週末大冒険

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ちょっと出かけてみないか。忘れかけていた、ワクワクを探しに。

No.592【東京都】池袋の交差点がレトログッズでギラギラ!!もうすぐ終わる景観を見届けろ!

板橋区の「熊野町交差点」。

公共交通機関で言うなれば、池袋駅から徒歩20分とかがスタンダートであろうか。そこにはこの3年ほど、ギラッギラでバッキバキの異次元空間が出現している。

 

 

Googleマップの表記を借りるのであれば、「熊野町交差点レトロ空間」とか「黄金の釈迦如来像」とかって呼ばせてもらうのがよいのだろうかね?

 

2023年から徐々に膨張してきたこの異次元は、間もなく終焉を迎える。僕はその異次元ホールが消滅する前に行かねばと思い、目の当たりにしてきたので、そのリポートをさせてもらおうか。

 

 

アディショナルタイムに異空間を目指せ

 

この空間がなぜ誕生したのか、それは次章で語りたいと思う。

ただ、まずはこの異次元空間は86歳のおじいさん「加藤さん」が自分の土地に作り上げたものだってことを知っていただいたた上で、以後の話を進めさせてほしい。

 

雨の池袋駅前

おじいさんは高齢である。熊野町交差点でやりたいこともやったので、異空間を完全撤去しようと考えていた。いつ撤去するのかというと、2026年5月末。…って世間は思っていた。

おじいさんが取材に対し「5月末までだよ」と言ったので、みんなは当然そう思い込んでいた。しかしおじいさん、「そんなこと言ったっけ?もうちょっとやるのだよ。6月25日までだよ」と言い出した。

うーむ、既にここだけ時空の帳尻が合ってない。ミニタイムパラドックスだ。

 

首都高の高架下

しかし思いがけないアディショナルタイムだ。僕もそこを訪問したい…。

…が、6月25日までには行けそうにない。いかんせん、忙しいのだ。その翌日の6月26日だったら行けるのになぁ…。

 

僕は一縷の望みを抱いていた。「なんだかんだでおじいさん、もうちょっとだけ延長するんじゃね?」って思っていたのだ。

毎日その情報を収集することに決めたのだが、その情報源として「ワンダーJAPAN」という雑誌の編集長さんをターゲットにさせていただいた。ワンダーJAPAN、知ってる?20年以上前からある、国内のどこか狂っている建造物等を紹介する雑誌。僕も昔から大好きで、メッチャ旅の参考にさせてもらっている。(今は「ワンダーJAPON」)

 

交差点直前の「ドン・キホーテ」

ワンダーJAPONさんは「6月25日直前くらいに、直接おじいさんに延長有無を確認するつもりだ」と言っていた。

そしてだ。6月25日の24時ちょい前におじいさんが「辞めてほしくないという声がたくさんあるからもうちょっとだけ延長する予定」とコメントしたらしく、僕もその情報をほぼリアルタイムでキャッチした。

 

なら行く!すぐ行く!!気まぐれおじいさんが「でもやっぱ撤去する。台風来ているし」とか言い出す前に!

…ということで、廃止予定日翌日の2026年6月26日のことだ。僕は池袋にいた。

 

なんかすごいの見えてきた

6月27~28日にかけて、日本列島を2つの台風が襲うそうだ。本日6月26日も雨。天候的にはややハードモードだ。

「暴風雨だと漏電予防のために異次元空間のイルミネーションはしない」というウワサも聞いていたが、ドン・キホーテの先の方に何やらギラギラしたエリアが見えてきた。やったね。まだ存在しているし、点灯している。僕はニッコリした。

 

 

そこはサイバーパンクなレトロ空間

 

では、熊野町交差点のレトロ空間がどんな感じなのか、僕の目線でお送りしよう。

 

その全容1

正確な広さはよくわからないが、学校の教室1つ分とか、そのくらいだろうか?

かつてここは月極駐車場だったこともあるらしく、都心の月極駐車場ってことを鑑みても教室相当っていう表現は的を得ていると考える。つまりは10m×10mくらいかな…。その範囲だけ、アホみたく輝いている。

 

その全容2

角度を変えてもう1枚。レトロなホーロー看板がビッシリと貼り付けられている。その後ろのビルの『広告募集』の掲示がむなしいほどだ。完全にレトロ空間に食われちまっている。

 

ところで、雨が降っていて地面が濡れているがゆえ、イルミネーションがさらに輝いてい見えるよね。片手が傘でふさがっているし暑いし湿気すごくてすごしにくいんだけど、そうやってポジティブなことも考えたい。

 

レトロ空間突撃1

それではここのアイテムにフォーカスしていこう。

まずはエグいくらいにギラついているドラえもん。背後にはレトロ看板ビッシリ。『昭和レトロ』と書かれたちょうちん、『女湯』と書かれた行灯、『袋田の滝』の看板…。

実にカオスである。統一性はほぼ無し。いろんな世界線がバグッてここにゴチャゴチャにくっついてしまった感じだ。次元の狭間。

 

レトロ空間突撃2

中央右寄りで輝いている車はシトロエンのトラクシオン・アバンだ。1935年製であり、タクシーとして日本にやってきたものだそうだ。すんごい年代物。こんなところにゴロッと停まっていていい車ではない。

ネオンと花に彩られており、『日本一世界一の花自動車』と名付けられていた。

 

レトロ空間突撃3

大量の物品に埋もれてしまっていて顔が見えないのが残念だけど、これはマツダ・T600。1960年代のオート三輪だね。僕、オート三輪大好き。これは1964年製だそうだ。

写真ではわかりづらいけども、座席には赤く照らされた般若面が下から炎型のランプに炙られていた。なにがなんだか。

 

レトロ空間突撃4

ところでオート三輪のボンネットにはモスラが乗っていた。モスラってゴジラに出てくる巨大な蛾だね?1961年デビューらしい。なかなかに歴史ある蛾なのだね。

 

…とまぁ、大体ここまでが敷地の外から見える景観だ。ここまでで既に情報量が多すぎ。それではいよいよ敷地内に足を踏み込んでいこう。

 

 

おじいさんの正義の心がここを造った

 

中に入ると、いきなりすんごいレアな車が現れた。

 

オオタ自動車の現存唯一の車1

これは1959年まで存在していた「オオタ自動車工業」という会社が1936年に造ったという車。

なんと木製だそうだ。信じられん。どこか木造なのだろうか?外装はどうみても金属なのだが、骨格部分なのだろうか?そっちの方が危険な気もするが…。

そして、現存するのは日本ではこの1台のみだそうだ。

 

オオタ自動車の現存唯一の車2

そんな車がいろんな物品に囲まれたり上にラジカセを大量に置かれて、ほとんど見えない。それが残念ではあるが、逆にキチンと見えるように配置するとイラズラで乗られたり窓を割られたりしそうだよね。そういう意味ではこの形態で正解かもしれない。

 

黄金の釈迦如来像

敷地の中央に鎮座するのはスポット名の由来となっている黄金の釈迦如来像。そしてこの空間のラスボスである、たぶん。結構デカい。とある宗教団体が使っていたのを持ってきたらしい。

 

…さて、ここでこの異空間の由来について深掘りしていこう。

大通りの交差するここ熊野町交差点は、2022年に「全国の交通事故発生件数ワースト」となってしまった。この事態に動き出したのが、冒頭にも記載した当時83歳の加藤さんである。

 

イギリス戦艦の大砲

おじいさんは"池袋の不動産王"とも呼ばれ、長者番付にも載るほどの富豪であった。

交差点に面する自分の土地に仏像やホーロー看板などを設置して、ちょっとでも交通事故を減少させようと考えたそうなのだ。これが2023年11月のことだ。

目を引くホーロー看板を置くことと交通事故の減少にどのような因果関係があるのかは、長者番付に一生縁のない僕にはわかりかねるが、ひとまずその後は事実として事故数は減ったらしいぞ。

 

江戸時代の信楽焼タヌキ

2024年の春からは、アニメや映画のキャラクターや骨董品などもドバドバ置かれ、現在の方向性となったらしい。その後もおじいさんは頻繁に物品を運び込み、日々成長する系のスポットとなったのだ。

だからWeb検索すると、どのくらい物品があるかで時期を判定できるよ。

 

佐藤製薬のサトちゃん

2024年11月から、夜間はイルミネーションもされるようになった。電気代は月に15万円らしい。

僕は昼間に対し夜の方が幻想的だと思い、あえて夜に訪問した。昼も夜も行くのが望ましいとは思うんだけど、夜の情景を見れて正解だったと思っている。夏なのにイルミネーション見られるのはユニークでいいよね。

 

京都の寺から持って来た鐘

現在ここに設置されている物品の数は推定で600点、価値は5億円を超えると言われている。

もともとおじいさんは若いころから収集の趣味があり、かつては「歴史発見館」という博物館も営んでおり、その頃の展示物をここにもってきていたりするのだ。

 

ちなみに、ここに展示されている物にはよく見ると値札が貼られている。僕はそこまで細かいところ見なかったけども。つまり望めば購入することができる。

冒頭の通り撤去を検討している状態なので、あなたも何か買ってみてはどうだろうか?僕はお金あるならオート三輪ほしいけどね。

 

 

ファイナルファンタジー(最後の幻想)

 

そんなおじいさんが自由奔放に作り上げたレトロ空間、なぜ2026年6月で撤去してしまうのか。

 

残りわずかな幻想空間1

おじいさん自身しばしばここに来るらしいが、本日はいないのでWebで知った情報がソースだが。

1つはやはりおじいさんが高齢のため。もう1つは、物品にいたずらしたり仏像に登って記念撮影する人がいたりし、このままでは交通事故じゃないところで事故が起きてしまう懸念に気付いたから。何か起こる前に撤去しようってなったらしい。

 

残りわずかな幻想空間2

レトロ空間にはたくさんの監視カメラがあり、おじいさんは常時チェックしている。そんなことをしているので忙しすぎて寝る暇がないとのことだ…。うーん、潤沢な資産があるならば、自身で監視をせずに外注した方がいいかもしれんな…。

 

ところでね、監視カメラの映像はおじいさん自身のFacebookに結構な頻度でUPされる。遠目から解像度の荒い映像で撮影しているのではなく、はっきり顔がわかる解像度でカメラを手動追跡しており、かつ解説テロップまで入れられている。

カップルでの訪問はネタにされやすそうな雰囲気なので注意必要だし、バレたくないならばマスク等をしておくといいと思うよ。ちなみに僕はおじいさんにとってどうでもいい存在だったのか、UPされていない。

 

残りわずかな幻想空間3

ま、それでもメッセージは残しておいた。このメッセージノートがおじいさんのモチベーションだ。僕が書くことで1時間でも延長できれば御の字だ。雨の降る中で少し濡れた紙に傘をさしながら書いたので、字は下手くそだけど。

 

ところで今回は僕以外にここを見学している人はいなかった。

みんな前日である6月25日で最後を迎えたと思っているのかもしれない。それ以降も延長する旨を知っている人はごくわずかであろう。それに、台風近付いていて悪天候だしな。

 

残りわずかな幻想空間4

そんなエアポケットみたいな微妙な日にやってきたのが、この僕であったのだ。

 

もともとは26日から3日間をかけて撤去予定であった異次元レトロ空間。いつまで延長されるのかな?1ヶ月?それとも、さらに長期的に?

よくわからないが、人生をかけてレトログッズを集めてきたおじいさんのファイナルファンタジー(最後の幻想空間)、あなたも見てみるといいと思うのだぜ。

 

熊野町交差点

そして、熊野町交差点の事故が今後も減少することを願っている。

…じゃ、池袋に来たついでどっかでラーメンでも食おうかな…。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 熊野町交差点レトロ空間
  • 住所: 東京都板橋区熊野町11-11-3
  • 料金: 無料
  • 駐車場: なし。付近のコインパーキングを使用のこと
  • 時間: 特になし