そこは採石会社の敷地内で、本来は観光地でもなければ景勝地でもなくって…。
そういうところに絶景が眠っているんだから、最高だよな。
ここ2・3年くらいで知名度が上がって来たけど、まだまだマイナーなスポットだ。
知っているとお得感を味わえるだろう。
今回ご紹介するのは、そんなスポット。
採石跡地が作り上げた造形美、「石切山脈」と「地図にない湖」である。
幸か不幸か、僕が訪れたのはこの石切山脈にとって結構特殊な日であった…。
気付けばダカールラリー!
僕が石切山脈の存在を知ったのは、2018年だとかそのくらいだっただろうか…?
ちょうど少しずつ有名になり始めた、まさに黎明期だったと思う。
「行ってみたいな」って思ったのだが、前述の通りそこは採石工場の敷地内である。
一般人も入ることは可能だが、調べた限りでは平日のみであった。
サラリーマンをやっているとちょっと厳しい。
「どうせ行くなら夏空の元で見たい!」とか、「有給取るヒマねぇー!」とか言っているうちに、新型コロナウィルスが流行した。
永久に続くんじゃないかって思われた緊急事態宣言が一時解除され、「じゃあ紀伊半島でも走ろうかな」と考えていた折、ふと石切山脈のことを思い出した。
Web検索してみると、なんと最近は土日であっても一般人が入場できるらしい。
なら行く。
ちょうど明日は日曜日だから、すぐ行く。
…こうして今僕は、石切山脈のすぐ近くまでやってきた次第だ。
遠くに削り取られて岩盤が剥き出しとなった山肌が見えてきた。
目的地は近いのかもしれない。
しかし僕は1つの懸念をしてた。
昨夜Web検索したら、なんか石切山脈では1周年感謝祭というのをやるそうなのだ。今日。
プログラムも載っていたのだが、9:15~お偉いさんの挨拶とかあるらしい。
何から1周年なのか、誰が何に感謝するのか、Webからはわからなかった。
だけども今日は混雑するかもしれない。駐車場に停められるかなって、ちょっとドキドキしている。
現在の時刻は9:50だ。
本当はもうちょっと早く来たかったが、途中で古墳を発見して遊んでしまったりしたので遅れた。大丈夫だろうか?
上の図の現在地に当たる場所で、誘導員の人からプリントをもらった。
閑散期であればここのすぐ脇の駐車場に入れるのだが、今日は混雑しているらしく、ずーっと奥の駐車場に車を停めた後に無料シャトルバスで石切山脈まで来るように、とのことなのだ。
うおぉ、そのパターンか。
やっぱ賑わっていたか。そして遅かったか。
まぁでも駐車できるだけ良しとしよう。
上に掲載したプリントの地図、石切山脈を取り巻く採石場の全容がよくわかってとても良い。
だが右上部分の文字や、イラスト全体がとてもラフだ。まるで下描きだ。冨樫か。
こんな雑な案内図を、臆することなく来訪者全員にバラまいているだなんて…。
…最高だッ!
いいかい、僕らはこんな時代の石切山脈を大事にしなければならない。
これが綺麗に印刷会社が作ったカラーのチラシだったら、もう黎明期は過ぎており、立派な観光地と呼べてしまうレベルだ。
従業員さんが片手間で、くわえ煙草で走り書きで作ったような、これが良いのだ。
大事にしよう。
チラシをもらった瞬間にダートの登場だ。
事務所の建物の横を砂煙を上げて疾走する。
道はある程度クネクネするが、いたるところに誘導員さんがいてありがたい。
こんな感じの狭い区間にはちゃんと誘導員さんがいて、片側通行にしてくれる。
しかし、なかなかアップダウンの激しい道でダカールラリーをしている気分だな。やったことないけど。
周囲に紅葉が残っていたので、彩度を上げて撮影してみた。
なるほど紅葉は綺麗だ。
しかし砂ぼこりがなかなかにヘヴィーだ。
普段だったら砂汚れも泥汚れも全く気に留めない僕であるが、このときはほんの10日ほど前に久々の洗車をしたばかりなので、少しだけ泣けた。
ま、そんなことも数10分後には忘れちゃうけどね。
敷地のエントランス部分から駐車場までは500mほどだっただろうか?
とりあえず指定された駐車場に到着した。
現場は大パニックです!
駐車場…というよりは作業現場みたいな場所にやって来た。
左右も進行方向の遠方も、山から切り出した岩がブロック状となってゴロゴロしている。
たぶんここのエリアは現役の採石場なのだ。
重機もたくさんあるぞ。
石切山脈のWebサイトから仕入れた情報を少しご紹介しよう。
ここで採石されているのは、稲田石っていう岩石。
明治時代から100年以上採石されているのだそうだ。
この稲田石っていうのは真っ白なので"白い貴婦人"とも呼ばれ、「日本橋」・「東京駅」・「最高裁判所」・「国会議事堂」など日本の中枢の名だたる建造物にも使用されているという。
なるほど、すごい。
メインスポットから遠く離れた駐車場に来てしまったものの、現役の雰囲気を感じ取れる場所に来れたのは、考えようによってはラッキーなのかもしれない。
誘導員さんの指示に従い、適当なところに愛車を停めた。
周辺は岩がゴロンゴロンである。
なかなかに荒ぶった光景だ。これだけでもテンション上がって来た。
ここから無料シャトルバスで祭り会場だ。
最初に指示をもらったのだが、歩いて祭り会場に行ってはいけない。必ずシャトルバスを使用するように、とのことだ。
たぶん道も狭いからね、歩行すると危険なのだ。(それでも歩いている人もいたが)
重機置き場と駐車場と、岩の散乱。
左下の大きめのヤカンもチャーミングである。
これらが絶妙にブレンドされたゾーンを歩いてシャトルバス乗り場に向かう。
これから祭りに向かうロケーションじゃないけど、確かにこの敷地内のどこかで祭りは始まっているのだ。
なんとなく他の人の進行方向に向かい、シャトルバス乗り場と思われる簡易テントを見つけた。
20~30人くらい並んでいる。
それに対し、シャトルバスは普通のワンボックスで、乗車定員は7名ほどのようだ。
何台運行しているのか不明だが、結構待つことになりそうな懸念。
…15分ほど待っていただろうか?
「1人の方はいますかー?助手席空いているのでどうぞ!」と声がかかったので、行列に並ぶ唯一のロンリーである僕が助手席に乗り込んだ。
多分普段であれば1人での来訪者もそこまでは目立たないだろうが、祭りでかつシャトルバス使用ということで、より独り身の僕が浮いているわ。なんてこった。
運転手のスタッフさん、この盛況ぶりにあきらかにナチュラルハイになっている。
「もう今日はお客さんがすぅぅーーっごいの!!こんなの初めて!!」って言いながらアクセルを踏んだ。そうか。
前述の通り、今日は1周年感謝祭である。
なんの1周年なのか聞いてみると、石切山脈が観光に力を入れ出し、敷地内にカフェとかを作ってから1年なのだそうだ。
後日検索して見つけた情報ではあるが、Webサイトへのリンクを貼る。
及び、一部文章を抜粋させていただく。
日本最大の採掘現場となる「石切山脈(いしきりさんみゃく)」の魅力をより多くの人にお伝えしたいという思いから、新たに観光事業会社「株式会社U-A」を立ち上げ、迫力満点の採掘現場を専用ガイドと車でめぐる『プレミアムツアー』の運営及び大パノラマの「石切山脈」を眺めながら、笠間名産の栗スイーツを味わえるカフェ『U-A Cafeモンブラン』の営業を2020年11月14日(土)9時よりスタートいたします。
…という経緯だ。
実際の1周年に対し少し時期をずらし、2021年12月5日を一周年記念感謝祭の日にしたみたいだ。
運転するスタッフさんは言葉を続ける。
「だからね、いろんな人に12月5日に来てねって告知していたの。そしたら数日前にTVの『秘密のケンミンSHOW』でここが取り上げられたでしょ?それを見た人もこの週末で押し寄せているから、ホントすっごいの!!」
…そうか、時期が良かったのか悪かったのか…。
僕は石切山脈を「誰も知らない、観光地化もされていない場所」と思っており、そんな感覚で今回も来た。
だけども今日の石切山脈は「観光化も進みつつあり、TVを見た人が押し寄せる場所」になっているようだ。
ちょうど歴史の転換期、大化の改新みたいな日だ。
運転手さんは「みんなもモンブラン目当てに来たんだよねー!普段は250食限定で昼くらいには売り切れるんだけど、今日は社長が『1000食提供する!』って気合を入れているからねー!!」って言う。
僕は「モンブラン?何のことですかな?興味も無いけど?」みたいに反応した。
運転手さんの「は?」みたいな空気を感じた。
「あれ?そうなの?他の人は」みたいな振りを受け、車内の人はみんな「うむ、もちろんモンブラン目当てだ」・「当然TV見てやってきた」というリアクションをする。
ちょっと待て。
僕が混乱している間、あなたの時間を奪うわけにもいかないので、後日仕入れた情報を端的にご紹介する。
だからそこから派生したモンブランも有名。
石切山脈ではインスタ映えする、パスタをこじらせたようなビジュアルのモンブランがウリであり、これも数日前の『秘密のケンミンSHOW』で紹介された。
だからその週末である本日、カップルやファミリーが大挙して訪れているのだ。
…なるほど、合点がいった。
今日の笠間は不自然に渋滞していたし、近くの道の駅もとんでもない混雑だった。
道の駅にもモンブランが売られており、TVで取り上げられたので混雑していたのだ。
しかしそんな事情がわかろうとわかるまいと。
そのときの僕の心情は複雑であった。
僕はモンブランに1ミリも興味がない。興味があるのは石切山脈だけだ。
しかし周囲のみんなはモンブランと祭りにしか興味がない。
この温度差。
「あれ?ここで『僕の目的は石切山脈の景観だ』みたいに言ったら相当恥ずかしい?そもそも山脈、見られるんだよね?」
「みんなから見た僕ってどういう存在?『モンブランも食べずに1人でここに来るおかしい人』みたいな感じ?」
ほんの数分であったが、精神がソワソワするには充分な時間であった。
スタッフさんたちも忙しさで大パニックだが、僕の精神も大パニックであった。
ゴトゴト揺れる車内で僕は、自分の命運を案じて胸の前で十字を切っていた。
石切山脈は1周年感謝祭!
敷地のエントランス部分でシャトルバスを降りた。
閑散日であれば、ここに直接車を停められたのだが、今回はここまで長い道のりであった。
採石場の事務所と思われる建物の前を通り、祭り会場や石切山脈のビューポイントであるエリアに向かう。
このあたりがいい味を出しているなって思った。
直射日光によるセロテープの劣化と、ブラインドの上げ下げによる摩擦の生み出す、唯一無二の芸術だ!…って思った。知らんけど。
すぐに簡易テントの受付が出てきた。
ここで入場料300円を支払う。
これは今日が祭りだからとかではない。デフォルトだ。
採石工場の敷地だからね、有料でも一般人が入れるだけありがたいのだ。
ここでもらった1周年感謝祭のプログラムをUPしておく。
興味のある方は拡大してご覧いただきたい。
ひとまず本項は、この1周年感謝祭について記載しようと思う。
実際は石切山脈を眺めたりするのと同時進行で行っていたのだが、それらをブレンドして執筆すると文字がボリューミーになってしまうしテーマがガチャついてしまう。
したがい、本来の僕のメインとなる石切山脈のご紹介はさらに次項とさせていただこう。
会場は大きく分けて2つある。
この写真は受付を入ってすぐのエリアである。とりあえず「第一会場」とでも呼ぼう。
右奥の小屋がウワサのモンブラン屋さん。
どうやら整理券を配って対応しているらしい。
稲田石の四角いプレートに、ニュルニュルとモンブランを絞り出して提供していた。
みんなそれを、稲田石でできたテーブルとイスのエリアで食べたり、あるいは石切山脈を眺めながらカウンター席で食べたり、だ。
これがカウンター席。
快晴で最高のロケーションだ。
季節はもう12月だから、もし天気が雨や曇りだったらいろいろ厳しい環境だったろう。
この快晴にも感謝だ。
子供向けの輪投げイベントがあり、そして近くにはパトカー。
プログラムを見ると「特殊車両も来るよ」という、変にオブラートに包んだ文言が確認できる。
これがそれなのだな。どういうミッションで来たのかは不明だが。
輪投げの景品。ほほえましい。
フワフワ揺れる風船が平和な世界を象徴しているようだ。
第一会場にいる来訪者の人数は、ざっと50人ほどだろうか?
すごい大人数とは思わなかった。
それでもシャトルバスのスタッフさんは「すっごいの!」と言っていた。
第二会場にすごい大勢いるのか、普段説くレベルと多いという意味か、それともワンボックスでのピストン輸送が本当にシンドいのか…。
たぶん最後の内容が大きな理由なんだろうなって思った。
後述する地図に無い湖のほとりを少し歩き、第二会場にやってきた。
ここは模擬店が数店舗出ていた。
ずわいガニのみぞれ汁・おしるこ・からあげ・焼きいも・石窯ピザなど。
ちょっと惹かれる。
だけども、1人で食べ物を買ってムシャムシャ食べていいだろうか…。
正直、テンションがそこまでは乗り切れていない。
ピザが食べたいな、とも思った。
しかし結構本格的で大きいし高くって、これまた1人で食べるのは苦労しそうだ。
500円で半分サイズだったら買ったかもしれないけど。
この後ちょっとランチしたいお店があるので、ここでガッツリは食べたくない。
第二会場にはステージもあった。
プログラムを見ると、ダンスショーだとかドラムとか和太鼓だとかがある。
今は活用されていないが、それらをステージ上でやるのかもしれない。
ステージの横にはお笑い芸人の「オスペンギン」さんがいた。
TVに疎い僕は存じ上げないが、会場を盛り上げるために一生懸命に休みなくトークをしていた。
そのオスペンギンさんが言うには、ちょっと前に餅つき大会でついたお餅を、今模擬店で無料で振舞っているそうなのだ。
もちろん先着順で、無くなり次第終了だ。
なるほど、ひときわ行列がすごいのがそれか。
さっきちょっと気になったが、スルーして先に石切山脈の写真撮影とかしていた。
「お餅少なくなってきましたー」みたいな声も聞こえているが、試しに並んでみた。
…ところが、僕の3人ほど前でお餅は終わってしまった。
稲田石の臼でついたというお餅、少し食べてみたかったが、まぁしょうがない。
1人でフラリとやってきた僕の代わりに、お祭りを目当てにやってきた人が食べられたのであれば、本望じゃないかと。
ダイナミックな岩肌と神秘の湖!
最後に、祭りと並行して眺めた石切山脈の絶景をご紹介しよう。
受付を通過してすぐに眼前に広がった光景がこれだ。
広場にある無数の意思のオブジェと、その向こうの石切山脈。
何を作ろうとしたものなのかは、センスのない僕にはちょっとわからない。
しかし"白い貴婦人"と呼ばれるこの稲田石が良質なことは心で理解できた。
青空に最高に映えるよな。
向こうに見えている、黄色い柵のところまで行ってみよう。
手前にあるのが地図に無い湖。
その向こうが石切山脈の代表的な光景である、剥き出しの山肌だ。
僕が車を停めたのは、あの山の後ろあたりだったな。
彩度を上げて撮影してみた。
湖に映る山がカッコいい。
ここに見えている範囲の採石場は「前山採石場」と呼ばれていて、2014年ごろまでは採石していたのだが、今はもう休止しているそうだ。
明治時代から100年ほどかけて、地下65mまで掘り進んだ場所。
その後、岩盤から染み出してきた水などが溜まり、いつしか今のような巨大な湖になった。
それが地図に無い湖と呼ばれる所以だ。
その向こうの綺麗に採石された跡地もかっこいい。
この古代遺跡のような独特の景観から、プロモーションビデオ・ヒーローものの撮影・ウェディングフォトなどの需要があるらしい。
それも納得の大スケールだな。
では、第二会場方面に歩いて行こう。
地図に無い湖の湖畔に沿い、3分ほどの散歩だ。
現役の工場の建物が左右に見えてくる。こんなところを一般人が歩けるのも貴重な体験だ。
昔懐かしい、社会科見学の気分。
「がんばってます!」って感じの建物だ。
この窓枠のゆがみ、最高だと思う。ギリギリな感じ、不安定な感じに心惹かれ、ずっと見ていられる。
そんなワイルドな風貌の工場だが、内部の作業はいたって繊細だ。
すっげぇ綺麗な稲田石のプレート。
建物の窓枠は全然整っていないのに、このプレートはメッチャクチャ整っている。これ以上ないほどに整っている。
僕だったら何に使うのか想像もつかないが、単純に「欲しい!」って思った。
誰しも美しいものには魅せられる。
そんなこんなで第二会場到着だ。
オスペンギンさんのトークが流れてくる中、僕はオブジェを眺めていた。
ゆるーい感じのものが多くて癒される。
引き続き、石の庭園。
これらを1つ1つ眺めていたら、無料のお餅を食べられなかったのがこの僕だ。
昼頃にもう一度餅つき大会をするそうだが、それまでは待てぬ。
第二会場のさらに奥、この岩の隙間を進んでいくと、地図に無い湖の湖畔ギリギリまで行けそうな気がする。なので進む。
祭りの喧騒は遠のき、オスペンギンさんの声も「餅が、餅が…」くらいしか聞き取れなくなった。
もう何ペンギンかもわからない。
ちょっと簡素な展望所が現れた。
眺めが良さそうな予感だ。
うん、とても雄大だ。
天然ではない、人工的なものではあるが、そこには文明も歴史もあるのだ。
それを僕は今、感じ取れている。
明治時代からここまできれいに山を削り取った技術、すごい。
白い岩と、それが映り込む湖面。
ため息が出る美しさであった。
モンブラン食べて帰ってしまう人にも、この光景を一目見てほしかった。
いや、向こうからしたら僕に対し「モンブランひと口食えよ」と言いたいのかもしれないが。
そんなモンブラン会場…、じゃなかった、第一会場は湖を挟んだ向こう側です。
写真の右奥。
じゃ、また戻るか。
石切山脈をしっかり堪能した。祭りを堪能したとは言い切れないけど、偶然にも突撃してしまったこの空気に少し触れられただけでも満足だ。
そして2年目へ!
帰りのシャトルバスは、タイミングよくすぐに乗れた。
「整理券式だし、時間かかりそうで…」とのことでモンブランを食べられなかったご夫婦と一緒の乗車であった。
出発前にチラリと車窓から見えたのだが、ここ石切山脈に向かってくる車はどんどん増え、渋滞が起きていた。
もう僕が停めた駐車場も満車であり、どこにも行けなくなった車が滞留しているのだ。
この近所は道も狭くてUターンすら困難である。
カオスになっていた。
地元のボランティアだという誘導員さんたちが「どうしよう…」とうろたえ、社員である運転手さんが「ちょっと私行ってくる!」と車を飛び降りて指示に向かう。
「山田さん(仮)の家の駐車場を借りて!あとは〇〇スポーツセンター!!」みたいな、恐ろしくプライベート感の高い名称が飛び出していた。
もちろんだが、事前にそういう手はずになっていたとのことだ。
こうして観光地化の道を歩み出した石切山脈は、ドタバタしながらも最高の天気で大賑わいの2年目を迎えることとなった。
僕は願わくばもうちょっと早い観光地化前に訪れたいとも思ったが、これはこれで良い。
これから長く続くであろう石切山脈の観光時代の、「最初の1年」とも言える時期に訪問したのだ。
誇れるべき体験だよね、これ。
それではさようなら、石切山脈。
これからもいろんな意味で、日本の建造物を支えてほしい。
以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。
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