週末大冒険

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ちょっと出かけてみないか。忘れかけていた、ワクワクを探しに。

No:027【香川県】日本版「ナスカの地上絵」か…!?巨大な寛永通宝の砂絵を見下ろそう!

人はなぜ、この大地に絵を描くのだろうか?

それは、この地上がなによりも勝る、巨大なキャンバスだからだろう。

 

人は大地に、何を描くのだろうか?

それは、欲望のまま、好きなものを描けばよいのだろう。

 

…じゃあ、「金(かね)」。

 

 

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民は描いた。

この大地に巨大な寛永通宝を。

 

今回はそんなスポットのご紹介。

なんで上記の写真がこんなにもゴショゴショした画質になっちゃったかも含め、日本3周目から6周目にかけて、計3回訪問した思い出を語っていきたい。

 

 

デイタイム・バージョン

 

砂浜にデッカい古銭の絵が描かれている。

…もうホント、これだけ言えばこの記事は99%完結する。あとは蛇足だ。

 

 

上にGoogleマップ衛星写真を引用した。

 

見事な寛永通宝が描かれている。

ちょっと楕円形なのは測量がヘタ、なのではなくって、横の展望台から見たときに綺麗に見えるよう計算しているからだ。

 

3回現地を訪問した僕としては、こうやってGoogleマップから眺めるのが一番綺麗な気もするが、せっかくなので現地リポートの内容もお届けしたい。

 

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展望台アプローチ1

県道21号線にある、「大滝洞門」。

三豊市観音寺市の境界にある洞門だ。あと5㎞ほどで、お目当ての寛永通宝

 

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展望台アプローチ2

あぁ、もう洞門の上に銭(ぜに)をチラつかせて、こっちの理性を奪いに来ていやがる。

もうたまんねー。金!金ッ!!

 

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展望台アプローチ3

「銭形展望台」まであと900mの標識。

この銭形展望台というのが、寛永通宝が描かれた「銭形砂絵」を見下ろすことができる展望台の名称。

 

標識の中にも寛永通宝が描かれている。

お金ー。お金ー。

僕も我を忘れていざなわれそうになる。

 

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展望台アプローチ4

ここは「道の駅ことひき」と「琴弾公園」が合併した敷地内。

展望台に行くには、一方通行の狭路をグイグイと登っていく必要がある。

 

展望台近くまでは、車で行くこともできる。

僕も車で上まで行ったこともあんだけど、今回は歩いてみるわ。天気いいし。

 

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展望台アプローチ5

3分前の自分の決断を大いに悔やむ。

これ、ツラいです。

ふくらはぎがパンパンになる。

 

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展望台アプローチ6

4月下旬だというのに、あまりの道のりのハードさで汗が噴き出す。

 

ヘロヘロになったころに、車道に出た。

さらにその車道を数分歩き、ようやく目指す展望台が見えてきた。

 

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寛永通宝1

ここが展望台の1つ、「象ヶ鼻岩」だ。

結論から言うと、数あるこの丘の展望所の中で、ここが最高だ。

 

眺めだけでなく、この象ケ鼻岩自体もなかなかフォトジェニック。

では、岩に登って砂絵を見下ろしてみようか。

 

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寛永通宝2

…こうなったね。

眩しくって貨幣の模様がよく見えない。なんか松林に円形脱毛症ができているな、みたいな認識。

 

これが銭形砂絵だ。

本来であればクッキリと模様の凹凸がわかるのだが、日の当たる方角が悪かったのか、メンテナンスが不十分だったのか…。

 

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寛永通宝3

遥か彼方、瀬戸内海の波打ち際に数人の人がいるのが、おわかりだろうか。

これで、どれだけこの砂絵が巨大なのか想像できると思う。

 

しかし、あなたにとってはまだこれは、ただの巨大な円であろう。

巨大さは想像できても、貨幣の模様までは想像できないだろう。

 

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寛永通宝4

だから僕は、苦労して画像加工をした。

どうにかこうにか、これで貨幣の模様が浮かび上がったぞ。

 

 

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展望台アプローチ7

また歩いてふもとに戻ろうとしたとき、道に分岐があってさらに別の展望台に行けることに気付いた。

標識に沿って歩くと現れた展望台。これが「天狗山展望広場」の展望台だ。

 

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寛永通宝5

うん、寛永通宝ぜんっぜん見えねー。

金運のかけらも感じねー。

 

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寛永通宝6

観音寺市の市街地なら木々の間から見えた。

ほんのちょこっとだけ。

 

Web上でも取り上げられることが少なく、そのわずかな記録も酷評が多いという、不憫な展望台。

 

 

今回は、せっかくの砂絵の陰影がよくわからず、ちょっと消化不良だったかな…。

この砂絵を、バッチリ陰影をつけて見る方法。

それは、夜間のライトアップ時間帯に訪問することだ。

 

では、夜の様子を次項でご紹介しよう。

 

 

ナイト・バージョン

 

僕はここを夜間訪問したことが2回ある。

なぜか昼よりも多い。その2回分の写真をブレンドさせて掲載する。

 

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展望台アプローチ8

展望台に向け、細い道を車で淡々と登っていく。

 

周囲は真っ暗だ。どこが展望台なのかも標識が少なく、「まだかなー?そろそろのハズなんだけどなー。」と、結構不安になる。

 

そのうち、前方をゆっくりゆっくりと走る軽自動車。

それを追跡しながら引き続き走る。

 

軽自動車が停まった場所。おそらくそれが銭形展望台だ。

僕も愛車を続けて停車する。

 

中から出てきたのは、1人の若い女性。真っ暗な中、展望台に行くのかな?

当然僕も目的は展望台なので進行方向は一緒なのだが、ストーカーと間違えられそうで懸念を感じる。

5分待ってから動き出そう。

 

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展望台アプローチ9

歩行自体が危険なほどに真っ暗だけど、なんとか展望台を発見。

そちらに向かう。

なぜか先ほどの女性の姿は見えない。まぁいっか。

 

ここが「象ヶ鼻銭形展望台」。

 

デイタイム・バージョンでご紹介した象ヶ鼻岩からは数10mしか離れていないが、夜は本当に視界が効かないので、岩はわかりづらい上に危険だと思う。

わずかでも照明のある展望台を目指すのが無難。

 

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寛永通宝7

 

緑。

 

寛永通宝は、若葉の季節みたいなグリーンにライトアップされていた。

この幻想的な光景に、結構感動。

 

今でこそWeb検索すればモリモリとこの画像は出てくるが、僕が日本3周目を走っていた頃は、このナイトバージョンはほぼ情報がなかったのだ。

ただ「夜はライトアップされる」という情報は掴んでいたので、実際に見に来てみたい次第。

 

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寛永通宝8

この展望台からだと、貨幣の下の部分が若干木々に隠れてしまう。

その点で、象ヶ鼻岩からの眺めに軍配が上がる。

 

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寛永通宝9

夜景と共に撮影してみよう。

手ブレを防ぐため、カメラを展望台の手すりに乗せてシャッターを切る。

 

そのせいで砂絵はずいぶん隠れてしまったが、かろうじて残照を感じられる写真になったと思う。

実際肉眼で見るとこんな感じであった。

 

では、これにて山を下りよう。

 

 

銭形砂絵のアレコレ

どれだけのビッグマネーか

 

ビッグマネーの意味を履き違えてしまっていて申し訳ないが、ここではサイズ感を語るつもりだ。

 

この砂絵は、縦の長さが122m、横の長さが90m、周囲は345mの楕円形。

なぜ楕円形なのかは、冒頭でご説明の通り。

 

貨幣の図柄は、砂の凹凸で表現している。

最大で2mほどの凹凸があり、年に2階、地元の人たちで砂絵を綺麗に整えているから、こうやって僕らは景観を楽しむことができるのだ。

 

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寛永通宝10

しっかし、僕が訪問したときはメンテナンス直後だと思うのに、なんであんなにも凹凸がなかったんだろうなー。

 

今日も僕は画像をいじる。

もっと彫りが深くなれ、もっと深くなれ、「平井堅さん」のような彫りの深さになれ、と。

 

人はなぜ、砂に貨幣を描いたか

 

これは諸説あるようだが、だいたい共通しているのは「江戸時代に偉い人(領主とか)が視察に来ることになった。歓迎の気持ちを表すために、一晩で作った。」みたいなヤツ。

 

一番有名な説では、上記イベントは1633年(寛永10年)に行われたそうで、つまり今から400年前。

400年前の砂絵が、人々の手でメンテナンスされながら、現代にまで残っているのだ。すごい。

 

年号も「寛永」だから、当時のオーディエンスは「うぉぉ!!」って興奮するかもしれないけど、実は寛永通宝が鋳造されたのは1636年なので、1633年にはまだ存在しない。タイムパラドックスがここに生じた。

 

まぁ事前にデザインとか情報あればできるけどね。

渋沢栄一さん」の1万円札だって、2024年から発行されるが、デザイン案は既に公表されているので、偽札だって作れる。

一瞬でバレるだろうけど。

 

寛永通宝の当時の価値ってどのくらいなんだろう?って思った。

 

ja.wikipedia.org

 

調べてみると、種類は複数ある。

約1000種類ある。知らなかった。

 

その見分け方は裏面を見ないといけなかったりするので、銭形砂絵がどのグレードの寛永通宝をモチーフとしているのは、ちょっとわからなかった。

でも1文~4文とのことで、あまり高価なものではなかったようだ。

 

今の感覚だと、「僕らの学校に小池都知事が訪問されるぞ。よーし、でっかい10円玉を校庭に描いておこう。都知事に屋上から見下ろしてもらえば、きっと喜ぶぞー!」…みたいな感じか。

ホントに喜ぶのか??

 

だからこそ、僕は願う。

前述「渋沢栄一の1万円札」のように、寛永通宝が発行されるちょっと前にデカデカと砂に絵を描いて、新しい時代の到来を領主と共に祝ったことを。

 

寛永通宝で買い物できる街

 

「マジか!?」・「江戸時代か!?」という声が聞こえてきそうだが、これはマジな話だ。

銭形砂絵のある観音寺市では、2010年に地域起こしの一環として、買い物に寛永通宝が使用できるようになった

 

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寛永通宝11

まさかの現役カムバックだ。

引退して安らかな眠りについていた寛永通宝さんとしても、これは青天の霹靂であったろう。

 

商店街の、このキャンペーン加入店において、寛永通宝1枚を30円としてショッピングできるそうだ。

レジの人とか、大変そうだな…。

 

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寛永通宝12

しかし、ガチの寛永通宝を持っている人って、この時代にどのくらいいるんだ?

そして、それを商店街のショッピングで1枚30円で手放してしまうような酔狂な人は、どのくらいいるんだ?

 

万一寛永通宝をもっていたとしても、だ。

寛永通宝は、バージョンによっては数10万円とかの価値もあるから、一律30円で消費してしまうのはもったいないかもしれないぞ。

 

 

このキャンペーンが果たして地域起こしになったのかどうかは知らない。

しかし銭形砂絵は、僕の記憶には鮮烈に焼き付いた。

当時の領主も、さぞや驚いたであろう。 

 

今も昔もユニークな発想力を持つ観音寺市の人、好きだ。

 

 

以上、日本6周目を走る旅人YAMAでした。

 

 

住所・スポット情報

 

  • 名称: 銭形砂絵
  • 住所: 香川県観音寺市有明町
  • 料金: 無料
  • 駐車場: 展望台脇に少数あり。あるいは、「道の駅ことひき」・「琴弾公園」から徒歩で10数分。
  • 時間: 特になし。ライトアップは日没~22:00