すさまじい断崖の小さなくぼみに、ねじ込むように建てられた「投入堂」というお堂がある。そこまで行くのは崖登りに近い相当な危険と労力が伴うために、日本一危険な国宝と呼ばれることもあるそうだ。なにそれ、ハートをくすぐられる。
今回語りたいのは、そんな投入堂を攻略した男たちの熱い物語である。

投入堂に登山するには、以下の条件を満たす必要がある。
- 2名以上で登山すること
- しっかりした滑り止めのある靴を履いていること
- 靴以外の装備も天候や環境に合っていること
- 天気が雨でないこと
- ここが修験者の地であることを理解し敬意を払っていること
上記の詳細はおいおい話す。しかしいやはや、ここまでの道のりは長かったぜ。
実は僕はこれまで2回現地に行って登山できずに挫折しているし、そのうちの第1回については以前に当ブログにて執筆もしている。
その記事が上記だ。僕と一緒にカタルシスを感じるためにも、先に上記を読んでくれると嬉しいが、別に上記を読まずにこの記事を読み進めてくれても充分に嬉しい。要するにどっちでもいい。
- 【プロローグ】2回目の挫折から再起
- 【第1章】審査を無事通過、アドベンチャー幕開け(11:05~11:29)
- 【第2章】もはや崖登り、そして文殊堂の空中回廊(11:30~11:48)
- 【第3章】スリリングな地蔵堂、終盤の胎内くぐり(11:50~12:09)
- 【第4章】念願の投入堂!そのあとの帰路は爆速だ(12:09~12:45)
- 住所・スポット情報
【プロローグ】2回目の挫折から再起
投入堂は「三徳山 三佛寺」内の最奥にあるお堂だ。
僕は上記でリンクを貼った第1回目(2024年10月)の訪問の後、第2回目の訪問(2025年10月)をしている。もちろんそのときも投入堂登山は叶わなかった。

第1回目のときは、1人だったし小雨だった。それでも天気予報では雨が止む予定だったし、Webには「同行者がいることが条件」と書かれていたけども、実は現場ではもうちょっと規制が緩いのではないだろうか…とか思って実際に受付で聞いてみた。
でも、ダメだった。天気予報とは違い雨は止まなかったし、複数名でないと絶対に許可は下りないそうなのだ。キチンとしている。僕が甘かった。じゃあ次回は複数名で来なければね…。

第2回目のときは、2人だった。同行者と数日をかけて山陰を巡る旅をしており、その過程で来たのだ。…ただ、全日かなり晴れていたにもかかわらず、この日だけは小雨であった。
雨雲レーダーによれば雨が止む予定なのだが、まだシトシト小雨が降っていた。でも念のために受付まで行ってみた。
結論、またダメだった。「晴れている日であればその装備でもいいかもしれないが、今日は難易度が高い。登山用のちゃんとしたレインウェアや登山靴、帽子などが無いと許可は出せないね…。」と言われた。
周囲を見ると、投入堂登山をしてきたであろう人は数人いた。しかし受付の人が言う通り、みんなガチ登山装備だ。僕らは場違いであった…。
一応境内の拝観料を払い、本堂の奥にある投入堂登山口の小屋まで行ってみた。
スタッフさんは「スニーカーに縄を巻けば行けないことも無いよ、どうする?」って聞いてきてくれた。でも止めた。今ではないと悟った。

前回同様、下界から投入堂を見上げた。「そして来年こそは…!」と誓った。
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2026年の4月中旬、再び僕は動き出す。
冬場は雪が降るために登山できない投入堂が開山する。暑くなる前、そして梅雨入り前にこの因縁に決着を付けるべきだと考えたのだ。SNSで同行者の募集を行った。

告知から12日後に決行という、なかなかに直前の募集であったが、1.8万人に閲覧され、3名の人が手を挙げてくれた。そしてアレコレあり、2名の人と一緒に投入堂登山することとなった。
当初は天気は微妙で「またリスケかな…」と不安に思ったが、その後天気予報は好転し、快晴予報となった。やった、今回はツイてるぜ。

2026年4月25日、11:00である。
現地で合流した「マークさん」・「如月さん」と共に3人で、少し離れた「投入堂遥拝所」から投入堂を見上げていた。下界から投入堂を見られる唯一の場所なのだ。最初にゴールを確認しておきたいだろ?胸、高鳴るだろ?
そして境内に近い大駐車場で3人、登山準備を整える。いい気候なので駐車場はかなり埋まっている。登山するであろう人々も多い。今日は良い日になりそうだ。
【第1章】審査を無事通過、アドベンチャー幕開け(11:05~11:29)
僕ら3人は、駐車場から境内に入る受付に向かって歩き出す。

マークさんは本格的な登山経験もあり、装備もバッチリでヘルメットにはGoProも付けていた。本気だ。肉体も仕上がっていた。たぶんケンカしたら秒殺される。
如月さんはひょうひょうとした感じだし装備も最低限だけども、元登山部であった。力みすぎず、でも油断もせず、物事を見極めている人間の雰囲気を感じさせた。
僕は…。ただのインドア眼鏡だ。発起人として「おめぇら、最低限の装備と体力持ってこいやー!」みたいな募集を出したけども、すみません僕、両方ありません。スニーカーの靴底も申し訳程度の溝。
これは2人に迷惑かけちゃうかもしれないよ。とりあえずあらかじめ2人に「すみませんすみません」と言っておきながら、受付に向かった。ヤベーっしょ。

受付だ。僕にとってはここは過去2回、登山を拒否された渋い思い出の地だ。
ドキドキしながらお馴染みの受付の人に声をかける。そしていつものように「とりあえず靴底を見せてください」の声に従う。不安のあった僕のスニーカーの靴底であるが、受付の人からは「今日は気候もいいのでその靴であれば充分です。あとは、修験の地なので感謝の気持ちを忘れずに。」とニッコリしたリアクションをもらった。
よかった、第1関門クリアだ。マークさんと如月さんは僕よりずっといい靴を履いてきているので楽勝だった。

本堂で参拝をし、その裏の投入堂登山口の小屋に向かう。その際に上記の写真を撮影した。
登山口から投入堂までは、一般的に往復で1時間半~2時間と言われている。その行程のほとんどがエグいレベルの上り坂だ。先ほど下界から投入堂を見上げた通り、平面上の距離はほとんどないのだ。工程の大部分は縦移動なのである。

ここで登山の受付をする。登山用の料金を払い、そして登山届を記帳。
再度靴底チェックをされ、OKを出してもらえた。ちなみにNGであったとしても、前述の通り靴に縄を巻いたりだとか、わらじを購入して登ることができる。なので、靴については現地で何とかなると思うよ。
今日は晴れていて道もドライなので、靴底チェックも少し緩かったかもしれぬ。
「六根清浄」と書かれた3名分のたすきを受け取った。これをかけて登山する。

11:29、軍手を装着し、たすきをかけると「じゃあ行きますか」と僕は言った。
【第2章】もはや崖登り、そして文殊堂の空中回廊(11:30~11:48)
登山口のすぐ裏には、「宿入橋」という橋がある。小さいけれども最初の見どころ。

フォーメーションは、前から「如月さん・僕・マーク」さんとした。本来の登山パーティは「サブリーダー・下っ端・リーダー」の順であり、もしかしたらそのルールに沿うのであれば如月さんとマークさんの位置は逆かもしれない。
でも、僕が真ん中であることが大事なのだ。2人に守ってもらいたい。

小さなやぐら、「十一面観音堂」が出てきた。修験の道なので、こういうお堂がゴールまでの間に無数にある。こういうのが1つあるだけで、なんだかこの行程が神聖な感じがして、気が引き締まるよね。
「みんなところどころで写真撮りたいだろうから、適当に声かけあって思い思いの場所で写真撮れるスタンスで行きましょう」と言った。
マークさんと登山時の休憩の取り方の話をし、僕は「立ち止まると逆に疲れるタイプなので基本休憩なし、もし休憩するにしても一瞬だけ立ったまま」と答え、絶句された。
そうなのだ。僕は座り込むともう一生立てなくなるのだ。だから登山するなら一気に行きたい派。

前を行く如月さんが「おぉ、いきなり来ましたねぇ…」みたいに言っている。
すんごい急斜面が来た。「むしろこれ、道だと言えるのか…?」ってレベルだ。最初の洗礼だ。
ワクワクするぜ。ひょいひょい登っていく如月さんの後に続いて、僕もガシガシ登って行った。アスレチックのようで楽しい。しかしもしこれが雨で木々が濡れていたら、途方もなく滑っていたであろう。この天気には感謝しかない。

しばらく「かずら坂」というダラダラした登りが続いた後、「文殊堂」に続く「クサリ坂」が現れた。これは坂ではない、崖だ。上の写真、遥か前方に文殊堂が見えているのがわかるかな?
ロープを掴んで登っていく。僕は体力は3人の中で一番無いかもしれないが、縦移動、特に登りには強い。足だけではなく、手にも負荷を分散できるから。それに"三点支持"もキッチリやれるので、足元不安定だろうが急であろうが、別にあまり懸念は無い。

ロープは複数名で同時に使うと危険なので、順番に登る。ところで、この区間は登りと下りはルートが分かれていたよ。なので対抗者のことを考える必要はない。
これは最後にやってくるマークさんを見下ろした写真だ。すんごいゴツいカメラを所持しているので、荷物は重そうだな…。

逆側、文殊堂を見上げた写真がこれ。京都の「清水寺」の舞台と同じように、懸造りのお堂だ。懸造り、好きだ。たぶん子供の頃のジャングルジムの延長として好きなのだろう。

文殊堂の脇スレスレのところに鎖場があり、これで文殊堂へと登っていく。これも1人1人登った方が良い区間だ。前を行く如月さんに続いて駆け上った。
文殊堂到着。如月さんは息ひとつ切らしていなくて冷静沈着。軍手もしておらず素手で、ほとんど手を使わずにここまで来ている。
僕は軍手をした両手をフル活用し、「登るの楽しすぎ―!」っていう若干壊れたテンションであった。疲労感がマヒするほどに喜んでいる。
マークさんは「2人ともすごい…!」とか言っているが、たぶん動画含め一番撮影しているし、そもそもこのペースで3人がほぼ同時にここまで来れている時点で、みんなすごいんだと思う。

3人で「文殊堂、見学する…?」と話した。もちろん見学したい。お堂の中は見れないが、お堂の周囲をグルッと取り巻いている回廊を一周歩くことができるのだ。
靴を脱いで回廊に上がる。いやぁ絶景だね!でも回廊狭いし、なんだったらちょっとだけ外側に向かって傾斜しているので、高所恐怖症の人には厳しいかもね。ましてやここまでの登りでヒザがガクガクしている人は、転げ落ちるかもよ。

わぁーー、山がどこまでも連なっている。春の山、綺麗すぎる。風も清々しい。
手前に見えているのは下山ルートの人たち。下山ルートのこの先の情景は終盤で説明するけども、下りもなかなかにエグいよ。ただし、登りも下りもこの文殊堂直下が一番ハード。これを乗り切れる技術があるならば、後の問題は体力だけだよ。

はい、一周完了。それでは次のステージに進もう。
【第3章】スリリングな地蔵堂、終盤の胎内くぐり(11:50~12:09)
相変わらず如月さんがホイホイ進んでいく。
「自分の住むエリアは山岳地帯であり、70過ぎのじいちゃんでもすごいペースで山を登っていく」とか言ってて、マークさんと2人「すげー…!」と感嘆した。こうしてよっぽどの鎖場以外は、3人で和気あいあいと会話しながら登っていたのだ。

文殊堂と似たようなビジュアルの「地蔵堂」が頭上に見えてきた。一気に上る。
そしてここも文殊堂と同じく回廊を歩けるようなので、もちろんここも見ていくことにした。他の登山者が多いし、インバウンドの人のグループなどもいて、かなりワチャワチャ賑わっている。

すれ違いはギリギリだ。落ちたらゲームオーバーなので、気を付けなければならない。
ところで僕は回廊を歩きながらなんとなく気付く。今いるこの山、もうそんなに上が無さそうなのだ。もしかして既に全行程の3分の2くらいは登っている?知りたいのだが、発起人のくせにあまり事前勉強をしていないので、ここが全体の行程のどの辺なのかよくわからない。
しかし、疲れはほとんど感じていないし、回廊を歩いているわずかな時間で呼吸も整ってきている。全然まだまだ楽勝だ。

カメラを思いっきりズームすると、最初に僕ら3人が出会った駐車場が見えた。おぉ、見えるのか。…ってことは、向こうからも地蔵堂が見えていたのだろうなぁ。全然気づかなかったよ。

あぁ、山が綺麗だなぁ。さっきの文殊堂より、さらに視界が広くなった。
マークさんに「僕らは最高の時期に来ているのではないかね?日が長く、暑くも寒くもないのは春。その中でも快晴の週末って、そうそうないよね。」と語りかけた。リベンジが嬉しいのだ。
マークさんも以前よりここに来たかったそうで、いろいろタイトな予定の中で「このチャンスに乗るべし」と僕の募集に手を挙げてくれたそうだ。如月さんもずっと前から投入堂に興味を持っていたらしい。
全員バラバラの地方に住んでいるのに、こうして1つの目的の元に集結するのが嬉しいねぇ。

地蔵堂からは、インバウンドグループの後に続いてゆっくりと登る。すぐに「鐘楼堂」が出てきた。実際に鐘を撞くことができるのだ。なるほど、だからさっき地蔵堂にいたとき、頭上からゴインゴインと鐘の音が聞こえていたのだね。
登山開始からここまで、ちょうど30分だ。
マークさんが「鐘を撞きつつその下を潜り抜けるという、ユニークなコースです」と教えてくれた。そっか、ありがとうございます。僕、全く調べてなかったや…。
インバウンドの人たちが物珍しそうにお互い撮影しつつ1人1人鐘を撞いているので、ここで数分待ち時間だ。

そして僕の番。鐘を撞いた。この鐘を撞くときの態勢、実は立つことができなくって梁の上に腰かけた状態から撞くのだ。ちょいと不安定だが面白い。てゆーか、こんな何トンもある鉄塊をどうやってここまで運んできたのだろうね…。
その後は鐘の真下を潜り抜けて、写真の奥側から登山路に入る。

おっ、ナイフエッジだ。この地形好き。バランスを取りながらトトト…ッて進む。
マークさんが「この後は胎内くぐりがあって、そして間もなくゴールの投入堂です」と教えてくれた。どうやらこの先はもう登りは無いらしい。
そうなの?こちとらまだスタミナ余裕な感じなんですけど?それとも脳内麻薬ドバドバでパキッているだけで、一息ついたところでバッタリ倒れたりするのかな、僕?

如月さんも余裕綽々で、水すら飲む気配がない。近所の散歩みたいに進んでいる。「ちょっとコンビニ行ってくるわ」的な雰囲気で、肩掛けバッグに片手にスマホなのだ。先輩すげぇっす。
すぐに投入堂前の最後のスポット、「観音堂」が現れた。

断崖に建っているお堂の手前側から奥側に行くのだけども、お堂の前面には道が無い。従い、こうしてお堂の裏側の崖スレスレのところを進むのだ。これが胎内くぐり。
独特なルートであるが、こうして崖ギリギリにお堂を建てたのもすごいよねぇ。資材を下界から運んできた人たち、これを建てた宮大工、すごすぎる。

はい、これで胎内くぐり終了。右手に見えている小さな社は、たぶん「元結掛堂」。
じゃあ、胎内を抜けたところで観音堂を振り返ってみようか?観音堂と胎内くぐりの立地を把握するには、抜けた後に振り替える構図の方が良いのだ。

こんな感じ。右奥から来て左手前に抜けた。お堂の前面に道を造りようがないの、よくわかるよね。しかし繰り返しになるけどさ、崖の中腹の洞穴によくピッタリとお堂造ったよね。
あと、わかりづらいけどもこの写真、右奥の遊歩道に納経堂も見えているんだぜ。

そこからわずか数10秒だ。あれ、なんだかもうそろそろ投入堂が出てくる気配…?って思っていたら、すぐに見えてきた。わぁー、着いた!
地蔵堂のところからのインバウンドグループと共に、ゾロゾロ歩きながら着いた。
【第4章】念願の投入堂!そのあとの帰路は爆速だ(12:09~12:45)
12:09、投入堂に到着した。登山開始からは40分。途中で文殊堂・地蔵堂を見学したり、鐘を撞く時間を待っていることを鑑みると、歩行時間は30分程だろうか。

わりと急な斜面から、崖に建てられた投入堂を眺める。
あ、実は投入堂の中を見学することはできない。足元まで行くことはできない。このように20mほど離れたところから見るのがゴールなのだ。それでもここまで登る価値は1000%ある。
投入堂から少し離れた右手に見えているのは「不動堂」だ。

投入れ堂の正面や側面には入口は無い。
ごくごく一部の、あそこまで行く必要のある人は、まずは手前に見えている崖を伝って投入堂の真下まで行く。そのあとは裏側に回り込むのだ。そこには小さな扉があり、中に入れるという。
投入堂の左に見えている小さな社は「愛染堂」だよ。

伝説では『役行者が法力でお堂を手のひらに乗るほどに小さくし、断崖に投げ入れた』とされているけども、もちろん実際は誰かが頑張って建てたのだろう。
最初に建てられたのは1300年前の平安時代だと言われている。当時の技術で、あんなところにあんな不安定なお堂をどうやって建てたのか、現代でも解明されていないらしい。
それでも、何度も修復をしながら現代に至っているだろう。修復する人もすごい。現代の技術を持ってしても、きっと命がけであろう。

この2本の柱を見てくれ。ヤベェとしか言えない。
岩に穴をあけて柱を差し込み、それを軸にお堂を建てるならまだわかる。しかし、これってくぼみに柱を置いているだけだよね。右上の方の柱とか、マジギリギリ。
おそらくはお堂の重みでガッチリと支えらえれており、ズレることもないのであろう。でも、最初に建てるときにどうやってこの柱を支えたんだよ、って話だよね。僕は頭が弱いので全然わからん。

投入堂と愛染堂をズーム撮影してみた。木材だけを使っており、簡素なデザインではあるが趣深い。
3人で「おすもうさんが数人でジャンプしたら底が抜けて崩壊しそうだね」とか、「おすもうさんが柱にぶちかましをしたらバラバラになるだろうね」って話した。おすもうさんは最強なのだ。陸上生物最強。たぶん。
短いし画角を変えることもできないのでシンプルだけども、動画も撮影したので見てほしい。
だってさ、おそらくは一生で一度の投入堂。なるべく悔いのないかたちで、いろんな記録を残しておきたいと思ったのだよ。

写真を撮るマークさんと如月さんの後ろ姿。
あぁ、今回はこの2人とここに来れてよかったなぁ。3人が3人共に初対面。SNSを介する出会いは場合によっては危険性も孕んでいるかもしれないけど、僕が今までSNSで知り合って直接会ったことのある人は、みんないい人だ。すごく感謝。

如月さんとの2ショットだ。出会ってからまだほんの1時間ちょいだが、既に僕の中では頼れる山の先輩になっていた。
…じゃ、そろそろ下山しますかねぇ…?最後に投入堂を振り返って別れを告げ、12:19に下山を開始した。つまりは投入堂前での滞在時間は10分であった。

8分後、地蔵堂を経由して文殊堂まで降りて来ていた。下りは早いな、やっぱ。
なんか気付けば下りは僕が先頭に取って代わっていた。そういえば投入堂出発時から僕がこのポジショニングだ。元気が空回りしてガッツいていたのかもしれない。

さて、前半に「ここからの鎖場の下り専用ルートを紹介する予定」って書いたよね。それをお見せしようと思う。
まず30cmくらいの狭い足場をカニ歩きで進む。体は鎖を掴んで支える…って感じのエリアだ。少しスリリングで楽しいぜ。

鎖を掴みながら大岩を回り込むと、懸造りの文殊堂の足の部分が眼前に現れた。
いい眺めだ。上りはお堂の向こう側、そして下りはこっち側だ。

懸造りの最後の柱まで来たら、その柱を掴んで遠心力で右側に回り込むそういうルール。
そしたらそこから、2筋の鎖が垂れ下がる崖が登場する。行きでもこれと並行する崖登りが一番の難関だったが、帰路の最後の難関も同じくこのゾーンなのである。

まずは僕がサルのようにスルスルと下り、そして如月さんが続く。どうだい、すごい傾斜だろう。
投入堂の装備として軍手は必須ではないが、僕はみんな絶対持っていた方がいいと思うよ。両手も気兼ねなく使用できると、確実に難易度が下がるから。
さらにマークさんも降りてきて、3人ともクリアだ。

マークさんは数週間後に北海道の「太田山神社」に行くという。
こことどっちがハードなのか、行ったら感想を聞かせてもらえるように頼んだ。僕としては"日本一困難な参拝"と言われる太田山神社の方が3倍キツかったけど、どうかなぁ…。短い期間で2つ行けるマークさんの感想を聞きたい。
もしこれを読むあなたが短期間で両方行くなら、感想を聞かせてね。後日談だが、マークさんは太田山神社の方がずっとハードだったと言っていたよ。仲間。

登山口の最初に出てきた宿入橋だ。ゴール!!すっごい楽しかった!!
下りは25分だった。トークしながらだったので、登りの歩行時間とそこまで差は開かなかったねぇ。登山を開始したのは11:30だったので、往復で1時間15分だ。

登山口の小屋。六根清浄をたすきを返却し、下山届に記帳をした。
スタッフさんは入山時刻順に並んでいる入山届から僕らを探そうとした。僕が「いや、そんな前の時刻じゃないです。11時半くらいに入りました。」と言うと、「えっ、そんな速いタイムで…!」と驚かれた。
12:52、最初の受付を通過。三徳山 三佛寺の境内を出た。
そしてさらに数分後の最初の駐車場。ここでマークさん・如月さんと最後に談笑した。
出会ってわずか2時間。それでも、この2時間は僕の人生にとってなんと貴重でありがたいことか。お二人には感謝しかない。楽しい時間をありがとう。

そして3人は別々の手段で別々の道を歩んでいく。僕もこれから山を越えて岡山県に行く。
今後二度と会わないかもしれない。しかしどこかでまた巡り合うかもしれない。そんな不確実な希望を追いかけるのが旅人だよね?
以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。
住所・スポット情報
- 名称: 三徳山 三佛寺
- 住所: 鳥取県東伯郡三朝町三徳1010
- 料金: ¥1200
- 駐車場: あり
- 時間: 8:00~17:00