名古屋の「喫茶マウンテン」をひとことで表現するなら、なんとなるであろう。過去に僕がこの山を紹介するときに用いた文言を列挙してみよう。
- 名古屋が日本に誇る魔の山
- 世界一遭難者の多い「谷川岳」よりも遥かに遭難者が多い山
- 数多の登山者が遭難した死の山
- 泣く子もゲロ吐く名古屋の迷店
- 正しい意味での「シェフの気まぐれ」。ただし常識の範疇を飛び出した気まぐれ
- ドカ盛りメニューと奇抜なメニューで全国のバラエティ番組や雑誌に取り上げられるような、ネタ的扱いのお店
- 全国から奇食の亡者どもがわんさか集まるお店
- 毎日大量の死者が発生することで有名な、名古屋にある食のエンターテイメント・パーク
- 忘れたくても忘れられず、一生悪夢にうなされそうなお店
- 一見かわいい西洋のおとぎ話のような外観だけど、中では阿鼻叫喚の惨劇が繰り広げられる"本当は怖いグリム童話"みたいなお店
- 端的に言えば名古屋の町が生み出した狂気。それが具現化してお店のかたちになったもの
おうおうおうおう、我ながらなんて酷いことを言ってしまったものだ…。
もともと心優しい子だった僕がここまでやさぐれてしまうなんて、なんて恐ろしい店!
…というわけで、喫茶マウンテン登頂記の後編である。スパゲッティ以外のメニューについて触れていくつもりだ。
前編(スパゲッティ編)が気になる人は上記リンクも覗いてみてほしい。魑魅魍魎みたいなメニューがわらわらと出てくるからさ。
では、霊峰に突撃!!
※難易度表記はあくまで個人的なものです。参考程度にしてください。
登山初心者向けアドバイス(後編)
100数十種類あるメニューの中でブッ飛んでいるメニューはたぶん1割ほどだ。甘口パスタ系がそのメインを占める。
それ以外だとフランスパン1本まるまるにあんことホイップを死ぬほど乗せた"あつげしょう"や、イチゴシロップで炊き上げた甘いご飯にあんことフルーツを乗せた"小倉丼"などが猛威を振るっている。
「そういう気持ち悪いのは苦手」という方には、激辛系などはどうだろうか?
マウンテンの激辛系の山の代表格を以下に記載する。
- 赤いワンピース 辛さレベル:★★★★★★★★★★
- マエストロ 辛さレベル:★★★★★★
- ピカンテピラフ 辛さレベル:★★★★★★
- スパイス合衆国 辛さレベル:★★
辛さレベルは完全に僕の主観であるが、星3つくらいからは辛いの苦手な人はやめておいた方がいいレベルと思う。
ペヤングの激辛は星5つ。「蒙古タンメン」の北極ラーメンは星8つ。普通の蒙古タンメンは星5つって感じだろうか?
あるいはアイスが氷塊のように入ったフロート、氷山と言われるデフォルト超巨大なかき氷なども、複数名であれば登頂の道のりが見えやすいメニューであろう。
名前だけのインパクトとユニークさであれば、サボテン系も良いかも。
ちなみによくオーダーされるメニューの順位は、「1位:甘口いちごスパ」・「2位:大人のお子様ランチ」・「3位:スパイス合衆国」だと思う。
甘口いちごスパは一見さんはほぼ必ず頼む。大人のお子様ランチは一見さんが複数登山しているときにほぼ必ず頼む。それに続くのがスパイス合衆国って感じだろうか。
最後にお店のプチ情報を1つ…。
この看板、よく見ると建物が2つ重なっているのだ。これがどういうことかというと、手前のが現在の店舗で奥に重ね貼りされちゃっているのが旧店舗なのだ。
「お店の外観が変わったから看板の絵も更新しよう」と考える繊細さと、旧店舗が盛大にはみ出ても気にしない大胆さ。カオスを超えて終末が近づいている。
突撃レポート(ピラフ編)
32. マカライスペスカド(登頂難易度:★★)
マカライスペスカド。名前の意味が分からんしどこで区切ればいいのかもわからん。そしてどんなメニューなのかもわからない。
でも、メニュー内のピラフのブロックにあったし、メニュー名に"ライス"って付いているから、ピラフであろうことは予想できた。
なるほど、理解できた。マカライスとは、マカロニご飯か。ピラフの具としてマカロニがモリモリ混じっている。他の具はレタス・ベーコン・ツナ・ネギかな?
ペスカドってスペイン語で魚と言う意味らしいから、ツナをアピールしたかったのかもしれないな。
味付けはほんのり塩味。最初はちょっと薄味かなって思ったが、この量を食べるのであればこのくらいがちょうどいいか。あまり濃いと途中でウンザリするかもしれないからね。普通に食べられる安心メニューだった。
ちなみに今日はコスプレ集団が20人くらいいて、店内は異様な光景だった。かたや別の一角では70歳代くらいのじいちゃんばあちゃんで盛り上がっている。客層広いな、懐広いな、マウンテン。
33. アザラシまんま(登頂難易度:★★★★)
平日の夜だったんだけど、まさかの激混みの駐車場。なんか集会やっるようだった。
今回は気になるアザラシまんまだ。店員さんにどういうものなのか聞いてみると、「サーディンのピラフです。」とのこと。なるほど、イワシか。とりあえず頼んでみる。
例によって山盛りマウンテンピラフだ。お茶碗4杯分くらいあります。この写真ではわかりづらいが、茶色と青を混ぜたような奇妙な色彩のピラフ。
具はイワシを砕いたもの・タマネギ・ニンニクみたい。味付けは普通に塩味。キワモノの多いマウンテンの中では良心的な方かな?
しかしイワシとピラフって合うのか?イワシはなんだかパサパサしているので、あまりピラフと馴染んでいないような気がするぞ…??
正直食べ疲れた。飽きた。ものすごい量なんだもん。久々にやられた。でも登頂。
34. ランチェロピラフ(登頂難易度:★★★★★)
ネーミングからは何も想像できなかったけど、とりあえず頼んでみた。
マッシュルームやオニオンの入ったケチャップライスがベース。これにレトルト感の漂うのハンバーグが乗り、デミグラスソースが掛けられている。さらにオムレツ。これの具は刻んだニンジンやグリーンピース。
そして傍らにはスイートコーンが盛られている。
…ん?ミックスベジタブルをオムレツ用と付け合せようにわざわざ分離させたのか??
味は普通。そんなビックリするような具材も使っていないから、妥当なんじゃないかと思う。むしろマウンテンとしてはおいしい部類に属すると思う。
でも、ボリュームすごかった。ただでさえ僕のキャパだとスタンダードなピラフでギリギリなのに、それにオムレツやハンバーグといったボリューミーなパーツが追加されているんだもん。
9合目くらいで「もう残しちゃおっか」って思ったけど、ギリギリ登頂できた。かなり時間をかけちゃった。
35. ピカンテピラフ(登頂難易度:★★★★)
正式なメニュー名は"ピカンテピラフ(激辛)"。つまりは激辛系だ。
前編でリポートした"赤いワンピース"が登場するまでは激辛最強の座に君臨していたメニューで、数えきれないほどの猛者を遭難させてきたそうだ。
つまり現在では激辛No2のメニュー。よーし、いったろうじゃないか。
写真に撮ると、見た目は普通なのよね。むしろ美味しそうなのよね。
実際は、目の前にメニューが置かれたと同時にタバスコの刺激臭が鼻を襲った。これはなかなかの高山…!
正体は激辛のピカンテソースで作ったピラフ。まんべんなく全てにソースが浸食しているので、逃げ道はゼロ。目玉焼きの上にもかかっている。
食べられない辛さではない。1口食べて「これはイケるな」って思いましたもん。辛いけど、充分食べれる。しかし5合目くらいで「あれ?」ってなった。
辛さは蓄積される。額に汗がにじんでくる。水が異様に進む。だけどもご飯の量がなかなか減らない。茶碗3杯分はあるであろう、かなりの大盛りだからな…。
しかしなんとか登頂。胃の中がポッポして蒸気機関車みたいな気分だぜ。
36. ヤングハラペーニョピラフ(登頂難易度:★)
天気の悪い平日だからか、今まででトップクラスに空いていた。週末の土日であれば外まで行列で1時間待ちとかザラだけれど、今日の店内はガラガラ。いつもは殺伐としている店員さんも今日は親切。
ヤングハラペーニョピラフは辛い系だ。
これうまい。ピリッと辛くて牛肉が入っていて、なんだろうこの味付けは。ガーリックライスみたいな感覚で食べられる。量はアホみたいに多いけど。
マウンテンのメニューの中では初めての、「ヤバい・食べられる・普通」ではない、「おいしい」と純粋に感じたメニューかもしれぬ。なんという貴重な経験をしたものだ。
37. チャーハン風ショートパスタ(登頂難易度:★★)
チャーハンなのかパスタなのかよくわからないネーミング。
結論、大体チャーハン。1割くらいの割合で、いろんな形のパスタが混じっている。大体3種類ほどのパスタ。そして意図したのか間違って混入したのか理解に悩む程度に、2本ほど普通のスパゲッティタイプのパスタもニョロンと混じっていた。
あとは昔ながらの普通のチャーハン。ネギにハムに紅ショウガ。
そういや店員さんも厨房にオーダーを通すときに「チャーハン」って言っていたしな。わかってるじゃないか。
味は塩味。やや薄味なので、この大盛りだと途中で少し飽きが来る。パスタももともと味があるわけじゃないから、チャーハンと同じ味。ただ歯ごたえが若干違うくらいしか意味がないので、入っていてもいなくてもそんなに影響はない。ましてやショーットパスタ3種類の違いなんてわからん。
結論、無難な一品。ボリュームさえ大丈夫であれば誰でも難なく登頂できるでしょう。
グループで登山する際にはチャレンジングな甘口系の山と一緒に安全パイとしてストックできる山。値段も安い。
38. テリポジョピラフ(登頂難易度:★★★★)
何もわからずオーダーした。わけわからん。ピラフしかわからん。あとカテゴリ的には"辛口"の中に属していたので、辛いことは想像できた。
ひとくち食べて「まぁ食べられる」タイプのメニューであることに安堵感を覚えた。
ライスは多めのコショウで炒めてある。辛口ってほどではないが。その上にレタス。さらにその上には醤油ベースの甘口のあんかけ。具は鶏肉がメイン。
テリポジョの"テリ"って、もしかしてテリヤキをイメージしているのだろうか?じゃあ"ポジョ"ってなんだろな。日常であまり使わない謎ワードだな。
ボリュームは例によって非常に多く、とても苦しい。なんとか根性で完食。あんかけがアツアツで口の中をヤケドしたけど、登頂成功!
39. 黒いチャーハン(登頂難易度:★★)
1000円という、マウンテンにしては高額なメニュー。
その1個下に"イカスミピラフ"という、同じものを連想しそうなメニューがあるんだけどどう違うのだろう。同じく1000円だし。ひとまずナゾが深い方から頼んでみよう。
ビジュアルは予想通りね。紅ショウガの赤が際立つ。
一口食べて「あ、おいしいかも」って思った。これは貴重なメニュー。よくわかんないけど、たぶんイカスミ。マウンテンではイカスミを使ったメニューは大体1000円に統一してあるし。
このお店はご飯ものは大体ピラフっていうネーミングなんだけど、これだけチャーハンなのが謎。本当にチャーハンなのか、それともピラフだけどもチャーハンと呼んでいるのか。それともその他多くのメニューがチャーハンにかかわらずピラフと呼ばれているのか。
見ても食べてもチャーハンとピラフの区別がつかない僕も大概だけどな…。
40. 大人のお子様ランチ(登頂難易度:★★)
はい、顔。このユーモラスな見た目がこのネーミングの由来であろう。
ベースはピラフ。これは塩コショウのシンプルな味付けで、危険性は無し。むしろおいしい。上に乗っているのはハンバーグ・ミートボール・ソーセージ・トマト。これらで顔が描かれている。味もあなたの想像とほぼ一緒だよ。
ちなみに食器はスプーンのみなので、長いソーセージが食べづらい。
味は無難だけども見た目とネーミングから結構オーダーする人が多い一品ですな。お店が忙しい時間だと顔がちょっと崩れたりするので面白いよ。
41. チキテリピラフ(登頂難易度:★)
3連休。日中は混むと思って朝の9時台にはもう登山口に着いていた。
この時間帯だと店内はあまり混んでいなくって、奇抜なメニューを頼んでギャーギャー言っているグループもいない。昔からの常連さんみたいなおじさんやおじいさんがコーヒーのモーニングセットを食べていて、穏やかな音楽が流れている。
まぁでもその横で1人"甘口小倉抹茶スパ"みたいな超難関の山に単独でヒッソリ登っている若人がいたりするんだけどね。これがマウンテン。我らの山。
さて、チキテリピラフはジャンル的には和風に属するらしい。どうやらチキンのテリヤキみたいだ。
一見するとシンプルなデザインだけど、中央のきざみ海苔の下にチキンと甘い醤油味のあんかけが隠れている。その味付けは、"和風ハンバーグ丼"や"テリポジョピラフ"と大体同じに感じた。その他の具は、ベジタブルミックス・オニオン・マッシュルーム・福神漬け。マウンテンの中では登頂しやすい山だと思うよ。
42. 豚きのこみそピラフ(登頂難易度:★★★★★)
具は豚肉・タマネギ・しめじにまいたけって感じだろう。思ったほど味噌はくどくなく、名古屋の各種料理で使われているような強い甘さもなく、食欲をそそる味付け。味的にはアタリの部類だと感じた。
だけどもこのお店全般、ボリュームがハンパない上に油多め。ピラフそのものも油が多いし、豚肉もそれを凌駕するオイリー感で、これはかなりキツい。油まみれで悶絶しつつ、ギリギリで登頂できた。
マジに危ないところだった、遭難一歩手前だった。
43. 天狗猿ピラフ(登頂難易度:★)
これアタリだ!!
ネーミングからして天狗か猿かどっちかは入っているだろうと思って恐怖していたが、どちらも入っていない!(じゃあ名前の由来は何!?)
カレーピラフにカレーソースとチーズと生玉子が乗っているヤツ。これ相性最強すぎるだろ。もちろんうまい。
そしてなぜかこのメニューだけドリンク付きなのだ。それが奥に写っているものだ。何のドリンクかは店員さんに聞いてなかったので後悔している。でもサイダー系。どうやら時と場合によっていろんな種類があるそうだね。これも普通にうまかったぜ。
突撃レポート(ぞうすい編)
44. シーフードぞうすい(登頂難易度:★★★)
お盆だから全国からゾンビのように集まっている。昼前に来ても、10数人が並んでいた。まぁ僕もだけどな。ただし僕はおひとり様なので数分の待ち時間で店内に通してもらうことができた。
店内は大人数のグループが多い。"鍋スパ"・"あつげしょう"といったウルトラヘビー級メニューへの挑戦者も多いね。夏休み、みんなエンジョイしているじゃないか。
僕は頼んだのはシーフードぞうすいです。なぜならちょっと風邪気味だからだ。風邪ならぞうすい、これ日本の常識。
しかしボリュームハンパない。病人の食べる量じゃない。ラーメンどんぶりすりきれ分くらいはあるんじゃないかな。
具はイカ・アサリ・サーモン・小エビ・きのこ・はくさい・ネギ・ニンジンなど。そこに生玉子が乗っかっている。あと、ズッキーニ。ズッキーニなのか。
でも普通にうまい。無難。ただ量が多くてそこそこ苦しんだ。取り皿で5杯分あった。そしてメチャ熱いし。いつものメニューの倍くらいの時間をかけ、今回も単独登頂成功!
45. イカスミぞうすい(登頂難易度:★★★★)
700~800円のメニューが多いマウンテンにおいて、1000円もする超高額メニュー。
火からおろしたばかりなのか、すんごいグツグツ。そして当然だけども全てが漆黒。ダークマター。地獄だ、これは小地獄だわ。別府の「地獄巡り」って8つの地獄を見て回るんだけど、あれの横にこれをおいて「地獄が9つになりました」って言ってもバレなさそうな予感。
あるいは黒魔術。魔女がグツグツ煮込んでいるヤツ。
でもイカスミだからマイルドな塩味。
具はなんだろう?全てが黒いので、食べてみるまで分からない。そして口に入れて衝撃。これ…、トマトだ。なんで雑炊にトマト入れるの??僕、トマト苦手なんだよね。特にこれ、すごい酸味が強くて食べにくいったらないわ。泣きそう。だけども飲み込む。
その他の具は、イカのぶつ切り。そしてナス??あまりマッチしていない気が…。
半分飲み込むようなかたちで食べ、そのせいで若干火傷をしつつも登頂成功。ボリュームは普通のお店の雑炊の倍はあるが、なんとか食べきることができた。
46. バジルぞうすい(登頂難易度:★★★)
具は文字通りバジルと、マッシュルーム・輪切りのイカ・トマト・ハム・鷹の爪・ガーリックのようだ。イタリアンテイストなオリーブオイル風味の味付けで、マウンテンにしてはかなり上品な部類の味付けのような気がする。
ぞうすいではなくてリゾットのような気もするけど。
しかし苦戦したのはトマト。僕ってトマト苦手ですもん。だけども大雑把に4等分くらいしただけのトマトがゴロンゴロンと入っている。頑張って口に入れるも、熱せられて風味が口の中に広がる広がる。でもギリギリ食べられた。
あと、イカの輪切りがメチャホットで、口の中を火傷した。
47. カレーぞうすい(登頂難易度:★★)
他のぞうすいメニューの例に違わない、すんごいボリューム。グツグツボコボコいいながら登場した。
味は普通にうまい。カレーだもんな、みんな好きだもんな。ただし辛口のカレーでアツアツなので、辛いのが苦手な人にはシンドいでしょうけども。
ボリュームは他のぞうすいと同じように多いものの、あまり苦戦しなかった。ほら、あなたもカレーだったらいつもよりご飯いっぱい食べちゃうでしょ?
48. 山菜ぞうすい(登頂難易度:★★)
このときは、4人でのパーティー登山だったのだ。そしてこのメニューは4人で分けた。
量は僕ら4人がお椀くらいの大きさの器に取り分けてちょうどなくなるくらいだった。だからぞうすい系ってさ、1人で食べたら相当な量なのだよ。今さらだけど。
中身は山菜に餅4つ、そして玉子。…餅。山菜ぞうすいに出会えるとは予想していなかったぜ。味付けは優しい醤油風味。これはおいしい。
シェアしたからこそ余裕だが、1人で食べると餅が相当にキツかっただろうな。そんな想像もしつつも、体験していないのでこの難易度とした。
49. 和風ぞうすい(登頂難易度:★★★★)
ネーミングはいたって普通。むしろ「ぞうすいって和風以外もあるの?」って感じ。
季節は冬。外は飛び切り寒いからぞうすいで温まりたい。
テーブルに置かれると同時に高菜のにおいが漂ってきた。あ、和風って高菜のこと?メニューには高菜スパや高菜ピラフがあるのに、ぞうすいのときだけ"高菜ぞうすい"ではなくって"和風ぞうすい"なの?
具は、生卵に高菜にたくあん…。以上。
これまたなかなか挑戦的な具材ですな。漬物をぞうすいに入れちゃいましたか。いや、合わないことは無いけど…、大量の高菜とたくあんでぞうすいがすごいことになっている。しょっぱい。
ボリュームがすごいから満腹にはなったんだけど、具材のせいか心はあまり満たされないまま、ギリギリなんとか登頂成功。ご飯と漬物だけで死ぬほどお腹いっぱいなんだもん、なんか釈然としないのだ…。
50. あんこうぞうすい(登頂難易度:★★★)
煮えたぎった状態の写真を撮ってみた。すごいでしょ、このシズル感。
喫茶店であんこうを食べられるだなんて。今シーズン初のあんこうが喫茶マウンテンだなんて。
でもうまいぞ。赤味噌ベースだが、あんこうの淡泊な身がマッチしている。思いのほかあんこうがゴロゴロ入っているのもうれしい。
ボリュームはかなりのもので腹パンだが、大満足の一品だ。いい意味での疲労。
朝一で店内がガラガラだったのでオーナーさんと話すことができた。僕の乗ってきた車が日産パオであることに気付いていたみたいで、「珍しい車に乗っているねぇ」と嬉しそうに話しかけてくれた。
そうなんです、僕はあの車で日本6周目を走っており、これが最後の海岸線を巡る旅なのです。また日本7周目で来れることを楽しみにしているのです。
突撃レポート(どんぶり編)
50. 和風ハンバーグ丼(登頂難易度:★★★★★)
味はそこそこいける。レトルトっぽい食感だけどハンバーグも普通だし。和風の要素は海苔と紅ショウガ。そしてハンバーグにかかっている醤油ベースのタレなのだね。
このタレは砂糖もふんだんに使っているらしく、結構甘い。僕的には砂糖は無い方がおいしいと思った。
コイツはボリュームが凶悪。大き目の丼にギッシリとご飯が詰まっているのだ。僕はあまりの量の多さに「もう遭難しちゃってもいいかな…?」って一瞬弱気になったけど、最後の力を振り絞って登頂した。お腹パツパツ。
51. カルネ(牛丼)(登頂難易度:★★★★★)【遭難】
正式な名称は"カルネ「牛丼」(卵入り)"。ちなみに卵無しは存在しない。
見た目は普通の牛丼。ボリュームは他の丼メニューと同様にハンパない。たぶん一般的な牛丼チェーン店の特盛よりも多いくらいだろう。茶碗3~4杯分はあると見た。
特徴としては牛肉の味付けが醤油ベースではなくて味噌ベースであるということ。この辺はさすが味噌文化の名古屋。甘めの赤味噌は悪くはないが、この量があると途中から少しくどく感じてしまうかもしれない。
9合目くらいで惜しくも遭難した。死ぬほど頑張れば登頂できたかもしれないけど、後々の体調面を考慮すると、これは勇気ある撤退と呼んでいもよいだろう。これで550円はなかなかお得。
52. 焼肉丼(登頂難易度:★★★★★)
はい、ドーンときた。尋常じゃなくマッシブな丼。相変わらず丼系は難関峰ぞろいだ。だけどもおいしそう。マウンテンのクセにおいしそうだ。
ご飯の上にはレタス、そして豚肉。豚肉はタマネギと一緒に甘辛の醤油ベースのタレで炒められているっぽい。そして紅ショウガと、ほとんど気付かないレベルだけども青ネギ。
そして思いのほか、つゆだく。これが結構キケン。
焼肉でいうところの"つゆ"って、それほとんど炒めたときの油では…?それがたっぷりとご飯に浸透している。これキッツい。量が多いのにオイリー。おいしいけどもヘビーだし健康にも悪いし。なんとかギリギリ登頂成功。
突撃レポート(その他のフード編)
53. スパイス合衆国(登頂難易度:★)
駐車場に大学生らしき集団が30人くらい溢れている。ちょっと嫌な予感がしつつも店内に入ってみた。
するとなかなかにギュウギュウ。大量の学生がワイワイキャッキャとはしゃいでいる。さらにこのあと駐車場にいた30人ほどの学生が店内に入る予定とのことだ。僕はそんな祭り会場みたいな店内の賑やかゾーンに1人案内されました。
喫茶マウンテンは落ち着いている常連や1人客ゾーンと、多人数で盛り上がっちゃうゾーンとの2つに分かれている。前者の方は空きがなかったので、僕は後者に案内されたのだ。
そんな中でオーダーしたのはスパイス合衆国。
うむ、うまい。そこまで辛くは無い。食べやすい。辛さは赤いワンピースを100、そしてピカンテピラフを60とすると、スパイス合衆国は25くらいで余裕っす。
コイツはひとことでいうとカレー雑炊。それに生卵がトッピングされている。
そのうち駐車場の30人の学生が入ってきて、もう打ち上げ飲み会みたいなドカンドカンの大騒ぎ状態になった。甘口系パスタとか次々に頼んでいて、もう店員もあからさまに不機嫌状態。その頃には僕は食べ終わったのでさっさと撤収だ。今日のお店の雰囲気はハズレ。メニューはアタリ。
54. マエストロ(登頂難易度:★★★★★)【遭難】
ビジュアルがなかなかクレイジーなので、運ばれてきたときの周囲のお客からの注目が痛かったよ。
激辛ホットケーキ?激辛ハンバーガー?頭上に赤唐辛子が6・7本ブッ刺さっているという、誠にファンキーないでたちだ。それと、なぜかパセリもアホ毛みたいに刺さっている。コイツをフォークとナイフで食べるのだ。
バンズはホットケーキ。そしてブ厚いミートパティとチーズが挟まれている。その間とホットケーキの上にはたっぷりと激辛ソース。
コイツは辛いぜ!そしてこの激辛ソース、あんまり好みでもねぇぜ!
さらにハンバーグとホットケーキってあんまり食べ合わせがよろしくない。結果、あまりテンションも上がらない。
結構キツい登山だったが本体部分はあまり苦労せずに少し汗をかいた程度で登頂。だけども刺さっていた赤唐辛子は無理だ。このまま食べるのは危険すぎる。申し訳ないけど残す。
そういう意味では【遭難】だな…。赤唐辛子まで食べるかどうかで難易度が大きく変わる。
55. 玉子サンド(登頂難易度:★)
閉店直前に駆け込んだ。もう入店時点でお店はガラガラだ。作るのがあまり面倒ではなく、そしてこちら側もスピーディに食べられるメニューってなんだろう…。
ここでサンドイッチだ。喫茶店なのでトーストやサンドイッチのメニューも豊富なのだが、僕の2024年現在の登山の中では唯一のパン系メニューだ。
若干ボリュームは多いものの、極めて普通なビジュアルである。結論、マウンテンらしさはない。老若男女だれでも安心して食べられる。
薄焼き玉子とキュウリのサンドイッチ、うまいぞ。
突撃レポート(ドリンク編)
56. アイスコーヒー(登頂難易度:★)
モーニングの時間帯だったので、名古屋らしくパンとゆで卵がサービスされた!たぶん11時までがモーニング。
名古屋のモーニングのパンはトーストであることが多いけど、ここは珍しく丸いパン。ほんのり塩味が効いていておいしいじゃないか!でもこれを知らずに通常フードメニューを頼むと間違いなく胃袋崩壊だな。
アイスコーヒーはみんなの知っている味だ。普通。
57. アイスティー(登頂難易度:★)
前項に同じく!以上ッ!
ところで名古屋の老舗の喫茶店や食事処では、コーヒーや紅茶が加糖か無糖か選べる場合が多い。ここもそう。実はアイスコーヒーもアイスティーも、メニューには加糖・無糖と2つ項目を使って書かれている。
たぶんだけど他の地域だと、ガムシロップとクリームが別途ついてくる感じじゃないですか。でも、名古屋ではそうではない。加糖を選ぶと、もう自動的にガムシロップが中に入れられている。自分で量の調整はできない。それもまたユニーク。
58. 妹のラムネ(登頂難易度:★)
なんだかオーダーするのにドキドキする名前。おい、いったい誰の妹なんだよ…。
ケミカルな色合いのサイダーが出てきた。モーニングの時間帯以外のドリンクには、クッキーとチーズケーキが自動的についてくる。名古屋文化。
味もなかなかケミカル。昔の駄菓子屋にあった粉末のラムネ、あるいはラムネ菓子をそのまま水に溶かしたとか、そんな雰囲気。
ジャンクな味だ。ジャンクな妹だ。("味"と"妹"って、右側一緒だね)
59. 青のコーラ(登頂難易度:★)
青い。世界遺産にもなっている白神山地のふもとに「十二湖」っていうのがあって、その中のハイライトの「青池」がちょうどこんな感じの色だね。
エバー・ブルーな液体を恐々飲んでみる。味はコーラでもなければサイダーでもない。いや、ベースはやはりコーラかな?コーラに、駄菓子屋で売っているチープさを極めに極めたジュース風のドリンクを混ぜたような感じだ。
まずくはない。でもおいしくもない。オトナが喜んで飲むような味でもない。かといって子供も喜びそうにはないか。
60. 名古屋コーラ(登頂難易度:★)
黄色と言ったらいいのか、緑と言ったらいいのか。そういうテンションの上がり切らない不思議な色のコーラ。
マウンテンのこれ系の炭酸飲料は何1つ違いがわからない。名古屋コーラも青のコーラも妹のラムネも、僕の味覚ではみんな一緒。色しか違いがわからない。
あと、どこが"名古屋"なのかもわからないけど、ノリでネーミングしている可能性が大だと思うので、あまり深く考えずに飲み干した。
61. アイスウィンナーコーヒー(登頂難易度:★)
とても常識的。
喫茶マウンテンのことだから、ホイップクリーム乗せすぎて、そのこぼれたホイップに埋もれてグラスが見えないくらいだったりだとか、あるいはウインナーを突っ込んじゃっているだとかも想像していたんだけど、いい意味で期待が裏切られた。
ただし中ジョッキ。そこそこ量はある。ガブガブ飲めて夏は嬉しいね。
62. アイスココア(登頂難易度:★★)
ココアもジョッキで来たよ。実はフードメニュー攻略後で、既に胃がはちきれんばかりなのにこれ。ココアだから味も濃厚だし。そして山頂部は冠雪。ホイップたっぷり。
さらには例によってクッキーとケーキもデフォルトセットなのだ。これは苦しい。単品でもかなりお腹にたまる一品であろうな。
63. ソフトコーヒー(登頂難易度:★)
ソフトコーヒーって何?僕の教養が不足しているのかと思ってWeb検索したけど、どうにもこういう名前の飲み物は正式には内容だ。
でもたぶんこのお店にある"ストロングコーヒー"の逆なんだろうな。"ストロング"のほうは、以前ここに一緒に来た旅友"が飲んで「濃い。苦い苦い。」と言っていた。
これは薄めのタイプなのだろう。…と思ったらメニューに"アメリカンコーヒー"があった。じゃあソフトとアメリカンの違いって何なんだよ!
飲んだ。わかんねぇ!でも濃くはない。薄めな気はする。
64. ウィンナーコーヒー(登頂難易度:★)
おぅおぅ、オシャレなカップに入ってきて、まるで喫茶店みたいじゃないか。あ、喫茶店だったね、失礼。
マイルドでおいしいコーヒーだ。このお店のコーヒーはグアテマラのものを使っているらしい。僕も好みだ。たまにはゆっくりと、普通の喫茶店ですごすようにコーヒーを味わう夜も良かろう。歴戦の戦士の束の間の休息ってわけだ。
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いかがだっただろうか。
これをもってしても、まだあなたが修羅の道を歩むというのであれば、止めはしない。
せめて無事に山頂に立てることを願うばかりだ。その山頂からの眺めが良いものであることを、僕も祈ろう。
以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。
住所・スポット情報