週末大冒険

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ちょっと出かけてみないか。忘れかけていた、ワクワクを探しに。

No.124【青森県】2019年に爆誕した名所「とまりのトトロ」!そのアプローチ方法を公開だ!

「とりのトトロ」。

 

決して「とりのトトロ」ではない。

なぜなら隣(となり)にはいないからだ。泊(とまり)にいるからだ。

 

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2019年、トトロのシルエットが浮き上がる洞門が発見された。

場所は下北半島の泊という小さな集落。

SNSでは結構なバズりっぷりだったらしい。

 

僕もそこを訪問した。

なかなかのマイナースポットであり、そこに到達するには少々骨が折れた。

実際にとまりのトトロを訪問した人はまだまだ稀であり、Webを探しても詳細なアプローチ方法を紹介しているサイトがほとんどないのだ。

 

…では!

僕がつたない文章と共に紹介してみようか。

 

「ほんとだもん! 本当にトトロいたんだもん! ウソじゃないもん!」

 

 

トトロに出会いました

 

少し手前に愛車の日産パオを停めた。

 

ここに至るまで、このスポットを示す案内板などは一切ない。

まだ観光地として成り立っていないのだ。発見されたてのホヤホヤなのだ。

 

初めてだが、僕は確信している。

この先にトトロがいることを。

そして予想通り、僕の前に洞門が姿を現した。

 

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トトロの洞門1

はい、あった。

 

次に、洞門のかたちがトトロに見えるように、立ち位置を整える。

上の写真の通り、洞門から10mちょっと離れ、道の左端に立つ。

あとはセンチ単位で調整していこう。

 

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トトロの洞門2

 

トトロが現れた。


わかっているとはいえ、このシルエットが見えたときの感動は、ちょっと言葉ではいい表せない。

「知っている」のと「やってできる」のとは違うのだ。

何事も経験と実践、大事。

 

サツキやメイと同じように、浮かれて「夢だけどー!夢じゃなかった!」とハシャギまくりたい衝動に駆られた。

 

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トトロの洞門3

浮かれたついでに、ヘタクソなトトロを描いてみた。

洞門のかたちとピッタリだ。奇跡の融合。

この洞門、「宮崎駿監督」の怨念が宿っているとしか思えない。

 

ちなみに、どうやらベストな撮影をするにはもう少しだけ立ち位置を変え、耳を細くするのが良いみたいだ。

Web検索で出てくる画像も、大概僕の撮影時よりも耳が細い。

耳太めなトトロになってしまい、すまない。

 

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トトロの洞門4

一緒に記念撮影しようとすると、こうなる。

 

まぁ工夫すればお腹にしがみついたり、傘をさして一緒に並んだりすることもできるかもしれないが、それはあなたが勝手にやってほしい。

他の人も見ていたので、メンタル的に僕はこの程度が限界だった。

 

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トトロの洞門5

洞門を抜けた先は、海である。

漁業関連の小屋などがいくつか立ち並んでいる。

 

もう少し進んだ先には「滝の尻大滝」という滝がある。

最初と最後に"滝"がつくという不思議なネーミングだ。

 

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トトロの洞門6

洞門を振り返ると、こうなる。

反対側から見ると、トトロではない。まぁ当然だ。

 

ちなみに、この洞門の正式名称は「弥次郎穴」である。これが古来からの呼び名。

風や波で削られて自然にできた、いわゆる海蝕洞なのだそうだ。

 

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トトロの洞門7

洞門の向こう側から軽トラが現れて、「うわっ!」ってなった。

地元の漁師さんなどが使用することもある道路なのだ。要注意だ。

 

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トトロの洞門8

ギリギリだ。ワイルドだ。

 

随分前からこうして生活道路に使われていたのだろうが、とまりのトトロが発見されたのは、冒頭の通り2019年。

やっぱトトロは近くにいるけど、なかなか気付かれない存在なのだな。映画の通りだ。

 

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トトロの洞門9

内部をご覧に入れよう。

見よ、ゴッツゴツのワイルドな岩盤が剥き出しである。

海蝕洞の迫力、すっごい。

 

こうして洞門を一往復し、最後にトトロのシルエットを振り返るのだ。

トトロ、ホントにいたんだね。感動した。

 

 

トトロに会う方法

 

とまりのトトロはどこにあるのか。

 

少なくとも2021年現在は、非常にアプローチしづらい。

観光客向けの案内は皆無なのだ。…というより、まともな道すらない。

Web上の情報も非常に少ない。

 

ちょっと僕と一緒に確かめてみようか?

 

 

①:クライミングルート

 

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アプローチ1

まずはGoogleマップを出してみよう。

検索すればとまりのトトロは出てくる。

 

下北半島の主要国道である、国道338号・394号の重複区間から直線で200mも離れていない。

しかも上の地図を見ての通り、道路のすぐ脇にとまりのトトロがあるようだ。

Googleマップでナビ検索しても、上の図のような赤い矢印のルートが表示される。

 

でもこれ、行けなくはないけどオススメはしたくない。

 

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アプローチ2

衛星写真でお見せしよう。

とまりのトトロの目の前まで行っているように思える道が、実際は存在しない

 

なんというホラーな展開だよ。

僕も現地で「どういうことだよ…」って混乱したさ。

 

かわりに、青枠の通り駐車場があった。

衛星写真では存在しないんだけど、実際にはあった。

 

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アプローチ3

こんな感じの駐車場だ。

そこから1分歩く。車道は行き止まりでどこにも行けないように思えるが、実は遊歩道が存在する。
 

 

パッと見ではわからないだろうが、実は軽自動車の目の前に遊歩道がある。

覗いてみたら、なかなかの急斜面だ。ロープが設置されているレベルの斜面だ。 

 

僕が元気で気候も良ければ崖を下って行ってもいいかもしれない。

しかし今は真夏である。暑いので体力が心配だし汗をかきたくない。

しかも、この下にとまりのトトロがあるとの確証もない状態であった。

 

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アプローチ4

地図に記載するとこんな感じだ。

僕は使用しなかったが、もしあなたが興味があるなら行ってみてほしい。

 

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アプローチ5

海岸沿いから見た、クライミングルートの出口だ。

 

ここはとまりのトトロのすぐ脇。

おめでとう、到着だ。

 

 

②:フラットルート

 

僕が実際に使用したのは、なるべくトトロの近くまで車で行く方法だ。

先ほど洞門を通過する軽トラックの写真を掲載した。

その軽トラックが使ったであろうルートだ。

 

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アプローチ6

結論から言うと、こういうルートだ。

途中から道なんてなく、ご覧いただいてもワケわからないであろう。

 

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アプローチ7

僕個人としては、特にこのあたりの軌跡が秀逸だと思っている。

衛星写真でお見せしよう。

 

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アプローチ8

こうだ。

左から右へとやってくる舗装路。

赤い線の通り真横に行っても、道に沿って右下にカーブして行っても、前ブレもなく道がブツリと途切れるのだ。

この消失点が衛星から見てても笑える。

 

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アプローチ9

先ほどの赤い矢印の通り、左から右へと来た道の突き当りにて、上を向いた瞬間の写真である。

陸橋に沿って少しの区間だけ舗装路があるが、もう目の前で砂利ダートが始まろうとしている。

 

で、砂利ダートだけならまだいいんだけど、道なのかなんなのかわからない広大な空間が広がって戸惑う。

とりあえず陸橋をくぐり、そのまま海沿いに進行方向に進む。

 

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アプローチ10

すると少し道幅が狭くなり、そして前方にボロッボロのガードレールが現れる。

写真では道をふさぐようにガードレールがあるが、実はこれは急な左カーブである。

それにそって左にハンドルを切るのだ。

 

砂利が不得意な車であれば、ここいらで駐車してもいい。

とまりのトトロまでは、もう徒歩で3分もかからない平坦な道だから。

 

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アプローチ11

ガードレールに沿って左に曲がると、このような道になる。

 

PCから見ないとわかりづらいと思うが、進行方向に小さく神社の社が見えている。

社のすぐ手前に駐車した写真を次に掲載しよう。

 

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アプローチ10

ここがとまりのトトロの50mほど手前の地点である。

赤く見えていた社は、写真には写っていないが車の左側にある。

 

洞門を通過して海に出ようとか思わない限り、つまりはとまりのトトロが目的でここまで来た場合、ここが最後の駐車しやすいスポットになると判断する。

 

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アプローチ11

ご覧の通り、岩の裂け目に鳥居がある。

神様がいる。

トトロも森の主だもんな。ここ一体、神聖な場所なのかもしれない。

お参りをした。 

 

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アプローチ12

同じ場所を車の頭方向から見ると、こうなる。

 

僕が来たのは写真左奥の方向である。

…が、右奥から来るルートもあるようだ。

陸橋をくぐった先のフリーダムなエリアで選択したコースによっては、右奥から出てくるのだろう。

ま、ただしこちらは深い水たまりがあった。左奥から出てきて正解だったと振り返る。

 

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アプローチ13

鳥居からとまりのトトロが見える場所まで、徒歩30秒だ。

もう少しだ。

 

写真に写っている男性は、とまりのトトロを撮影している。

あのあたりか、もう少し左の道路が濡れている部分がベストな立ち位置である。

 

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アプローチ14


こうして、冒頭の写真に繋がるわけだ。

道路の濡れている部分が、もう僕の目の前1mのところにある。

 

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とまりのトトロ

こんにちは、トトロ。

 

 

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青森県下北半島

秘境が多く存在するその地の、見過ごしてしまいそうな小さな集落の中に、トトロは確かにいる。

 

僕が訪問した際、他に2・3組の観光客がいたが、撮影に気付くと道を開けてくれたり撮影を譲り合ったりと、とても良い関係を築けた。

 

静かにそっと訪ねてみてほしい。

雲のかたちや岩のかたちが何か他の物に見えて、それだけでハシャいだ子供時代。

 

そのときの気持ちが残っているならば、きっとトトロはあなたの前に姿を現してくれると思うのだ。

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: とまりのトトロ
  • 住所: 青森県上北郡六ヶ所村泊焼山
  • 料金: 無料
  • 駐車場: 数10m~100mほど離れたところにスペースあり
  • 時間: 特になし