高原でちまきを食べるとうまい、というだけの話をしたい。
「そうなのか!知りたいな」という方は是非読んでほしいし、「そんなこと知ってるわ!」って方も読んで共感してほしいし、「そんなはずない」という方には先に現地に行ってから読んでほしい。
ちょうど2022年現在さ、北海道を除く日本列島全てが梅雨前線に覆われたから皮肉を込めて言うけど、それはそれはカラッと良く晴れた爽やかな日のことだった。
そんな日に僕は秩父の北部の皆野町という町から、山間部にグイグイ入っていくドライブをしていた。
いったい僕がどこへ行くのかと言うと、これから山の中の高台にあるという、ちまきカフェのお店に向かっているのだ。
カフェでちまきを出しちゃう??
なんて斬新な発想だ。もうこれ行ってみるしかないだろう、と。そういうことだ。
そのお店の名は「天空の楽校(らっこう)」。
楽しみだな。
天空で見つけたオシャレカフェ
なかなかに道はグネグネ、そしてところどころ触れ違いが危うい狭さ。
ふもとには少々集落があったが、高度を上げるにつれてそれも少なくなってきた。
僕の愛車の日産パオは小柄だから少々の道は問題ない。
ただ、前夜にこの子さ、いきなり警告灯がついて不調を起こしてしまったのだ。
その矢先、ホントその半日後なので、内心はかなり心配だ。
愛車に無理をさせたくないという親心。
それ以上にちまき食べたいという本能。
ちまきの勝ち。
だからがんばれ、昭和と平成の瀬戸際で生まれた車よ。
「華厳の滝」の脇を通過する。
ここはあとで引き返した際に寄ってみようと思う。
人里離れた山奥を、さらに上に上にと登っていく。
激坂なのだが、チラホラと自転車でヒルクライムにチャレンジしている人がいるのな。すごい。
そして現れたのが今回の目的地、天空の楽校の入口だ。
山間部の鋭いカーブの途中にいきなり現れた。
それが上の図だ。
左側の白い木の柵の向こう側が敷地。
店舗自体は、柵の向こうの小道をさらに少し入ったところのようだが、四輪車はここまでのようだな。
駐車場と言えるようなスペースはなく、みんなカーブに沿って設置されている路肩にギュッと停めているようだ。
僕もそれに倣う。
ちなみにバイクはもっと内部まで行ける。ただし狭いし砂利道なので、突入するかどうかは自己判断が必要だ。
この、道路沿いにある敷地への入口の装飾からして、もうかわいい。
将来自分の家を持てるようになったら、こんな感じの庭を作りたいと思ってしまう。
天気もいいし、すごくワクワクするぞ。
僕のようなインテリメガネが1人で入っていい雰囲気のスポットなのかだけが気掛かりであるな、さてはて。
では、入店しよう。
廃校の敷地から世界を見渡す
車道から店舗への道のりはこんな感じ。
名物"天空のちまき"を紹介するボードも設置されている。ちまきだけでなく、ハンバーガーもスイーツもあるのだぞ。
小道を歩くこと数10メートル。
開けた敷地が姿を表した。
この天空の楽校なのだが、実はもともと学校だったそうなのだ。
40年以上も前に廃校になった校舎を改装して、ちまきカフェにしている。
ここの空間はもともと校庭だったのだろうか、とか考える。
しっかしすごい立地にあったのだな。
なにせ、ここに来るまでしばらく人家を見かけた記憶がなかったぜ。
まずは受付テントに行く。
ここでメニューを決めてオーダーするのだ。
ちまきは6種類あった。
角煮・鶏ごぼう・ベーコンチーズ・海鮮・青じそチキン・牛すじカレーだ。
なんとなくワイルドにいきたい気持ちだったし”定番”と書かれていたので、角煮のちまきにした。
牛すじカレーちまきは新発売だって。
正直惹かれた。2つ食べるだけのキャパがあるのであれば、これも食べたかった。
それとコーヒーだ。
カフェに来たからにはコーヒーを飲むと決めて、人生を歩んできている。
「好きなところに座ってお待ち下さい」と言われた。
カフェスペースはこの広い校庭に設置されているテーブルだ。
パラソルつきのテーブルもあるぞ。さてどうしよう。
エリアは大きく2つに分かれており、受付の正面と受付の奥とがある。
正面エリアは既に6人ほどお客さんがいた。ライダーの人とかが楽しそうに談笑していた。
なんか頭上には運動会のときの旗みたいなものが飾られていて、この快晴の天気とさわやかな空気も相まって、マジに子供の頃の運動会を彷彿とさせた。
木立に近い、ヒッソリ静かなゾーンもある。
落ち着けそうだし、日焼けしなささそうだ。
奥のエリアはまだ誰もいないっぽい。
こんな感じの白いパラソル付きのエリアだ。ステキじゃないか。
では、ぼっちの僕は奥に行くぜ。
うわー、最高のデッキ席だ!!
目の前にはどこまでも緑の山。
空気美味しいし風は爽やかだし、もうこれだけでここまできた甲斐があった。
このように手前のカフェスペースも一緒に写真に収めれば、まさに名前の通り"天空の楽校"であることをお分かりいただけるであろう。ピッタリなネーミングだね。
では、次に柵越しの山々の風景をご紹介しよう。
もう元気モリモリに育った森が無限に続いている。人家とか、ちょっと見えない。
凄まじい山の中。そしてかなりの高所だ。
標高は550mあるらしい。どうりで結構涼しいはずだ。
後ろを見ると、学校だった頃の校舎が連なっている。
受付テントの近くの部分は厨房として機能しているようだが、こっち側は当時の面影が残っていたりするらしい。
よく見ると「皆野町立 立沢分校」と書かれている。
この立沢分校について改めて調べてみると、明治9年(1876年)に開校し、昭和54年(1979年)に閉校となったそうだ。
「山の家」という宿泊所として利用されていた時期もあったみたい。
コロナ前は中を見学できたり懐かしいグッズなどで遊んだりもできたようだ。
だが、今は感染防止のために屋外スペースのみだ。
ちょっと残念だね。元廃墟マニアとしては、中も見てみたかった。
天空のちまき&コーヒー
敷地内をキョロキョロしているうちに、ちまきとコーヒーが運ばれてきた。
このアルマイト製と思われるトレーは、学校給食をイメージしているものかな?楽校なだけに。
かわいい。
ちまきはゴロッと大きく、少し大ぶりなおにぎりと同じくらいのボリュームがありそうだ。
いい絵だ。これが僕の視界だ。
ほんわかしたBGMが流れるこの最高のロケーションで、僕はちまき食べる。
ちまきオープン!
いや、ゴメン。わかりづらいし共感を得られにくい構図となってしまった。
ちまきにわりとモイスチャーで、ねちゃ~って感じで竹の葉に半分くらいくっついてた。
綺麗に剥がすのは結構なテクニックが必要そうだ。
しかし、それをちまちま剥がしながら食べるのもいいざゃないか。
時間はたっぷりあるのだ。
そしてもちもちでうまい。僕はもち米が好きなのだ。
さらにこの茶色いご飯、何のダシなのか味オンチでよくわからないが、このご飯部分だけでも一生食べ続けることができるくらいにいい味だ。
ゴロッとした角煮も出てきた。柔らかい。旨味が口中に広がる。
コーヒーもうまい。
近くに湧水があるらしく、その名水を使っているとのことだ。
マチュピチュの豆を自家焙煎しているのだと、公式Webにも書いてあった。
最高だな。
ちまき1つだが、なかなかに満腹になったし大満足だ。
どうやらオーナーさんはTV番組の料理レシピを担当していたり、音楽活動でTVに出たこともある人。なるほどなセンス。
ちょっといい気分になった僕は、このお店で動画撮影をしている。
ほんの7秒ほどの動画なので、少しでも雰囲気を味わってほしい。
この【週末大冒険】で初めての動画掲載だ。
ひとしきりダラダラしたあと、ふと「家にもお土産として買って行こうかな」って思い立った。
入口に「テイクアウトできます」というプレートがあったのを思い出したのだ。
さっき角煮のちまきを食べたので、他の種類をお土産みしようかと思った。
しかしお持ち帰り用は角煮だけであり、個数も固定されていて最小3つだった。
まぁいっか。
角煮ちまき3つセットを購入する。
また同じのを食べることになるが、一度味わって間違いないことは知っている。
保冷剤付きの保冷バッグでもらった。丁寧に持って帰ろう。
秩父の山奥、天空の楽校。
厳しい環境の地ではあるが、この春~秋にかけての晴れた日はとても心地良いだろう。
こんな日に来れて良かった。
あなたも機会があればそんな日に訪問してもらいたいと願い、初夏での執筆とした。
ここにはBBQエリアやイベントステージもある。
僕が訪れたのは2021年である昨シーズンではあるが、その後もいろいろと楽しめる要素を増やしていっている模様だ。
リピートするっきゃないかもな、これ。
ちまき以外のメニューも気になるしな。
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お土産のちまきは、後日水をふきかえてラップして、様子を見ながら電子レンジで温めた。
ちゃんと温め方法を書いたチラシを同封してくれていたので、その通りにやったのだ。
天空の地で食べた味がよみがえった。
これで僕はもう少し、平日の退屈な日常を頑張ることができる。
以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。
住所・スポット情報
- 名称: 天空の楽校
- 住所: 埼玉県秩父郡皆野町上日野沢652
- 料金: 角煮ちまき¥430他
- 駐車場: 店の敷地前に数台分あり
- 時間: 月~金 … 11:00~17:00 土・日・祝 … 10:00~18:00 ※12月中旬~3月中旬は冬季休業