週末大冒険

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ちょっと出かけてみないか。忘れかけていた、ワクワクを探しに。

No.485【群馬県】真新しい店でレトロ自販機!?「自販機食堂」の切り開いた道は偉大だ!

ここ数年でレトロ自販機は非常に注目されており、YouTuberなんてこぞって訪れているから物珍しさも薄れてきたようにさえ感じる。

 

何よりこのレトロ自販機の再燃と世間への認知については神奈川県の「中古タイヤ市場 相模原店」の功績が大きいように思う。2016年にレトロ自販機を設置し始めたところから始まり、瞬く間に100台レベルの超大型レトロ自販機スポットになったのだ。

 

中古タイヤ市場 相模原店

だが、僕は忘れちゃいない。

その2年前の2014年にレトロ自販機を中心とした新規事業を始めた「自販機食堂」のことを。廃れ行くと思われたレトロ自販機界隈に、一石を投じたこの店のことを。

 

このアパートに住んでいる人がうらやましいぜ!!

…ってことで、レトロ自販機が群雄割拠する群馬県にて異彩を放つレトロ自販機の超新星、自販機食堂について執筆するぞ。

 

 

レトロ自販機に新風が

治安いいぞ、この店は

 

まずはこの章では、僕が初回訪問したちょっと過去のご紹介をしようと思う。

西暦何年かはあえて言わないが、まぁ昔だ。だけども何事も"初めて"っていうのは結構大事なので、初心に帰る意味でも書きたいのだ。

 

レトロ自販機に新風が1

到着して店舗を前にし、「新しいぃー!!」って思った。

レンガ調の綺麗なアパートに併設している店舗。看板のロゴがスタイリッシュだし、なんかゆるキャラっぽいマスコットも描かれているし。同じ群馬県内で昭和時代から頑なにスタイルを変えないドライブインの「オレンジハット」とは正反対のスタンスだ。

ま、オレンジハットも大好きだけどね。てゆーか、さっきまでオレンジハットなど数店舗のレトロ自販機を巡りつつここに来たんだけどね。

 

レトロ自販機に新風が2

内部に入った。とてもきれいで治安がいいなっていうのが印象だ。

まずは受付窓口みたいなブースがあり、そこにスタッフさんがいたのだ。「わ、人間だ」って思った。こちとら自販機目当て。つまりは人間との接触なんて想定していなかったもんな。

 

そんで有人であるがゆえの治安の良さよ。24時半営業のレトロ自販機店や、無人のレトロ自販機コーナーなどは、自販機を蹴っ飛ばしたり壊したりするヤツもいるしね。食べたあとの容器などをそのままそこに投げ捨てていくような人もいるしね。

だが有人だとそんなことはできまいて。

 

レトロ自販機に新風が3

す、例えるならばカフェみたいな感じかな。でも自分の欲しいものは自分で自販機で買う形式のカフェ。

客層も、他のレトロ自販機ドライブインのように近所のおっちゃんやトラックドライバーさんがメインターゲットではなく、小奇麗な若者層って感じだ。

 

ハメを外して大騒ぎする人もいなくって、みんな静かにすごしている。上の写真は僕が座ったカウンター席なのだが、すぐ横の本棚にはマンガも豊富で、ゆっくり長居もできそうだ。

 

レトロ自販機に新風が4

キーホルダーなどを始めとしたオリジナルグッズの販売も多く行われていた。すごいぞ、次世代のレトロ自販機店ってこんな感じなのか…!

 

オレンジハットなどの昭和ドライブインのヒリついた空気も好きだけど、こういう雰囲気も悪くはない。他のレトロ自販機店とのギャップに僕は少々戸惑って入るが、ニューエイジは絶対こちらの方が馴染みやすいであろう。これは新時代の幕開けかもよ。

 

 

奇抜なトーストとハンバーガ

 

では、自販機メシをいただこう。

 

自販機メシ1

自販機食堂というだけあって、レトロ自販機の数はなかなかだぞ。

まずは入口付近にご覧のように3台ある。ちょいと遠目なのでわかりづらいかもしれないが、富士電機製のレトロ麺類自販機が2つと、ハンバーガー自販機が1つだ。この時点で、もうなかなかのラインナップ。

 

自販機メシ2

カウンター席の後ろにはレトロなトースト自販機だ。これらの麺類・ハンバーガー・トーストを"レトロ自販機の御三家"って呼ぶ。このご参加が揃う光景って、そうそう見ることはできないんだぜ。少なくとも西日本には存在しないし。

 

奥にはコカ・コーラのちょっとレトロな自販機も見えている。瓶コーラを買えるヤツだ。あれもあれで、渋くていいよね。

 

自販機メシ3

店舗の最奥にはコスモス自販機もある。これはちょいとチープなおもちゃが出てくる自販機で、昭和時代には大流行したらしい。今はもう数えるほどしか存在していないそうだよ。僕も3・4回くらいしか目にしたことがないヤツだ。

 

じゃあ、まずは1つ前の写真でもご紹介したトースト食うか。

 

自販機メシ4

ん?メニューが独特。

ハム&チーズは定番メニューではあるが、ハムが外に出ているので焼きハム状態になるらしい。なんだそれ気になる。

もう1つは「すりおろしガーリック+マヨネーズ+スライスガーリック+ハム+クレイジーソルト少々」だ。名前長ッ。どちらも250円。じゃあいろいろ入っていて他では味わえそうにない味の、後者にするか。

 

自販機メシ5

ボタンを押すとトーストは内部で温められ、灼熱の状態で出てくるのだ。とても素手では触れないぞ。この店舗ではそれを鑑みて、トングやミトンやトレーが設置されている。

他の店舗でもトングはたまーに見かけるが、ミトンやトレーは初めてかも。軍手だったら見たことあるけど。それと、トングもかわいい。このお店のセンスを感じるぞ。

 

自販機メシ6

なるほど、見た目は名前よりかはシンプル。マヨネーズとガーリックペーストが塗られたパンにハムが挟まっている感じ。

だがうまい。ガーリックマヨネーズなんて、食欲ギャンギャンに刺激してくるじゃない。食パン一斤食わせろってくらいに思ってしまう。

 

自販機メシ7

次はハンバーガー自販機だ。これを見てくれ。グーテンバーガーの自販機。コイツはすさまじくレアだぞ。国内でここ以外に残っているところある??

 

自販機メシ8

 

全部300円。これまた攻めたネーミングなのである。あるいは、レシピ全部名前に入れないと気が済まないタイプ。

「タルタルミーートwithベーーコン」と「スライスチーズ×チェダーチーズ ダブルチーズバーガー」の2つを購入した。ハンバーガーはキチンとしたボックスに入っているので、1つはここで食べて1つは持ち帰って後で食べよう。もう満腹だもんよ。

 

自販機メシ9

瓶のコーラと共にいただこう。コーラと共に食べればおいしさにブーストがかかるに決まっている。

あ、ところで右奥には富士製麺自販機のデザインの紙ナプキン入れがあるんだよ。すごいかわいい。個人的に欲しくなるぜ。

 

自販機メシ10

普通のハンバーガーにベーコンが追加され、ミートソースとタルタルソースで味付けされたバージョンなのである。

これ、旨味が複合的に襲い掛かってきてヤバいね。全部コクのある食材じゃないか。ガツンときた。自分でも作って食ってみたいレベルだ。

 

自販機メシ11

さて、これは時間差で食べることにしたダブルチーズバーガーだ。奥にある"カレー"と書かれたボックスは、他のレトロ自販機で買ったものなので今回は気にしないでいただきたい。

あと、「箱に開封のミシン目がついているのに上から開けているよ!」というツッコミも不要だ。これは記念に箱を取っておくにあたり、なるべく箱を破壊したくないからだ。

 

さて、ダブルチーズバーガーは名前の通りチーズ2種。チェダーが入っているんだもん、パンチの効いた味に仕上がり、一気にグレードがUPしたように感じる。肉との相性はいわずもがなだ。

 

自販機メシ12

レトロ自販機ではあるが、トーストもハンバーガーも丁寧にオリジナリティを出しつつ作っていると感じた。他の店舗と比べると若干高めではあるが、この空間とこのクオリティのことを考えればむしろありがたい価格だぜ。

次回は麺類も食べてみたいぞ…!

 

 

こだわりまくったラーメンを

 

時は流れて2025年。僕は再び自販機食堂を訪れた。

 

次はラーメンを1

今回も快晴だ、自販機日和だ。今回は麺類を食べよう。まだまだ寒い時期なので、温かいものを食べたい気持ちがほとばしっている。

 

次はラーメンを2

懐かしの店内。メインのテーブルとイスのある部分はファミリーがワイワイと食事を楽しんでいたので撮影はしなかった。

 

…が、なんとなく「垢抜けたかな?」って感じた。今回たまたまだったのかどうかわからないが、前回は客席が見える位置に常にいたスタッフさんがいなかったからかもしれない。人からも空間からも自由奔放感が感じられた。テーブル類が少し経年で傷んできたのもそのせいかもしれない。

まぁでもね、あくまで前回と比べればの話だ。他の昭和ドライブインと比較すればまだまだピッカピカの域だ。

 

次はラーメンを3

麺類自販機2台、そしてハンバーガー自販機の並ぶ姿も圧巻だ。

では、今回はラーメンにしよう。一番左の自販機から購入。値段は350円だったと記憶している。

 

次はラーメンを4

これね、前回撮影した写真なのだ。

チャーシューは自家製であり、秘伝のタレで3時間以上煮込んでいるそうだ。スープもこだわっているし、麺は自社工場で打っているそうだ。そんなこだわり抜いたラーメンなので、食べてみたいよね。

 

次はラーメンを5

おぉ、見た目からして既にうまそうだ。もちろん味もそれを裏切らなかった。

ほどよく脂の浮いた、ちょっと塩味の効いた醤油味のスープ。麺はやや太めのストレートでもちもちしており噛み応えがある。具はチャーシューとナルト、メンマだ。

 

次はラーメンを6

チャーシュー、これすごい。チャーシューというより肉塊だ。分厚い。そして弾力があって食べ応えがあるのだが、決して固いとかではない。噛んでいるとちょうどよく脳を刺激してくれるくらいの固さだ。ゆえに脳汁ドバドバに出るわ。

ラーメンで正解。このお店にまた来れて、心からよかった。

 

トースト自販機は故障

ラーメンだけでお腹いっぱいになった。もう一品、パン類を持ち帰ろうかなって思うのだが、トースト自販機は故障中であった。残念…!

ではハンバーガー自販機から何かを購入しようか。

 

ハンバーガー購入1

なんとなくそんな予感がしていたのだが、前回からメニューは刷新されていた。常に攻めの姿勢を崩さないオーナーさんなのだな。こうやってメニューを変えることで、きっとリピーターの獲得にもなるしね。

 

  • とろけるチーズチェダーチーズ Wチーズバーガー
  • コロチャマヨサンド コロコロチャーシュー×ガーリックマヨネーズ
  • ミートソースととろけるMIXチーズ

 

1つ目のWチーズバーガーは、きっと前回の「スライスチーズ×チェダーチーズ ダブルチーズバーガー」とほぼ一緒だな。チャーシューは今食べたばかりだから、ミートソースととろけるMIXチーズにしようか。

 

ハンバーガー購入2

しばらく時間を置き、小腹が空いたタイミングで食べることにした。電子レンジで温めてから開封した。

 

「さっきは『記念に箱を取っておくにあたり、なるべく箱を破壊したくない』って言っていたクセに今回はボロボロじゃないか」って言われるかもしれないが、まぁ気にしないでくれ。我が家の方針で、食品の油が染み込んでいる可能性のあるものを保存することができなくなったので、もう思いっきり開封しただけだ。みなまで言わせんな。

 

ハンバーガー購入3

おぉ…。なんかエキサイティングな写真になってしまって申し訳ない。
具だくさんでジューシーなミートソースと、トロトロにあふれるチーズが挟まっているので、こんなビジュアルだ。食べてみるとそれらが口の中で混然一体になるんだから、うまいに決まっている。

毎回どれもクオリティ高いなここ。

 

 

自販機食堂の切り開いた道

 

…冒頭で記載の通り、自販機食堂が開店したのは2014年であった。

2011年くらいにレトロ自販機の存在を知った僕は、このころ既に全国のレトロ自販機保有店をそれなりに巡っていたが、巡るそばからポツポツと閉店していくお店もあり、切ない気持ちになっていた。

レトロ自販機隆盛期から数10年。自販機もオーナーさんも高齢化が進み、時代もレトロ自販機を求めていなくって、限界ギリギリの時期だと感じた。

 

自販機食堂への想い1

そんな折に、レトロ自販機激戦区の群馬県に自販機食堂がOPENしたというニュースを耳にしたのだ。「マジか!嬉しいけども、これだけで商売になるのか?ターゲット層はどこだ?」って思った。

当時は平成末期や令和の今ほどレトロブームは来ていなかったし、僕の周囲にもレトロ自販機の存在を知る人はほぼいなかったしさ。

 

自販機食堂への想い2

当時のオーナーさんのSNSも見たことあるが、『恐らく日本で最後のレトロ自販機の新規店であろう』という旨をコメントしていた。そういう時代だったのだ。

 

そんな中で自販機食堂がOPENした。ここはオーナーさんのお母さんが営んでいた喫茶店をリノベした店舗とのことだ。最初から麺類・トースト・ハンバーガーの御三家を揃えて営業開始したそうで、熱意がすんごい。

 

自販機食堂への想い3

2年後に神奈川県の中古タイヤ市場 相模原店がレトロ自販機を店舗に設置し、瞬く間にマスコミがひっきりなしに来るし若者も多く集まる一大スポットとなった。

 

同時期に「岐阜レトロミュージアム」、令和に入ってから栃木の「なかよし自販機コーナー」ができたり、レトロ自販機不毛の地である北海道の「花輪食品」の店内にレトロ自販機が設置されたり、広島にレトロ自販機カフェの「M's cafe」がOPENしたり…。

それぞれ異なるコンセプトのもと、新時代のレトロ自販機店を作り出している。

 

自販機食堂への想い4

結果として自販機食堂は日本最後ではなく、どんどん後に続く店舗ができている。2025年現在もレトロ自販機で新店舗を作ろうとしている人もいる。老舗の営業継続は相変わらず課題も多いが、この世からレトロ自販機が無くなってしまうのは、まだ少し先になったんだなって思っている。

 

自販機食堂への想い5

だからこそ、あの不安入り混じる時代に新店舗を開店させた自販機食堂が思い出深い。あの日に開店の知らせを聞いた記憶が思い出深い。

 

アパート併設した店舗で、ファミリーも多い傾向のある自販機食堂。ここでレトロ自販機を体験した子供が、また次の時代のレトロ自販機業界を切り開いてくれたら、あぁそれはすごく楽しみな未来じゃないか。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 自販機食堂
  • 住所: 群馬県伊勢崎市富塚町293-3 パレス本丸
  • 料金: ラーメン¥350他
  • 駐車場: あり
  • 時間: 24時間営業