週末大冒険

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ちょっと出かけてみないか。忘れかけていた、ワクワクを探しに。

No:030【大阪府】日本最高レベルの夜景!?ナイトハイキングで「ぼくらの広場」へGO!!

ちなみに今日はクリスマスだ。

僕は、「日本一の夜景を見に行く」と豪語している。

 

さぁ、画面越しに感じたぞ。

群衆のどよめきを。

鳴り響く指笛を。

 

「第30話にして、ミスター・ロンリーことYAMAさんが、ついに浮いた話を綴りだしたぞ!」と、鳴り止まない賛辞の拍手を。

 

…すまない。しかし、今回もまた1人なんだ。

1人でクリスマスに夜景を見に行く。

 

「なんか、精神的な修行の一環ですか?」って言われるかもしれないが、正直僕にもよくわからない。

しいていえば、「そこに夜景があるから」…か??

 

…というわけで、真夏ではあるけれど、(いろんな意味で)木枯らしの吹きすさぶ、日本4周目で迎えたクリスマスの夜の話をしたい。

 

 

 

信貴生駒スカイライン

 

今回向かう夜景スポットは、「ぼくらの広場」と呼ばれている。

奈良県大阪府との境界の生駒山系にあるが、ギリギリで大阪府に属するスポットだ。

 

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生駒スカイライン1

「ぼくらの広場」へのアプローチ方法は、大きく2種類ある。

 

1つは、「暗峠(くらがりとうげ)」という、国内最大傾斜を誇る国道で峠まで行く方法。そこからは徒歩。

しかしこの峠、バカみたいな傾斜の上に擦れ違いができない狭路の国道なので、普通車で行くのはかなりの自殺行為。

 

もう1つは、「信貴生駒スカイライン」で暗峠の近くまで行き、そこから徒歩。

まぁどっちみち、最後は徒歩なわけで。

 

でも、僕は金に物を言わせることにした。

朝には雪も舞っていたこの極寒の日、山間部にちゃんと安全にアプローチするならお金を払うのも止むを得まい。

 

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生駒スカイライン2

1300円取られた。

思ったよりも高かったな…。

 

そんなことを考えながら、荒れたアスファルトをグイグイと登っていく。

時刻は16:20。

そろそろ日没の時間だ。ちょうどいい。

 

奈良県側からアプローチすると、最初に出てくるのは「立石越」というスポットだ。

ここはギリッギリ大阪府

 

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生駒スカイライン3

ここで初めて大阪側の景観が開ける。

すんごい。ここは奈良県との県境なのに、大阪の中心部がハッキリと見える。

 

さらに目を凝らすと、水平線ギリギリに、兵庫県明石市の「明石海峡大橋」まで見える。

 

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生駒スカイライン4

あの橋、僕がすごく好きな橋。

好きすぎて、一時期3ヶ月に一度のペースで明石に遊びに行っていたくらい。

 

そして、橋の左手の丘は淡路島だね。

こんなところから淡路島が見えるのか、すっげ。

 

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生駒スカイライン5

ここの特徴は、駐車場の車の中からでも夜景が見えるということ。

冬の寒い時期でも外で凍える心配がない。

 

そして、僕のように男1人でクリスマスに夜景を見に来ていたとしても、カップルにヒソヒソと後ろ指をさされることもなく、心が凍える心配なく、隠密行動ができる。

 

メリットだらけだな。

 

 

このあとも「十三峠」で景色を見たり、「鐘の鳴る展望台」を見上げたりするのだが、それは省略する。

 

今回は大阪府としての記事を書きたいので、奈良県にちょっとでもかかる部分はすっ飛ばす所存。

 (奈良県のゲートでお金を払ったにもかかわらず、すみません。)

 

 

夕闇のハイキング

 

見つけた。

ここが、車を停めておくための重要スポット。

 

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ハイキング1

酷道暗峠の1㎞南。

左手に上記の看板が見えてきたら、そこに車を停めよう。

 

他の展望台の標識と比べると、看板はかなり見つけづらいので注意。

駐車場名は「なるかわ駐車場」というらしいが、現地にはその旨の記載すらなかった。

 

www.kintetsu.co.jp

 

詳細は上記リンクを見てもらえると、スカイライン全線の見どころ・駐車場が掲載されているので、便利だと思う。

 

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ハイキング2

 駐車台数は10台とのことだ。

しかし枠線も何もない、砂利の空き地。なかなかにワイルド。

 

愛車はここで留守番だ。

「ぼくらの広場」へは、ここから15~20分ほどの徒歩だという。

僕は徹底的な防寒と、ランタンの準備を行う。

 

時刻は16:55。

では、夕闇のハイキングの開始だ。

 

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ハイキング3

これが、遊歩道入口付近に掲示してあった周辺MAPだ。

 

一応現在地とぼくらの広場は掲載されているが、道がよくわからんぞ、ゲラゲラ。

まぁとりあえず、まっすぐ歩けばいいのかな?

 

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ハイキング4

写真では明るく見えるだろうが、肉眼で見ると既に、不安になるくらい仄暗い散歩道。

でも、まだランタンは無くても歩ける。

 

かろうじて明るい時間にアプローチしようとした理由は2つある。

  1.  真っ暗になる直前くらいの方が、夜景がきれいだから
  2.  いきなり真っ暗だと遭難するから

 

事前に行ったことがある人のWebサイトを見たりしたのだが、『昼間に下見をしておくべき 』・『経験者と一緒に』・『本格的なナイトハイキング』…、などの脅し文句がゴソゴソ出てきた。

 

そりゃ怖いわ。

帰りは絶対真っ暗だけど、行きくらいは見える状態で歩きたい。

 

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ハイキング5

お、わりとこまめに標識を設置してくれているぞ。

 

これ、もしかして結構楽勝なパターン?

人生イージーモード?

 

たぶんクリスマスを楽しむカップルは、こんな山道に綺麗なカッコで紛れ込んだりしないだろうから、もう僕の独壇場では??

 

フフン、フン、フフーン。

フン、フフフフーン、フンフーーン。

 

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ハイキング6

ヘタクソなムーンウォークをする余裕すらある。

 

こうやってムダな動きをして、体を温めておくのよ。

そうやって自分を正当化する。

 

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ハイキング7

…あ!

 

油断していたら割と本格的な上り坂が出てきた!

ちょっと焦る。

 

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ハイキング8

さらに、茂み地帯が現れた。なんだか精神的に不安になる光景だ。

 

写真だからある程度景色が見えているが、実際はもうかなり見づらい。

そして、ランタン不向きだわ。

ランタンの周囲360度はそれなりに明るいけど、光が届く距離が短くって、進行方向はあまり見えない。 

 

懐中電灯を持ってくればよかったと後悔。

しかし、もう僕は止まれない。後ろは振り返らない。前進あるのみ。

 

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ハイキング9

…やっぱ不安なので後ろを振り返った。

 

ちょっと開けたところに出たので、帰り道で迷わないようにね。

この光景を写真に撮って、万が一のときに見返せるようにしておく。

 

ここ、やや広めの広場みたい。

暗くって見えないけど、テーブルやイスが屋外に設置されている。炊事場みたいなものまであるように見える。

 

そして、そのあたりで遊歩道が交差点になっており、どっちに行けばいいのかわからない。

 

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ハイキング10

結論から言うと、対角線上に行くのが正解だった。

標識とかはないけど。

上の写真のところに辿り着けば、正解。 

 

さらに進むと、貯水池の上のコンクリートの橋を渡るシチュエーション。

手すりとか、ないけどな。

 

さっきまで見かけていたぼくらの広場への標識も、もう全然ない。

遊歩道の脇のポールに小さい地図が貼り付けてあるんだけど、全て劣化して見えやしない。

 

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ハイキング11

たった1つだけ、ポールに貼り付けてある地図がなんとか読めた。

それが上記である。

 

「え…?見え…ねぇ。でも、んー、見え…たかな??」

くらいの微妙な感じだったが。

絶妙に、もどかしいラインを的確についてくる地図であったな。

 

現在地もわからないが、なんか勇気をもらったのは事実。

さらに先へと歩こう!

 

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ハイキング12

なんだかまた、道がわからなくなった。

こっちでいいのか?

向こうのほうに鉄塔が見える。そこまで行ってみようか。

 

この決断が正しかった。

鉄塔のすぐ向こうが、ぼくらの広場であった。

 

ここまで、すれ違った人間ゼロ

ついに、最強レベルの夜景スポットに到達したぞ!!

 

 

ぼくらの広場と、すごい夜景

 

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ぼくらの広場1

芝生の広場が目の前に広がっている。

そしてその広場は、進行方向の大阪側に向かって大きく下向きに傾斜している。

 

さらにその先。

大阪の平野がどこまでも広がっていた。

 

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ぼくらの広場2

時刻は17:15。 

ほどよく暗くなってきて、大阪の町に灯りがつき始める。

 

わずかな夕闇の下で、大阪が輝きを放つ。

すっげー。

鳥の目線で夜景の町を見下ろしているかのようだ。

 

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ぼくらの広場3

"ぼくらの"広場なのに、僕しかいない。

ぼくだけの広場

 

すんごい開放感だが、絶望的なまでに寒い。

モコモコに着ぶくれしてやってきたのに。

 

とんでもない強風なので、体感温度はきっと余裕で氷点下。

歯がカチカチ鳴る。

カップルの愛も凍り付いてしまうであろう。僕には関係ないが。

 

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ぼくらの広場4

まだ若干空は明るく、夜景には早い時間。

しかし、ここで待機していたら凍える。

 

周囲を見ると、公衆トイレがあった。

あそこに逃げ込もう。

 

 

…15分後。

トイレに立て籠もっていた僕が、再び姿を現した。

 

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ぼくらの広場5

 

おおおぉぉぉぉーーーー!!!

 

 

僕がこの生涯で見てきた夜景の中で、1番かも。

まぁ夜景のすごい・すごくないなんて人それぞれな部分があるかと思うが、僕の中でここは今、1番になった

 

碁盤の目のような光のラインが縦列に走るこの光景、たまらんよ。

大阪平野、壮大すぎるよ。

 

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ぼくらの広場6

生駒山系で、光量・可視範囲ともに最高と言われているスポット。

「関西一」と言われることもあるし、「日本一」と言われることもある。

 僕も今まで日本三大夜景なども見てきたが、確かにここはすごい。

 

「すごいすごい」と言ったところで、独りよがりなだけで、あなたにはうまく伝わらないかもしれない。

そこで、何がすごいと感じたのかを、冷静に自己分析してみた。

 

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ぼくらの広場7

 

それは、遠近感である。

 

絵を描いたりデザインを学んでいる人であればお分かりかと思うが、パースだ。

地平線へと続く、絵に描いたようなシンプルなパース。

縦横に走る光のラインが、丁寧にそのパースを際立たせてくれる。

 

通常であれば人間の目って、闇夜では立体感がつかみにくくなる。

しかし、こうやって補助線(光のライン)があることで、それを体感できるのだ。

 

 

地平線まで続く、光のパース。

 

 

僕がここを表現するなら、こういう言い方をしよう。 

 

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ぼくらの広場7

僕以外に誰1人いない点もすごい。

 

知名度はかなり低く、特に東日本でここの存在を知っている人は少ないであろう。

だからこその、この独り占め感。

 

 

…ただし、ひたすら寒いけどな。

三脚を持ってきたのだが、強風で立たない。

なんとか立たせても、風でグラついて写真がブレる。

 

その無慈悲なブリザードを食らったカメラは、わずか数枚の写真を撮っただけで電池切れしてしまった。

あまりの寒さのためにバッテリーを一瞬で消費したのか?それなりに充電してあったのに。

 

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ぼくらの広場8

はい、手持ちだとブレるブレる

 

寒いを通り越し、痛いも通り越し、ただのカッチカチの状態だよ、僕の手。

凍傷一歩手前みたいな状態だった。

 

だが、それに見合った絶景を目の当たりにできた。

 

よーし、今夜は枕を高くして寝られるぜ!!

 

 

生駒のメリークリスマス

 

もちろん、夜景を見たあとは、また歩いて駐車場まで戻るワケだ。

 

これがゲームであれば、夜景を見た時点でエンドロールとか流れてそれで「めでたしめでたし」なのだが、現実はそうは甘くはない。 

なんだったら、行きより帰りの方が断然ハードモードだからな。真っ暗よ。

 

「怖いよー、怖いよー」と、白い息と共につぶやきながら、なんとか遭難せずに駐車場に無事帰還した。

 

 

愛車に乗り込んだら、さらに北を目指して走り出す。

すぐに『民家があるので騒音注意』みたいな看板が出てきた。

 

 この生駒さんの深い山中で、こんなことが書かれる場所は1つしかない。

 

 

 

伝説の暗峠!!

 

 

あの超勾配とすれ違い不可の国道の上を、今通り過ぎた!

暗闇の中、チラリと民家が見えた!

 

僕の真下は、奈落へと落ちていくような高架橋のトンネルだ。

 

またいずれかの機会で、狭路と激坂を攻略してこの峠を攻略するから待ってろよ!

 

jitensha-hoken.jp

 

 

しばらくの後、「パノラマ駐車場」という夜景スポットに到着した。

ここはギリギリ大阪府側。

 

車の中から夜景が見える。

自販機もある。

ここでホットコーヒーを購入し、冷えた体を温めることにした。

 

コーヒーを飲みながら、「夜景綺麗だったなー」とか、ボンヤリと振り返る。

そして、気付かなくっていいことを気付いてしまった。

 

今日はクリスマス。

街はカップルのためにイルミネーションであふれ、家族は暖かい家で団欒を楽しみ、レストランもホテルも大賑わい。

 

だからこその、今夜のこの夜景。

 

…それにひきかえ、僕は…!

この僕は…ッ!!

 

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パノラマ駐車場

パノラマ駐車場から見た夜景は、涙で滲んだ。

 

いや、単にまた手ブレしたのかもしれない。

だけども確かにそのとき、僕の頬を熱いものが伝ったと思うんだ。

 

みんな…、メリークリスマス。

"ぼくら"ではなく、僕以外のメリークリスマス。

 

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

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