2023年もまた猛暑である。
災害級の猛暑と言われ、外を歩くのはもはや死亡フラグを積み上げるのと同義である。
そんなときにスタミナをつけてくれる食べ物と言えば、カレーなのである。
今日は昨年の暑い日に、「万代シテイバスセンター」の名物であるバスセンターのカレーを食べに行った話をしたい。
万代シテイバスセンターは近年リニューアルしているので、リニューアル前後どちらの様子もお見せしつつリポートしよう。
バスセンターのイタリアン
いきなり章のタイトルがカレーではなくイタリアンではあるが、次の章でちゃんとカレーについて語るので安心してほしい。
夕暮れの新潟市内。
この時間帯のドライブは幻想的でワクワクしてしまう。
目指すは万代シテイバスセンターであり、このときのターゲットは"イタリアン"であった。
おっと、これ注意だがイタリアンとはイタリア料理(パスタやピザ)ではないぜ。
新潟でイタリアンと言ったらアレですよ、焼きそばにトマトソースかけたヤツですよ。
万代シテイバスセンター。
以降は全部バスセンターと略そう。
通の間でバスセンターと言えば、この新潟のバスセンターを指すのだから。
これはリニューアル前の貴重な写真だ。
向かって右側の眩い黄色いゾーンもステキだし、向かって左側の昭和感バリバリの佇まいも渋くて最高だ。
なにより背後に聳える「レインボータワー」よ。
開店しながら昇降する展望台だったのだが、2011年の東日本大震災の影響で運休してしまい、そのまま復活せずにリニューアル時に撤去されてしまった。
そんなバスセンターの中にはいくつもの飲食店が入っている。
まずはイタリアンの名店「みかづき」だ。
イタリアンは「みかづき」と「フレンド」の2大巨塔でどちらもうまいが、僕はどちらかというとみかづき派かなぁ。
1960年発祥の、新潟のソウルフード。
昔、新潟の友人が「えっ!イタリアンって全国区じゃないの!?」と驚いていたくらいに新潟人の生活に根付いた食べ物。
みかづきもフレンドも、主にショッピングセンター内にファストフード店として入っている。
あるいは模擬店などで提供されることが多いようだ。
店内もファストフード店そのものだ。
ハンバーガーやラーメンが出てきそうな店内であるが、あの店員は今から焼きそばの上にトマトソースをかけちゃうんだぜ。
メニューである。
いきなり麻婆豆腐イタリアンという飛び道具がデデーンと掲示されている。
もうイタリアンの要素がどこに行ったのか、捜索しても見つからない。
他にもカレーイタリアン・和風きのこイタリアン・ホワイトイタリアンなど、イタリア人が聞いたらどんな顔をするのか恐ろしくて夜も眠れないメニューが並ぶ。
普通のイタリアンとカレーイタリアンをオーダーした。
みかづきのイタリアンはショウガが添えられており、フォークで食べる。
今回はオーダーしなかったけど、スタンダードなサイドメニューはポテトフライだ。
ちなみにフレンドのイタリアンは箸で食べ、スタンダードなサイドメニューはギョウザだ。
まぁこのあたりはいつか、みかづきとフレンド食べ比べの別記事でも書こうかね。
給食で出てくるようなフニフニの焼きそばに、優しい味のトマトソースやカレーソース。
老若男女誰が食べてもストレスを感じない味だ。
うまいとかうまくないとかではなく、"想像通り"に近い味。
だからこそ愛されるのだろうな。
シン・バスセンター
2020年、バスセンターがリニューアルしたようだ。
時を同じくしてコロナが流行していたので、僕が再びここを訪れたのは2022年であった。
スタイリッシュになったなぁ。
「あれ?これはバスセンター??」って、一瞬わからずに通り過ぎそうになったわ。
レインボータワーも抜き取られてしまったようだし。
昭和味の強いこれまでのバスセンターのほうが僕好みではあるが、これからの時代を生き抜くにはやっぱこっちのデザインかな。
黄色かったエリアも、ダークグレーに塗られてクールになっている。
ちょっとだけ面影があるけども、目新しくなった建物。
その感覚が楽しくって、バスセンターの周囲をグルグルと歩いた。暑かったけど。
そういえば僕、バスの発着エリアを見たことが無かったなって気付いた。
バスセンターなのにバスを見たことが無かった。
だからリニューアル前がどうだったのかを対比することはできないが、骨格の部分はきっと今までと同じなのであろう。
こういった待合スペースなどはピカピカなので、一緒にリニューアルされたのではないかと思っている。
…というより、行き先表示に心が惹かれる。
京都・大阪・名古屋・金沢・東京・高崎・前橋・富山・会津若松…。
すごいな。もしかしたら当然なのかもしれないけど、大型バスセンターのバスって、全国各地に行くのだな。
僕はバスを使った旅をしたことが無い。
夜行バスでスキーに行ったことが数回ある程度だ。
こういうところからバスに乗って、ノンビリと遠い地に向かうのも旅情だよね。
いつか1回くらいやってみてもいいかなって思う。
では、今回の記事の最大の目玉、カレーを食べに行こう。
名物のバスセンターのカレーを食べられるのは、「名物 万代そば」という立ち食い蕎麦屋さんだ。
蕎麦屋さんだけどもカレーが全国区。
さてさて、進行方向の突き当りにそのお店が見えてきたぜ。
バスセンターのカレー
ピカピカの清潔感あふれる立ち食い蕎麦屋さん、万代そば。
1973年創業だというから、もう50年も続く老舗だ。
バスセンターのカレーを提供する有名店で、店舗の脇にはお土産用のレトルトカレーやバスセンターのカレーTシャツも売られていた。
女性一人でも気軽に入れそうなオープンな空間である。
てゆーかオープンすぎて、どこからどこまでが店舗の敷地なのかわからない。
向かって右側は別店舗。
「ラーチャン家」というお店で、中華そばやたんめんを食べられるらしい。
それはそれでそそられるが、今回の目的はカレーだ。
カレーのみだ。
せっかくなので万代そばで、お蕎麦も食べてみたい気もするが、僕の胃にはそんなキャパはナッシングであった。
看板には『そば・うどん・カレー』と、カレーが最後尾に書かれている。
なのにカレーが一番有名というギャップ。
どうやら2017~2018年ごろ、TV番組の「アメトーーク! 」や「秘密のケンミンSHOW」などで取り上げられ、その名が広まったようだ。
そのあとに「ドキュメント72」にも出たそうだし。
僕が知ったきっかけは何だったかなぁ?
旅する人たちが頻繁に取り上げていたからかなぁ?
とにもかくにも食券を買い、受付カウンターで一瞬で提供されたバスセンターのカレーを受け取った。
サイズはミニ・普通・大盛の3種類があり、「ミニでもいいかな?」って思ったけど、まずはスタンダードなサイズを食べてみた方がいいよね。
だからこれは普通サイズだ。
知ってたけど、そのビジュアルは驚きの黄色さだ。
くまのプーさんみたいな色だ。
昔のカレーってこういう黄色いのが多かったらしく、懐かしいという声もときどき耳にする。
ルーはわりと固めでボテボテする感じ。
しっかり胃に貯まる。
黄色みが強いからマイルドかと思いきや、後味がわりとピリッときて、それが癖になる感じだ。
なるほど、ときどき食べたくなるような人気のカレーであることが理解できる。
瞬く間に、受付カウンターに行列ができた。
ついさっき僕が食券を購入したときはガラガラだったが、なんかのトリガーで人がわんさか来た。
バスでも到着したのかな?
こういう人の往来を感じられるのも、バスセンターならではだよね。
みんなどこから来て、これからどこへ行くのだろう?
その合間のわずかな時間に、みんな黄色いカレーを食べているのだ。
束の間の仲間意識。
休日は1日で1200食が出るというバケモンみたいに人気なバスセンターのカレー。
でも480円というリーズナブルなカレー。
旅の中継点であるバスセンターで、今後も長く続いてほしい。
僕も今、壮大な旅の序章でこの店を訪れた。
幸先のいい出だしだ。
日本海の上には太陽がキラキラと輝いていた。
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