週末大冒険

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ちょっと出かけてみないか。忘れかけていた、ワクワクを探しに。

No.455【和歌山県】南紀白浜のシンボル「円月島」!!岩に空いた丸い穴がカッコよすぎる!

南紀白浜エリアは冬でも温暖だし、いたるところに南国植物が植えられていることで、さらにトロピカルな暗示がかけられて、いつだって訪れるとテンション爆上がりなのである。

もう日本1周目から何度訪問したか数えきれない。今まで食べたパンの枚数よりも多いかもしれないくらいだ。いや、すまんそれは言い過ぎた。

 

 

温泉あり白亜のビーチあり、景勝地あり、海鮮もうまいしパンダもいるよ、と設定盛りすぎじゃないかってくらいになんでもありの白浜。

そんな中で僕がひときわ好きなのは、やっぱベタだけども「円月島」かなぁ。「白浜の光景を何か1つ思い浮かべて」と言われたら、まずはここが思い浮かぶ。

 

 

日本1周目から毎回毎回通っているスポット。白浜のシンボル。

今日はその円月島の思い出を執筆しようと思う。

 

 

円月島はデカい上にカッコいい

 

円月島、それは白浜の沖合に浮かぶ穴の開いた岩だ。

上に書いた通り日本1周目から通っているのだが、あまり古い写真を探すのも面倒なので、ひとまず日本3周目あたりの写真からダイジェストで貼り付けていこっかな。

 

日本3周目1

前提として白浜は西側に海岸がある。円月島はその沖合に浮かんでいるのだから、基本的には僕らは陸から西方面の円月島を眺めることとなる。

だから午前中は円月島の岩肌をキックリ見ることができ、そして夕方は夕日に照らされてシルエットとなった円月島を臨むかたちとなる。

 

日本3周目2

見返してみて思ったのだが、僕が午後にばかり円月島を訪問している。これらは貴重な午前の円月島だ。岩のボコボコっぷりが陰影によりはっきりとわかり、改めて写真をみてドキドキしてきた。

 

てゆーか、岩デカッ!船ちっさ!!

写真の右下に船がいるのが見えるだろうか。沖合なのであまり大きさの比較対象となるものが無いのだが、実際はこんなにも大きいのだ。

 

日本4周目1

円月島のサイズは、Wikipediaさんによれば南北130m、東西35m、高さ25mだそうだ。長い方の辺はサッカーコートよりもさらに長いくらいだ。結構なサイズ感だと思った。

そこに開いている、円月島最大の特徴である穴のサイズは9mだそうだ。デカいな。トンネルくらいのサイズがあるのだな。

 

日本4周目2

円月島って、正式には「高嶋」という名前だそうだよ。正直、この記事を書いていて初めて知った。

各種ガイドブックにもGoogleマップにも"円月島"と書かれており、たぶん誰に話すにも円月島と言った方が通じやすいだろう。芸能人の本名程度の知識として心の片隅に留めておけばいいかもしれない。

 

円月島の名前の由来としては、お察しの通り中央に空いた穴が円月形だからだ。

まぁ僕自身"円月"という言葉を単体で用いたこともないのだが、ひとまずこれがみんな知っている呼び名だ。

 

日本5周目1

僕も全国の奇岩を見ているが、こんなにも綺麗な円形の穴が開き、しかも岩が左右対称の整ったかたちの岩は他には思いつかない。

しかもそれを陸側から正面に、何ものにもジャマされずに眺められるという絶好のロケーション。そりゃ人気になりますわな。

 

 

ギリギリで持ちこたえる海蝕洞

 

円月島は、海蝕洞である。つまりは気の遠くなるような年月、波や風を受けて岩が削れて今のようなかたちになった。穴も開いた。

 

日本7周目

国の名勝にも登録されており、「和歌山県の朝日・夕陽100選」の1つでもある。

春と秋の年に数回は、あの穴を経由して太陽が沈むのだそうだ。そりゃあすごい幻想的なのだろうな。この陸側に観光客もごった返すのだろうな。

 

だが、当然現在も波や風にさらされ、少しずつ削れていっているのが懸念もである…。

 

日本6周目1

どうやら2005年以降、なかなかのスピードで円月島が削れていっているそうなのだ。シンボルとなる穴がどんどん大きくなっているのだ。

縦横10m前後のスケールで崩れたことが2回あるそうで、それはマジで恐ろしいよね…。

 

もう、一発大きな地震が来れば天井部分が崩れて、円月島は左右に2つの岩となってしまうという調査結果。

まぁそういう"双子岩"とか"親子岩"みたいなものも全国に点在しているけども、せっかくの円月島ならではのアイデンティティがなくなってしまってはヤバいのだ。

 

日本6周目2

2009年以降は許可なく円月島に近づくのが禁止されたそうだ。

あ、円月島って干潮のときは腰まで浸かって無理矢理ザブザブ歩けば到達できるんだって。かつてはそういう猛者もいたのだろうなぁ。僕はやりたくない。

 

日本6周目3

2014年に大掛かりな工事をして、穴の周辺などを固めたそうだ。僕自身の写真ではよく割らなかったが、Webなどの調査写真では若干穴のかたちが整えられて変わっているのがわかる。

 

穴の上のアーチ部分は接着剤でしっかり固められた上、透明の樹脂でコーティングされて風や波に強い設計になったのだそうだ。

 

日本5周目2

もはや自然の姿ではないけども、ぶっちゃけここから眺めている分にはわからないし、それよりも白浜の観光資源を維持する方が大事なのだろう。

浅い思考しかできない僕も「そうだそれがいい」って思っている。

 

日本5周目3

いつの日か…。僕の生きているうちに、この円月島の姿は大きく変わってしまうかもしれない。

それもまた地球の歴史。ちゃんと見届けたいと思っているよ。

 

 

裏円月島を見に行こう

番所崎公園へ

 

最後は、この円月島を裏側から眺めた話をしたい。「えっ、裏側って言っても海しかないじゃない。船から見たの?」と思われるかもしれないが、かろうじて陸地があるのだ。

 

裏側の話

それが矢印の部分だ。あそこからだと円月島の裏側から、ちゃんと穴も見える。矢印はまるで海を指しているように見えるかもしれないが、なんとかかんとか地に足もつく。

 

…それは日本5周目のことだ。

日本5周目では複数回の白浜ドライブをしているのだが、その中のとある回でのことだ。僕はいつものように午後の円月島を眺めていた。

 

表円月島1

春の夕方16時台であり、円月島は西日に照らされて完全にシルエットになっていた。これはこれですごくいい。今日は空気が澄んでいるし日差しも強くて円月島がすごくくっきりしたシルエットだ。

紀伊半島では既に桜も満開であり、晴天の中で紀伊半島各所を桜スポットを巡れたことに感謝しながら円月島を眺めていた。

 

表円月島2

するとだ、このときどうこうしていた旅友の「ひまこさん」が言う。「反対側から円月島を眺められるスポットがあるよ。そっちからなら逆光にならず、今の時間でも順光の円月島も見られるよ。」と。

 

そうなのか!実は僕もかねてよりツーリングマップルを見て気になっていたのだが、そこは「番所崎公園」だね?ひまこさんが案内してくれるというので、さっそく車に乗り込んだ。

 

番所崎公園1

円月島をグルリと北側に回り込んで番所崎公園の敷地へとやってきた。番所崎公園は2014年春にオープンした、比較的新しいスポットなのだそうだ。

ひまこさんは「大体みんな、この公園の外側の駐車場に車を停めちゃうんだよね」って言いながら、ゲートを突っ切って公園内に車ごと入って行った。

そうなの!?車で中に入れるの??…道狭ッ!

 

番所崎公園2

マジで狭いですけど?でもなんか信号機ありますけど?僕はひまこさんの車の助手席でずっとワタワタしていた。

 

園内の序盤は植物園になっているそうで、そこの道はこうやって一般車も通行できるらしい。ただし、メッチャ狭くて急坂なので、片側交互通行。そのために信号機があるそうなのだ。

激坂をグイグイひまこさんの軽自動車が上がって行く。あー、これは僕の愛車のHUMMER_H3だったら無理な狭さだな…って思った。

 

番所崎公園3

丘の頂上にある、最高に見晴らしのいい駐車場まで一気にやってきた。すごい絶景!!右手に見えている海の中の岩が円月島だよね!?

 

番所崎公園4

ひまこさん曰く、この番所崎公園はとても古く1950年代までは白浜観光の中心地だったけど、そのあとずーっと閉鎖されていて、再オープンしたのが2014年なのだそうだ。

さっき通過した植物園も、昭和1ケタ台にできた歴史のあるものらしい。

 

番所崎公園5

いつも車を停めて円月島を眺めているスポットは、海の対面の画面右側のあたりだ。今も複数台の車が駐車している。

「臨海浦」と呼ばれる湾の反対側にやってきたことがよくわかるロケーションだ。

 

番所崎公園6

丘を下ると、浜に出れるゲートがある。これもひまこさん情報だ。

しかし立入禁止の札が下がっている。いつも夕方には閉じちゃうんだって。

 

「アレレ…、じゃあ無理なのかな?」って思ったら、ちょうど近くを公園の係員の人が歩いている。お願いしてみたら「じゃあ最後にゲートを閉めておいてねー」ってすごい軽い感じでOKしてくれた。

やったー!じゃあ、浜に出てみよう!

 

 

浜から磯へ

 

浜辺に到着した。

 

裏円月島1

あ、円月島の角度がさっきと違う。もう少しだけ右に行けば、裏側から穴を覗くことができそうだ。

ぜひともそこまで行ってみたい。

 

裏円月島2

少し浜を歩くと岩礁や貝殻の入り混じった磯になる。ここを無理矢理沖方面に歩くと、円月島の真裏くらいに行ける気がするのだ。

僕、スニーカーだからギリギリ頑張れるところまで歩いてみるよ。

 

ひまこさんは途中でリタイア。「もう少し歩けば円月島の真裏に行けるから頑張って」と送り出してくれた。サンキューです!

 

裏円月島3

さらに歩くと、もう足もとは貝殻のみのゾーン。これ、陸地?それとも貝殻?僕はいったい何の上に立っているのかな?世界があいまいになってきた。

 

裏円月島4

北方向を振り返ると、岩山の上に灯台が立っているのが見える。あー、こんなところに灯台があったのだね。

写真に写っている部分は「番所ノ崎」という岬であり、あれは「番所灯台」というらしいよ。

 

裏円月島5

そんなこんなで、歩けるギリギリまでやってきた。

ウホホ、もう目の前ギリギリまで打ち寄せる波が迫力あるぜ…!

 

で、本題の円月島だ。ご覧の通り裏側から穴が見える位置まで来れたぜ。まさに「"裏"円月島」と呼んでもいいアングルであろう。

 

裏円月島6

順光で現れた円月島。裏側も表側と大きな差異のない、素晴らしいフォルムだ。

まぁこのようにちょっと足を伸ばせば誰だって来れるスポットではあるが、僕は初めて月面の裏側を見た宇宙飛行士のような気分になったよ。

 

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白浜のシンボル円月島。何度訪れても毎回「あぁすごいな」って思える良さがそこにある。訪ねた回数分だけ、思い出がある。

またいずれ、僕は紀伊半島西部を走るときには、ここから穴の向こうを眺めるのだろう。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報