宇宙航空研究開発機構、略してJAXA。その機関が鹿児島県の内之浦という小さな町の外れにある。
これまで日本初の人工衛星を打ち上げたり、その後も数々の気象観測用ロケットを打ち上げたりと、400機ほどを宇宙に飛ばすという華々しい実績を誇っている施設だ。
世界で初めて、地球の重力の届かないエリアの天体に着陸してサンプルを持ち帰ってきた探査機「はやぶさ」も、ここから打ち上げられていたんだよ。

宇宙。ロケット。そんな男の子が(女の子も)大好きな要素を詰め込んだJAXA内之浦、実は無料で敷地内に入って見学ができる。
事前予約不要でマイカーで乗り込んで、そんでパラボラアンテナを見上げたりロケットレプリカと一緒に撮影もできるのだ。無料で。なにそれステキすぎる。
僕は4回ほどここを見学しているので、そのときのことを執筆するぞ。
尚、JAXA周辺などには宇宙やロケットにまつわる施設やオブジェなども複数あるが、それは今回割愛する。それらまで書いていたらボリューム多すぎて大変なことになっちゃうから。
プロローグ:受付
JAXAを見学できるのは8:30からだ。うち2回はOPENと同時にルンルンで入場している。
そのうちのさらに1回はテンション上がりすぎて7:30くらいに着いちゃったんだけど、受付の人に話したら「併設の宇宙科学資料館はもう開いているし無料だから先に見るといいよ」って案内された。
宇宙科学資料館については後で触れるね。

ここが受付だ。いきなり車で突撃はせず、ゲートに入る手前に駐車場があるので、まずはそこにマイカーを停めたら徒歩で行こう。
スタッフさんの案内で受付票に名前等を書き、許可プレートとパンフを受け取り、内部の説明を受けるのだ。前述の通り無料だ。嬉しい嬉しい。

許可証は年月と共にデザインが変わってきている。左上の初回訪問時の物は、たぶん専門業者に発注して作成してもらったものだろう。綺麗な円形で、車のフロントガラスに貼り付けるための吸盤までついている。
その他のものはコピー用紙をラミネート加工したものかもしれんね。スタッフさんが夜なべして作ったのかな?

これで簡単すぎるミッションが完了。プレートを車にダッシュボードにおいておけば、受付ゲートに車で乗り付けた際に、スタッフさんがゲートのバーを上げてくれるのだ。
ところで直近である2025年3月に訪問した際は、駐車場管理をしていたスタッフのおじいちゃんが「つい数日前まで衛星ヶ丘展望台は閉鎖されていたのだが、開放再開したんだよ。ラッキーだったね。」って言ってくれた。
そうだったのか。知らんかった。JAXA内之浦の公式Webを見ると、2025年は整備している施設が多そうなので要チェックだ。

敷地内は道が狭いし高低差があるし、本業の人たちもいるから慎重に走らねばならない。受付でも「時速20km制限ね」って言われたし。
貴重な施設内だから、ゆっくりゆっくり周囲を見ながら走ると良いかと思うんだぜ。
KSセンター
まずは一番手前側にある見学フィールド、KSセンターを紹介しよう。

ここはSS-520・S-520・S-310型といった、観測用のロケットの発射エリアだ。
そうそう、JAXAは国内にいくつかの拠点・施設があるけれども、実際に打ち上げができる"射場"は、ここと「種子島」だけだそうなんだよ。

まず出てくるのは、S-520-1型ロケットだ。観測用の小型ロケット。
小さいしレプリカだけれども、これだけでもテンション上がるなぁ!こいつが宇宙まで行くんだもんなぁ!

初回は建物のすぐ脇で有刺鉄線の中に展示されていたこのロケットだけど、その後はこのように青空の下に展示されていて見栄えが向上したよ。たぶんペイントもし直しているよね、ピッカピカで清々しい。

だけども昨年の2024年に訪問したら、なんか劣化してきていた。
特にフィンが相当に錆びているぞ。あと黄色と黒の今バーで囲むのも、安っぽく見えるから辞めた方がいいかと…。近づくと危険な状態なのかな?
先端部分を白から黒に塗り替えたんだね。あと「-1」の文字が消えたのはなぜ…??まぁそれはいいとしても、もう一度塗装してあげてほしい…。

M-3S型ロケットだ!これはデカいぞ!!科学衛星を打ち上げるためのロケットなのだそうだ。
全長23.8mというから、学校にあった25mプールとほぼ同じサイズだ。東京大学宇宙航空研究所と日産が共同開発したそうだ。日産!!

日本4周目ではOPENと同時にここに来たので、完全に無人。こうして愛車とロケットをピッタリ並べることができた。大きさを実感できるよね。

日本5周目では他のお客さんもいたので気を使い、少し離れたところに愛車を停めた。どちらの回も快晴で、白いロケットが青空に映える。

これは日本7周目1回目の訪問である、2024年のときの写真。雨だれで下回りが錆びてきたね…。
しかし横から見ると構造がよくわかる。3段式のロケットだ。1段目と2段目の境は数本の細いポールで繋がっているだけど、あれって飛行時の重力に耐えられるの?もちろn耐えられるんだろうけど、すごい構造だなぁ。

そしてランチャードーム!!
先ほどのロケット2つはレプリカだけど、これは本物なのだぞ。ガチのロケット発射台だ。日本初の人口衛星の「おおすみ」も、世界初の偉業を成し遂げた「はやぶさ」も、ここから旅立っていったのだねぇ…。

ロケットはこの中で組み立てられ、そしてこの中にある打ち上げ用のランチャーにセットされる。
打ち上げ時にはこのドームの天井部分と、あと上の写真にも写っている側面にある2箇所のドアが開く。そんでロケットは天井からハデに宇宙へと飛び立つのだ。

これが2024年の春。僕が見たランチャードームの最後の姿である。
…というのも、1981年からずっと活躍してきたランチャードームは老朽化で維持困難な状態となったのだ。どうにか残す方法も考えられたんだけど、結果として解体することとなってしまった。
そして、2025年1月から解体が始まったのだ。

解体の終盤である2025年3月下旬、僕は再び現地を訪問した。ご覧の通りKSセンターは工事中なので見学のための立ち入りはできない状態となっている。
ちょっと考え、次章で出てくるテレメータセンター前から見下ろしてみることにした。

あぁ…!もうランチャードームは影もかたちもない…!
でもロケット2基はちゃんと残っていてくれて安心だ。今後はKSセンターはロケット2基を見学するだけのエリアになるのだろうか…。少し寂しいかな。
最後に、解体を伝える肝付町観光協会のWebへのリンクを貼っておく。
長い間ありがとう、ランチャードーム…!!
テレメータセンター
ここは近年では衛星追尾センターという名称になっていたりもするが、本ブログではテレメータセンターと呼ばせてもらおうか。
観測ロケットや人工衛星からの電波を受信しているらしく、ロケット用と衛星用の2つの建物から成り立っていた。

手前のプラモデルのようにハデな青と赤のアンテナは、400MHzトラッキングアンテナってヤツだな。レプリカなら過去3回ほどこの近くで眺めている。奥には3.6mの小型パラボラアンテナも見えている。
これは日本4周目のときの写真だ。駐車場は数台分あったものの職員用っぽく感じたし、施設全体が柵で覆われていたので「ここは見学するのはちょっと止めておこう」と判断し、停車した車内から写真を1枚撮って立ち去った。

ここのエリアのシンボルは、巨大な34mパラボラアンテナだ。これも車内から一瞬眺めた。背面しか見えなかったものの、すんごい迫力だな…!巨大建造物って背筋がゾクゾクするよね。

堂々とここに車を停めたのは、日本5周目だ。とはいっても、ゴールデンウィークだからか、かなり駐車場パンパン。20台ほどの車が停められるんだけど、一番奥にギリギリで駐車できた。

400MHzトラッキングアンテナと、上を向いた34mパラボラアンテナとのコラボレーションだ。どっちもかっこいいな。
このときは、ここから徒歩でコントロールセンターに行ってトイレを借りたり、一般客の入れないミューセンターのロケット発射装置を遠望したりした。

ここで歴史は大きく動く…。だからこそ、少し過去のテレメータセンターの写真を丁寧めに掲載した。
日本7周目である2024年春の訪問時、僕は違和感に襲われた。

なーーーいッ!なんかすんごい広々とした駐車場ができている!!
ここに赤と青のアンテナもあったし小さなパラボラアンテナもあったし、コントロールセンターの建物がギッチリ建っていたハズだよね…??
あ、ところで真ん中に写っているのは僕が鹿児島県志布志港でレンタルした車だ。事情があって船旅をメインにしたかったので、マイカーではなくレンタカーなのだ。
そのときの手に汗握るエクストリームな旅路については上記に執筆しているので、見てやってほしい。しかし絶対に参考にはしないでほしい…!

34mパラボラアンテナは残っているし、その足元の施設も残存している。もしこれが無くなっていたら、僕は絶望していたところだったよ。いや、この設備の詳細なんぞほとんどわからない素人なので、そんな権利は無いんだけどもさ。

2025年3月の最新写真。日本7周目としては2回目、1年弱ぶりにまた来た。今度はマイカーで来た。
広々した空間に聳えるパラボラが素敵だ。同行者もいたのだが、この最高の天気とこのロケーションに喜んでいた。僕はかつてのロケーションを思い出していたがそれを口には出せず、ちょっとセンチメンタルな気持ちになっていた。

初回から存在していたものの、今回初めてじっくり見た設備がある。それがこれだ。東屋風だけども、フレームのみで屋根が無くって直射日光がガシガシ当たるスタイルの東屋。なるほど新しいスタンス。
これは、かつてこの施設内にあった18mパラボラアンテナの鼻先(?)の部分だ。

どうやら30年ほど活躍したものの、老朽化で1997年に撤去されたらしい。
現地の説明版にはこのパラボラに掛ける熱いコメントが長文で記されていた。その中から、当時の写真部分を抜粋するね。東屋のフレームになっている部分、どこかわかったかな??
あとね、以前僕も見た3.6mの小型パラボラアンテナがどこへ行ったのかというと…。

JAXA内之浦のちょっと手前にある「宙の家」という施設に2021年に移設されている。もともとは内之浦のゲート前にあった施設だが、このタイミングで移設OPENしたのだ。
その際に、現役を引退した3.6mパラボラアンテナをシンボルとして持って行っているというわけだ。宇宙関連のグッズにあふれているよ。

改めて、大型の34mパラボラアンテナは最高だ。
じゃ、次行くぞ。僕の個人的ハイライトは次の「衛星ヶ丘展望台」だ。
衛星ヶ丘展望台
衛星ヶ丘とかいて"ほしがおか"と読む。このセンス、オシャレすぎる。キラキラネームみたいなことになっている。いいぞ、もっとやれ。

衛星ヶ丘は、一般見学エリアの中では最奥かつ一番標高の高い所にある。車道はギリギリすれ違いができる程度の幅で、かつてHUMMER_H3で行ったときは対向車が来ないことを祈りドキドキしながら進んだ。

道の脇には南国植物が植えられていて、雰囲気はバツグン。これ、帰路だと反対側がら坂を下りてくるんだけど、遥か下に海も見えていい感じだよ。

これが駐車場と、そこから見上げる20mパラボラアンテナだ。さっきの34mパラボラアンテナと比べれば小ぶりだが、すぐ足元まで行けるので迫力はなかなかだ。
あと、このように愛車と綺麗に写真撮影もできるのでお気に入りなのだよ。

ところで、大体ここに来ると真上を向いている20mパラボラアンテナだが、2024年訪問時のみ斜めを向いており、アプローチの途中でお皿の中がちょっとだけ見えた。天気はイマイチだけど、1人で盛り上がった。
では、駐車場から見てパラボラの裏手にある衛星ヶ丘に行ってみよう。

なんだかセキュリティ厳重で物々しい雰囲気の展望台なのだ。ガショガショしてサイバーな雰囲気だ。
まさにここ、日本国内の相当な数の展望台を回ってきた僕がランキングする、"サイバーな展望台"の第1位。ちなみに第2位は青森県の「竜飛岬」の展望台、そして第3位は北海道の知床にある「羅臼国後展望台」。他にサイバー展望台あったら教えてくださいな。

ここ、何より清々しいし、これまで巡った多くの施設も遠望できる最高の展望。
サイバーな雰囲気だけども足元にプランターが置いてあって花が咲いているのが微笑ましい。「ステーキを死ぬほど食べるけども、それではバランス悪いからパセリを1つまみだけ添えるよ」みたいな焼け石に水みたいな意地を感じる。いや、そういう言い方は失礼か。

先ほどまでいたテレメータセンターが見える。これは34mパラボラアンテナの他、赤と青のアンテナや小型パラボラもあるバージョンだ。次の写真と見比べてみてほしい。

2025年3月の写真だ。あーん、スッキリしやったよぉぉー!
よく見ると左端、一般人の入れないPIセンターもこざっぱりしてしまっているな。

この展望台のアイデンティティの1つは、これまで見学できていないMセンターを見下ろすことができる点だ。
あそこに見えているのはイプシロンロケット打ち上げ台。さっきのランチャードームよりも大型のロケットを飛ばすことができる、超巨大施設なのだよ。

初回訪問時は少しだけ雰囲気が違っていて、建物が少なめ。あと、発射台の手前になんだかフレームを編み上げたような設備がある。なんだあれ、好きかも。気になる。

遥か遠方には、7mのレーダーと11mのパラボラアンテナが見えいている。イプシロン管制センターも見えている。さらに天気が良ければ種子島や屋久島が見えることもあるらしいが、僕は見えたことないな…。

展望台にはボタンが付いていて、これを押すとロケットが発射…されるのではなく、ガイダンスが流れる。ここから見える設備などを詳しく紹介してくれるので、勉強になるよ。

これらをまとめると、こんなロケーション。すごいね、地球は丸いし宇宙を感じてしまいそうなほどのいい眺めだ。
さて、ここで余談である。ここまで日本4周目・5周目、そして7周目では2回ここに来ている。じゃあ日本6周目ではどこで何をしていたのかというと…。

JAXA周辺の宇宙関連施設を回っており、JAXA内之浦そのものには行かなかったのだ。
上の写真は「IHIスペースポート内之浦」というスポットで、丘のようになった地形からJAXAのロケット打ち上げの様子を見学できる。だから打ち上げ時には多くの人が集まるのだ。
写真上部の方に、もうあなたも認識できる設備が見えているのではなかろうか。

まずは最高所に衛星ヶ丘の20mパラボラアンテナが見える。斜めを向いてはいるが、ギリギリでアンテナ内部までは拝むことはできなかった。

今は亡きランチャードームも見えている。
みんなこの丘にて、あそこから飛び立つロケットを遠望するのだ。さすがにロケット打ち上げ日は安全のために一般人はJAXAに立入りができないからだ。ここはJAXAから3km離れており、このくらいであれば安全安心らしい。

もう1つの発射台、Mセンターのイプシロンロケット打ち上げ台も見える。
ズームすればそれなりに迫力のある発射シーンが撮れそうだな。いつか見てみたい。
おおすみ打上げ記念碑
では、衛星ヶ丘から折り返しして坂を下ったところにある最後のスポットをご紹介したい。

正式には「人工衛星おおすみ打上げ記念碑、糸川英夫博士の像」と呼ばれているスポットだ。名前は長いが、そのままの内容のスポットである。
小さな小さな公園っぽいところ。ここは明確な駐車場は無いが、路肩にギリギリ2台くらい停車することができるようになっている。

1970年に日本で初めて打ち上げた人工衛星、おおすみ。そのレプリカと記念碑がある。こんなに小さい子が、宇宙で1人で頑張ったのだなぁ…。

そして「糸川英夫博士」だ。"日本の宇宙開発・ロケット開発の父"と言われている偉大なお方だ。
戦時中は戦闘機の設計したりジェットエンジンを開発したりし、戦後は日本ロケット協会を設立して宇宙開発に尽力した。ここ内之浦にロケット打ち上げ場を造ったのもこの人だ。
冒頭でご紹介した世界で初めて地球重力外の惑星に着陸しサンプルを持ち帰った、はやぶさ。そのときにはすでに糸川博士は存命ではなかったが、そのはやぶさの降り立った惑星が"itokawa(イトカワ)"と命名されている。そのことからも、この人の影響力がわかるよね。

どうでもいいけど、腕時計を見て「14:25なんだー…」って思った。僕はお昼を過ぎてちょうど仕事中の眠気MAXの時間なのである。ダメ人間なのである。
…さて、今回ご紹介するJAXA内のスポットはこのくらいにしておこうと思う。

本当は併設の無料施設「宇宙科学資料館」についても語りたいのだが、ここまでを含めると記事の量が倍くらいになりかねないから、いつはここはJAXA周辺施設集として別記事で取り上げようと思うのだ。

ってことで、本土最南端を目指す旅人達よ。その工程でJAXAにも立ち寄るとすごく心が満たされるぞ…!
以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。
住所・スポット情報
- 名称: 内之浦宇宙空間観測所
- 住所: 鹿児島県肝属郡肝付町南方1791-13
- 料金: 無料
- 駐車場: あり
- 時間: 8:30~16:30