僕は日本国内の一般人の行ける東西南北端を制覇しているし、本土の東西南北端も行っているし、北海道・本州・四国・九州それぞれの東西南北端も踏んでいる。
そんな特異な性癖を持つ僕であるが、実は鉄道駅の本土東西南北端も踏んでいるんだよ。車旅の人であり、乗り鉄でも撮り鉄でもないのだが、どうやら”端鉄(はじてつ)”だったみたいだ。なにそれ。

そんな僕が本土最南端の鉄道駅である、「西大山駅」を訪問した時の話でもしよっか。
【日本2周目】【日本4周目】最南端の駅に立つ夢
最初に西大山駅を目指したのは、ずいぶん昔の日本2周目の頃であった。
薩摩半島最南端の「長崎鼻」を踏んだあと、僕はウワサに聞いたことのあるJR日本最南端の西大山駅を目指したのだ。「鉄道関係にはあまり興味ないけど、ちょっと見ていこうかな?」くらいな感覚で目指した。
駅の詳しい場所は知らないけど、標識も出てきたのでそれに沿って進んだ。
しかしたどりつけなかった。標識に沿って進んだつもりだが、わりと道が狭くてさ、僕の愛車であるステップワゴンでは擦れ違いも難しいほどで。そのまま進んだら、なんかトラクターとかが通る農道に出てしまったりして。

開聞岳を眺める「池田湖」。駅を諦めた僕はその池田湖で夕日を眺め、「まぁいいや、そこまで時間をかけてまで行きたいスポットでもないし。」と自分に言い聞かせた。
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数年後、僕は西大山駅を改めて目指すために戻って来た。

前回経験した通り、駅を示す標識が途中で消えるのでわかりづらかったんだけど、線路を目視しながら進めば難なく辿り着けることに気付いた。
前回の僕はアホだったのだ。駅なんだから線路沿いに進めば絶対に見つかるのだ。それに気づいただけ、僕は成長したのだ。すごいすごい。嬉しい。
全景はこんな感じだ。ホームと屋根があるだけの小さな駅。ロータリーには黄色いレトロなポストがある。その背後にドーンと開聞岳。ステキ。

指宿枕崎線の駅。駅舎も無い無人駅なので、普通にホームに入ることができる。
ホームには10人くらいの人がいて、みんな観光客なのか写真を撮りまくっていたよ。まだ朝なのだが、みんな端っこ駅が大好きなのだな。ロケーション素敵だしな。
ずーっと長いこと日本最南端の駅だったこの駅。2003年に沖縄にゆいレールができたことで、日本最南端ではなくなってしまった。だから頭に"JR"ってつけたんだね。ただし、今ででも軌道上を走る電車の駅としては日本最南端なのだよ。

ホームに入ってみた。観光客が一様に線路の向こう側に熱い視線を送っている。
これは単に開聞岳を眺めているのではない。たぶん、もうすぐ向こうから電車が来るのだ。だとするならば、いいタイミングかもしれないな。

ホームの端には『JR日本最南端の駅』という標柱が立っている。そしてその背景には開聞岳。この構図、有名だよね。僕もこれまでWebサイトやガイドブックで見たことがある。晴れた気持ちのいい日に、そこに僕自身が立てたことが嬉しい。
もうすぐ電車が来るかもしれないので、この写真を撮った後は僕は先客に配慮して後列にて待ち構えることにした。カタン、カタン…。遠くから電車の走ってくる音が響く。

来たーーッ!!
1日に8本ほどしか来ない、1輌編成の小さな電車が開聞岳をバックに西大山駅にやってきた。おぉー!このタイミング、嬉しいよー!!
そんなハッピーな出会いが現実となった初秋のある日の思い出だった。
【日本5周目】西日の中の静かなホーム
日本5周目の春のことだ。九州の南半分を周遊するドライブをしていた僕は、その工程の中で再び西大山駅を目指すこととした。

これは西大山駅を目指す直前の、薩摩半島最南端の長崎鼻だ。晴れではあるが、雲が多くて開聞岳が全然見えなかった。
ここも雲さえなければ開聞岳のすんごいビューポイントなんだけどね。でも、この日は朝からずっと曇っていたのだ。ここでこれだけの青空が見えただけでも奇跡に等しい。
あ、ところで長崎鼻には足しげく通っているので、いずれブログには長崎鼻の個別記事を書きたいと思っているよ。

そして西大山駅に向かう。農道に近い道のりではあるが、かつて道に迷ったのは何だったのかというくらいに順調なアプローチだな。
まだ開聞岳は見えないものの、空の多くは青空で締められるようになってきた。

西大山駅に到着した。開聞岳、なんどか裾野だけは見えるようになった。開聞岳付近だけ雲が残っているのは残念であるが、そこに存在しているということならわかる。
それだけでもインパクトのある存在だよね。こんな回があってもいいじゃないかって思うよ。

そこから振り返れば、ご覧の通りかなりの青空なんだけどもね。
電車はしばらく来ないみたいだ。西日がやわらかく染める、静かなホームであった。
このあと、少しだけ周辺を散策した。目立った建物は漬物工場と「かいもん市場久太郎」という商店くらい。この商店は覗いていないが、明治45年創業の漬物工場の漬物を売っている、すごいお店らしい。そして西大山駅到達証明書を発行してくれると聞いている。
興味のある方は思い出に購入すると良いかと思うぞ。僕もかつては日本の突端岬の到達証明書など、かなりそろえた時期がある。

ところで、"秘境駅"という言葉を世に広めた、僕の敬愛する「牛山隆信さん」のランキングによれば、この西大山駅は第138位となっている。
近くに国道も走っているので車でのアプローチはラクだし人家もあるのだが、列車到達難易度がやや高いことでこの順位に食い込んでいる様子だ。いずれにしても、ホームから眺める雄大な光景は、秘境と言っても過言ではないかもしれないな。
【日本7周目】後光射す中で現れた列車
昨年である2025年、日本7周目にて久々に西大山駅を再訪することとした。またもや夕方の訪問。

これが駐車場と愛車。背後には先ほども触れた、かいもん市場久太郎が写っているね。
時刻表を見ると、20分後くらいに電車が来るらしい。せっかくなので駅でゆっくり過ごしながらその列車の到着までを過ごしてみることとした。

ホームには日本地図が掲示してあり、JRの東西南北四端の駅の名前と場所が示されている。
最北端は北海道の稚内駅だ。10数年前にピッカピカにリニューアルして、それまでのローカル感はなくなってしまったが、それはそれで便利でいい施設になったし地元の方々は大喜びしたと聞いている。
最西端は長崎県の佐世保駅だ。僕も訪問して最先端の碑と共に記念撮影したことがある。
留意すべきは、あくまで"JRの"最西端という点だ。鉄道駅としての本堂最西端は、同じ長崎県の「たびら平戸口駅」なのだ。
たびら平戸口駅については上記でブログ執筆済みなので、端鉄の方は参考にしてほしい。
さて、残る本土最東端の駅であるが…ー

ちょっと前までは東根室駅だったのだ。もちろん行ったことある。
しかし2025年3月15日に利用者不足のために廃駅となってしまい、かわりに最東端は根室駅となった。実は、今回の西大山駅訪問のほんの1週間ほど前の話だ。
「こんな古めかしい日本地図で、ほんの1週間前の出来事なんて反映されていないよな」って思ったら、ご覧の通りしっかりと説明付きで最東端駅が根室駅に更新されていた。仕事早いな。もうちょっと東根室駅廃止の余韻に浸らせてほしかったぜ。

西日、すんごい。開聞岳が綺麗なのだが眩しくって目を開けられないほどだ。手前の黄色いポストもほとんど見えないほどの逆光だ。
それでも、ホームのJR日本最西端の碑の前には多くの観光客がいて、かわるがわる写真撮影をしているのはわかる。やっぱ人気だな、ここ。

僕も記念撮影の人たちの隙間に潜り、いつもの構図で撮影した。相変わらず美しい駅だな。開聞岳方面に続く線路がすごく旅情を感じさせる。
事前にホームに待機している人たちのすぐ後ろくらいで、列車がやってくるのを待つ。
時刻表通り、僕が駅に来てから20分後に列車走行音が聞こえてきた。

なるほど、ちょっと撮影場所を失敗したかな…って思った。
列車が大きすぎて開聞岳の雄大さが表現できていない。なるべくホームの前方でスタンバイしようと前のめりなマインドであったが、逆に後方で構えていた方が良かったかもしれない。あるいは、ここまで列車が接近しないうちに、早めにシャッターを切った方が良かったかな?

短い時間だが列車は駅に停車する。Wikipediaによれば、約10年程前の2015年時点では1日の乗車人数が40人台という、利用者数もやや控えめな駅だ。
列車、結構年季が入っていてバッキバキだね。詳しくないのでそれ以上のことは全然わからないけど。でも、個人的にはスタイリッシュな車両よりも、昭和を感じさせるこういうデザインの方が好きなんだ。

そしてゆっくりと駅を出発する列車。順光なので青空の中に吸い込まれていく。

あ、ホームのミラーも一緒にフレームに入れれば、去り行く列車と西日を放つ開聞岳を一緒に撮影できることに気付いた。
…こうして列車は見えなくなり、観光客たちも続々と駅を去っていく。
ちょっとしたイベントを目撃できて心が満ち足りた。それでは残りわずかな日中の時間を大事にしつつ、この後もギリギリまで走りまくり観光しまくろうか。
愛車に乗り込み、エンジンをかけた。
以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。
住所・スポット情報
- 名称: 西大山駅
- 住所: 鹿児島県指宿市山川大山
- 料金: 無料
- 駐車場: あり
- 時間: 特になし