コロナ禍の2021年夏に、富士山を眺める絶景展望台が爆誕したという。
その名は「FUJIYAMAツインテラス」。
もともとはカメラマンなど知る人ぞ知る富士山の穴場展望スポットだったらしい。
そこが綺麗に整備されて一般観光客用にシャトルバスまで運行されるようになり、誰もが気軽にアプローチできるようになったのだ。
こんな景色を眺められるんだぜ。ホント寿命が延びるわー。
知る人ぞ知るスポットがメジャーになる。それが嬉しいことなのか悲しいことなのかは僕にはちょっとよくわからないけど、「行ってみたい!見てみたい!」って飛びついたのは事実だ。
2023年は、まだまだ先駆者的な存在になれるぞ。
僕も行って来たのでその様子をリポートしよう。
晴れたら行こうぜ、富士山絶景スポットへ
その日の天気予報は、特に快晴というワケではなかった。従い、僕はFUJIYAMAツインテラスに行こうとは思っていなかった。
いや、ちゃんと僕の脳内の莫大な量の引出しの1つには入っていたので「快晴であれば行きたい」って感じで引き出しはユルユルの状態にはしていなんだけど、よっぽど晴れていない限りは行くつもりはなかったのだ。
しかしだ。
よっぽどの晴れだった。
スゲーな、今日ってこんなにも晴れる予定じゃなかったでしょ??
上は静岡県の御殿場から「山中湖」方面に北上する道だ。だったらこの先、ツインテラスに立ち寄ってみようか。
それまで曇ったりしないことを祈りつつ。
その願い虚しく「河口湖」あたりで雲が出てきて真っ先に富士山がモヤに包まれる。
でももう遅い。僕はツインテラス方面にハンドルを切っている。心のブレーキはもう効かないのだ。
まだ富士山周辺以外は晴れ渡っている。
ワンチャンあるはずだ。そう信じて僕はツインテラスに向けて峠道を駆け上がるのだ。
さて、ここでツインテラスに立つにはどこに向かえばいいのかを最初にご説明しておこう。
それは「芦川のすずらん群生地」である。カーナビに入れるのあればそこだ。目指すのもそこだ。理由は2つある。
- ツインテラスにはシャトルバスでしか行けない。マイカーの終着地点がすずらん群生地だから。
- 2023年現在はまだマイナーなためか、すずらん群生地までツインテラスの看板等は一切ない。すずらん群生地が正解であると知っておかないと道中不安になるぞ。
まぁ上の看板には「新道峠」の文字もあるけどね。
実は「新道峠=ツインテラス」なのだ。2021年にツインテラスができる前は、みんなその展望スポットのことを新道峠と呼んでいたのだ。この名前も憶えておきたいね。
道は広くはないが、狭くもない。普通の運転技術があれば大丈夫だ。
新道峠方面へとグングン標高を上げて行く。
猛暑続きの2023年夏であるが、次第に気持ちのいい風が吹きこんできた。屋外に出てクーラーが不要って、すごい珍しいことだよね、2023年夏においては。マジ今年の夏はなんかおかしい。
ここがすずらん群生地の駐車場だ。
数10台は余裕で停められる広い駐車場。週末ではあるが朝の9時前ともあって、停まっている車は10台程度でスカスカだった。
ここからはシャトルバスに乗ろう。
バスと徒歩で新道峠のテラスへ
これがバス停だ。駐車場の片隅にある。
平日・土日共に朝の始発は9:13。平日は1時間に1本ペース、土日は1時間に2本ペースでシャトルバスが運行されている。
まだ始発のバスまで時間が15分ほどあるのでノンビリ待機することにした。
ちなみに駐車場にはトイレもあるのでありがたいね。ツインテラス整備に当たって設置してくれたらしいよ。
ところで、シャトルバスは4月下旬から11月下旬までの運行であり、さらに火曜は運休日だそうだ。
あなたが興味を持った場合、必ず事前に調べてほしい。ダイヤが変更される可能性もあるから。
もっとも、歩いてツインテラスまで行くことも可能だけど、片道で30分くらいはかかるだろうから体力と相談するといいだろう。
ツインテラスはハイキングコースの途中にある。
テラスだけ見て戻ってきてもいいし、もっと深部に足を踏み入れてもいい。1時間半ほど歩けば標高1793mの「黒岳」とかあって、そこからももちろん絶景の富士山を眺められるし。
だけども今回僕はそんな汗かくようなことはしたくなく、ラクして絶景を見たいだけなのだ。だからツインテラスでUターンするし、それ以外のハイキングコースのことにももちろん触れるつもりはない。
9:13、バスが来た。お客さん既に3人くらい乗っている。きっと公共交通機関のみで来た人だな。
ここで運賃箱に200円を入れ、バスに乗り込む。大型の都市型路線バスとは違うから現金のみの受付だったし、極力おつりがないように準備することを求められた。まぁここで求められてもお金崩せないから遅いんだけど。
そんなこんなでバスに揺られること10分弱。
すぐに終点のFUJIYAMAツインテラスバス停に到着した。
こっからは徒歩で階段を5分ほど登る。そうすればツインテラス到着だ。
そうそう、注意点がいくつかある。
トイレはここのツインテラスバス停にあるものが最後。
自販機などは一切ないのであらかじめ下界で購入を。
そして2023年夏には結構大事なポイントだったんだけど、テラスには日差しを遮るものが一切ない。暑さ対策や日差し対策はしかり行っておくのがよいかと思う。
みんな続々と階段を登って行く。
階段もトイレも含め、設備は全てが綺麗だ。階段も朝からスタッフのおじいさんが掃き掃除をしてくれていてありがたい限りだ。
道の途中にFUJIYAMAツインテラスの説明板がある。
英語と中国語で大きく説明が書かれており、なぜか日本語は下部に小さめの文字でしか書いていない。なんで?
とりあえずその内容を以下にご紹介しよう。
新道峠は中藤山(1,666m)と黒岳(1,793m)の間を走る尾根で、富士五湖の中で2番目に大きい河口湖を前景に、息を吞むような富士山の絶景を楽しむことができます。
この階段を登り切ったところに2つのテラスがありますが、これらは山頂から山麓まで富士山を一望できる数少ないテラスのひとつです。
眼前に穏やかな河口湖が広がるこのフォトジェニックな景色は、湖周辺が無数の瞬く光に照らされる夕暮れ後により魅力が高まります。
…だそうだ。期待が高まるぜ!!
FUJIYAMAツインテラス
セカンドテラス
階段を登り終えてまず出てくるのはセカンドテラスだ。
看板にも書かれている通り、もう1つある展望スポットであるファーストテラスまではここからわずか80m。1分で着く。
そして結論から言っちゃうとファーストテラスのほうが眺めがいいし規模も大きいんだけど、やっぱみんな手前のセカンドステップからまずは景色を眺めちゃうよね。僕もだ。
なぜなら、すずらん群生地に向かう車道から今この瞬間まで、ずーっと富士山が見える位置ではなかったのだ。
河口湖ぶりの、久々の富士山。それが見えれば誰だって「おぉ!」ってなって足を止めるから。
下界では完全に頭頂部が雲に覆われていた富士山。
しかし久々に見たらもうほとんど雲から顔が出ている。やったね。あと数分待てば頂上は完全に見えるだろう。意を決してFUJIYAMAツインテラスを目指してよかった。
そして手前の湖はリゾート地である河口湖だ。巨大なイメージのある河口湖だが、ここから見るとこんなにも小さい。
ズームしてみた。まるで鳥の視点だ。さっき通った「河口湖大橋」もよく見えた。
同じ富士五湖の1つである山中湖も見えている。河口湖大橋から真っすぐ上に辿った山間にチラッと見えているんだけど、あなたにもおわかりいただけたかな??
そうこうしているうちに富士山は完全に姿を現したし、周囲にいた同じバスの人たちはみんなファーストテラスに移動してしまって誰もいなくなった。
セカンドテラス、独り占め。
…というわけで、これがセカンドテラスからのベストショットだ。最高過ぎだろ。
でも、右下の木々が若干だけども気になる方もいるだろう。
先に言っちゃうとファーストテラスはこの木々すらなくなり、さらに絶景のパノラマが展開されるぞ。
ファーストテラス
80m先のファーストテラスに向かって歩く。一瞬だ。そして木立の中だがここも綺麗に整備された遊歩道だ。
いよいよ超絶景のファーストテラスが姿を現すぞ…!!
はい、すごーい!!
あえてテラス込みで写真を撮ったよ。これはテラスも含めて絶景だと思うんだ。この張り出しステージみたいな見事なテラス、ちょっとでも伝わっただろうか?
もうこの絶景を説明するボキャブラリーはない。
日本を代表するこの山とこの景観にただただ痺れたさ。
「富士山は登る山ではない、見る山だ」というコメントもよく聞く。
確かにそうかもしれない。
もちろん富士山頂からの眺めも最高で、僕自身2回登頂したことはあるんだけども、山頂に登る行程自体は特に面白いとは思えない。そして富士山の中にいると"富士山自体の景観"にはなかなか気付けない。
物事は一歩引いて俯瞰して見た方が全容が掴めるのかもな。
後ろを振り返るとこんな感じ。
映画館のように階段状に座席が設置されていて、例え混雑しても後方の人たちは前列に阻まれることなく富士山を眺望できそうだ。
ただいかんせん、暑い。さっき書いた通り日差しをさえぎれるものが無いからだ。
これからの時代、酷暑がニューノーマルになるかもしれない。何か工夫があったほうが快適だろうな…。
改めて、テラスを画角に入れない雄大な構図を見ていただきたい。
説明板にもある通り、富士山をここまで遮蔽物なしに裾野まで見られる光景って、かなり少ないらしいのだ。
広がりのある富士山を眺めるならば、日本TOPクラスの展望スポットなのだ。
河口湖にズーム。日本5周目の最序盤では、あのあたりのレンタル別荘で過ごしたりもしたな。懐かしいぜ。
あとさ、この写真の中央に映っているシルバーの柵のようなもの。これ実はベンチなのだ。富士山川を眺めるのではなく、富士山を背にして座るベンチ。
暑い日であったが金属がヒンヤリして座っていて涼しかったし、なんか座面の下はテラスが無くって下まで見通せるスリリングでユニークな造りだ。気に入ってしばらく座っていたさ。
こうして20分ほど過ごし、バスの時刻に合わせて戻った。
大体みんなそんなペースだ。到着した次のバス、つまり2便で帰る感じ。
2便は始発とは打って変わって、お客さん倍増していた。
10:05、再び駐車場に戻ってきた。往復1時間コース。
駐車場はそこそこ埋まって来たね。天気のいい週末であれば、昼前後はほぼ満車になるかもしれん。
さらに今後有名になったりしたらキャパシティ足りるかな?
というわけでだ。
2023年現在ではまだまだ知名度低めで、行って来たら自慢できるレベルのFUJIYAMAツインテラス。
僕がアプローチした8月は下界よりかはかなり涼しいとはいえ、日差しが強く対策しておかないと厳しい状態だった。
10月に入ればかなり気持ちのいい気候だろう。
ぜひあなたも天気のいい日に出かけてみてほしい。富士山は日本の宝だよ、マジで。
以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。
住所・スポット情報
- 名称: FUJIYAMAツインテラス
- 住所: 山梨県笛吹市芦川町上芦川
- 料金: 無料(ただしシャトルバス利用の場合は片道¥200)
- 駐車場: あり
- 時間: 特になし(ただしシャトルバス使用の場合は公式Webサイトから運行日時を確認のこと)