新型コロナウイルスに伴い、長引く緊急事態宣言。
国民の自粛疲れ。
深刻だ。
国民の一致団結も重要だし、医療の力ももちろん必須だし、国としての意思も気になるところだが、最終的には神頼みもしちゃう。
信じる力って重要だから。願えば叶うこともあるかもしれないから。
さて、今回はデカいお地蔵さんのお話をしたい。
その大きさは9.6mだという。
では、茨城県の山間部にある大子(だいご)町からのレポートだ。
アパートより高く
大子町。
日本三名瀑の「袋田の滝」のある場所、と言えばおわかりの方もいるだろうか。
茨城県の山間の地域である。
そこに日本一大きなお地蔵さんがいる。
何度か訪問したことがあるが、今回はコロナ禍の一瞬の隙を突いて訪問した際の写真をベースに語りたい。
まずはこの写真をご覧いただきたい。
「道の駅 奥久慈だいご」の前を通る国道118号からの眺めだ。
あれが件のお地蔵さんだ。
車を走らせていると、最初はアパートの陰に隠れていて「あれ?アパートの後ろに何かいる??」からの登場で「うわー!」ってなる。
初見ではあれがお地蔵さんかどうかもよくわからず、ただただ衝撃を受けてしまうかもしれない。
大丈夫だ、そんなときには道の駅奥久慈だいごにすぐに入ってほしい。
そして温かいお茶でも飲んで、まずは気を静めるのだ。
では、お地蔵さんの元に行ってみよう。
お地蔵さんは住宅密集地帯の奥地に立っている。
車道がないわけではないが、国道からのアプローチは狭くてわかりづらくて厄介な上、僕の知る限りでは専用の駐車場もない。
一番手っ取り早いのは、道の駅から歩いてアプローチする方法だと考える。
次の項目で、実際に歩いた様子をご報告したい。
住宅の中のお地蔵さん
まずは道の駅からは、お地蔵さんはどのように見えるのだろうか?
敷地の一番北側の柵まで行ってみた。
こんな感じである。
写真の中央のお地蔵さんがおわかりいただけるであろう。
直接道は繋がっていないが、直線距離は200mほどだ。
ズームしてみた。
お地蔵さんの正面に道はあるように見えるが、実際は激狭かつクランクなどを通らないといけないので、絶対オススメはしない。
歩こう。
国道の道の駅すぐ隣には、セブンイレブンがある。
ここの駐車場から、お地蔵さんの立つ住宅エリアに入り込むことができる。
この階段だ。
右がセブンイレブンの店舗。左がその駐車場。
「こんなところから下っていいのかな?」って一瞬思ったけど、結論から言うとちゃんと行ける。
階段を降りて、国道沿いのセブンイレブンを振り返る。
国道に対し住宅地は谷間であり、一段土地が低くなっているのだ。
これが車等で行きづらい理由の1つである。
お地蔵さんの見えていた山側に向かって住宅地の中を進む。
やや道路は狭いが、徒歩なので問題ない。そしてのどかだ。
正面の突き当りのように見えている部分で道は左側に折れるので、それに従って進む。
すると上のようにお地蔵さんを示す看板が出てくる。
申し遅れたが、お地蔵さんの正式名称は「大子地蔵尊」だ。
写真右手に見えている通り、道幅は2mあるかないかぐらいで坂道であり、かつガードレールもない。そいて直角に右に折れる。
僕だったら走りたくはない。
こうして見えてきたお地蔵さん。
アパートの敷地に立っているかのような立地である。
アパートの守護神のようである。
住人の方は、朝起きてカーテンを開けたらすぐお地蔵さんなのだろう。
なかなかスパイシーな目覚めで良いと思う。
…さて、ここまでアプローチ経路を書いておいて申し訳ないが…。
道の駅からは、国道やコンビニを経由しなくってもお地蔵さんに行けたわ。
「道の駅」⇒「階段」⇒「上の写真の駐車場」⇒「激狭クランク」⇒「お地蔵さん」だ。
帰りに気付いた。
行きに詳細に写真を撮ったのが無駄になった気分だ。
だが、悔しいので先ほどの通り掲載した。
コンビニ寄りがてらお地蔵さんに行く人だっているでしょ?
そういうときの参考としてほしい。
僕はマイノリティを応援する。情報って、いつどこで誰の役に立つかわからないから。
一段上に見えているのが道の駅だ。
道の駅にいるときには端すぎて気付かなかったが、写真左側に階段があったのだ。
道の駅内に、これを示すような案内がなかったぞ?僕が気付かなかっただけかな?
まぁ、時間差は2分ほどだ。
気を取り直して、お参りだ。
奇抜なお地蔵さん
最初の印象を正直に申し上げるのだとすれば、「これって本当にお地蔵さん…!?」って感じだった。
とにかくデカくて、白くて、そしてなんだこの顔は…って思った。
いや、体もほとんど直方体をブッ建てただけで加工部分が少なく、うまいことやったなって思った。
過去の記事を以下に2例上げるが、どうやら像を掘る際には手の造形はとっても大変みたいで、あまり技術がない人が像を掘ろうとすると、どうしても手が体にくっつくか、あるいは小さくカックカクになるのだ。
それらを彷彿させるように、お地蔵さんの腕はほぼ無くって、ただこぶしだけが体にくっついているように思えた。
そしてそれよりも…。
お地蔵さんって、あんな髪型だったっけ??
いや、いいんだ。
僕だってお地蔵さんの世界を全て知っているわけではなく、むしろ何も知らないから。
ただ、初めてお会いするタイプなので少々驚いてしまったのだ。
あれは髪でよいのだろうか?
それともバスキャップなのだろうか?
アイラインがしっかりしており、口紅をバッチリ引いてあり、おばちゃんにしか見えない。
ケープと衣も、なんだかネグリジェのようにも見える。
就寝前のリラックスしたマダムだ。
そして左手に乗っているの、スライムだよな。ピンク色のスライム。
あなたにはどう見えるかわからないし、人それぞれで印象はいいと思うが、僕は「黒柳徹子」と「マツコ・デラックス」を足して2で割ったように感じた。
アゴのラインが無いしさ、中性的だしさ、顔はマツコさんだよ。
そして、気になる大きさがこれだ。
背後が山なので大きさを比較する物が少ないため、僕自身と対比してほしい。
高さは台座を含めて9.6mほどだそうだ。
実は他にも国内には日本一をアピールするお地蔵さんがいる。しかもこれより大きなものもある。
まぁそこいらは寛大でいいと、僕は思うのだ。
仮にいつかギネス調査とかする際に、大いに争ってほしい。
ここまで大きいとお地蔵さんの概念が崩壊するように思われるかもしれない。
だけども、お地蔵さんって「地蔵菩薩」。
詳細はインド仏教にも由来するし僕もあんまり詳しくないんだけど、「釈迦」が死んでしまってから「弥勒菩薩」が登場するまでに何億年かの空白の期間があるそうで。
その間に現世を守る仏がいなくなっちゃうぜ、やばい!
…っていう事態を補完するために登場したのが地蔵菩薩なのだそうだ。
日本では道祖神と概念が融合したために、そこかしこにいて庶民に親しまれたり、小ぶりなお地蔵さんが多かったりしている。
だけども本来大きさは関係ないのであろう。
大きいということは、人目をひきつけ信仰を集めることができる。
ユニークな造形も親しみやすさを感じられ、日本における地蔵菩薩の特性を持っているようにも感じる。
黒柳徹子さんにしても、マツコさんにしても、どちらにも共通しているのは人格者であろう点だ。
ちゃんと人の話を聞き、然るべき道を提示してくれそうだ。
このコロナ禍で行き詰ったらすがってみたい、って僕は思った。
どうやら今月(2021年9月)の終わりには、各地の緊急事態宣言が解除されるようだ。
すっごい久々だ。
少しでも世界が元通りになってくれればうれしいね。
悠久の時を見守るお地蔵さんには、現代の我々はどう見えているだろうか?
以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。
住所・スポット情報