「黄金岬」って北海道には2つほどあって、1つは留萌市、もう1つは積丹半島。今回は前者について触れたい。
この岬、北海道西部のツルンとした海岸線エリアに存在していてさ、北海道の地図で指示しても「えっ?こんなところに岬なんてあったっけ?」って思われるかもしれなけど、うんと接近して見れば確かに岬がある。
さらには「日本の夕陽100選」にも選ばれているし、「日本一の夕陽」とも評される、すごい岬なのだ。ま、僕は実はここではまともな夕陽は見たことないんだけどな…。

でも何度も訪問しているし、岬の展望台を兼ねている「留萌市海のふるさと館」という無料施設の船舶シミュレーターがユニークで面白かったので、今回はそういう夕陽以外のファクターを力説しようと思うのだ。
デザイン灯台"波灯の女"
まずは岬の先端からは直線距離で500mほど離れたところにあるデザイン灯台のご紹介をする。
岬の先端を目指している際にこのデザイン灯台を示す看板があったので、急遽進路を変えたのだ。僕、灯台好きだし。"デザイン"という頭言葉も気になるし。

いたるところに看板が出ているので、迷うことは無い。
ところでデザイン灯台というのは、全国に40個ほどしかないファッショナブルな灯台で、灯台なんだけどもありきたりな灯台のデザインをしていないものを指す。

これはほんの一例ではあるが、左上から宮崎県の「鵜戸埼灯台」・静岡県の「門脇埼灯台」・高知県の「足摺岬灯台」・北海道の「茂津多岬灯台」だ。いずれの海上保安庁にデザイン灯台として登録されているものだ。
…ところで、今から行く黄金岬の灯台って、実は海上保安庁のデザイン灯台には登録されていないんだよな…。そもそも正式には灯台ではなく、"簡易標識灯"と呼ばれているものだし…。まぁいいけど。

はい、これが"波灯の女"と名付けられたデザイン灯台だ。灯台というよりかは普通に女性の彫刻にしか見えない、灯台らしさが1ミリもないユニークすぎる灯台だ。
これね、地元で木材業を営んでいた1人の男性が「市民が誇れ、観光にもつながるものを作ってくれ」と5000万円を寄付したことで2007年に作成されたのだそうだ。なんて熱い魂なんだよ。惚れた。

下から見上げるように撮影するとカッコいいし、女性がバスケットボールでまさにシュートを放とうとしているようにも見える。「左手は添えるだけ…」という、某有名バスケットボールマンガの名セリフが頭に浮かんだ。
実はね、こんなアングルの写真にした理由は、青空が綺麗に広がったというのもあるけれども、地上の様子がビミョーだったからっていうのもあるのだがね。
埋め立てられた小さな埠頭の先端付近で周囲は工事現場だらけ、そして釣り人がたくさん。観光客が来るような雰囲気とは、ちょっと違った。僕が愛車で突っ込んで来たときも、「あの車は何ぞや」・「あの人は何を釣りに来たのかな?」みたいな視線をいただいちゃった。
…かといって、「女性の銅像を舐めるようにジロジロ見た後写真を撮るために来たのです」ってのも事実だけども気が引けたので。

高さは台座を含めて6.6m。その光は2.5海里(4.6km)まで到達するという。
僕は日中にしか見たことが無いので、この女性の手の上の球体が光るところは見たことがない。いつか夜に訪問してみたいものだね。
"波濤の門"と柱状節理
お次は岬の海ギリギリにある「波濤の門」を訪問しよう。黄金岬のシンボル的な存在であり、このオブジェの背後に夕焼けを撮影するのが定番なアングルなのだよ。

…雨だったりするんだけどな。正直この波濤の門と僕との相性は悪くって、晴天の日に波濤の門の写真をまともに撮れたことが未だにないのだ。
あなたは「あれ?さっきのデザイン灯台のときには晴れた日の写真があったのに、なんでその足でほんの数100mのところにある、ここに来なかったの?」って思ったかもしれない。
そのつもりだったんだけどさ、あのときはちょうどマラソンが行われる日で、波濤の門の前の道が通行止めだったんだよ…。

曇りの日であれば、3回ほどここに到達しているぜ。時間的にも天気的にも夕日は見えないけどな。
黄金岬の名前の由来、夕日が海に反射して黄金になることから付けられていたと思っていたけども、実はもう1つエッセンスが加わる。
ここの沿岸部にやってくるニシンの群れが夕日に反射したことによる黄金色が名前の由来だそうなのだ。昔はここでアホほどニシンが獲れたもんね。さぞやすごい光景だったのであろう。

さて、そもそも"波濤(はとう)"とはなんぞやというと、それは巨大な波を指す。ここ留萌は冬は相当強い波が押し寄せるそうなのだ。冬には来たことないから知らないけど。
…で、ここは「世界三大波濤」にも選出されているらしい。すごいニッチな三大だ。他はインドのマドラス、イギリスのウィックなんだって。
そうなの?たまにこういう三大なんとかって、地元を盛り上げるために勝手に名乗っちゃうことがあるんだけど、それってちゃんと世界的に認められている三大なんだよね…??

ここの目の前の岩礁地帯は、「黄金岬カンラン石玄武岩柱状節理」と呼ばれている。名前、長い。
つまりは火成岩だ。400万年前にここいらに火山があり、マグマが噴出してそれが固まった。それが圧力かかってひび割れて柱状になったのだな、ザックリ言うと。

これが柱状節理だ。僕は全国でいろいろな柱状節理を見ているが、ここのはかなり短めの柱だね。アレかな、波濤がエグすぎて削れちゃったってヤツかな?
それと岩が変に黄色い。「岩が黄色いのが黄金岬の名前の由来か?」って一瞬思った。

この、世界が滅びた後みたいな海の光景もなかなか良いもんだと思ったよ…。
留萌市海のふるさと館
晴天の日の眺望は良いぞ
次は、波濤の門を見下ろす丘の上にある「留萌市海のふるさと館」という展望施設について触れる。

実はここは、昨年である2024年に初めて内部まで入った。
以前波濤の門の目の前でマラソンが行われたときにもここに来て岬を見下ろしたんだけどさ、施設内に入らなくても眺めは良かったので、施設内部には足を踏み入れなかったのだ。だから2024年、初めて内部に入ったのだ。

ところで2024年も失礼ながら「留萌市海のふるさと館に行くぞー!」っていう意気込みのもと、ここに来たわけでは無い。実は波濤の門を目指していたら道を間違えて丘の上についてしまったというわけだ。
んで、駐車場ガラガラなのねー。爽快。

さて、丘の上に立っている時点で眺めは結構いいのだが、この展望施設を登るとさらにいい景色が広がる。
2024年にここに来たときはすんごいいい天気だった。こういうときに登らずして、いつ登るよ。施設の2階から外に出る。そんで螺旋階段を登る。

四角い柱が縦横無尽に走る、独特なフォルムの展望台。
ここに限った話ではないけど、展望台込みで景色を堪能するのが個人的には好きだよ。だから必ず、一歩引いた位置からの写真を撮ったりしている。

そしてこれが展望台からの景色だ。うむ、すごくいい…!
海の色は綺麗だし、穏やかだし、水平線が地球のかたちに丸く弧を描いているのもわかるし。あと、写真中央付近には波濤の門も写っているので探してみてね。

建物内に戻った。2Fである展望フロア内はこんな感じ。
無料休憩所なのであるが、テーブルクロスをかけられたテーブルがやたらとオシャレだ。座ることに恐縮してしまいそうなほどだ。そして誰もいなさすぎて怖いくらいだ。

横にはレストランがあった。夏の週末など、ごく一部の期間だけ営業するスタイルらしい。うむー…、確かに館内すんごいガラガラなので、レストラン事態によっぽどのアピールポイントが無いと集客が難しいかもしれないねぇ…。

展望フロア内に設置されている双眼鏡は無料だったので覗いてみた。沖合に柱状節理の岩礁があり、そこにカモメが止まっていた。以上だ。

夕陽スポットだけあり、日没時間も掲示されている。18:15だそうだ。今はまだ午前中なので、夕日を見るのはまたいつか北海道に訪れたときとしよう。
展示室とうまそうなニシン
少し時間が前後してしまう部分もあるが、次に1F部分について書いていきたい。

これは入り口を入って正面のロケーションだ。入場は無料。1Fは常設展示室と特別展示室がある。少し歴史を感じさせる雰囲気の建物。調べてみたところ平成元年OPENだというから、40年程の歴史のある施設なのだね。
10時ごろという時間だったためか、館内はほぼお客さんゼロ。静寂。歩いていたスタッフさんが僕の存在に気付いてややビックリしていた。

特別展示は「佐藤 勝の世界」だった。佐藤さんとは、ここ留萌市出身の映画音楽家なのだそうだ。
なるほど、申し訳ないが存じ上げない方であった…。でもWikipediaを覗いてみると、なかなかの知名度の映画に携わっている。ただ、活躍したのは戦後~平成初期の頃なので、ピンと来ない作品が多かったが…。

こんな感じで、佐藤さん愛用であったかわいい茶色いピアノを取り囲むように、佐藤さんが携わった映画の情報がズラリと展示されている。ファンだったらたまらんよな、これ。

次は常設展示コーナーだ。まずは日本海の誕生というビッグスケールな観点から、留萌市の成り立ちを地理面から説明している。
僕はこういうビッグな地球儀があるとついつい撮影してしまう性癖なのだが、みなさんはどうですか?

留萌の文化・自然・歴史について数々の展示がある。付近に生息する動物の剥製の展示などもある。クマだ。加えている鮭がうまそうだ。

エゾシカもいる。後ろの掘っ立て小屋はなんだったっけ?ニシンを燻製させるための小屋だったっけ?記憶があいまいだ。
あと、海の生き物コーナーもあり、アザラシやサメの剥製が展示されていたりもしたけど、長くなっちゃうので写真は割愛するね。

ニシンについては熱い魂を持っていて、ニシン専用コーナーがある。かつてニシン漁に使用した道具類もたくさん展示されているぞ。
近年はニシンがあまり獲れなくなってしまって残念だね。ニシンの甘露煮を乗せた蕎麦、僕は好きだ。あとは近所のスーパーで売っているのを普通に焼いてもうまいぞ。

こういう飯テロコーナーもある。この場で注文したい。
船舶シミュレーター
これは常設展示のうちの1コーナーなのだが、楽しかったので個別の章に切り出して書いちゃう。

「るもい号 留萌港内遊覧シミュレーション」というのが正式名称だ。僕は前世は海賊だったのだろう、操舵輪があるだけでなんだかテンションが上がってしまう。
どうやら船を自分で動かすシミュレーター。もちろんこれも無料なのでヘタすると子供たちで長蛇の列になってしまうかもしれないが、前述の通り現在はガラガラなので僕1人でいくらでもエンジョイできる。

僕はキャプテンとなって"るもい号"を操舵し、ここふるさと館から岩礁・大型船・灯台・ウィンドサーフィンの船・釣り船を避けつつ、またふるさと館に戻ってくるのがミッションだそうだ。
こういう、絶対に家庭用ゲーム機では発売されないその土地ならではのゲームが好きだよ。壊れたり施設が閉館したら歴史に埋もれて二度と見ることのないゲーム。ぜひ楽しもうじゃないか。

岩礁が近づいてくる。DANGERの表示が画面にデカデカと表示される。
操舵輪でこれを回避するのだが、どのくらい回せばどのくらい進路を変えられるのか感覚がわからない。しかも操舵輪はやたらと軽くて手ごたえがない。グルグル回しすぎて360度回転してまた戻っちゃってたりしないだろうか…。

岩礁は何とか回避したみたいで、次は大型船だ。なんか少々接触したような気もするけど、O型なので細かいことは気にせずに航海を続けることとする。
灯台も通過し、ウィンドサーフィンがやってきたようだ。DANGER・DANGERと表示されるが、何が何だがわからない。そんなところでサーフィンするなって言いたい。

どうやら派手にぶつかり、サーファーが海に投げ出されたようだが、彼はたぶんそこそこ泳ぎもうまいだろうからいいだろう。それにぶつかったのはしょせんサーフィンなので、るもい号へのダメージはおそらくほぼゼロだろうし。
悪くない悪くない、何も問題はない。あぁでも彼がSNSにこの件を投稿してしまったら炎上するだろうな。それはそのとき考えよう。

そして釣り船…。
なんかぶつかったぞ!?おいこれどうなっている?どんなシーンだ?

沈 没…!!
コツも掴めずによくわからないまま終わった。誰もいないのでもう1回チャレンジするのは容易だが、いいんだ。1回きりだからいいんだよ、シミュレーターも人生も。
静かすぎて不安になるほどのふるさと館であったが、この船舶シミュレーターのおかげで妙な満足感を得ることができた。

2008年時点で来館者不足で閉館も検討していたというふるさと館。補修費用の捻出にもずっと困っている状態だし、一度は休館したものの、展示物や設備を縮小して細々と営業しているという。
今後どうなるのだろう?ずっと無料でやっていて大丈夫なのだろうか…?
少なくとも僕は、船舶シミュレーターで遊んだ思い出を今後も大事に持っておこうと思う。
以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。
住所・スポット情報
- 名称: 黄金岬
- 住所: 北海道留萌市大町2-46
- 料金: 無料
- 駐車場: あり
- 時間: 岬自体は特になし