週末大冒険

週末大冒険

ちょっと出かけてみないか。忘れかけていた、ワクワクを探しに。

【エッセイ】我がWebサイトは3回死ぬ!!長年運営したサイトの最期を見届けた2023年初頭!

こんばんは、【週末大冒険】のYAMAです。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

さて、当ブログ開始から5番目の特集である「参観灯台(登れる灯台)」の全執筆が完了したので、ここで再びコラム&エッセイのコーナーを開催しようと思います。

 

 

僕はコロナ禍でやることなかったのでヒマつぶしにこのブログを開設したのですが、実はその1年半前までは【日本走覇】という旅系のWebサイトを運営していました。

 

最盛期には検索エンジンで「ドライブ」と打つとTOP10に出てきたりし、ちょっとマイナーな観光スポットなどは最初に僕の記事がヒットすることも多かったので、もしかしたらあなたもかつて気付かずにアクセスしてくれていたかもしれません…。

 

TOPページ

そんな【日本走覇】終焉の裏側と、2023年初頭まで続いたアフターストーリーを少し語りたいと思います。

当時の我がWebサイトを知らない大多数の方にとっては「何の話だよ?」って思われるでしょうが、いいんです。ブログなんて所詮自己満足なのだから、好きに書かせてくださいな。

 

 

①【日本走覇】ってどんなWebサイト?

 

【日本走覇】は、2007年の世の中が既にブログ全盛となっている時代に、あえてHTML形式の自由度の高いフォームにしたく、Webサイトとして誕生させました。

僕が免許を取って最初のドライブからを全てしたためた、つまりは僕の半生の記録です。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

上記はこのブログの1発目のコラムなのですが、その中に『「恐山にギャルのイタコがいる 」というウワサをどこかから耳にし、放課後に仲間と車を走らせて、片道900㎞の彼方の本州最北端エリアに向けて旅立ちました。残念ながらイタコもギャルもいませんでしたが、これが僕のドライブ人生のスタートでした。』という文があります。

これは当時学生だった僕が南関東の学校から車を走らせた0泊3日の冒険譚なのですが、それを皮切りとした数々のドライブ記録を執筆していました。

 

日本5周目の目次の最終部分の切り抜き

例えば日本5周目は第8章まであり、全94回のドライブで完結したのですが、その最終章である8章目の目次はこんな感じでした。なるほど、最終章は東北率が高いですな。

 

1つのドライブの全記録を日ごとにまとめてある

【週末大冒険】と完全に違うのは、それがドライブ単位で語られていること。

各ドライブの年月日・時系列に沿い、僕が何を考えてどこへ行ったのかを追える物語形式としていました。

その時期の何時の情景がどんななのか、ここからここまでは何分で走行できるのか、など感じ取ってもらいたかったのです。

だから【週末大冒険】のように過去の訪問時も絡めて該当スポットを訪問した部分のみを切り抜く形式とは、根本的に違うのです。

 

たぶん、PC主体だった昔はこういう長文の物語を読ませるのもアリだったけど、スマホ時代になるとスポット情報だけを簡潔に知りたい人が増えているんじゃないかと思うのです。

だから【週末大冒険】はスポット形式にしました。ま、それでもなかなかの長文ですけど、【日本走覇】の文字数はマジハンパなかったので、ずいぶんコンパクトになりました。

 

日本5周目のエピローグ部分(愛車との別れと、日本6周目への繋ぎ)

そもそも【日本走覇】はスポット情報のデータベースではないのです。

僕の旅に興味を持ってくれ、僕の文章を読みたい人が来てくれればよいという、人を選ぶWebサイトとして考えていました。そんなWebサイトですけど多くの人に愛され、とても感謝でした。

 

2人で北海道一周したときの出費

少し長めの旅には、こんな感じに末尾にてデータ集計を行ったりもしました。

(誰だよ、たった2週間で40万も使ったのは。これを集計したときは手が震えたわ…)

 

2007年から始めたこんなWebサイト、僕の半生と共に歩んで全てを記したWebサイト、2019年の春に閉鎖することとなるのです…。

 

 

②なぜ【日本走覇】を閉鎖したのか

 

ネットを取り巻く時代の流れは残酷なのです。その波が僕にも押し寄せてきました。

僕は「Yahoo!ジオシティーズ」というサービスで【日本走覇】を運営していました。世界の誇るYahoo!であれば、いきなり潰れることも無いだろうから安定性もバツグンだと踏んでいたのです。

 

 

2018年春、「Yahoo!カテゴリ」閉鎖が決まった頃から嫌な予感がしていました。

あぁ、このYahoo!カテゴリっていうのは、YahooのTOP画面にあらかじめ主だったWebサイトのカテゴリが掲載されている形式だったのです。

 

 

こんな感じでね、黎明期のYahoo!では人々は「まず検索Window」ではなく、「まずカテゴリの中を調べよう」のスタンスだったそうなのです。

このカテゴリをクリックした先に現れるサイトは、Yahoo!のスタッフが1つ1つ審査して合格させた、選りすぐりのサイトばかりだったそうです。

 

その審査を通るのって、相当に厳しいのですよ。あ、ちなみに【日本走覇】は公開初年に審査突破しました。YAMAさんすごいね。

ただ、僕がWebサイトを始めた頃は既にカテゴリからWebサイトを辿る人はごく少数だったので、アクセス数の恩恵はあまり受けられなかったような気がしますが。

 

続く2018年の後半だったかな。

ついに僕の登録している「Yahoo!ジオシティーズ」が2019年3月末で閉鎖するというお知らせが届きました。

 

 

ついにこのときが来たか…、って思いました。心のどこかでは、近いうちにこの日が来るってわかっていたのですけどね。

世の中はもう一般人がWebサイトを運営するような時代じゃないのです。SNS全盛期。ブログすらレトロなのかもしれないのです。

 

あ、ちなみに上の写真は2019年のものですが、デザインはあえてジオシティーズ創立当時のレトロデザインにした、Yahoo!さんの遊び心です。

 

さて、僕は悩みました。

Yahoo!ジオシティーズが無くなったなら次はうちへ!」という運営会社が次々と救済措置を出してきています。

それに乗り換えるのか、それとも閉鎖するのか…。

 

結論、完全閉鎖を決めました。半生を歩み、執筆が生活の一部でしたけど、全部辞めます。ジオシティーズがなくなったら誰も【日本走覇】を見ることすらできなくなるけど、それでも辞めます。

 

執筆はすっごく楽しかったけどすっごく大変で生活を犠牲にせざるを得ないレベルだったし。

当時は僕は顔出ししていたし旅の同行者もOKしてくれた人は顔出ししていたけど、時代の流れ的なものと僕にも家族ができていて、控えたほうがいいかなと思っていたし。だけども全データを今さら修正するような手間はかけられないし。

あと、やはりスマホからWeb閲覧する人が多数のこの時代において、PCからの閲覧を前提とした我がサイトはジワジワとアクセス数を落としていたし。

 

だから辞めるのです。

 

日本6周目前半はサイト最終盤に簡略版で掲載

2019年3月31日、Yahoo!ジオシティーズ閉鎖と共に、僕のWebサイトも消えます。

それを宣言し、最終日に向かって着々と準備を進めていました。多くのWebサイトやブログは、運営者が力尽きて更新が止まったりするケースが多いですが、僕はそれが嫌だったのです。

キチンと終わる。まさに終活。自分が育んできたWebサイトだもん、終わり方にもこだわりたいのです。ちゃんとさよならを言いたかったのです。

 

上の写真の『新しい時代にまたいつか』とは、令和時代を指しています。

ブログ最終日の翌日の4月1日に、新しい年号が発表される予定だったのです。なので【日本走覇】運営時には、まだ誰も新しい時代、"令和"の名前を知らないのです。

 

僕はブログもSNSも全くやる気は無いけど、もしかしたら令和時代にそれらを始めて、みんなと再会できるかもしれないね…っていうメッセージでした。


③【日本走覇】最終日のトラブルと終焉

 

2019年3月31日、つまりは【日本走覇】の最終日です。

この日に執筆した内容は翌日にはもう見れなくなるので、これまで見てくれていた常連さんも見れていない方が多いと思います。4年半も経っていて恐縮ですが、その一部を抜粋紹介いたしましょう。

 

毎日ゆかいな日記を書いたよ

前提として、【日本走覇】には「DAIRY」という日記のスペースがありました。2007年から1日も絶やすことなく結構な量の文書を書いていて、コアな人気があったのですが、これがマジで死ぬほど大変でした。

 

ラスト2日間、3月30日と31日、今までは1日1記事だけの執筆だったここに、アホみたいな回数を投稿し、読者の方々と最後の時間を過ごすことにしたのです。

 

 

最終日1回目の投稿です。

後日談を申し上げますと「オチャメなYAMAさん」でした。聞くまでもねーだろ、そんなもん。

 

100年待っても再UPするつもりはありません。時代と共に(あるいはちょっと遅れてででも)前進するのです。

いや、でも内容をギュギュッと圧縮して再掲載に近い形でブログリリースしている記事もあります。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

最近だと、これとかね…。

 

最終日の14時過ぎ。このまま平穏に24時の閉鎖を待とうと思っていたところ、トラブルが起きるのです。

お昼ご飯にレトロなドライブインで唐揚げを食べて帰ってきて、異変を知らせる読者の方からのメールが来て気付くのです。

では、最終日4回目の投稿です。

 


実は【日本走覇】には2つのURLがあったのです。

1つは公式に発表している、自分で考えた文字列のもの。これは有料で取得しました。

もう1つはジオシティーズから自動的に割り当てられていて、「www.geocities.アカウント…」みたいなスタイリッシュじゃない表記。

 

14時に前者がいきなり死にました。いろいろ調査して忘れかけていた後者の存在を思い出し、そしてそれは生きているとわかったのですが、読者の方にそれをどのようにすれば伝わるのか悩みました。(SNSなどはやっていなかった)

唯一の方法は、別URLで運営していたBBS、つまりは読者が感想を書き込むためのツールです。ここに上の青字の投稿を、運営者である僕自身が行いました。

 

普通の人は「【日本走覇】⇒BBS」とページを辿るので、公表している【日本走覇】が死んでいる以上、BBSへのアクセスも絶望的です。

しかしうまくWeb検索すれば直接BBSに行けなくもないのです。それに賭けるしかない…。

このあと、鳥肌が立つ事態になりました。

最終日6回目の投稿です。

 

 

キャラメルは2つ渡しました。

 

 

この時点で、もう夜になっています。

1つ前の4回目の投稿では、愛車の日産パオの紹介記事を書いたり、翌日のお昼に発表される新しい時代の名前ってなんだろね、みたいなことを書いていました。

その後も中間投稿はあるのですが、それはさておき。

 

 

いよいよWebサイト閉鎖まで1時間半ほど。一握りの方しかアクセスできなかった上に消去まで1時間半という超絶な縛りの中で公開した最後の記事です。

 

「もうほとんど読む人もいないし酔っているから好き勝手書いてやれ」と執筆した文章、4年半経って読み返すと恥ずかしいぜ!

そんで数年後にゆっくりと旅を再開するなんてタイプじゃないぜ僕は!いつだってロンリーで弾丸だぜバカヤロー!

 


【週末大冒険】の読者のみなさまには意味不明ですが、当時の読者の方に対する最大限の暗喩を持って、しめくくりに入ります。

 

 

多くのコメントをBBS経由でいただきながら、【日本走覇】は24時に消滅しました。

SNSの時代にわざわざこんなWebサイトを見てくれ、そして旧時代のBBSでコメントしてくれた方がたくさんいたことに感謝しかないですよね。

さようなら、僕の半生。

 

 

④だから静かに眠らせてくれ

 

だからこそ!!

ドッタンバッタンしながらもちゃんとWebサイトをクローズできたからこそ!もう【日本走覇】を静かに眠らせてやりたかったのです。

 

前章までは、ここからの章に対する僕の思い入れを少しでも感じ取っていただきたいゆえの序章。本編はここからです。

 

長すぎた青春の終わり

あぁ…、終わったのだ。ときどきアクセスしては、無機質なサービス終了の画面を見て、ちょっとセンチメンタルな気持ちになっていました。

そんな気持ちも時間が経てば消えてなくなることでしょう。

 

そう思っていた矢先。

Web検索で【日本走覇】と打つと、サイトが見られることに気付きました。だけどもなんだか変だ。どこかおかしい。

レイアウトが変だし、ドライブエピソードも日本6周目ダイジェストの最後までを網羅できていないし、日記も2019年初頭くらいまでしか載っていないのです。なんだこの不思議な事象は。

 

GeoLog Project?

「GeoLog Project」というWebサイト。

『閉鎖が予定される日本ジオシティーズのウェブサイトを、消滅前にできるだけアーカイブ(保存)しようと取り組んだ個人プロジェクト』とのことです。

 

つまりは「インターネット黎明期に作られた味わいあるサイト、もう管理人が亡くなっているサイト、管理人のやる気のないサイト、それらが消えてしまうのは歴史の喪失だ」っていう意図で、アーカイブを残してくれたのです。

この喪失は文化的ダメージが大きいことは以前から言われていたし、その気持ちはわかります。

 

【日本走覇】もその対象で復活しました。

ありがたい気持ちもありました。だが、僕は【日本走覇】にはキチンと消えてもらいたかったのです。僕自身の手で葬りたかったのです。

 

日本6周目ドライブ記録の最終ページ抜粋

何ヶ月も前から継続か閉鎖か検討し、断腸の思い出で閉鎖を決めたのです。

そして最期の日に向けて、ドライブエピソードもDAIRYもまとめに入り、みんなにご挨拶もし、僕らしい終活ができたと思っていたのです。

 

…なのに、中途半端な形で復活させられて、これではまるで僕がWebサイトを途中で投げ出したみたいじゃありませんか。これは不本意なのです。

管理人本人から申告があれば掲載を辞めてもらえたそうですが、なんだかそれもおかしな気持ちだし、面倒だし…。

 

Webの中の住民たちのコメントも、賛否両論でした。

閲覧者の方が賛成派が多いですが、運営者・管理人側は否定的なコメントも多かったですね。なにより管理人に了承を得ず(了承を得るのが困難とは言え)個人の判断でサイトを掲載しているので、著作権の侵害に当たります。

すったもんだがあり、このGeoLog Projectは2022年の12月31日で閉鎖することが決まりました。

 

 

今年、2023年元旦。日付が変わった食後、まだ年越しTV番組で「ジルベスターコンサート」が陽気な演奏を奏でている中、僕は自分のPCから【日本走覇】がどうなったのか確認しました。

消えていました。悲しい気持ちもあるけど、これできっと終わったのでしょう…。

 

 

⑤【日本走覇】のゾンビ、そして真の消滅

 

終わったと思いました。しかしまだ尚早でした。

2023年になって数週間後だったと記憶しているだが、また【日本走覇】が検索エンジンに現れたのです。

なんだなんだ、今度は何が起こったのだ…??

 

しかもGeoLog Projectよりもさらにレイアウトが崩れ、リンクも各所で死に、なるでゾンビのような状態のWebサイトでした。【日本走覇】、かわいそう…。

 

関係ないけど、ホラー系ドライブのレイアウト(日本4周目・48回目のドライブ)

調べてみると、海外のWebサイトがGeoLog Projectの意思を継いで、アーカイブをゴソッと掲載している様子でした。

これまた申請すれば取り下げてもらえるのですが、それには英語で申請をし、さらに本人確認のための情報をいくつも提示しないといけないそうです。

なんだそれ、クソ面倒。

 

それでも今回こそは取り下げ申請しなきゃな…って思っていたら、そのWebサイトなくなりました。

【日本走覇】もWebの中から消滅しました。

2ヶ月くらいの間は画像検索するとサイト掲載していた写真の一部などがしつこく表示されていたのですが、それもなくなりました。よかった。

 

関係ないけど、ノーマル系ドライブのレイアウト(日本4周目・86回目のドライブ)

ところで、たった1つ僕が【日本走覇】の名残として残していたツールがありました。

それは最終日に活躍してくれたBBS(読者の方からの掲示板)です。

 

これはインターネット黎明期から永らくサービスを続けれてきてくれた「teacup」というサービスを使っていました。有名な無料レンタル掲示板サービスでしたよね。

 

懐かしきteacup

teacup、1997年から続いていたんですぜ。Yahoo!JAPANが1996年だから、その翌年。

僕は1998年に初めてまともにインターネットに触れ、その年にはteacupを使って友人とたわいもないやりとりをしていたので、本当にお世話になったサービスでした。

 

もちろん、令和の時代から見たらレトロすぎるサービス。

時代の流れについていけず、2022年7月末でサービス終了することとなったのです。

僕は【日本走覇】終了後もこれだけは継続しており、読者の方からもらったコメントを見たり、その後もチラホラと届くお知らせを見ていたりしたのですが、それももう終わりです。

 

さよならコメント

最終日に、誰か見てくれているのかはわかりませんが、感謝のコメントを投稿しました。

そしてこれについては、今までのコメントを全てダウンロードし、今も僕のPC内で見られるようにしています。

 

完全に、本当に完全にこれで終わった…。

【日本走覇】が完全に眠りにつくまで、3回も死なせてしまった…。4回目が無いことを祈ります。

 

 

⑥エピローグ:そして【週末大冒険】

 

時系列は少し前後しますが、2020年6月にこの【週末大冒険】をスタートさせました。

あえて【日本走覇】との関りはほとんど見せず、ゼロからの再出発でノンビリとマイペースでやっていこうと思いました。

そりゃ少しだけ匂わせもしていますがね。

 

最初のコラムの末尾より

【日本走覇】ドライブエピソードの最後の『それじゃ、「またね」。すごく楽しかったよ。』を受けて、『あるいは1年半ぶりの、お久しぶりです』としました。

誰も気付かなくっていいけど、自己満足の伏線回収です。

 

ブログ開設と同時期に、X(旧Twitter)も始めました。

 

 

おかげさまで2023年11月現在は1万人を超えるフォロワーさんがいます。

※ 日々観光スポット情報などを垂れ流しています。フォローしていただけると泣いて喜びます。

 

このXもね、「かつて【日本走覇】を見ていたよ」的なコメントから繋がっていたけたケースが散見されています。ホントみなさんありがとうって思っています。

【日本走覇】はもうないけれども、きっとそれを土台に今の日々があるのです。

 

画像

 

【日本走覇】からの方も、【週末大冒険】からの方も、引き続き僕を追いかけていただけると幸いです。

 

じゃあ、次はどこにドライブに行こうかね、愛車のフレンチ君。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。