週末大冒険

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ちょっと出かけてみないか。忘れかけていた、ワクワクを探しに。

No.375【岐阜県】インスタ映えの聖地「モネの池」!!澄んだ池を鯉が泳ぐ姿に癒された!

岐阜県の山間部に「モネの池」という通称を持つ名もなき池がある。

あの世界的に有名な画家である「モネ」が描いたスイレンの浮かぶ池の絵にそっくりな情景だからついた名だ。

2015年ごろにインスタを中心に大きくバズって全国的な知名度となり、多くの人が訪れる景勝地となった。

 

みなさん写真が上手だなぁ、チクショウ

遅ればせながら、僕も日本6周目の終盤でここを訪れている。ミーハーだと思われるかもしれないが、そもそも旅人はミーハーなものを追い求めるものだ。…というより、純粋に興味を持ったものを片っ端から追いかけるものだ。

 

さて、モネの池とはそんなスポットであったのだろうか。

ブームから数歩遅れ、さらに一歩引いた視点から訪問レポートを書いていきたい。

 

 

池はここにある

 

国道256号の長い長いトンネルを使い、「タラガ峠」の東側から西側へと抜けた。

すると東側では爽やかな晴天が広がっていたのに、西側に抜けた途端に少し空がくすんできた。

 

モネの池へ1

うーむ、これから訪れるモネの池は晴天の状態で見たかったんだけどなぁ…。少々残念な気持ち。あと、1月の山間部ということもあって相当に寒いぞ。車道の両脇には雪もあるし。

 

そもそもモネの池とはスイレンの葉がモネの絵画のようだと言われている。

スイレンの葉って、5月や6月くらいに出てくるもんだよね?7月くらいになると花も咲いて、モネの池の最も美しい時期と言われているそうだが、この1月では一体何に期待を抱けばいいのだろうか?

"スイレンの葉がモネの絵画のようだ"と言われているのにスイレンの葉が無かったら、それは"誰の池"なのだろうか…。

 

モネの池へ2

第一駐車場に到着した。駐車場は複数あるのだ。バズり散らかした効果で観光客が大挙して押し寄せるようになったからであろう。

ただ、真冬とあってか第一駐車場ですら割とスカスカであった。良い。

 

上の写真の通り、モネの池には正確には名前がない。モネの池というのはあくまで通称なのだ。じゃあ本来の名前は…というと、無い。

でもさ、近い将来モネの池ってのが正式名称になるかもしれないね。これだけ知名度が出てしまったんだから。

同じようなケースとしては、北海道の「白金の青い池」っていうのがある。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

まだそれが通称であった頃の訪問記事を上記にリンクしておいたので、興味ある人はあとで読んでみてほしい。結構楽しいと思うから。

 

モネの池へ3

道路の対岸から見た第一駐車場。僕の愛車の日産パオが一番右に停まっている。

モネの池へは、駐車場から国道256号を横断し、田園地帯(?)をしばらく歩いた先にあるのだそうだ。

 

モネの池へ4

暖かい季節の週末だったら、きっとこの田園地帯(?)はぞろぞろと人が歩いているのだろう。しかし今は僕以外に数人がいるだけだ。

繁忙時期は車道がすんごい渋滞するし、モネの池のベストポジションがギュウギュウでゆっくりと池を見るどころではない…と聞いている。そんな意味では今回オフシーズンではあるが、ゆっくりと周囲を観察できていいじゃないか。初回にうってつけだ。

 

ちなみに、右奥に見えている鳥居と白い大きな建物の間あたりが目的地の池だ。

 

モネの池へ5

「せき遺跡」についての説明版や、モネの池の由緒について記載されている説明版がある。ただ、これを読み解いていくのはもうちょっと後でにしよう。後述するので待っていてほしい。

 

モネの池へ6

「根道神社」の鳥居の前を通る。

モネの池はこの神社の参道脇にあるのだ。またさっきの池の名前に触れるけど、SNSでモネの池って呼ばれるようになる前は、普通に「根道神社の池」みたいに呼ばれていたそうだよ。

 

モネの池へ7

さっき見えていた白い大きな建物までやってきた。建物は観光案内所であり、そしてその前には小さな軽食のできるショップがある。

これらもモネの池効果でできたのであろうな。今日はちょいと寂しい感じだが、休日に盛り上がる姿が目に浮かぶ。

 

モネの池へ8

…で、問題のモネの池なのである。次章でご紹介していこう。

 

 

青く澄んだ泉

 

まずは、最も美しいとされるややズームした光景を中心に写真掲載していこう。全容はそれからだ。

 

澄み渡る泉1

はい、まずは一番目にするであろう、小さな橋が対岸に見えている構図だ。観光客は5人いるかいないかで、ガラッガラだ。奇跡。

そしてやっぱ水は綺麗なんだなぁ。青く澄み渡っている。

 

澄み渡る泉2

2つのカメラを使っているし、少しだけモードを切り替えながら撮影しているので、違和感があったらゴメン。

ホントのこと言うと、1つ前の写真よりもこの写真の方が肉眼で見る色に近い。青いのは事実であるが、やや赤みが混じっているような雰囲気だ。

冬だもんね、全体的に赤や茶色が多い状態に違和感はない。

 

澄み渡る泉3

スイレン的なものはあまり目につかず、こんな植物が多い。

水草には詳しくないんだけど、なんだろう、これ。落ち葉みたいな葉が水面をユラユラとしている。正直あんまり華やかさとかはなくって、ディストピア感が醸し出されているように感じたよ。

 

澄み渡る泉4

落ち葉みたいな葉が少ないエリアは、まだ少し明るい雰囲気。水に流れがないから、薄目で見たら普通に野原の茂みみたいだろ?この透明感がモネの池のモネたる所以だよなぁ。

 

澄み渡る泉5

お、これはスイレン?ねぇスイレン

丸いかわいい葉があるだけで、写真の雰囲気がキュートになる。初夏はスイレンの葉がたくさん浮かび、さらには花まで咲くというから、まさにメルヘンワールドなのだろう。次回があればそんな季節に来たいものだ。

 

澄み渡る泉6

加工無しの真冬でこの色彩よ。なかなかだよね。

そしてこの一角、他に比べてさらに水の動きがない。風もない日だったので、もうここに水が溜まっているとは思えないような写真となった。

 

本来ならばね、このスイレンの中を鯉がスイーッと泳いでいてさ、こんな池だからまるで鯉が空中を飛んでいるように見えるんだよね。

おぉ、そういえば鯉はどこだよ?モネの池といえば鯉とスイレンの2つがシンボルだろうに。

 

鯉を追跡1

鯉、見つけた。しかし黒いな。錦鯉がいるんじゃなかったっけ?

ただでさえ色彩が少なめな季節なのに、鯉までダークトーンと来たか。あの鯉たちには悪いが、もうちょっと綺麗な友達いないんすか??呼んできてもらえません?

 

鯉を追跡2

また黒い鯉。でもいないよりかはマシなのかな…って思い、ひたすらカメラで追跡する。遠いところを泳いでいるので、カメラに収めるのがなかなかに難しい。

 

鯉を追跡3

もうすっごい黒い鯉。現実ってこうなんだなぁ…。

あとから見返したら、なんかカメラロールが黒い鯉だらけになっていた。切ない。

 

鯉を追跡4

…って思ったら錦鯉がいた!

わずか1匹、しかも遠い上に深いところを泳いでいたので、強めのモザイクがかかったような写真になってしまった。でも確かにいた。

本来であれば背中にハート模様のある鯉なんかもいたりして…っていうメルヘンな情報もある。そこまで僕は夢見がちな人間じゃあないけど、もう少し色彩が欲しかったのは事実。

 

案内看板のお手本

これはさっき前を通りかかった際に撮影しておいた説明版の写真。

お手本はすごいね。水の色も鯉の色も際立っているよ。イマイチな僕の写真の身ではあなたの満足感を得られないだろうから、せめてもの罪滅ぼしにこの画像を掲載させていただいた。

 

いや、真冬だって綺麗なんだけどね。ピークの季節と比べると、どうしても見劣りしてしまうだろうって話さ。

 

 

この池の由来

 

では、最後の章ではこの池の正体について取り上げていこうか。

正直さらにガッカリさせてしまう要素もあるのかもしれないが、それをすべて知った上で観光した方がきっと面白いのも事実。

 

由来1

まずは、最初の章でも掲載したモネの池に到着したシーンである。前章ではズーム写真ばかりだったが、ここであえて全景を掲載する。

 

こんなかんじなのだ。思ったよりも細長く、そして区画が綺麗であろう。

知らない方は、日本庭園あるいは西洋庭園のように絵的に美しいビジュアルの池を期待したかもしれない。あるいは鬱蒼と茂る木立の中の神秘的な泉とかを想像していたかもしれない。

でも、実際はちょいと違うのだ。

 

由来2

モネの池の正体は、先ほどの根道神社の参道脇にある人工的な貯水池。貯水用に整備された水場なので、輪郭は四角くてまるでプールのような形状だ。

どうやら1980年ごろに造られたそうで、目的は灌漑用なのだそうだよ。そして当初は雑草の生い茂る、どこにでもあるようなワイルドな貯水池だったそうだ。

 

由来3

転機は1999年に訪れる。

近くのフラワーパークの経営者の人がこの池の雑草を除去し、代わりにスイレンなどを植えてみたのだそうだ。

さらに同時期、近所で鯉を飼えなくなった人がここに鯉を放したりした。

 

もともとこの貯水池は極めて透明度の高い湧き水であるため、きれいな水でスイレンも鯉も元気に育ち、今のような景観となったという。

 

由来4

だからね、俯瞰してみフィルターを外して眺めると、ここは貯水池なのだ。

そもそも観光客を集めようだなんて1ミリも考えていなかった、「貯水池をちょいと綺麗にしてみようか」くらいの地元のアイディアだったのだ。

 

綺麗な部分を綺麗にズームで撮影すればSNSでバズったような絵になる。だけども普通に散歩して見える景色は貯水池。

従い、「思ったほど綺麗ではなかった」・「綺麗なのは一部分だけ」・「インスタ映え狙いの誇大スポット」…というコメントも聞こえる。

 

由来5

まぁそれらもウソではないだろう。むしろ全部正解。でももう少し柔らかい見方をした方が、きっと人生楽しくなる。

 

貯水池にしてはメルヘンだった。確かに貯水池だが、フォーカスして見ればスイレンも鯉もいて綺麗だった。…それだけでいいじゃないか。そのくらいのゆるい感じで肩の力を抜いて楽しみたい。

あとはさ、ここまでの渋滞とかのアプローチの労力や時間に対し、結果が見合っていたかどうか。そこはあなたの中でうまく処理してほしい。他の観光地にもつきものの課題なのだから。

 

由来6

僕は正直大体これを知った上で、カクゴもした上で訪問した。

単純に綺麗ではあったし、由緒も踏まえた視点からここを見れことによる満足もあった。

 

ま、先ほども書いた通り次は暖かい季節だな。あるいはモネの絵でも見に行くかな。きまぐれな旅人だから、お約束はできないけど。

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: モネの池
  • 住所: 岐阜県関市板取440-1
  • 料金: 無料
  • 駐車場: あり
  • 時間: 特になし