毎日アチィィィ…ッ!!
梅雨らしい雨がほとんど降らないままに西日本は早々に梅雨明けし、東日本はその後に台風がザッと1回雨を降らせただけで7月中旬に梅雨明けした。そんなわけで、いつもなら梅雨であるはずの時期から夏本番のギャンギャンに危険な暑さで、もうどうしちまったんだよ日本列島!
…って状態だが気象のことは僕はよくわからないので、「オホーツク流氷科学センター」は夏でも寒いから逃げ込むといいよ、っていう話をしたい。

どのくらい寒いかって言うと、-20℃なのだ。冷房効きすぎっていうレベルじゃないぞ。ちょっと体験したことないくらいのクールな世界だぞ。
では、2024年にアプローチした思い出を語ろうぞ。
寒くない展示エリア
今日は1日雨らしいと聞いていた。「サロマ湖」付近の宿を出てオホーツク海沿いに浜頓別まで向かおうと考えている僕は、その途中でどこを観光しようか考えた。
雨でも観光できる屋内施設…。確か紋別の町中にいくつかあったよな…って思い出した。

それで「氷海展望塔オホーツクタワー」に行ったりもしたのだが、その話はまたいずれ機会があったら書こう。このオホーツクタワーの直後、1kmも離れていない流氷科学センターを訪れたのだ。今回はその話だ。

なんだかんだで今は雨は止んでくれた。嬉しい。
これが流氷科学センターの外観だ。「道の駅 オホーツク紋別」に隣接しているので、北海道を走り回る方は大体目にしたことがあるんじゃないかな?僕も何度も見てはいるのだが、中に入るのは初めてだ、ワクワク。
ところでここ、世界で唯一の流氷を題材にした科学館なんだってさ。そんな貴重なスポットに今まで足を踏み入れなかったことを悔やみつつ、今日この日にその敷居を跨げることに感謝する。

内部はピカピカに綺麗な、ザ・科学館って感じだ。
科学館って探求心をくすぐられるよな。子供の頃、ちょっと離れた町の科学館によく遊びに行ったし、小さな弟や妹も連れて行ったことを思い出した。

メインとなる大ホールに「プレイランド」・「ギャラリーコーナー」・「常設展示コ-ナー」・「図書コーナー」などが設置されている。まずはそこいらを軽く見ていこう。
ところでもちろん屋内なのでここも空調が効いていて涼しく快適。この時点で充分に避暑は達成しているんだけど、後半に-20℃の部屋に究極の避暑を味わうから、楽しみに待たれよ。
プレイランドでは五感を通して流氷を学べるよ。流氷クイズもやったし、流氷デザインの万華鏡も覗いた。

流氷とは関係ない気がムンムンするけども、こういうのがあるのが科学館。そしてこういうのに触れて、子供たちは頭が柔らかくなるもんだよね。僕の脳もブニブニです。錯視・錯覚、大好き。

竜巻を作れるコーナーもあるぞ!綿菓子を作ったことならあるが、竜巻は初めてだ。
この小さいブースの中に竜巻ができるとのことだ。ボタンを押したらブースの外で待機だ。ブースの中にいたら洗濯機みたいにグルグル回されちまうかもしれねぇしな。いや、実際はそうはならないけど。

竜巻発生!床からニュワーッて感じに成長してきた。そんで面白いのは、頃合いを見て自分で竜巻に触れることができるという点だ。
竜巻が極大状態になり、それに触れる様子を動画撮影してみたので見てほしい。
触感ではほとんど検知できないほどの竜巻ではあったが、触って崩壊させたというステータスは得ることができて満足だ。

ここは常設展示コーナー。流氷の発生エリアを知れたり、発生のメカニズムなどをプロジェクションマッピングで見ることができたり。流氷を作れたりもするんだけど、2時間近く待たないと生成されないので、流氷の元をセットするだけでやめた。
あと、クリオネが水槽にたくさんいた。流氷と言えば、"流氷の天使"クリオネだよね。小さいし動き回るし水槽の壁にフォーカスされてしまうので、写真は撮れなかったけどな。

「AST-001」!!ドリルが2本ついた乗り物であり、これで流氷の上でも走行できるってヤツだね。
「流氷砕氷船ガリンコ号Ⅱ」が有名だけど、このAST-001はその元祖となる乗り物と言われているよ。近年数10年ぶりの復活を果たしたのだとか…。
こういう超マニアックな乗り物は大好物。
-20℃の極寒世界へ…!
ホッキョクグマと一緒に
では、僕的には一番のメインエリアとなる「-20℃極寒体験室」に行こう。もう名前からして寒い。今が夏で良かった。

ここ、追加料金なしで入れるのがありがたいよね。
『流氷に触れてみよう』というパネルもある。中には本物の流氷があるのだ。冬の北海道を訪れたことがなく、流氷で覆われるオホーツク海を見たことがない僕にとっては貴重な体験だ。

もちろん、上着をレンタルすることができる。半袖シャツで-20℃の世界に入ったらさすがに死ぬから。
大学生くらいの男性チームがキャッキャしながら「俺は上着無しで行く!」とか言っている。まぁ、彼らくらいの年代であればむしろそれが健全な精神だね。僕も日本1周目をしていた若かりし頃はそんな感じだった。
…とはいえ、今はそこまでヤンチャではない。しっかりと上着を着る。前はファスナーではなくボタンで留めるのだ。ファスナーは凍って動かなくなるから。

んじゃ、行くぜ、-20℃の世界へ。
重い鉄の自動ドアが「ゴーッ!」と音を立てて開く。
寒ッ!!ちょっと意味わからないくらいに寒ッ!!

まずは渡り廊下的なところに巨大水槽があり、たっぷりと流氷が敷き詰められている。冬の間にここ紋別の町で採取した本物の流氷であり、触ることもできる。
固いような柔らかいような、不思議な感触だ。でもとりあえず冷たい。

凍えながら階段を下りて、メインフロアにやってきた。流氷の塊がゴロゴロと乱雑に配置された空間。
「-20℃」とデカデカと書かれており、「いや、わかっているよ。改めて言うなよ。余計に寒く感じるから。」って思った。寒い…!いや、寒いというより、なんか笑える。いかんいかん、寒さでIQが低下している…!

ホッキョクグマやアザラシの剥製が展示されている。どちらも流氷に乗ってやってきたりすることもあるアニマルですな。
コイツらの耐寒性能に敬意を表する。流氷の海にダイブするだなんて、僕には考えられない。

とりあえずホッキョクグマと記念撮影した。スマホは流氷の上に立て掛けさせていただいた。
では、極寒エリアをくまなく巡ってみようか…!
氷漬けの魚たち
極寒エリアのエンターテイメントをいろいろご紹介していくぞ。

あ、ブリザードを疑似体験できるボタンがある。そうだよね、極寒世界のエンタメといったらブリザートを食らうことだよね!
…って思ったけど、どうやら実際にブリザードが吹き荒れるボタンではなかった。風の音が聞こえるのみだ。セーフ。マジでセーフ。

フルーツがコチコチに凍っているみずみずしさのかけらもない!
表面は水分が凝固したためか、シワシワで色あせている感じだ。手に持ってみると固いし、なんとなく重くなっている気がした。氷点下の世界ではジューシーなフルーツを食べられないことが理解できた。
この横には氷でできた木琴があった。ご丁寧に楽譜も置いてあり、音楽を奏でることができた。音色はほぼ鉄琴だね。

片隅では野草類がブロックアイス内に氷漬けにされていた。なんで野草を氷漬けにしようと思ったのかは知らないが、鮮やかなままで時間が停止したかのようだね。美しくも恐ろしい…。

-20℃の中でしゃぼん玉を飛ばしたらどうなるかを実験できるコーナーもあった。「しゃぼん発射ボタン」という物々しいボタンがとても良い。どこぞの指令室のミサイル発射ボタンみたいな雰囲気だ。

しゃぼん玉、発射だ!!
勢いよく空中に飛び出したしゃぼん玉だが、なんかテンションが低い。フワフワと上に上がらずに、クターッって感じに下降を始める。そしていくつかは空中でクシャッと縮んでしまった。
床に落ちるとすぐに割れるのではなく、これまたクシャって感じにかたちが崩れる。半分凍っているので、かたちを保ちつつ割れるということなのかね。
文字で表現してもわかりづらいかと思い、これも動画を撮ってみたので見てみてね。あなたの知っているしゃぼん玉とは異次元の動きをするぞ…!

最後は-20℃の世界の一角にある、「流氷水族館」だ。ここにはオホーツク海で撮れた約140匹の魚が氷漬けにされている。
こいのぼりも氷漬けにされていた。これはちょっと趣旨が違うね…。でも時間を凍結させればいつまでも子供の日のままでいられるのかもしれない。

はい、すごい。ボラ・アオダイ・ブリ・フグ・カニ・エイ・マンボウ・イカ・タコ…。なんでも冷凍しちまっている。タコとか、リアルすぎてなんだか怖い。
これ、たぶん新鮮なうちにキチッと冷凍し、そのまま-20℃を保っているんだと思うんだけど、解凍したら食べられるのかなぁ…?食べたくないけど。

ニジマスもニュウドウイカも、ウニもクラゲも凍っている。デカければデカいほど、なんだか異様で怖い。僕は今までいろんな水族館を訪れているが、こんな奇妙な水族館は初めてだぜ。

これはここに展示されている中では最大級の魚、オンデンザメだ。
知っている人も多いと思うが脊椎動物としては最長の寿命を誇り、500年も生きる深海ザメだ。極寒の深海に生きるためにノロくて時速1kmでしか泳げないけども、かわりに代謝がメッチャ低いので老いが遅いのだよね。

チョウザメもいる。キャビアの元になるヤツだ。これは他の水族館で生きている個体を見たことが何度かあったな。しかしすぐ目の前で新鮮な状態だと、また違った迫力を感じるよ。

クリオネだ!流氷の天使を凍らせちゃったのかよ!でも動きがストップしているのでさっきの展示室とは違い、今回はちゃんと撮影できたけどさ…。
…はい、大体以上だ。正直ここまで寒くってしょうがなくって、楽しい反面逃げ出したくってしょうがなかった。冷凍庫とかで作業する人、マジすごい…。

どんな炎天下でも確実に涼を感じられる最強避暑地、オホーツク流氷科学センター。
一昔前までは北海道自体が避暑地だったけども、近年の北海道はやっぱ冷房無しではすごせないくらいに暑くなり、ここに入ることでクールダウンすることができた。
あなたもこの夏に北海道を目指すなら、ここを記憶の片隅に留めておいてほしい。

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。
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