週末大冒険

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ちょっと出かけてみないか。忘れかけていた、ワクワクを探しに。

【特集】レトロ自販機のギミックがエモい!!麺類やトーストを食べて巡ろう!(西日本編)

世は空前のレトロブームなのである。

10年前にはあまり興味を持つ人もいなくって、ただこの世からゆっくりと忘れ去られて行くと思われていたレトロ自販機にも、今や凄まじい脚光が当たっている。

 

僕がレトロ自販機の存在を知ったのは、2011年頃だっただろうか?

国内の主だった観光地は軒並み訪問し終え、「こういうスポットがあるのか。巡ってみるのも面白いな。」って思って全国のレトロ自販機を巡り出した。

 

 

絶滅寸前のレトロ自販機ではあるが、その自販機を保有している店舗はまだ数10ある。

まとめるにしても1つの記事ではなかなかシンドいので、ここでは西日本編をご紹介だ。

(東西の境界線は名古屋あたりとさせていただく)

 

なお、レトロ自販機とひと口に言ってもドリンク自販機・乾電池自販機・新聞自販機・おもちゃ自販機などいろいろある。

そんな中でもわりと世間的なポピュラーな定義、「麺類・トースト・ハンバーガー・弁当などができたてホカホカで出てくる自販機」を当ブログで取り扱わせていただこう。

 

 

レトロ自販機ってなに?

 

連日バラエティ・ドキュメンタリー、はたまたドラマにも取り上げられているので、レトロ自販機を目にしたことのある方も多かろう。

 

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…とはいえ、知らない方も多いだろうからちょっとだけ解説するね。

レトロ自販機ってのは、例えばこんな感じでうどんやラーメン、トーストなどがアツアツに出来上がった状態で購入できるものだ。

 

昭和の中期以前って、まだまともにコンビニもなかったそうじゃないですか。

そんな折、旅行者や長距離トラックドライバーなどの貴重な休憩スポットだったのは、今よりずっと数多く存在していたドライブイン。 

 


食堂の閉まっている夜間、こういう麺類自販機で安価で購入できる食べ物は、当時のトラックドライバーさんたちにとってとてもありがたいものだったようだ。

まさにドライブインは、トラックドライバーたちのオアシス。

 


現代はコンビニが爆発的に普及し、24時間いつでも誰でもどこでも、手軽にカップ麺もお弁当も缶コーヒーも入手できるようになった。

必然的にドライブインは消滅していく。レトロ自販機もまたしかり。

 


特にレトロ自販機は、メンテナンスしようにも、もう部品も業者もほぼ皆無。

デッドストックでなんとかやりくりしている店舗がほとんどだ。しかも麺類自販機なんて塩分を含んだ水を扱うからね。どんどん劣化する。

メンテナンスの手間、補充の手間、維持管理のコスト、どれをとってもコンビニのカップ麺などには太刀打ちできないだろう。

 

 

しかも、これらレトロ自販機を有するドライブインや商店のオーナーが高齢化している。なんだったら店舗自体も高齢化している。もちろん自販機自体もボコボコになるほど高齢化。

 

もう、レトロ自販機の存在自体がギリギリなのだ。

巡るなら今しかないのだ。来年は、来月はどうなっているかわからないぞ!

 

 

西日本のレトロ自販機一覧

 

※ 冒頭で書いた通り、対象は食品系です。

※ 既に閉店してしまった店舗も含まれます。「旅人YAMAがこれまでに巡った店舗」としての位置づけで確認いただけると幸いです。

 


これが西日本のレトロ自販機保有店だ。

それでは片っ端から巡って行こうか。

 

①【岐阜県】岐阜レトロミュージアム

 

いきなりすごいぞここは!

昭和レトロなものを集めたテーマパークなのである。レトロゲームやおもちゃや駄菓子的なものがたくさんあるが、その中の1コーナーにレトロ自販機があるのだ。

 

レトロミュージアム1

確かOPENしたのは2016年。そのニュースを聞いたときには心躍った。

それに、まだまだ今後も成長が期待できるであろう。訪問したとき、僕のことをSNSで知ってくれていたオーナーさんが笑顔で迎えてくれた。感謝。

 

レトロミュージアム2

全国で数台しかない川鉄の麺類自販機に、これまた片手に余るほどの台数しかない味噌汁自販機が!

あとはこの写真には無いけれどもハンバーガー自販機もある。

 

レトロミュージアム3

オーナーさんからお話を伺いつつ食べた、きつねうどんとカレーバーガー。

この古いものに囲まれた空間で食べると感動もひとしおだよね。まだまだメニューはたくさんあったし、日によってメニューも変わるし、レトロなゲーム楽しかったので再訪したいな。

 

 

 

②【京都県】ドライブインダルマ

 

泣く子も黙る西日本のレトロ自販機の聖地だ。もうね、ここを知らなければレトロ自販機界の"もぐり"と揶揄されても致し方ないレベル。

 

ダルマ1

この元気なオレンジ色の瓦とテンション高めのロゴを見ただけで、脈拍上がるでしょ?

近くには日本三景の「天橋立」もあるけれど、僕はまずこっちに来ちゃうね。京都の日本海側を走る度に立ち寄っちゃう。

 

ダルマ2

何よりの特徴は、国内では数台しか動いていない川鉄麺類自販機が3台並んでいること。

かつて「三十三間堂」に入ったときはその厳かな雰囲気に息を飲んだが、この川鉄自販機の三並びにも息を飲んだ。

 

ダルマ3

無機質な鉄板で覆われた自販機から出てくる、人情味を感じるうどんというギャップに僕の心は鷲掴みにされる。他にもハンバーガーの自販機があり、独特のチープさがたまらなく愛おしいのだ。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

詳細は上記を読んでほしい。

 

 

 

③【兵庫県】コインスナックふじ

 

あぁ、それはなんとも清々しい春のある日。絵に描いたような青空と緑あふれる日。そんなに日にこのドライブイン訪れることができたことを、僕は神に感謝する。

 

ふじ1

10年ほど前までは黄色と赤のストライプの屋根でさらに昭和テイストが強かったが、ピカピカのオレンジの屋根もなかなかいいじゃないか。

ウグイスのさえずりを聞きながら、柔らかい風の入る店内はとても居心地がいい。

 

ふじ2

イスは観光バスのものを再利用しているようでユニークだ。

その横には富士電機の麺類自販機。2020年には故障し、あわや引退かと思われたところクラウドファンディングで奇跡の復活を果たしたね。

 

ふじ3

極太麺と上品なダシ。この関西風のうどん、たまらんな。

具は麺の下に入っているので掘り出そう。とろろも入っているぞ。これはけっこう珍しい。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

詳細は上記を読んでほしい。

 

 

 

④【兵庫県】石田鶏卵

 

大阪や神戸の都市部からアクセスしやすい位置にある、唯一のレトロ自販機がこちらだ。神戸の埋め立て地の工場地帯の中にある。

 

石田鶏卵1

工場地帯の真っただ中にある、レトロなコンビニエンスストア。むしろ雑貨屋さんと表現した方がいいようなスタイル。

そこの店先に富士電機の麺類自販機があり、このひさしの下でうどんやそばを食べるのが最高なのだ。

 

石田鶏卵2

ちょっと調子が悪くて、うどん完成と同時に自販機の中からダシがドバーっと出て来るもするけど、まだまだ現役。

工場で働く人たちの胃袋を長年支えた自販機、そう簡単には滅んでほしくない。

 

石田鶏卵3

そばもうどんも食べたことがあるが、やはりうどんの味の繊細さが印象的。

お店で生卵を買って月見うどんにするのも粋なのだそうだ。だって"石田鶏卵"だからね、今でこいろいろやっているけど、昔は玉子屋さん。

 

 

 

⑤【岡山県】おかもと

 

弁当屋さんの店先にもレトロ自販機がある。

残念ながら座って食べられるようなスペースは無かったが、僕は車なので問題ない。

 

おかもと1

僕はここでお弁当は買ったことないが、『毎日食べても飽きない、昔ながらの手作り弁当、そうざい』であり、地元の食材を使った健康メニューなのだそうだ。

そんなお店のレトロ自販機の麺がおいしくないはずが無いよね。そしていつかここでお弁当も買いたいよね。

 

おかもと2

年季の入った富士電機の麺類自販機。これは雨の日の夕暮れに撮影したのでちょっとダークな感じで、より貫禄を感じる。

 

おかもと3

肉うどんだ。ダシの染みたお肉が最高にうまい。天ぷらうどんも食べたが、小エビがふんだんに入っていてとても香ばしかった。どちらも最高だった。

 

 

 

⑥【岡山県】ベンダーショップ もみぢの里

 

山間部に現れる、絶品うどん屋さん。そこに併設されて小さな自販機コーナー兼休憩施設がある。それがもみぢの里である。

 

もみぢの里1

となりのうどん屋さんの手打ちうどんをそのまま自販機に入れているのだ。自販機から安価で最高のうどんを食べられるのだ。これはワクワクしかない。

 

もみぢの里2

かつて期待してここを訪れたのに売り切れで食べられなかったこともあるから、リベンジできたときの感動はひとしおだったよね。

いや、となりのうどん屋で食べればいいという意見もあるだろうが、僕は自販機から食べたいのだ。

 

もみじの里3

モッチモチの極太麺に、上品で透き通ったダシ。それを自販機から食べられる幸せ。

おいしかったなぁ、また行くしかないよねこれ。

 

 

 

⑦【岡山県】LOGLAND(閉店)

 

一度も食べることができず、そしてそのまま二度と食べられなくなった自販機店もある。それがここだ。

しかし人生は成功ばかりではない。失敗もまた糧として、前を向いて歩まねばならぬ。

 

LOGLAND1

山間部の大きなログハウスの休憩所。そこで90代のおばあちゃんがレトロ自販機を運営していたのだ。

なかなかに人気であり、売り切れが続出だったそうだ。うむ、僕も売り切れに涙を飲んだ1人だ。

 

LOGLAND2

うらめしい。食べた直後みたいにテーブルに置かれた自販機麵の容器と、底の残り汁を眺め、悔しい思いをしたさ。

再訪を夢見ていたが、2019年頃におばあちゃんが引退して自販機は停止、その自販機も2021年に撤去された。

 

LOGLAND3

おばあちゃん、亡くなったそうだね。

何も知らずに今度こそ自販機麺を食べられるとルンルンで再訪した僕は、すぐ目の前にガソリンスタンドができてしまって当時とは大きく装いが変わってしまったお店の前で泣いた。

 

 

 

⑧【岡山県ドライブイン古城

 

倉敷市の静かな郊外に、ドライブインがある。いや、ドライブインという名称ではあるけれどもゲームセンターみたいな位置付けかなって僕は思った。

 

古城1

中に入るとゲーム音がズンドコズンドコ賑やかに聞こえており、ゲームは昭和時代のものが多いように感じた。ファミコン初期とか、そんな感じのものだ。ゲームもレトロだ。

 

古城2

そんなゲームの合間に小腹が空いたら、そりゃ自販機麺ですよね。

爆音の中でちょいと落ち着かないが、そんな中で食べるのもなんだかワクワクしちまう。ワクワクしちまう夜だ。

 

古城3

めっちゃあっさりのダシでノンストレスで飲み干せる。

うどんもそばも食べたことあるが、フニフニした食感でやさしい。どこにも敵を作らない、安定安心の味であった。

深夜向きだな、これは。だから2回行ったがどちらも夜だ。

 

 

 

⑨【広島県】福原酒店

 

山間部の町の100年近く続く老舗酒店。そこの店頭にレトロ自販機が置かれている。

現在の店主のおじいさんが、店の前の主要道路を走るドライバーさんの憩いの場所となるよう、昔自販機を設置したのだ。

 

福原酒店1

補充やメンテナンスに苦労しながらも、3代目店主が頑張ってレトロ自販機を受け継ぎ、日々運営している。なんともありがたい話だ。

そして自販機はピカピカだ。愛だね。

 

福原酒店2

傍らにはイートインスペースもあり、そこでうどんをいただくこととした。

 

福原酒店3

なんと素うどん!…と思いきや、中からフワフワの天ぷらととろろをサルベージしたので安心してほしい。そして麺のボリュームがすごいぞ、ここ。

あと、3代目店主にも取材をさせていただいた。ありがとうございました。いつかお酒を買いに行こう。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

詳細は上記を読んでほしい。

 

 

 

⑩【広島県】五洋売店

 

広島港を臨む工場地帯。そこにある小さな売店の店頭にレトロ自販機があるという。

 

五洋売店1

晴れ渡った気持ちのいい朝にやって来た。朝なのでまだ売店自体は開店していなかったが。

どうやらこのお店、2021年にオーナーさんが亡くなり一度自販機が稼働停止していたようだ。その後、別業者さんにて数ヶ月後に稼働再開となった。よかった。

 

五洋売店2

富士電機の麺類自販機。注意書きの書かれた貼り紙は、達筆すぎてもはや書道作品だ。実家の床の間に飾りたい。実家、床の間ないけど。

 

五洋売店3

テーブルはないようだがベンチはいくつかあったので、そこに腰掛けてうどんを食べる。朝から食べても胃もたれしない、関西風の薄いダシがうれしいね。

そして食べているうちに次々と人々がやってくる。ファミリーもいるしタクシーの運転手さんもいる。

地元に愛される自販機よ、これからも末永く続いてほしい。

 

 

 

⑪【島根県】コインレストランコウラン

 

出雲市と言えば、「出雲大社」もいいけどコイレストランコウランもいいんだからね。出雲大社もレトロだけど、コウランもそこそこレトロなんだからね。

 

コウラン1

…というわけで、出雲大社と張り合わせるのはさすがに無理があるかもしれないけどもコウランである。天下の大動脈、国道9号に面しているので見たことがある方も多かろう。

中は自販機天国、そしてちょっとレトロめなメダルゲーム類もあるぞ。

 

コウラン2

うどんやそばの自販機もあるし、ちょっとだけレア度の高いラーメンもある。もちろん全部食べた。

それに、幻の川鉄カレー自販機もあった。2023年現在はもうないが、ひと昔前は日本で唯一稼働している川鉄カレー自販機だったのだ。

 

コウラン3

このカレー自販機は、その後ずーっと時を経て神奈川県の「中古タイヤ市場 相模原店」で復活を見せるまで、歴史から消えていた一品。

だからこそ当時のコウランで食べられたことは思い出深い。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

詳細は上記を読んでほしい。

 

 

 

⑫【島根県】コインレストランかわもと

 

空気の美味しい山間部の、蛇行する川を臨む風情のあるドライブインにやってきた。控えめに言っても、100点満点の爽やかで気持ちのいい朝だった。ウグイス鳴いているし。

 

かわもと1

店内は生け花が飾られていたりガラスケースに入れられた日本人形があったりと、純和風な雰囲気。どことなく田舎のばあちゃんの家っぽい。

そしてとっても清潔感があって綺麗な空間であった。

 

かわもと2

富士電機の麺類自販機がそこにある。となりには、これもちょっとレトロっぽい紙コップの自販機がある。

麺類自販機からはかしわうどんを、そしてドリンク自販機からはコーヒーを購入した。

 

かわもと3

朝日に照られて輝くうどん。噛み応えのある肉。3枚も入ったかまぼこも嬉しいね。なにより山椒の葉が入っていてこれがアクセントになる。

何から何まで美しいじゃないか。

 

 

 

⑬【島根県ドライブイン日本海

 

名前の通り、山陰地方の日本海側を走る国道9号沿いに、その激渋なドライブインは現れる。

 

日本海1

西日に照らされた建物が映える。この独特の形状のドライブイン、昭和ならではのセンスだと思う。当時も目を引いただろうが、令和の今も別の意味で目を引く。

こういうスポットへの訪問が、旅情にブーストをかけてくれる。

 

日本海2

中は無人だが、壁の文字がかわりに『いらっしゃいませ』と言ってくれるので心はポカポカだ。

そしてその前には木目調のダンディな富士電機の麺類自販機が鎮座している。

実は以前ここを訪問した際には売り切れで悔しい思いをしたので、2回目の訪問時にまだ残っていた際にはガッツポーズをしたよね。

 

日本海3

うおぉ、僕の自販機史上でもトップクラスの黒さを放つ麺だ。

これは肉そば。ちょっと見えづらいが肉と、そしてかまぼこが乗っている。ネコが羨ましそうに見ている中、日本海を眺めながらすすった夕方の思い出。プライスレス。

 

 

 

⑭【島根県】自販機のお店 風花

 

深い森を背にした山間部に、女子力高めのポップなデザインの小屋が現れた。

店員さんもゲーム機も無く自販機のみだが、それでも愛され続ける貴重なレトロ自販機保有店だ。

 

風花1

カラフルな『自販機のお店』の文字、ちょっと傾いているところもレトロかわいい。隣のコーヒーカップとフォーク&ナイフのマークも、ステレオタイプなところが逆に新しい。

 

風花2

店内の丸太で作られたテーブルとイスのブースがある。かわいい。

外観もそうだったが、店内も随所に花のデザインが施されていたり、生け花や小物が飾られていたりするんだ。いい雰囲気。このお店のオーナーさんのこだわりを非常に感じられる。

 

風花3

そんな中で自販機メシを食べれるのは至福。当然うまい。重厚な肉の旨味と、それを邪魔しないあっさり味のダシ。

食べ終わった後も長居し、この空間に流れる時間を満喫したよ。

 

 

 

⑮【島根県】自販機コーナーオアシス

 

おい、気を付けろよ、ここはスゲーぞ。思いっきり空腹で行かないと飲み込まれるぞ。

このお店と、次の項目で書く「後藤商店 本店」とがほぼ隣同士なのだ。歩いて20秒。レトロ自販機、合計5台。胃袋を破壊しに来ているぞ。

 

オアシス1

のどかな川沿いの道だが、ひっきりなしにトラックが止まり、ドライバーさんがササッとうどんを食べては去っていく。

まさに名前の通りオアシスなのだな。ドライバーさんのオアシス。昭和の頃から続く文化なのだろう。

 

オアシス2

仁王の阿形・吽形のように左右に立ちはだかる富士電機の麺類自販機。すごい年季だぞ。もはや骨董品、ブリキのロボットのような佇まい。

ここからおいしいラーメン屋うどんが出てくるのだから、世の中わからんものよ。

 

オアシス3

なんと具沢山なのだろう…!分厚いチャーシュー、1個まるまる入ったゆで卵…!

これは間違いなくごちそうなのだ。僕もこれを食べれば、あと100kmは余裕で走れる。

 

 

 

⑯【島根県】後藤商店 本店

 

前項から続けざまに、これはヤバいぞ…!

こんなにもレトロ自販機保有店が近いのは、全国でもここがダントツだ。デブが泣いて喜ぶスポットよ。

 

後藤商店 本店1

右奥の方にチラッとオレンジ色の建物が見えているが、それが前項でご紹介した「自販機コーナーオアシス」だ。どっちで食べような毎回迷うけど、どっちも正解だから死ぬほど迷っても答えが出ないよね。

 

後藤商店 本店2

テーブルを取り囲むように3台の富士電機の麺類自販機が並べられており、無言のプレッシャーがハンパない。

しかも大半のメニューが具沢山のゴージャス系なのだ。

 

後藤商店 本店3

複数回訪問しているが、これは記念すべき初回の肉そば。

しみっしみの甘辛い肉を噛みしめるたびにあふれ出る幸せを、僕は今日まで忘れたことはない。

 

 

 

⑰【島根県】後藤商店 支店

 

前項で記載した「後藤商店」の支店である。

本店からわずか1㎞ほどの距離に存在する。ハシゴするにはもってこいの距離ではあるが、胃袋への負担はすごいことになるので計画的に回ろうな。嬉しい悲鳴だぜ。

 

後藤商店 分店1

『うどん・そば・らーめん』・『うどん』。看板の文字と建物の様子から、以前はうどんを中心とした麺類を提供するドライブインだったのではないかと推測する。

今は建物に沿って並ぶ自販機の利用のみが可能で、内部を窺い知ることはできない。

 

後藤商店 分店2

デラックスうどんがと肉うどん、共に350円だ。しかし横には「故障中」と書かれたガムテープが。

自販機、一時的に故障してしまったようだ。レトロ自販機にはよくある話で、遠方まで食べに行っても故障と売り切れで砕け散ることは日常茶飯事なのだ。

 

後藤商店 分店3

そっかー、故障中ならしょうがないなー、そっかそっかー。

さっきオアシスや後藤商店分店で食べて胃袋はち切れそうだけど、ここもやっていたら食べたかったけど故障中なら食べられないもんねー。

いやー食べたかったなー。でも故障中だもんなー。またいつか。

 

 

 

⑱【島根県】道の駅 シルクウェイにちはら

 

オアシス・後藤商店本店&分店…と続くデスロード(胃袋崩壊への道)には、まだ続きがあるのだ。それがここなのである。

 

道の駅にちはら1

道の駅に富士電機の麺類自販機がある。

2023年現在で道の駅にレトロ自販機があるのはここだけだ。多くの人が立ち寄る道の駅に、いつでも手軽に食べられる麺類自販機。昭和の風習が令和の現代にまだ残っているような感覚に嬉しさを覚える。

 

道の駅にちはら2

近代的な自販機群の中に、唐突にパステルブルーのレトロ自販機。パステルカラーで塗ったオリジナル仕様がセンス良い。あと、手描きの「ラーメン・うどん」の文字の戦闘力が高すぎるよね。

さて、ここで悲報なのだが内容物は売り切れだったのだ。従い、僕はこの自販機から麺類を食べたことはない。

 

道の駅にちはら3

ラーメンも天ぷらうどんも売り切れだ。

そりゃそうかもしれない。僕が訪れたのはゴールデンウィークの昼下がり。旅行者があふれかえっている。しかも昨今レトロ自販機を取り上げるTV番組も多い。

道の駅のレトロ自販機なんて恰好の餌食であろう。こうして僕も来ていることだしな。

ってことで、またいつか。

 

 

 

⑲【島根県】ふるさと村 大谷屋

 

さて、2023年のこの特集リリース時において、この項目が一番の失態だ。

なぜならば、僕は訪問したことがないからだ。

 

オアシス・後藤商店本店&分店・道の駅シルクウェイにちはら…と続くデスロード(胃袋崩壊への道)にあるスポット。

それらを訪ねる旅において、うっかり他のお店の満足度が高すぎて、満腹すぎて、このお店に立ち寄ることを失念してしまった。

 

また島根県を訪ねた際には真っ先に行くからね。

 

 

 

⑳【山口県】欽明館

 

山口県には2023年現在で3店舗のレトロ自販機保有店があるが、3つともすごくレベルが高い。もう思い出しただけでワクワクしてくる。

 

欽明館1

何度も訪問しているが、あえて小雨の降る夕暮れの写真をここに掲載したい。

旅っていうのはね、こんな情景の中で1人自販機ラーメンをすすることなのだと、強く言いたい。きわめて個人的な持論だが、そう言いたい。

 

欽明館2

紅白の横断幕。確かにおめでたい空間なのだ。心も躍る。

そして「仲よくしてネ」の文字。最後の「ネ」がポイントだ。胸キュン。キュン死。

早く早く、この自販機から出てくるうどんやラーメンと仲良くなりたいぞ。

 

欽明館3

ドンッとチャーシューの乗ったラーメンだ。濃い目のスープが体に染み込むとともに、元気がみなぎるのを感じる。

ひさしの下のテーブルで食べていると、次々に近所の作業員風の人がやってきてササッと自販機麺を食べて行った。いい光景だ。

 

 

 

㉑【山口県】観音茶屋

 

山間の道を進んでいくと、"茶屋"という言葉がしっくりくるような鄙びた赤い看板のお店が見えてくる。まるで山歩きをしているときに遭遇する登山路の中の休憩所みたいな風貌だ。

 

観音茶屋1

あぁ、心象風景。

こんな思い出は後年自分自身の中で捏造されたものなのかもしれないが、幼い頃の自分が模擬店群の中で「何を食べようか…」とワクワクしながらも、それが親に許可してもらえるかドキドキしている情景。それがフラッシュバックする。

看板に書かれた数々のものはきっと茶屋が営業していた当時のもの。今は自販機だけだ。

 

観音茶屋2

富士電機の麵類自販機。オリジナルデザインの、観音茶屋を眺める犬の親子の絵がたまらないレベルでエモい。

この自販機に会いたくて、僕はここに何度も通ったのだ。

 

観音茶屋3

身も心も温まる。

2022年の台風の影響で下半分が水没したこの自販機。その復活までのニュースは僕も手に汗握って追いかけた。今後も永く続けてほしい。

 

 

 

㉒【山口県】長沢ガーデン

 

昭和の魂は今も衰えることなく息づいている。そう強く感じる、元気すぎるドライブインがここだ。マジ毎回着いた瞬間に「うぉぉ!」と叫びたくなるほどだ。

 

長沢ガーデン1

レトロなレストランあり、宿泊施設あり、レトロ自販機あり、貴重なラスポテトを売る売店あり…。

アミューズメントパークだろ、ここ…!昭和時代のドライブインとしては普通だったのかもしれないが、その形態が現在も継続され、そして賑わっているのが最高じゃないか。

 

長沢ガーデン2

夜風の気持ちのいい季節に、レトロ自販機の灯りに照らされながらうどんを食べたときの写真を掲載しよう。

ドライブで疲れた僕は、ここで自販機麺を食べながら地図を取り出し、ゆっくりとした時間を満喫したのだ。

 

長沢ガーデン3

各種麺類は食べ、ラスポテトも食べたことあるが、レストランも入ったことないし、まだまだやりたいことはたくさんだぞ、長沢ガーデン!!

 

 

 

㉓【徳島県】コインスナック御所24

 

少し前まで、このドライブインには最強のアイデンティティがあった。

それは日本で唯一の稼働するボンカレー自販機があるということだ。近年神奈川県の中古タイヤ市場相模原店が同じ機種を復活させたが、それまで永らくはここにしか存在しなかったのだ。

 

御所1

ゆえに、その自販機を求めて全国からマニアがここにやってくる。

僕もその1人であった。レトロ自販機というものがこの世にあると知ってすぐに、ここを目指した。故障したりして二度と食べられなくなる前に行かねばならぬと考えたのだ。

 

御所2

左手前がそのボンカレー自販機だ。

奥には2023年にはもう撤去されてしまった富士電機の麺類自販機も見える。こちらは撤去前に食べることができてよかった。

 

御所3

年季の入った木のカウンターで、ワクワクしながらご飯の上にカレーをかけた。

それを備え付けのチープな透明スプーンで食べた。

レトルトボンカレーなので、みんな知っているお馴染みの味だ。だけども物事っていうのはシチュエーションが特別感が全然変わること、あなたもご存じだよね?

 

 

 

㉔【徳島県】めん処 かねか

 

うどん大国、四国。その手打ち讃岐うどん屋さんの店頭に富士電機の麺類自販機があるというのでやってきた。これは期待しかないですぜ。

 

かねか1

見た感じでは座って食べるスペースはなさそうなので、車内で食べることにした。

一時期は故障続きで撤去も視野に入っていた自販機だが、今はちゃんと修理されて稼働しているようでうれしいね。

 

かねか2

僕がうどんを購入する様を足元でネコが見上げており、そしてうどんを車内に運ぶまで興味深げについてきた。

普通に店内で食べる人も、「あの人はどこで何を買っているのだ?」みたいな顔でこっちを見ていた。

 

かねか3

コイツは驚いた。麺線が綺麗に整えられたうどんが並々と、容器のすりきりいっぱいまで入っていたのだ。上の写真は底の方からおあげをサルベージしたので麺が崩れてしまったのだが、その面の美しさには四国の魂を感じたぞ。

味は麺もダシも間違いなく極上である。

 

 

 

㉕【徳島県】横田自販機コーナー(閉店)

 

ここは閉店してしまったのかな…?

そうは信じたくは無いけど、オーナーの横田さんが2021年の暮れに亡くなり、以降は自販機コーナーが閉鎖されてしまっているようなので、「閉店」と書かせていただいた。

 

横田自販機1

工場地帯の路地をウロウロして、ようやく見つけた小屋。

知らないと絶対にスルーしてしまうような自販機コーナーであり、看板もなければレトロ自販機の存在を示すような掲示物も無い。

秘密基地を見つけた、って感じの気持ちになった。

 

横田自販機2

わずか200円でこのボリュームよ。神かな?

このあと底の方から掘り出すこととなるのだが、実はてんぷらも入っている。小エビがふんだんに使われていて、芳ばしくておいしかった。

 

横田自販機3

小さなテーブル兼ベンチが1つ。そこで食べたうどんの味を忘れない。

目の前に広がる工場のソリッドな絵面を見ながら食べた思い出は、今後も永遠なのである。

 

 

 

㉖【愛媛県】大久保自販機三島店

 

工場に囲まれた港の一角に佇む富士電機の麺類自販機。それが2021年に撤去されると聞いたときには愕然とした。もうあそこを訪れることはできないのか…と。

しかしその後、ほど近い場所に移転し再開したそうで、心から安堵した。

 

大久保三島1

自販機に再会するために四国にやって来た。

今は自販機は、三島漁協の建物前にある。「一般人が使用していいのかな?」って思ってしまうほどに事務所の目の前だが、大丈夫だ。うどんは全人類に平等だ。

 

大久保三島2

座って食べられるような場所はない。さすがに僕は、漁協の中のテーブルを使わせてもらうような暴君ではない。

勝った後は漁協の前の前に停めた車の脇で食べることとした。

 

大久保三島3

天気がいいので車内ではない。愛車のボンネットをテーブル代わりにして立ったまま食べよう。

瀬戸内海と小舟を眺めながら、潮風に当たってすするうどんは格別だ。復活に感謝だ。

 

 

 

㉗【愛媛県】大久保自販機寒川店

 

前項の「大久保自販機三島店」のすぐ近くのスポットである。

以前は工場地帯にポツンと1台、幻の川鉄自販機が設置されていたのだ。

2016年頃であっただろうか?それが撤去され僕は意気消沈していたが、ほどなくして自販機コーナーとしてパワーアップして復活した。行こう!!

 

大久保寒川1

真っ暗な工場地帯、台風のような強風の中でヘッドライトに「自販機コーナー」の文字が浮かび上がった。

左には小さな社があるようだ。夜の闇の中だとなんだか怖い。他に誰もいないし。

 

大久保寒川2

そんな闇の中を照らすのは、富士電機の麺類自販機のパネルだ。

コンビニができる前のレトロ自販機隆盛期も、このように深夜走るドライバーのために光を灯していたのだろう。

 

自販機コーナーとして生まれ変わる際に、川鉄自販機から富士電機自販機にチェンジしたようだね。貴重な貴重な川鉄自販機、無くなってしまったのかな…。

 

大久保寒川3

暴風の中、うどんが吹っ飛ばないように気を付けながら食べた。

こういうのも今となっては愛おしい思い出だ。

 

 

 

㉘【高知県】コインスナックプラザ

 

高知駅の程近くに、黄色いドライブインがある。自販機ブースとゲームブースが2分され、どちらもピカピカに清潔に保たれたお店だ。

 

プラザ1

いいか、西日本を中心に活動する人たちにとって、ここでとっても重要なことがある。「スーパーのレジは並んで待ちましょう」と同じくらいに大事なことだ。

それは、「ここには西日本で唯一のトースト自販機がある」ということだ。これを逃さない手はないからな。

 

プラザ2

ラーメン・うどん&そば・トースト…。

食事の選択肢にパンが加わることの楽しさを、改めて嚙みしめる。

否、どちらかを選ぶことなんてできないよな。ここまで来たら麺類とパンを一緒に食べてしまえ。炭水化物×炭水化物の背徳感も、もはやエンターテイメントとして片付けられるわ。

 

プラザ3

ラーメンライスというセットはあるが、ラーメンパンというセットはなかなか無いであろう。だからいいのだ。

ラーメンをひと口食べ、そしてハムトーストを続けざまにかじる。これがこの日の、僕のゴキゲンな朝食。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

詳細は上記を読んでほしい。

 

 

 

㉙【鹿児島県】 阿久根商店(閉店)

 

なんとも切ない現実なのであるが、九州地方には2023年現在でレトロ自販機が1台も無い。北海道・本州・四国・九州の四島において唯一レトロ自販機が無いのが九州だ。

最後まであったのがこの阿久根商店なのだが、2021年に自販機撤去となってしまった。泣ける。

 

阿久根商店1

決して便が良いとは言えない立地。そこにある自販機を目指して僕は遥々やってきたのだ。

掲載写真枚数の関係で内装まではここにはUPしないが、激渋で茶色い休憩スペースには、もうセピアな世界がリアルで展開されていると感じた。

 

阿久根商店2

麺類自販機とハンバーガー自販機の並び。もうここでは見られない光景だ。2019年にハンバーガー自販機が撤去され、2021年に麺類自販機が撤去されたのだ。

僕は既にこのとき何かを感じ取り、「食べられるだけ食べておこう」って思った。

 

阿久根商店3

天ぷらうどん・天ぷらそば・チーズ入りハンバーガーの3種類を食べた。

ところでスゲーな、この天ぷらのスケールは。丼内の世界の全てを浸食成功している。これは麺が乾燥しない工夫だ。麺はすぐ隣の直営製麺工場のものを使っているぞ。うまかったなぁ。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

詳細は上記を読んでほしい。

 

 


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