週末大冒険

週末大冒険

ちょっと出かけてみないか。忘れかけていた、ワクワクを探しに。

No.241【栃木県】「日本列島の中心」の石碑を目指して!闇夜のキャンプ場を訪ねてみた!

秋も深まりつつある日の夜、僕が目指していたのは「蓬山ログビレッジ」である。

 

佐野市のかなり山深い自然豊かなエリアにある、キャンプ・バーベキュー・スポーツなど自然の中でのアクティビティを目的にした施設だ。

そんなところに夜に向かうのは、普通に考えればキャンプ予約をしておきながら大幅に遅刻した人くらいであろう。

 

僕の場合はそうではなかった。

じゃあ何をしに向かっているのかだって?

それは、蓬山ログビレッジ内にある「日本列島中心の碑」を見るためだ。

 

わかっている。目的は碑であっても、夜間に行くのが好ましくないことは。

しかし、他のスポットで遊んで時間を消費してしまい、そうこうしている間に暗くなってしまったのだ。

 

真っ暗な道を山の深部に向かってギャンギャン進む。

大丈夫。この先に光明あり、だ。

 

 

中心を求めるとき、僕らの脳はどう動くか

 

まずは、僕の目的である日本列島中心の碑についてご説明したい。

これな、読んで字のごとくだが日本の中心を示している碑なのだ。すっごい。

日本の中心は、栃木県佐野市の山の中にあったのだ。

 

ところがここで要注意である。

実は日本の中心は1つだけではない。日本各地に無数にある。

驚けよ、諸君。ぶっちゃけその数、30ほどもあるのだ。

 

drive-ns.hatenablog.com

 

それらの詳細については上記リンク先の【特集】をご覧いただきたい。

そしてこの無数の日本の中心を全部巡ってみたいと夢見ているのが、この僕だ。驚けよ、諸君。

 

さて、なんで中心がいくつもあるのか。

それは様々な概念が存在するからだ。

「中心とはかくあるべき」という理論も法律も存在しない。

だからみんなフリーダムに日本の中心を作っている。

 

もちろん僕が目指してる日本列島中心の碑にも、ちゃんと日本の中心だと名乗れる定義がある。

 

 

現地の説明板をかつて撮影した写真である。

 

一番上の「佐野市」のところに修正テープが貼ってあって気になるが、たぶんこれ昔は「田沼町」って書かれていたんだと思う。

2005年までここは田沼町だったが、佐野市に合併されたのだ。

上の説明板と田沼町の名前、あとあと重要になるから覚えておいてほしい。

 

あ、そして肝心な日本の中心である根拠だ。

 

 

北海道本土の最北端である「宗谷岬」、そして九州本土の最南端である「佐多岬」。

それらの中間点を、日本海側と太平洋側から割り出した。

日本海側は新潟県上越市内であり、太平洋側は茨城県神栖市内だったらしい。

 

さらにこの上越市内ポイントと神栖市内ポイントを結ぶラインの中心地。それが蓬山ログビレッジの日本列島中心の碑である。

 

この理論、一見すると沖縄県がまるまる眼中に無く、ちょっと乱暴に思われるかもしれない。

…だがしかしだ。

 

 

「この真ん中はどこでしょう」と聞かれた場合。

左下の小さな図形が気になるものの、たいていの人は右上の大きな図形のおおよそ中心を指し示すであろう。

それすなわち、質量が小さいものは省いて中心を求めているということだ。

 

これが良いとか悪いとかではない。

ただ、我々がなんとなく本能で中心を定義する行為を理論化したのが、この日本列島中心なのだなぁって思ったよ。

 

 

何だって「最初」は印象的なのだ

 

日本3周目を走る、ある春の朝。

佐野市にある「道の駅 どまんなか たぬま」で朝を迎えた。

 

ファーストアプローチ1

とても爽やかな青空であった。

実は昨夜は春の嵐が吹き荒れ、すんごい暴風雨であった。

 

そんなゴーゴー風が吹き荒れる中、僕は栃木県に足を踏み入れていたのだ。

強風で木の葉っぱがベチベチとフロントガラスを直撃し、風でいろんなものが転がってくる、なかなかスリリングな体験であった。

 

そこから夜が明けてこの晴天。

こりゃ今日はいいことあるかもね。

 

蓬山ログビレッジは、ここから県道201号を北に22kmほどである。

愛車の日産サファリに乗り込み、エンジンをかけた。

 

ファーストアプローチ2

蓬山ログビレッジ、こんな場所だ。

最高過ぎる新緑が僕を出迎えてくれた。

 

木々の隙間にログハウスがチラチラと見えるであろう。

キャンプもできるので、シーズン中はあそこも賑わうと思われる。

 

ただ、まだこの春先のシーズンは営業していないのかもしれない。それか、現時刻である朝の6時台は営業していないのかもしれない。

なぜなら、駐車場にチェーンが張られていて駐車場にすら入れなかったからだ。

しょうがないので少し離れた路肩に停めた。

 

ファーストアプローチ3

改めて蓬山ログビレッジに入る。

するとメインと思われる管理棟の前に、ドデーンとわかりやすく日本列島中心の地の石碑があった。

 

おぉぉ!スゲー!!

ここが日本の中心なのか!!

もちろん自分でここに来たところで中心にいる実感は無いけど、このような碑があると途端にテンションが上がるものだな!

 

いくつもあるという日本の中心。

他にも巡ってみたい。今日明日で6つくらい巡りたい。

 

ファーストアプローチ4

-*-*-*-*-*-*-*-*

 

これが、僕が30近くある日本の中心を巡り始めた最初の1つ目であった。

記載の通り、この日と翌日で計6個の日本の中心を踏むこととなるのだが、その中でも栄えある最初の訪問地である。

 

初めて1人でおつかいをした日。初めて車を運転した日。初めてデートした日…。

何事も「最初」っていうのは印象深い。

 

僕の日本の中心巡りにとって、この地がその初めてなのだ。

強い南風で木々がしなる中、僕はこの碑を見上げた。

この先、長く長く続く冒険の始まりである。

 

その後市街地で警察官に呼び止められ、これもらった

 

 

闇の中で見い出せよ、僕らのお宝

 

時は流れて2022年の秋。

驚くほど早く日が暮れてしまった。秋、恐ろしい子

 

それでも僕は蓬山ログビレッジを目指さなければならなかった。

随分時間は押してしまったが、ここを省略して家路に着くことはできかねる相談だ。

 

時刻はまだ18時台ではあったが、山の中の県道201号は驚くほどに暗い。

道沿いにポツリポツリと民家はあるものの、街灯も店も無く、深夜のように静かである。

 

闇に浮かぶ石碑1

着いた。駐車場も空いていたので入れた。

しかし真っ暗で、ここからどっちの方向に行けばいいのかよくわからない。

 

闇に浮かぶ石碑2

「どこかに施設内のマップとかないかなー」と思ってそれっぽい掲示板に近づいた。

とりあえずサルに充分注意しなければならないことはわかったが、日本列島中心の地の石碑がどこにあるかと、サルに対しどのような注意をすべきかはわからなかった。

 

闇に浮かぶ石碑3

それでも僕は何となく覚えていた。

蓬山ログビレッジの管理棟みたいなところを目指せばいいんだろ?

ボンヤリと灯りの点いている建物の方に向かう。

 

闇に浮かぶ石碑4

うん、あった。そして暗い。

 

これは手持ちのハロゲンライトで照らしたものだ。

全然明るさが足りないな。

ちょっとそんな予感がしていたぜ。「石碑、ライトアップなんかされていないよな」って。

 

まぁ見えないレベルではないが、ちょっと物足りないのは事実だ。

これどうするよ。

 

闇に浮かぶ石碑5

いくつかあるライトを使い、同行メンバーが「あーでもない、こーでもない」とお膳立てをしてくれた。

 

ちなみに碑の右後ろにある垂直にそそり立つ岩は「面白石(おもっちろいし)」というらしい。

 

闇に浮かぶ石碑6

説明板によれば、表い石が付着しているからだそうだ。

そっか。それってシャレ?リアクションに困る。

 

闇に浮かぶ石碑7

そうこうしているうちにライトアップが完了したようだ。

あ、なかなかいい感じ。

これで存分に撮影できるというのものだ。

僕らはひとしきり、記念撮影に勤しんだ。

 

闇に浮かぶ石碑8

ところで前回訪問時には気付かなかったのだが、石碑のすぐ足元にはこのような「日本の中心点」を示す標が打ってあった。

これは大事だ。キチンとこのようにピンポイントで根拠を示してくれているのは、とてもありがたい。

 

闇に浮かぶ石碑9

ただ、日本の中心の説明板はかなり劣化が進んでた。

 

最初の章で「田沼町」にシールが貼られて「佐野市」と上書きされている旨をご説明しただろう。

そのシールが剥がれてまた田村町に戻っている。あれあれ。

 

闇に浮かぶ石碑10

せっかくなので敷地内を少しだけ歩いた。

ほぼ真っ暗で懐中電灯を使わないと足元も怖いくらいであったが、なんとか歩けた。

 

コテージサイトでは、何グループかの人たちが談笑していた。

もう寒い時期だが、まだキャンプは楽しめる。楽しそうでいいじゃないか。

 

闇に浮かぶ石碑11

管理棟の入場時間は終わっていたが、中ではスタッフさんがまだ業務をしている様子であった。

願わくばお話など伺いたかったが、利用客でもない僕がこの時間に突撃するのは失礼にあたるので控えた。

 

闇に浮かぶ石碑12

周囲にはほとんど灯りがないので、見上げた空には星が瞬いていた。

 

再び僕がここに来ることはもう無いかもしれない。

だけどもかつて最初に僕が踏んだ日本の中心の地。

夜とは言え、またこうして来れたことに感謝する。

 

闇に浮かぶ石碑13

こうして闇夜の道をまた20㎞以上走り、僕は佐野の市街地を目指す。

 

 

田沼の道の駅で日本のど真中を感じよう

 

ここまでの記事を読み、「少しだけ興味があるけども佐野の市街地から片道20㎞もかけて蓬山ログビレッジまで行くのはシンドいな」と思っているあなたに朗報である。

 

ど真ん中・田沼1

前々章でちょこっと触れた"道の駅 どまんなか たぬま"。

これが文字通り「日本の真ん中は、かつての田沼町なんですよ」っていう意味の道の駅だ。

 

僕が昔訪問したときには日本の中心を示すエッセンスはこのネーミング以外になかった。

ただし2022年に再訪したらもう少し日本の中心アピールが進んでいるので、ここを目的地とすることで満足することも可能かもしれないぞ。

 

ど真ん中・田沼2

とりあえず日本の中心には関係ないけど、駐車場がすごかった。

これに触れずにいられるか。

あまりにスタイリッシュでビックリしたさ。

 

ど真ん中・田沼3

なにこの広々空間に全部屋根付き、しかも煌々と灯りで照られた空間。

もしここで車中泊しようとしたら、明るさ対策しないと朝まで眠れなさそうな、無機質で強力な灯りだ。

カッコイイけどもちょっと怖いくらいだ。

 

ど真ん中・田沼4

敷地内の中庭チックなところには、道の駅の解説20周年を記念するライトが地面に当たっていた。

ど感謝」…。初めて聞く日本語。

 

ど真ん中・田沼5

このときはもう夜の20時近かった。

残念ながら道の駅内の施設は全てクローズしてしまっていたが、とても綺麗でオシャレな道の駅であることは感じ取れた。

 

ど真ん中・田沼6

しかもミニ遊園地的なものもある!

子供向けの乗り物各種、そして一部エリアには線路まで引かれていてミニSLが走るそうだ。

 

僕は日本3周目で立ち寄った記憶しかなかったが、ずいぶんとバージョンアップしたのだね。すごい。

 

ど真ん中・田沼7

これは自販機内のパネルである。

日本列島と、ここが日本の中心であること・その根拠を示す線と点が書き込まれている。

これは嬉しいね。

 

自販機以外にも同じデザインの掲示があったが、夜間で最も写真映えするのが自販機だった。

あなたも気になるならば、探してみてほしい。

 

ど真ん中・田沼8

鉄道駅のような駅名標もあった。

「ゆめのくに ← どまんなか → はなのくに」

…なかなかにステキじゃないか。

 

夢にも花園にも手の届く、日本の中心の旧田沼町

今日の観光はここでお終いだ。いい終焉だった。

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 蓬山ログビレッジ
  • 住所: 栃木県佐野市作原町1271
  • 料金: 無料
  • 駐車場: あり
  • 時間: 日本列島の中心の石碑を見るだけであれば、特になし