寒くなってきたな。温泉の恋しくなる季節だな。
そんなあなたには是非この温泉をメモしておいてもらいたい。石巻市の山間部にある「追分温泉」。海からそんなに離れてはいないが、深い深い山の中にポツンと現れるレトロな温泉宿だ。

ここがすごいの。
夕食は海鮮の豊富な石巻市ならではのおいしい魚介類が食べきれないほど出てくる。そんで1泊2食で数年前なら最安価格5000円台後半だったの。なにそれ、飲み会やったら余裕で飛ぶ金額じゃない。都心だったらビジネスホテル素泊まりでも1万以上は余裕でするというのに。

そりゃあ今はコロナ禍とかインバウンドとかで7000円~になってしまったそうだけども、それでもコスパが神だよね。だからここだけのナイショだよ。
僕は2回宿泊しに行っているので、それらの話をしよう。
プロローグ:ひなびた宿を見てみたい
石巻市内の山の中に追分温泉というレトロな温泉宿があるというウワサは、僕の耳にも届いていた。それを確かめるチャンスは、日本5周目の寒い寒い2月にやってきた。

登米市にある陸前横山駅近くから国道45号を反れて県道64号に入ることとなる。
早速その入口部分に『道がせまくなります 安全運転を』の看板がある。なかなかに脅かせてくれるじゃないか。覚悟して進もう。

うん、狭い。何もない山間部をクネクネと標高を上げつつ進む。
僕の愛車であるHUMMER_H3では、対向車が来たらすれ違いはちょっと厳しいかもね。対向車、来ないけどね。本当にこの先に温泉宿があるのか、心配になるよね。

アスファルトはひび割れつつあるわ、グネッぷりはMAXだわ、標高が上がって路面凍結が始まるわ…。ファンキーな状況になってきた。
そんな工程をしばらく堪能し、峠のちょうど頂上付近でポッカリ空間が開ける。そこが目指していた追分温泉なのだよ。

なんかスゲーいい…!!ウッドテイストが前面に押し出され、なんだか古い学校の校舎のような雰囲気もする。だけども古臭くはなく、清潔に保たれている気配だ。
ここは宿泊だけではなく、立ち寄り湯もできる。とはいえ、今回の僕はお風呂に入る装備も持ってきていないし、心の準備もしていない。結果として今回は外観を眺めるだけのつもりだ。
ただし、良さげな雰囲気だったらちゃんと宿泊するために再訪したいとは思っているよ。

エントランス部分にフォーカスしてみよう。追分温泉と書かれた木板と、その上のレトロな電球が最高の胸キュンポイントだ。さらには扉の上から突き出たT字型の煙突もナイス。学校のようでもあり、山小屋のようでもあるな。

宿の建物は結構大規模。大きな学校の校舎のように横に広く展開している。途中にはこのように渡り廊下で棟と棟を連結している部分もある。こういうの好きだ。ぜひいずれここを歩いてみたい。

広い敷地の中央付近には池があり、その中には…噴水…なのかな?ただ単に頭頂部から水が流れ落ちるだけの仕組みなのかもしれないけど。
それが寒さでガッチガチに凍っている。氷柱。ここは左右共に山で、あまり日が当たらないから、本来一番気温が高いはずのこの時刻も日陰で寒いのだね。見ているこっちも寒々しい気持ちになるよ。

さらにここのすごいのが、ズラリとクラシックカーが停めてある点。どれもこの宿の所有物なのだそうだ。"ダットサン・フェアレディ"に、"トヨタ・スポーツ800"。60年くらい前の車だよね、きっと。どちらもピカピカだしナンバーがついているから、現役なのだろうね。
さらにその後ろは、"フォード・ポピュラー"?…だとしたら、70年くらい前の車だよ。なんかここ、旧車博物館レベルだ。

敷地の反対側の端には、オート三輪がある!さすがにこれはもう動かないけど。
その隣は"てんとうむし"の愛称の"スバル360"だと思われる。そのさらに隣は、こも"フォード・ポピュラー"かな?どれもこれも1950~60年代の車だね、すんごい。
僕はいま日本5周目を走っているのだが、日本6周目はちょっとレトロな車で走りたいと思っており、すでにその車を発注しているのだ。納車したらここに来たいなぁ…!
真冬の追分温泉は心身に沁みる
雪原の温泉宿は素敵だ
超絶に寒い冬の日。どうやらこのエリアは7日連続で最高気温も氷点下らしく、一面は白銀世界であった。今日も-8℃だし。なにそれ寒い通り越して痛い。

追分温泉は、正面のあの山の頂上付近にある。さぁいこう。僕は約束通りレトロな車でやってきたぞ。今回は追分温泉に宿泊するのだぞ。
寒さでエンジンがブッ壊れないといいね。寒いのが苦手な僕は、すでに温泉入りたくってたまらないよ。解凍させてくれ。

今度は南側から県道64号の峠道へと入る。峠道に至るまで除雪車が入ってくれていたのがありがたい。もしそうでなかったら、峠道を攻略するのはかなり困難だったであろうな。

着いた。一面が雪原だ。寒い。
やっぱ温泉って寒ければ寒いほど気分が高揚してくるな。1年で最も寒い時期に来て、大変だったけども良かった。すでに勝利を確信している。今宵はいい夜になるぞ。

そしてこの子が新しい愛車の日産パオだ。昭和の最後にデザインされ、平成の初頭に1年岳の受注生産された車。当時の時点でレトロをコンセプトに造られたので、現代においてはもうかなりボロッボロのアンティーク仕様だ。それでもここにコレクションされている車たちに比べればだいぶ若輩だけども。

噴水は前回見た時よりも数段凍っていた。氷瀑だ、これ。-8℃はこういう世界だ。
では、お宿へと入ろう。

エントランス。わぁ、スリッパがたくさんだー。この時期でこの山の中だけども、にぎわっているのだなぁ…!(ただ並べているだけじゃないよね?)
内部は木の雰囲気が前面に押し出されたデザインなのだけれども、床も壁もピッカピカに磨いてあって古い感じは全然しない。とても綺麗でくつろげそうな宿だ。

これが同行者と2人で宿泊した部屋だ。こじんまりしていて落ち着ける空間。すでに布団は傍らに畳んである。これなら眠くなったらすぐに布団広げてダイブできるなって思っちゃうけども、今夜は部屋食だからまだ広げちゃダメだよね。
こたつに入って用意されている温かいお茶を飲み、そして窓の外の雪景色を眺め、しみじみ「幸せだな」って思った。こういうのがいいんだよ、温泉宿は。

そして別棟の温泉へ…。見てくれ、ピカピカさがわかるだろ、この廊下。
温泉は別棟にあり、前回外から眺めた渡り廊下も超えていく。こういう古い温泉宿の廊下って寒いことも多いけど、ここは全館ポカポカで快適だよ。

ここは温泉の入口の部分。左に見えている簾の裏が、男湯と女湯それぞれにわかれているよ。ここは温泉施設のロビーも兼ねていて、畳の小上がりがあってストーブも効いているので湯上がりもゆっくりくつろげる。
温泉の写真は後半に出てくるので今回は無しね。ちょいとレトロな窓が全面にあり、年季の入った木組みの浴槽でバツグンにかっこいいお風呂だったよ。すごい温まった。

休憩スペースには昭和時代の古いゲームテーブルがある。しかもまだ稼働しているぜ、これ。僕はゲームはやらないけども、ゲームテーブルに座るのは好き。ここのオーナー、よほどのレトロ好きなのだな。

ここはエントランスの脇にあるお土産コーナー。駄菓子屋のようなコミカルな空間だ。
石巻の海産物など地元の名物がたくさん並ぶが、奥の方にはレトロカーやバイクのプラモデルの箱が展示されているんだよ。しかも非売品。趣味全開だな、好き。

温泉で体がポカポカになったので、その勢いで外のクラシックカーを眺めた。
なんかダットサン・フェアレディだけ屋根がなくって雪がこんもりしちゃっているけど、この子だけなんでこの扱いなのかな…?

トヨタ・スポーツ800。こんな山間部でこんな真っ赤で綺麗な名車に巡り合える幸せよ。街中で出会っただけで振り返るほどに目を引くのに、山間部の一軒宿の雪原に停まっている奇跡。白い雪に赤が映える。

フォード・ポピュラー。いいデザインだ。
僕は今は日産パオに乗っているけどさ、こういうガチなクラシックカーも本気で調べていた。当たり前だけども古い車は壊れやすいし燃費も良くないので日本中を走り回るのには適さないなって思ってあきらめたけど。本当はこういうデザイン、大好き。

もうすぐ暗くなるので、宿の全景を写真に撮っておいた。これだけ絵画チックなのは、コンデジでそういう設定のモードがあったので遊び半分で試したから。
さて、次は待望の食事の時間だぞ…!
怒涛の海鮮で腹パン
17:30、普段ではありえないほどに健全な時間に夕食タイムがスタートする。
先ほど書いた通り部屋食だ。食器が並べられたお膳が登場するが、お膳だけでは大量のご飯が乗り切らないので、もう1つさらに座卓が登場する。

もうこれだけで、狭い部屋はギリギリだ。
僕は壁にもたれかかることもできる状態だし、対面にいる同行者はすぐ後ろに畳んだ布団がある。数10分後の話であるが、腹がいっぱいになってきた同行者は、そのまま後ろの布団に仰向けに倒れこんだりしていたからな。なにそれ、僕もそっちがよかった。

座卓には釜めしと茶碗蒸し、そして別途オーダーしたビールが置かれた。
釜めしのお茶碗のセット方法がユニークだね。このタワー型セット方法、初めて見た。釜めしができあがるのは後半なので、こうしてゆっくり待つのだ。

本当は1つ1つ丁寧に取り上げたいところだけど、それをやるとブログがアホみたいに長大になるので、ちょっとまとめさせていただくぜ。しっかり見たい場合は、ぜひ画像を拡大してくれ。
刺身盛り合わせ・三陸のクジラ・牡蠣ともずくの酢の物・ツブ貝など、海の幸がジャンジャン出てくる。普段食べないものも多く、新鮮な気持ちだ。もちろんビールも進む。
感動的だったのが生ワカメだ。ワカメを生で食べることって、今まであんまりなかったので。
サッとお湯にくぐらせると、すんごい鮮やかな青緑の色になるんだ。それが歯ごたえもよくってうまいうまい。ワカメがこんなにおいしかっただなんて。

ホイル包み焼き・天ぷら・茶碗蒸し・炊き込みご飯…。海の幸もふんだんに出てきたが、山の幸もちゃんとあるのだ。さすが自然豊かな石巻。
すごいすごい。冒頭にも書いたが、これで1泊2食で6000円弱なのだ。わけわかんなよね。こんな贅沢な体験してこの値段でいいのだろうか…?
この宿にはさらにグレードの高いプランが1000円刻みであるが、この時点では最大でも1泊2食10000円ほど。しかも料金による違いは食事の量くらいだと聞いている。この6000円弱プランで僕は満腹なので、これ以上高望みする理由はないかもしれない。

食後にも負う一度温泉に入り、そして体がポカポカになったので外の空気を少し浴びた。湯冷め上等。冷めたらもう一度温泉に入ってもいいカクゴだ。
周囲は真っ暗で、この宿だけ明かりが灯っている。雪景色の中での宿の灯りはとても幻想的だ。

どうやら日本列島、異常事態ともいわれるほどの寒波が来ているそうで、今週に続いて来週も首都圏でまた雪が降るかもしれない…とかニュースで流れてきた。
ならば東北がこれだけ寒いのもうなずける。普段は寒いのが大の苦手な僕ではあるが、正直今はもっと寒くてもいいと思っている。幸せだ。

そうそう、ここの宿の渡り廊下近くにはレトロなコカコーラ自販機があるのだ。これ、知っている?僕は知っているけどあんまり利用したことはなく、新鮮な気持ちで使ってみることにした。
風呂上がりのコーラほど幸せなイベントで、この世にはそうそうないもんね。渡り廊下に設置してあるこれの前を素通りできるかよ、って話だ。

お値段120円。良心的な価格だ。
お金を入れるとガラス戸のロックが外れて開けられるようになる。そしたらガラス戸を開けて瓶を取り出す。

で、栓抜きは自販機本体に内蔵されているで、突っ込んでテコの原理で栓を抜く。
これもなかなか無い体験だ。今のご時世、大体瓶はキャップで封がされているもんね。栓抜きなんて居酒屋の瓶ビールくらいでしか使わないもんなぁ…。

そんで部屋でゆっくりと夜を過ごした。
特にすることもないんだけど、そういうのが一番の贅沢だと思う。ひとまず読書をして過ごした。TVはそんなに見ない性分なのだ。…平和だ。
…さて、開けて翌日のことを少しだけ書いておこうと思う。

当然寒い。朝の山間部なので気温は上がらないし、昨日とは違って今日は1日曇りのようなので、昨日よりもさらに寒く感じる。従い温泉が極上であることは言うまでもない。

朝ごはんは部屋食ではなく、朝食会場に行くこととなる。これは食後に誰もいなくなった会場を撮影したものなので恐縮だが、こんな雰囲気。絵に描いたような正しい温泉宿の朝食光景っていう感じだ。

これが朝ごはんのフォーメーションだ。サンマ1匹丸々が目を引く。みそ汁の中にミニホタテが入っているのが嬉しい。スタンダードな旅館の朝食って感じもするが、どこか海の近さを感じるラインナップだね。
あとね、左端の卵が刺さった器に着目してほしい。この蓋部分、卵をセットするために穴が開いているのだ。卵を取って蓋を開けて、下の器に卵を割り入れる仕様。
僕もこれまでいろんな宿に泊まってきたが、この器はここ以外で見たことがない。この発明、いいな。
そんな1泊2日を過ごし、10時まで部屋でゆっくりした後チェックアウトした。
紅葉の時期も、また格別だった
秋の夜長の旅館探索
少しだけ時が流れた、ある年の紅葉シーズン、僕は再び追分温泉を目指していた。
全開宿泊して気に入ったので再訪したのだ。しかも今回は母親をメンバーに加えて3人だ。だいたい毎年紅葉シーズン、母親を旅行に招待している。いい息子だろ?

初回同様、県道64号の北側である登米市側からのアプローチだ。相変わらず道は少々ワイルドなのである。この外界からちょっと隔離された感じがいい。追分温泉に行くまでの試練って感じ。

紅葉の追分温泉に到着。1948年創業というなかなかの歴史を持つ温泉旅館、3度目の訪問だな。
まだ時刻は16時前ではあるが、秋も深まっているし昼過ぎから雲が出てきてしまったし、そして山間の立地ということもあって夕暮れの気配だ。

初回に一目ぼれした渡り廊下。紅葉に包まれ、かつ夕暮れの時間なので内部にほんわりした照明が灯り、いい具合の絵になっている。

敷地の端にある、オート三輪を始めとしたボロボロ三兄弟も健在(?)だ。
…さて、ここからはね、しっかり書くと前章と被ってしまう内容が多くなるので、オリジナリティ色の強めな部分だけを記載していくね。かつ、まずはこの章では旅館内の雰囲気を感じられる写真をピックアップし、料理などは次章で取り上げることとしたい。
こうしてチェックインし、部屋を案内されたんだ。部屋のレイアウトはほとんど前回同様。3人だけども前回と部屋のサイズはたぶん一緒。チェックイン時の部屋の写真は撮ってあるのだが、人物が写っているのでここへの掲載は控えておこうか。

温泉に浸かって、風呂上がりの図。
17時過ぎにはほぼ真っ暗だ。このギリギリで真っ暗になりきれていない空、僕は結構好きだったりする。夜の長い季節も悪くはないな。

渡り廊下の接続部分、窓やドアを開けっぱなしにするとネコと虫が入ってくるよ。そんな注意書きの貼り紙。
現に駐車場をウロウロしているネコちゃんを、前回も今回も僕は発見している。外は寒いだろうが、入れてあげるわけにはいかないよねぇ。

洗面台やトイレ等の水回りは部屋にはなく、原則共用部分を使う感じだ。洗面台、アールをえがいた鏡がどことなくレトロだね。レトロだけどもピカピカ。

これは途中にあった自炊スペースと思われる部分のガスコンロ。そうそう、詳しくは知らないし調べてもいないけど、どうやら湯治プランというのがあり、1泊2000円台で宿泊できたりもするそうだよ。もしあなたが気になるなら調べてみて。
…で、そこのガスコンロがすごい珍しいタイプだ。「カセヤ商会」の瓦斯(ガス)自動販売機だ。まずは僕、"瓦斯"を"ガス"と読むところから馴染みがない。

こんな感じに使用するそうだ。ややコツがいるのだな…。ハンドルを回すとガスが出るという仕組み、どうにもピンとこないけども。ハンドルの廻し方が足りないとか、最後まで廻すとか、よくわからん。
これの存在についてSNSで聞いてみると、「懐かしい!」という声が多数あがった。たぶん40~50年ほどは経過しているものなんじゃないかな…?母親にこれを知っているか聞いてみればよかった。

横に長ーい旅館。その廊下ももちろん長い。そこをテクテク歩いているときの光景。うまく言語化できないけど、こういうところを歩いているのが無性に感慨深いのだ。

はい、ここからは翌朝の写真だ。これは早朝に誰もいない温泉の写真を撮らせてもらったもの。
この浴槽はどうやら樹齢500年のカヤを使ったものだそうだ。朝日が大きな窓から柔らかく差し込み、それを受けて浴室内の蒸気がモンヤリと輝く。いい時間だねぇ。夜もいいけども、朝風呂は最高だ。神聖な時間を楽しんでいるなぁって感じたよ。
ちなみに湯温はメチャ熱。

インテリアとしての設置かもしれないけど、ランプもいい味を出している。
せわしない日常の喧騒を離れてほっとできる宿だ。僕が同じ宿を訪れることは極めて珍しい。旅人宿みたいな、移動の拠点にする常宿はいくつかあるが、滞在が目的となる温泉宿のリピートはほぼ無いのだ。
それだけ、ここがいい宿だったということなのだろうな。

さて、最終章は秋編の料理を中心に取り上げるぞ!
食欲の秋を堪能しよう
ではでは、秋は冬とは料理の彩も内容も少し違うぞ。それを列挙していこうと思うんだ。
全開は部屋食だったが、今回は3人であり部屋の広さが足りないために別の客室に移動しての提供となった。だけども僕らだけであり他のお客さんはいない状態なので、リラックスしながら食べることができるよ。
しかしさ、3人で寝れるけれども3人では食事できないって…。それだけの品数が出てくるってことなのだ。すごいよね。

はい、これがスターティングだ。どことなく秋らしさを感じるレイアウトだよね。別部屋での食事のため、僕らが部屋に入った時点でもう全ての料理がドーンと大集合して迎えてくれた。
前回同様17:30からの夕食開始であり、僕らは2時間ほど前に登米市内でお気に入りのカフェでおやつにしていたので、まだ完全なる空腹ではない。直前に温泉に入って少しでもカロリー燃焼できないか頑張ったんだけど、まだちょっとお腹の中におやつがいらっしゃる。

冬編と同じものもあるが、違うものもある。それが楽しい。左上の珍味系のものはビールによく合うぞ。母親が苦手なものが多く、こっちにそれらが回されてくる。まったく、好き嫌いには困ったものですねぇ…。でもダブル珍味でビールも2倍進む。
ハマグリのお吸い物はダシが最高すぎて、体内が浄化されるのを感じたよ。

炊き込みご飯はカボチャや栗、なんかの豆を中心とした秋の味覚いっぱいのものだ。
…とここでさっきのブーメランが僕に刺さるんだけど、カボチャや栗や豆、僕は苦手なんだよね…。それらを取り分けて逆に今度は母親に譲渡する。僕の炊き込みご飯はほぼ油揚げだけという、貧相なビジュアルになった。
好き嫌いには困ったものですねぇ…。いや、本気出せば食えるんだけども。

だけどもね、カボチャや栗のエキスが乗り移った炊き込みご飯は好きなんだよ。栗なし栗ご飯とか、好きなんだよ。あなたにはわかるかな、この感覚…。
だから上の写真でも僕、「うめぇ」って感じのアホ面をしていますからね。

部屋に戻るとお布団が敷かれていた。
うっわ、ギチギチ。「隙間なく布団が敷かれている」のではなく、若干重なっている部分あるからな。のこぎり屋根の工場みたいに、片側が持ち上がっているからな。
なにこれウケる。楽しい夜じゃねーか。
ちなみにこのあと、母親含めて3人でレトロなコーラ自販機を見に行き、僕が1本買った。独特な仕様の自販機にみんなでキャッキャした。

朝だ。旅館の規模感がわかる写真が撮れたと思う。右端に写っているのが僕の愛車のレトロな日産パオだ。
昨夜ね、用意されている布団は羽毛布団だけだったんだけどもそれのクオリティがすこぶる高かったのかなんなのか、結構暑くなって寝汗までかいたよ。外はすっごい寒いのにね。

朝食も大体前回と一緒。サンマがトレードマークだね。
母親が、サンマを食べれることに喜んでいたよ。一時期は安い魚の象徴みたいだったサンマだけども、ここ数年で漁獲量が激減して秋でも高価になってきたからねぇ…。
全開も気になった穴の開いた卵の器、母親も初めて見たと言っていた。どこで売られているなんという名前のものなのか気になる。ほしくはないけど、なんか心に響く。

赤さの目立つ朝食会場。またまた僕らの組が一番最後となってしまったので、このような写真が撮れた。
みんな食べるの早いのな。僕も普段はやや早いけどさ、温泉宿だからもうちょっとリラックスしてもいいのではー…?

こうして2回目の宿泊も充分に楽しみ、チェックアウトすることとなる。
あぁ、また行きたいな、追分温泉。これだけすごい宿なのに、知名度がかなり低めの追分温泉。
せめて、あなたの秋の旅の候補として考えてみてほしい。そしてもし行っていただけたのなら、宿の前のクラシックカーたちがちゃんとそろっていることを僕に報告してほしい…。
以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。
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