日本三古泉(道後温泉・白浜温泉・有馬温泉)、そして日本三名泉(草津温泉・下呂温泉・有馬温泉)の両方にノミネートされていることから、そのポテンシャルの高さを窺える。
…にもかかわらず、神戸や大阪から気軽に日帰りできる好立地にあるのも魅力の1つだろう。気軽に非日常を味わえるのだ。
僕も有馬温泉を訪れ、結構いい旅館で温泉入って懐石料理を食べてくつろぎ、そして温泉街を散策して食べ歩きとかしたことある。
少々昔のことなのでちょいと記憶が薄れつつあるが、いい思い出だったことは間違いない。
ただ、個人的に有馬温泉の一番の思い出だったのは、やっぱ車で通行して立ち往生しかけた、温泉街の中の狭い道かなぁ…。
こういうこと言うと有馬温泉ファンに刺されるかもしれないけど、本当のことなんだからしょうがない。
では今回は、僕目線での有馬温泉の思い出を語ってみようと思うんだ。
狭路に車を乗り入れて詰みかけた話
日本5周目にして初めての有馬温泉だ。そして家族旅行だ。
天気もいいし、僕は浮足立っていた。
有馬温泉の1km手前で、スイスイ流れていた道がいきなりギッチギチの渋滞となる。
なんとかノロノロ進んで「太閤橋」の前を通過。ここが有馬温泉の入口に当たるらしいな。この太閤橋が起点となって大渋滞を起こしているみたいだ。小さな交差点だけども四方から車がギャンギャン来る。人もワンサカいる。そんでキツキツになっているのか。
太閤橋を過ぎておよそ100m。「太閤通り」っていう大きな通りに入った。左右共にお土産屋さんや、おでんやおまんじゅうなどを食べ歩きできるようなお店でものすごい賑わいだ。
さすが秋の行楽シーズン真っ盛りの週末の夕方。ゴールデンタイムなのであるな。
普段の僕であれば、こんな観光スポットのど真ん中まで車を乗り入れたりしない。近くの駐車場に停めてから歩いてこういうところに乗り出す。
ただ、今回はダメなんだ。だって、宿がこの先なんだもん。避けて通れない道なんだもん。
半分歩行者天国みたいに観光客がワイワイあふれている車道をゆっくりと奥へと進んでいく。
…と、ここで2車線あって観光バスも来るような広い太閤通りが、急にブッツリ切れた。
あまりの事態に写真なんぞ撮れていないので、Googleマップから過去のストリートビューを引っ張ってきた。
ご覧の通り、唐突に道がなくなるのだ。完全に。白いバンがこっちを向いているところで道が途切れている。
失敗した。宿はこっちであるはずなのだが、カーナビをザックリしか設定していなかったのだ。宿ピンポイントで設定しておくべきだった。
宿はどっちだ?これより奥は行けないのか?なんか間違えていたのか??
周囲の車も何台か、いきなり出てきた行き止まりっぽい状況に困惑している。そのせいで後ろにさらに車が溜まる。なるほど、渋滞の一因はもしかしたらこれなのかもしれないな。
で、どうしよう。これは本当に行き止まり?そんなことってある?
すぐ左手には車道もあるが、アホみたいに狭いし激坂。入ったら出れなそうだ。むしろ擦れ違いすら無理だろう。
…ってことは、宿はやっぱ正面??ちょっとだけ突っ込んでみようか?
正面に行くと、そこは料亭の駐車場。完全に行き止まりってヤツだ。詰んだ。
で、そこの駐車場が狭すぎてUターンできない。4回くらい切り返せばギリギリ行けるかな…?
しかしホントめちゃくちゃ狭い。何度も何度も切り替えす。泣きそうなほどに大変。
そんなときに限って、観光客もこっち見てきて「あ、HUMMERだ!」とか言いながら写真撮ったりしていてね。
いや、いいんだけどさ。普段だったら愛想よくするけどさ、今はテンパってる。そしてカッコ悪い。気持ちに余裕ない。
アタフタしていると、料亭の従業員さんが出てきた。
そしてこういう事態に慣れているのか、慣れた感じで誘導してくれ、無事に方向転換終了。すみません、お客じゃないのに…。
でも、これはチャンス。質問してみよう。宿の名前を出し、どこにあるのか質問。
すると従業員さんが答える。「そこのお土産物屋の横の通りを登って道なりですよ」…って。
…一番聞きたくない答えが来て、思わず僕はニッコリだ。激狭の激坂に入れってことね。マジでヤバいぜ、これ。
上の写真は実際の約1時間後に撮影したものだが、僕が突撃したときはこんなレベルではないよ。もっと車もいたし、人は3倍くらいいた。
上の写真では、左手前に写っている車が坂を登りたそうにしている。しかし対向から坂を下がって来る車が2台いるし、さらにその後ろからも車が来つつあるので、いつまでたっても動けない状態になっている。
それでもこの状況であれば、しばらく待ってて行けるだろう。
しかし僕のときは待っていても絶対に車が途切れない、夕方のピークの時間帯。
だからお互い道路のギリッギリまで寄って、無理矢理すれ違いするしかない。でも人もわんさか歩いているのでマジでギリギリの状況になるであろう。
車内の家族に「コイツはマジでヤバいぞ。これからみんなの力を借りるから、左右両方見といてくれー!」って声掛けする。そしてマッチョなHUMMERを狭路にねじ込む。
これは当時のメモを無理矢理画像を引き延ばして貼り付けたものだ。なぜなら、その後すぐにこの状況は打開され、2024年現在はもっと快適になっているからだ。
具体的には行き止まりの先に行けるようになり、僕が辿ったような狭路に侵入する必要はなくなったのだ。良かったな、現代人。
ここでも「HUMMERだHUMMERだ!」って声が聞こえるんだけど、大変なのでシカト。
100mほどで有名な「金の湯」っていうところの前まで来た。そこのカーブでなんとか大きなバンと擦れ違う。宿まであと100mほどだろうか?
ここにきて道がアホみたいに狭くなる。当然対向車もガンガン来る。だけどもこっち側もすれ違いできないような狭いポイントで、僕はこれ以上端に寄ることができない。かといって対向車がジャマでこれ以上は進めない。
…結果、双方詰まった。
うん、どうにも動けない。でも、動かないことには誰もどこにも行けない。僕も下がろうにも、後ろも詰まっているし。
とりあえず、誘導してもらおう。弟に車の外に降りてもらい、状況を見つつ寄れるだけ寄ったり、動けるだけ動けるように誘導を頼む。
それで数mは進んだ。しかしまだ双方詰まっている。全然解決していない。周囲は人手ゴッタ返し、ギャラリーも集まってきたよ。なにこれ。
弟は先の道路状況を見て来てくれた。宿まで70mほど。うち狭路は50mほど。だけども道は限界まで細くって、この状況は完全にお手上げ状態との分析。
僕は同時に妹に指示し、宿に電話するように伝えた。どうにかなる可能性は低いが、なんらかアドバイスか誘導かを頼めたらラッキーだ。弟はペーパードライバーなので誘導スキルも低いので、これ以上は無理だ。
1・2分すると、近所のお店の人だか観光案内係の人だか知らないけど、ちょっと威勢のいい人が登場、誘導をフォローしてくれた。「あなたはハンドルをこう切って、あと〇センチ、あなたは…!」みたいな感じだ。プロ。
周囲の車がホントもうギリッギリまで寄せ合い、なんとか対向車が進む。そして前方に空いた最狭区間を、こちら側の車が1台ずつ通る。
抜けたー!なんとか抜けたーー!!これでもう宿は目の前!!
こうして辿り着いたのが、1928年創業という老舗旅館「角の坊」なのである。
太閤橋からここまでの距離、わずか370m。しかしかかった時間、22分。でも永久とも思えるほどの時間だったけどな。
いやぁ、嫌な汗をかきまくった。この後の温泉はきっと気持ちいいぞ。
余談だけどさ、しばらくくつろいだ後、夕暮れにちょっと散歩に出かけたの。
そのときロビーには、チェックイン時に駐車場を案内してくれたスタッフさんがいたので「いやぁ、さっきはどうも」みたいに声を掛けたの。すると「完全に身動きとれずに詰んでいましたよね、ブフフフーッ!」と改めて笑われた。
そうだよ、もう笑うしかないのよ。笑ってくれ。そんで明日のチェックアウトのときが恐怖なので、みんなまた助けてくれ。アンタも助けてくれよ。
老舗旅館「角の坊」の温泉と懐石料理の話
…というわけで、旅館は角の坊なのである。有馬温泉の中心にほど近く、数分歩けばどこにでも行けるような便利な立地だ。
老舗旅館だが、外観はゴチゴチで極めてソリッド。リニューアルしたのだろうな。内部は豪華さと和のテイストがいいバランスで取り込まれた素敵な旅館だったよ。
何階に宿泊したのかは忘れたけど、部屋の外はご覧の通りの絶景だ。紅葉真っ盛りってヤツだ。最高の時期に訪問できて感動もひとしおだ。
さて、それでは温泉だ。
冒頭にも記載の通り、有馬温泉は草津温泉・下呂温泉と並んで日本三名泉って呼ばれている。
仲居さんは、「ここの温泉の効き目はすごいですよ。お風呂から上がったらしっかり体を拭いてくださいね。でないと体がポカポカほてって寝れなくなりますよ。」って言ってた。へぇー、楽しみすぎる。
目玉となる温泉は"金泉"と呼ばれている。鎌倉時代からの古い歴史のある温泉を源泉からそのままこの旅館に引いているらしく加水も加温もしていない、それがこの旅館の最大のウリだ。
この金泉は撮影できなかったので、お部屋のパンフに掲載されているヤツを撮影させていただいたよ。
さすがに金泉はすごかったね。銅のようなにおいがして、そしてすんごい濃厚。体がピリピリするくらいの威力。すごい保温・保湿力あるわ。
そんで湯船の脇の岩の上にタオルを置いておいたら、この温泉成分で茶色くなっちゃった。これもう一生取れない。まぁこれも思い出だけど。
そういや仲居さんも「絶対に温泉が服に付かないようにしてくださいね!」って言ってたっけ。染物ができちゃうのだな。
他にもいくつかお湯があるのだけども、金泉の迫力がすごいのであとのものは割愛しよう。
風呂上がりの客室、外の気温はたぶん13℃とかそのくらいで軽く冬なんだけど、短時間であれば窓を開けて風を取り込んでちょうどいいくらいだ。そのくらいに体がポカポカ。
湯上りに眺めた窓の外の温泉街の夜景もナイス。このギリギリ真っ暗になる直前くらいの景色、いいよな。まだ17:30なんだけどな、さすがに11月は日が短いや。
そして次は夕食をご紹介しよう。この旅館は夕食・朝食共に部屋食なのだよ。贅沢だ。
おしながきが人生で一番読めない。古文書かな?とりあえず食前酒はリンゴのワインだった。ジュースのようにノンストレスで胃に収まる。
一品目はゴマ豆腐・山菜とキノコがどーのこーの、鯖寿司・鴨肉・むかごを松葉に刺してなんやかんや、みたいなシチュエーション。秋色にコーディネイトされていて、絵的にとても綺麗。すごい繊細。
フランス料理もすごいけど、懐石料理ももはや芸術だよね。まずは目で楽しめる。見ただけで「秋だな」って思うし、写真に撮っておけば後からでも秋の旅行であったことが思い出される。ステキ。
当然味もうまい。最初に瓶ビールを注文済みなのだ。ビールが進む。
松茸のお吸い物。うまっ!松茸なんてプライベートでは絶対に口にしないので、この味を墓場まで持っていきたいと思った。
料理はジャンジャン来るぞ。仲居さんがテキパキしすぎている。ビールをダラダラ飲んでしゃべりまくっている僕のペースじゃ追いつけない。
さらには少食な母親が僕に刺身を押し付けてくるので料理が渋滞してきた。
栗おこわだ。おこわをこんなに上品に盛り付けられる人、初めて見たわ。
食事の合間に女将さんも部屋に挨拶に来てくれた。「お風呂どうでした?」って聞かれたので「最高だった。今もまだポカポカだ。」と、ありきたりな回答をした。もっとアクロバティックな発言をして爪痕を残せればよかったが、リアルな僕はアドリブに弱いようだ。
ここからメインである雪姫ポークが出てくるそうなので、それに備えて神戸ワインをボトルでオーダーした。スッキリで飲みやすいな。秒で空くぞ。
厚切りの雪姫ポークの登場だ。兵庫県産の上質な豚肉なんだって。
これを各自鉄板で焼いて食べた。鉄板の上で弾けるようにジュージューいう音で、また食欲が初期化された。脳天を直撃するこの香り。たまらんよな。
うまいうまい。味が濃厚、ほどよい脂加減。ワインが進む。
しかしさすがにお腹がズッシリ重くなってきたなってところで、トドメの天ぷらがくるのよね。
懐石料理って終盤に天ぷら来るよね。順番的にはなかなかにドSなタイミングだと思うんだけど、ちゃんと理にかなった理由があるんだろうな、きっと。
天ぷらの1つは松茸だった。すごーい。一食で2回も松茸先輩に会えるなんて、人生で今回きりじゃないっすかね?
さらにはご飯とお味噌汁が登場し、これでフィニッシュだ。ついでに旅館側に特別にオーダーしておいたケーキが登場し、大団円だ。
もう腹パンパン。それでも一休みしたらさらに2次会でビールを飲む所存。
おまけで朝ごはんの写真。かわいい小鉢は1つずつかたちも色も違っていて、見て楽しい。温玉はインディージョーンズの聖杯みたいなヤツに入れられているし。聖なる温玉だね。食べると永遠の命を授かる。
…という冗談はさておき、料理も丁寧に作られていると感じた。いつもの一人暮らしの偏食に比べ、きっととても体にいいことをしている。ただし量が多くて太るかもしれないけど。
あぁ、いい旅館だったな。
ロビーにはオウムがいて、話しかけると答えてくれるようだ。チェックアウト時、母親が頑張って話しかけていた。
あと、古いオルゴールが設置されている。従業員さんに頼むと動かしてくれるんだって。僕らも動かしてもらってその音色を聴いた。透き通っているけど暖かい音色。心に沁みた。
温泉街を探索して血の味の源泉を飲んだ話
有馬温泉は、迷路のように細い道がいたるところに張り巡らされている。しかも坂道が多い。車では入り込めないこういう路地を散策し、そしてビッシリと立ち並ぶお店を眺めるのが面白いって思った。
僕は2回、この路地を散策した。1回目はチェックイン直後に弟と2人、2次会用のツマミやお酒を買ったり翌日の立ち寄りスポットを見定めるためだ。
夕暮れ近づく時間帯であったが路地は活気づいており、どこもかしこも目を奪われる。
有馬温泉名物の炭酸せんべいや有馬サイダーを売っている店が軒を連ねているのだな。どこも古めかしい木造建築で雰囲気いい。店頭でコロッケとビールを売っていたりもし、みんな気軽に食べ歩きをしている。あぁ、こんなところで立ち飲みきたら最高だろうね。
弟に「軽く一杯やろうぜ!」って言いたくなるのを我慢する。飲んだ夕食を食べれなくなって後悔するのが目に見えているし。
炭酸せんべいは買った。正直この時点ではどんなものかよく知らなかったが、数の暴力、みたいな豪快な売られ方をしていたので思わず手が出たよ。一昔前のCDロムみたいにドッサリ重ねて売ってやがるんだもん。
「妬(うわなり)泉源」。有馬温泉内に7つあるらしい源泉の1つ。"妬み(そねみ)"と読むのではないのだな。
だけども綺麗な女性が前に立つと怒って温泉を噴出するという伝説があるので、そういうトコから妬みの文字を当てられているのかねぇ。
狭い小道から櫓を見上げた。足もとでは温泉の蒸気がモクモク噴出していた。今日も有馬温泉は、妬みを原動力にボンボン湧いているよ。
続いては「炭酸泉源公園」だ。公園の中に源泉がある。
公園内の階段を昇ると、木立に囲まれた源泉が現れた。神社仏閣の社殿のような屋根が設置されている下の石の台座から湧き出ている。周囲は温泉成分で真っ赤だ。
その脇に飲用の源泉もある。ちょうど僕らの一歩前に観光ツアーの人がいて、ガイドさんが説明を受けて何名かが実際に飲泉にチャレンジし、「マズーッ!」みたいな騒ぎになっていたよ。
ならば僕も飲むのです。こういうときに率先して突撃するのは僕と妹の役だ。
先に飲んだ妹が「ウゲー!!」と言っているので僕もチャレンジし、「ウゲァァアアア!!!」ってなった。
予想はしていたけどメッチャ鉄分の味。さっきのツアーのガイドさんは「血の味です」って言っていたけど、なるほどね。鉄分ね。
これは炭酸ガスを含んだ温泉で、昔はこれに砂糖を入れてサイダーとして飲んだりしていたそうだ。日本で最古の国内産のサイダーなのだそうだよ。でもこの味は…。オススメはできない。
ちなみにこの温泉の炭酸ガスが、有馬名物の炭酸せんべいの名前の由来になっているのだそうだ。
忘れちゃいけない太閤橋。この記事の冒頭でも出てきた渋滞の根源。そしてこれまた冒頭で写真掲載したけど、豊臣秀吉&ねねの夫婦像もある。
この下を流れる有馬川は温泉成分のためかうっすらと茶色い。金泉や先ほどの源泉と同じ色だ。河原まで降りることも出来て、このエリアは親水公園と呼ばれているそうだ。
橋のたもとには「元湯 古泉閣 泉源」がある。数ある源泉の中でも一番存在感のあるヤツであろう。青空にそびえるその姿がかっこいい。
ここを歩いていたら突然のにわか雨だ。すみません、ウソです。
橋の脇にある、湯けむり広場という小さな公園。滝のような噴水が流れ落ちているのだが、その水幕の裏側に入り込むことができたので。楽しい。
太閤通り、昨日のデスロードへの入口のところで猿回しをやっていた。既に数10人の人が群がっていたので、それにつられて見物。
人間と猿との掛け合いが楽しい。大道芸人さんのお客さんをひきつける話術やパフォーマンスが秀逸なのだ。猿は竹馬を乗りこなしたり、台から台へジャンプして逆立ちで着地する芸などし、マジですごい。いいもの見れた。
太閤通りで軽く何かを食べてみたい。食べ歩きにずっとあこがれていたので。
おでんが興味を惹かれるのだが、1個1個がデカい。残念ながらそこまで胃のキャパが無い。
だからお団子屋さんに入った。"ねね様の焼き餅"っていうのを買ってみた。
あ、焼き餅って"やきもち"とかけている?なるほど、秀吉やねねの逸話を知っていれば、やきもちを焼いてしまうねね様にも納得だな。
妬泉源といい、これといい、有馬温泉には負の感情が渦巻いておりますなぁ…!
ねね様の焼き餅は、あんこをすごい柔らかいお餅で包んだもの。つきたてのお餅のように、フニフニ。おかげで包んである紙にお餅にベッタリついてしまう。ねね様、ベッタベタのやきもちですぞ。でもうまい。
「パーラーいずみ」。ここには僕の心を吸引する何かがある。入ってみよう。
中は外見から想像できた通り、昔ながらの喫茶店って感じ。すごい昭和の香り。そして僕ら以外にお客さんがいない。これはワクワクですな。こういうレトロテイストなお店、大好きだ。
窓際の席に座った。正面はデスロードの入口を見下ろせる、高みの見物のナイスロケーション。
実はね、この時点でまた旅館の駐車場に愛車を置いたままだったのだ。もちろん旅館には許可を得ている。
眺めているうちに誘導員が出てきて狭路の片側交互通行が始まった。日曜日の昼間くらいに始まるという情報を仲居さんから聞いていたので、それまで温泉街観光をしていたのだ。これで昨日のようにパニックにならずに温泉街を脱出できるぞ。
コーヒーと、みんなでちょっとずつ食べるようにミッスクサンドを1つオーダー。1つだけ食べたが、シンプルで家庭的でおいしかった。
誘導員に導かれて温泉街の狭路を抜けて有馬温泉を後にする。
常に滞在中は狭路のことが頭から離れなかったが、これも今となっては思い出。人の数だけ旅のエピソードがあり、同じものは2つとして存在しない。
これが僕の有馬温泉の思い出。
以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。
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