週末大冒険

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ちょっと出かけてみないか。忘れかけていた、ワクワクを探しに。

No.521【富山県】立山連峰を海越しに臨む絶景「雨晴海岸」!何度も通い、ついに見れた!!

「雨晴(あまはらし)海岸」から眺める立山連峰と女岩の景色が、マジに絶景なのだ。

 

だけどもやっぱ天気が悪いと立山連峰が見えずに、思うような写真が撮れなくってね。もちろん初回でいきなりカッコいい写真が撮れる人もいれば、僕のように何度か失敗を繰り返す人もいる。

 

 

そんな僕が最終的に上記の写真を撮るに至るまでの軌跡を書こう。

もうね、結局は上の写真を紹介したいだけなので、そこまでの大半となる文章はそれを脚色するためのものでしかないが、それでも僕の感じたカタルシスを少しでもお裾分けしたい。だからお付き合いくだされ。

…どのくらいかかった?10数年…??

 

 

そこに道の駅ができる前の話

 

僕が雨晴海岸の存在を知ったのは一体いつだったか…。

手元には2012年版のツーリングマップルがあるが、意外なことにこの時代のツーリングマップルには雨晴海岸について特記がない。当時の僕は特記を大体すべて覚え、それを頼りにドライブしていた。だけども特記が無いと立ち寄る可能性はググッと落ちる。

 

虻ガ島

これは2010年に僕が撮影した「虻ガ島」という、雨晴海岸から直線距離で20㎞ほど北にある島である。晴れていればこの島のバックにも立山連峰が臨めて絶景なのだが、このときは雲が出てしまっているな。

 

2010年代前半は、僕はこの虻ガ島近辺で車を停めることが多かった。つまりは雨晴海岸はほぼスルーしていたのだ。なぜかというと、雨晴海岸付近には車を停めるスペースが少なかったのだ。

 

過去のGoogleマップストリートビューより

今では「道の駅 雨晴」があるところには、当時は旅館があった。一番の絶景スポットにはビッチリと旅館が立ち並び、駐車どころではなかった。もちろん宿泊すれば最高のロケーションであったとは思うが。

 

なので僕は、なんとなくこの近辺が絶景スポットだとは理解していたが、チラリと横目で見ながら通り過ぎる程度であった。最高の天気であればなんとしてでも近辺に駐車して、徒歩でここまで来たのかもしれないが、残念ながらそこまでの天気にも恵まれていなかったのだ。

 

最初に撮影した日のこと1

雨晴海岸の一番有名な女岩を入れた写真を撮った初回は、2012年のことであった。

朝の5時半くらいだ。このスポットを数100m通り過ぎたところに小さな無料駐車場ができていた。徒歩数分で絶景ポイントまで行けると標識が立っていたので、それに従い歩いて撮影したのがこれだ。

朝日はとても幻想的であった。女岩のシルエットがカッコいい。…が、雲が多くて立山連峰は1ミリも見えない。これは大きな宿題になったなって思った。

 

最初に撮影した日のこと2

駐車場には晴れの日の大きな写真パネルが展示されていた。そこではすごいゴツい一眼レフカメラと三脚を設置したおじいさんが、バシャバシャといい音をさせながらパネルの写真を撮っているんだ。よほど悔しかったか。

 

うん、じゃあ僕もその手法をマネさせていただこう。おじいさんがいなくなったのを見計らい、僕もパネルの写真を激写したのが上記である。

 

煮え切らない日々1

その後もイマイチな状況が続いた。これは女岩の背後にうっすらと立山連峰が見えている図だ。しかしモヤのかかった晴れ間で見栄えは僕が満足できるレベルではなかった。

なので写真の構図もヘンテコだな。もう数10m歩けばもっといい構図の写真も撮れるのだが、ここで僕は引き返したのだ。

 

煮え切らない日々2

少し離れた雨晴駅を見学したりもした。女岩の絶景ポイントまでは400mくらいの距離にある。

観光用としては駐車禁止だが、近くの無料駐車場に停めてからこの駅を見つつ女岩に歩くことにした。この日は快晴だ。今日はなかなか期待できるのではなかろうか…?

 

煮え切らない日々3

あ、ダメだ、引き返そう。写真右端に女岩が見えるところまで来ているけども、今回はここまででいいや…。

このときは朝なのである。朝はこの方向は逆光になり、立山連峰が見づらい。たぶん晴れた日の午後がねらい目だと思う。だけども空気が澄んでいるのは朝の時間帯が多いでしょ?午後で晴れているって、なかなか可能性も低くなるよねぇ…。ジレンマ。

 

煮え切らない日々4

駐車場に設置してあるパネルの写真なら、前回よりもうまく撮れたと思う。それが今回の成果だ。

いや、冷静に考えるとわざわざ富山でパネルの写真だけ撮るなんて、何がしたんだかよくわからない人だけども。

 

煮え切らない日々5

あとはね、立山連峰側じゃなくって能登半島をバックに女岩の写真を撮ってみたりしたこともあったねぇ。この構図はある意味レアなんじゃなかろうかねぇ。

 

煮え切らない日々6

この写真はレアだぞ。今までここにあった旅館が無くなってしまい、かわりに道の駅 雨晴ができつつある図だ。これは2018年3月末の写真。この1ヶ月後にこの道の駅はOPENする。

「ほう、そうなのか。これで女岩越しの絶景を手軽に拝めるようになるのだな。」とワクワクしながら工事風景を眺めたのだ。これ、雨晴海岸の歴史にとっても大きな転機になったと思う。

 

 

新しくできた道の駅と義経

 

このあとね、しばらく富山には通えなかったのよ。ほら、コロナ禍とかいろいろあったじゃないですか。あと、コロナ明けは西日本を中心に攻めていたからねぇ…。

ようやく訪問できたのは、2023年になってからのことだった。あぁ楽しみ。

 

道の駅 雨晴1

OPEN後の道の駅雨晴にもようやく来れたの。

もともと山肌に沿った細長い土地に造られたので、道の駅の建物自体もすごく長細い。どうやら船をモチーフとしたデザインなのだそうだ。なるほど納得だ。

 

しかし、ちょいとクセの強い駐車場だね。上の写真に写っているのがメイン駐車場なんだけど、キャパシティが少ない。駐車場は完全一方通行で、空きが無かったらそのまま車道に放り出されることとなり、そうするとUターンポイントまでしばらく走り続けなければならない。

建物の反対側にも数台分の駐車場があるが、そっちは競争率激しいし。

後から知るのだが、第2駐車場などが離れたところにあるらしいが、正直初見ではわからないし。

 

道の駅 雨晴2

そんな感じの駐車場であり、10分ほど待ってようやく停めることができた。ホッとした。ちなみに1台当たりの駐車スペースもやや狭め。慎重に切り返して入れる必要があるよ。大きめの乗用車だとテクニック必要かも。

ただ、この道の駅が誕生したことで雨晴海岸の知名度と手軽さが一気にUPしたんじゃないかなって、僕は考えている。

 

義経岩1

これが道の駅から車道とJR氷見線の線路をまたいで海岸に出るところ。海岸からの眺めが最強なのだ。踏切の向こうに見えている、木々の生えた岩は「義経岩」という名前だ。

 

実はこの踏切ができたのも新しい。確か2015年頃だったと思う。それまでは遠くの踏切を渡って海岸を歩くか、なくなく線路越しに絶景を眺めるか、あるいは踏切の無い線路をダッシュで横断するしか方法がなかったとのことだ。

だからこの踏切の功績も大変に大きい。

 

雨晴海岸1

踏切を渡ればすぐに砂浜。この写真は踏切近辺から撮影した。

これはあえて女岩や立山連峰とは反対側、能登半島方面を写した写真だ。まぁまぁ晴れているよね。では今日こそは立山連峰が見えているのかというと…??

 

雨晴海岸2

うーん、今回もダメだ。青空が見えてはいるのだが、高度の低い部分は一面雲で覆われている。

それでもさ、構図だけは例の写真パネルに一番近い状態になったよね。道の駅ができたことで手軽にこの場所に立つことができるようになったのは、ありがたいよね。

 

義経岩2

さて、雨晴海岸の景色については大体満足したので、今回は間近に迫ることのできた義経岩にちょっとフォーカスしてみようか。

 

まず由来から話すとさ、「源義経」って平家を戦で倒したところまではすごかったけども、政治絡みの人間関係が下手クソすぎて兄の「源頼朝」と険悪ムードになるじゃん。そんで京都から幼少期の思い出の地の奥州平泉まで逃亡するじゃない。その途中でこの地にも立ち寄っているのよ。

 

義経岩3

で、義経一行がここまできたときに、ちょうどにわか雨が降り出してしまったそうだよ。

ゲリラ豪雨がきたら、あなたならどうする?僕なら傘をさすかな。傘がないなら、建物の中に入る。建物すらないなら、木の下とかで雨宿りするかもしれないけど。

 

現代人ならそう考えるであろう。

ただ、義経一行の中のマッチョ枠である「弁慶さん」がひと味チゲェ。

 

答え:弁慶が巨大な岩を持ち上げ、みんながその岩の下に入る

 

義経岩4

脳みそまで筋肉すぎる発想だろ、これ。どこのWebを見ても「岩で屋根付きの建物を造ってその中に逃げ込んだのか」、単に「弁慶の持ち上げている状態の岩の下にみんな入ったのか」までは書かれていない。

でも普通に文章だけ読むと後者のような気がする。現実味には劣るけども。

 

上の写真が義経岩なのであるが、雨が止むまでこれを持ち上げるだけの怪力、すごすぎる。僕が義経なら「やめろ、雨に濡れた方がマシ」っていう。弁慶が力尽きた時点でペチャンコになるスリルには、僕のチキンハートが耐えられそうにないので。

…現代は補強のためか、パルテノン神殿のように足があるのだね。

 

義経岩5

義経岩の下部の空間は洞窟のようになっており、そこに入っていくことができる。

中で数枚の写真を撮ってみたが、狭くてコミカルな構造になっているのでどこでどう撮影したのか、自分自身でよくわかっていない。

 

義経岩6

とりあえず、弁慶の筋肉に対する信頼感だけは理解した。筋肉は正義だ。

 

ここで雨に遭遇したけど、雨が止んで晴れるまで待った。だから"雨晴海岸"。この海岸の名前の由来は、奥州へと逃げる途中に義経一行の体験から来ているのだね。

ところで現在は、この岩の上には義経神社があるよ。

 

道の駅 雨晴3

海岸側から道の駅を見上げる。2階は展望台を兼ねていそうな雰囲気。あそこからの眺めもいいのかな?以前旅館が建っていた時代は、宿泊者はあのくらいの目線から海を眺められていたのかな?

 

道の駅の建物内に入った。お土産物屋さんがあったりカフェがあったり、結構キラキラしていて僕には場違いなほどにオシャレだった。

 

雨晴海岸3

…で、早々に2階の展望スペースに出た。

うむ、ここからは女岩や立山連峰を臨むにはちょっと角度がよろしくないのだね。逆に能登半島方面が良く見える。そして、線路が見下ろせて電車が来たらよく見えるかなって思ったのだが、ガードレールの陰で線路はよく見えず、JR氷見線の電車もバンバン走っているわけではないので、こういう写真になった。

でも、海沿いの国道と海を見下ろすのは壮観だったぞ。

 

 

2024年の攻防、そして…!

 

直近の訪問は、2024年の11月末のことだ。スタッドレスタイヤを買うつもりはないので雪が降り出す前に訪問したくって、わりとギリギリの時期で行った。

 

秋の夕暮れ1

時刻は16時ちょっとすぎ、夕刻である。

1時間前間までは結構晴れていたの。数10分前にお天気雨が降って、虹が見えたり薄命光線が見えたりして、「これはこれですごい幻想的な雨晴海岸になるかな?」って思っていたの。

 

…だが、これどうなる?そもそも日没にすら間に合わないんじゃない?陸から見て海は東側。太陽は西の山の向こうに消えちゃっているんじゃない?

 

秋の夕暮れ2

そんな予感に駆られながら、道の駅の駐車場に車を停めた。やっぱ混雑して駐車にてこずった。急げ急げ、もうすぐ16時半だぞ、空はもうかなり暗い…!

 

秋の夕暮れ3

 

お、おぅ…!!

 

これ、なかなかいいんじゃないか?絵に描いたような成功例ではないけれども、雪をかぶった立山連峰の頭頂部に、最後の西日が当たって少し赤く染まっている。雲が多めなのもドラマティックと言えるだろう。

 

秋の夕暮れ4

味わい深い景色である。ただ、まだこれで満足はしたくないな。立山連峰、ほとんど見えないんだもん。

ここからの冬季、日本海側はほとんど毎日雪となるだろうから、そんな中でも晴れ渡った立山連峰が見えるのって、結構レアなのだろうね。だからこそ、その絶景を見られるってステキなことなのだろうね。

日本7周もしているんだもん、僕だって見たいよ、それ。

 

秋の夕暮れ5

海岸から道の駅を振り返った。あっちの空は結構晴れているのだが、女岩方面はドンヨリなんだなぁ…。運悪く雲の多い状態となってしまったのだな。

日が暮れると途端に寒くなり、周囲の人もまばらとなった。今回はこれまでだ…。

 

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その翌日の午後のことである。快晴の能登半島ザックリ一周を終えたところだ。羽咋市から信州松本まで一般道で向かおうと考えていた。

 

最後のリベンジ1

能登半島の西海岸から東に向かって進路を取る僕の遥か前方に、すんごい立山連峰が姿を現した。「あぁ…、今日であれば雨晴海岸は絶景なのだろうな…、悔しいぜ…!」と唇をかんだ。

 

…そのあとすぐに、自分の考えを打ち消した。

いや、一般道で松本市に行くのであれば、このまま能登半島東海岸ギリギリまで行くよね。で、そこまで行くんだったら少しだけ遠回りになるけども、また雨晴海岸に立ち寄れるじゃん。雨晴海岸を経由するルートも作れるじゃん、って。

 

最後のリベンジ2

こうしてその数10分後、僕は雨晴海岸に戻ってきていた。およそ20時間ぶりー。

しかし天気がいいせいか道の駅の駐車場は案の定パンパンで駐車できず、付近を徘徊することになったりして。あぁ、早く絶景をカメラに収めたいのに…。そして旅の行程上の時間の猶予もあまりないというのに…。

 

最後のリベンジ3

こうして、長年の悲願を達成できた写真がこれだ。うん、良いね。青い空、青い海。そして雪を被った立山連峰がしっかりと見えている。

海の向こうに3000mの山を臨む景色というのは、ここ以外にはあまり存在しないそうだよ。そんな世界的にも貴重なロケーションの中に、今僕は立っている。

 

最後のリベンジ4

もちろん僕のこれより素晴らしい写真なんて世の中にはゴロゴロあるだろうが、それでもいいのだ。

長年追い求めてきた光景を自分の目で見れていることが大事なのだ。視覚だけではない、五感で味わうのだ。これが旅ってヤツだよ。すべてが、それこそ失敗も成功も含め、唯一無二の体験なんだよ。

 

最後のリベンジ5

ひとまず、満足だ。僕と雨晴海岸の1つの物語はこれにて終わりだ。

 

次はさ、ここで毛嵐(けあらし)を見てみたいよな。クッソ寒い時期の早朝に、真っ赤な朝焼けと共に海面から立ち上る大量の蒸気。他のスポットでは見たことあるが、雨晴海岸ではまだなので。夢はいろいろ広がるね。

 

おまけ:そのあとに遠望した新湊大橋

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 雨晴海岸
  • 住所: 富山県高岡市太田24-74
  • 料金: 無料
  • 駐車場: あり(道の駅 雨晴を利用)
  • 時間: 特になし