本州本土と離島「角島」、その2つを海の上で結ぶ橋、「角島大橋」。
すごいんだ、これが。
橋のフォルムが最高だし、海の色が沖縄のように透き通っているんだ。
曇りの日でも綺麗だし、晴れていれば永遠に眺めていられるほどの絶景なのだ。
さらに角島に渡った先には、国内で2つしかない塗装されていない渋い灯台があり、さらにその灯台は非常に貴重な「一般人も登れる灯台」だったりする。
メッチャ人気の角島、多くの方が既にご存知かもしれない。
だけどもあえて書く。
ご存じの方は「はいはい、そうだよね」と共感してくれると嬉しいし、ご存じでない方は「ほうほう、いいところだな」と思っていただけると嬉しい。
本日はその情報をお届けしたい。
海土ヶ瀬公園から見る橋
1780mもある角島大橋。
海の向こうの離島、角島へ渡るための長大な橋である。
走行して最高の橋だし、その向こうの角島も風光明媚であるが、まずは「海土ヶ瀬公園」から角島大橋自体を眺めよう。
角島大橋はとても美しい橋なのだから。
もう左側の海の色が美しすぎるが、あえて右端を見てほしい。
ここが海土ヶ瀬公園の駐車場。
無料で嬉しいけれども、キャパシティがやや少なめで週末やゴールデンウィークなどはすぐ満車になるから気をつけよう。
そしてその駐車場から展望台まで歩いて撮影したのが、この写真というわけだ。
展望所の位置をもうちょっと俯瞰でご説明するならこのようになる。
向かって左手が展望所だ。
「ところでオマエ、その写真はどこから撮ったんだよ」という話は次章で種明かししよう。
この章では「展望所の先端」・「橋のたもと」・「駐車場近辺」の全部をまとめて紹介してしまおうと思う。
どこから見ても景色は最高だぞ。
展望所だけから眺めて満足してはもったいないので、いろんな角度から角島大橋を眺めような。
まずは展望所の先端部分から見る橋。
海がメチャメチャ綺麗でまずは感動する。この写真より、実際に肉眼で見ると3倍は綺麗。
橋はゆるい左カーブを描きながら角島に繋がっている。
橋をスイスイ走って行く車やバイク、最高に気持ち良さそうだ。
広角で撮るとこうなる。
左手の真っ白い砂浜がまさに沖縄だね。
なぜこんなに白いのかというと、これは岩石の粒子の砂ではなくって、貝殻が堆積したものだから。
ここに生息している貝類の殻がずーっと気の遠くなるような年月をかけて堆積して白い砂浜になったのだ。
その白い砂浜と透明度の高い海。
この2つの条件が重なると、海の色は太陽に照らされ淡いブルーに輝くのだ。
今後も守っていきたい海の色。実に尊い。
展望所から駐車場方面に少し戻ってみよう。
橋のたもとを写真に収めるド迫力の構図。
僕の好きな角度。
これからこの橋を疾走できると考えると、もうワクワクが止まりませんな。
さらに駐車場方面に少し戻る。
ここの構図はぜひとも抑えてもらいたいものだ。
個人的にはこのあたりから見るのが、一番橋の曲線が美しいと思っているからだ。
橋の後半部分をズームしてみた。
このグネリっぷりよ。これこそがアイデンティティ。
本州本土と角島との中間地点付近に「鳩島」という無人島がある。
それを避けるように橋が湾曲しているのだ。
このように橋が折れ曲がるような構図で撮るなら、駐車場近辺一択だ。
橋を最高のアングルで撮るなら、この章でいろいろ取り上げた海土ヶ瀬公園。
絶対に外せないスポットだ。
一段上から愛車と共に橋を撮る
さて、これはちょっとコツの必要なスポットである。
角島大橋に入る道の一段上の世界。
Googleマップなどで各自ご確認いただけるとわかりやすいが、脇道があってちょっとした丘の上に上がれるのだ。
橋のたもとから見ると、上の赤枠で囲った分がそのスポットである。
道はやや狭く、そして駐車場などはない。
だけども愛車と橋を一緒に撮影できるので、車の人もライダーさんもガンガン来る。
順番を作り、ゆずりあって撮影できてはいるが、もしかしたら近い将来立入禁止的な措置が取られてしまうかもしれないと感じている。
冒頭にも掲載したが、小雨が降っていて誰もいない時間帯に悠々と撮影できたのが、この日本5周目のときの写真。
下の展望台も無人という、なかなかに珍しいシチュエーションだ。
僕は何度も角島大橋に通っているが、こんなことはこの一度切りだ。
ここまで愛車を綺麗に見下ろせるような位置に人間が立つのも、ややコツがいる。
道路幅が狭く、かつ道路のこちら側は高い擁壁なので気をつけよう。
日本6周目、2022年の春に訪問したときは、ギュウギュウだった。
前回の写真のように愛車のすぐ後ろに角島大橋が来るような写真が撮れればベストなのだが、そんな位置に停められるのは1台だけだ。
その位置取りの列ができており、それを待っている間にこの写真を撮影した。
まぁちょっとズレていたって充分に味があるのだ。
ほどなくして特等席の車がいなくなる。
とはいえ、徒歩の人もいるし自転車の人もいるので、慎重にだ。
橋の眺めは少し高いところから見下ろせるほかは、先ほどの海土ヶ瀬公園とあまり変わらない。
しかし下の海土ヶ瀬公園からは横断歩道の真ん中からでないと撮影できない、自分の正面から伸びる橋の絵が容易に撮れる。
あとは、愛車と撮影できるのが最大の特徴。
僕は控えめな性格なので、特等席の自転車の人たちがいなくなっても「とりあえずいいかな?」って感じで前までグイグイと詰めなかった。
これでいいじゃん。ここからすばやく数枚撮影しようぜ。
まるで海の上を飛んでいるかのような感覚になれるスポット。
天気も最高、周囲の人たちの表情も笑顔に溢れていて最高の日であった。
僕の愛車の日産パオとこの海の色も合う。
いや、どんな車でもどんなバイクでも、この景色とコラボさせたら映えるだろう。
ガードレールのギリギリから橋全体を撮影してみた。
先ほど書いた通り、手前から奥に真っすぐに伸びる橋を撮影できるのはここだけ。
「海の色が綺麗だ」って、改めて思う。
ジオラマモードで撮影してみた。
途端に世界がかわいくなった。
現実離れしたような海の色は、実はジオラマの世界の産物だったのかもしれない。
雨が降っていても幻想的。
訪問が一度きりなら晴れてほしいのは当然だが、複数回来ている身としては、いろんな表情が見れた方が楽しいと思ったりする。
正規の駐車場ではない、一段上の世界。
制約がかからないよう、トラブルなくみんなでうまく活用していきたいスポット。
国内第3位の長さの無料の橋を渡れ
いよいよ、長さ1780mの角島大橋を渡る。
ここからのメインの写真は、日本3周目における僕の旅路で、この日だけ合流してくれた"のんたん"が助手席から撮影してくれたぞ。
窓を開けて海上を疾走するのはただひたすらに気持ちがいい。
これぞドライブの真骨頂だ。
しかしゆっくり走ろう。海風もあるので、最高速度は40kmなのだ。
この橋は、1993年に着工して2000年にようやく完成した。
7年ほどもかかったそうだ。
今までは本州本土から角島までは船で行くしかなかったが、これで一気に利便性が向上した。
その完成時の2000年当時としては、無料で渡れる橋としては国内最長であった。
しかしその後、2005年に沖縄本島エリアに「古宇利大橋(1960m)」ができ、2015年には同じく沖縄県の宮古島エリアに「伊良部大橋(3540m)」ができた。
なので角島大橋は現在第3位である。
僕はこれらTOP3の橋は全て走っているが、どれもステキだね。
ただし伊良部大橋の長さと雄大さはやはり頭1つ抜けている。
これはいずれ別記事でご紹介したい。
この橋は完成直後から、いろんな車のCMで使われている。
レクサスGS・日産NOTE・三菱ギャランフォルティス・スズキスイフト…。
とにかく走っていて絵になるのだ。
僕はそれを客観的に見ることはできないが、きっと僕の愛車も今、かっこよく走っていることだろう…。
そんなこの橋は、"トリップアドバイザー"が集計した「口コミで選ぶ日本の橋ランキング 」で第1位を獲得したりしている。
それも大いに頷ける。
完成から間もない2003年には、「土木学会デザイン賞2003」の優秀賞も取っている。
そんな橋を無料で走れることがありがたい。
さて、角島の東端と上陸し、そのまま道を4kmちょっと走ると西端近くの「角島灯台」に着く。
もちろん島の中には他に景勝地もあるのだが、ゴメン2023年現在の僕は、島内では灯台以外に立ち寄ったスポットが無いのだ。
角島灯台の足元に愛車日産サファリを停めた。
秋の西日と絶妙な量の雲がとても印象的だった。
それでは最終章、角島灯台について語ろう。
石積み剥き出しの特殊な灯台
正直、好きな灯台は全国にいくつもある。
しかしそれは風景込みで好きだったりする。風景が無ければ「あれ?この灯台ってどこの灯台だったっけ…?」って迷う可能性すらある。
風景なんて無くっても、全体に見分けがつく。
国内に2基しかない無塗装灯台。
なんという特徴。
御影石のブロックが詰まれている様子が手に取るようにわかる。
無塗装の灯台は、ここの他には香川県瀬戸内海に浮かぶ「男木島灯台」しかないのだ。
なぜ無塗装なのだろう?
当然僕もそれが気になったが、Web等で検索しても答えが見つからなかった。
どなたかご存じでしたら教えてください。
頭頂部に付いている小屋のようなものは、クヅ瀬照射灯。
特定の方向にある岩礁を照らすためのものだよ。
しかし、白くない灯台はどこか西洋の古城の尖塔のようだ。
あの中に幽閉されているお姫様とかがいて、それを騎士である僕が助け出そうとして、でもほら僕は万年運動不足だから1階で早々に返り打ちだ。
…って何言わせるんだ、失礼だろ!
他にもこの角島灯台にはすごい特徴がいくつもある。
まずはその歴史だ。
1876年(明治9年)から使われている。
これは日本海側の灯台としては最古だ。日本海側の全ての灯台の大先輩だ。
そういう重要かつ歴史のある灯台であるため、Aランク保存灯台に選ばれている。
他にも日本の灯台50選にも入っているし、近代文化遺産であるし、土木学会選奨土木遺産でもある。
もうすごい単語が並びすぎて、何がなんだかわからない。
灯台のレンズ(つまりライト)は、大きい順に1等~6等、そしてそれ以下の等外という基準がある。
一番大きい1等レンズを持つ現役灯台は現役灯台ではわずか5基のみである。
他には島根県の「出雲日御碕灯台」、千葉県の「犬吠埼灯台」、京都府の「経ヶ岬灯台」、高知県の「室戸岬灯台」。
そうそうたるメンツだな。
最後の特徴として、この灯台は日本に16基しかない参観灯台、つまり登れる灯台の1つなのである。
実は僕は登ったことはないが。
前述の通り「最上階にお姫様がいるのではないか」とか中二病をこじらせている最中なので、もう少し登らせずに夢も見させ続けてやってほしい。
登るには300円が必要だが、この海の綺麗な角島、そしてこれだけレアな角島灯台に実際に登れるという体験は、絶対に300円以上の価値があるであろう。
ちなみに灯台の足元に広がる「夢崎波の公園」もステキだった。
どことなくヨーロッパの庭園みたいだよね。
だからこそ灯台が古城に見えてしまったんだよね。
この公園は角島の北西端の「夢ヶ崎」に位置する。
ちょっと地図上でもわかりづらいし、角島自体が小さな島なので"岬に建つ灯台"みたいな表記はされないことが多いが、夢ヶ崎という岬の灯台なのだ。
夢ヶ崎と、島の北東部の牧崎が牛の角のように尖っているから、この島の名前は角島というんだ。
それではありがとう角島。
また訪問できる日を楽しみにしているよ。
以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。
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