカチを使って掴まないとマジでヤケドしかねない。

 

初回訪問の思い出8

厚手のアルミに包まれたトーストが出てきた。マジックで手書きで「チーズ」って書かれているのが愛おしい。左上は僕のレトロなガラケーだ。なかなかスマホに移行できなかったあの頃の自分が愛おしい。

 

初回訪問の思い出9

チーズは多めであり、アッツアツに熱されているのでトロトロだ。コクがある。シンプルではあるし味も予想通りだけども、満足度の高い一品だな。

…これが初回訪問時の思い出。

 

 

輝かしい夕日と共に、うどん

 

時代は流れて2025年の夏。僕は再びポピーとよさかを訪問した。

 

夕焼けドライブイン1

これはポピーとよさかの駐車場に車を停めてから眺めた夕日だ。

あぁ、夕焼け空がきれいだねぇ。夕焼けとレトロドライブインって、不思議とマッチするよねぇ…。

 

夕焼けドライブイン2

「レジャー&レスト」の看板も健在だ。

だってこれ、大事な言葉だもんよ。僕の人生なんて、レジャー&レストのためにあるようなものだし。僕が普段会社で頑張って働いているのも、レジャー&レストのためだし。座右の銘にしよ、うふふ。

 

夕焼けドライブイン3

だがしかし悲しいこともあったぞ。赤い屋根を見てくれ。以前は「24_食事と喫茶_ポピーとよさか_ゲームランド_24」と、おめでたくて縁起のいい用語が陳列されていたのだが、根こそぎなくなった。「ポピーとよさか」以外全部なくなった。

 

どうやら24時間営業ではなくなったようなので「24」は取った方がいいかもしれないが、「食事と喫茶」や「ゲームランド」まで撮ったら何の店だかわからなくなっちゃうじゃん…。

 

夕焼けドライブイン4

あぁでも「食事と喫茶」と書くことで、レストランだと思って入っちゃう人とかいるのかなぁ。

まぁいっか、とりあえず中に入ろうぜ。怪しくてちょっとボロい、黄色いテント屋根の部分からドライブインにぬるりと入り込む。

 

店内1

前章ではご紹介しなかったゲームコーナーの写真を掲載する。たぶん2・30年はラインナップが変わっていない、激動の平成時代を駆け抜けたゲーム機たちだ。おそらく地元の方々と思われるおじさん方がチラホラいて、業務に興じている。

店内2

これがイートインスペースだ。

奥にあるトースト自販機の部分をよく見てほしい。前章では左右にお酒の自販機を従え、上部には「おつまみ」と書かれたプレートがあった。だけども今はそれらがないのだ。

 

おそらくは時代の流れだろう、ドライブインでお酒を売ること自体に厳しくなったのだ。そのために撤去されたのだと推測する。そうなると必然的にトーストはおつまみではなくなる。おつまみプレートも取り外されたってわけなのだろう。

なんてこった。トーストはもはやおつまみではなく、食事だなんて。…普通だ。

 

天ぷらそば1

今回は、以前利用しなかったこちらの麺類自販機を使うぞ。「熱いので気を付けて」みたいな貼り紙がベタベタと貼ってある。トースト自販機同様、ここいらに住む人は熱さに無頓着でヤケドばかりしているのだろうか。

 

天ぷらそば2

メニューは天ぷらそばと天ぷらうどんであり、どちらも400円だった。では、うどんの方を食べよう。

コインを入れるとニキシー管のカウントダウンが始まり、ゼロになると同時に取り出し口からアツアツうどんが登場する。

 

天ぷらそば3

うん、うまい。太めでプリプリの麺と、少し濃いめのダシ。そして具沢山で大きなかき揚げ。

想像を上回る味ではないが、安心・安定の品質。作り手と買い手、お互いの顔の見えない自販機だからこその、誰もが納得するような味ではないかな。

 

店内3

1979年の創業以来、スタッフのおばあちゃんたちがトーストと共に毎日厨房で丁寧に作っているのだそうだ。こういう情報が掲示されているのを読むのが好き。自販機を利用するだけではわからない裏側がわかると、より一層愛着を持てるから。

 

さて、続けて北限のトーストをまた購入しようかな…って思ったところで、小銭がないことに気付いた。

 

 

ハムトーストを購入するために

 

以前、トースト自販機にてチーズトーストを購入したことがある。なので今回はハムトーストを買いたいと思っていた。…が、小銭がない。10円玉や50円玉ならあるが、前述の通りトースト自販機は100円玉しか受け付けないのだ。

 

お札ならある。1万円札も5000円札もある。両替機もある。だが両替機は1000円しか受け付けてくれない。なんてこった。

 

店内4

店内にはドリンク自販機も多数ある。そのいずれかが5000円札以上に対応できないかチェックした。もし対応できるのであれば、ドリンク1本買うことでお釣りとして1000円札を入手できるからだ。…しかしそれもなかった。

 

店内5

さらに次の手段だ。

前述の通りここにはオーダー式でフードメニューを頼めるシステムがある。グッズ販売もしている。そのスタッフさんに頼めばお金を崩してもらえたりしないだろうか…?

チラッと厨房を覗いてみるのだが、誰もいない。貼り紙によるとフードをオーダーできるのは16時までだそうだ。今はすでに18時を回っている。ダメだ、八方塞がりだ。

 

でも、一応2種あるレトロ自販機をどちらも活用はできているしな。ちょっと心残りもあるけれども、これでいいんじゃない?今回は諦めよう。

僕は車に乗り込み出発する。…すると、100mほど先にコンビニがあることに気付いた。あ、じゃあここでドリンク1本買ってお金を崩そう!誤って電子マネーで支払いしないように気を付け、お札を出してお会計。

これで晴れて1000円札や小銭を入手することができた。

 

夕暮れ空のドライブイン1

5分ぶりに戻ってきたドライブイン。もう日没を過ぎたようで、少し暗くなってきている。もうちょっとしたら照明がつくのだろが、今は中途半端な時間帯だね。

 

店内で一度すれ違ったおじさんと駐車場で目が合った。おじさんの表情から、「あれ?キミなんでまた戻ってきたの?」って思っていることが読み取れた。

この世にはあなたの想像以上の試練があり、僕はそれを乗り越えて戻ってきた。それだけだ。僕はおじさんに対し、そう目で訴えた。たぶん120%伝わっていないけど。

 

夕暮れ空のドライブイン2

これがドライブインの入口だ。生垣の切れ込みから入るようなスタンスであり、狭めだしボロいし中の様子がわかりづらい。

平屋なのだからもうちょっと幅を取って開放的な入口にもできただろうに…。でも少しアンダーグラウンド感のあるこれが、僕は好きだよ。

 

ハムトースト1

スキップでトースト自販機の前に立つ。かつては200円だったトーストは300円に値上がりしているが、そんなのは気にしない。値段以上に価値があるのだ。

早速ハムトーストを購入した。これは持ち帰りにして、あとで食べようかな。

 

ハムトースト2

はい、これは後ほどハムトーストを食べるシーンだ。時間が経って冷めてしまってはいるが、こちらもお腹のキャパとかその後に食べたかったものとかとの調整があるのですまん。

 

アルミは以前と比べて薄くてクチャクチャなタイプだ。こっちの方が安価だからしょうがないよね。2010年くらいまではトースト自販機専用のアルミがあって、すごく厚くて綺麗だったんだけども、とっくに製造終わってこの世から消滅してしまったしね。

 

ハムトースト2

開封ー。なんか焼き色にムラああるけど、これも唯一無二の芸術作品だろ。

ちょっと中身を確認したいので、2枚重ねになっていうちのる片方のトーストをスライドさせてみた。

 

ハムトースト3

ハム!以上!

ストイックこの上ないビジュアルだが、実際はマーガリンの香りがほのかに漂っていてうまい。コーヒーと共に食べたら幸せな気持ちになった。

 

そんなポピーとよさか。今や貴重な昭和テイストのドライブイン。今後も元気に営業してくれることを願っているよ。

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: ポピーとよさか
  • 住所: 新潟県新潟市北区内島見2545-2
  • 料金: 天ぷらうどん¥400他
  • 駐車場: あり
  • 時間: 8:30~21:00