週末大冒険

週末大冒険

ちょっと出かけてみないか。忘れかけていた、ワクワクを探しに。

No.429【愛知県】奇食の最高峰「喫茶マウンテン」!山頂目指して60数回アタック!(前編)

名古屋人が"山登り"と言うと、それは「喫茶マウンテン」に行くことを指すという。いや、いきなりこんなことを書くと名古屋の人に後ろから刺されるかもしれないが、とりあえずここではそういうことにしておいてほしい。

 

100数十種類あるメニューの中には、甘口パスタと言われる危険なものもあり、それらがTV等のバラエティで頻繁に取り上げられる名物メニューだったりする。

 

甘口いちごスパ

ヤバいのだ。フルーツを練り込んだ、甘ったるいパスタ。それを大量の油で炒め、アッツアツのその麺にフルーツとホイップクリームをトッピング。

完食できれば「登頂」だが、途中でフォークを置いたら「遭難」だ。

 

甘口キウイス

それ以外はまともなメニューも多いのだが、油が多くボリュームも多いというのがこのお店のスタイル。そこだけは留意し、初心者は単独登山をなるべく避けるのが鉄則だ。

それから難関の山ばかりを選ばずに、無難な低山も混ぜることだ。

 

僕は幼少期からフルーツを食べられないので残念ながら甘口系のレポートはできないんだけど、その分いろんなメニューを食べてきている。

そのうちのパスタ系をここでご紹介しようと思う。(それ以外のジャンルは後編に書くね。)

 

※難易度表記はあくまで個人的なものです。参考程度にしてください。

 

 

登山初心者向けアドバイス(前編)

 

どこの山もそうである通り、週末の日中はかなり混雑する。

喫茶マウンテンは全国的に有名なので、ことさら週末は全国から物見遊山の人たちがハイキング感覚で訪れて大行列。大行列の末に店内で阿鼻叫喚の大事件だ。

だから狙い目は夜。できれば平日。これ鉄則。

 

 

それから油ギトギトだけども店内には紙ナプキン等がない。最初にフォークを包んで出てくる1枚のみだ。店員さんに言えば出してくれるのかもしれないけど、僕は常にマイティッシュを用意している。これ大事。

 

 

水は店内3・4箇所にピッチャーごと設置してあり、これは自分で自由におかわりできる。味が濃いものが多いので水分たくさん必要だろう。イスに座ったらまずは水の場所をチェックだ。

 

 

メニューには写真がない。そしてメニュー名はわけのわからんものが多い。店員さんに聞けばどんなものか教えてくれるが、あえて聞かずにオーダーするのも楽しいだろう。

 

だが、店員さんが出してくれる冊子のメニューのみに頼るのも味気ない。お店の入口と中央付近のカウンターに、ベタベタとメニューの貼り紙があるのだ。

 

 

ここにはまだグランドメニューに掲載されていない新メニューや期間限定メニューがある。余裕があるならこちらもぜひご覧いただきたい。…見たところで意味不明なワードばっかだろうけどな…!

 

 

こんな感じだから店内の雰囲気も店員さんもさぞかしファンキーなのかと思いきや、接客のメインであるアルバイトの方々はいたってクールなので空回りしすぎないようにね。

あと、特に朝の時間は普通の喫茶店のように地元のじいちゃんやばあちゃんがゆっくり新聞読んでパン食べたりしているから、騒ぎすぎないようにね。

 

 

では、次章でいよいよ実食なのである。前述の通りこの記事「前編」ではパスタ系のみをご紹介したい。

2024年現在と比べてまだ値段がお安い時期のものもあったりするし、ボリュームも若干減ってしまったというウワサも聞こえているから、そこいらを留意して読んでほしいぜ。

 

 

突撃レポート(スパゲッティ編)

1. コスモスパ(登頂難易度:★★★★)

 

コスモスパ

コスモって何だ?宇宙なのか?何もわからずオーダー。

その正体は鍋!すき焼きのような甘辛の鍋だ。煮込みうどん風のスパゲッティで、具も和風だ。

普通においしくてアリなのだが、汁の味がとんでもなく濃い。レンゲが添えられているのだが、とてもそれを登場させるシーンなどない。汁を直で飲むのはキケン。

 

ただ、どんどん麺が汁を吸って汁は自然になくなる。一方で麺は膨張して永久に減らない。さらにアツアツすぎて食べにくい。ギリギリで登頂した。あぶねーあぶねー。

 

 

2. きのこツナクリームスパ(登頂難易度:★★)

 

きのこツナクリームスパ

あれ?ツナ(マグロ)じゃない。鮭フレークだね。どっちでもいいけど。

麺は安定のギトギトっぷり。ドバドバにかかったクリームは大味ではあるが、そういうこと気にしているならこの山登るべからず。なかなかに満腹になったが、無難に登頂。

 

 

3. イカメンタイコスパ(登頂難易度:★)

 

イカメンタイコスパ

文字通りイカと明太子。これも例によって油っこいしニンニクが効いているけど、普通に食べられるレベル。マウンテンの中では間違いなく「無難」の代表格になれそうな一品であろう。

周りのグループやカップルがヘンテコなメニューを頼んで楽しそうにワーキャーしている中、黙々とイカメンタイを食べた。普通すぎる時間をすごしていた。

 

 

4. 赤いワンピース(登頂難易度:★★★★★)

 

赤いワンピース

おそらくマウンテンの中で最強の激辛メニュー。心してかかれよ。

ミートソースやトマトケチャップの赤ではないぞ、これは。トウガラシの赤。ごらんなさい、パスタが赤いワンピースをまとっておるわ。

もう匂いからして鼻にツーンといらっしゃる。そしてボリュームは普通のお店のパスタの1.5倍はある。これはキツい登山になりそうだ。

 

食べて最初は「うん辛い、でもなんとかいけるか…?」って感じだった。しかし辛さは後からジワジワやってくる。後半がツラい。額には汗がにじむ。

上に乗っているのはニンジンとインゲン。味つけがされていなくて、素材のまんま。そしてどちらも固い。ちょっと冷たい。ダイレクトにトッピングしたのかな?

 

赤いワンピース

およそ20分後、なんとか登頂した。僕は辛いものはそこそこ得意なのだ。

皿には血の海のような真っ赤な何かが残った。

 

 

5. きのこのペペロンチーノ(登頂難易度:★)

 

きのこのペペロンチーノ

連休の中日の10:00ちょっとすぎに行った。ランチは絶対大行列になるからあえてこの時間での訪問だったんだけど、既に店内は満席一歩手前。なんか70~80歳くらいの方々が15人くらい大集合して大盛り上がりしている。今日は年齢層が高いね。良き。

 

これは500円で食べれるお手軽メニュー。ワンコインメニューだからか、通常メニューよりかは少しボリュームが少ないような気がする。しかし通常メニューは通常のお店の大盛り以上なので、これでも普通よりかは多いくらい。

きのこが想像より多くてうれしい。ニンニクの風味は弱め。あんまりオイルに風味が移っていない気がするが、この店にそういうのを求めるのは無粋だよね。

普通に食べれる無難なメニュー。難なく登頂成功。全メニュー中で一番楽な登山だったかもしれないくらいだ。



7. サボテンスパ(登頂難易度:★★)

 

サボテンスパ

夏季限定メニュー。この山に登る上で語らざるを得ない植物。この山の植生のメインを占める植物。

具材となるのサボテンはお店の駐車場で栽培しているものを使用しているとのウワサが濃厚だ。食べつくしちゃうと次の年の夏まで生えてこない。だから夏季限定なのだよ。

 

サボテンスパ

サボテンをアップにしたのがこれだ。

パスタ自体のビジュアルは一見普通。サボテン以外の具はトマト・マッシュルーム・豚バラ・タマネギなど。つまりはひとことで言っちゃえば、ナポリタン。

そしてサボテンはピーマンをもっと酸っぱくしたような味。美味しいとは思わなかったが、そこそこ食べれる。かなりの覚悟をしていったものの、余裕を持って登頂。

 

 

8. うどん風カレースパ(登頂難易度:★★★)

 

うどん風カレーうどん

うどん?カレー?スパゲッティ??そんで何このボリューム。ラーメンどんぶりよりも大きな器にすりきれでパスタの海。恐ろしいものを頼んでしまったよ。

うどん風とかいってるけど、これは目をつぶれば普通にカレーうどん。麺にパスタを使っただけ。マウンテンのパスタはかなり太めなので、うどんと言われればそう思えなくもない。

 

あまりグダグダしていると麺がカレーを吸って無限になくならなくなってしまうので、小皿に取ってガンガン食べ進める。小皿がついてきて嬉しいね。

ボリュームはヘビー級だが、カレーだから食べやすい。辛さもほとんど感じず、マイルド。だけど激アツ。なんとか登頂ーッ!



9. カントリー(登頂難易度:★★★★)

 

カントリー

好き嫌いあると思うが、ちょっと僕的には苦手の部類だった。

これが運ばれてきた瞬間、ここまでの爽やかな気分が吹っ飛んだ。立ち上る濃厚な赤味噌の香りにやられたのだ。こりゃ、マジで遭難するかもなって思った。

 

これは赤味噌味のスパゲッティ。具はコーン・タマネギ・青ネギ・生玉子。なんでカントリーってネーミングなんだろ?

名古屋は味噌文化だけど、僕はそこまで味噌に浸ってはいない。味噌のパスタはかなり苦しい。

でも登頂したよ。要は慣れだ。それと、匂いを嗅がなきゃ割といける。味噌煮込みうどん食べているような感覚でいける。

 

 

10. しるこスパ(登頂難易度:★★★★★)【遭難】

 

しるこスパ

おしるこのパスタ。土鍋でグツグツプシューと変な泡(ガス?)を大量発生させている状態で持ってこられた。

土鍋一杯に甘いおしるこがたーっぷり。そして当然太麺のパスタが大量にそこを泳ぐ。おもちは全部で5つほど。早速1口食べて、思わず「あぁダメ」とニッコリ。僕、自分の死を悟ったわ。僕、今夜この山で遭難して死ぬわ。

 

もともと甘いものが苦手な僕、これはキツい。シンドい。しょっぱいものとか食べたい。甘いし、そこいら中ベタベタになるし…。

このときは珍しく単独登山ではなくパーティー登山だった。だから他のメンバーに具はを伝ってもらったけど、おしるこを茶碗1杯分ほど残したところで遭難した。

胃の中が不愉快だ…。もうグッタリだ…。

 

 

11. シャンピニオン(登頂難易度:★)

 

シャンピニオン

いまいちビジュアルが想像できずにオーダーしてしまった。

あぁ、よかった。一目見て、これなら登頂できると感じた。マウンテンの良心だ、これ。

具はマッシュルーム・ソーセージ・ピーマン・タマネギかな。トマトソースを使っていないナポリタンみたいな見た目。全体的な味付けは塩味だろうか。

そういや、シャンピニオンってマッシュルームを指す言葉だったっけ?食べながら思い出した。

とりあえず、これは楽勝で登頂。隣のテーブルでは4人の山ガールが甘口イチゴスパの皿を囲んで完全にグロッキー状態になり遭難一歩手前だが、知らん。僕は自分の山を軽々と登頂したのだ。気分は爽やか。

 

 

12. 鍋スパ(登頂難易度:★★★★★)【遭難】

 

鍋スパ

「あ、僕、遭難します」ってのが、ファーストインプレッション。もう悟ったよ。変に冷静だったよ。

前々からウワサには聞いていたが、すんごい大盛りね。普通のイタリアンレストランの5倍くらいのパスタの量。マウンテンのパスタは基本どれも大盛りなんだけど、それらの倍以上はある。

炊飯器くらいの大きさの土鍋に、たっぷりのパスタ。そしてその上には申し訳程度の白菜・ニンジン・インゲンなど。これらを醤油ダレに漬けて食べるのだ。なんだこの料理。

 

鍋スパ

一応"鍋パスタ"という名前だけあって土鍋の底にはわずかに液体が溜まっているんだけど、味は基本的にナシ。てゆーか腹が膨れるから汁は飲まない。

早く食べないとパスタが汁を吸って無限膨張しそうなので、アツアツのパスタをすごいスピードで食べる。ホント、ただひたすらお湯で茹でたパスタだけを醤油で食べている感覚。ちょっと切ない。

 

当然途中からスピードが激減。もう、ダメ…。遭難た。ここは8合目くらいだろうか?8合目というとかなり食べたように思われるかもしれないが、これでもまだ普通の店のパスタ1皿分くらいは残っている。無念の撤退…。



13. ナマズスパ(登頂難易度:★★)

 

ナマズスパ

見た目は普通。むしろおいしそう。マウンテンのことだからナマズがそのまんまニョロって乗ってくるくらいのことは覚悟していたんだけど、そうじゃなくて安心した。

ペペロンチーノ風だね。具はトウガラシ・ガーリック・キノコ。そして混じっている白身魚ナマズなのだろう。ナマズ、初めて食べるかも。

淡白で普通の白身魚って感じ。しいて言えば若干独特の臭みがあるかなー程度だけども、気にならない。余裕で登頂できた。

 

 

14. 辛口ナマズ煮込みスパ(登頂難易度:★★★★★)

 

辛口ナマズ煮込みスパ

グツグツに煮立った大きな土鍋に入れられているのは真っ赤なスープ。これはトマトベースというか、チリソースと言うか。なかなか辛いので、辛いのが苦手な人は食べられないでしょう。

具はキャベツ・ナス・トマト・ニンジンなど。スープの味とマッチしていてそれなりにまとまっている。

残念なのは、かんじんなナマズの量が少なすぎること。クズみたいな小さい破片がちょびっとしか入っていない。せっかくおいしいのに。これは正直大きな減点かも。

ナマズスパにはゴロゴロ入っていたのになぁ。メニューの違いだからか、ナマズの在庫が既に切れかけているのか…。ナマズが無いと、タダのチリソースの鍋だ…。

 

例によって鍋系パスタは普通のお店のパスタの3倍くらいの量があるしスープまであるのでお腹がメチャパンパン。9合目くらいで一度遭難しかけたんだけど、なんとか根性で登頂した。口の中、結構辛い…。

一応ナマズアドバイザーの僕からのアドバイスとしては、最初のナマズナマズスパの方がいいでしょう。万人受けできる味だし、ナマズが多いので。

みんなナマズを食うが良いです。ナマズを食える喫茶店なんて、そうそうないですから。

 

 

15. 焼きスパ(登頂難易度:★)

 

焼きスパ

麺類はパスタしかないのに、それを無理矢理うどんだとか焼きそばみたいにアレンジしちゃうこのお店の真骨頂がこれであろう。ひとことで言うとパスタで焼きそば作りましたって感じ。

ソース焼きそばかなって思っていたら、写真の通り色が白い。塩焼きそば風だった。具はキャベツ・ハム・タマネギ、そして上にはきざみのりと紅ショウガで、まんま焼きそば。

味はそこそこうまい。マウンテンの中ではかなりおいしいほうじゃないのかな?…焼きそばをマズく作るほうが難しいと思うけど。

 

 

16. アラビアン(登頂難易度:★)

 

アラビアン

何もわからずに頼んだ。結論から言うとこれは難易度低めの山だった。簡単に登頂できた。

塩ベースの味付けで、トッピングはツナとピーマン。ツナは醤油漬けになっている缶詰めがあるじゃないですか、アレと同じ味。なぜそれがアラビアンなのかはナゾだけど、そういう細かいことはどうでもいいや。余裕!

 

 

17. インディアン(登頂難易度:★★★)

 

インディアン

なるほど、カレーパスタね。カレーソースが上にかかっている。麺自体もほのかに黄色くてカレー味なので、カレー粉で炒めたんだろうかね。

具は豚肉・タマネギ・グリーンピース。昔ながらの喫茶店のカレーって感じの味。

これはいける系ですな。登頂できちゃう系ですな。…と思ったら、マウンテンの例に漏れず最後に油ギトギト攻撃。皿にもたっぷり油が残っている。他のメニューよりさらに油が多いように感じる。

胃もたれの兆候を感じつつも、ひとまず登頂成功。

 

 

18. アマトリチアーナ(登頂難易度:★★★)

 

アマトリチアーナ

10:00ちょいすぎに訪問したんだけど、この時間ですでにお客さんがいっぱい。10数人規模でオフ会だかなんだかやっていて、"たらい氷"だとか"あつげしょう"にチャレンジしているグループとかいたからね、夏休みならではだね。

で、やっぱたらい氷っていう超巨大カキ氷は10数人で挑んでもハードル高いらしく、半分くらい残っていたね。

 

さて、これはトマトベースのパスタですな。具はクラッシュトマト・ベーコン・マッシュルーム・タマネギ。常識的な見た目だし、味もマウンテン流でギトギト感は強いけどもそれなりにまとも。ちょっとだけピリ辛。量だけはヘビー級。

量にはそこそこ苦戦しつつも登頂することができた。マウンテンのメニューの中では初級に属するの山かもしれませんな。

 

ところで退店後に知ったんだけど、これは普通に存在するパスタの種類の1つなのね。

"アマトリチャーナ"って呼ばれることが多いそうだけど、豚の塩漬け肉・羊のチーズ・トマトを使ったイタリアのパスタだそうだ。具材はかなりマウンテン流に置き換わっているし、チーズの姿が見当たらなかったとはいえ、王道だったということだね。

 

 

19. シーフードスープスパ(登頂難易度:★★)

 

シーフードスープスパ

携帯電話をいじっていたら、店員さんに「お決まりですか?」って聞かれたので、決まっていないのに適当に「これください」ってオーダーしちゃった。

それがこれ。考える余裕がなかったので無難なのを頼んじゃった。


見た目はカルボナーラのようだ。食器もフォークのみでスプーンがない。これ、ホントにスープスパ?これがマウンテン流?

カルボナーラのようなクリームソースかなぁと思って一口食べると、まさかのコーンスープ風味。なるほど、そうきたか。スープスパのネーミングの意味って、もしやそこだったか。

具はシーフードと言うだけあってイカ・アサリ・小エビ・ツナなど。さらにタマネギやマッシュルームなど。

 

最初はコーンスープ風味がなかなか馴染めなかったけど、食べ進んで行くうちにマヒして何も感じない人間になりました。これはそこまで難易度高くない山だね。ボリュームも普通のパスタより少ないのだろうか?そんなに労せず登頂できた。

 

 

20. チョコスパ(登頂難易度:★★★★★★★)【遭難】

 

チョコスパ

店内入口のところに期間限定の"チョコスパ"なるメニュー表記があった。1000円。マウンテンとしては相当高額。

マウンテンといえば"いちごスパ・"メロンスパ"・"バナナスパ"のように甘口メニューで全国的に知名度が高い。しかし僕はフルーツが食べれないからそういう名物登山が今までできていなかった。

ここで目についたのが、チョコという僕でも食べれそうな甘口メニュー。食べれそうっていうか、チョコレートならかなり好き。甘いものが基本苦手な僕であっても好きな食べ物。では、オーダーしよう。

 

僕ほどの登山家になると、山を見ただけで自分の運命がわかっちゃうんだけど、これ1000%遭難する。

運ばれてきた皿からむせ返るような甘ったるいチョコレートの湯気が立ち上っている。その上にはホイップクリームがドッサリ。麺はきし麺。「パスタなんだからフェットチーネだろ?」とお思いかと思いますが、リアルにきし麺なんだそうだ。なんてこった。

 

食べてみた。チョコを練り込んだきし麺はメチャ固ゆで。大丈夫なのかなってくらい。噛めば噛むほど、甘いチョコのエキスが口に広がる。オエェェ…。そしてアツアツの油ギトギト。オエェェェェ…。もう1口目から泣きそうなんだけど、とりあえず山頂を目指さないと…。

隣では大学生くらいのグループが陽気に"抹茶小倉スパ"がなんかを突いていたんだけど、チョコスパが登場すると1人がこっちに視線を向けないように「ちょっ、オマエ斜め45度見てみ」とか同席者に明らかに僕を見るようにメッセージを送っているんだけど、カンベンしてください。恥ずかしいので見ないでください。

とりあえず僕はクールにチョコスパをもくもくと食べるんだけど、半泣きだった。顔はクールで心は泣いてた。

 

アツアツの麺の上でホイップクリームが驚異的なスピードで溶けていく。うわぁ、気持ち悪い。これはアツアツギトギトの麺と絡んで得体の知れない物質になっていく。

今まで甘口系のパスタに挑んでいた勇気ある先駆者たちって、これと闘っていたのだね。マジ尊敬するわ。ベッチャベチャ。気持ち悪くて手が進まない。

 

チョコスパ

アツアツのときも鼻にチョコの香りが来てキツかったけど、冷めたら冷めたでパスタの味とホイップクリームと油のブレンディがダイレクトに舌を刺激してくる。ダメこれ。

隣の学生グループもこっちを意識しているもんだから、とりあえず死ぬ気で「少食の常連さんが余裕を持って食べたいだけ食べました」くらいの量をなんとか胃に詰め込んだ。

結果、6合目で無様に遭難。全シリーズ中で一番の惨敗。



21. カルボエッグ(登頂難易度:★★)

 

カルボエッグ

ベーコン・オニオン・マッシュルーム・ガーリックなどの常識的な素材のみが使われている。そして全体に「ブシャア!」みたいな感じでダイナミックににホワイトソースがかかっている。

あまりこだわりのないカルボナーラみたいな感じ。ホワイトソースの中には熱で固まった玉子が潜んでいる。ボリュームは多いものの、比較的ラクして登頂。

 

 

22. ハンバーグスパ(登頂難易度:★★)

 

ハンバーグスパ

500円メニュー。でもボリュームは500円とは思えないほどあるぞ。

ミートソースの上にハンバーグ、そしてその上に目玉焼き。あぁこれイケる。すごく安全牌だ。味も普通。ハンバーグはレトルト系だけど、まぁ良し。

全然苦戦せずに登頂できた。量が多かったのでちょいとお腹苦しいけど。



23. みそ煮込みスパ(登頂難易度:★★)

 

みそ煮込みスパ

はい、ドカーンと来ました。すごい深いいつもの土鍋。ボリュームすんごい。

うどんっぽいけどパスタ。そんで食べてみるんだけど、あれ、意外とイケるクチですか。

赤味噌のスープはマウンテンなのにまともに感じられる。普通においしい。マジに専門店のと比べても遜色ないくらい。

具は豚肉・ネギ・シメジ・白菜・ニンジンかな?全体的に具の少ない傾向のあるマウンテンの数々のメニューからしたら、かなりゴージャス。まぁニンジンは全然火が通ってなくてコリコリしているんだけども。

しかしこのボリュームでこのクオリティで800円かそこらなら、かなりお得な部類ではないだろうか。滅多にないアタリのメニューだよ。



24. ヨガスパ(登頂難易度:★★★★)

 

ヨガスパ

値段は1000円でマウンテンではかなりの高額クラスに属する。

具はゴーヤと豚肉とタマネギとマッシュルーム。そしてパスタとその具材に大量の玉子が絡まっている。玉子閉じにしようとしてアレしちゃったみたいな感じ。

それから意図して入れたのかどうかもビミョーなほどの量のトマト。マジで大さじ1杯分くらいの少量のトマト。炒めまくったのか、ヘロヘロで原形がほとんど分からない。

 

味は塩ベースかな。豚肉が多いしそもそもマウンテンのメニューは油ギッシュなんだけど、玉子がうまい具合にそれらをマイルドにしてくれている。

…ん?よくよく考えたらこれってゴーヤチャンプルじゃないか。それにパスタを合わせちゃったのは、さすがマウンテンって感じだけど、まんまゴーヤチャンプルを参考にしているよね。

 

なのにヨガスパというネーミングが予想の斜め上。

どうやら「ゴーヤは健康的。健康的と言えばヨガ。だからヨガスパ。」となったらしいが、無理矢理感の漂う連想ゲーム。そしてマウンテンのメニューはぶっちゃけどれも健康的ではない。油多いし。

致命的だったのは、僕はゴーヤが苦手だという点。食べれないわけではないけど、ピーマンだとか苦いものは躊躇してしまう。人一倍苦味に敏感なんだ。食後もずっと口の中に苦味が残っていたよ。

 

 

25. オリエンタル(登頂難易度:★★)

 

オリエンタル

相変わらずどんなメニューなのか皆目見当がつかない状態でオーダー。

具はウインナー・トマト・ミックスベジタブル・マッシュルーム・インゲン。塩ベースの味付けで、匂いもなかなか食欲をそそる。

味も見たまんまな感じだ。マウンテンの中では非常に登りやすい山の1つじゃないかな。ただ、個人的にはトマト苦手だから、大きくカットされたヤツがゴロンゴロン入っていて参ったけどね。頑張って一気に食べたけどね。

 

しっかしどこがオリエンタル(東洋的な)なのか、1ミリもわからん。

本場イタリアに対し、日本独自の仕様ってこと?その特徴とは、見る限りミックスベジタブルくらいだけど?

というより、日本独自をオリエンタルと称するなら、ここの店の95%くらいのメニューがオリエンタル、むしろマウンテン独自のものになるけど?

謎は永久に解けないので考えるのを辞める。

 

 

26. ペスカドール(登頂難易度:★★★)

 

 

平日昼。70人くらいは入れるであろう店内は9割くらい埋まっていた。そのうち80%が学生っぽい人、15%が仕事の合間にランチに来ているであろう人、その他が僕のようなヒマ人や、近所のじいちゃんばあちゃんってトコ。

 

混雑しているせいか30分ほど待ったた。待機時間の最長記録。

さて、ぺスカドールとはスペイン語で漁師を指すそうだが。ペスカトーレと語源は同じだろうか?

見た目は普通。昔ながらのナポリタンっぽい。上に大量の粉チーズがかかっている。具のクラッシュトマト・オニオン・マッシュルーム・アサリ・鷹の爪はすぐわかった。

 

パスタのところどころに絡まっている、クッタクタの茶色いものがわからない。しばらく食べているうちに、フニャフニャになった鰹節だと気付いた。なんと…、トマトのパスタに鰹節か。合うのか合わないのかナゾだが、食べれなくはない。和風のダシとトマトが入り混じって異国情緒な雰囲気を醸し出している。

語源が"漁師"だとすると、その部分を担当しているのはこの鰹節とアサリだと思うのだが、ちょっとパワー不足かもしれない。鰹節は日本人にとっては漁師をイメージするというより、普通に和風のダシだから。

 

上品な和風のダシなのにトマトと混じり合い、そしてマウンテン恒例の油ギトギト地獄で鰹節のいいところも半分くらいにセーブされているような気がするが、ナポリタンの変化球と思えば大丈夫。ボリュームに圧倒されつつも無事に登頂!

 

 

27. 甘口抹茶小倉スパ(登頂難易度:★★★★★)【遭難】

 

甘口抹茶小倉スパ

今回は単独登山ではないから、シェアもできるし、万一遭難しかけても助けてくれる仲間がいる。ならば甘口抹茶小倉スパだ。

 

来たよ、王道中の王道。写真じゃわかりにくいけど、まずボリュームがハンパない。

抹茶を練り込んだ極太麺。アッツアツでたっぷり油がコーティングされ、不敵にギラギラ光っている。その上に大量のホイップクリーム、そして山頂のフルーツとあんこ。

甘口パスタってほとんどがフルーツ系だから、フルーツ苦手な僕は今まで避けてきたんだけど、よくよく考えると甘口抹茶小倉スパは山頂にフルーツが乗っているだけ。これだけ他のメンバーに食べてもらえば、生まれ持ったフルーツへの敵対心は収めることができる。

 

そして食べてみるんだけど、ギトギト甘…、やっぱ苦ッ!!ウゲッ、ダメッ。

まずは甘ったるい蒸気でやられる。次にギトギト麺で胃を刺激される。味も大層ファンキーだ。麺がアツアツなのでホイップクリームはすごい速さで溶けて、油と一緒に麺に絡む。なにこれ。体の全部が「それを食べちゃダメだ」と拒否反応を示している。

 

甘口抹茶小倉スパ

「ほげー、うげー」と奇声を上げながら食べ進め、他のメンバーの安心メニューを一口もらって心を落ち着けたり、むしろ他のメンバーにこの爆弾を投下したりし…。5合目で一旦ビバークした。ここで休もう。

 

幸いなことに味覚が異次元なメンバーが1人いて、「冷めればいけないこともないです。冷やしてくれればいいのに。私が食べるのでちょっと貸してください。YAMAさんは追加でまともなメニューでも頼んでいてください。」と言って食べ進めてくれた。

あ、サンキュー…。頼りになる仲間だ。

しかしその仲間も力尽きて8合目でフォークを置き、そのタイミングでスタミナを回復させた僕が「うおぉ」とか言いながら一気に登頂目指して「オマエのバトンは僕が受け取ったぜ!」的な感じで食べ進め、だけども9.5合目でパッタリ倒れて戦線離脱しちゃった。

 

ラストはさらに違うメンバーが決死でたいらげてくれた。

1人では遭難していたけど、みんなの力でたすきを繋いで登頂成功。でも1人だったら到底無理だったので、ステータスは【遭難】。

 

 

28. イタリアーノ(登頂難易度:★★)

 

イタリアーノ

そんなに危険ではないだろうと思ってオーダーしてみた。もしこれが危険メニューだったらイタリアに失礼だもんね。イタリアに名前を借りているってことは、まぁ大丈夫なレベルだろうと。途中で遭難はしないだろうと。

 

写真で見ると気付かないだろうけど、量が相当多い。

僕の近くに女性2人の初登山と思われる登山者がいたんだけど、このメニューが運ばれて来るのを見て「うわぁ、山盛り!」って言ってたもん。

いや、マウンテンではこの標高がデフォルトなんですけど。これ以上低い山はそうそう無いよ。高い山ならいくらでもあるけど。

 

そんでこれも写真で見ると気付かないだろうけど、まずインパクトあったのが匂い。タバスコのツーンとする酸味のある匂いにまず襲われました。ハラペーニョ

麺自体の味付けはトマトソースベースで普通。たっぷりたっぷりハラペーニョがかかっているけど。なかなか体がホットになる。

具はベーコン・オニオン・そしてマッシュルームと、ここまでは普通のトマトソースのパスタ。だけどもこいつは半熟の卵で全体をコーティングされている。それが一番の特徴か。まぁマイルドでおいしいよね。

予想通りこれは無難クラスの山。辛いの苦手だったらちょっとだけ危険だけどさ。



29. クリームメンタイコスパ(登頂難易度:★★)

 

クリームメンタイコスパ

カルボエッグみたいに「麺の上にボテーッと大量のホワイトがブチまけられてくるかな?」って思っていたのだが、見た目は割と普通。まんべんまくクリームソースが絡まった、一般的なカルボナーラみたいな感じだ。

 

具は名前の通りに明太子と、あとはマッシュルームとタマネギ・ベーコンかな。全部安全なものだ。でも一口食べてホワイトソースが激アツで、口の中をガッツリ火傷したんだぜ。油断ならない。

クリームのお蔭で濃厚さがUPし、胃にズッシリ来る。おまけにマウンテンは全ての料理が油ギトギト系だから、終盤はクリームと油のハイブリットな液体が出来上がってワケわかんなくなった。

 

 

30. みそミート(登頂難易度:★★★)

 

みそミート

テーブルに置かれた瞬間に、熱せられた赤味噌の臭いがプーンと鼻をついてきましたよ。独特すぎる匂い。パスタにはあまりないタイプの匂い。

具は味噌とひき肉の他は、小口ネギとコーンのみというシンプルなもの。最初だけ赤味噌が鼻をついたが、鼻なんてすぐ麻痺しちゃうものだから、3分もすると気にせずムシャムシャ食べれるようになる。それこそ、ミートソースとあまり変わらないような感じ。

そうすれば後の試練はもうボリュームと油ギトギトといういつものパターン。他のメニューも漏れなくこれ系なので、今さら動じることもないのだ。

 

 

31. ヤングスパ(登頂難易度:★)

 

ヤングスパ

中年に差し掛かるとね、ヤングという言葉に惹かれるんですよ。知らんけど。

さぁ、ヤングスパがやってきた。予備知識も無く頼んだが、その実態はどんななのだろうか。

 

おぉーこれは普通系?登頂できちゃう系?

見た目は焼きそばみたい。具は豚肉とネギ。味付けは、なんだこれ?焼肉のタレというか、五平餅というか。とりあえず甘辛系ってこと。ジャンクな味だけど、これは結構イケる。マウンテンの例に漏れず油ギトギトだけど、それにマッチする味付け。

 

ヤングという名称は、その味付けと豚肉から、若者好みというところから由来しているのだろうか。だとしたら、これを完食して登頂しなければ若者ではないと。遭難したら中年だと。

そう思うといてもたってもいられず、120%の実力を発揮しちゃって余裕で登頂した。これは登山初心者でもかなりとっつきやすい味だな。オススメの部類に入ると思うよ。

 

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よーし、みんな胃袋は温まって来たか?活性化してきたか?

次回「後編」、スパゲッティ以外のメニューを投下していくぞ!僕らの冒険はまだまだ終わらないのだ!

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以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

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