週末大冒険

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ちょっと出かけてみないか。忘れかけていた、ワクワクを探しに。

No.419【香川県】標高400mに建つ「天空の鳥居」!!鳥の目線で瀬戸内海を見下ろせるぞ!

"天空の~"と頭に付くだけで、僕の高揚感も舞い上がる。あなたもきっとそうであろう。

だからこの国にはいたるところに"天空の~"と付くスポットがあり、ほんの10mだか20mだか小高いだけでも天空と呼称されたりするケースがある。もう世の中は天空だらけなのだ。極端な話、ジャンプすればそこは天空。

 

そんな中でも「これは良質な天空ですな」と、天空ソムリエの僕が認めるスポットがある。

 

 

「稲積山(いなづみやま)」という標高404mの山があり、その山頂に「高屋神社」という神社がある。

そこから見下ろす下界が絶景で、自分は鳥なのかはたまた飛行機なのか…っていう気分にさせてくれる。

 

 

高屋神社の天空の鳥居。

そこを目指した2024年春のお話をしよう。

 

 

標高404m稲積山への道

平日はマイカー突撃ができる

 

ほぼ平地から404mもある山の山頂まで登る。そのための手段は大きく2つだ。

1つは高屋神社の下宮の駐車場においてから徒歩で登山する方法。片道で50分かかるそうだ。ガチめの登山路なので歩きやすい装備が必要であり、Webには「体力に自信がない人はチャレンジしないで」と書かれている。

 

稲積山を登れ1

もう1つの方法は、山頂付近まで続く林道を車で登る方法だ。ただ、いろいろ留意点がるのでそれをこれから書いていくね。

 

稲積山を登れ2

ザックリ分けると上記4種類のようなアプローチ方法がある。

山頂への林道は狭い上に土日祝日は観光客が多いので、土日祝までマイカーOKにすると脱離や接触事故が多発してしまうのだそうだ。

 

稲積山を登れ3

しかし残念なことに、2024年6月に林道に落石があり、それから5ヶ月経過した2024年11月現在も復旧されていない状態だ。

この落石事故、たびたびあるそうだな。だけども今回は復旧までの期間がやたらと長い。林道が通れないとなるとシャトルバスももちろん通過できず、徒歩でしかアプローチ手段がないので、早い復旧が望まれるよね。

 

稲積山を登れ4

これはその落石事故の3ヶ月前、まだマイカーで山頂まで登れる時点の平日に僕がアプローチしたときのものだ。

平日でラッキーだ。以前は週末だったのでシャトルバスでの往復が面倒で諦めたこともあったから。

 

 

イカーで林道を走る

 

林道が復旧する前提で、林道の走行記録をご紹介しよう。

林道が未来永劫閉鎖されてしまったら誰も参考にならない記事になってしまうが、そうならないことを祈る。

 

稲積山を登れ5

イカーでアプローチする際にあなたも直面するであろうロケーションがこれだ。手前側から来て、正面にこの光景が広がる。

ちょっと標識がわかりづらく、写真に向かって左の道に対し「×」がついているように思えてしまう。僕はうっかりださまれて右の広い道を選んでしまったが、結果として不正解だ。左が正しい。

 

不動滝

道なりに数分進んでいたら、「不動滝」という滝の正面で道が途切れた。これもこれで見ごたえのある滝なので寄り道していったらGoodだと思うけど、そういう想定で走っていたわけではないので混乱した。

「どこで道を間違えたんだろう…」と自問自答の上でさっきの分岐を思い出し、Uターンした。

 

稲積山を登れ6

…でこれが正解への道を選んだ瞬間の図だ。一番左端に「三豊産業有限会社」への入口があるが、分岐看板の「×」とはここへのルートを指していたわけだな。わからんかったわ。

 

稲積山を登れ7

さて、ここからの林道は完全舗装されていて路面は安定している。しかし擦れ違いが容易にできるかと言ったらそうではなく、対向車が来たらたいていの箇所はお互いギリギリまで幅寄せする必要がある。

ま、逆を言えば幅寄せさえすればよい。世の中には離合地点までどっちかがバックしなければいけない狭路も履いて捨てるほどあるが、そういうレベルではないのだ。

…とはいえ、不慣れな人にとっては少々身構えてしまうだろう。土日祝にマイカー禁止になっている背景は、ここにあるのだと思う。

 

稲積山を登れ8

先ほど「たいていの箇所は…」と述べたとおり、対向車輛が来たらちょっと焦る箇所もあるからな。ここで車が来たらイヤだな。

そんな道も数分走ればゴールが見えてくる。

 

稲積山を登れ9

では、次章は駐車場からの天空の鳥居までだな。

 

 

僕は天空を飛ぶ鳥になる

仁尾方面展望所はあまり見えない

 

駐車場に車を停めたら、そこから徒歩5分少々で天空の鳥居だ。

 

鳥居までの歩道1

ここまで登ってきた林道の延長が、天空の鳥居まで続く歩道となっている。関係者はこのまま山頂の高屋神社まで車で行く用事もあるのだろうな。

 

鳥居までの歩道2

この結構エグい傾斜が山頂神社までずっと続くのが、地味にふくらはぎにダメージを与えてくれるぞ。運動不足の僕は程なくしてゼーハーと荒い呼吸をし出したよ。

 

鳥居までの歩道3

「仁尾方面展望所」という展望スポットがあるとの看板が出てきた。

仁尾町はここから見て北だな。高屋神社は西側に海が広がっている。北を眺められるということは陸方面ということになるのかな?

 

鳥居までの歩道4

どこが展望所だかよくわからないし、なんなら展望所までの歩道や階段すら認識困難だったけど、とりあえず看板の方向に足を踏み入れてみた。

たぶんだけど展望所は、天空の鳥居への歩道から分岐しわずか10mほど進んだ、上記岩場のあたりだと思われる。

 

看板に『本宮の北の神池より磐座周囲は神代からの聖なる祭場なので許可なく神木を伐採しないでね』という内容が書かれていた。

展望台から先の方角が該当するのかな?てっきり「聖域なので立入禁止です」くらいな文言かと思ったら、木の伐採という気軽に一般人はできなさそうなパワフルなプロジェクトだし、許可を得れば伐採してもいいのか…。

 

鳥居までの歩道5

展望所ギリギリまで来てみた。

足元はたぶん断崖でちょっと危険なのだと思う。木々がジャマであまり眺望がよくないが、慎重に移動しなんとか遠くを見渡せる位置を見つけることができた。

 

鳥居までの歩道6

遥か彼方に見えているのは荘内半島だね。足元の海も青くてきれいだ。あのあたりから車で登ってきたのだな。なかなかの標高差。400mってすごい。

 

天空の鳥居に続く歩道を後ろから歩いていたおじいさん・おばあさんが、「おーい、そっちからの景色はどんな感じー?」と僕の背中に声をかけてきた。

僕は景色はそこまででもないこと、足元が危なっかしいこと、天空の鳥居を直接目指すのが無難であろうことをお伝えした。

 

 

天空にそびえる鳥居から

 

おじいさんと話しながら坂道を歩いた。中国地方に住んでいて、ここに来るのは初めてだと言っていた。

 

高屋神社_本宮1

着いた。404mの稲積山山頂にある高屋神社の本宮だ。

この写真は天空の鳥居を背にして撮っており、振り向けば足元に絶景が広がっているのだが、それのご紹介はちょっと待っておくれよ。実際の僕も鳥居を担当するよりも先に、まずは本宮を参拝しているのでね。

 

高屋神社_本宮2

讃岐国式内社24社の1つである、高屋神社。稲の神様でもあるらしい。だから、あのムッチリした注連縄はふもとの水田と収穫した古代米で作っているそうだよ。

 

では本題、天空の鳥居だ。

 

天空の鳥居1

本殿と同じフィールドから見下ろしたのが、この写真。

いやぁ、すごいね。鳥肌が立つほどの絶景だよ。おじいさんは「ちょっと空に霞が多くて残念だな…」と言っていたが、これもこれでいいんじゃない?雲も身近に感じられるよ。

 

天空の鳥居2

鳥居の右側に見えているのは"讃岐富士"の「飯野山」だね。あの近辺は何度も何度も走ったことがあるおなじみの道だ。

そこから奥側へと、瀬戸内海沿いの砂浜が続いている。遠くの方は愛媛県だろうな。まるで鳥の目線で地形を見渡せる。山頂から下界を見渡すってのは登山していれば普通にできることなんだけども、眼下に市街地・さらには海岸線を間近に見下ろせるってのはなかなか限られるよね?

 

天空の鳥居3

あまり画角の自由が利かないので似たような写真ばかりで恐縮だが、何枚も似たような写真を撮りたくなるような絶景であることをご理解いただきたい。ただ、この写真は海の青さも広がる田園地帯も感じられるもので気に入っている。

 

もともとはここ、地元民以外にはそんなに知る人も少ない穴場スポットだったらしい。それがSNSの普及に伴い、映えスポットとして爆発的に知名度が上がったらしいな。

 

天空の鳥居4

確かに、SNSが世に普及する前のツーリングマップルが手元にあったので見てみたら、そこには天空の鳥居や高屋神社をピックアップしたコメントがない。

もしツーリングマップルに掲載されていたなら、昔からそのすべてのコメントをチェックしている僕は、もっと早い段階でここを訪問していただろうからな。

 

天空の鳥居5

鳥居をくぐってから見上げてみた。一番奥チラッとだけ見えているのが、先ほど参拝した高屋神社の本宮だ。

そしてここからは、徒歩ルートの最終盤のハイライトを見下ろすことができる。

 

天空の鳥居6

うっほぉぉーー!!すごい!!急な階段が下界まで一直線だ。なんて美しいんだ。

上から見下ろしても見事だが、下界から自分の足で一歩一歩登って来たなら、一段登るごとに高度を感じられ、振り返って徐々に広がる絶景に感動し…っていうシチュエーションを味わえるのだろうなぁ。

ゴメン、僕はラクをしてしまったよ。しかし素晴らしかったよ。今回来れて良かった。

 

帰り道

崇高な気持ちで参拝しに来たわけではなく、絶景目当てにノコノコ来てしまった高屋神社。だから少々申し訳ない気持ちもあるのだが、それでもいい思い出で満足感が胸に満ちている。

寒い中にも少しだけ春の気配を感じた山頂の風、2024年の思い出の中でもTOPクラスなんだぜ。

 

以上、日本7周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 高屋神社_天空の鳥居
  • 住所: 香川県観音寺市高屋町2800
  • 料金: 無料
  • 駐車場: あり
  • 時間: 特になし