週末大冒険

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ちょっと出かけてみないか。忘れかけていた、ワクワクを探しに。

No.378【大阪府】あれはラスボスのダンジョン!?現実離れした「PLタワー」に驚愕した!

富田林市の町中に、「ユニーク」という言葉では片づけきれないようなビジュアルのタワーがそびえていた。

ハンドルを握る車中においても、目を背けたくても注視せざるを得ないような吸引力があった。心が、ザワついた。

 

 

あの塔の名称は「大平和祈念塔」。「PLの塔」とか「PLタワー」という呼称もある。

このブログでは正式名称の大平和祈念塔ではなく、やや馴染みがあると感じているPLタワーという通称を使わせていただきたい。

 

それでは、日本6周目のクライマックスであの塔の足元まで行ったエピソードをご紹介しよう。

 

 

目に飛び込んできた違和感を求めて

 

あれは分割での日本6周目における、本土走行としては最後となる真冬の旅路であった。愛車の日産パオと共に、大阪の中心地を出発して和歌山県方面にやや内陸部を走っていた。

 

レトロカーで走った日本6周目のクライマックス

そこで、あのPLタワーが目に飛び込んできたのだ。

いや、正確に言えば以前からPLタワーの存在は知っていたし、「そろそろ見えてくる頃合いかな?」って思っていた。

だけども実際に目にするとビックリしたよ。あらかじめ心の準備ができていた僕ですらこうなったのだから、全く知らない人が見たら現実のものとは認識できずに目を疑うと思う。

 

彼方のPLタワー1

住宅地を見下ろすように建っている巨大タワー。

これ、こう言ったらすごく失礼にあたってしまうのかもしれないが、「東京スカイツリー」だとか「東京タワー」のように「すごいね、綺麗だね」っていう感覚ではなく、「うわぁ…、なんだあれ…」っていう異様さをまずは感じてしまうデザインだと思った。

つまるところ、ちょっと不気味だと感じてしまったのだ。

 

近くまで行ってみたい。願わくば登ってみたい。

これまでの日本中を走り回る旅路において大阪湾沿いは幾度となく走っているが、実はやや内陸部のPLタワー周辺は初めて訪れるのだ。もっと早く出会うべきだった。

 

彼方のPLタワー2

国道170号を南下中にPLタワーを見つけた僕は、吸引されるようにタワー方面にハンドルを切った。上の地図の通り、その先の富美ヶ丘町の住宅地に入ったのだ。

しかし、これは結果として間違いであった。

 

ご覧の通り住宅地は袋小路でPLタワーはおろかどこにも通じていない。せめてどこかから住宅地越しPLタワーを撮影できないかなって思ったけど、いい感じの駐車場もない。

わずかな時間とはいえ路駐してタワーを撮影するのは住民の方にとって喜ばしい状況ではないだろうと思い、国道へと引き返した。

では、どこからならば近づけるのか…。

僕はそのままPLタワーの周辺を時計周りに走ってみることとした。

 

彼方のPLタワー3

西側の「富田林病院」に行きついた。

地図を見ると南側から直接敷地にアプローチできるように見えるかもしれないが、記載の道は陸橋で敷地を飛び越える感じであり、少なくとも車ではアプローチできなかったのだ。

 

しかし行きついた西側の富田林病院からも入れるルートは無さそうだ。なんだか職員用の駐車場みたいなところまで行ってしまい、オロオロした。

 

彼方のPLタワー4

その駐車場からはタワーの先端部分が見えていた。

むぅ…。病室の窓からあのタワーを眺める人って、どんな気持ちなのだろう…。斬新すぎて気持ちがついていかなさそうだ。

 

彼方のPLタワー5

少しだけ位置を変えると、ほぼ全容が見えた。

タワーの高さは180mあるらしい。それだけでもとんでもない高さだが、僕的にはもっと高いように感じた。存在感・威圧感がハンパねぇ…。

 

彼方のPLタワー6

だが、どうやったらあのタワーの足元まで行けるかわからんのだ。

グルグル走っていても到達できないということは、あれはやはり幻なのではなかろうか?それともこの旅路自体、僕の見ている夢なのではなかろか?

ご近所の方にとっては「こいつ何やってんだ?」くらいにウロウロしているのだろうが、実際このときの僕がこう思っていたんだからしょうがないよね。

 

彼方のPLタワー7

最終的に判明した正解は、上の図の通りであった。北側からアプローチすべきだったのだ。15分もかけてタワーを4分の3周くらいしちゃったや。

 

 

いざ、PLタワーの足元へ…!

 

北側から入れる道を見つけた。

だけどもPLタワーは宗教施設だと聞いている。一般人も入っていいの?ぶっちゃけ、それすらも調べずにここまで来てしまっているのだ。…というより、通りすがりなのだからしょうがないのだが。

 

タワーの足元へ1

敷地外から覗きこんだゲート部分には、9:00~16:30まで入れそうなことを書いてあったので安心した。『水曜日及び教団行事の閉塔いたします』ということは、それら以外の上記時刻であれば一般人も入っていいのだろう。

 

タワーの足元へ2

正面にPLタワー。広い敷地内を、ゆっくりとタワーに向かって車を進める。周囲は静寂で、車も人も全く見えない。広大な敷地だけが広がっていた。

いろんな意味で心拍数が上がってきた。

 

タワーの足元へ3

車で来れるのはここまでだ。そのあとは徒歩でタワーまで行く。そのギリギリのところで、愛車の日産パオとタワーとのコラボ撮影をしておいた。


駐車場もすんごい広かったのだが、僕以外に車は1台もいなかった。

あれ、観光客他にいないの?信者の方もいないの?こういうところでひとりぼっちって、なんだか不安だ。

 

タワーの足元へ4

実はこの後、和歌山県の某所でランチの約束があるので、もうここでそんなには時間をかけられないぞ。急いで見学できる部分を見学せねばな…。

そう思ってタワーの足元に急ぐ。今後の予定のことに関する焦りと、1人っきりの不安な気持ちがあって、ここの敷地内の写真はあまり撮っていなかったことが反省点だ。

ひたすらタワーばかり見上げており、タワーの写真ばっかの記事になってしまうぞ。

 

綺麗に整備されているが、何かすごい見どころがあるわけではない敷地を歩き、ついにタワーの足元の大階段までやってきた。

 

タワーの足元へ5

圧倒される…!

実はこの塔、今から50年以上も前の1970年にできたそうなのだ。同じく大阪府内で1970年に完成した夢い建造物と言えば、大阪万博の「太陽の塔」がある。

ぶっとんでるな、1970年の大阪は。万博で高揚していたのかな?そういうテンション、嫌いじゃないぜ。

 

ファンタジーと現実が融合したようなデザイン。「これはRPGのラスボスのいるダンジョンですかな?」って思ってしまう。ラスボス攻略に向けて装備は整えたか?心の準備はできているか?よしっ、僕はどっちもできてねーぜ!

 

タワーの足元へ6

塔の中層部分をズームしてみた。巨大建造物恐怖症・高所恐怖症の人は泡吹いて倒れそうな感じのテイストだな。

あんな高い所に引き違い窓だ。ってことは、窓は開くのだろう。ややオーバーハングしているようなあの窓から下界を見下ろす気分はいかがだろうか…。

 

タワーの足元へ7

どういう設計をして、どういう工事をすればこのようなタワーができるのか。

いや、まぁ現代の技術をもってすればたいていのことはできてしまうのだろうが、それがこうして現実になっていうことに奇妙な感覚を覚える。

 

 

このタワーは何のためにできたのか

 

ところで、タワー足元の大階段まで登った僕ではあるが、タワーの内部までは入らなかった。理由はいくつかある。

 

  • 足元のフロアまでしか入れないから。(かつては上部まで行けたが、今はモニュメントとして扱っているので展望目的ではない)
  • そもそも観光施設ではなく参拝のためのものだから、観光気分の僕が入るのはいかがなものかと自問自答したから。
  • 内部フロアには宗教団体のスタッフさんがいて案内してくれるそうだが、正直ちょっと物おじしたから。

 

大階段の上から

なので、旅人としての僕がフラッと足を踏み入れるのはここまでだ。

大階段の上から、歩いてきた駐車場方面を振り返って撮影した。しっかし寒いな。粉雪が少しチラつき、寒さで写真もブレた。

 

では、ここからは「PLタワーってなんだろう…?」ってところに少し触れてみたい。

 

PLタワーとは1

"PL"とは、パーフェクトリバティー教団の略である。1916年に結成された宗教であり、100年以上の歴史があるのだ。

高校野球に興味がある人は、強豪校の「PL学園」は馴染みが深いよね。もっともそのPL学園、2016年から休部が続いているので気になるところだけど…。

 

そんなパーフェクトリバティー教団の2代目教祖が1970年に建てたのがこの塔である。

冒頭では名称は大平和祈念塔であると述べたが、実はそれは略称。正式名称は「万国戦争犠牲者慰霊平和祈念塔」だ。

つまりは、世界の恒久平和を願い、そして戦争犠牲者を慰霊するために建てられたのだそうだ。

 

PLタワーとは2

この塔は2階までなら登れる。スタッフさんが丁寧に説明してくれ、2階部分にある世界の戦争犠牲者の御霊に対し、信者のみならず誰でも祈りを捧げることができるそうだよ。

説明版にも『ぜひ宗旨、宗派を超えて、二階神殿で「世界平和」をお祈りいただきたいと思います。』と書いてある。宗教勧誘などされることもなく、普通に見学や参拝ができるのだと、Webを調べると訪問記録もパラパラ出てくる。

 

PLタワーとは3

「人生は芸術である」っていう信念のもと、教祖がデザインしたPLタワー。

確かに芸術性バツグンである。だからこそ、万人受けするとは思いにくいデザインかもしれんけど。

昭和時代に乱立されて管理・景観・撤去に頭を悩ます巨大観音と同じような道を進まないように願いたい。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

思い出されるのは、以前僕が書いた淡路島の「世界平和大観音像」。あれも正解平和を祈っていたな。

既に解体済みではあるが、なかなかに芳ばしい物件であった。あれとこれとを一緒にすると信者の人に怒られるかもしれないが、どんな建造物も多かれ少なかれ孕んでいる問題だと思うんだよね。

 

PLタワーとは4

観光目的でワーキャーしながら行くべきではないスポットだけども、僕がなんとなく足を踏み入れたPLタワー。

いつか間近で見てみたいと思っていたので、今回その願望が叶ってよかったよ。

 

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車に乗り込んだ僕は、またPLタワーを時計周りに走り、国道170号へと思った。なんだかんだでPLタワー一周ドライブをしてしまった。

 

ベストショットを見つけた1

最初にタワーを見上げた富美ヶ丘町にはいるちょっと前の国道170号にて、信号待ちで車が止まったときに最後に見たPLタワー。

 

あぁ、このアングルって、僕が写真に収めたかった図に近いかもしれないぞって思った。

住宅地の向こうにそびえる、一種異様な巨大建造物。たぶん、左端に見えている歩道橋に登ればいい感じに撮影できる。

 

ベストショットを見つけた2

トリミングするとこんな感じだ。

うむ、なんだかんだとタワーの真理を書いてきたけど、この光景を見るとまた初心に戻って背中がゾクゾクしてしまう。

何をおいても、やっぱスゲー建造物だよ、これは…。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 大平和祈念塔
  • 住所: 大阪府富田林市廿山285-1
  • 料金: 無料
  • 駐車場: あり
  • 時間: 9:00~16:30(水曜定休)