十文字に切り裂かれた海。そんなかっこいいビジュアルの景勝地が日向市にある。
その名も「クルスの海」だ。
僕は中二病だから十文字とかクロスとかって単語を聞いただけで「ヒョー!かっけぇぇ!」ってなる。英語だとクロスだが、あえてポルトガル語でクルスだ。うぉぉ、ダブルかっけぇぇ!!
細島半島にあり、「日向岬」の一部に属しているとも表現できる。
この日向岬ってヤツが大変魅力的でしてね、日向岬とクルスの海をセットで1つの記事にに執筆しようか三日三晩悩んだ。
だけどもそれだと書きたいことが多すぎてボリューミーになっちゃうから、とりあえずクルスの海だけをピックアップすることにした。
日向岬の話はまたいつかね。
トロピカルワールドにようこそ
そんな日向岬から1.5㎞ほど。車で走れば一瞬だ。そこに「クルスの海展望台」がある。
…が、まずはもったいぶって日向岬からクルスの海に向かう道中の光景をご紹介したい。なぜならそこがトロピカル感あふれていて大好きだからだ。
これは日本3周目。正確には日向岬の先端付近からクルスの海方面を眺めた図だ。もう画角にヤシの木が入ると脳は「ここは南国である」と勘違いする。僕は「その通りだよ、きっと」って口に出して答える。
この道なのだ。このとびきり晴れた日にここをゆっくりと走るのが好きなのだ。
ほんの1㎞ちょっとの道ではあるが、僕にとっては夢が詰まっている。こんな南国植物の並木道がたくさんあるから宮崎県、好きだぜ。
全く同じ構図を早朝撮影するとこうなる。
まさにハワイアンな常夏サンセットであり、オシャレにフルーツを盛りつけたジュースなんかを飲みながら眺めたい景色である。
ただ、実際はハワイじゃなくって宮崎県であり、夏じゃなくて真冬であり、サンセットではなくサンライズであり、僕はフルーツは食べられない。
あべこべだろ?誰がこの事態に収拾つけるんだい?まぁいっか。景色きれいだから。
ここが駐車場。ここもトロピカル樹木に囲まれていい雰囲気だ。
写っているのは僕の日本4周目の愛車のパジェロイオだ。
ちなみにだけどもここは充分な広さの駐車場があるが、自分以外の車が停まっているところを見たことが一度しかない。なぜだ。みんなここには来ないのか?こんな素敵なスポットなのに。
これは夕暮れの時間の写真。日本6周目、当時の愛車の日産パオで訪問した。
もう日が沈んでしまった後ではあるが、木々のシルエットが夕暮れ空にほんのり浮かんでいい雰囲気だった。
最後に日向岬とは反対側から駐車場を撮影してみた。あぁ、芸術的なまでにナイスなカーブを描いているじゃないか。
どこから見ても絵になるのだ。まだ駐車場の前後の道を紹介しているだけなのに、うっとりしてきた。クルスの海はまだ1ミリも出てきていないのに。
十文字に割れた海を見下ろす
それでは本題である。駐車場から海ギリギリの展望所までほんの少し歩き、柵ごしに絶壁の下にある海を見下ろす。
その図がこれだ。東西・南北と、それぞれ岩礁によって約200mずつ海が割れている。岩礁の高さは10mほどあるそうだ。
これが日本3周目で初めて僕がクルスの海を見たときに撮影した記念すべき写真。
なお、日向岬には日本2周目から通っているんだけど、そのときはクルスの海の存在をまだ知らずにスルーしちゃったのだよ。
日本4周目では、ほんの少しだけ引きのアングルで撮影してみた。
なんで海がこんな形になっちゃったのかというと、波や風による浸食だな。
もともとね、日向岬もなんだけども柱状節理っていう地形なのよ。
ここいら一体はマグマが冷えて固まってできている。マグマがゆっくり固まるとき、体積が縮んで縦に無数の割れ目ができるの。上から見ると蜂の巣のようにきれいな多角形に。これを柱状節理と呼ぶ。
柱状節理と言えば福井県の「東尋坊」だとかが有名だけど、とりあえず僕のブログで過去取り上げたスポットだと京都府の「やくの玄武岩公園」だとかかな。上の写真がそれだ。
やくの玄武岩公園、僕の記事の中ではアクセス数少なめで寂しい記事なので、この機会にアクセスしてみてほしい。下にリンクを貼っておくね。
そんな柱状節理だから崩れやすく、しかもここいらの海岸線はリアス海岸的な要素もあるから、波で壊れてまたまた十文字になってしまったというわけだ。
いくら柱状節理だからといってそうそう簡単に十文字になれるわけではなく、僕も日本中の奇岩スポットを巡っているが十文字の海なんてここだけだ。すごいのだ。
朝日を浴びるとより陰影もクッキリ写っていい感じでしょ?
日向岬で朝日を見るか、クルスの海で朝日を見るか悩んだけど、日向岬の先端で朝日を見ることにしてね、その後マッハでここに来たのだよ。
波が強い日は十文字部分に波がゲボゲボ入り込んで大変なことになっていた。こうやって長い年月をかけて岩のかたちも海のかたちも変わっていくのだ。
向かって左上の三角の岩、数100年後にはきっと削れてなくなるぞ。そうしたらもうクルスじゃなくなっちゃうから、そのときどう呼べばいいのかあなたも考えておいてほしい。
願いが叶うスポットとは…?
ここね、日向市の公式WebサイトやGoogleマップでは名称が「願いが叶うクルスの海」ってなっているのよ。
前からそうだったっけ?10年前とか、そんなゴテゴテした名前だったっけ??
なんだか今はそれが正式名称だそうだが、当ブログでは"クルスの海"と表記させていただこう。
さて、なぜ願いが叶うと言われているのか。それは”叶”の字をよく見てほしい。十文字に”口”が追加されると”叶”になるでしょ?
それを踏まえてもう一度クルスの海を見下ろすと…。
お、おぅ…?
なんとも言えないリアクションをしましたね、あなた。眉間に少しシワが寄りましたね、あなた。大丈夫、僕もだ。「”口”はどこ…?」ってなるよね。
これは現地の説明版を撮影したものだ。"口"、すげー小さい。マンボウも体に対して口がすごく小さい生き物だけど、クルスの海の口はもっと小さい。
それに海のかたちが"口"の半分も形成できていないし、説明版のように真上から見るなら百歩譲って解釈できるかもしれないけど、展望台からの斜めのアングルだとなかなか理解しがたいなって感じた。
ただし諸君よ、物事ってのは信じるところから始まるんだと思う。これ、人間関係も同じなんだと思う。知らんけど。
不信を信念に変えてくれるいいオブジェがここにあるのだ。
その名も「願いが叶うクルスの鐘」!!名称がまんまだ!必死だ!好き!!
これを鳴らせばきっと願いも成就するし、カップルも幸せになれるというぞ。
この鐘のオブジェは、人と人が支えあうような構図をイメージしているものらしい。助け合い・支えあい、大事。
残念ながら僕は何度も通いながらも一度も鳴らしたことはないが、縁起がいい地なのは確かだ。あなたが行った折にはぜひぜひブチ鳴らしてみてほしい。
オブジェの向こうの残照が徐々に消えゆく景色も眺めた。海際の断崖の上のオブジェ、これだけでなかなかに絵になる景色だ。
反対側の空から朝日が昇り、周囲を真っ赤に染めていく景色も眺めた。最高の1日が始まりそうな予感に胸が高まった。
僕は”恋人の聖地”的なスポットでは鐘は鳴らさない。ときどき誰もいないときに「どんな音がするのかなー」程度の興味本位でカランコロンすることはあっても、その動作に特別な願いは乗せない。ここクルスの海でも同じくだ。
でもね、僕の願いはここに来てこの雄大な景色を眺めた時点で、大体叶ってしまっているんだよ。そのくらい満足感のある景観なのだよ。
フェニックス並木のゆるいカーブを疾走しながら、次なるスポットに夢を馳せる。
以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。
住所・スポット情報
- 名称: クルスの海
- 住所: 宮崎県日向市細島
- 料金: 無料
- 駐車場: あり
- 時間: 特になし