週末大冒険

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ちょっと出かけてみないか。忘れかけていた、ワクワクを探しに。

No.367【鳥取県】"因幡の白兎"の舞台「白兎神社」!うさぎ焼いちゃうのかよ!でもうま!

「白兎(はくと)神社」。あなたもご存じかと思うが、「因幡(いなば)の白兎」という童話の舞台の神社である。

この因幡の白兎が記されている書物は、なんと古事記日本書紀までさかのぼる。日本最古の文献に、既にこの物語が掲載されているのだ。まさに神話レベルのお話だ。

 

その物語内でひどい虐待を受けた、かわいそうな白うさぎさんであるが…。

 

 

なんと、うさぎ焼きになってしまわれている。

いや、救われなさすぎじゃねーか、白うさぎさん。"しろぴょん"とかかわいい名前を付けられて満足げな顔をしている場合じゃねーってことですよ。

 

…というわけで、実際に神話の舞台である白兎神社を訪ね、そしてうさぎ焼きをムシャムシャと悪い顔をしながら食べるまでの話をしようぞ。

 

 

神話の時代に思いを馳せて

 

まずはおさらいだ。因幡の白兎の物語だ。

なんとなく僕が読み解いたストーリーを以下に記載するので、あなたも懐かしのストリーを思い出してほしい。

 

日本海に浮かぶ淤岐ノ島(おきのしま)に住んでいた白うさぎ。本土に渡ってみたいと考えた。

その方法として海に住むサメ(ワニと表記される)を読んで、「僕らとキミら、どっちが数が多いか勝負しようぜ。ちょっと数えるから一列に並びなよ。」と声をかける。

ワニたちが背中を並べると、淤岐ノ島から本土まで到達するくらいの距離となった。その背中の上を、数を数えながらウサギが飛び跳ねていく。

 

もくろみ通り、ワニを利用して本土まで到達しそうだ。

その直前、嬉しくなったウサギは数勝負ではなく本土に渡るためにワニを利用したと白状してしまう。怒ったワニはウサギの皮を剝いでしまった。

 

日本3周目、雨の中1

「痛ェ痛ェ」と泣く白うさぎ。そこに通りかかったのが我らが大黒様だ。

この先に魅力的なプリンセスがいて兄弟一同求婚のために押し寄せる旅路なのだが、なんか大黒様はみんなの荷物持ちで先を越されて、随分後からヨタヨタやってきたという損な役回り。

 

聞くと先行した兄弟たちは泣いているウサギに「じゃあ海水で洗って風にあたるといいよ、ゲラゲラ」とウソの情報を与え、それを信じたウサギはさらに痛みが増して泣いていた次第だ。

 

日本3周目_雨の中2

大黒様は「真水で洗って、蒲の葉の上に寝転びな」とアドバイスをする。

するとウサギはすっかり元通り。大黒様にお礼がてら「プリンセスと結婚するのはきっとあなたになりますぜ」とキザな宣言をすると、猛ダッシュで先行した兄弟たちを追い抜いて、プリンセスに一部始終をチクる。

プリンセスはそのあと到着した兄弟たちの求婚を断り、後から来た大黒様とめでたく結婚するのだ。

 

ふむふむ、時空がゆがんだとした思えないようなウサギの回復力と、兄弟たちの足の遅さに万雷の拍手を送ろうぞ。

 

 

うさぎ焼きが気になる日々

 

そんな童話の舞台は、鳥取県日本海沿いにある。

写真には納めていないのだが、神社の正面の「白兎海岸」からは150mの沖合に淤岐ノ島を眺めることができるのだ。

 

僕、正直言うと淤岐ノ島って隠岐の島だと思っていたのだが、違ったのだね。陸のすぐ近くにある小さな岩場が淤岐ノ島だった。

 

日本4周目の白兎海岸

白兎神社があるのは、「道の駅 神話の里 白うさぎ」という道の駅。神社の参道に道の駅が併設しているという珍しいパターン。

だから僕はこの道の駅自体にはときどき立ち寄ったことがあった。上の写真もそうだ。雨が降り出し、ちょうど濡れていく途中の大黒様うさぎだ。

 

道の駅の入口にこの像があるので、何度も撮影はしている。しかし道の駅としての利用のみだったので、白兎神社自体を参拝したことはないまま時が流れた。

 

右後ろの鳥居には縁のない日々

毎回毎回、ここを立ち寄るたびにバカの一つ覚えのように、この一人と一匹のコンビの写真しか撮っておらず、それを並べたところで面白い記事には程遠いのでこのくらいにしておくが。

 

そんな僕ではあるが、日本4周目で訪問した際に気になる看板を見つけていた。

 

うさぎ、焼いちゃいました

ヤベーぞこれ、オーディエンス全員ザワつくヤツだぞ。

白兎名物のうさぎ焼きだ。僕、これを見た瞬間は"因幡の白兎"と"かちかちやま"のたぬきがゴッチャになっちゃってさ、「物語の中で火だるまになった彼を、現実世界でも焼いて食べちゃうのかよ!なんてクレイジーなソリューション!!」って思ったのだが、違ったな。

因幡の白兎は焼かれちゃいない。剝がれただけだ。

 

とはいえ、物語の中で虐待を受けたうさぎさん、そんな中でもせっかく助かったうさぎさんを焼いちゃうのは、なかなかの仕打ちですぞ。大黒様が知ったら怒り狂うぞ。

 

なんとも言いがたいビジュアル

言っちゃ悪いけど、「かわいいー!」でもなく「おいしそー!」でもない、事前準備しておかないと「あ、あぁ…」って感じのリアクションしか出ないビジュアルのウサギが、多数ザルの上に寝そべっている写真。

しかも白うさぎがモチーフなのにピンクうさぎもいるしな。神話を破壊しにかかっているぜ。その攻めの姿勢、YAMAさん嫌いじゃないけどな。

 

じゃあたい焼きもおいしそうなデザインなのかというと、たい焼きを初めて見る外国人の気持ちになるとそうではないのかもしれない。僕ら日本人は幼少期からたい焼きに慣れ親しんでいるからおいしそうに見えるのかもしれない。

その理論で行くとしても、ちょっと我々にはうさぎ焼きは、早いよね。時代を先取りしすぎているよね。

 

買ってみたかったが、朝なので売店まだ営業していなかった。残念。

 

しろぴょん

それと"焼き"いう単語にハラハラする。せめて"うさぎまんじゅう"とかならいい。

物語の中で瀕死の重傷を負ったうさぎをモチーフとしたお菓子に"焼き"の文字は危険な香りを感じしてしまう。

"しろぴょん"、得意げな顔をしている場合じゃないって話しなのよ。

 

因幡ぴょん兎くん

もう1人(一匹?)のキャラクター、"因幡ぴょん兎くん"。オマエ、マジに何者なんだよ。

 

うさぎのしろぴょんと対になっているからてっきり大黒様だと思ったら、名前からしてオマエもうさぎなのか?でもデザインは大黒様も混じっている。何か深刻な事故でフュージョンしちゃったのか?

でも「大黒様とうさぎが一体化して1つのキャラクターになりました」だったらわかるけど、隣にしろぴょんいるしな。

考えれば考えるほど答えが見つからず、頭痛して来た。

 

そんな白兎神社をキチンと観光するのは、日本6周目のよく晴れた春の日であった。

 

 

白兎神社参拝、そしてうさぎ焼き

 

日本6周目の春。僕は再び白兎神社を訪れる。

 

天気は最高

文句なしの快晴。春のドライブって人生で一番幸せだよね。

ぶっちゃけ言うと朝一で「鳥取砂丘」で大暴れしてヘロッヘロになっているのだが、おかげでテンションは最高だ。この勢い白兎神社行く。腹減ってきたので、朝ごはんに例のうさぎ喰う。

 

うさぎではなく、僕を愛せ

グヘヘヘ…、そんな下品なうさぎではなく、この私めをヨシヨシしてくださいましよー、大黒様。

そんな感じで大黒様の右手の下に潜り込んだ。いや、ちょっと待て!この大黒様、目が笑ってねー!僕をヨシヨシしてくれているけど、目は冷ややかだ!なんてこった!!

 

おなじみのコンビ

…という冗談はさておき、いつものコンビだ。

手前には「恋人の聖地」のプレートがある。なるほど、おめーらデキてんのか。

 

あと、この道の駅 神話の里 白うさぎって、2015年に"重点道の駅"っていう、道の駅の中でも上位のカテゴリに登録されたみたいね。

因幡の白うさぎの神話や、山陰海岸ジオパークなどの舞台になっていることから、文化的にも地理的にも貴重なスポットらしい。なるほど、みんなメモしておけよ。

 

白兎神社1

んじゃ、白兎神社の鳥居をくぐる。

今まで何度も見上げてきた鳥居だが、くぐるのは初めてだ。

 

白兎神社2

まだ朝の8時代前半。

うさぎ焼きの店はまだしていないので、まずは白兎神社を参拝することとした。いたるところにうさぎいるぞ。うさぎの集まる神社。

白兎神社3

導入そこそこいろいろあったのだが、もううさぎ焼きが気になるのであらかた割愛。とりあえず数分の参道を歩いて白兎神社の拝殿まで来たってわけだ。

ご覧の通り規模は小さいけども、なんだかマッチョで存在感のある建物。そして「出雲大社」を彷彿とさせる、ムキムキの注連縄が設置されているぞ。

 

白兎神社4

春だ。ツツジの花が綺麗なのだ。

参拝した。皮膚病や縁結びのご利益があるそうだな。神話を下敷きにしたご利益だ。それでは道の駅の駐車場に戻ろうか。

 

白兎神社5

これは参道を戻ってきて、道の駅の駐車場が見えてきたときの写真だ。行きは気づかなかったけど、参道から海を見るとこんなにも雄大なのだ。

これが白兎海岸。日本2周目ではこの正面の砂浜を歩いたんだけど、結構過去のことだからこの記事ではその写真の掲載は見送るけどさ。

 

白兎神社6

ズームしてみた。なんとも風光明媚なロケーションの道の駅。

白うさぎはこの正面の海を、ワニザメの背中を渡りながらここまでやってきたのだな。

 

うさぎ焼き1

これがうさぎ焼きのお店だ。8時半ちょい前にOPENしたらしく、できたてホヤホヤを食べられることに興奮を隠せない。右の方にはこれまたちょいと人気なピンク色のポストがあるね。

 

うさぎ焼きは1つ150円で、白とピンクがある。よーし、両方買う。

え?ピンクのうさぎなんて神話に出てこなかった、だって?そうだな、ワニザメに皮を剥がれた状態がピンクだったんじゃないかな。すみません、グロめの表現をしてしまって。

 

うさぎ焼き2

念願叶ってようやく入手したうさぎ焼き。

米粉を使った生地らしく、もにゃもにゃした手触り。すんごい柔らかいんだよ。もし指2本でつまもうとしたなら、自重で崩れるぜ。例えるなら大阪のたこ焼きとか、首の座っていない赤ちゃんみたいな感じ。

 

食べてみると、触感がもっちゃもちゃ。形状を保てる限界まで柔らかい。嚙みつくと生地の弱いお腹の部分からあんこがズビッと出てくる。

まぁこう書くとあまりおいしくなさそうだが、なんかクセになりそうな触感だ。鳥取砂丘で暴れたので甘いものがありがたいだけなのかもしれないが。

 

うさぎ焼き3

カロリーを摂取して元気になった僕は、鳥取県を西に向かう。春の朝のドライブは気持ちがいい。

神話に少しだけ触れた体験。また日本7周目で訪れたなら、因幡ぴょん兎くんの正体を解き明かしたい。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 白兎神社
  • 住所: 鳥取県鳥取市白兎603
  • 料金: 無料
  • 駐車場: あり
  • 時間: 特になし