2024年がスタートした。誠にめでたい。
いや、率直に言うとめでたいかどうかよくわからないが、めでたくあるべきだとは思っている。
だから僕らは初詣に行くのだ。
あなたはもう初詣には行かれただろうか?僕は実はまだなので、2年前の初詣の記録でも振り返りたいと思う。
舞台は「永源寺」。
かなりの古刹ではあるが、訪問当時の僕はそのような予備知識はない。
「疲れてきたし腹が減ってきた。気晴らしに観光できてご飯を食べられれば最高だ。」って思っていたら大層なお寺の看板が出てきたのでハンドルを切っただけである。
それもまた出会い。僕は神に呼ばれたのかもしれない。
空腹抱えて雪の積もる峠の古刹へ
場所は滋賀県と三重県を繋ぐ国道421号沿い、県境の峠も近い三重県寄りの岐阜県だ。古くからの酷道好きの方には県境の「石榑(いしぐれ)峠」と言えば膝を打ってくれるに違いない。
石榑峠とは、幅の広い車を遮断するために2mの隙間しかない重厚なコンクリートブロックを設置してあることで有名だった峠道。
しかし峠を貫通するトンネルが2008年秋の災害で崩れたことと、2011年のトンネル開通に伴い、今は廃道なのである。
上の写真は、その災害のほんの2ヶ月後に閉鎖情報を知らずにワクワクしながら向かっていたときに撮影したものだ。
だから残念ながら僕は、名物のコンクリートブロックの間近までは行ったもの、ブロックを拝んだことがない。
あぁ、こんな感じに愛車を挟んでみたかったなぁ。ミラーを畳んでギリッギリで通過してみたかったなぁ…。
今はその旧道は徒歩でだったらアプローチでき、コンクリートブロックを目指すマニアもいるのだが、僕はもう興味がない。だって愛車でそこを通過してみたかったんだもん。
…ってことで話がわき道からスタートしてしまったが、県境の近い割と山深いエリアに来ているとご理解いただけたのであれば幸いだ。
冒頭に書いた通り、僕は腹が減っていた。さっきも安土の町を徘徊しながら「腹減ったなー」ってつぶやき食事処を探していたのだが、ピンと来るところがなかったのだ。織田信長像よりもご飯、って思いながら観光していた。
でも走っているうちにこんな山深いところまで来てしまい。
「ヤバい。もう食事処があるそうな雰囲気ではない。」って絶望していたところ、右手に「えいげんじの駅」という食事処が見え、そして同時に左手に永源寺があったので、とりあえず左に車を突っ込んだ次第。
そういえば年を越えてから数日経ったが、まだ初詣をしていなかったな。初詣もできてご飯も食べられたら一石二鳥ではないか。まずはチャチャッと初詣して、それからさっきの食事処でご飯かな?
よかったよかったと思いながら、ウェルカム感の強い赤い欄干の橋を渡って永源寺の駐車場に入っていった。
神社仏閣内の食事処は心惹かれる
駐車場から境内に向かっていると、なかなかに渋いお土産物屋兼食事処が目に入った。
この店頭に並べてある赤いテーブルや椅子が好きだ。これらがあるだけでジャパニズム(?)が急上昇するように感じられる。
写真奥の方では半分屋外みたいなところでお蕎麦をすすっている人たちがいて、なかなかに粋だ。少しだけ僕もやりたい気持ちがあるのだが、なんだか寒そうだしせっかく食べるのであればもうちょっとくつろげる空間がいいのでスルーした。
だが好きだぜ、こういうお店群。
もうここは境内なのだろうな。これは手水かな。"和泥水"って書いてある。
ちょっと僕の人生経験値が低いのかもしれなけど和泥水って初めて見たので「泥水!?大丈夫??」って思ってしまった。
調べてみると和泥水(和泥合水ともいう)は、『我が身を顧みずに泥まみれになってでも人に尽くす』っていう意味らしい。なるほど、ちょっと僕には100%できてないことだったわ。どうりで知らないわけだ…。
参道にチラホラ雪が出てきた。そして右端に見切れているんだけども参道はあそこから階段を登っていくそうで、思ったよりも道のりが遠く厳しそうでややゲンナリしている。
あと、左手の売店の雰囲気がよさそうで写真を撮った。
ここまでもそうだけども、ちょっと引くくらいにメシ屋の写真が出てくるからゴメンな。きっと腹減っている。かわいそうなYAMA。
『うどん・そば・でんがく・酒・ビール』…。
たまんねぇな。それらをフルコースで持って来てほしいって言いたい。だが少なくとも今は営業していないようだ。残念。せっかく看板、赤くて魅力的なのに。
川の対岸に渋すぎる建造物が見えた。
『釣具・釣えさ』・『茶房 お食事…』という文字を遠望できる。営業しているのかな?営業していないっぽいな…。でも気になる。参拝中だというのに邪念でいっぱいだ。いかんいかん。
階段がなかなかに長い。体が火照ってきた。
刺すような寒さの日だというのに、もう上着いらないかもしれない。
階段をほぼ登りきったところで、十六羅漢の立て札が唐突に現れた。どうやらこの岩肌に江戸時代に造られた十六羅漢像があるのだという。
見上げた岩肌に…、あぁ確かに仏像が点在している。わかりやすく赤丸を付けてみたが、あなたにもおわかりだろうか?
左上にほーんの少ししか見えていないが、釈迦如来像が鎮座しており、そして左右には阿難と迦葉のトップ2の弟子がいる。
その下にさらなる弟子たちが点々と。
なかなかユニークな顔立ちの石仏だ。
大丈夫かな?僕がお釈迦様だったら、自分のありがたい話をこんな顔して聞かれたらソイツには単位やらんけどな。
総門が見えてきた。いよいよメインエリアだ。気を引き締めていこう。
雪の積もる境内を歩き、初詣
階段を登り、十六羅漢を眺めた先に総門が見えてきた。ここからは山上のフラットで広大なエリア。多くの社殿が立ち並ぶのもここだ。
総門のすぐ先には受付があり、「横の券売機で参拝志納料をお支払いください」みたいな案内をされた。
そうであったか。ここは有料であったか。拝観料等のことは全然考えずにここまで来てしまったので一瞬「うおっ」となったが、逆に志納料が必要だということはそれだけの価値のあるお寺に違いない。
はい、払いました。500円。
志納料のボタン、「1人~10人」までキッチリあって律儀すぎ。ちょっとウケた。4人くらいまでなら見たことあるが、ここまで羅列されているのは人生初だ。
グループで来たとしても複数回に分けて購入する必要がない。これも1つのワン・ストップ・サービスではないか?
受付でパンフもらった。社殿、スゲーいっぱいあるのな。あまり頑張ろうとすると沼るので、軽く外観を見学させてもらい、そして初詣ができればいいと思う。
すごく興味があるわけではないので、雰囲気を味わうことを重視したいのだ。
僕の観光って、大体そんなもん。最初はよくわからず特攻。それでもっと興味があったらまた行けばいい。
…だから日本を7周もすることになるのだろうね…。
大きな山門が見えてきた。キャー!セピア一色で渋くてかっこいい!
1802年に造られたもので、2階には釈迦三尊像と十六羅漢がいるそうだが、一般人は登ることはできない。
うわー、良い!なんだこれすごくいい!
急に頭上が開けたと思う。階段を登っている時からずっと閉鎖環境であったが、山肌に沿ったエリアを抜け、山上の平地に出たようだ。
一面の雪で寒々しいが、歩道部分だけ除雪されているのもいいし、青空が心地よいし。もう一度言うけど、すんごい清々しくていい気分だ。
写真の左手は庫裏。事務仕事や料理などを行う作業用の建物だ。近年建て替えられて鉄筋コンクリだが重厚感があっていいぞ。
その奥には本堂が見えているし、右手には鐘楼が見えている。
左手に本堂が見えるところまで来た。雪の十字路がなんだか良い。
どこまでも静かな境内で、見渡してみると僕以外にはファミリーが一組いるのみ。静寂に包まれた境内。
ちょっとだけ雪を踏みしめてみた。雪が鳴る音以外、何も聞こえない世界だった。
本堂、離れてから振り返ってみてその規模に驚いた。近くで見上げていては気付かなかったが、なんてサイズだよこの屋根!
琵琶湖で採れた葦(ヨシ)を使った屋根であり、ヨシ素材のものは大変珍しいのだそうだ。これはすごい。ご利益あるぞ。初詣しよう。
今年の無事と夢の実現、それとアレコレ生々しいことを祈願できたら、もう少し奥へと進む。
上の写真は本田の横を通過しつつ、山門側を振り返って撮影したもの。この空間が一番好きだったのでね。
法堂。雪に埋もれている。
さて、この永源寺は臨済宗や黄檗宗に属する各派閥が15個あるうちの、永源寺派の総本山なのだそうだ。全国に127も末寺があるそうだが、恥ずかしながら僕はここに来るまで永源寺の存在すら知らなかったぜ。
経堂だ。文字通りお経が収められているっぽい。
それぞれの拝殿は(たぶん)中を窺い知ることはできないが、こうして雪と青空のコントラストを眺めているだけでも心が安らぐぞ。
開山堂。正面がちょっとだけ思わせぶりに開いていたので中を覗いた。
このお寺ができた(開山)したのは1361年だそうで、それに関与した偉いお坊さんの墓所の上に建てられているそうだよ。
社殿を全部紹介しようとなると僕もあなたもヘトヘトになっちゃうから、今回はこんな感じでサラッと終わらせよう。
なんか「何も知らずに立ち寄ったら詫び寂びあふれるいい空間だった」と、要するにそういうことだ。
後から知るのだが、ここは滋賀県内でも有数の紅葉スポットらしい。なるほど、またいつか機会があれば紅葉を眺めに来たいものだ。
参道を戻り、一番最初に車で渡った赤い欄干の先にある食事処に向かうと、なんか音楽イベントをやっているようで、ドカンドカン盛り上がって普通に食事できるような状態じゃなかった。無念。
結局僕がランチにありつけるのは、さらに雪深くなった県境を越えて三重県の町に下ってからとなる。
ま、別にいいけどね。永源寺で散歩して充実して、空腹を忘れられていたしね。
永源寺の空気は良かった。身も心も胃袋も引き締まった。
今年1年、良い年になりますように!!
以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。
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