能登半島の西側、いわゆる外浦にあるドライブイン「ロードパーク女の浦(めのうら)」の話をしたい。
ここは海ギリギリの崖の上にあり、「鷹の巣岩」や「巌門」といった外浦の奇岩を臨む絶景スポットにあるお店なのだ。
80代のおばあちゃんが営んでいるなかなかにレトロなドライブインなのだが、そこで食べた能登ラーメンという名の海鮮ラーメンがなかなか味わい深くってね。今夜はあなたにその話をしたい。

ただ、このドライブインは冬の間は休業しているようだから気を付けてね。
行くのであればまさに今の季節である、春に目指すと最高だと思うよ。もちろん夏も秋もいいけどね。あぁ、僕もまた行きてぇなぁ、能登半島!
まずは鷹の巣岩の話をしようじゃないかと
ロードパーク女の浦の話をする前に、その目の前の海にズドンと聳える奇岩鷹の巣岩の話をしておきたい。

なぜなら僕がロードパーク女の浦を初めて訪問したのは日本7周目に入ってからの2024年なのだが、鷹の巣岩はその20年くらい前から眺めている。ロードパーク女の浦の駐車場から眺めている。
そこから話した方が、カタルシスを感じられるかなって思ってさ。

僕はこの鷹の巣岩には、日本1周目の第2回目のドライブにて到達している。生まれて初めてまともに日本海を眺めたときのドライブだ。ただ、そんな昔の写真まで引っ張り出したら記事がマッチョになりすぎるので、2010年の写真から順にポチポチ貼り付けたい。
上の写真は2010年の1月にドライブインの外で出会った犬だ。たぶんロードパーク女の浦のわんちゃん。エリザベスカーラーしていた。そんで結構吠えられた。

2007年の能登半島地震の影響なのかな?ドライブインの駐車場の海ギリギリの部分は亀裂が入っていた。このときの地震で、「ヤセの断崖」や「関野鼻」といった外浦の景勝地、かなり崩れて見栄えが変わってしまったよね…。

海が近いので駐車場には車だけではなく漁船も停まる…、ワケはないのだが、なんか置いてあったりする。右側は当時の僕の愛車のHUMMER_H3だ。
それと、このときには今までの写真にあった『鷹の巣岩』の看板がなくなっていたね。

さて、鷹の巣岩とは。
"能登金剛"と呼ばれる能登半島外浦の数々の奇岩の1つである。高さは27mある、縦に細長い形状の岩だ。「その岩の上に行けるのは鷹だけだから」・「鷹が頭頂部に巣を作っていたから」っていうのが名前の由来だとされている。
これを眺める方法は2つあって、1つは僕のようにロードパーク女の浦の駐車場兼展望台から見下ろす方法だ。もう1つは、巌門遊歩道を歩いて下から見上げる方法だ。

巌門についてはまたいつか別記事で触れたいが、巨大なアーチ状の奇岩である。
実は鷹の巣岩の右側に写っている岩肌が巌門の一部なのだが、ここからでは角度的にアーチが見えないので、言われても巌門だとは気づかないよね。
巌門の遊歩道にて穴の中を通過し、さらに少し南側に歩くと鷹の巣岩を見上げることができるんだよ。
あ、2018年になったらまた看板が復活したね。真新しい。早速文字が一部剥げちゃってはいるけども、そこはまぁ、ドンマイということで。

以上のように、僕はこれまで何度も何度も鷹の巣岩の写真を撮って来た。
しかしかつて一度も、後ろを振り返ってロードパーク女の浦の建物の写真は撮っていなかったのだ。むしろほとんど気にすらしていなかったのだ…。
それでは、そろそろ本題のロードパーク女の浦の話に入っていこう。
絶メシ店ロードパーク女の浦を待望の訪問
鷹の巣岩ばかりを眺めていた僕が、ちゃんとロードパーク女の浦に向き合う話をしよう。そのきかっけとなったのは、TVドラマ「絶メシロード」だ。
2020年にseason1が放送された、絶滅しそうな絶品メシを巡るドラマだ。そこでこのお店が登場した。見ていた僕は「あ"ーー!知ってる!でも入って食べたことは無い!」って叫び、そしてフォトアルバムを見て過去一度も写真を撮っていないことに気付いた。こんなに悔しいことってあるかい?
だから行かねばならないのだ。2024年の、冬が近づくギリギリの時期に行ったのだ。
ちなみに、season1で登場した絶メシ店については、上記の「特集」に掲載されているので、興味があったらドラマと共に見てほしい。

いつもと同じ位置から後ろを振り返る。これがロードパーク女の浦だ。
視線を変えるだけで風景は変わる。当たり前だ。だがそれが新しい発見となり、体験となり、人生はより深みを増していくんだ。ようやく来れたよ、今までゴメン。
昼の12時であるが、冬間近なので太陽高度はすごく低い。なんだかドライブインから後光が射しているみたいになっている。じゃ、入ろう。

店内は大きく2つのブースに分かれている。入って右手がレストラン、左手がお土産って感じだった。上の写真は右のレストラン方面を撮影したものだ。左にテーブル、右にカウンター、奥に小上がりの席がある。
店内、見る限り誰もいない。レストランにもお土産コーナーにも。お客さんも店員さんも。
「すみませーん!」と声を出すと、高齢のおばあちゃんが奥から出てきた。店主のおばあちゃんだ。TV絶メシロードでももちろん、このおばあちゃん役の人がメインキャラクターで登場している。

「どちらでもどうぞ」と言われたので、テーブル席に着陸した。
メニューを見る。もともと名物と言われている能登ラーメンを食べようと決めているのだが、念のためのチェックだ。他にも刺身定食・海鮮丼・カレーなどがある。土地柄、海鮮系が中心だな、やっぱ。
その中で目についたものがある。能登ラーメン定食。お刺身とライス(小)がついて1000円だそうだ。僕はやや少食なのでラーメンがあればそれなりにお腹は満たされるのだが、またいつ来れるかわからないお店。せっかくなのでセットにしようか。

メニューが来るまで、少し店内を見て回ろうか。
まずはこれは、僕が座っている位置からの店内の様子だ。左にはカウンター席がチラリと映っている。中央のテーブルには水槽などがたくさん陳列されている。直接ビジネスに関係のない水槽を特等席に配置するのはなぜ?気になる気になる。
右にはお土産コーナーが見えている。…という感じで、情報量が多め。

中央の水槽を覗いてみた。金魚いっぱい。下段から関連備品が丸見えではあるが、こういうのも含めてお店の渋い雰囲気を演出してくれていると思う。
魚っていいよね。一生眺めていられる。

お土産コーナーは、完全に時間が止まっているように感じた。
失礼ながら、「ここでお土産を買うシチュエーションってなんだろう…?」って思った。今のご時世、道の駅も充実しているしな。たまたまこのドライブインに吸い込まれてご飯食べて、そのついでにお土産を眺めてて、たまたま琴線に触れたものがあったときくらいか…?
今の僕、まさにその可能性に触れている状態だけどな。

そんなこともあって、売っているものは食品が無く、無限に日持ちするもののみだ。なんだか骨董品のようにお店になじんでいる。
うん、その通りだ。このコーナーは資料館・展示館みたいなテンションで眺めるのがいいな。気に入ったものがあったら買うこともできる資料館。
能登ラーメン定食は日本海を凝縮した一品
オーダーからおよそ10分。能登ラーメン定食が出てきた。
Webの口コミとかを見ると「提供されるまで40分かかった」とかってコメントが散見されるけど、僕の場合は10分だったよ。他にお客さんがいなかったことと、僕がイケメンだったことの2つがその理由かな。

先ほども書いたけど、定食とはご飯とお刺身とお漬物がつく状態を意味するそうだ。ラーメンライスだ。さらには刺身だ。斬新!なんて貴重なエクスペリエンス!
まずは能登ラーメンだ。ワカメたっぷり、そしてイカゲソを煮たものとカニカマがトッピングされている。
スープを一口飲む。やや甘口の醤油ベースのようだ。そこに海鮮からの塩味が溶け出し、絶妙な味わいになっている。例えると、醤油ラーメンに煮魚のたれを小さじ1杯入れたような感じかもしれない。

50年近く続くこのドライブイン。20年ほど前に亡くなってしまったご主人が開店させ、おばあちゃんは「なぜこんな辺鄙な場所に…」って不満を覚えたこともあったけども、2人で長らく続けてきたそうだ。
ラーメンは最初は不評でメニューから消えてしまった時期もあったんだけど、常連さん等から「やっぱドライブインというからにはラーメンを食べたい」という声が多く、復活させたものだ。
うまいよ。不満が思い浮かばない。日本海を五感で味わっているぜ、僕。

そしてタコのお刺身。プリプリで歯ごたえ最高だ。
ここのドライブインは海鮮丼も名物であり、朝に仕入れた新鮮な海鮮を提供してくれるらしい。次にまた機会があったら、そのときは海鮮丼かな。
ここの野菜はおばあちゃんによる自家製が多いし、ワカメや魚類もおばあちゃんが自ら干したりしているそうだよ。ドライブインのクオリティを老がしているだろ、それ。
完食。ライスまでも食べたので、さすがに腹いっぱいだ。大満足すぎる。

TVドラマ絶メシロードのポスターはなかったけど、「石川_絶メシリスト」のポスターはあった。石川県内の絶メシしてしまいそうな絶品メシを取り扱っているWebサイトのポスターだ。
もともと”絶メシリスト"っていう言葉やWebサイトは群馬県高崎市で誕生し、それをモチーフにドラマ化したのが絶メシロードなんだよ。

ロードパーク女の浦のおばあちゃんも右下にいる。たぶん持っているのは能登ラーメン。
20年ほど前にご主人が亡くなり元気を無くしてしまったけれども、近所の人がお店の営業を手伝ってくれたりして、今日に至っているそうだ。
2024年の元旦に発生した能登半島地震では大きな被害こそなかったものの、「こんな能登に観光客は来てくれるのだろうか…」と、春からの営業再開を躊躇したそうだ。それでもみんなの励ましで、こうして営業再開してくれた。

営業再開してくれたからこそ、2024年内に僕もここに来れた。もし地震が要因で廃業となってしまっていたら、悔やんでも悔やみきれなかっただろう。
おばあちゃんにお礼を言い、お店を出た。目の前に広がる冬直前の日本海は本当に綺麗だ。少しだけ景色を眺めてから出発しようか。

お店を振り返る。『売店 珍しい貝』の看板が絶妙に刺さった。なるほど、確かにあったな、貝。そして窓越しに見る限り、ソフトクリームの販売もしているのだな。夏限定かな?

漁船、同じものかどうかはわからないけども、まだある。今日も変わらず、青い日本海を眺めている。
おそらくは、もう2週間くらいすれば冬型の気候になり、日本海側は雪中心のドロドロした天気が続くことになるだろう。見納めみたいな感じの快晴かもしれない。

忘れちゃいけない鷹の巣岩。
これまでも何度も眺めている景色だが、ロードパーク女の浦でご飯を食べた後の景色はまた格別だ。複数の物語が、今1つにまとまった気分だ。

最後にお店を眺めていたら、先代の鷹の巣岩を示す看板の残骸が置かれていることに気付いた。
つまりは取り外して10年くらいはここに置いてあるってことだね。あぁ、再会できてうれしいよ。ドライブを始めた当初の、ずーっと昔から見てきている看板だもの。なんか懐かしくて泣ける。
…それでは出発しますか。
また来年の2025年、2026年、そしてその先も春が来るたびに、このロードパーク女の浦が営業を始めてくれることを、僕はどこかで確認しているからね。また来れることを夢見つつ。
以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。
住所・スポット情報
- 名称: ロードパーク女の浦
- 住所: 石川県羽咋郡志賀町福浦港19-55-1
- 料金: 能登ラーメン定食¥1000他
- 駐車場: あり
- 時間: 11:00~16:00